JPH05256643A - 走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバーチップ - Google Patents
走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバーチップInfo
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- JPH05256643A JPH05256643A JP4219969A JP21996992A JPH05256643A JP H05256643 A JPH05256643 A JP H05256643A JP 4219969 A JP4219969 A JP 4219969A JP 21996992 A JP21996992 A JP 21996992A JP H05256643 A JPH05256643 A JP H05256643A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】カンチレバーを試料に対して傾けて取り付けた
場合にあっても、カンチレバーを傾けないで取り付けた
場合と同じ様に試料の表面形状を測定することを可能に
する走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバーチップを提
供する。 【構成】カンチレバーチップ10は保持基板12を有
し、そこから中抜きの三角形状のカンチレバー14が延
出している。カンチレバー14の先端部には探針16が
設けられている。この探針16の軸18はカンチレバー
14の面に立てた法線20に対して所定の角度を有して
いる。この角度は、カンチレバーチップ10を例えばA
FM装置に取り付けたときに、探針16の軸18が試料
面に垂直になるように設定してある。
場合にあっても、カンチレバーを傾けないで取り付けた
場合と同じ様に試料の表面形状を測定することを可能に
する走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバーチップを提
供する。 【構成】カンチレバーチップ10は保持基板12を有
し、そこから中抜きの三角形状のカンチレバー14が延
出している。カンチレバー14の先端部には探針16が
設けられている。この探針16の軸18はカンチレバー
14の面に立てた法線20に対して所定の角度を有して
いる。この角度は、カンチレバーチップ10を例えばA
FM装置に取り付けたときに、探針16の軸18が試料
面に垂直になるように設定してある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型プローブ顕微鏡
に用いるカンチレバーチップに関する。
に用いるカンチレバーチップに関する。
【0002】
【従来の技術】ビニッヒやローラー等の発明した走査型
トンネル顕微鏡(STM)におけるサーボ技術を始めと
する要素技術を利用して、STMでは測定し難かった絶
縁性試料を原子オーダーの精度で観察することのできる
顕微鏡として原子間力顕微鏡(AFM)が提案され実用
に供されている。
トンネル顕微鏡(STM)におけるサーボ技術を始めと
する要素技術を利用して、STMでは測定し難かった絶
縁性試料を原子オーダーの精度で観察することのできる
顕微鏡として原子間力顕微鏡(AFM)が提案され実用
に供されている。
【0003】AFMは、構造的にはSTMに類似してお
り、走査型プローブ顕微鏡の一つとして位置づけられ
る。AFMでは、鋭く尖った突起部(探針部)を自由端
に持つカンチレバーを試料に近接させ、探針部を試料表
面に沿って相対的に移動させながら、探針部先端の原子
と試料表面の原子との間に働く相互作用によって変位す
るカンチレバーの動きを電気的あるいは光学的に測定
し、試料表面の各点の情報を時系列的にとらえて処理す
ることにより、試料の凹凸情報等の三次元的な情報を得
ている。
り、走査型プローブ顕微鏡の一つとして位置づけられ
る。AFMでは、鋭く尖った突起部(探針部)を自由端
に持つカンチレバーを試料に近接させ、探針部を試料表
面に沿って相対的に移動させながら、探針部先端の原子
と試料表面の原子との間に働く相互作用によって変位す
るカンチレバーの動きを電気的あるいは光学的に測定
し、試料表面の各点の情報を時系列的にとらえて処理す
ることにより、試料の凹凸情報等の三次元的な情報を得
ている。
【0004】以前、走査型プローブ顕微鏡用のカンチレ
バーとして、「Thomas R. Albrecht, Calvin F. Quate,
"Atomic resolution Imaging of a nonconductor by A
tomic force Microscopy" J. Appl. Pys, 62(1987)259
9」の中において、半導体IC製造プロセスを応用して
作製したSiO2 カンチレバーチップが提案された。そ
れ以来、カンチレバーとしては、ミクロンオーダーの高
い精度で再現性良く作製できるとともに、バッチプロセ
スを用いることによりコスト的にも安価に製造できるた
め、この半導体IC製造プロセスを応用して作製するカ
ンチレバーチップが主流になっている。
バーとして、「Thomas R. Albrecht, Calvin F. Quate,
"Atomic resolution Imaging of a nonconductor by A
tomic force Microscopy" J. Appl. Pys, 62(1987)259
9」の中において、半導体IC製造プロセスを応用して
作製したSiO2 カンチレバーチップが提案された。そ
れ以来、カンチレバーとしては、ミクロンオーダーの高
い精度で再現性良く作製できるとともに、バッチプロセ
スを用いることによりコスト的にも安価に製造できるた
め、この半導体IC製造プロセスを応用して作製するカ
ンチレバーチップが主流になっている。
【0005】例えば「J. Vac. Sci. Technol. A8(4)338
6 1990 (T. Albrecht, S. Akamine,T. E. Caver and C.
F. Quate) 」の中でも触れた、SiO2 膜の代わりに
窒化シリコン膜をカンチレバー構成材料に用いたカンチ
レバーチップは既に市場に出回っている。このカンチレ
バーは、長さが50〜200μm程度、厚さが0.5〜
1μm程度で、形状として中抜きの三角形や長方形があ
る。
6 1990 (T. Albrecht, S. Akamine,T. E. Caver and C.
F. Quate) 」の中でも触れた、SiO2 膜の代わりに
窒化シリコン膜をカンチレバー構成材料に用いたカンチ
レバーチップは既に市場に出回っている。このカンチレ
バーは、長さが50〜200μm程度、厚さが0.5〜
1μm程度で、形状として中抜きの三角形や長方形があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のバッチプロセス
で作製したカンチレバーチップでは、カンチレバー先端
にある探針の軸はカンチレバーの面に対して直交してい
る。このようなカンチレバーチップをAFM装置に取り
付ける際、カンチレバーチップは、図16(A)に示す
ように、その支持部分が測定試料に接触しないよう、試
料100に対して0〜15°程度傾けて装置に取り付け
られる。この結果、探針102はその軸104が測定試
料100の表面に立てた法線106に平行でなく、この
法線106に対して傾いた状態で対峙することになる。
この状態で探針102を走査して、グレーティング状の
試料100のAFM測定を行なうと、その走査ライン上
では図16(B)に示す高さプロファイルが得られる。
この高さプロファイルでは、本来なら同じ形に測定され
るはずのグレーティングの溝の両側の縁が、異なる形に
トレースされている。このように、通常のカンチレバー
チップを試料の表面に対して傾けて配置した場合、試料
の表面形状を正確に測定することは困難である。
で作製したカンチレバーチップでは、カンチレバー先端
にある探針の軸はカンチレバーの面に対して直交してい
る。このようなカンチレバーチップをAFM装置に取り
付ける際、カンチレバーチップは、図16(A)に示す
ように、その支持部分が測定試料に接触しないよう、試
料100に対して0〜15°程度傾けて装置に取り付け
られる。この結果、探針102はその軸104が測定試
料100の表面に立てた法線106に平行でなく、この
法線106に対して傾いた状態で対峙することになる。
この状態で探針102を走査して、グレーティング状の
試料100のAFM測定を行なうと、その走査ライン上
では図16(B)に示す高さプロファイルが得られる。
この高さプロファイルでは、本来なら同じ形に測定され
るはずのグレーティングの溝の両側の縁が、異なる形に
トレースされている。このように、通常のカンチレバー
チップを試料の表面に対して傾けて配置した場合、試料
の表面形状を正確に測定することは困難である。
【0007】本発明は、カンチレバーを試料に対して傾
けて取り付けた場合にあっても、カンチレバーを傾けな
いで取り付けた場合と同じ様に試料の表面形状を測定す
ることを可能にする走査型プローブ顕微鏡用のカンチレ
バーチップの提供を目的とする。
けて取り付けた場合にあっても、カンチレバーを傾けな
いで取り付けた場合と同じ様に試料の表面形状を測定す
ることを可能にする走査型プローブ顕微鏡用のカンチレ
バーチップの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のカンチレバーチ
ップは、弾性変形するカンチレバーと、カンチレバーの
面に立てた法線に対して所定の角度で傾いている傾斜軸
と、カンチレバーの先端部に設けられた、傾斜軸に対し
て軸対称な探針とを備えている。
ップは、弾性変形するカンチレバーと、カンチレバーの
面に立てた法線に対して所定の角度で傾いている傾斜軸
と、カンチレバーの先端部に設けられた、傾斜軸に対し
て軸対称な探針とを備えている。
【0009】
【作用】本発明のカンチレバーチップでは、カンチレバ
ーの先端部に設けた探針の軸(傾斜軸)はカンチレバー
の面に立てた法線に対して所定の角度を有している。こ
の角度は、走査型プローブ顕微鏡にカンチレバーチップ
を取り付けた際に、探針の軸が試料の表面にほぼ垂直に
なるように設定されている。従って、カンチレバーチッ
プを装置に取り付けた状態では、探針は試料表面に立て
た法線に対して軸対称となる。
ーの先端部に設けた探針の軸(傾斜軸)はカンチレバー
の面に立てた法線に対して所定の角度を有している。こ
の角度は、走査型プローブ顕微鏡にカンチレバーチップ
を取り付けた際に、探針の軸が試料の表面にほぼ垂直に
なるように設定されている。従って、カンチレバーチッ
プを装置に取り付けた状態では、探針は試料表面に立て
た法線に対して軸対称となる。
【0010】
【実施例】本発明による走査型プローブ顕微鏡のカンチ
レバーチップを図1に示す。図1(A)はカンチレバー
チップの斜視図、図1(B)はカンチレバーの横断面図
である。カンチレバーチップ10は図1(A)に示すよ
うに保持基板12を有し、そこから中抜きの三角形状の
カンチレバー14が延出している。カンチレバー14の
先端部には探針16が設けられている。この探針16の
軸18は、図1(B)に示すように、カンチレバー14
の面に立てた法線20に対して所定の角度を有してい
る。この角度は、カンチレバーチップ10を例えばAF
M装置に取り付けたときに、探針16の軸18が試料面
に垂直になるように設定してある。カンチレバーチップ
10をAFM装置に取り付けた状態を図2に示す。図に
示すように、カンチレバーチップ10を装置に取り付け
た状態では、探針16の軸18は試料22の表面に立て
た法線24と平行になる。探針16と試料22を拡大し
たものを図3(A)に示す。また、このカンチレバーチ
ップ10を用いて試料22の表面を走査して得られる高
さプロファイルを図3(B)に示す。このように、本発
明のカンチレバーチップ10では、装置に取り付けた際
に探針16の軸18が試料22の表面に垂直になるの
で、試料22のグレーティング形状を正確にトレースす
ることができる。次に、カンチレバーチップ10の製造
方法について説明する。まず図4(A)に示すように、
表面に対して(100)面が10°傾いているシリコン
ウェハー30の上に窒化シリコン膜32をCVD法によ
り形成する。次に図4(B)に示すように、この窒化シ
リコン膜32をフォトリソグラフィーによりパターニン
グして探針を形成する箇所に開口部34を形成する。
レバーチップを図1に示す。図1(A)はカンチレバー
チップの斜視図、図1(B)はカンチレバーの横断面図
である。カンチレバーチップ10は図1(A)に示すよ
うに保持基板12を有し、そこから中抜きの三角形状の
カンチレバー14が延出している。カンチレバー14の
先端部には探針16が設けられている。この探針16の
軸18は、図1(B)に示すように、カンチレバー14
の面に立てた法線20に対して所定の角度を有してい
る。この角度は、カンチレバーチップ10を例えばAF
M装置に取り付けたときに、探針16の軸18が試料面
に垂直になるように設定してある。カンチレバーチップ
10をAFM装置に取り付けた状態を図2に示す。図に
示すように、カンチレバーチップ10を装置に取り付け
た状態では、探針16の軸18は試料22の表面に立て
た法線24と平行になる。探針16と試料22を拡大し
たものを図3(A)に示す。また、このカンチレバーチ
ップ10を用いて試料22の表面を走査して得られる高
さプロファイルを図3(B)に示す。このように、本発
明のカンチレバーチップ10では、装置に取り付けた際
に探針16の軸18が試料22の表面に垂直になるの
で、試料22のグレーティング形状を正確にトレースす
ることができる。次に、カンチレバーチップ10の製造
方法について説明する。まず図4(A)に示すように、
表面に対して(100)面が10°傾いているシリコン
ウェハー30の上に窒化シリコン膜32をCVD法によ
り形成する。次に図4(B)に示すように、この窒化シ
リコン膜32をフォトリソグラフィーによりパターニン
グして探針を形成する箇所に開口部34を形成する。
【0011】続いて図4(C)に示すように、この窒化
シリコン膜32をマスクとしてシリコンウェハー30に
対して湿式異方性エッチングを行ない、開口部34を底
面とする逆四角錐形状の穴36を形成する。このように
形成された穴の四角錐の軸はウェハーの表面に対して1
0°傾斜している。
シリコン膜32をマスクとしてシリコンウェハー30に
対して湿式異方性エッチングを行ない、開口部34を底
面とする逆四角錐形状の穴36を形成する。このように
形成された穴の四角錐の軸はウェハーの表面に対して1
0°傾斜している。
【0012】窒化シリコン膜32を除去した後、図4
(D)に示すように、シリコンウェハー30の上に膜厚
0.4〜1μm程度の窒化シリコン膜38をCVD法に
より再度形成する。つづいて図4(E)に示すように、
この窒化シリコン膜38を所定の形状にパターニングし
てカンチレバー40を形成する。次に、図4(F)に示
すように、保持基板となるパイレックスガラス42をシ
リコンウェハー上のカンチレバー形状パターンに合わせ
て加工する。図4(G)に示すように、パイレックスガ
ラス42とカンチレバー40とを陽極接合する。
(D)に示すように、シリコンウェハー30の上に膜厚
0.4〜1μm程度の窒化シリコン膜38をCVD法に
より再度形成する。つづいて図4(E)に示すように、
この窒化シリコン膜38を所定の形状にパターニングし
てカンチレバー40を形成する。次に、図4(F)に示
すように、保持基板となるパイレックスガラス42をシ
リコンウェハー上のカンチレバー形状パターンに合わせ
て加工する。図4(G)に示すように、パイレックスガ
ラス42とカンチレバー40とを陽極接合する。
【0013】最後に図4(H)に示すように、シリコン
ウェハー30をKOHの40%水溶液を用いたエッチン
グで除去して、図1に示したカンチレバーチップ10を
得る。
ウェハー30をKOHの40%水溶液を用いたエッチン
グで除去して、図1に示したカンチレバーチップ10を
得る。
【0014】上述のプロセスにおいて、探針16は、湿
式異方性エッチングにより形成された逆四角錐の穴の形
状に形成される。探針16の形状すなわち逆四角錐の穴
36の形状は、窒化シリコン膜32に形成する開口部3
4の形状を変更することにより適宜変えることができ
る。この逆四角錐の穴36は、シリコンウェハー30の
(111)面を露出させることにより作られる。従って
シリコンウェハー30には、四つの(111)面が1点
又は直線で交わった穴36が作られる。
式異方性エッチングにより形成された逆四角錐の穴の形
状に形成される。探針16の形状すなわち逆四角錐の穴
36の形状は、窒化シリコン膜32に形成する開口部3
4の形状を変更することにより適宜変えることができ
る。この逆四角錐の穴36は、シリコンウェハー30の
(111)面を露出させることにより作られる。従って
シリコンウェハー30には、四つの(111)面が1点
又は直線で交わった穴36が作られる。
【0015】即ち、(100)面が傾いているシリコン
ウェハー(傾斜角をθとする)を図6に示す台形状パタ
ーンの開口を用い、湿式異方性エッチングを行なってい
くと、台形の短辺aと高さbで決定される開口で、角錐
状のエッチングが進行し、短辺aと高さbの大小関係の
もとで、図9に示す様に(100)面がはがれる様に原
子ステップ状にエッチングされる。実際は、ウエハ表面
の台形47から開始され、a0 ,b0 の関係の時に(1
11)面48が1点で交わるとすると、a1 >a0 の時
は最初のウエハ表面の傾斜面に直交する方向に陵49
が、またa2 <a0 の時は平行する方向に陵50か形成
される。
ウェハー(傾斜角をθとする)を図6に示す台形状パタ
ーンの開口を用い、湿式異方性エッチングを行なってい
くと、台形の短辺aと高さbで決定される開口で、角錐
状のエッチングが進行し、短辺aと高さbの大小関係の
もとで、図9に示す様に(100)面がはがれる様に原
子ステップ状にエッチングされる。実際は、ウエハ表面
の台形47から開始され、a0 ,b0 の関係の時に(1
11)面48が1点で交わるとすると、a1 >a0 の時
は最初のウエハ表面の傾斜面に直交する方向に陵49
が、またa2 <a0 の時は平行する方向に陵50か形成
される。
【0016】頂点が一点で交わる場合におけるシリコン
ウェハー30に形成した逆四角錐の穴36を図5に示
す。(A)はその上面図、(B)はその側断面図であ
る。シリコンウェハー30の表面46に形成される開口
44は台形となり、これは探針16を形作る逆四角錐の
底面になる。湿式異方性エッチングは、シリコンウェハ
ー30の(111)面を露出させるので、このような形
状の穴36を形成するために窒化シリコン膜32に形成
する開口部34の実際に必要な形状は、図6に破線で示
した四角形48でよい。つまり、図5(A)に示すよう
にシリコンウェハー30の表面46に形成される台形状
の開口44の上辺の長さをa0 、高さをb0とすれば、
窒化シリコン膜32には、横がa0 で縦がb0 の四角形
48の開口部34を形成すればよい。
ウェハー30に形成した逆四角錐の穴36を図5に示
す。(A)はその上面図、(B)はその側断面図であ
る。シリコンウェハー30の表面46に形成される開口
44は台形となり、これは探針16を形作る逆四角錐の
底面になる。湿式異方性エッチングは、シリコンウェハ
ー30の(111)面を露出させるので、このような形
状の穴36を形成するために窒化シリコン膜32に形成
する開口部34の実際に必要な形状は、図6に破線で示
した四角形48でよい。つまり、図5(A)に示すよう
にシリコンウェハー30の表面46に形成される台形状
の開口44の上辺の長さをa0 、高さをb0とすれば、
窒化シリコン膜32には、横がa0 で縦がb0 の四角形
48の開口部34を形成すればよい。
【0017】次に、第2実施例の探針を示す。窒化シリ
コン膜32に設ける開口部34の横と縦の寸法を変え、
a2 <a0 の場合、シリコンウェハー30に形成される
逆四角錐の穴36は、図7(A)に示すように、四つの
(111)面が直線で交わるため、陵50を有する形状
となる。この場合、カンチレバー14の延在方向に延び
る陵50を有する形状となる(図7(B))。この穴3
6に基づいて形成される探針16は、カンチレバー14
に沿って延びる陵50を有するものとなる。このように
作られる探針16の軸は図中の符号52で示される。
コン膜32に設ける開口部34の横と縦の寸法を変え、
a2 <a0 の場合、シリコンウェハー30に形成される
逆四角錐の穴36は、図7(A)に示すように、四つの
(111)面が直線で交わるため、陵50を有する形状
となる。この場合、カンチレバー14の延在方向に延び
る陵50を有する形状となる(図7(B))。この穴3
6に基づいて形成される探針16は、カンチレバー14
に沿って延びる陵50を有するものとなる。このように
作られる探針16の軸は図中の符号52で示される。
【0018】第3実施例として、傾斜角θを用い、図1
の様なカンチレバーチップの両側に探針軸18,52
と、第1実施例、第2実施例の2つのタイプを形成した
ものを図8に示す。
の様なカンチレバーチップの両側に探針軸18,52
と、第1実施例、第2実施例の2つのタイプを形成した
ものを図8に示す。
【0019】本発明の第4実施例のカンチレバーチップ
について図10を参照しながら説明する。本実施例のカ
ンチレバーチップ60は、図10(A)に示すように、
保持基板66を有し、そこから中抜き三角形形状のカン
チレバー62が延出している。カンチレバー62の先端
部68にはコーン形状の探針64が形成されている。こ
の先端部68は、図10(B)に示すように、カンチレ
バー12に対して角度θだけ傾斜しており、この結果、
探針64の軸はカンチレバー12の面に立てた法線ベク
トルnに対して角度θだけ傾いている。これにより、実
質的にアスペクト比をかせぐことができ、ステップ状の
凹凸をより正確に表現することを可能にしている。次に
本実施例のカンチレバーチップの製造方法について図1
1〜図13を参照しながら説明する。
について図10を参照しながら説明する。本実施例のカ
ンチレバーチップ60は、図10(A)に示すように、
保持基板66を有し、そこから中抜き三角形形状のカン
チレバー62が延出している。カンチレバー62の先端
部68にはコーン形状の探針64が形成されている。こ
の先端部68は、図10(B)に示すように、カンチレ
バー12に対して角度θだけ傾斜しており、この結果、
探針64の軸はカンチレバー12の面に立てた法線ベク
トルnに対して角度θだけ傾いている。これにより、実
質的にアスペクト比をかせぐことができ、ステップ状の
凹凸をより正確に表現することを可能にしている。次に
本実施例のカンチレバーチップの製造方法について図1
1〜図13を参照しながら説明する。
【0020】まず、面方位が{100}面に対して10
°傾斜しているシリコンウェハー70を用意する(図1
1(A))。このシリコンウェハー70の表裏面にフォ
トリソグラフィーによりカンチレバーチップの間隔に合
わせて溝72を形成する(図11(B))。このシリコ
ンウェハー70の表面に膜厚400nmの窒化シリコン
膜を堆積させた後、パターニングして円形の探針マスク
74を形成する(図11(C))。その後、熱酸化とフ
ォトリソグラフィーによって、溝72に沿った帯状の酸
化シリコン膜76をシリコンウェハー70の表裏面に形
成する(図11(D))。この帯状の酸化シリコン膜7
6を形成したウェハーの上面図を図14に示す。
°傾斜しているシリコンウェハー70を用意する(図1
1(A))。このシリコンウェハー70の表裏面にフォ
トリソグラフィーによりカンチレバーチップの間隔に合
わせて溝72を形成する(図11(B))。このシリコ
ンウェハー70の表面に膜厚400nmの窒化シリコン
膜を堆積させた後、パターニングして円形の探針マスク
74を形成する(図11(C))。その後、熱酸化とフ
ォトリソグラフィーによって、溝72に沿った帯状の酸
化シリコン膜76をシリコンウェハー70の表裏面に形
成する(図11(D))。この帯状の酸化シリコン膜7
6を形成したウェハーの上面図を図14に示す。
【0021】次に、このシリコンウェハー70に対して
水酸化カリウム水溶液による異方性エッチングを行なっ
て、表裏面に二つの{100}面78と80を露出させ
る(図12(A))。続いて、フッ酸処理により酸化シ
リコン膜76を除去した後、反応性イオンエッチング
(ドライエッチング)により探針82を形成する(図1
2(B))。次に、探針マスク74を除去した後、表面
からボロンをインプラテーションしてp形のシリコン層
84を形成する(図12(C))。その後、低温酸化
(熱酸化炉中950℃)によりウェハーの表裏面に酸化
シリコン膜86と88を形成する(図12(D))。
水酸化カリウム水溶液による異方性エッチングを行なっ
て、表裏面に二つの{100}面78と80を露出させ
る(図12(A))。続いて、フッ酸処理により酸化シ
リコン膜76を除去した後、反応性イオンエッチング
(ドライエッチング)により探針82を形成する(図1
2(B))。次に、探針マスク74を除去した後、表面
からボロンをインプラテーションしてp形のシリコン層
84を形成する(図12(C))。その後、低温酸化
(熱酸化炉中950℃)によりウェハーの表裏面に酸化
シリコン膜86と88を形成する(図12(D))。
【0022】続いて、ウェハーの表面側の酸化シリコン
膜86を図15に示すカンチレバー形状90にパターニ
ングするとともに、裏面側の酸化シリコン膜88も所定
の形状にパターニングする(図13(A))。なお、図
15中の斜線部が後にエッチングにより除去される部分
である。このパターニング後の酸化シリコン膜86と8
8をマスクにして水酸化カリウム水溶液による異方性エ
ッチングを行なって、カンチレバー92と保持基板94
を形成する(図13(B))。続いて、フッ酸により酸
化シリコン膜86と88を除去する(図13(C))。
最後に、裏面に金のコーティング層96を形成して、図
10に示した本実施例のカンチレバー60が得られる
(図13(D))。
膜86を図15に示すカンチレバー形状90にパターニ
ングするとともに、裏面側の酸化シリコン膜88も所定
の形状にパターニングする(図13(A))。なお、図
15中の斜線部が後にエッチングにより除去される部分
である。このパターニング後の酸化シリコン膜86と8
8をマスクにして水酸化カリウム水溶液による異方性エ
ッチングを行なって、カンチレバー92と保持基板94
を形成する(図13(B))。続いて、フッ酸により酸
化シリコン膜86と88を除去する(図13(C))。
最後に、裏面に金のコーティング層96を形成して、図
10に示した本実施例のカンチレバー60が得られる
(図13(D))。
【0023】
【発明の効果】本発明のカンチレバーチップによれば、
これを走査型プローブ顕微鏡装置に取り付けた際に探針
の軸は測定試料の表面に立てた法線に平行となるので、
試料の測定が正確に行なえるようになる。さらに、探針
の軸が測定試料の面法線と一致するため、メニスカスフ
ォースの影響を最小限に抑えることができる。
これを走査型プローブ顕微鏡装置に取り付けた際に探針
の軸は測定試料の表面に立てた法線に平行となるので、
試料の測定が正確に行なえるようになる。さらに、探針
の軸が測定試料の面法線と一致するため、メニスカスフ
ォースの影響を最小限に抑えることができる。
【図1】本発明による走査型プローブ顕微鏡のカンチレ
バーチップを示す。
バーチップを示す。
【図2】図1のカンチレバーチップをAFM装置に取り
付けた状態を示す。
付けた状態を示す。
【図3】図1のカンチレバーチップをAFM装置に取り
付けた際の探針と試料の位置関係と探針を走査して得ら
れる高さプロファイルを示す。
付けた際の探針と試料の位置関係と探針を走査して得ら
れる高さプロファイルを示す。
【図4】図1に示したカンチレバーチップの製造方法を
説明するための図である。
説明するための図である。
【図5】シリコンウェハーに設けた頂点が一点で交わる
逆四角錐の穴を示す。
逆四角錐の穴を示す。
【図6】図5の逆四角錐の穴を形成するために窒化シリ
コン膜に設ける開口部の形状を示す。
コン膜に設ける開口部の形状を示す。
【図7】四つの(111)面が直線で交わって作られる
逆四角錐の穴を示す。
逆四角錐の穴を示す。
【図8】本発明の第3実施例を示す。
【図9】台形状の開口の短辺と高さの相対関係に対する
陵の方向を説明する図である。
陵の方向を説明する図である。
【図10】本発明の第4実施例のカンチレバーチップを
示す。
示す。
【図11】図10のカンチレバーチップの製造工程の初
期過程を説明するための図である。
期過程を説明するための図である。
【図12】図10のカンチレバーチップの製造工程の中
間過程を説明するための図である。
間過程を説明するための図である。
【図13】図10のカンチレバーチップの製造工程の最
終過程を説明するための図である。
終過程を説明するための図である。
【図14】図11(D)の工程が終了した時点でのウェ
ハーの上面図である。
ハーの上面図である。
【図15】図13(A)の工程でパターニングするカン
チレバー形状を示す。
チレバー形状を示す。
【図16】従来のカンチレバーチップを装置に取り付け
た際の探針と試料の位置関係と探針を走査して得られる
高さプロファイルを示す。
た際の探針と試料の位置関係と探針を走査して得られる
高さプロファイルを示す。
10…カンチレバーチップ、14…カンチレバー、16
…探針、18…軸。
…探針、18…軸。
Claims (1)
- 【請求項1】 弾性変形するカンチレバーと、 カンチレバーの面に立てた法線に対して所定の角度で傾
いている傾斜軸と、 カンチレバーの先端部に設けられた、傾斜軸に対して軸
対称な探針とを備えている走査型プローブ顕微鏡用のカ
ンチレバーチップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US08/003,322 US5367165A (en) | 1992-01-17 | 1993-01-12 | Cantilever chip for scanning probe microscope |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP677492 | 1992-01-17 | ||
JP4-6774 | 1992-01-17 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05256643A true JPH05256643A (ja) | 1993-10-05 |
Family
ID=11647524
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4219969A Pending JPH05256643A (ja) | 1992-01-17 | 1992-08-19 | 走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバーチップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05256643A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002079499A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-19 | Terumo Corp | 針形状物の作製方法および作製された針 |
JP2003240700A (ja) * | 2001-12-04 | 2003-08-27 | Seiko Instruments Inc | 走査型プローブ顕微鏡用探針 |
WO2007060935A1 (ja) * | 2005-11-25 | 2007-05-31 | Tokyo Electron Limited | プローブピンとプローブピンの製造方法 |
JP2010060577A (ja) * | 2001-12-04 | 2010-03-18 | Sii Nanotechnology Inc | 走査型プローブ顕微鏡用探針の作成方法 |
-
1992
- 1992-08-19 JP JP4219969A patent/JPH05256643A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002079499A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-19 | Terumo Corp | 針形状物の作製方法および作製された針 |
JP2003240700A (ja) * | 2001-12-04 | 2003-08-27 | Seiko Instruments Inc | 走査型プローブ顕微鏡用探針 |
JP2010060577A (ja) * | 2001-12-04 | 2010-03-18 | Sii Nanotechnology Inc | 走査型プローブ顕微鏡用探針の作成方法 |
JP4688400B2 (ja) * | 2001-12-04 | 2011-05-25 | エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社 | 走査型プローブ顕微鏡用探針 |
WO2007060935A1 (ja) * | 2005-11-25 | 2007-05-31 | Tokyo Electron Limited | プローブピンとプローブピンの製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20000926 |