JP3574794B2 - プローブ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、近接場光を使用して試料の観察を行う近接場光学顕微鏡や、近接場光を使用して光記録媒体に対する記録再生を行う記録再生装置、更に電子ビーム使用して試料の観察を行う電子顕微鏡などに設けられるプローブ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の光学顕微鏡によって得られる画像の分解能は、回折限界という波の伝播に由来する分解能の限界があるため、光の半波長以下の2点を区別することはできない。すなわち、光の分解能を超えて試料を観察することはできない。
【0003】
これに対して、近接場光学顕微鏡を用いれば、光の分解能を超えて試料を観察することが可能となる。近接場光学顕微鏡は、観察対象となる試料との対向面に、先端径がナノメートルサイズである近接場光発生用プローブ(以下、光プローブと称する。)が設けられている。この光プローブは、尖鋭な先端を有しており、この先端に形成された近接場光の出射部から染み出した近接場光(エバネッセント光)を試料に対して照射することによって、光の分解能を超えて試料を観察することができる。
【0004】
この近接場光学顕微鏡用の技術を利用することにより、ナノメートル級の分解能で、例えば生体試料、半導体試料、光メモリ材料、感光性材料などの形状を観察することや分光計測をすることなどが可能となり、さらには、光加工などを行うことも可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この近接場光学顕微鏡用の技術を利用して、光記録媒体に対する情報の高密度記録、及び高密度記録された光記録媒体に対する再生を行うことができる。このときには、光プローブを光ヘッドとして使用し、光記録媒体に対する記録再生を行う。
【0006】
光記録媒体に対して高密度記録を行うときには、情報信号を示すピットをできるだけ小さく形成する必要がある。ピットを小さく形成するためには、光プローブの分解能を高くする必要がある。また、情報が高密度記録されている光記録媒体に対して再生を行うときには、シグナル/ノイズ(S/N)比を低減するために、情報の検出感度を高くする必要がある。
【0007】
しかしながら、分解能を高くするためには、近接場光出射部から染み出る光のスポット径をできるだけ小さくしなくてはならない。光のスポット径を小さくするためには、近接場光出射部をできるだけ小さく形成する必要がある。一方、情報の検出感度を高くするためには、光プローブの近接場光出射部から染み出る光の量ができるだけ多い方が良い。光の量を大きくするためには、近接場光出射部をできるだけ大きく形成する必要がある。
【0008】
したがって、分解能と検出感度との両方を共に高くすることには限界がある。すなわち、1つの光プローブを使用して情報の記録と再生との両方を精度良く行うことは限界がある。
【0009】
また、この光プローブを使用して試料を観察するに際し、分解能を重視するときには近接場光出射部が小さい光プローブを使用して試料を観察し、検出感度を重視するときには近接場光出射部が大きい光プローブを使用して試料を観察している。そして、分解能と検出感度との両方を重視した観察を行う必要があるときには、2つの異なる光プローブを使用している。
【0010】
しかしながら、光プローブを使用して観察するときに観察対象となる試料は微小であり、2つの異なる光プローブによって同じ位置を観察することは非常に困難となる。
【0011】
したがって、一つの微小な試料に対して分解能と検出感度との両方を重視した観察を行うことは困難となる。
【0012】
本発明はこのような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、高い分解能と高い検出感度とを共に実現することが可能であるプローブ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプローブは、温度が高くなるにつれて膨張する性質を有するSiを少なくとも含有する材料により形成され、光、電子、イオン及び原子の入射媒体の少なくとも1種類を通過させる通過孔が貫通して形成された基板と、上記基板に接触して設けられた導電部とを有し、上記基板の一方の主面上には、上記通過孔に連通して、上記入射媒体を入射させるための入射開口が設けられ、上記基板の他方の面には、上記通過孔に連通して上記入射媒体を出射させるための出射開口が設けられるとともに、上記通過孔を上記入射開口側から上記出射開口側に向かって徐々にその開口量が小さくなるように形成してなり、上記導電部へ供給する電流の量を調節することによって、上記出射開口の大きさを調節するようにしたことを特徴とする。
【0014】
本発明に係るプローブは、導電部に電流が供給されることで温度が高くなる。また、本発明に係るプローブは、Siが含有されている材料によって形成されており、このSiは温度が高くなるにつれて膨張する性質を有している。したがって、本発明に係るプローブは、導電部に供給される電流の量が変化することによって温度が変化し、出射開口の大きさが変化する。
【0015】
また、本発明に係るプローブの製造方法は、請求項2又は3に記載のプローブの製造方法であって、Si基板の一方の主面側に、他方の主面側に近接するに従って開口が徐々に小さくなる第1の穴部を穿設する第1の穴部穿設工程と、Si基板の他方の主面側から、上記第1の穴部と連結するように第2の穴部を穿設する第2の穴部穿設工程と、遮光性及び導電性を有する材料によって、Si基板上に導電部を形成する導電部形成工程とを有することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したプローブ及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
第1の実施の形態
まず、本発明を適用した第1の実施の形態について説明する。
【0019】
図1乃至図3に示すように、本発明を適用したプローブ1は、基板2上に導電部3が形成された構造を有している。
【0020】
基板2は、一方の主面2a上に尖鋭状の凸部2bが形成され、他方の主面2c上には、この凸部2bと対応した凹部2dが形成されている。この凸部は、一方の主面2a側から見た形状が略三角柱形状とされている。また、凹部2dは、図2に示すように、他方の主面2c側から見た形状が矩形状とされている。基板2には、凸部2bと凹部2dとの頂点を貫通するスリットが形成されている。このスリット及び凹部2dの内壁によって形成された貫通孔が、光が通過する通過孔4とされている。この通過孔4については、詳細を後述する。基板2は、凸部2b及び凹部2dによって形成される集光部2eと、集光部2eを支持する支持部2fとからなっている。集光部2eはSiOによって形成されており、支持部2fはSiによって形成されている。なお、集光部2eは、プローブ1を製造するときにSi用のエッチャントによってエッチングされることを防ぐために、SiOによって形成される。
【0021】
導電部3は、基板2における一方の主面2a上に形成されている。すなわち、導電部3は、凸部2b上にも形成されている。この導電部3は、例えばAuやAlなどの導電性及び遮光性を有する金属材料によって形成されている。また、導電部3は外部の電流供給源と接続可能とされている。導電部3に、外部の電力供給源から電流が供給されることによって、プローブ1が加温される。このとき、例えば導電部3の長手方向の両端部3a,3bのそれぞれに電流供給源を接続することによって、プローブ1が加温される。また、導電部3は遮光性を有しており、光が後述する出射開口部の周辺から漏れることを防ぎ、出射する光のスポット径を小さく絞ることができる。
【0022】
ここで、通過孔4について説明する。通過孔4は、支持部2f側に形成された矩形状の開口部から集光部2eの先端に形成されたスリット状の開口部まで、徐々に開口が小さくなるように形成されている。ここで、矩形状の開口部は入射開口部4aとされており、スリット状の開口部は出射開口部4bとされている。
【0023】
このプローブ1は、入射開口部4aで光を入射し、入射した光を通過孔4の内壁で散乱させて出射開口部4bでの光強度が大きくなるように集光し、出射開口部4bから近接場光を出射する。また、プローブ1は、電流供給源から導電部3へ電流が供給されることで温度が高くなり、出射開口部4bが大きくなる。そして、プローブ1は、電流供給源から導電部3へ供給される電流の量が減少することによって温度が低くなり、出射開口部4bが小さくなる。
【0024】
以下では、導電部3へ流す電流の量と出射開口部4bの大きさとの関係について詳述する。
【0025】
プローブ1は、集光部2eがSiOによって形成されており、支持部2fがSiによって形成されている。Siは、図4に示すように、温度が高くなるにつれて膨張することが知られている(L. Lin, S. Sin, Sensors and Actuators A71 (1998) 35−39)。なお、図4では、横軸が温度を示しており、縦軸がSiの膨張を示している。また、導電部3に電流が供給されることで、プローブ1の温度は高くなる。
【0026】
したがって、プローブ1は、導電部3へ供給される電流の量が増加すると、温度が高くなるために膨張し、出射開口部4bが大きくなる。本実施の形態では、出射開口部4bの幅wは室温で100nmとされており、温度を更に200℃上げることによって1μmとなる。また、プローブ1は、導電部3へ供給される電流の量が減少すると、温度が低くなるためにプローブ1の膨張が小さくなり、出射開口部4bが小さくなる。
【0027】
プローブ1は、出射開口部4bが大きいときには、出射される近接場光の量が多くなるために高い検出感度を実現することが可能となり、出射開口部4bが小さいときには、出射される近接場光のスポットが小さくなるために高い分解能を実現することが可能となる。すなわち、本発明を適用したプローブ1は、導電部3へ供給する電流の量を調節することによって、出射開口部4bの大きさが変化可能とされており、単独で高い検出感度と高い分解能との両方を実現することが可能となる。
【0028】
例えば、プローブ1を使用して光記録媒体に対する記録再生を行ったときには、高い分解能で情報の記録を行うことができるため、高密度な情報の記録を行うことができるとともに、高い検出感度で情報の再生を行うことができるため、S/N比を低下させることができる。
【0029】
また、プローブ1を使用して試料の観察を行ったときには、1つの微小な試料における同一の場所に対して、高い分解能で試料表面の微細な構造を観察することができるとともに、高い検出感度で試料の分析などを行うことができる。
【0030】
このプローブ1は、以下に示す方法によって製造される。
【0031】
先ず、図5に示すようなSOI(silicon on inslation)基板10を用意する。このSOI基板10は、第1のSi層11上に、第1のSiO層12と、第2のSi層13とが順次積層された構造を有している。本実施の形態で使用されたSOI基板10は、第1のSi層11の厚さが600μm、第1のSiO層12の厚さが1μm、第2のSi層13の厚さが10μmとされている。
【0032】
次に、図6に示すように、SOI基板10に対して1150℃・5分の加熱をを行って第2のSi層13を酸化することで、第2のSi層13の表面に第2のSiO層14を形成する。
【0033】
次に、この第2のSiO層14に対して、例えばリソグラフィーによるパターニングを行う。このとき、図7に示すように、第2のSiO層14の略中央部に略長方形の開口部14aが形成されるように、第2のSiO層14をパターニングする。この開口部14aが形成された位置には、最終的に入射開口部4aが形成される。ここで、リソグラフィー技術としては、例えばフォトリソグラフィー技術や電子ビーム描画装置を使用した技術などを用いることができる。このとき、例えば第2のSiO層14上にリソグラフィーによりレジスト膜を形成した後に、レジスト膜のパターニングを行う。そして、第2のSiO層14に対してフッ酸緩衝液によるウェットエッチングを行う。
【0034】
次に、SOI基板10に対して、第2のSiO層14をマスクとして、異方性エッチングを施す。このときのエッチャントとしては、例えばKOH水溶液、NaOH水溶液、ヒドラジン一水和物、エティレンジアミン−パイロカテコール−水の混合液(EPW)、テトラメティルアンモニュウムハイドロオキサイド(TMAH)などを使用する。これにより、図8及び図9に示すように、SOI基板の略中央部に凹部13aが形成される。この凹部13aは、開口の形が略長方形とされており、一方の主面10a側から深さ方向へ進むに従って、開口が次第に小さくなる形状とされている。
【0035】
次に、図10に示すように、第2のSiO層14を、例えばフッ酸緩衝液によって除去する。
【0036】
次に、950℃・9時間の加熱を行って第2のSi層13を酸化し、図11に示すように、第2のSi層13上に第3のSiO層15を形成する。なお、このとき第3のSiO層15を凹部13a上にも形成する。
【0037】
次に、図12に示すように、凹部13a上に、例えばCrを蒸着することで第1の金属層16を形成する。
【0038】
次に、図13に示すように、凹部13a以外の位置に形成された第3のSiO層15を除去し、第2のSi層13を表面に露出させる。すなわち、上に第1の金属層16が形成された領域にのみ、第3のSiO層15を残存させる。このとき、例えば、フッ酸緩衝液を用いることによって、第3のSiO層15を除去する。
【0039】
次に、図14に示すように、第2のSi層13上に補強部材17を接合する。この補強部材17を第2のSi層13上に接合することによって、プローブ1の強度が向上する。また、本実施の形態では、補強部材17としてガラスを使用している。ガラスは光伝搬損失が少ない。したがって、ガラスによって形成された補強部材17を接合することで、プローブ1の強度を向上させるとともに、入射開口部4aへ入射する光量を十分な量とし、出射開口部4bから出射する近接場光を十分な強度とすることが可能となる。
【0040】
ここで、補強部材17に使用されるガラスと第2のSi層13との陽極接合について説明する。ガラスはNaを含有している。このガラスと第2のSi層13とを接触させ、真空中又はN、Arなどの不活性ガス中で350℃〜450℃に加熱したまま、第1のSi層11を陽極として200V〜1000Vの電位差を与える。このとき、Naは、ガラスの融点以下の温度でもガラス中で動き易くなり、負電界に引かれてガラス表面に到達する。そして、ガラス中に残った多量の負イオンが第2のSi層13との間に空間電荷層を形成してSi−ガラス間に吸着力が生じ、第2のSi層13とガラスとが化学接合する。
【0041】
次に、図15に示すように、第1のSi層11を除去する。第1のSi層11を除去する方法としては、例えばKOH水溶液、TMAH、フッ酸・硝酸混合液などによるエッチングや、機械的研磨、或いは化学機械研磨(CMP)などが挙げられる。これにより、第1のSiO層12表面が露出することとなる。
【0042】
次に、図16に示すように、第1のSiO層12を、例えばフッ酸緩衝液などによって除去する。
【0043】
次に、図17に示すように、第2のSi層13を、補強部材17が接合されている主面と反対側の主面から、例えばTMAHなどによってエッチングし、最終的に集光部2aとなる凸部18を形成する。
【0044】
次に、図18に示すように、凸部18の先端18aに、例えばフッ酸緩衝液によって、最終的に出射開口部4bとなる穴部19を穿設する。
【0045】
次に、図19に示すように、第1の金属層16を例えばエッチングにより除去する。このとき、例えばエッチャントとして、硫酸二アンモニュウムセリウム(165g)、硝酸(90ml)、超純水(1l)を混合した溶液を使用し、室温でエッチングを行う。
【0046】
最後に、図20に示すように、凸部18の外周に、例えばAu、Alなどをスパッタすることによって第2の金属層19を形成する。この第2の金属層19は、最終的に導電部3となる。そして補強部材17が陽極接合されたプローブ1が完成する。
【0047】
なお、本実施の形態では、プローブ1の出射開口部4bをスリットとしたが、出射開口部4bはスリットに限定されない。例えば、出射開口部4bは、図21に示すような微小開口としても良い。このとき、凸部2bの形状は錐体とされ、この錐体の頂点に微小開口が形成される。
【0048】
また、出射開口部4bがスリットであるプローブ1は、入射媒体が光である近接場光学顕微鏡だけではなく、入射媒体が電子である透過電子顕微鏡(TEM)や、走査電子顕微鏡(SEM)などに使用することも可能である。このときには、電子を入射開口部4aから入射し、通過孔4の内壁で散乱させて出射開口部4bから出射する。
【0049】
第2の実施の形態
つぎに、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
【0050】
図22及び図23に示すように、本発明を適用したプローブ30は、略直方体であり、導電部31を有する基板32を備えている。この基板32は通過孔33を有している。そして、基板32上には絶縁層34と、電極35a,35bとが形成されている。
【0051】
基板32は、Si基板にBをドープすることによって形成されている。ここで、BはSi基板の一主面から特定の深さまでドープされている。したがって、基板32は、SiのみによるSi層、及びBがドープされているB+Si層からなる。このB+Si層は導電性を有しており、導電部31とされる。導電部31は、後述するように電極35a,35bと電気的に接続している。
【0052】
通過孔33は基板32を貫通している。また、通過孔33の内壁は導電部31によって形成されている。この通過孔33の一方の開口は入射開口部33aとされており、他方の開口は出射開口部33bとされている。この入射開口部33aは矩形状であり、出射開口部33bはスリットである。そして、通過孔33は、入射開口部33aから出射開口部33bまで、徐々に開口が小さくなるように形成されている。
【0053】
絶縁体層34は、SiOによって形成されている。絶縁体層34には2つの開口部34a,34bが設けられており、この開口部34a,34bからはそれぞれ導電部31が露呈している。そして、この開口部34a,34bには、後述するように電極35a,35bが形成される。
【0054】
電極35a,35bは、上述したように、開口部34a,34b上に形成される。また、上述したように、開口部34a,34bからは導電部31が露呈している。したがって、電極35a,35bは、開口部34a,34bで導電部31と接触しており、電気的に接続している。また、電極35a,35bは、外部の電流供給源と接続可能とされている。したがって、電極35a,35bは、外部の電流供給源から供給された電流を、導電部31に供給することが可能となる。
【0055】
以上説明したプローブ30は、入射開口部33aで光を入射し、入射した光を通過孔33の内壁で散乱させて出射開口部33bでの光強度が大きくなるように集光し、出射開口部33bから近接場光を出射する。また、プローブ30は、電流供給源から導電層31へ電流が供給されることで温度が高くなり、出射開口部33bが大きくなる。そして、プローブ30は、電流供給源から導電層31へ供給される電流の量が減少することによって温度が低くなり、出射開口部33bが小さくなる。
【0056】
このプローブ30は、以下に示す方法によって製造される。
【0057】
先ず、図24に示すように、Si基板40に対して1150℃・5分の加熱を行い、一方の主面を酸化して第1のSiO層41を形成する。
【0058】
次に、第1のSiO層41に対して、例えばリソグラフィーによるパターニングを行う。このときには、図25に示すように、第1のSiO層41の略中央部に開口部41aが形成されるように、第1のSiO層41をパターニングする。この開口部41aが形成された位置には、最終的に入射開口部33aが形成される。ここで、リソグラフィー技術としては、例えばフォトリソグラフィー技術や電子ビーム描画装置を使用して技術などを用いることができる。このとき、例えば第1のSiO層41上にリソグラフィーによりレジスト膜を形成した後に、レジスト膜のパターニングを行う。そして、フッ酸緩衝液によって第1のSiO層41をウェットエッチングする。
【0059】
次に、図26及び図27に示すように、第1のSiO層41をマスクとして、Si基板40に対して異方性エッチングを施し、穴部40aを穿設する。この穴部40aは略長方形状の開口を有しており、一方の主面40b側から厚さ方向へ進むに従って開口が小さくなるように形成される。すなわち、穴部40aは略三角柱形状を有している。このときのエッチャントとしては、例えばKOH水溶液、NaOH水溶液、ヒドラジン一水和物、エティレンジアミン−パイロカテコール−水の混合液(EPW)、テトラメティルアンモニュウムハイドロオキサイド(TMAH)などを使用する。
【0060】
次に、第1のSiO層41に対して、例えばリソグラフィーによるパターニングを再度行う。このときには、図28に示すように、第1のSiO層41の略中央部に開口部41bが形成されるように、第1のSiO層41をパターニングする。この開口部41bは、開口部41aよりも大きくなるように形成する。開口部41bが形成された位置には、最終的に導電部31が形成される。
【0061】
次に、図29に示すように、開口部41bが形成されることによって露出したSi基板40(以下、領域Zと称する。)に対してBをドープし、最終的に導電層31となるB+Si層42を形成する。
【0062】
ここで、Si基板40に対してBをドープするときの具体的な方法について説明する。Bをドープするときには、B、有機バインダー、及び溶媒の混合物であるPBFを使用する。
【0063】
先ず、このPBFを領域Zに滴下する。そして、スピンコート法によって、PBFを領域Z上に延伸した後に、乾燥させる。この状態でSi基板40を酸化炉に入れて加熱して焼成する。このとき、領域Z及び穴部40a上にB被膜が形成されるとともに、有機バインダが酸化分解してHOとCOとが発生する。更に、当該Si基板40に加熱することによって、以下の式1に示すような化学反応が起こり、BがSiに対して熱拡散してドープされる。
【0064】
3Si+2B→3SiO+4B・・・式1
次に、第1のSiO層41の除去を行う。このとき、例えばフッ酸緩衝液を使用したウェットエッチングを行うことで、第1のSiO層41を除去する。
【0065】
次に、図30に示すように、酸素雰囲気中において1150℃・5分の加熱を行うことで、第2のSiO層43を形成する。
【0066】
次に、図31に示すように、第2のSiO層43に対して、例えばリソグラフィーによるパターニングを行う。このとき、最終的に電極35a,35bが形成される部位に開口部43a,43bが形成されるように、第2のSiO層43をパターニングする。
【0067】
次に、図32に示すように、第2のSiO層43上に、レジスト層44を形成する。
【0068】
次に、図33に示すように、例えばリソグラフィーにより、レジスト層44に対するパターニングを行う。このとき、このとき、最終的に電極35a,35bが形成される部位に開口部44a,44bが形成されるように、レジスト層44をパターニングする。
【0069】
次に、図34に示すように、開口部44a、44b上に、最終的に電極層35a,35bとなる導電性金属層45a,45bを形成する。この導電性金属層45a、45bは、例えば、Au、Al、Crなどを蒸着することによって形成される。そして、レジスト層44を除去する。
【0070】
最後に、図35に示すように、Si基板40の他の主面側から最終的に出射開口部33bとなる微小開口40cを穿設する。この微小開口40cは、穴部40aと貫通するように穿設される。この微小開口を穿設する方法としては、例えば集束イオンビームなどを利用して機械的に形成する方法などが挙げられる。そして、図22及び図23に示すようなプローブ30が完成する。
【0071】
【発明の効果】
本発明に係るプローブは、導電部を備えており、また少なくともSiを含む材料から形成されている。Siは温度が高くなるにつれて膨張することが知られている。また、導電部へ電流が供給されることで、本発明に係るプローブは温度が高くなる。したがって、本発明に係るプローブは、導電部へ供給される電流の量が増加すると、温度が高くなるために膨張し、出射開口部が大きくなる。また、本発明に係るプローブは、導電部へ供給される電流の量が減少すると、温度が低くなるために膨張が小さくなり、出射開口部が小さくなる。
【0072】
プローブは、出射開口部が大きいときには高い検出感度を実現することが可能となり、出射開口部が小さいときには高い分解能を実現することが可能となる。すなわち、本発明に係るプローブは、導電部へ供給される電流の量が変化することによって出射開口部の大きさが変化するため、単独で高い検出感度と高い分解能との両方を実現することができる。
【0073】
また、本発明を適用したプローブの製造方法は、導電部へ供給する電流の量を調節することによって、出射開口部の大きさを調整することができるプローブを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したプローブであり、導電部が金属材料によって形成されているプローブを示す斜視図である。
【図2】同プローブを示す図であり、基板側から見た平面図である。
【図3】同プローブを示す図であり、図1中A−A’線断面図である。
【図4】温度とSiの膨張との関係を示す図である。
【図5】SOI基板を示す斜視図である。
【図6】SOI基板上に第2のSiO層を形成した状態を示す斜視図である。
【図7】第2のSiO層にパターニングを施した状態を示す斜視図である。
【図8】パターニングを施した第2のSiO層をマスクとして第2のSi層をエッチングした状態を示す図であり、図7中B−B’線断面図である。
【図9】パターニングを施した第2のSiO層をマスクとして第2のSi層をエッチングした状態を示す図であり、図7中C−C’線断面図である。
【図10】第2のSiO層を除去した状態を示す斜視図である。
【図11】第2のSi層上に第3のSiO層を形成した状態を示す断面図である。
【図12】穴部13a上に第1の金属層を形成した状態を示す断面図である。
【図13】穴部13a以外の位置に形成された第3のSiO層を除去した状態を示す断面図である。
【図14】穴部13aが形成された第2のSi層上にガラスが陽極接合された状態を示す断面図である。
【図15】SOI基板から第1のSi層を除去した状態を示す断面図である。
【図16】第1のSiO層を除去した状態を示す断面図である。
【図17】第2のSi層を、補強部材が接合している主面と反対側の主面からエッチングした状態を示す断面図である。
【図18】第1のSiO層を除去し、先端に開口を形成した状態を示す断面図である。
【図19】第1の金属層を除去した状態を示す断面図である。
【図20】第2の金属層を形成した状態を示す断面図である。
【図21】微小開口を示す要部拡大平面図である。
【図22】本発明を適用したプローブであり、導電部がBをドープしたSiによって形成されているプローブを示す平面図である。
【図23】同プローブを示す図であり、図23中E−E’線断面図である。
【図24】Si基板上に第1のSiO層を形成した状態を示す斜視図である。
【図25】SiO層をパターニングした状態を示す斜視図である。
【図26】Si層に対してエッチングを施した状態を示す図であり、図27中F−F’線断面図である。
【図27】Si層に対してエッチングを施した状態を示す図であり、図27中G−G’線断面図である。
【図28】Bをドープする領域Z上に形成された第1のSiO層を除去した状態を示す斜視図である。
【図29】Bをドープした状態を示す断面図である。
【図30】第2のSiO層を形成した状態を示す断面図である。
【図31】第2のSiO層に開口部を形成した状態を示す断面図である。
【図32】レジスト層を形成した状態を示す断面図である。
【図33】レジスト層に開口部を形成した状態を示す断面図である。
【図34】開口部に導電性金属層を形成した後に、レジスト層を除去した状態を示す断面図である。
【図35】微小開口を形成した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 プローブ、2 基板、3 導電部、4 通過孔

Claims (6)

  1. 温度が高くなるにつれて膨張する性質を有するSiを少なくとも含有する材料により形成され、光、電子、イオン及び原子の入射媒体の少なくとも1種類を通過させる通過孔が貫通して形成された基板と、
    上記基板に接触して設けられた導電部とを有し、
    上記基板の一方の主面上には、上記通過孔に連通して、上記入射媒体を入射させるための入射開口が設けられ、上記基板の他方の面には、上記通過孔に連通して上記入射媒体を出射させるための出射開口が設けられるとともに、
    上記通過孔を上記入射開口側から上記出射開口側に向かって徐々にその開口量が小さくなるように形成してなり、
    上記導電部へ供給する電流の量を調節することによって、上記出射開口の大きさを調節するようにしたこと
    を特徴とするプローブ。
  2. 上記導電部は、金属材料によって形成されていること
    を特徴とする請求項1記載のプローブ。
  3. 上記金属材料は、Au、Al、Agのうち少なくとも1種類であること
    を特徴とする請求項2記載のプローブ。
  4. 上記導電部は、BをドープしたSiによって形成されていること
    を特徴とする請求項1記載のプローブ。
  5. 請求項2又は3に記載のプローブの製造方法であって、
    Si基板の一方の主面側に、他方の主面側に近接するに従って開口が徐々に小さくなる第1の穴部を穿設する第1の穴部穿設工程と、
    Si基板の他方の主面側から、上記第1の穴部と連結するように第2の穴部を穿設する第2の穴部穿設工程と、
    遮光性及び導電性を有する材料によって、Si基板上に導電部を形成する導電部形成工程とを有すること
    を特徴とするプローブの製造方法。
  6. 請求項4に記載のプローブの製造方法であって、
    Si基板の一方の主面側に、他方の主面側に近接するに従って開口が徐々に小さくなる第1の穴部を穿設する第1の穴部穿設工程と、
    上記Si基板の主面側にBをドープするBドープ工程と、
    上記Si基板の他方の主面側から、上記第1の穴部と連結するように第2の穴部を穿設する第2の穴部穿設工程とを有すること
    を特徴とするプローブの製造方法。
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