JP2000221131A - 開口径可変型近接場プローブ - Google Patents
開口径可変型近接場プローブInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 単一のプローブで任意の開口径のプローブと
しての機能を発揮させ、光の透過率が高い微小開口プロ
ーブを再現性よく実現させることを目的とする。 【解決手段】 所定強度の光照射により透明化する不透
明性材料からなる薄膜を先端開口部に配置した開口径可
変型近接場プローブとする。
しての機能を発揮させ、光の透過率が高い微小開口プロ
ーブを再現性よく実現させることを目的とする。 【解決手段】 所定強度の光照射により透明化する不透
明性材料からなる薄膜を先端開口部に配置した開口径可
変型近接場プローブとする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一定強度以上の光
の照射により開口径が可変的に変化する近接場プローブ
に関するものである。
の照射により開口径が可変的に変化する近接場プローブ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近接場顕微鏡や近接場記録技術において
は、開口付き近接場プローブが広く用いられているが、
この近接場プローブは、通常、中心に光が伝搬する経路
を有する光ファイバーやガラス細管等の一端を尖鋭化
し、その周囲を光遮断のための金属膜で被覆し、先端に
光を受け入れるための開口部を設けた構造を有してい
る。そして、これに尖鋭化していない方の端部からレー
ザー光を導入すると、開口部に近接場光スポットが形成
される。このスポットの大きさは、開口径と同じ程度に
なるので、開口径を波長以下の大きさにすれば、波長以
下の分解能をもつ近接場顕微鏡を得ることができるし、
また波長以下の微細なマークの書き込みや読み出しが可
能になり、この機能を利用して近接場顕微鏡や近接場記
録技術が開発されている。
は、開口付き近接場プローブが広く用いられているが、
この近接場プローブは、通常、中心に光が伝搬する経路
を有する光ファイバーやガラス細管等の一端を尖鋭化
し、その周囲を光遮断のための金属膜で被覆し、先端に
光を受け入れるための開口部を設けた構造を有してい
る。そして、これに尖鋭化していない方の端部からレー
ザー光を導入すると、開口部に近接場光スポットが形成
される。このスポットの大きさは、開口径と同じ程度に
なるので、開口径を波長以下の大きさにすれば、波長以
下の分解能をもつ近接場顕微鏡を得ることができるし、
また波長以下の微細なマークの書き込みや読み出しが可
能になり、この機能を利用して近接場顕微鏡や近接場記
録技術が開発されている。
【0003】ところで、従来の開口付き近接場プローブ
は、開口の大きさが固定しているため、スポット径を変
えることができず、使用目的に対応できないという欠点
があった。例えば、開口の大きいプローブは、光の透過
率が大きく速い走査を行うことができるが、分解能が低
くなるのを免れないし、また開口の小さいプローブは、
高分解能が得られるが、光の透過率が低いため、速い走
査は不可能になるのを免れない。
は、開口の大きさが固定しているため、スポット径を変
えることができず、使用目的に対応できないという欠点
があった。例えば、開口の大きいプローブは、光の透過
率が大きく速い走査を行うことができるが、分解能が低
くなるのを免れないし、また開口の小さいプローブは、
高分解能が得られるが、光の透過率が低いため、速い走
査は不可能になるのを免れない。
【0004】したがって、近接場顕微鏡による試料の観
察では、視野探しのための比較的広い面積の高速走査
と、特定視野の高分解能観察が必要となるが、単独のプ
ローブでこのような操作を行うことは、非常に困難であ
る。また、目的に応じてプローブを交換する方法も考え
られるが、交換の手間が煩雑で時間がかかる上に、交換
時のプローブ位置の再現性に限界があるため視野の再現
が不完全であり、実現不可能である。
察では、視野探しのための比較的広い面積の高速走査
と、特定視野の高分解能観察が必要となるが、単独のプ
ローブでこのような操作を行うことは、非常に困難であ
る。また、目的に応じてプローブを交換する方法も考え
られるが、交換の手間が煩雑で時間がかかる上に、交換
時のプローブ位置の再現性に限界があるため視野の再現
が不完全であり、実現不可能である。
【0005】一般に、開口径が微細になるほど、光の透
過率が低下するが、本発明者らは、最近、開口部に至る
光の経路を開口部の近くまで光の減衰が少ない形状にす
れば、微細な開口で光の透過率を高めることができるこ
とを知った。しかしながら、これまでのガラス細管を加
熱しながら延伸して尖鋭化させる方法では、形状を前記
のように制御することは困難であるし、また、光ファイ
バーを異方性エッチングにより尖鋭化する方法では、条
件を変えて数段階に分けてエッチングすれば、前記の形
状に形成することは可能であるが、加工過程の制御が複
雑で、再現性よく所望のプローブを得ることは困難であ
る。
過率が低下するが、本発明者らは、最近、開口部に至る
光の経路を開口部の近くまで光の減衰が少ない形状にす
れば、微細な開口で光の透過率を高めることができるこ
とを知った。しかしながら、これまでのガラス細管を加
熱しながら延伸して尖鋭化させる方法では、形状を前記
のように制御することは困難であるし、また、光ファイ
バーを異方性エッチングにより尖鋭化する方法では、条
件を変えて数段階に分けてエッチングすれば、前記の形
状に形成することは可能であるが、加工過程の制御が複
雑で、再現性よく所望のプローブを得ることは困難であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これまでの
事情に鑑み、単一のプローブで任意の開口径のプローブ
としての機能を発揮させ、光の透過率が高い微小開口プ
ローブを再現性よく実現させることを目的としてなされ
たものである。
事情に鑑み、単一のプローブで任意の開口径のプローブ
としての機能を発揮させ、光の透過率が高い微小開口プ
ローブを再現性よく実現させることを目的としてなされ
たものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、近接場プ
ローブについて種々研究を重ねた結果、近接場プローブ
の先端に、通常は不透明であるが、一定強度の光を照射
すると光を透過するようになる性質をもつ材料からなる
薄膜を配置すれば、開口径を任意に制御することがで
き、単一のプローブで複数のプローブを用いた場合と同
様の機能を発揮させうることを見出し、この知見に基づ
いて本発明をなすに至った。
ローブについて種々研究を重ねた結果、近接場プローブ
の先端に、通常は不透明であるが、一定強度の光を照射
すると光を透過するようになる性質をもつ材料からなる
薄膜を配置すれば、開口径を任意に制御することがで
き、単一のプローブで複数のプローブを用いた場合と同
様の機能を発揮させうることを見出し、この知見に基づ
いて本発明をなすに至った。
【0008】すなわち、本発明は、所定強度の光照射に
より透明化する不透明性材料からなる薄膜を先端開口部
に配置したことを特徴とする開口径可変型近接場プロー
ブを提供するものである。本発明において薄膜材料とし
て用いる、所定強度の光照射により透明化する不透明性
材料は、可逆的なものでもよいし、また不可逆的なもの
でもよいが、繰り返し使用しうる点で可逆的なものの方
が好ましい。
より透明化する不透明性材料からなる薄膜を先端開口部
に配置したことを特徴とする開口径可変型近接場プロー
ブを提供するものである。本発明において薄膜材料とし
て用いる、所定強度の光照射により透明化する不透明性
材料は、可逆的なものでもよいし、また不可逆的なもの
でもよいが、繰り返し使用しうる点で可逆的なものの方
が好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、添付図面に従って本発明を
さらに詳細に説明する。図2は、従来の開口付きファイ
バープローブの構造を示す断面図であり、光ファイバー
の一端をエッチングしてコア1を露出させ、その先端を
円錐状に加工後、そのコアの先端部の周囲に、不透明性
材料例えば金属の薄膜3を配置したのち、先端部を切断
して開口4が形成されている。なお、2はクラッドであ
る。このような構造をもつ従来のファイバープローブで
は、先端の切断位置により開口径が定められ、その後で
開口径を変化させることはできない。図1は、本発明に
よる開口付きファイバープローブの構造を示す断面図で
あって、先端部の切断を所望の開口径より大きな開口が
形成される位置で行う。そして、この切断面に、所定強
度の光照射により透明化する不透明性材料、すなわち通
常は不透明であるが、一定強度以上の光を照射すると可
逆的に、又は不可逆的に光を透過するように変化する性
質をもつ材料からなる薄膜6を配置する。このような薄
膜材料としては、書き換え可能型ディスクの記録材料と
して用いられている相変化記録材料、例えばアンチモ
ン、アンチモン合金などや、ホトクロミック材料、例え
ばジアリールエテン類、スピロピラン類、スピロベンゾ
ピラン類、スピロオキサジン類、スチルベン類、フルギ
ド類などがある。
さらに詳細に説明する。図2は、従来の開口付きファイ
バープローブの構造を示す断面図であり、光ファイバー
の一端をエッチングしてコア1を露出させ、その先端を
円錐状に加工後、そのコアの先端部の周囲に、不透明性
材料例えば金属の薄膜3を配置したのち、先端部を切断
して開口4が形成されている。なお、2はクラッドであ
る。このような構造をもつ従来のファイバープローブで
は、先端の切断位置により開口径が定められ、その後で
開口径を変化させることはできない。図1は、本発明に
よる開口付きファイバープローブの構造を示す断面図で
あって、先端部の切断を所望の開口径より大きな開口が
形成される位置で行う。そして、この切断面に、所定強
度の光照射により透明化する不透明性材料、すなわち通
常は不透明であるが、一定強度以上の光を照射すると可
逆的に、又は不可逆的に光を透過するように変化する性
質をもつ材料からなる薄膜6を配置する。このような薄
膜材料としては、書き換え可能型ディスクの記録材料と
して用いられている相変化記録材料、例えばアンチモ
ン、アンチモン合金などや、ホトクロミック材料、例え
ばジアリールエテン類、スピロピラン類、スピロベンゾ
ピラン類、スピロオキサジン類、スチルベン類、フルギ
ド類などがある。
【0010】このような構造のプローブにレーザー光5
を入射させると、コア部を伝搬してきたレーザー光は、
プローブ先端部の傾斜した金属膜で反射され、開口中心
部に集中するため、薄膜6に入射するレーザー光の強度
分布は、図1下方に示すように、中心部で強度が最大と
なる。入射レーザー光の強度を調整して、薄膜6に入射
する光強度分布の中心部のみが、薄膜6の透過率変化が
おきる光強度を越えるようにすれば、光強度分布の中心
部に対応した大きさ7の光学的開口(実際に開口がある
わけではないが、光学的には開口と同じ機能をするの
で、光学的開口と称する)が薄膜6に形成される。光学
的開口の大きさは、入射レーザー光の強度によって変化
させることができる。あるいは、温度依存性のホトクロ
ミック材料を用いると、薄膜6の温度を変えることによ
って、入射レーザー光強度を変化させたのと同じように
光学的開口の大きさを変化させることができる。光学的
開口の大きさは、通常10〜200nmの間で変化させ
ることができる。
を入射させると、コア部を伝搬してきたレーザー光は、
プローブ先端部の傾斜した金属膜で反射され、開口中心
部に集中するため、薄膜6に入射するレーザー光の強度
分布は、図1下方に示すように、中心部で強度が最大と
なる。入射レーザー光の強度を調整して、薄膜6に入射
する光強度分布の中心部のみが、薄膜6の透過率変化が
おきる光強度を越えるようにすれば、光強度分布の中心
部に対応した大きさ7の光学的開口(実際に開口がある
わけではないが、光学的には開口と同じ機能をするの
で、光学的開口と称する)が薄膜6に形成される。光学
的開口の大きさは、入射レーザー光の強度によって変化
させることができる。あるいは、温度依存性のホトクロ
ミック材料を用いると、薄膜6の温度を変えることによ
って、入射レーザー光強度を変化させたのと同じように
光学的開口の大きさを変化させることができる。光学的
開口の大きさは、通常10〜200nmの間で変化させ
ることができる。
【0011】以上のように、本発明による開口付き近接
場プローブでは、尖鋭化した先端部の切断位置によって
開口径が決まるのではなく、入射レーザー光強度によっ
て変化させることができるので、光の透過率が大きくな
るような位置で先端部を切断し、入射レーザー光強度や
温度を調節することによって微小な光学的開口を形成す
ることができる。このようなプローブを走査近接場光学
顕微鏡に利用する場合は、試料を観察するために用いる
光を、また近接場光記録に利用する場合は、記録マーク
の書き込みあるいは読み取りに用いる光を、そのまま光
学的開口を形成するために用いることができる。あるい
は、これらの光とは別に、波長の異なる光を光学的開口
を形成するために用いてもよい。この場合、試料の観察
や記録の書き込み・読み出し等に用いる光と光学的開口
を形成するための光は、フィルタにより分離すればよ
い。
場プローブでは、尖鋭化した先端部の切断位置によって
開口径が決まるのではなく、入射レーザー光強度によっ
て変化させることができるので、光の透過率が大きくな
るような位置で先端部を切断し、入射レーザー光強度や
温度を調節することによって微小な光学的開口を形成す
ることができる。このようなプローブを走査近接場光学
顕微鏡に利用する場合は、試料を観察するために用いる
光を、また近接場光記録に利用する場合は、記録マーク
の書き込みあるいは読み取りに用いる光を、そのまま光
学的開口を形成するために用いることができる。あるい
は、これらの光とは別に、波長の異なる光を光学的開口
を形成するために用いてもよい。この場合、試料の観察
や記録の書き込み・読み出し等に用いる光と光学的開口
を形成するための光は、フィルタにより分離すればよ
い。
【0012】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。
する。
【0013】実施例1 可逆的に変化する材料として、厚さ20nmのアンチモ
ン膜を用い、図2に示す構造のプローブを製造した。ア
ンチモン膜は、膜形成時は結晶相となるため不透明であ
るが、一定強度以上の光を照射すると、それによる熱的
作用により非晶質相に変化して光を透過させるようにな
り、温度が下がると再び結晶相に戻り不透明となる。な
お、アンチモン膜は、温度が上がると蒸発し始め、不安
定になったので、さらにその上に、保護膜として厚さ2
0nmの窒化シリコン膜を形成したところ、安定化させ
ることができた。このプローブに波長680nmのレー
ザー光を入射させると、アンチモン膜に光学的開口が形
成され、近接場スポットが得られた。スポットの大きさ
は、レーザー光の強度により変化し、最小では直径約5
0nm程度のスポットを形成することができた。
ン膜を用い、図2に示す構造のプローブを製造した。ア
ンチモン膜は、膜形成時は結晶相となるため不透明であ
るが、一定強度以上の光を照射すると、それによる熱的
作用により非晶質相に変化して光を透過させるようにな
り、温度が下がると再び結晶相に戻り不透明となる。な
お、アンチモン膜は、温度が上がると蒸発し始め、不安
定になったので、さらにその上に、保護膜として厚さ2
0nmの窒化シリコン膜を形成したところ、安定化させ
ることができた。このプローブに波長680nmのレー
ザー光を入射させると、アンチモン膜に光学的開口が形
成され、近接場スポットが得られた。スポットの大きさ
は、レーザー光の強度により変化し、最小では直径約5
0nm程度のスポットを形成することができた。
【0014】実施例2 実施例1のアンチモン膜の代わりに、ホトクロミック材
料として知られるジフェニルエテンを用い、厚さ約10
0nmの膜を形成して、図2に示す構造のプローブを製
造した。ジフェニルエテン膜に紫外光を照射し、着色状
態(不透明)にした後、プローブに波長530nmのレ
ーザー光を入射させたところ、ジフェニルエテン膜の中
心部の微小領域のみが消色されて透明になった。この微
小な透明領域の大きさは、レーザー光の強度と、それを
当てている時間との積に比例して大きくなり、最小で
は、直径約30nm程度にすることができた。この微小
な透明領域は、レーザー光の照射を止めた後も保持され
るので、これに消色反応が起こらない波長すなわち波長
680nmのレーザー光を入射させることにより、微小
な透明領域とほぼ同程度の大きさの近接場スポットを形
成させることができた。また、消色した部分は、紫外光
を照射すると、再び着色状態に復元することができた。
料として知られるジフェニルエテンを用い、厚さ約10
0nmの膜を形成して、図2に示す構造のプローブを製
造した。ジフェニルエテン膜に紫外光を照射し、着色状
態(不透明)にした後、プローブに波長530nmのレ
ーザー光を入射させたところ、ジフェニルエテン膜の中
心部の微小領域のみが消色されて透明になった。この微
小な透明領域の大きさは、レーザー光の強度と、それを
当てている時間との積に比例して大きくなり、最小で
は、直径約30nm程度にすることができた。この微小
な透明領域は、レーザー光の照射を止めた後も保持され
るので、これに消色反応が起こらない波長すなわち波長
680nmのレーザー光を入射させることにより、微小
な透明領域とほぼ同程度の大きさの近接場スポットを形
成させることができた。また、消色した部分は、紫外光
を照射すると、再び着色状態に復元することができた。
【0015】
【発明の効果】本発明の近接場プローブは、開口におけ
る光強度が、従来のような長く尖ったプローブの先端の
開口ではないので、開口における光強度が強いという長
所を有する。したがって、これを用いれば、高速かつ高
解像度の近接場顕微鏡観察や、光記録・読み出しを行う
ことができる。
る光強度が、従来のような長く尖ったプローブの先端の
開口ではないので、開口における光強度が強いという長
所を有する。したがって、これを用いれば、高速かつ高
解像度の近接場顕微鏡観察や、光記録・読み出しを行う
ことができる。
【図1】 本発明によるファイバープローブの断面図。
【図2】 従来のファイバープローブの断面図。
1 コア 2 クラッド 3 金属膜 4 開口 5 レーザー光 6 薄膜 7 光強度分布の中心部に対応する大きさ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月3日(2000.2.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【発明の実施の形態】次に、添付図面に従って本発明を
さらに詳細に説明する。図2は、従来の開口付きファイ
バープローブの構造を示す断面図であり、光ファイバー
の一端をエッチングしてコア1を露出させ、その先端を
円錐状に加工後、そのコアの先端部の周囲に、不透明性
材料例えば金属の薄膜3を配置したのち、先端部を切断
して開口4が形成されている。なお、2はクラッドであ
る。このような構造をもつ従来のファイバープローブで
は、先端の切断位置により開口径が定められ、その後で
開口径を変化させることはできない。図1は、本発明に
よる開口付きファイバープローブの構造を示す断面図で
あって、先端部の切断を所望の開口径より大きな開口が
形成される位置で行う。そして、この切断面に、所定強
度の光照射により透明化する不透明性材料、すなわち通
常は不透明であるが、一定強度以上の光を照射すると可
逆的に、又は不可逆的に光を透過するように変化する性
質をもつ材料からなる薄膜6を配置する。このような薄
膜材料としては、書き換え可能型ディスクの記録材料と
して用いられている相変化記録材料、例えばアンチモ
ン、アンチモン合金などや、ホトクロミック材料、例え
ばジアリールエテン類、スピロピラン類、スピロベンゾ
ピラン類、スピロオキサジン類、フルギド類などがあ
る。
さらに詳細に説明する。図2は、従来の開口付きファイ
バープローブの構造を示す断面図であり、光ファイバー
の一端をエッチングしてコア1を露出させ、その先端を
円錐状に加工後、そのコアの先端部の周囲に、不透明性
材料例えば金属の薄膜3を配置したのち、先端部を切断
して開口4が形成されている。なお、2はクラッドであ
る。このような構造をもつ従来のファイバープローブで
は、先端の切断位置により開口径が定められ、その後で
開口径を変化させることはできない。図1は、本発明に
よる開口付きファイバープローブの構造を示す断面図で
あって、先端部の切断を所望の開口径より大きな開口が
形成される位置で行う。そして、この切断面に、所定強
度の光照射により透明化する不透明性材料、すなわち通
常は不透明であるが、一定強度以上の光を照射すると可
逆的に、又は不可逆的に光を透過するように変化する性
質をもつ材料からなる薄膜6を配置する。このような薄
膜材料としては、書き換え可能型ディスクの記録材料と
して用いられている相変化記録材料、例えばアンチモ
ン、アンチモン合金などや、ホトクロミック材料、例え
ばジアリールエテン類、スピロピラン類、スピロベンゾ
ピラン類、スピロオキサジン類、フルギド類などがあ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】実施例1 可逆的に変化する材料として、厚さ20nmのアンチモ
ン膜を用い、図1に示す構造のプローブを製造した。ア
ンチモン膜は、膜形成時は結晶相となるため不透明であ
るが、一定強度以上の光を照射すると、それによる熱的
作用により非晶質相に変化して光を透過させるようにな
り、温度が下がると再び結晶相に戻り不透明となる。な
お、アンチモン膜は、温度が上がると蒸発し始め、不安
定になったので、さらにその上に、保護膜として厚さ2
0nmの窒化シリコン膜を形成したところ、安定化させ
ることができた。このプローブに波長680nmのレー
ザー光を入射させると、アンチモン膜に光学的開口が形
成され、近接場スポットが得られた。スポットの大きさ
は、レーザー光の強度により変化し、最小では直径約5
0nm程度のスポットを形成することができた。
ン膜を用い、図1に示す構造のプローブを製造した。ア
ンチモン膜は、膜形成時は結晶相となるため不透明であ
るが、一定強度以上の光を照射すると、それによる熱的
作用により非晶質相に変化して光を透過させるようにな
り、温度が下がると再び結晶相に戻り不透明となる。な
お、アンチモン膜は、温度が上がると蒸発し始め、不安
定になったので、さらにその上に、保護膜として厚さ2
0nmの窒化シリコン膜を形成したところ、安定化させ
ることができた。このプローブに波長680nmのレー
ザー光を入射させると、アンチモン膜に光学的開口が形
成され、近接場スポットが得られた。スポットの大きさ
は、レーザー光の強度により変化し、最小では直径約5
0nm程度のスポットを形成することができた。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】実施例2 実施例1のアンチモン膜の代わりに、ホトクロミック材
料として知られるジフェニルエテンを用い、厚さ約10
0nmの膜を形成して、図1に示す構造のプローブを製
造した。ジフェニルエテン膜に紫外光を照射し、着色状
態(不透明)にした後、プローブに波長530nmのレ
ーザー光を入射させたところ、ジフェニルエテン膜の中
心部の微小領域のみが消色されて透明になった。この微
小な透明領域の大きさは、レーザー光の強度と、それを
当てている時間との積に比例して大きくなり、最小で
は、直径約30nm程度にすることができた。この微小
な透明領域は、レーザー光の照射を止めた後も保持され
るので、これに消色反応が起こらない波長すなわち波長
680nmのレーザー光を入射させることにより、微小
な透明領域とほぼ同程度の大きさの近接場スポットを形
成させることができた。また、消色した部分は、紫外光
を照射すると、再び着色状態に復元することができた。
料として知られるジフェニルエテンを用い、厚さ約10
0nmの膜を形成して、図1に示す構造のプローブを製
造した。ジフェニルエテン膜に紫外光を照射し、着色状
態(不透明)にした後、プローブに波長530nmのレ
ーザー光を入射させたところ、ジフェニルエテン膜の中
心部の微小領域のみが消色されて透明になった。この微
小な透明領域の大きさは、レーザー光の強度と、それを
当てている時間との積に比例して大きくなり、最小で
は、直径約30nm程度にすることができた。この微小
な透明領域は、レーザー光の照射を止めた後も保持され
るので、これに消色反応が起こらない波長すなわち波長
680nmのレーザー光を入射させることにより、微小
な透明領域とほぼ同程度の大きさの近接場スポットを形
成させることができた。また、消色した部分は、紫外光
を照射すると、再び着色状態に復元することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿刀田 伸史 茨城県つくば市東1丁目1番4 工業技術 院産業技術融合領域研究所内 (72)発明者 興梠 元伸 茨城県つくば市東1丁目1番4 工業技術 院産業技術融合領域研究所内 (72)発明者 大津 元一 茨城県つくば市東1丁目1番4 工業技術 院産業技術融合領域研究所内 Fターム(参考) 2H050 AC03 AC87 AC90 AD00 2H052 AA07 AC26 AC34
Claims (4)
- 【請求項1】 所定強度の光照射により透明化する不透
明性材料からなる薄膜を先端開口部に配置したことを特
徴とする開口径可変型近接場プローブ。 - 【請求項2】 薄膜材料の不透明、透明の変化が可逆的
である請求項1記載の開口径可変型近接場プローブ。 - 【請求項3】 薄膜材料がアンチモンである請求項2記
載の開口径可変型近接場プローブ。 - 【請求項4】 薄膜材料がホトクロミック化合物である
請求項2記載の開口径可変型近接場プローブ。
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