JP4157348B2 - プローブの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、走査型プローブ顕微鏡に用い、先端に開口を有するプローブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気化学反応の研究や生物電気化学現象の研究のために、溶液中で観察をおこなうことができる走査型プローブ顕微鏡の一種である、電気化学走査型トンネル顕微鏡(電気化学STM)や走査型電気化学顕微鏡(SECM)等が用いられてきた。これらの顕微鏡では、測定の邪魔になるバックグラウンド電流を抑え、かつ局所的な電気化学測定を可能にするため、開口面積の極めて小さい微小電極を有するプローブが用いられている。
【0003】
また、従来の光学顕微鏡の観察分解能の限界を超えて、光の波長よりも小さい対象を観察できる、近視野光学顕微鏡(SNOM)も用いられてきた。SNOMも走査型プローブ顕微鏡の一種であり、光伝搬材料を尖鋭化させ周囲を遮光膜でコーティングし、その先端に微小開口を形成したプローブを用いている。
【0004】
以上に挙げた走査型プローブ顕微鏡は、材料は異なるが、いずれもプローブ先端に微小開口を形成する必要がある。その微小開口の直径は、電気化学STMやSECMにおいては1μm以下、SNOMにおいては光の波長以下とされており、微小開口サイズは観察分解能に密接に関わっている。そのため、微小開口の形成は、上記の走査型プローブ顕微鏡において、最も重要な工程であるといえる。
【0005】
従来、電気化学STMやSECMプローブを製造する方法としては、白金もしくはタングステンの細線の一端を電気化学的方法もしくは機械的な方法により尖鋭化し、金属線全体を絶縁性の樹脂で被覆、その後、最先端部分の樹脂を有機溶剤により除去する方法が一般的に使用されていた。(第1の方法)
また、金属線全体を絶縁性材料で被覆する方法としては、他に化学的気相堆積(CVD)法を使用して、窒化シリコンや炭化シリコンの薄膜を最先端部分以外に選択的に成膜することにより、プローブを製造した例も報告されている。(第2の方法)
また、直径1〜数十μmの炭素繊維や金属細線をガラス管内に封入し、それを切断した断面を用いて微小電極とする方法も広く用いられている。(第3の方法)
また、SNOMプローブの開口作製方法が、提案されている(特許文献1参照)。この開口作製方法は、開口を形成するための試料として、先鋭化した光波ガイドに遮光膜を堆積したものを用いている。開口の形成は、遮光膜付きの先鋭化した光波ガイドを圧電アクチュエータによって良好に制御された非常に小さな押しつけ量で硬い平板に押しつけることによって、先端の遮光膜を塑性変形させている。
【0006】
またこの他にも、SNOMプローブの開口の形成方法が、提案されている(特許文献2参照)。この開口の作製方法において、開口を形成する対象は、平板上に集束イオンビーム(FIB)によって形成された突起先端である。開口の形成は、プローブ先端の遮光膜に、側面からFIBを照射し、プローブ先端の遮光膜を除去することによって行っている。
【0007】
【特許文献1】
特公平5−21201号公報(第4頁、第5図)
【0008】
【特許文献2】
特開平11−265520号公報(第6−7頁、第9図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法には以下のような問題点が存在する。
【0010】
まず、電気化学STMやSECMプローブを製造する第1の方法では、最先端部分の樹脂を除去する際に、樹脂被覆の最先端部分のみを有機溶剤に浸漬するか、有機溶剤を揮発させた雰囲気中に暴露することにより、尖鋭化した金属線の最先端部位を露出させている。このような方法では、最先端部分の直径1μm以下の微小な領域のみの樹脂を選択的に除去するには熟練を要し、なおかつ露出する最先端部位の面積を一定に保つことは非常に困難である。
【0011】
次に、電気化学STMやSECMプローブを製造する第2の方法では、最先端部分のみを露出させるためには、最先端部分をあらかじめマスクした状態でCVD法により成膜を行うか、CVD法で成膜を行ったあと、最先端部分の薄膜のみを選択的に除去しなければならず、いずれの場合も複雑な工程が必要であり、高精度な開口形成は困難である。
【0012】
また、電気化学STMやSECMプローブを製造する第3の方法では、微小開口のサイズは、小さくても高々1μm前後であった。
【0013】
さらに、SNOMプローブを製造する特許公報平5−21201の方法によれば、移動分解能が数nmの圧電アクチュエータによって押し込み量を制御する必要があるため、開口形成装置をその他の装置や空気などの振動による影響が少ない環境におかなくてはならない。また、光伝搬体ロッドが平板に対して垂直に当たるように調整する時間がかかってしまう。また、移動量の小さな圧電アクチュエータの他に、移動量の大きな機械的並進台が必要となる。さらに、移動分解能が小さな圧電アクチュエータをもちいて、押し込み量を制御するさいに、制御装置が必要であり、かつ、制御して開口を形成するためには数分の時間がかかる。したがって、開口作製のために、高電圧電源やフィードバック回路などの大がかりな装置が必要となる。ゆえに、開口形成にかかるコストが高くなる問題があった。
【0014】
また、SNOMプローブを製造する特開平11−265520の方法によれば、加工対象は平板上の突起であるが、FIBを用いて開口を形成しているため、一つの開口の形成にかかる時間が10分程度と長い。また、FIBを用いるために、試料を真空中におかなければならない。従って、開口形成にかかる作製コストが高くなる問題があった。
【0015】
この発明は、上記走査型プローブ顕微鏡のプローブ先端に形成される開口の製造方法を改良することによって、上述のような問題点を取り除くものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、先端に開口を有する走査型プローブ顕微鏡のプローブにおいて、プローブ先端の先鋭部の被膜を、先鋭部以外の被膜よりも薄く形成し、開口の形成の有無を監視しながら被膜をエッチングすることで、前記の薄く形成された先鋭部被膜が最も早く除去され、プローブ先端に微小な開口を形成することができる。これにより精確に制御された開口を有する走査型プローブ顕微鏡のプローブを低コストに製造することができる。
【0017】
また本発明は、開口形成の有無を電気的もしくは光学的に監視することにより、精確に制御されたサイズの開口を得ることができる。
【0018】
また本発明は、先端に開口を有する走査型プローブ顕微鏡のプローブにおいて、プローブに被膜を形成し、被膜上に犠牲層を、プローブの先鋭部上方が、他の部分よりも薄くなるように形成し、犠牲層のエッチングを、先鋭部上の前記被膜が露出することの有無を監視しながらおこない、犠牲層をエッチングマスクとすることにより、被膜を局所的にエッチングすることで、プローブ先端に開口を形成することができる。これにより精確に制御された開口を有する走査型プローブ顕微鏡のプローブを低コストに製造することができる。
【0019】
また本発明は、被膜の露出の有無を電気的もしくは光学的に監視することにより、精確に制御されたサイズの開口を得ることができる。
【0020】
また本発明は、前記の局所的エッチングを、開口の形成の有無を監視しながらおこなうことにより、精確に制御されたサイズの開口を得ることができる。開口形成の有無の監視は電気的もしくは光学的な手法によっても良い。
【0021】
また本発明は、プローブ先鋭部の先端からプローブの内部を通る線を軸として、プローブを回転させ、膜材料源から飛行させた膜材料を、前記軸と垂直に前記プローブ表面へ入射させて、プローブ表面に被膜を形成する。これにより、プローブ先端の先鋭部の被膜を、先鋭部以外の被膜よりも薄く形成することができる。
【0022】
また本発明は、電気的に監視しながらエッチングをおこなう場合、エッチングに用いるエッチャントと、エッチャントを溜める容器と、エッチャント中に固定された電極と、電極とプローブの間の電気抵抗を測定する抵抗計とを有する装置を用いることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1、2は本発明の実施の形態1にかかわる、電気化学STMプローブまたはSECMプローブの製造方法を示す図である。
【0025】
図1は先端に先鋭部106をもつ金属線101に電気絶縁性の被膜102を形成するための真空蒸着装置を示す。この真空蒸着装置のチャンバー103の下部には蒸着源104が設置されており、チャンバー103の上部には金属線101が、前記先鋭部106先端から前記金属線101の内部を通る線を軸として、つまり前記金属線101の長手方向を軸として回転するように取り付けられている。蒸着源104が加熱されると、蒸着源104から発生した被膜材料105はチャンバー103中を飛行し、金属線101に付着する。金属線101は長手方向を軸として回転しているから、金属線101の周囲には被膜102が形成される。被膜材料105同士は互いに衝突せずに一方向に金属線101に到着するから、先鋭部106の先端の被膜102は、他の部分の被膜102より薄くなっている。
【0026】
上記の例では、被膜102の形成に真空蒸着装置を用いているが、スパッタリングやCVD法によって形成しても良い。ただし、先鋭部106の先端の被膜102が、他の部分の被膜102より薄くなる必要がある。
【0027】
図2は金属線101の周囲に形成された被膜102のエッチングをおこなう装置を示す。この装置はエッチング槽201をもち、エッチング槽201には被膜102のエッチングをおこなうエッチャント202が満たされている。エッチャント202は導電性をもつ。そこで、被膜102が形成された金属線101を、先鋭部106を下にして、エッチャント202に浸漬する。ただし、金属線101全体をエッチャント202に浸漬せず、金属線101の先鋭部106側の一部をエッチャント202に浸漬すればよい。エッチング槽201中には、先鋭部106に対向する位置に、電極203が設けられている。電極203は被膜された配線204を用いて抵抗計205に接続され、さらに抵抗計205は配線206を用いて金属線101と接続されている。
【0028】
エッチャント202中で被膜102がエッチングされると、次第に被膜102の膜厚が薄くなる。先鋭部106の先端の被膜102は、他の部分の被膜102より薄くなっているから、エッチングが進行すると、最初に先鋭部106の先端が被膜102から露出し、開口207を形成する。被膜102によってエッチャント202と絶縁されていた先鋭部106が、開口207の形成によって、エッチャント202と電極203と導通を得ることができ、抵抗計205を用いて導通を検出することができる。導通を検出した後、金属線101をエッチャント202から引き上げて被膜102のエッチングを停止させる。開口207のサイズは数十nmから数百nmとすることができる。
【0029】
以上説明したように、本実施の形態によれば、先鋭部をもつ金属線形状の電気化学STMプローブまたはSECMプローブにおいて、電気的手法によって精確に制御されたエッチングによって、精確に制御された数十nmから数百nmのサイズの開口を得ることができる。また、本実施の形態は本質的にはエッチングによる開口形成であり、また装置も安価に構成できるため、低コストに電気化学STMプローブまたはSECMプローブを製造することができる。
【0030】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2にかかわる、電気化学STMプローブまたはSECMプローブの製造方法を示す断面図である。
【0031】
まず、図3(a)に示すように、基板1101の上面に錐状の突起1102を形成する。基板1101と突起1102は、同じ材料でも良いし、それぞれ異なる材料であっても良い。例えば、同じ材料であれば、基板1101をエッチングすることで、突起1102を形成することができる。異なる材料であれば、基板1101の上面に突起1102を付加加工で形成することができる。基板1101と突起1102は導電性の材料を用いる。例えば、突起1102には金や白金やタングステンなどを用いることができる。
【0032】
次に、基板1101と突起1102上に犠牲層301を堆積させる。犠牲層301の厚さは、突起1102の高さよりも厚くする。その後、犠牲層301の表面を研磨し、突起1102に由来する犠牲層301の凹凸を除去する。犠牲層301の表面を研磨した後の状態を図3(b)に示す。犠牲層301を二酸化シリコンとすればCVD法を用いて形成することができる。
【0033】
次に、犠牲層301のエッチングをおこなう。犠牲層301のエッチングを進行させると、図3(c)に示すように突起1102が露出し、開口302が形成される。犠牲層301のエッチングは、開口302の形成の有無を監視しながらおこなう。犠牲層301に二酸化シリコンを用いた場合、エッチャントにはフッ化水素酸水溶液やフッ化水素酸緩衝溶液を用いることができる。
【0034】
開口302形成の有無の検出法として、図4に示すエッチング装置を用いて電気的に行うことができる。エッチング槽402中には犠牲層301をエッチングするエッチャント403が満たされている。エッチャント403は導電性を持つ。基板1101を覆うカバー401により、犠牲層301のみがエッチャント403にさらされる。また、カバー401は導電性を持たないため、基板1101と突起1102はエッチャント403と電気的に絶縁された状態である。基板1101には被覆された配線406が取り付けられ、抵抗計405に接続されている。エッチャント403中の、突起1102に対向する位置に、電極404が配置され、被覆された配線407により抵抗計405に接続されている。基板1101と突起1102と犠牲層301からなる加工対象物がエッチャント403中に投入されると、犠牲層301のエッチングが開始する。ここで、犠牲層301とカバー401は電気を通さないから、抵抗計405により測定される抵抗値は絶縁状態を示す。犠牲層301のエッチングが進行すると、突起1102が露出し、開口302が形成される。開口302のために、突起1102とエッチャント403と電極404が導通し、抵抗計405により測定される抵抗値は導通状態を示す。この導通状態を検知することで、開口302の形成を検出することができる。
【0035】
また、開口302形成の有無の検出法として、図5に示す手法によっておこなうこともできる。レーザ光源501は入射光502を発生させている。入射光502は犠牲層301表面で反射し、反射光503を生じている。ここで、犠牲層301のエッチングが進行し、開口302が形成されると、開口302に照射された入射光502は、反射光503だけでなく、開口302のために散乱光504を生じる。この散乱光504を検出することで、開口302の形成を検出することができる。また、犠牲層301のエッチングの際に、基板1101が損傷するのを防ぐため、基板1101を覆うカバー505を用いる。
【0036】
ここで再度、図3に戻って説明する。図3(c)に示すように開口302が形成されると、プローブとして使用可能となる。開口302は数十nmから数百nmのサイズとすることができる。しかし、これをプローブとして観察に用いた場合、開口302の周囲の犠牲層301が観察試料と干渉する場合がある。この場合、以下の加工をおこなうと良い。
【0037】
開口302を中心に犠牲層301上にエッチングマスク303を形成する。エッチングマスク303の形状は円形や三角形、四角形などの多角形を用いることができる。エッチングマスク303の位置精度や形状精度は1μmから10μm程度でもよく、容易に実施できる。エッチングマスク303を用いて、犠牲層301の等方性エッチングをおこなうと、図3(d)に示すように犠牲層301は突起1102を包含する形で加工され、被膜304が形成される。エッチングマスク303にはフォトレジストを用いることができる。犠牲層301に二酸化シリコンを用いた場合、エッチャントにはフッ化水素酸水溶液やフッ化水素酸緩衝溶液を用いることができる。
【0038】
被膜304が形成された後、エッチングマスク303を除去すると、図3(e)に示すような電気化学STMプローブまたはSECMプローブが完成する。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態によれば、平面基板に突起を持つ形状の電気化学STMプローブまたはSECMプローブにおいて、電気的または光学的手法によって精確に制御されたエッチングによって、精確に制御された数十nmから数百nmのサイズの開口を得ることができる。また、本実施の形態は本質的にはエッチングによる開口形成であり、また装置も安価に構成できるため、低コストに電気化学STMプローブまたはSECMプローブを製造することができる。
【0040】
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3にかかわる電気化学STMプローブの製造方法を示す断面図である。
【0041】
まず、基板1101の上面に錐状の突起1102を形成する。基板1101と突起1102は、同じ材料でも良いし、互いに異なる材料であっても良い。例えば、同じ材料であれば、基板1101をエッチングすることで、突起1102を形成することができる。異なる材料であれば、基板1101の上面に突起1102を付加加工で形成することができる。基板1101と突起1102は導電性の材料を用いる。例えば、突起1102には金や白金やタングステンなどを用いることができる。
【0042】
次に、図6(a)に示すように、基板1101と突起1102上に被膜601を堆積させる。被膜601の厚さは、被膜601の材質によって異なるが、数10nmから数100nmである。被膜601は電気絶縁性の材料である。例えば、被膜601は窒化シリコンとすれば、CVD法を用いて形成することができる。エポキシ、シリコーンなどをスピンコート、スプレーコート、ローラーコートによって形成しても良い。
【0043】
さらに、被膜601上に犠牲層602を堆積させる。犠牲層602の厚さは、突起1102の高さと被膜601の厚みをあわせた高さよりも、厚くする。その後、犠牲層602の表面を研磨し、突起1102に由来する犠牲層602の凹凸を除去する。犠牲層602の表面を研磨した後の状態を図6(b)に示す。犠牲層602を二酸化シリコンとすれば、CVD法を用いて形成することができる。
【0044】
次に、犠牲層602のエッチングをおこなう。犠牲層602のエッチングを進行させると、図6(c)に示すように被膜601の突起部が露出し、露出部603が形成される。犠牲層602のエッチングは、露出部603の形成の有無を監視しながらおこなう。犠牲層602に二酸化シリコンを用いた場合、エッチャントにはフッ化水素酸水溶液やフッ化水素酸緩衝溶液を用いることができる。
【0045】
露出部603形成の有無の検出法は、実施の形態2における図5で説明したレーザを用いた開口302形成の検出法と同様な方法でおこなうことができる。
【0046】
露出部603が形成された後、犠牲層602のエッチングを停止させる。ここで、被膜601のエッチングをおこなう。被膜601のエッチャントは、まず露出部603をエッチングし、それが完了すると犠牲層602に覆われた部分の被膜601をエッチングする。被膜601のエッチングによって、図6(d)に示すように、突起1102が露出し開口604が形成される。開口604が形成されたら、直ちに被膜601のエッチングを停止させる。開口604は数十nmから数百nm程度のサイズとすることができる。被膜601のエッチャントは、犠牲層602と突起1102を侵さないことが必要である。例えば、犠牲層602に二酸化シリコン、被膜601に窒化シリコン、突起1102に金や白金を用いた場合、熱リン酸を用いることができる。
【0047】
また、被膜601のエッチングに反応性イオンエッチング(RIE)等のドライエッチングを用いることができる。
【0048】
また、開口604の有無の検出法は、実施の形態2における図4で説明した電気抵抗を用いた開口302形成の検出法と同様な方法でおこなうことができ、この場合、より精度良く数十nmの精度で開口604のサイズを制御できる。
【0049】
次に、犠牲層602を除去する。犠牲層602の除去に際して、被膜601と突起1102が損傷しないことが必要である。犠牲層602を除去すると、図(e)に示すような開口604を有するプローブが完成する。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態によれば、開口604をエッチングによって作製することができるため、高速かつ低コストに電気化学STMプローブまたはSECMプローブを作製することができる。また、従来のエッチング法とは異なり、開口形成用のエッチングマスクを用いることができ、かつ、そのエッチングマスクを犠牲層602のエッチングにより突起1102の頂点の位置に自動的に位置合わせして形成できることから、より高速かつ低コストで品質のそろったプローブを作製することができる。また、従来のエッチング法では困難な、反応性イオンエッチング(RIE)等のドライエッチングを使用することもできるため、より制御性の良いエッチングをおこなうことができる。
【0051】
以上説明した実施の形態では、電気化学STMプローブについて記述したが、近視野光プローブについても同様な方法によって製造できる。この場合、基板1101と突起1102に光学的に透明な材料を用い、被膜601に金属を用いることができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、先鋭部をもつ金属線形状の電気化学STMプローブまたはSECMプローブにおいて、電気的手法によって精確に制御されたエッチングによって、精確に制御されたサイズの開口を得ることができる。また、エッチングによる開口形成であり、また装置も安価に構成できるため、低コストに電気化学STMプローブまたはSECMプローブを製造することができる。
【0053】
また、本発明によれば、平面基板に突起を持つ形状の電気化学STMプローブまたはSECMプローブにおいて、電気的または光学的手法によって精確に制御されたエッチングによって、精確に制御されたサイズの開口を得ることができる。また、エッチングによる開口形成であり、また装置も安価に構成できるため、低コストに電気化学STMプローブまたはSECMプローブを製造することができる。
【0054】
また、本発明によれば、開口604をエッチングによって作製することができるため、高速かつ低コストに電気化学STMプローブまたはSECMプローブを作製することができる。また、従来のエッチング法とは異なり、開口形成用のエッチングマスクを用いることができ、かつ、そのエッチングマスクを犠牲層602のエッチングにより突起1102の頂点の位置に自動的に位置合わせして形成できることから、より高速かつ低コストで品質のそろったプローブを作製することができる。また、従来のエッチング法では困難な、反応性イオンエッチング(RIE)等のドライエッチングを使用することもできるため、より制御性の良いエッチングをおこなうことができる。
【0055】
また、本発明によれば、高速かつ低コストに品質のそろったSNOMプローブをも作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかわる真空蒸着装置を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかわるエッチング装置を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかわる電気化学STMプローブまたはSECMプローブの製造法を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2にかかわるエッチング装置を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2にかかわる開口形成の有無を監視する装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態3にかかわる電気化学STMプローブ、SECMプローブまたは、SNOMプローブの製造法を示す断面図である。
【符号の説明】
101 金属線
102 被膜
103 チャンバー
104 蒸着源 105 被膜材料
106 先鋭部
201 エッチング槽
202 エッチャント
203 電極
204 配線
205 抵抗計
206 配線
207 開口
301 犠牲層
302 開口
303 エッチングマスク
304 被膜
401 カバー
402 エッチング槽
403 エッチャント
404 電極
405 抵抗計
406 配線
407 配線
501 レーザ光源
502 入射光
503 反射光
504 散乱光
505 カバー
601 被膜
602 犠牲層
603 露出部
604 開口
1101 基板
1101 突起

Claims (5)

  1. 電気的あるいは光学的な被膜を有し、先端に前記被膜の開口を有するプローブの製造方法であって、
    前記プローブに前記被膜を形成する工程と、
    前記被膜上に犠牲層を、前記プローブの先鋭部上方が、他の部分よりも薄くなるように形成する工程と、
    前記犠牲層のエッチングを、前記先鋭部上の前記被膜が露出することの有無を監視しながらおこなう工程と、
    前記エッチングにより前記被膜が露出した前記犠牲層をエッチングマスクとし、前記被膜の局所的なエッチングを、前記開口の形成の有無を監視しながらおこなう工程と、
    前記犠牲層を除去する工程と、を有することを特徴とするプローブの製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法であって、前記被膜の露出の有無を電気的に監視することを特徴とするプローブの製造方法。
  3. 請求項1記載の製造方法であって、前記被膜の露出の有無を光学的に監視することを特徴とするプローブの製造方法。
  4. 請求項1記載の製造方法であって、前記開口の形成の有無を電気的に監視することを特徴とするプローブの製造方法。
  5. 請求項1記載の製造方法であって、前記開口の形成の有無を光学的に監視することを特徴とするプローブの製造方法。
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