JP3600433B2 - 走査型プローブとその製造方法及び走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブとその製造方法及び走査型プローブ顕微鏡 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、走査型プローブ顕微鏡に用いられるプローブ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
SNOAM(Scanning Nearfield Optical Atomic Force Microscope)すなわち走査型近視野原子間力顕微鏡においてなされる近接場光学測定に用いられるプローブの従来例が、図11に示される。
【0003】
図11において、この種のプローブ101は、光伝送用の光ファイバーによって作製される。より詳しくは、光ファイバーを、いわゆる加熱引っ張り法に従い、加熱してテーパー状に細く引き延ばして小口径に絞り針状に先鋭化した後、切断して微小開口102を担う先端部を形成する。そして、ベント工程後、さらにその先端を除く光ファィバー全体の外周部に例えばアルミニウムを約100nmの厚さに傾斜回転蒸着法でコートすることによって、プローブ101が作製される。
【0004】
かかるプローブ101には、先鋭化の施されていない光ファイバーのもう一端側103からレーザー光が導入され、プローブ先端の微小開口102から試料表面に対して光が出力されるようにしている。これにより、試料表面より生じた散乱光を試料の近傍に置かれた対物レンズで集光しSNOAM像(NSOM像)を得るイルミネーションモード(大津元一:応用物理,第65巻,第1号(1996)pp.2−12参照)を含む近接場光学測定が達成される。
【0005】
一方、このプローブ101は、AFM(Atomic Force Microscope )すなわち原子間力顕微鏡としての観測にも用いることができる。AFMの場合は、試料とプローブとの相互作用によって生じるレバー部10Lの変位を、レーザー光を用いた光てこ方式により検出することにより可能である。この場合、レバー部10Lのレーザー照射領域111に金属被着させることによってミラー面を形成し、かかる変位検出の為の当該レーザー光の反射を高めるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のプローブにおいては、プローブ先端の微小開口102を形成するのに光ファイバーを加熱し小口径に絞ることで実現している。このために、微小開口102の再現性、すなわち各プローブにおいて形成される微小開口部のサイズや性能についての均一性が良くない、という問題がある。
【0007】
また、プローブ先端の先鋭化されているところ以外は光ファイバーのクラッド等によって被覆されるので太くならざるを得ず、当該プローブの実際の変位に基づいて行われる原子間力顕微鏡観察等では高い分解能が得られない、という問題もある。
【0008】
よって本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的とするところは、形成される微小開口部の均一性が良く、しかも原子間力顕微鏡観察等に用いた場合にも高い分解能を得ることのできる走査型プローブ顕微鏡のプローブ及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、走査型プローブ顕微鏡に用いられる走査型プローブであって、自由端部及び固定端部を有する可撓性カンチレバー部と、前記自由端部に立設された探針とを備え、前記探針は、表面が金属膜で被覆され突出した先端先鋭部と、該先端先鋭部の近傍において外部に露出する光伝送層と、を有することを特徴としている。
【0010】
この請求項1の発明によれば、探針に表面が金属膜で被覆され突出した先端先鋭部を有しているため、原子間力顕微鏡観察で高分解能が得られるとともに、該先端先鋭部の近傍において外部に露出する光伝送層を有しているため、該光伝送層の外部露出開口部は均一性が向上し、近接場光学測定の光導波路として、導入された光を探針部先端部へと効率良く導き、探針部先端近傍において光の入出力が可能となる。
【0011】
請求項2に係る発明は、走査型プローブ顕微鏡に用いられる走査型プローブの製造方法であって、カンチレバー部に先端先鋭化された探針を形成する探針形成工程と、前記探針形状に従って、光反射特性を有する金属膜により一方及び他方の界面が被覆され、前記探針の突出した先端先鋭部近傍において外部に露出する光伝送層を形成する光導波路形成工程と、を有することを特徴としている。
【0012】
この請求項2の発明によれば、探針部近傍へと光を導く上記光導波路が、先鋭化された探針形状に沿い半導体製造プロセスを応用して形成され得る。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の走査型プローブを備えた走査型プローブ顕微鏡であることを特徴としている。
【0014】
この請求項3の発明によれば、表面が金属膜で被覆され突出した先端先鋭部を有する探針による高分解能な原子間力顕微鏡としての観察と、探針の先端先鋭部の近傍において外部に露出する光伝送層の均一な開口による近接場光学測定とが同時に行える走査型プローブ顕微鏡が提供できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
【実施の形態1】
図1は、この発明の一実施の形態による走査型プローブ顕微鏡に用いられるプローブの概略構造を示しており、(a)はその平面図、(b)はその長手断面図である。
【0021】
図1において、このプローブは、原子間力顕微鏡や走査型マクスウェル応力顕微鏡等で用いられている片持ち梁式のカンチレバー型に形成される。より詳しくは、プローブの主部を担うカンチレバー部10は、可撓性であり、Si (シリコン)によって長手状に形成され、支持台20に一端が固定支持されるとともに他端が自由端となっている。
【0022】
カンチレバー部10の他端側には、ティップと呼ばれる先鋭状または針状の探針11が当該カンチレバー部とここでは一体に成形される。探針11は、カンチレバー部10の略変位方向に立設される。
【0023】
光導波路を担う光伝送層30は、SiOx、例えばSiO2 により形成され、カンチレバー部10の一主面すなわち探針11の配される側の面のみならず、探針11の表面に沿って延在する。但し、この光伝送層30は、金属薄膜40によってその一方及び他方の界面が被覆され、より詳しくは、光伝送層30が探針11の先端近傍において外部に露出する形で金属薄膜40によって被覆される。これにより、探針11の先鋭先端1eの近傍が開口されるとともに、図1(b)の長手断面図から分かるように、光伝送層30は上層側からも下層側からも金属薄膜40によって挟み込まれた形で探針11の先端付近まで延在する構造となる。
【0024】
金属薄膜40は、光伝送層30における光の導波性を高めるためのものであり、例えばAl (アルミ)やNb (ニオブ)などの光反射特性を有する金属薄膜が好適である。
【0025】
このように金属薄膜40により被覆された光伝送層30は、レバー固定部12側の端部より探針11の先端部近傍へと高効率にて近接場光学測定用のレーザー光を導く光導波路を形成することとなる。
【0026】
以上のような構成のプローブによれば、光伝送層30に導入されたレーザー光は、光伝送層30内を通じ探針11の先端近傍から試料面へ出力することが可能となって近接場光学測定が達成されるとともに、原子間力顕微鏡さらには請求項第4項に記載された探針部先端付近に、第1金属膜を被覆したことを利用して、走査型マクスウェル応力顕微鏡等に好適な片持ち梁式のカンチレバー型プローブによる、光てこ方式の検出を行うことができる。
【0033】
【実施の形態3】
図1に示した実施の形態1は、図3に示されるような実施の形態に改変することも可能である。この図3においても、(a)はプローブの平面図であり、(b)はその長手断面図である。また、図1と同等の部分には同一の符号が付されている。
【0034】
すなわち、かかる改変態様として、光伝送層30及びこれを被覆する金属薄膜40からなる光導波路を、カンチレバー部10上において、カンチレバー部10の幅よりも小なる幅に形成することができる。これにより、カンチレバー部10のバネ定数を抑えることができ、原子間力顕微鏡や走査型マクスウェル応力顕微鏡等においてさらに高い分解能を発揮させることが容易となるのである。
【0035】
また、図1においてはカンチレバー部10の自由端側面の箇所において金属薄膜40が途切れ光伝送層30が当該箇所において露出されているのに対し、図3においては、かかる箇所で光伝送層30を完全に閉じるよう金属薄膜40が形成される。このような構造を採ることにより、光導波路の光漏れを防ぎ、より効率的な光の導波が達成されることとなる。
【0036】
【実施の形態4】
図4は、本発明のさらに他の実施の形態による走査型プローブ顕微鏡のプローブの概略構造を示している。なお、同図(b)はその長手断面図である点はこれまでと同様であるが、(a)は背面図である。
【0037】
図4において、このプローブも、原子間力顕微鏡や走査型マクスウェル応力顕微鏡等で用いられている片持ち梁式のカンチレバー型に形成されるが、カンチレバー部10は、光伝送特性を有するSi O(酸化シリコン)によって形成されるとともに、探針11の担持面とは反対の面からレーザー光を導入可能とするよう同じく酸化シリコンにより形成された光伝送特性を有する背面光伝送層31が積層される。
【0038】
カンチレバー部10の自由端部側に立設された探針11は、例えばSi (シリコン)によって形成され、その外表面が第1の金属薄膜41によって被覆される。
【0039】
第1の金属薄膜41には、光伝送特性を有するSi O(酸化シリコン)によって形成される光伝送層32が積層される。この光伝送層32は、探針11の表面に沿うも、探針11の先端面を露出する形で延在する。
【0040】
かかる光伝送層31及び32並びにカンチレバー部10は、第2の金属薄膜42によって被覆される。但し、第2の金属薄膜42は、背面光伝送層31を一部露出させる形で成膜される。この露出部は、カンチレバー部10と支持台20との結合部寄りに配され、ここからレーザー光が導入可能となっている。
【0041】
第1及び第2の金属薄膜41及び42は、光伝送層31及び32並びにカンチレバー部10における光の導波性を高めるためのものであり、例えばAl (アルミ)やNb (ニオブ)などの光反射特性を有する金属薄膜が好適である。
【0042】
このように金属薄膜41及び42により被覆された光伝送層31及び32並びにカンチレバー部10は、背面光伝送層31の露出面から探針11の先端部近傍へと高効率にてレーザー光を導く光導波路を形成することとなる。
【0043】
以上のような構成のプローブによれば、背面光伝送層31に導入された光は、カンチレバー部10及び光伝送層32を経て探針11の先端近傍から試料面へと出力することが可能となって近接場光学測定が達成されるとともに、原子間力顕微鏡や走査型マクスウェル応力顕微鏡等に好適な片持ち梁式のカンチレバー型プローブによる光てこ方式の検出を行うことができる。
【0044】
図4に示されるプローブの斜視図は、図5に示される。ここでは、原子間力顕微鏡や走査型マクスウェル応力顕微鏡等における光てこ方式による検出を実現するためのレーザー光が、探針11の担持面とは反対の面側からこのプローブに照射される様子を示している。
【0045】
かかるレーザー光は、金属薄膜42上の、探針11に相対する位置に照射される。その金属薄膜42のレーザー光照射領域は、他の領域よりも面積が大きく、かかる照射領域によって確実にレーザー光を図示せぬ受光素子へと導くようにしている。
【0046】
以上説明した構造の各プローブは、必ずしも1つの支持台に1つ設けて使用することに限定されない。1つの支持台に複数のプローブを設ける態様を示したのが図6である。
【0047】
これによれば、上述した複数種類のプローブを1つの支持台に設けることもできるし、同じ種類のプローブを複数1つの支持台に設けることもできる。
【0048】
次に、上述したプローブの製造方法を説明する。
【0049】
図7ないし図10は、上記実施の形態1によるプローブの主な製造工程の態様を示すための当該プローブの主要断面図を示している。なお、以下においては、カンチレバー部及び探針並びにこれらに形成される光導波路についての製造工程を抜粋して説明しており、これら各部以外の支持台その他の製造態様については省略している。
【0050】
先ず図7(a)に示されるように、シリコン基板1の表面を熱酸化することにより、所定の膜厚のシリコン酸化膜(Si O)1Mを形成する。このシリコン酸化膜1Mは、後に探針を形成する際のエッチングマスクとなるものである。
【0051】
そして、図7(b)に示されるように、シリコン酸化膜1M上にフォトレジスト1Rを塗布し、さらに図7(c)に示されるように、このフォトレジスト1Rに対してフォトリソグラフィ技術を使って円形のパターニングを施し、レジストマスク1R0 を形成する。
【0052】
その後、図7(d)に示されるように、上記レジストマスク1R0 を使ってシリコン酸化膜1Mをエッチングすることにより、レジストマスク1R0 のパターンが転写されたマスク(Si O)1M0 が形成される。
【0053】
マスク(Si O)1M0 の形成後は、図8(e)に示されるように、マスク1M0 上のレジストマスク1R0 を除去し、図8(f)に示されるように、マスク1M0 が形成されたシリコン基板1を反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)による等方性ドライエッチングを用いて、尖鋭酸化前の円錐形のシリコン突起110が形成される。
【0054】
ここでのエッチングに用いられる反応ガスは、反応を速く進め、かつマスク1M0 であるシリコン酸化膜とのエッチングの選択比を大きくするために、一般的にはフッ素(F)系のガスが用いられる。代表的なガスとしては、SFである。なお、フッ素(F)を含んでいるガスであれば、SFに限定されるものではなく、CFやCHF等のガスを用いても良い。
【0055】
また、エッチング後の形状(いわゆる、プロファイル)を任意の形状で得るために、OガスやCを含むガスを添加することも有効である。ここでは、ドライエッチングを用いてシリコン突起110を形成したが、ウェットエッチングを用いて形成することも可能である。
【0056】
かかる突起形成のためのエッチングが終了した後は、図8(g)に示されるように、マスク1M0 を付けたままの状態のシリコン突起110に対して尖鋭酸化が行われる。この尖鋭酸化は、摂氏1000度のウエット熱酸化を6.5時間行って、約1.2μmの厚さのシリコン酸化膜(Si O)1Xを得る。その際、シリコン突起110は、その周囲の酸化膜による圧縮応力を受けることによって、先端が尖鋭化される。
【0057】
このようなシリコン突起110の先鋭化処理が終了すると、図8(h)に示されるように、緩衝フッ酸溶液(BHF)を用いてマスク1M0 及びシリコン酸化膜1Xが除去される。かくして、先端が尖鋭化した探針(チップ)11が得られるとともに、シリコン基板1によってこの探針11と一体化されたカンチレバー部10が形成されることとなる。なお、上記(a)ないし(h)の各工程は、探針形成工程を担う。
【0058】
探針11の形成後は、図9(i)に示されるように、探針11の形成されたカンチレバー部10の主面に金属薄膜401を蒸着する。より詳しくは、例えばAl (アルミ),Nb (ニオブ),Pt(白金),Ti(チタン),W(タングステン)若しくはこれらを主成分とする金属薄膜を、下層のカンチレバー部10に光が吸収されない十分な膜厚として約50nm成膜する。
【0059】
そして、図9(j)に示されるように、この金属薄膜401上に上記光伝送層30を形成する。光伝送層30は、Si Ox例えばSi Oを2μm以下の膜厚で蒸着により成膜して形成することができる。
【0060】
さらに図9(k)に示されるように、光伝送層30上に金属薄膜402を形成する。ここではNb (ニオブ)またはWを蒸着、スパッタ等によって形成する。また、金属薄膜402の膜厚は0.2μmとすることによってプローブとしての良好な結果を得ている。
【0061】
図9(i)〜(k)によって光導波路の基礎が出来た後は、探針11の先端部における微細な加工の処理(エッチバック)に移る。かかる微細加工処理の初めは、図9(l)に示されるように、金属薄膜402表面にレジスト4Rが塗布される。
【0062】
次いで、図10(m)に示されるように、この塗布されたレジスト4Rを、酸素(O)プラズマによって探針11先端により突起された被覆膜部402´が露出するまでエッチングする。これによって薄くなったレジスト4R´は、次の図10(n)に示される工程において金属薄膜402のエッチングマスクとして使用される。
【0063】
すなわち、図10(n)の工程では、上記被覆膜部402´を例えばSFプラズマによって除去し、探針11先端により突起された光伝送膜部30´を露出せしめる。その後は、レジスト4R´を金属薄膜402から剥離することにより、図10(o)の如き状態を得る。この状態は、金属薄膜402が探針11の突起部周囲において開口した状態に相当する。
【0064】
レジストR´の剥離後は、緩衝フッ酸溶液(BHF)によって光伝送膜部30´が除去されて探針11による先鋭先端1eが露出され、図10(p)に示されるような形態となる。この形態において、金属薄膜401及び402は、先の図1に示されるプローブの金属薄膜40を担うこととなる。なお、上記(i)ないし(p)の各工程は、光導波路形成工程を担う。
【0065】
かくして、探針11近傍へと光を導く光導波路は、先鋭化された探針11に沿い半導体製造プロセスを応用して形成され得るので、従来例におけるような光導波路の微小開口部の均一性の問題が解消され、しかも探針11の先鋭形状によって一律に定められる確実な微小開口の形成がなされることとなる。
【0066】
また、従来と同様の原子間力顕微鏡観察を行うことのできるカンチレバー構造を維持しているので、当該観察における分解能を犠牲にすることがない。
【0067】
さらに、原子間力顕微鏡観察や走査型マクスウェル応力顕微鏡観察用の探針と近接場光学測定用の微小開口という2つのプローブ走査点が同一のモジュールに具備されかつそれらがほぼ同一の位置において実現されるので、これら走査点を別々に、または同時に用いて観測や測定を行うことが可能となる。
【0068】
なお、以上においては、図1に示される実施の形態1によるプローブについてのみその製造方法を説明したが、探針11近傍へと光を導く光導波路が先鋭化された探針11に沿い半導体製造プロセスを応用して形成され得る点はもとより、従来と同様の原子間力顕微鏡観察を行うことのできるカンチレバー構造を維持している点や、2つのプローブ走査点が同一のモジュールに具備されかつそれらがほぼ同一の位置において実現される点は、他の各実施の形態に共通する特徴であり、どれも同様の作用効果を奏することができる。
【0069】
また、上述においては、Si OxとしてSi Oを採用した態様につき説明したが、他のシリコン系物質を適用できることは勿論である。
【0070】
この他にも、上記実施の形態においては種々の手段を限定的に説明したが、当業者の設計可能な範囲にて適宜改変することも可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、光反射特性を有する金属膜により一方及び他方の界面が被覆された光伝送層が、光導波路として、導入された光を探針部先端部へと効率良く導き、探針部先端近傍において光の入出力が可能となる。
【0072】
また、本発明によれば、カンチレバー部の一主面及び探針部に沿って延在する光伝送層が、その一方及び他方の界面を光反射特性を有する金属膜によって被覆され、しかも探針部の先端近傍においては光伝送層が外部露出されるので、探針部側に積層された形で形成される光導波路により、導入光を探針部先端部へと効率良く導き、探針部先端近傍において光の入出力が可能となる。
【0073】
本発明によれば、探針部の先端面を除きカンチレバー部及び探針部を被覆する光反射特性を有する金属膜と、それぞれ光伝送特性を有するカンチレバー及び探針部とによって形成される光導波路が、当該カンチレバー部及び探針部を通じて導入光を探針部先端部へと効率良く導き、探針部先端近傍において光の入出力を可能とする。
【0074】
さらに、本発明によれば、探針部を被覆する光反射特性を有する第1の金属膜と、第1の金属膜に積層された光伝送層と、探針部の先端近傍において光伝送層を外部露出させつつ光伝送層及びカンチレバー部を被覆する光反射特性を有する第2の金属膜と、光伝送特性を有するカンチレバー部とによって光導波路が形成され、導入光をカンチレバー部を介して探針部先端部へと効率良く導き、探針部先端近傍において光の入出力を可能とする。さらに第1の金属膜は試料表面の電位測定のための電極として機能することが可能となり、試料に光りを照射し、試料表面を励起した状態で、同時に電位測定をすることも可能となる。
【0075】
また、本発明によれば、探針部近傍へと光を導く上記光導波路が、先鋭化された探針形状に沿い半導体製造プロセスを応用して形成され得る。
【0076】
かくして本発明によれば、形成される近接場光学測定用の微小開口部の均一性を良好とし、しかも原子間力顕微鏡観察等に用いた場合にも高い分解能を得ることのできる走査型プローブ顕微鏡のプローブ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による走査型プローブの平面及び長手断面構造の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態2による走査型プローブの平面及び長手断面構造の概略を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態3による走査型プローブの平面及び長手断面構造の概略を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態4による走査型プローブの背面及び長手断面構造の概略を示す図である。
【図5】図4のプローブの斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態による走査型プローブを1つの支持台に複数設けた構成を示す概略図である。
【図7】図1のプローブの主要な製造工程のうち最初の4工程を説明するための当該プローブの断面図である。
【図8】図1のプローブの主要な製造工程のうち次の4工程を説明するための当該プローブの断面図である。
【図9】図1のプローブの主要な製造工程のうちさらに続く4工程を説明するための当該プローブの断面図である。
【図10】図1のプローブの主要な製造工程のうち最後の4工程を説明するための当該プローブの断面図である。
【図11】従来例によるプローブの構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 カンチレバー部
11 探針
12 固定端部
1e 先鋭先端
20 支持台
30 光伝送層(膜)
40 金属薄膜
41 第1の金属薄膜
42 第2の金属薄膜
31 背面光伝送層
32 探針部延在光伝送層
1 シリコン基板
1M シリコン酸化膜
1M0 マスク
1R フォトレジスト
1R0 レジストマスク
110 シリコン突起
1X シリコン酸化膜
401,402 金属薄膜
4R,4R´ レジスト
402´ 露出被覆膜部
30´ 露出光伝送膜部

Claims (3)

  1. 走査型プローブ顕微鏡に用いられる走査型プローブであって、
    自由端部及び固定端部を有する可撓性カンチレバー部と、
    前記自由端部に立設された探針と、
    を備え、
    前記探針は、表面が金属膜で被覆され突出した先端先鋭部と、
    該先端先鋭部の近傍において外部に露出する光伝送層と、
    を有することを特徴とする走査型プローブ。
  2. 走査型プローブ顕微鏡に用いられる走査型プローブの製造方法であって、
    カンチレバー部に先端先鋭化された探針を形成する探針形成工程と、
    前記探針形状に従って、光反射特性を有する金属膜により一方及び他方の界面が被覆され、前記探針の突出した先端先鋭部近傍において外部に露出する光伝送層を形成する光導波路形成工程と、
    を有することを特徴とする走査型プローブの製造方法。
  3. 請求項1記載の走査型プローブを備えたことを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
JP07986198A 1998-03-26 1998-03-26 走査型プローブとその製造方法及び走査型プローブ顕微鏡 Expired - Lifetime JP3600433B2 (ja)

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