JP3577291B2 - 走査型プローブの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走査型プローブ顕微鏡などに使用される走査型プローブ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の光学顕微鏡によって試料を観察するときには、回折限界という波の伝播に由来する分解能の限界があるため、光の半波長以下の2点を区別することはできない。すなわち、光の回折限界を越えて試料を観察することはできない。
【0003】
これに対して、先端径がナノメートルサイズであるプローブを備えた走査型プローブ顕微鏡を用いれば、光の回折限界を越えて試料を観察することが可能となる。この走査型プローブ顕微鏡は、鋭い針状の探針を試料の表面に沿って走査しながら、例えば観察する試料表面と探針との原子間力などの物理量を測定して、通常の光学顕微鏡と比較して分解能が高い画像を得る顕微鏡である。
【0004】
この走査型プローブ顕微鏡としては、原子間力顕微鏡(AFM)や、走査型トンネル電子顕微鏡(STM)、近接場光学顕微鏡などが挙げられる。
【0005】
ここで、AFMは、微小な可動部の先端に設けられた探針を試料表面に近接させたときに生じる原子間力を利用している。そして、AFMは、探針先端の原子と試料表面の原子との間に生じる原子間力が一定になるように高さを変化させながら探針を走査し、この探針の位置の変位を検出することによって、高い分解能で試料の表面形状を観察する。
【0006】
また、STMは、微小な可動部の先端に設けられた探針と導電性を有する試料との間に電圧を加えて距離を1nm程度にまで近接させると、探針と試料との間にトンネル電流が流れることを利用している。そして、STMは、このトンネル電流が一定となるように探針を走査し、この探針の位置の変位を検出することによって、高い分解能で試料の表面形状を観察する。
【0007】
また、近接場光学顕微鏡は、探針の先端に形成された微小開口から染み出す近接場光(エバネッセント光)を使用することによって、光の波長を超えた光学画像を得る。この近接場光学顕微鏡によって、光の回折限界を越えて試料を空気中や水中で観察することや、分光測定すること、また、試料表面下の構造を観察することなどが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、AFMやSTMでは、試料表面の分解能を向上させるために、先端が尖鋭で開口が形成されていない突起型探針を使用することが望ましい。しかしながら、この突起型探針の先端から光を出射すると光のスポット径が大きくなる。したがって、この突起型探針を近接場光を使用した観察に使用すると、分解能が低下することとなる。すなわち、この突起型探針を、近接場光を使用した試料の分析のために使用することは望ましくない。
【0009】
また、近接場光学顕微鏡では、先端から出射される光のスポット径を小さくするために、先端に開口が形成されている開口型探針を使用している。この開口型探針は、開口の周囲が遮光性を有する膜で被覆されており、開口周辺から光が漏れにくい構造とされている。しかしながら、この開口型探針は、開口の周囲が遮光性を有する膜で被覆されているために、先端径が大きくなっている。したがって、この開口型探針をAFMやSTMなどによる観察に使用すると、試料表面の形状を観察したときの分解能が低下することとなる。すなわち、この開口型探針をAFMやSTMなどに使用することは望ましくない。
【0010】
以上説明した理由により、一つの探針によって近接場光を利用した試料の分析とAFM及びSTMなどによる試料表面の観察との両方を行うときには、どちらかの分解能が低下することになる。すなわち、近接場光を利用した試料の分析とAFM及びSTMなどによる試料表面の観察との両方を高い分解能で行うときには、開口型探針及び突起型探針の両方を使用することが望ましい。
【0011】
しかしながら、観察対象となる試料は例えば100nm以下と微小である。このように微小な試料を複数の異なる探針によって観察するときには、それぞれの探針について十分な位置再現性を得ることが困難となる。すなわち、複数の異なる探針で微小な試料の同一な場所を観察することは困難となる。
【0012】
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、一つの微小な試料を異なる探針で観察できる走査型プローブ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る走査型プローブの製造方法は、第1のシリコン層と、第1のSiO2層と、第2のシリコン層とが順次積層されてなるSOI(Silicon On Insulator)基板の上記第2のシリコン層側の主面上に、第1の領域に開口が形成されるように第1のマスクを形成する第1のマスク形成工程と、上記第1のマスク側から上記第2のシリコン層をエッチングして、上記第1の領域に第1の穴部を形成する第1のエッチング工程と、上記第1のマスクを除去する第1のマスク除去工程と、上記第2のシリコン層を酸化し、第2のSiO2層を形成する酸化工程と、上記第1の穴部上に金属層を形成する金属層形成工程と、上記第1の穴部以外の領域に形成された第2のSiO2層を除去し、第2のシリコン層を表面に露出させるSiO2層除去工程と、上記第1のシリコン層を除去するシリコン層除去工程と、上記第1のSiO2層をエッチングすることにより、第2の領域の中心部に第2のマスクを形成する第2のマスク形成工程と、上記第2のマスクが形成された側から、上記第2のシリコン層をエッチングし、上記第2の領域に突起部を形成する第2のエッチング工程と、上記第2のマスクを除去するマスク除去工程と、上記金属層を除去し、上記第2のSiO2層の先端部に、上記第1の穴部と貫通する第2の穴部を穿設する第2の穴部穿設工程と、上記第2のSiO2層上に、遮光膜を形成する遮光膜形成工程とを有し、上記第1の領域に開口型探針を形成するとともに、上記第2の領域に突起型探針を形成することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した走査型プローブ及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
この走査型プローブは、走査型プローブ顕微鏡などに使用される。走査型プローブ顕微鏡では、走査型プローブは試料との対向面に取り付けられる。そして、この走査型プローブを使用することによって、高い分解能で試料を分析することが可能となる。例えば、試料との間に生じる原子間力が一定となるように走査型プローブを走査することによって、高い分解能で表面形状の分析を行うことができる。また、走査型プローブと導電性の試料との間に電圧を加えて、間に生じるトンネル電流を測定することによっても、高い分解能で表面形状の分析を行うことができる。また、走査型プローブの先端から近接場光を発生させて試料に対して照射することで、光の波長を超えた分解能で分光測定などを行う。
【0018】
図1乃至図3に示すように、本発明を適用した走査型プローブ1は、支持部2と第1及び第2の可動部3,4とからなる支持基板5を備えており、第1の可動部3上には開口型探針6が形成され、第2の可動部4上には突起型探針7が形成された構造を有している。
【0019】
支持基板5は、第1の可動部3と第2の可動部4とが、それぞれ略平行となるように支持部2から突きだした構造を有している。すなわち、第1の可動部3及び第2の可動部4におけるそれぞれの一方の端部(以下、固定端部とする。)3a,4aが支持部2によって支持された構造を有している。この支持基板5は、例えばSiによって形成される。
【0020】
第1及び第2の可動部3,4はカンチレバー構造を有している。すなわち、第1及び第2の可動部3,4は可撓性を有しており、他方の端部(以下、第1及び第2の自由端部とする。)3b,4bは、矢印X及び矢印Yに示すように弾性変位可能とされている。そして、第1の自由端部3bには開口型探針6が形成されており、第2の自由端部4bには突起型探針7が形成されている。
【0021】
開口型探針6は、図2に示すように錐体であり、その内部に略錐状の空洞が形成された構造を有している。そして、この錐体の先端には例えば80nmの微小開口が形成されており、この微小開口が光出射開口部6aとされている。また、錐体の底辺にも開口が形成されており、この開口が光入射開口部6bとされている。開口型探針6は、光出射開口部6aから近接場光を発生する近接場光発生用探針である。
【0022】
この開口型探針6は、走査型プローブ顕微鏡に適用されるときには、光出射開口部6aと試料との距離が光の波長以下となる位置に配設される。そして、この開口型探針6は、光入射開口部6bで光を入射し、入射した光を内壁6cで散乱させて光出射開口部6aでの光強度が大きくなるように集光し、光出射開口部6aと試料との間に近接場光(エバネッセント光)を発生させる。すなわち、光出射開口部6aが近接場光の発生部となる。そして、この近接場光により、光の回折限界を越えて、試料を空気中や水中で観察することや、分光測定すること、試料表面下の構造を観察することなどが可能となる。
【0023】
本実施の形態では、開口型探針6の内層8がSiO2によって形成されており、外層9がAg,Au,Alなどの金属によって形成されている。外層9は遮光性を有しており、開口型探針6の光出射開口6aから出射する近接場光のスポットを小さくする。
【0024】
突起型探針7も錐体であるが、図3に示すように内部が空洞とされることはなく、先端部7aや底辺7bに開口が形成されることもない。なお、突起型探針7と開口型探針6とは、先端部7aと光出射開口部6aとが同じ位置となるように、第1及び第2の自由端部3b,4b上に形成される。
【0025】
この突起型探針7は、先端部7aを試料表面に近づけて走査することによって試料表面の形状を観察する。例えば、原子間力顕微鏡(AFM)と同様に、先端部7aの原子と試料表面の原子との原子間力が一定となるように、高さを変化させながら突起型探針7を走査し、この突起型探針7の位置の変位を検出することで、高い分解能で試料表面の形状を観察できる。また、走査型トンネル顕微鏡(STM)と同様に、電圧をかけた先端部7aを試料表面に接近させ、トンネル電流の量が一定となるように突起型探針7を走査し、この突起型探針7の位置の変位を検出することで、光の回折限界を越えて試料表面の形状を観察できる。
【0026】
以上説明したように、本発明を適用した走査型プローブ1は、開口型探針6と突起型探針7とが一体化しており、隣接して形成された構造を有している。したがって、本発明を適用した走査型プローブ1によれば、圧電素子などを使用して開口型探針6と突起型探針7とを僅かに移動させることで、一つの微小な試料における同一な場所を、2つの探針で観察することが容易になる。例えばミリメートル単位の距離をナノメートル単位の位置再現性をもって制御することが可能となり、100nm以下の微小な試料を、開口型探針6及び突起型探針7の両方の探針で観察することが可能となる。したがって、一つの微小な試料に対して、近接場光を利用した観察と、STM及びAFM等の原理を利用した観察とを、高精度に行うことが可能となる。すなわち、一つの微小な試料に対して、表面形状の観察と共に、表面下の構造の観察や、空気中及び水中での観察、分光測定などを高精度に行うことが可能となる。また、走査型プローブ1は、第1及び第2の可動部3,4がカンチレバー構造であるために、オングストロームオーダーの高い分解能を有する。
【0027】
つぎに、走査型プローブ1の製造方法について、図4乃至図15を用いて説明する。
【0028】
先ず、図4に示すようなSOI(Silicon On Insulator)基板10を用意する。このSOI基板10は、第1のSi層11上に、第1のSiO2層12と、第2のSi層13とが順次積層された構造を有している。本実施の形態では、第1のSi層11の厚さが600μm、第1のSiO2層12の厚さが1μm、第2のSi層13の厚さが10μmとされている。
【0029】
次に、図5に示すように、第2のSi層13を酸化し、第2のSi層13上に第2のSiO2層14を形成する。そして、この第2のSiO2層14に対して、例えばリソグラフィーによるパターニングを行い、第1のマスク14aを形成する。このとき、図6に示すように、最終的に開口型探針6が形成される開口型探針領域C、及び最終的に支持基板5が形成される部位を除いた周辺領域D〜Fに開口が形成されるように、第1のマスク14aを形成する。ここで、リソグラフィー技術としては、例えばフォトリソグラフィー技術や電子ビーム描画装置を使用した技術などを用いることができる。
【0030】
次に、SOI基板10に対して、第1のマスク14a側から異方性エッチングを施す。このときのエッチャントとしては、例えばKOH水溶液、NaOH水溶液、ヒドラジン一水和物、エティレンジアミン−パイロカテコール−水の混合液(EPW)、テトラメティルアンモニュウムハイドロオキサイド(TMAH)などを使用する。これにより、図7及び図8に示すように、開口型探針領域C、周辺領域D〜Fにそれぞれ凹部が形成される。
【0031】
ここで、開口型探針領域Cは、一辺の長さlと第2のSi層13の厚さtとの関係がl≦(t−1)×2−2となるように形成する。一辺の長さがlのときにSiがエッチングされる深さdはl/2−2×lとなる。したがって、開口型探針領域Cをl≦(t−1)×2−2となるように形成することによって、開口型探針領域Cに錐状の穴部が形成され、この穴部の先端が第1のSiO2層に到達することを防止できる。また、周辺領域D〜Fでは、第1のSiO2層12が形成されていることによってエッチングが停止する。
【0032】
次に、第2のSiO2層14を、例えばフッ酸緩衝液によって除去する。
【0033】
次に、950℃、9時間の加熱を行って第2のSi層13を酸化し、図9に示すように、第2のSi層13上に第3のSiO2層15を形成する。なお、このとき第3のSiO2層15を、開口型探針領域C、周辺領域D〜Fに形成された凹部上にも形成する。
【0034】
次に、図10に示すように、開口型探針領域C上に、例えばCrを蒸着することで第1の金属層16を形成する。
【0035】
次に、図11に示すように、開口型探針領域C以外の領域に形成された第3のSiO2層15を除去し、第2のSi層13を表面に露出させる。すなわち、上に第1の金属層16が形成された領域にのみ第3のSiO2層15を残存させる。このとき、例えばフッ酸緩衝液を用いることによって、第3のSiO2層15を除去する。
【0036】
次に、図12に示すように、第2のSi層13上に補強部材17を接合する。この補強部材17の形状は、第1及び第2の自由端部3b,4bが弾性変位可能となるように、最終的に第1及び第2の可動部3,4が形成される領域上に空間を有する必要がある。すなわち、補強部材17は、最終的に第1及び第2の可動部3,4が形成される領域との対向面が切り欠かれた形状とされている。本実施の形態では、補強部材17をガラスによって形成し、最終的に支持部2となる領域上に陽極接合した。なお、補強部材17を接合した位置は、図13中斜線部に示す位置である。
【0037】
この補強部材17を第2のSi層13上に接合することによって、走査型プローブ1の強度が向上する。また、本実施の形態では、補強部材17としてガラスを使用している。ガラスは光伝搬損失が少ない。したがって、ガラスによって形成された補強部材17を接合することで、走査型プローブ1の強度を向上させるとともに、開口型探針6へ入射する光量を十分な量とし、先端部6aで発生する近接場光を十分な強度とすることが可能となる。
【0038】
ここで、補強部材17を形成しているガラスと第2のSi層13との陽極接合について説明する。ガラスはNa+を含有している。このガラスと第2のSi層13とを接触させ、真空中又はN2、Ar2などの不活性ガス中で350℃〜450℃に加熱したまま、第1のSi層11を陽極として200V〜1000Vの電位差を与える。このとき、Na+は、ガラスの融点以下の温度でもガラス中で動き易くなり、負電界に引かれてガラス表面に到達する。そして、ガラス中に残った多量の負イオンが第2のSi層13との間に空間電荷層を形成してSi−ガラス間に吸着力が生じ、第2のSi層13とガラスとが化学接合する。
【0039】
次に、図14に示すように、第1のSi層11を除去する。第1のSi層11を除去する方法としては、例えばKOH水溶液、TMAH、フッ酸・硝酸混合液などによるエッチングや、機械的研磨、或いは化学機械研磨(CMP)などが挙げられる。これにより、第1のSiO2層12表面が露出することとなる。
【0040】
次に、図15に示すように、第1のSiO2層12に対してリソグラフィによりパターニングを行い第2のマスク12aを形成する。このとき、図16に示すように、最終的に突起型探針7が形成される突起型探針領域Hの中心部Iに、第2のマスク12aを形成する。この第2のマスク12aを形成して異方性エッチングを施すことで、後述するように最終的に突起型探針7となる錐体が形成され、この錐体の頂点が中心部Iに形成される。
【0041】
次に、第2のSi層13に対して、第2のマスク12a側から異方性エッチングを施す。このとき、エッチャントとしては、例えばKOH水溶液、ヒドラジン一水和物、EPW、TMAHなどを使用する。この異方性エッチングにより、図17に示すように、最終的に開口型探針6となる第1の錐体18及び最終的に突起型探針7となる第2の錐体19が形成される。
【0042】
ここで、形成される第2のマスク12aを適切な大きさとすることによって、突起型探針領域Hに第2の錐体19が形成される。例えば、第2のマスク12aを10μm角の正方形状とし、エッチャントとして、KOH(40g、85%)、水(60g)、イソプロピルアルコール(40cc)を混合した溶液を使用し、80℃でエッチングを行うことで、四角錐形状を有する第2の錐体19が形成される。
【0043】
次に、図18に示すように、第2の錐体19の先端部19a上に残存した第2のマスク12aを、例えばフッ酸緩衝液によって除去する。また、第1の錐体18の先端部18aに対してもフッ酸緩衝液によって開口を形成する。
【0044】
次に、図19に示すように、第1の金属層16を例えばエッチングにより除去する。このとき、例えばエッチャントとして、硫酸二アンモニュウムセリウム(165g)、硝酸(90ml)、超純水(1l)を混合した溶液を使用し、室温でエッチングを行う。
【0045】
次に、図20に示すように、第2の錐体19をレジスト膜20などで保護し、第1の錐体18の外周に、例えばAu、Ag、Alなどによって第2の金属層21を形成する。この第2の金属層20は最終的に外層9となる。
【0046】
そして、図21に示すように、補強部材17が接合された走査型プローブ1が完成する。
【0047】
以上説明したように、本発明を適用した走査型プローブ1の製造方法によれば、開口型探針6と突起型探針7とが一体化しており、隣接して形成された構造を有している走査型プローブ1を製造することが可能となる。
【0049】
また、本発明に係る走査型プローブの製造方法によれば、近接場光発生用探針と突起型探針とが一体化しており、隣接して形成された構造を有している走査型プローブを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した走査型プローブを示す平面図である。
【図2】同走査型プローブに形成された開口型探針を示す図であり、図1中A−A’線における断面図である。
【図3】同走査型プローブに形成された突起型探針を示す図であり、図1中B−B’線における断面図である。
【図4】SOI基板の断面図である。
【図5】第2のSi層上に第2のSiO2層が形成されたSOI基板の断面図である。
【図6】第2のSiO2層において、実際に異方性エッチングを施す位置を示した模式図である。
【図7】第1のマスク側を異方性エッチングしたSOI基板を示す断面斜視図である。
【図8】同SOI基板を示す断面図である。
【図9】同SOI基板上に第3のSiO2層を形成した状態を示す断面図である。
【図10】第3のSiO2層上に、第1の金属層を形成したSOI基板を示す断面図である。
【図11】第1の金属層が形成された凹部以外の位置に形成された第3のSiO2層を除去したSOI基板を示す断面図である。
【図12】同SOI基板に補強部材を接合した状態を示す断面図である。
【図13】第2のSi層を示す平面図であり、補強部材を接合する位置を示した模式図である。
【図14】第1のSi層を除去した状態を示す断面図である。
【図15】第1のSiO2層をパターニングして第2のマスクを形成した状態を示す断面図である。
【図16】第1のSiO2層をパターニングして第2のマスクを形成する位置を示す平面図である。
【図17】第2のマスク側を異方性エッチングしたSOI基板を示す断面図である。
【図18】第2の錐体上に残存した第2のマスクを除去し、第1の錐体の先端に開口を形成した状態を示す断面図である。
【図19】第2の錐体上に残存した第2のマスクを除去するとともに、第1の金属層を除去した状態を示す断面図である。
【図20】第2の錐体の外周をレジスト膜でマスクし、第1の錐体上に第2の金属層を形成した状態を示す断面図である。
【図21】第2の錐体上に形成されたレジスト膜を除去した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 走査型プローブ、2 支持部、3 第1の可動部、4 第2の可動部、5支持基板、6 開口型探針、7 突起型探針、8 内層、9 外層、10 SOI基板、11 第1のSi層、12 第1のSiO2層、13 第2のSi層、14 第2のSiO2層、15 第3のSiO2層、16 第1の金属層、17 補強部材、18 第1の錐体、19 第2の錐体、20 レジスト膜、21第2の金属層
Claims (2)
- 第1のシリコン層と、第1のSiO2層と、第2のシリコン層とが順次積層されてなるSOI(Silicon On Insulator)基板の上記第2のシリコン層側の主面上に、第1の領域に開口が形成されるように第1のマスクを形成する第1のマスク形成工程と、
上記第1のマスク側から上記第2のシリコン層をエッチングして、上記第1の領域に第1の穴部を形成する第1のエッチング工程と、
上記第1のマスクを除去する第1のマスク除去工程と、
上記第2のシリコン層を酸化し、第2のSiO 2 層を形成する酸化工程と、
上記第1の穴部上に金属層を形成する金属層形成工程と、
上記第1の穴部以外の領域に形成された第2のSiO 2 層を除去し、第2のシリコン層を表面に露出させるSiO 2 層除去工程と、
上記第1のシリコン層を除去するシリコン層除去工程と、
上記第1のSiO2層をエッチングすることにより、第2の領域の中心部に第2のマスクを形成する第2のマスク形成工程と、
上記第2のマスクが形成された側から、上記第2のシリコン層をエッチングし、上記第2の領域に突起部を形成する第2のエッチング工程と、
上記第2のマスクを除去するマスク除去工程と、
上記金属層を除去し、上記第2のSiO2層の先端部に、上記第1の穴部と貫通する第2の穴部を穿設する第2の穴部穿設工程と、
上記第2のSiO2層上に、遮光膜を形成する遮光膜形成工程とを有し、
上記第1の領域に開口型探針を形成するとともに、上記第2の領域に突起型探針を形成すること
を特徴とする走査型プローブの製造方法。 - 上記第1のマスク形成工程において、上記第1の領域とともに、最終的に支持基板が形成されない領域に開口が形成されるように一方の主面上に上記第1のマスクを形成し、
上記第1のエッチング工程において、上記第1の領域とともに、最終的に支持基板が形成されない領域をエッチングすること
を特徴とする請求項1記載のプローブの製造方法。
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