JP3076148B2 - 走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバーチップ - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバーチップ

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JP3076148B2
JP3076148B2 JP04172606A JP17260692A JP3076148B2 JP 3076148 B2 JP3076148 B2 JP 3076148B2 JP 04172606 A JP04172606 A JP 04172606A JP 17260692 A JP17260692 A JP 17260692A JP 3076148 B2 JP3076148 B2 JP 3076148B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は走査型プローブ顕微鏡用
のカンチレバーチップに関する。
【0002】
【従来の技術】ビニッヒやローラー等の発明した走査型
トンネル顕微鏡(STM)におけるサーボ技術を始めと
する要素技術を利用して、STMでは測定し難かった絶
縁性試料を原子オーダーの精度で観察することのできる
顕微鏡として原子間力顕微鏡(AFM)が提案され実用
に供されている。
【0003】AFMは、構造的にはSTMに類似してお
り、走査型プローブ顕微鏡の一つとして位置づけられ
る。AFMでは、鋭く尖った突起部(探針部)を自由端
に持つカンチレバーを試料に近接させ、探針部を試料表
面に沿って相対的に移動させながら、探針部先端の原子
と試料表面の原子との間に働く相互作用によって変位す
るカンチレバーの動きを電気的あるいは光学的に測定
し、試料表面の各点の情報を時系列的にとらえて処理す
ることにより、試料の凹凸情報等の三次元的な情報を得
ている。
【0004】走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバー
は、「Thomas R. Albrecht, Calvin F. Quate, "Atomic
resolution Imaging of a nonconductor by Atomic fo
rce Microscopy" J. Appl. Pys, 62(1987)2599」の中に
おいて半導体IC製造プロセスを応用して作製したSi
2 カンチレバーチップが提案されて以来、ミクロンオ
ーダーの高精度で非常に再現性良く作製できるとともに
バッチプロセスを用いることによりコスト的にも優れて
いるとの理由から、このIC製造プロセスを応用して作
製したものが主流となっている。
【0005】例えば、「J. Vac. Sci. Technol. A8(4)3
386 1990 (T. Albrecht, S. Akamine, T. E. Caver and
C. F. Quate) 」で触れているような、SiO2 膜の代
わりに窒化シリコン膜をカンチレバー構成材料に用いた
カンチレバーチップは、既に市場に出回っている。この
カンチレバーは、長さが50〜200μm程度、厚さが
0.5〜1μm程度で、形状として中抜きの三角形や長
方形がある。また、カンチレバーの特性としては、バネ
定数がおよそ1〜0.1N/m、共振周波数がおよそ1
0〜50kHzである。バネ定数kと共振周波数ωはそ
れぞれ次式で与えられる。 k=Et3 w/4L3 …(1) ω=0.162 (E/ρ)1/2 t/L2 …(2) ここにEはヤング率、tはカンチレバーの厚さ、Lはカ
ンチレバーの長さ、ρは密度である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】半導体IC製造プロセ
スを応用して作製したカンチレバーチップの一例を図1
7に示す。図には、中抜きの三角形のカンチレバー部2
02の先端部に探針212を備えているカンチレバーチ
ップを示した。このようなカンチレバーチップは、窒化
シリコン膜等の膜材を所定の形状に整形してカンチレバ
ー部202とその支持部204とを設けた後、支持部2
04を保持基板206に接合して作られる。このとき、
支持部204のアライメント端208と保持基板206
の加工端210は図17(A)に示すように一致してい
ることが好ましい。しかし、実際には図17(B)や図
17(C)に示すように支持部204のアライメント端
208と保持基板206の加工端210とが揃っていな
いものが製造されることがよくある。図17(B)の場
合にはカンチレバー部202の長さが短くなるだけで、
その特性は図17(A)のものと殆ど変わらないが、図
17(C)の場合には保持基板206の加工端210か
ら張り出した部分204aが影響してその特性が大きく
変わり、所望の特性のカンチレバーチップすなわち図1
7(A)のものとは性格を異にするものとなる。この結
果、図17(C)に図示したようなカンチレバーチップ
は実際には使用できない。
【0007】また、このように作製されたカンチレバー
チップは、製造時に複数のカンチレバー部を設けてお
き、測定時に不要なカンチレバー部を折って使用するの
が一般的である。このとき図17(C)に示したカンチ
レバーチップにおいては、図18に示すように不要なカ
ンチレバー部202Aを折る際に測定に使用するカンチ
レバー部202Bにまで割れ目(一点鎖線で示す)が及
んだり、場合によっては保持基板の加工端210から全
体が折れてしまうことがある。
【0008】本発明は、支持部のアライメント端と保持
基板の加工端のずれによるカンチレバー部の特性のばら
つきを抑え、特性の安定したカンチレバーチップを提供
することを目的とする。
【0009】さらに本発明は、使用するカンチレバー部
に悪影響を与えることなく、不要なカンチレバー部を折
ることのできるカンチレバーチップを提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、保持基板と、
先端に探針部を持つカンチレバー部を含む膜材とを備
え、保持基板と膜材は接合されていて、この接合の結果
としてカンチレバー部の固定端が定められているカンチ
レバーチップであって、カンチレバー部の固定端の位置
の確認を可能にする、カンチレバー部の延びた方向に一
定ピッチを有する周期的構造が膜材に設けられているこ
とを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明のカンチレバーチップでは、カンチレバ
ー部の延びた方向に一定ピッチを有する周期的構造が設
けられている。この周期的構造は、例えば、膜材に形成
した切込みのエッジに形成される。そして、カンチレバ
ー部の固定端の位置が保持基板の加工端に一致している
カンチレバーチップでは、切込みを介して見える加工端
が周期的構造の何処に位置しているかを調べることによ
り、固定端の位置を確認できる。従って、カンチレバー
部の長さの設計値からのずれを容易に求めることができ
る。
【0012】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照しな
がら説明しよう。
【0013】まず、本発明の第一の実施例について図1
〜図5を参照して説明する。本実施例は、マイクロキャ
スティング法によって作製されるカンチレバーチップに
本発明を適用した例である。この作製法では複数のカン
チレバー部を有するカンチレバーチップが作製される。
図1は、このようなカンチレバーチップの一部であっ
て、二つのカンチレバー部を含んでいる一部を示してい
る。図1に示すように、カンチレバーチップ10は、保
持基板12と、これに接合された膜材14とを有してい
る。膜材14は、パターニングにより形成された長方形
のカンチレバー部16と中抜きの三角形状のカンチレバ
ー部18とを有している。これらのカンチレバー部16
と18は自由端部に探針部20を有している。さらに膜
材14は、膜材14と保持基板12を接合する際に、保
持基板12の加工端12aに一致させる指標となるアラ
イメント端22を有している。カンチレバー部16と1
8の基端は、このアライメント端22よりも後方に位置
し、また自由端部はアライメント端22よりも前方に延
出している。ここにおいて「前方」および「後方」とい
う用語はカンチレバー部の自由端側を前方と呼ぶものと
して使用した。膜材14は、カンチレバー部16と18
の基端からアライメント端22に至るエッジ部分に、一
定ピッチを持つ階段状の周期的構造24を有している。
また、二つのアライメント端22の間に、ここから前方
に突出した突起部26を有している。突起部26もま
た、上記の周期的構造24と同様の周期的構造28をエ
ッジ部分に有している。続いて図2を参照しながら図1
に示したカンチレバーチップの作製方法について説明す
る。
【0014】まず、シリコンウェハー32の上に窒化シ
リコン膜34をCVD法により形成する(図2
(A))。次に、この窒化シリコン膜34をパターニン
グして所定の箇所(探針部を形成する箇所)に開口56
を形成する(図2(B))。この窒化シリコン膜34を
マスクとしてシリコンウェハー32に対してエッチング
を行なって、探針を形成するためのほぼ円錐形状の孔3
8を形成した後、窒化シリコン膜34を除去する(図2
(C))。その後、シリコンウェハー52の上に窒化シ
リコン膜40をCVD法により0.4〜1μm程度の厚
さに形成する(図2(D))。この窒化シリコン膜40
を所定の形状にパターニングして、図1の膜材14を形
成する(図2(E))。次に、パイレックスガラス42
を膜材14の形状に合わせて加工して、保持基板12を
形成する(図2(F))。この保持基板12を膜材14
に陽極接合する(図2(G))。このとき、両者の位置
合わせは、保持基板12を膜材14の上に載置した後
(図2(G1))、保持基板12の加工端12aを膜材
14のアライメント端22に一致させる(図2(G
2))ことにより行なわれる。最後に、シリコンウェハ
ー32をKOHの40%水溶液でエッチングして除去す
ることにより、カンチレバーチップ10が得られる(図
2(H))。
【0015】ところで、保持基板12を膜材14に陽極
接合する際の位置合わせには少なからず誤差がある。こ
のため、保持基板12の加工端12aと膜材14のアラ
イメント端22は若干のずれが生じる。このようなずれ
が生じているカンチレバーチップを図3と図4に示す。
図3(A)および図3(B)は、保持基板12の加工端
12aが膜材14のアライメント端22よりも後方に位
置しているカンチレバーチップ10の上面図と斜視図で
ある。一方、図3(A)および図3(B)は、保持基板
12の加工端12aが膜材14のアライメント端22よ
りも前方に位置しているカンチレバーチップ10の上面
図と斜視図である。このように、本実施例のカンチレバ
ーチップでは、保持基板12と膜材14とを陽極接合す
る際の位置合わせでずれが生じた場合、カンチレバー部
16と18はその長さが変わるだけで基本的な形状は変
わらない。すなわち、長方形のカンチレバー部16は長
さが変化しても長方形であることに変わりはなく、同様
に三角形のカンチレバー部18も長さが変化しても三角
形であることに変わりない。従って、カンチレバー部の
バネ定数と共振周波数とのアライメントずれ量に対する
変化率が大きく変化するようなことはなくなる。また、
基本的な形状は変化しないため、バネ定数や共振周波数
の補正も容易に行なえる。例えば、長方形のカンチレバ
ー部16に対しては、図3(A)に示すように、保持基
板12の加工端12からアライメント端22までの距離
すなわちずれ量をdとし、位置ずれのないときのカンチ
レバー部16の長さをLとすると、カンチレバー部16
のバネ定数kは(1)式より、 k=Et3 w/4(L+d)3 …(3) となる。また、共振周波数ωは(2)式より、 ω=0.162 (E/ρ)1/2 t/(L+d)2 …(4) となる。同様に、図4(A)のカンチレバー部16のバ
ネ定数kは(1)式より、 k=Et3 w/4(L−d)3 …(5) となる。また、共振周波数ωは(2)式より、 ω=0.162 (E/ρ)1/2 t/(L−d)2 …(6) となる。
【0016】また、本実施例のカンチレバーチップで
は、膜材14に一定ピッチの周期的構造24と28が設
けてあるので、補正の際に必要なずれ量dを容易に求め
られる。本実施例の周期的構造が10μmピッチで作ら
れているとすると、図3(A)のカンチレバーチップの
ずれ量dは20μm、図4(A)のカンチレバーチップ
のずれ量dは10μmであることが容易に読み取れる。
【0017】さらに、本実施例のカンチレバーチップで
は、カンチレバー部がその基端部よりも前方の部分(自
由端に近い部分)で保持基板12に接合されているの
で、カンチレバー部を折る際にその割れ目が他のカンチ
レバー部に影響するようなことはない。つまり、不要な
カンチレバー部を折ったことによって、使用するカンチ
レバー部の特性が変化するようなことはない。
【0018】上述したカンチレバーチップの製造では、
膜材14を形成する際、図5に示すように、複数のカン
チレバー部を両側に設けるのが一般的である。このと
き、膜材14と保持基板12は、一方の側のアライメン
ト端22と加工端12aとを一致させたときに、他方の
側のアライメント端22と加工端12aとが一致する大
きさに形成しておく。このため、アライメント端22と
加工端12aがdずれると、一方の側のカンチレバー部
は設計値よりもdだけ短くなり、他方の側のカンチレバ
ー部はdだけ長くなる。このようにして作製されるカン
チレバー部はどちらの側に作製されたものも、その特性
が設計値から大きく外れたものとはならない。つまり、
使用に耐え得ないような不良品の発生率が低下する。あ
るいは、別の見方をすれば、プロセス上のアライメント
精度に余裕があるので作製が容易になる。
【0019】本実施例では、周期的構造はカンチレバー
部の基端とアライメント端の間に設けたが、図14に示
すように、カンチレバー部16と18に周期的構造25
と27を設けてよい。次に、本発明の第二の実施例につ
いて図6〜図11を参照しながら説明する。本実施例の
カンチレバーチップ60は、図6と図7に示すように、
保持基板63と、その表面に被着形成された膜材64を
有している。
【0020】膜材64は、突出した三角形のカンチレバ
ー部61を有している。カンチレバー部61は、その先
端に三角錐形状の探針部62を有している。カンチレバ
ー部61の付け根部分の両側には、溝部65が形成され
ており、この溝部65を規定するエッジの部分には一定
ピッチの階段形状の周期的構造66がそれぞれ設けられ
ている。
【0021】また図7は、図6のカンチレバーチップを
その長手方向のA−A線に沿って切った時の断面図であ
る。レバー部61は、ボロン(B)を高濃度にドープし
たシリコンからなり、探針部62は、ノンドープのシリ
コンからなる。また、支持基板63はノンドープのシリ
コンからなる。なお、レバー部61の探針部とは反対側
の面には、必要に応じて光を反射するためのコーティン
グがなされる。ところで本発明のカンチレバーチップ6
0は溝部65を有している点が特徴であり、図11に示
すような、この溝部のないカンチレバーチップ70は先
に本発明者らによって提案されており、半導体ICプロ
セスを応用して作製される。
【0022】本実施例のカンチレバーチップ60は、そ
の製造工程のマスクパターンを変更することにより製造
される。以下、本実施例のカンチレバーチップの製造方
法を説明する。その際、まず図11のカンチレバーチッ
プ70の作製方法について図8を参照しながら説明し、
次にマスクパターンを変更することにより本実施例のカ
ンチレバーチップ60が得られることを示す。
【0023】まず、面方位(100)で厚さが525μ
mの通常のノンドープシリコンウェハ73を用意する
(図8(A))。このシリコンウェハ73の主表面にボ
ロン(B)を高濃度(1018ions/cm3 )でドー
プし、厚さ600nm程度のボロンドープ層72を形成
する(図8(B))。このボロンのドーピングは、例え
ば、イオンインプラテーションにより行なう。
【0024】次に、このウェハに対してアニール処理を
行なった後、ボロンドープ層72の上にシリコンをエピ
タキシャル成長させ、厚さ5μm程度のノンドープシリ
コン層71を形成する(図8(C))。
【0025】次に、シリコン層71の上にレジスト74
をコーティングした後、図9に示す形状の開口75を形
成するために、これと同じ形状の開口をパターニングに
より形成する。このレジスト74をマスクとしてSF6
+C2 BrF5 ガスによりシリコンウェハ73が露出す
るまで反応性エッチングを行なって開口75を形成する
(図8(D))。
【0026】レジスト74を除去した後、その表面(開
口75の内面を含む)に熱処理により酸化シリコン膜7
6を、裏面に酸化シリコン膜77を形成する(図8
(E))。次に、酸化シリコン膜76の上にSOG膜7
8をコーティングして表面を平坦化する(図8
(F))。SOGの材質は、硬化した段階ではシリコン
酸化物が主成分となる。
【0027】次に、開口75の内部にある一部を除い
て、酸化膜76とSOG膜78をプラズマドライエッチ
ングにより取り去る。また、酸化シリコン膜77をパタ
ーニングして矩形の開口79を形成する(図8
(G))。
【0028】その後、シリコンウェハ73とシリコン層
71に対して水酸化カリウム水溶液を用いてウェット異
方性エッチングを行なう。このウェット異方性エッチン
グに対して、酸化シリコン膜77はマスクとして機能
し、ボロンドープ層72と酸化シリコン膜76はエッチ
ング停止層として働く。この結果、四面体構造の針状部
81とメンブレイン82が形成される(図8(H))。
最後に、残っている酸化シリコン膜76とSOG膜78
をバッファードフッ酸を用いて除去し(図8(I))、
図11のカンチレバーチップ70を得る。
【0029】さて、図6に示した本実施例のカンチレバ
ーチップを作製するには、図8(D)の工程において、
レジストに設ける開口を図9の形状に代えて図10の形
状にすればよい。
【0030】ところで図8(D)の工程において、図1
0に示した形状の開口75をレジスト74に形成する
際、アライメント端88をメンブレイン82のエッジ8
3に一致させるのが理想であるが、実際にはアライメン
ト誤差により両者の間には少なからず誤差が生じるのが
普通である。しかし、図10の形状のマスクパターン
は、三角部90の基端がアライメント端88よりも後方
に位置しているので、アライメント端88がメンブレイ
ン82のエッジ83からずれても、形成されるカンチレ
バー部61の形状にあまり変化はなく、ばね定数等の特
性が設計値からずれるのを最小限に止めることができ
る。
【0031】本発明の第三の実施例について説明する。
図12に示すように、本実施例のカンチレバーチップ1
00は、保持基板102と、これに接合された膜材10
4を有している。膜材104はカンチレバー部106を
有し、カンチレバー部106は先端に探針部108を有
している。カンチレバー部106の基端部(根元)には
溝部110があり、これを規定する膜材104の端部に
は階段状の周期的構造112が設けられている。また、
保持基板102の下面には膜114が設けられている。
【0032】次に、本実施例のカンチレバーチップ10
0の製造方法について図13を参照しながら説明する。
まず、(100)面方位のシリコンウェハー116を用
意し、その上面に対して湿式異方性エッチングを行ない
矩形の凹部118を形成した後、その表面に対して酸化
処理を行なって酸化シリコン膜120を形成する(図1
3(A))。この酸化シリコン膜120の上に図13
(B)に示す形状のマスクパターン122を形成する。
その後、ウェハー116の裏面に酸化シリコン膜124
を設け、所定の形状にパターニングした後、これをマス
クに湿式異方性エッチングを行ない、図12のカンチレ
バーチップ100を得る(図13(C))。
【0033】ウェハー116の裏面に形成した酸化シリ
コン膜124のパターニングは、図13(B)のマスク
パターン122に対しては、ウェハー116をエッチン
グして保持基板102を形成したときに、そのエッジ1
26が周期的構造112の中央に来るように設定するの
が望ましい。このエッジ126の位置は、酸化シリコン
膜124をパターニングする際に用いるマスクの位置ず
れや、ウェハー116の厚さのばらつき等により容易に
ずれる。例えば、図13(C)のカンチレバーチップが
設計値通りに形成されたものとすると、図13(D)の
カンチレバーチップでは保持基板102のエッジ126
は設計値からWだけずれていることになる。従って、カ
ンチレバー部106の長さも設計値からWだけ長くな
る。このエッジ126のずれは、このカンチレバーチッ
プを上方から見て周期的構造112と照らし合わせるこ
とにより、その量を容易に確認することができる。
【0034】次に、第四の実施例について説明する。本
実施例のカンチレバーチップは第一の実施例と同じ方法
で製造される。本実施例のカンチレバーチップ130
は、図15に示すように、複数のカンチレバー部132
と134と136を有する膜材138を有している。こ
の膜材138は、これらのカンチレバー部132と13
4と136の間に切込み部142を有している。この切
込み部142のエッジには、一定ピッチの階段状の周期
的構造144が設けられている。この膜材138は保持
基板140に例えば陽極接合により固定されている。こ
の陽極接合は、保持基板140の加工端140aは周期
的構造144の中央に合わせて行なわれる。
【0035】このようなカンチレバーチップは、第一の
実施例の箇所でも説明したように、図16に示すごと
く、その両側にカンチレバー部132と134と136
を対向して有するように膜材138を形成し、これを保
持基板140に接合して作製されるのが好ましい。た
だ、本実施例のカンチレバーチップを作製するに当たっ
ては、保持基板140の幅すなわち対向する二つの加工
端140aの間隔は、膜材138の両側にある平行に対
向した二つの直線部146の間隔よりも狭く設定され
る。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、周期的構造によりカン
チレバー部の固定端の位置が確認できるため、実際のカ
ンチレバー部の長さの設計値からのずれが容易に求めら
れるので、バネ定数や共振周波数の補正が容易に行なえ
るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例のカンチレバーチップを
示す。
【図2】図1のカンチレバーチップの製造方法を説明す
るための図である。
【図3】アライメントずれが生じたときのカンチレバー
チップを示す。
【図4】アライメントずれが生じたときのカンチレバー
チップを示す。
【図5】両側にカンチレバー部を有する図1のカンチレ
バーチップを示す。
【図6】本発明の第二の実施例のカンチレバーチップを
示す。
【図7】図6のカンチレバーチップをA−A線で破断し
た断面を示す。
【図8】図6のカンチレバーチップを製造する際の基礎
となる、従来型のカンチレバーチップの製造方法を説明
するための図である。
【図9】図8(D)の工程においてレジストに形成する
開口の形状を示す。
【図10】図6のカンチレバーチップを製造する際に、
図8(D)の工程においてレジストに形成する開口の形
状を示す。
【図11】図8の製造方法により作られる従来型のカン
チレバーチップを示す。
【図12】本発明の第三の実施例のカンチレバーチップ
を示す。
【図13】図12のカンチレバーチップの製造方法を説
明するための図である。
【図14】図1に図示した形状とは異なる別の形状の膜
材を有するカンチレバーチップを示す。
【図15】本発明の第四の実施例のカンチレバーチップ
を示す。
【図16】両側にカンチレバー部を有する図15のカン
チレバーチップを示す。
【図17】従来のカンチレバーチップを示す。
【図18】不要なカンチレバー部を折った際に生じる割
れ目を示す。
【符号の説明】
12…保持基板、14…膜材、16,18…カンチレバ
ー部、20…探針部、24,28…周期的構造。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 21/00 - 21/32 G01B 7/00 - 7/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保持基板と、先端に探針部を持つカンチ
    レバー部を含む膜材とを備え、保持基板と膜材は接合さ
    れていて、この接合の結果としてカンチレバー部の固定
    端が定められている走査型プローブ顕微鏡用のカンチレ
    バーチップにおいて、カンチレバー部の固定端の位置の
    確認を可能にする、カンチレバー部の延びた方向に一定
    ピッチを有する周期的構造が膜材に設けられていること
    を特徴とするカンチレバーチップ。
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