JPH11337563A - 走査型プロ―ブ顕微鏡用カンチレバ―の作製方法 - Google Patents

走査型プロ―ブ顕微鏡用カンチレバ―の作製方法

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JPH11337563A
JPH11337563A JP8003399A JP8003399A JPH11337563A JP H11337563 A JPH11337563 A JP H11337563A JP 8003399 A JP8003399 A JP 8003399A JP 8003399 A JP8003399 A JP 8003399A JP H11337563 A JPH11337563 A JP H11337563A
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probe
lever
semiconductor substrate
forming
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JP8003399A
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Katsuhiro Matsuyama
克宏 松山
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レバー部の長さと厚さのばらつきが少ないカン
チレバーを安定に作製する方法を提供する。 【解決手段】レバーべース部120の最初の厚さT0(例
えば2μm)は、フォトリソグラフィとドライエッチン
グの工程によって決められる。その後、レバーべース部
120のシリコンが酸化されて酸化シリコン膜の壁12
8が形成される。その結果として、レバーベース部12
0の厚さはT0からT1(例えば1.2μm)に減少する。
さらに、レバーべース部120の残りのシリコンの一部
が酸化されて酸化シリコン膜132が形成される。その
結果として、レバーベース部120の厚さはT1からT2
(例えば0.4μm)に減少する。この工程の終了後に残
っているレバーべース部120が、その後の酸化シリコ
ン膜を除去する工程を経てレバー部140となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型プローブ顕
微鏡に用いられるカンチレバーの作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、プロ
ーブすなわち探針部を試料表面に1μm以下に近接ある
いは接触させたときに両者間に働く相互作用(例えば、
原子間力、接触力など)を検出しながら、探針部あるい
は試料をXY方向あるいはXYZ方向に走査することに
より、その相互作用の三次元マッピングを行なう装置で
あり、走査型トンネリング顕微鏡(STM)、原子間力顕
微鏡(AFM)、磁気力顕微鏡(MFM)、走査型近接場光
顕微鏡(SNOM)などの総称である。なかでもAFM
は、試料表面の凹凸情報を得る装置としてSPMのなか
で最も普及している。
【0003】AFMでは、片持ち支持されたレバー部の
自由端に鋭い突起部分(鋭利な先端を有する探針部)を持
つカンチレバーを試料に対向させて近接させ、探針の先
端の原子と試料の表面の原子との間に働く相互作用力
(原子間力や接触力等)により変位する探針の変位量とレ
バー部の弾性的な変形量(たわみ量)を電気的あるいは光
学的にとらえて測定しつつ、試料あるいはカンチレバー
をXY方向に走査し、カンチレバーの探針部と試料の位
置関係を相対的に変化させることによって、試料の凹凸
情報などを三次元的にとらえることができる。
【0004】例えば、SPMにおけるレバー部の弾性的
な変形量(撓み量)を検出する方法の一例は、特開平5−
340718号公報や特開平9−15250号公報に示
されている。これらの公報に示されるレバー部の撓み量
検出は、既知の「光てこ方式の変位検出センサー」を用い
ることにより行われている。他にもレバー部の撓み量検
出に関しては、「臨界角プリズムを用いた焦点ずれ検出
法」や「光干渉計を応用した変位検出センサー」などが知
られている。
【0005】この変位検出センサーを用いたSPM測定
は、次のように行われる。探針部が試料の測定領域をX
Y方向に走査し、この測定領域におけるレバー部の撓み
量は上述の変位検出センサーにより随時検出される。検
出された撓み量は、試料の表面凹凸、磁気力などの試料
情報として原子レベルの分解能で画像化され、図示しな
いモニタに表示される。
【0006】このようなSPMに用いられるカンチレバ
ーは、Thomas R. AlbrechtとCalvinF. Quateによる「Ato
mic Resolution Imaging of a Nonconductor by Atomic
Force Microscopy」(J. Appl. Pys. 62 (1987) 2599頁)
に記載されているように、半導体IC製造プロセスを応
用して作製されるSiO2カンチレバーが提案されて以
来、ミクロンオーダーの高精度で非常に再現性良く作製
できると共に、バッチプロセスを用いることによりコス
ト的にも優れているとの理由から、このIC製造プロセ
スを応用して作製したものが主流となっている。
【0007】現在市販されているカンチレバーには、窒
化シリコン製のカンチレバーとシリコン製のカンチレバ
ーの2種類のタイプがある。窒化シリコン製のカンチレ
バーは、Tomas R. Albrechtらの「Microfabrication of
cantilever styli for the atomic force microscope」
(J. Vac. Sci. Technol. A8,3386(1990))に記載された
カンチレバーが主流であり、詳細な作製方法は米国特許
第5,399,232号に記載されている。また、シリコ
ン製のカンチレバーは、O. Wolterらの「Micromachined
silicon sensors for scanning force microscopy」(J.
Vac. Sci. Technol. B9,1353(1991))に記載されたカン
チレバーが主流であり、詳細な作製方法は米国特許第
5,051,379号に記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述の窒化シリコン製
のカンチレバーは、窒化シリコン製のレバー母材と装置
に取り付けられる支持部を別々に形成した後、両者を陽
極接合等により接合して作製され、レバー母材のうち支
持部に接合されずに延出している部分がレバー部とな
る。
【0009】このため、レバー部の長さのばらつきは、
レバー母材と支持部の接合の精度に依存する。陽極接合
では、レバー母材と支持部材の接合部に10〜30μm
程度のばらつきが生じる。従って、窒化シリコン製のカ
ンチレバーでは、レバー部の長さに10〜30μm程度
のばらつきがある。
【0010】また、前述のシリコン製のカンチレバー
は、シリコンウェハーの片面からドライエッチングを行
なってレバー部を形成し、レバー部を形成した面と反対
側の面から湿式異方性エッチングを行なってシリコン製
の支持部を形成している。
【0011】このため、レバー部の長さのばらつきは、
シリコンウェハーの厚さと、シリコンウェハーの両面に
形成されるレバー部形成用マスクと支持部形成用マスク
の間のずれに依存する。通常、一般に入手可能なシリコ
ンウェハーには厚さに10μm以上の各々のシリコンウ
ェハー間のばらつきがあり、また、シリコンウェハーの
両面に形成されるマスクの間には10〜20μm程度の
ばらつきがある。従って、シリコン製のカンチレバーで
は、レバー部の長さに10〜30μm程度のばらつきが
ある。
【0012】また、シリコン製のカンチレバーでは、一
枚のシリコンウェハー上に存在する厚さのばらつきは、
そのままレバー部の厚さのばらつきに反映される。従っ
て、シリコン製のカンチレバーでは、レバー部の厚さに
1μm以上のばらつきがある。
【0013】SPM測定に用いるカンチレバーでは、レ
バー部のバネ定数が既知であることが要求される。ま
た、カンチレバーに振動を与える励振モードのSPM測
定に用いるカンチレバーでは、バネ定数に加えて、レバ
ー部の共振周波数が既知であることが要求される。正確
なSPM測定結果を得るため、バネ定数と共振周波数の
ばらつきが少ないことが望ましい。
【0014】カンチレバーのレバー部の共振周波数は、
長さの二乗に逆比例し、厚さに比例する。また、バネ定
数は、長さの三乗に逆比例し、厚さの三乗に比例する。
従って、バネ定数と共振周波数のばらつきが少ないカン
チレバーを得るには、レバー部の長さと厚さの設計値か
らのずれが少ないことが必要である。つまり、レバー部
を長さと厚さに関して高い寸法精度で形成する技術が必
要である。
【0015】本発明は、このような事情に鑑みて成され
たものであり、その主な目的は、レバー部の長さと厚さ
のばらつきが少ないカンチレバーを安定に作製する方法
を提供することである。
【0016】また、最近、SPMを用いて、1秒間に1
画面以上のラスター走査を行なうような高速走査を行な
い、生体試料などのミクロな動作を観察する試みが盛ん
になされている。さらに、高密度記録にSPM技術を利
用しようとする試みもなされており、入出力の速度を速
くするためにも、共振周波数の高いカンチレバー形状の
プローブが求められている。
【0017】このような高速走査のSPM測定に使用す
るカンチレバーは、走査速度を速くするため、その共振
周波数がMHzオーダー以上である必要がある。また、
測定試料と探針との接触に伴なう両者の破損などを防ぐ
ため、バネ定数は40〜50N/m以下である必要があ
る。
【0018】これまで、SPM測定で一般に使用されて
いるカンチレバーは、通常、共振周波数が約300kH
z、バネ定数は20〜50N/m程度であり、レバー部
の長さは100〜200μmである。従って、このよう
なカンチレバーは、上述した新しい高速走査のSPM測
定への適用には好適ではない。
【0019】前述したように、レバー部の共振周波数
は、長さの二乗に逆比例し、厚さに比例し、バネ定数
は、長さの三乗に逆比例し、厚さの三乗に比例する。従
って、バネ定数が低く、共振周波数が高いレバー部を選
るには、レバー部の長さを短く、厚さを薄くする必要が
ある。
【0020】例えば、従来の一般的なシリコン製のカン
チレバー、すなわち、レバー部の長さが120μmで厚
さが3μmで共振周波数が約300kHzのカンチレバ
ーと同等のバネ定数で、1MHzの共振周波数を実現す
るには、例えば、レバー部の長さを40μm以下にし、
厚さを1μm以下にする必要がある。
【0021】しかしながら、前述した従来の作製方法で
は、レバー部の長さの10〜30μm程度のばらつきの
発生を避けられないため、レバー部の長さが40μm以
下のカンチレバーを安定に作製することは実質的に無理
である。
【0022】また、前述のシリコン製のカンチレバーの
作製方法では、一枚のシリコンウェハー上に存在する厚
さのばらつきがレバー部の厚さのばらつきに反映され、
普通に入手し得るシリコンウェハーには1μm以上の厚
さのばらつきがあるため、レバー部の厚さが1μm以下
のカンチレバーを安定に作製することは実質的に無理で
ある。
【0023】本発明は、このような事情をも鑑みて成さ
れたものであり、その目的は、レバー部の共振周波数が
MHzオーダーでバネ定数が40〜50N/m以下のカ
ンチレバーを安定に作製する方法を提供することであ
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体基板を
選択的に除去して、レバー部を備えた走査型プローブ顕
微鏡用カンチレバーを作製する方法において、形成する
レバー部の長さ方向と厚さ方向が半導体基板の主面に平
行に選ばれ、レバー部の幅方向が半導体基板の厚さ方向
に選ばれていることを特徴とする。
【0025】また、本発明は、半導体基板を選択的に除
去して、探針部とレバー部と支持部を有する走査型プロ
ーブ顕微鏡用カンチレバーを作製する方法において、半
導体基板の主面にエッチングマスクを形成し、このエッ
チングマスクを介してエッチングを行なうことにより、
探針部とレバー部と支持部の大まかな形状が形成される
ことを特徴とする。
【0026】また、本発明は、探針部を有するレバー部
を備えた走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの作製方
法であり、第1の半導体基板の一方の面に形成された酸
化膜と第2の半導体基板を貼り合わせて作製された貼り
合わせ基板を用意する第1の工程と、形成するレバー部
の幅に応じて第2の半導体基板を選択的に除去する第2
の工程と、第2の半導体基板を酸化膜が露出するまで選
択的に除去して、第1の支持部とレバーベース部と探針
形成部を形成する第3の工程と、レバーベース部の側面
に酸化半導体膜を形成する第4の工程と、探針形成部の
第2の半導体基板を露出させる第5の工程と、露出した
探針形成部の第2の半導体基板を除去して探針部の予備
成形部である探針ベース部を形成する第6の工程と、第
2の半導体基板の表面に酸化膜を形成する第7の工程
と、第1の半導体基板を選択的に除去して第2の支持部
を形成する第8の工程とを有している。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。
【0028】図1〜図10は、本発明の走査型プローブ
顕微鏡(SPM)用カンチレバーの作製方法を概略的に示
している。
【0029】まず、図1に示すように、いわゆる貼り合
わせSOI(Silicon On Insulator)基板108を用意す
る。この貼り合わせSOI基板108は、面方位(10
0)の単結晶シリコンからなる第1のシリコン基板10
2の表面に中間酸化シリコン膜104を形成した後、活
性層となる面方位(100)の単結晶シリコンからなる第
2のシリコン基板106を貼り合わせて作製される。例
えば、第1のシリコン基板102の厚さは500μm、
中間酸化シリコン膜104の厚さは1μm、第2のシリ
コン基板106の厚さは20μmである。
【0030】次に、図2に示すように、第1のシリコン
基板102の裏面に、後述する第2の支持部を形成する
際のエッチングマスク110を、酸化シリコン膜または
窒化シリコン膜などをパターニングして形成する。一
方、第2のシリコン基板106の表面にも同様に、レバ
ー部の幅を決定する際のエッチングマスク112を、酸
化シリコン膜または窒化シリコン膜などをパターニング
して形成する。
【0031】図3に示すように、第2のシリコン基板1
06を湿式異方性エッチング処理して、後にレバー部を
形成する部分114の厚さを決定する。レバー部を形成
する部分114の厚さは、レバー部の幅になり、ここで
は5μmに設定する。
【0032】なお、カンチレバーのレバー部の幅の設計
値と貼り合わせSOI基板108の第2のシリコン基板
106の厚さがほぼ等しい場合には図2と図3の工程は
省略することができる。
【0033】図4に示すように、フォトリソグラフィ及
びドライエッチング処理により、第2のシリコン基板1
06の表面に窒化シリコン膜116を形成しパターンニ
ングした後、これをマスクにして第2のシリコン基板
(活性層)106を、SOI基板108の中間酸化シリコ
ン膜104が露出するまで選択的に除去して、第1の支
持部118と、レバー部の母体であるレバーべース部1
20と、探針部の母体である探針形成部122を形成す
る。
【0034】レバーべース部120の幅(横寸法)はフォ
トリソグラフィのパターン形成で決まり、ここでは2μ
mの幅でエッチングした。また、レバーべース部120
の長さは、後に形成するレバー部の形状を考慮して17
μmとした。また、探針形成部122のエッチング面1
24は、<110>方向から若干傾けて形成する。また、
探針形成部122のエッチング面126の<110>方向
からの傾きは、探針部の高さ(言い換えればアスペクト
比)を決定し、例えば、10μmの高さの探針部の形成
する場合には、約70°が選ばれる。
【0035】次に、図5に示すように、第1の支持部1
18とレバーべース部120と探針形成部122が形成
された第2のシリコン基板106の側端面に、酸化シリ
コン膜の壁128を熱拡散炉により形成した後、探針形
成部122の表面部分の窒化シリコン膜116を除去し
てシリコン106を露出させる。
【0036】図6に示すように、探針形成部122の第
2のシリコン基板106を中間酸化シリコン膜104が
露出するまで湿式異方性エッチング処理して、カンチレ
バーの探針部に近い形状の三角錐形状の探針べース部1
30を形成する。この湿式異方性エッチングでは、所定
の濃度の水酸化カリウム水溶液(KOH)、テトラメチル
アンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)、エチレン
ジアミン・ピロカテコール・アンド・ウォータ(EDP
もしくはEPWと呼ばれる)などが用いられる。
【0037】この第2のシリコン基板のような単結晶シ
リコンの湿式異方性エッチング処理では、シリコン基板
の(100)面に比べて(111)面の方がエッチングされ
にくいので、湿式異方性エッチング処理により、レバー
べース部120に残存する窒化シリコン膜116の端部
から単結晶シリコンが(111)面を露出するようにエッ
チングされる。残存した探針べース部130の単結晶シ
リコンは、露出した(111)面と中間酸化シリコン膜1
04の(100)面とエッチング面126側の酸化シリコ
ン膜の壁128の三つの側面を有する三角錐形状とな
る。この探針べース部130は、後に酸化の工程を踏ん
で探針部となる。
【0038】次に、図7に示すように、三角錐形状の探
針べース部130及びレバーべース部120の表面に酸
化シリコン膜132を熱拡散炉により形成する(熱酸
化)。図7では、前の工程の酸化シリコンの壁128を
除去して酸化シリコン膜132を形成しているが、酸化
シリコンの壁128を除去せずに酸化シリコン膜132
を形成してもよい。
【0039】図8に示すように、第2のシリコン基板1
06側の中間酸化シリコン膜104の一部を除去して、
後述する第2の支持部を形成する際のエッチングパター
ンを形成する。
【0040】続いて、図9に示すように、第1のシリコ
ン基板102を表面及び裏面から湿式異方性エッチング
処理して第2の支持部136を形成する。
【0041】最後に、図10に示すように、熱リン酸水
溶液やフッ化水素水溶液などにより第1の支持部118
と第2の支持部136の間に挟まれた中間酸化シリコン
膜104を除く酸化シリコン膜と窒化シリコン膜を全て
除去して、完成品であるカンチレバー142が得られ
る。
【0042】このカンチレバー142は、例えば、レバ
ー部140の厚さが0.4μm、長さが20μm、幅が
5μmで、探針部の高さが約10μmであり、その共振
周波数は1.4MHz、バネ定数は1.7N/mである。
【0043】上述した作製方法では、図10に示すよう
に、レバー部140の延出方向に対して左側に第2の支
持部136が位置しているカンチレバー142を作製し
ているが、図4の工程の窒化シリコン膜116のパター
ニング形状を変更することによって、図11に示すよう
に、レバー部の延出方向に対して右側に第2の支持部1
36が位置するカンチレバーを作製することもできる。
【0044】現在、1秒間に1画面以上のラスター走査
を行うような高速走査を行い、生体試料などのミクロな
動作を観察する試みが盛んになされているが、本実施形
態の作製方法は、このような高速走査に好適なカンチレ
バーを提供することができる。
【0045】ここで、高速走査に好適なカンチレバーと
は、共振周波数がMHzオーダーで、測定試料と探針と
の接触に伴う両者の破損を防ぐため、バネ定数が40〜
50N/m以下のものをいう。この条件を満たすカンチ
レバーでは、例えば、レバー部の長さは40μm以下、
厚さは1μm以下となる。
【0046】従来、レバー部の長さ及び厚さを上記の通
り安定に作製することはできなかったが、本実施の形態
による作製方法では、レバー部の長さ及び厚さを安定に
制御できるため、このようなカンチレバーを容易に提供
することができる。
【0047】上述の実施の形態の一つの特徴は、半導体
プロセスを用いて半導体基板を選択的に除去し、探針
部、レバー部及び支持部からなるカンチレバーを作製し
た点にあり、更に言えば、作製するカンチレバーの平板
状のレバー部の幅方向に半導体基板をエッチングするこ
とで、カンチレバーを作製している点に特徴がある。
【0048】本実施形態の作製方法により作製されたカ
ンチレバー142は、図10に示すように、短冊形状の
単結晶シリコン製のレバー部140を有し、このレバー
部140の自由端に略三角錐形状の探針138が形成さ
れている。レバー部140は第1の支持部118に支持
され、第1の支持部118は中間酸化シリコン膜104
を介して第2の支持部136に支持されている。
【0049】レバー部140と第1の支持部118は、
第2のシリコン基板106に対して半導体プロセス処理
を施すことにより一体的に作られる。このため、レバー
部140の長さは、図3の工程の湿式エッチングと図4
の工程のフォトリソグラフィと図7の工程の酸化により
決まる。従って、レバー部140の長さのばらつきは、
1μm以下に、適正な条件下では100nm以下に抑え
ることができる。その結果、レバー部140は、例えば
10μmの長さで、10%以下のばらつきで作製でき
る。
【0050】レバー部140の厚さは、図4の工程のフ
ォトリソグラフィと図5の工程の酸化と図7の工程の酸
化により決まる。つまり、レバー部140の厚さはこれ
らの3工程によって制御される。
【0051】最初に、図12(a)に示すように、図4の
フォトリソグラフィとドライエッチングの工程によっ
て、レバーべース部120の最初の厚さT0が決められ
る。このレバーべース部120の厚さT0は例えば2μ
mである。
【0052】次に、図12(b)に示すように、図5のシ
リコンを酸化する工程によって、レバーべース部120
のシリコンの一部が酸化されて酸化シリコンとなること
で、酸化シリコン膜の壁128が形成される。その結果
として、レバーベース部120の厚さはT0からT1に減
少する。このレバーベース部120の厚さT1は例えば
1.2μmである。
【0053】最後に、図12(c)に示すように、図7の
シリコンを酸化する工程によって、レバーべース部12
0の残りのシリコンの一部が酸化されて酸化シリコン膜
132が形成される。その結果として、レバーベース部
120の厚さはT1からT2に減少する。この工程の終了
後に残っているレバーべース部120が、その後の酸化
シリコン膜を除去する工程を経てレバー部140とな
る。つまり、厚さT2のレバー部140が形成される。
このレバー部140の厚さT2は例えば0.4μmであ
る。
【0054】このように、レバーベース部120は、フ
ォトリソグラフィとドライエッチングによって従って高
い寸法精度で2μm程度の厚さ(横寸法)に加工されてお
り、これを横方向から酸化することでレバー部140の
最終的な厚さを決めており、酸化の進行は高い精度で制
御できるので、レバー部140を希望の厚さ例えば0.
4μmに精度良く形成することができる。このように、
レバー部140の厚さのばらつきは、フォトリソグラフ
ィのパターニング精度とシリコンの酸化の制御性に依存
し、100nm以下に、適正な条件下では10nm以下
に抑えることができる。
【0055】レバーべース部120の形成に用いるドラ
イエッチングには、主にプラズマを利用したRIE(Rea
ctive Ion Etching)、特に、異方性の高いプラズマの条
件や導入ガスを使用したRIEや、ICP型RIE(Ind
uctively Coupled Plasma)が適しており、これらはレバ
ー部140の断面形状の制御に有効である。
【0056】また、フォトリソグラフィとドライエッチ
ングにより所定の厚さに形成したレバーベース部120
を、横方向から酸化し、出来た酸化シリコンを除去して
レバー部140を形成しているので、フォトリソグラフ
ィの解像限界よりも薄いレバー部を持つカンチレバーを
作製することもできる。
【0057】このように、上述した作製方法によれば、
レバー部140を所望の形状に高い寸法精度で安定に作
製できる。従って、様々なSPM測定法に適応した共振
周波数やバネ定数を有するSPM用カンチレバーを提供
できる。
【0058】特に、上述した作製方法によれば、短く薄
いレバー部140を備えたカンチレバー142を作製す
ることができ、このようなカンチレバーは、測定試料の
時間変化などを観察する際に利用される高速走査を行な
うSPM測定に好適である。
【0059】また、本実施形態の作製方法により作製さ
れるカンチレバー142では、図15に示すように、探
針部138は三角錐形状の先端部を有しており、先端部
を規定する3つの面のうちの2つはシリコンの(111)
面と(100)面であり、残りの支持部側の面144は人
為的な加工により形成される。従って、探針部138の
先端の曲率半径は、支持部側の面144を形成する工程
に起因する。この面144は、図4の工程で形成される
探針形成部122のエッチング面126によって定めら
れる。
【0060】図13に示すように、図4の工程で形成さ
れる探針形成部122のエッチング面126は、平面
で、フォトリソグラフィとドライエッチングで形成され
ている。従って、ドライエッチングで生じるエッチング
面126の面あれが、探針部138の先端の曲率半径を
決定する。
【0061】一般にドライエッチングによる面あれは1
0nm以下であるので、図14に示すように、シリコン
の(111)面を露出させて探針べース部130を形成し
た時点で、探針べース部130の先端の曲率半径は既に
10nm以下である。従って、後の酸化の工程を経て形
成される探針部138の曲率半径は10nm以下に安定
して尖る。
【0062】また、探針部138のアスペクト比は、図
13に示すように、<110>を含む面(これは後に形成
されるレバー部140の面に平行である)に対する探針
形成部122のエッチング面126の傾きθで決まる。
このエッチング面126の傾きθは、カンチレバーの製
作者が任意に選べる設計上のパラメータである。
【0063】従って、上述した実施の形態では、θ=7
0°を選び、頂角が20°の探針部138を形成した
が、さらに更に大きい値をθに選ぶことにより、さらに
高いアスペクト比を持つ探針部を形成することもでき
る。
【0064】さらに、図7の工程において、探針べース
部130を酸化する熱拡散炉などで酸化しているが、こ
のときの温度を900乃至1000℃、好ましくは95
0℃と、通常の半導体プロセスで酸化シリコン膜を形成
する時より低い温度に設定することにより、より尖った
探針部138を形成することができる(低温熱酸化)。こ
れは、酸化シリコン膜の成長スピードが、探針部138
の先端近傍で遅くなるためであり、その結果、酸化され
ないシリコン部分つまり最終的に探針部になる部分は先
端に向かって尖鋭化され、先端の曲率半径は数nm以下
になる。
【0065】このカンチレバー142では、探針部13
8の先端は、レバー部140の中心軸からずれたレバー
部140の自由端側のほぼ先端の位置している。このた
め、切り立った段差がある試料に対して、段差のギリギ
リまでSPM測定を行なうことが可能である。
【0066】加えて、探針部138の先端が、レバー部
140の自由端側の頂点のほぼ真下に位置しているた
め、レバー部140の自由端側の頂点を基準に位置合わ
せすることで、間接的に探針部138の先端の位置合わ
せが行なえる。例えば、光学顕微鏡を用いてレバー部と
測定試料の位置合わせが行なえる多くのSPM装置にお
いて、レバー部の頂点を測定試料上のSPM測定を行な
いたい場所に合わせることにより、探針部の先端が測定
試料上のSPM測定を行ないたい場所の上方に配置され
る。従って、このカンチレバー142を用いてSPM測
定をする際に、探針部と試料との位置合わせが容易とな
る。
【0067】前述したように、探針部138の先端部
は、シリコンの(111)面と(100)面と人為的に加工
し得る面144とで規定され、この面144は探針形成
部122のエッチング面126によって定められる。し
かも、このエッチング面126の形状は任意に選ぶこと
ができる。従って、エッチング面126の形状を変える
ことにより、図15に示した探針部138とは異なる形
状の探針部を作製することも可能である。
【0068】以下、エッチング面の変形例とこの変形例
のエッチング面に基づいて形成される探針部について説
明する。
【0069】第一の変形例では、図16に示すように、
探針形成部122のエッチング面126'は、<110>
を含む面に対して傾きθを持つ平面126aと、<11
0>を含む面に対して傾きφ(>θ)を持つ平面126b
とで構成される。
【0070】このような形状のエッチング面126'に
対して、上述した作製方法を同様に適用すると、図17
に示すように、エッチング面126'の形状を反映して
途中で曲がった酸化シリコンの壁128'が形成され、
探針ベース部130'は、先端部が三角錐台の先にこれ
よりもアスペクト比が高い三角錐が連続した形状とな
る。
【0071】その結果、図18に示すように、三角錐台
の先にこれよりもアスペクト比が高い三角錐が連続した
形状の先端部を持つ探針部138'が得られる。この探
針部138'の先端部は、シリコンの(111)面と(10
0)面と面144'とで規定され、この面144'は、探
針形成部122のエッチング面126'の形状を反映し
て、<110>を含む面に対して傾きθを持つ平面144
aと、<110>を含む面に対して傾きφ(>θ)を持つ平
面144bとで構成される。
【0072】この形状の探針部138'は、全体の剛性
や強度を殆ど低下させることなく、先端のアスペクト比
の向上と高さ寸法の増大を実現し得る。
【0073】図15に示すような単純な三角錐形状の探
針部138において、傾きθの値を大きくすることによ
って、先端のアスペクト比の向上あるいは高さ寸法の増
大を図ると、必然的に探針部全体の剛性や強度の低下を
伴なう。従って、探針部138の先端のアスペクト比や
高さ寸法は、この探針部の使用目的や材料(単結晶シリ
コン)の剛性や強度から上限が定まる。
【0074】これに対して、図18に示すような探針部
138'では、レバー部140に近い三角錐台の部分(面
144aを含む部分)が強度をかせぐので、その先の三
角錐のアスペクト比を高めても、全体の強度はさほど低
下しない。従って、実際に実現し得る探針部138'の
アスペクト比と高さ寸法の上限は、図15の探針部13
8のそれよりも高いものとなる。
【0075】第二の変形例では、図19に示すように、
探針形成部122のエッチング面126''は、<110>
を含む面に対して傾きθを持つ平面126aと、<11
0>を含む面に対して傾きφ(>θ)を持つ平面126b
と、<110>を含む面に対して傾きψ(<θ)を持つ平面
126cとで構成される。
【0076】このような形状のエッチング面126''に
対して、上述した作製方法を同様に適用すると、図20
に示すように、エッチング面126''の形状を反映して
二カ所で折れ曲がった酸化シリコンの壁128''が形成
され、探針ベース部130''は、その先端部が、三角錐
台の先にこれよりもアスペクト比が高い三角錐が連続
し、その頂点部分が斜めに切り取られた形状となる。
【0077】その結果、図21に示すように、三角錐台
の先にこれよりもアスペクト比が高い三角錐が連続し、
その頂点部分が斜めに切り取られた形状の先端部を持つ
探針部138''が得られる。この探針部138''の先端
部は、シリコンの(111)面と(100)面と面144''
とで規定され、この面144''は、探針形成部122の
エッチング面126''の形状を反映して、<110>を含
む面に対して傾きθを持つ平面144aと、<110>を
含む面に対して傾きφ(>θ)を持つ平面144bと、<
110>を含む面に対して傾きψ(<θ)を持つ平面14
4cとで構成される。
【0078】この形状の探針部138''は、その先端近
くに3つの頂点146a、146b、146cを有して
いるため、特に垂直壁の測定や溝の底面の測定などの用
途に適している。面144bの傾きφを大きくするとと
もに、これに対応する部分を長くすることにより、特に
深い溝の壁や底の測定に適したカンチレバーが得られ
る。
【0079】さらに、図7の工程において、探針べース
部130''を900〜1000℃、好ましくは950℃
で酸化することにより、図22に示すように、3つの頂
点146a、146b、146cがより尖鋭化された探
針部138'''が得られる。
【0080】この探針部138'''は、先端近くに、尖
った3つの頂点部148a、148b、148cを有し
ているため、垂直壁の測定や溝底面の測定などの用途に
特に好適である。
【0081】このように、上述した作製方法によれば、
先端の曲率半径が小さい探針部を備えたSPM用カンチ
レバーを容易かつ安定に作製できる。従って、より分解
能の高いSPM測定を可能にするSPM用カンチレバー
を提供できる。
【0082】また、様々な特性のカンチレバーにおいて
同様の探針部を常に精度よく安定に形成できるため、S
PM測定法の違いによる分解能の劣化がなくなり、常に
分解能の高いSPM測定を可能にするSPM用カンチレ
バーを提供できる。
【0083】さらに、高いアスペクト比を持つ探針部を
備えたSPM用カンチレバーを容易かつ安定に作製でき
る。従って、より分解能の高いSPM測定を可能にする
SPM用カンチレバーを提供できる。このように高いア
スペクト比を持つ探針部を備えたSPM用カンチレバー
は、特に光ディスクの溝などの段差の大きな試料のSP
M測定に好適である。
【0084】また、本実施形態の作製方法により作製さ
れたカンチレバー142は、例えば、図15に示すよう
に、探針部138の裏側(先端と反対側)に、レバー部1
40の面152に対して傾斜した面150を有してい
る。この面150は、図4の工程で形成される探針形成
部122のエッチング面124によって定められ、図1
3に示すように、エッチング面124はフォトリソグラ
フィとドライエッチングで形成され、<110>を含む面
に対する傾きηはカンチレバーの製作者が適当に選ぶこ
とができる。
【0085】通常、レバー部140の動きを検出する光
学センサーの反射面には、レバー部140の面152が
使用されるが、この面150をこれに使用することもで
きる。言い換えれば、カンチレバー142は、光学的検
出に利用可能な反射面を2つ備えている。
【0086】また、2つの反射面150と152のそれ
ぞれに対して異なるセンサーを設け、反射面毎に異なる
SPM測定を行ない、異なる情報を別々に検出すること
も可能である。例えば、探針部138の裏側の反射面1
50を用いて探針先端のZ方向の変位を検出しながら、
レバー部140の反射面152を用いてレバー部140
のねじれ角を検出することができる。
【0087】レバー部の面152や探針部138の裏側
の面150の反射率を高めるため、上述した製造プロセ
ス(図1〜図10の工程)に、レバー部の面152や探針
部138の裏側の面150に金属膜等をコーティングす
る工程を加えてもよい。
【0088】本実施形態では、第2の支持部136を形
成するためのエッチングマスク110の形状は長方形で
あり、このため、図23に示すように、完成品のカンチ
レバー142における第2の支持部136の形状は平行
六面体である。
【0089】第2の支持部136の形状は、図2の工程
で形成するエッチングマスク110に依存している。従
って、エッチングマスク110の形状を変更することに
より、第2の支持部136の形状を変更することができ
る。例えば、図24に示すように、第1の支持部118
の全面を支持する形状の第2の支持部136'に変更し
てもよい。
【0090】このカンチレバー142'は、カンチレバ
ーを振動させるSPM測定への適用に適しており、第2
の支持部136'がレバー部140の近くまで延び、第
1の支持部118の剛性、特にレバー部140に近い部
分の剛性が向上されているため、レバー部140以外の
振動が軽減される。
【0091】また、第1の支持部118とレバー部14
0の形状に関する相互の関係は、図4の工程で形成した
窒化シリコン膜116のパターニング形状で決まる。従
って、窒化シリコン膜116のパターニング形状を変更
することにより、第1の支持部118とレバー部140
の相互の形状を変更することができる。例えば、図25
に示すように、第1の支持部118の底面とレバー部1
40の面が傾きδを持つように形成してもよい。
【0092】このカンチレバー142''は、走査型プロ
ーブ顕微鏡に取り付けた際に、図23のカンチレバー1
42に比べて、第2の支持部136と試料との間に広い
空間を確保できる。つまり、図25のカンチレバー14
2''と図23のカンチレバー142を、探針部138が
試料に対して同じ姿勢となるように走査型プローブ顕微
鏡に取り付けた際、カンチレバー142''(図25)の第
2の支持部136の方がカンチレバー142(図23)の
第2の支持部136よりも試料から遠くに位置する。
【0093】続いて、図23〜図25のカンチレバーを
保持するいくつかのカンチレバー保持機構について説明
する。以下に述べるカンチレバー保持機構はいずれも、
図23〜図25のカンチレバーを同様に保持するので、
以下では代表的に図23のカンチレバー142を保持す
るものとして説明する。
【0094】図26に示すカンチレバー保持機構170
は、カンチレバー142の第2の支持部136に対応し
た形状の溝174が形成されたホルダー本体172と、
この溝174の上に延出するようにホルダー本体172
に固定された板バネ176とを有している。
【0095】このカンチレバー保持機構170では、カ
ンチレバー142の第2の支持部136がホルダー本体
172に形成された溝174に挿入され、ホルダー本体
172の側面に設けられた板バネ176がカンチレバー
142の第1の支持部118に接触して第2の支持部1
36の当て付け面を溝174の底面に押し付けることに
より、カンチレバー142が保持される。ここで、当て
付け面とは、第2の支持部136が第1の支持部118
を支持する面の反対に位置する面であり、図23におい
ては(111)面に囲まれた(100)面を指している。以
下、このような面を単に「当て付け面」と呼ぶ。
【0096】カンチレバー保持機構170では、カンチ
レバー142を押圧する板バネ176がホルダー本体1
72の側面に取り付けられており、試料に面するホルダ
ー本体172の下面には何の部品も設けられていない。
従って、試料との間に比較的広い空間を確保できる。ま
た、試料との間に空間を確保する目的から板バネ176
の形状や大きさが制限されることはない。従って、板バ
ネ176の厚さや形状の変更が比較的自由に行なえ、カ
ンチレバー142をより強固に保持することができる。
【0097】図27に示すカンチレバー保持機構17
0'は、カンチレバー142の第2の支持部136に対
応した形状の溝174が形成されたホルダー本体17
2'を有し、この溝174の底面に真空チャック用の穴
178が形成されており、この穴178は吸引装置17
9に接続されている。
【0098】このカンチレバー保持機構170'では、
カンチレバー142の第2の支持部136がホルダー本
体172'に形成された溝174に挿入され、穴178
を介してカンチレバー142の第2の支持部136の当
て付け面を吸引することにより、カンチレバー142が
保持される。
【0099】カンチレバー保持機構170'のホルダー
本体172'は、カンチレバー142を保持するための
部品を全く備えていない。従って、試料との間に比較的
広い空間を確保することができる。また、カンチレバー
142を保持する力は、吸引装置の吸引力を高めること
により、比較的自由に高めることができる。
【0100】図28に示すカンチレバー保持機構17
0''は、カンチレバー142の第2の支持部136に対
応した形状の溝174が形成されたホルダー本体17
2''と、この溝174の上に延出するようにホルダー本
体172''に固定された板バネ176と、ホルダー本体
172''に固定された圧電体180とを有している。
【0101】このカンチレバー保持機構170''では、
カンチレバー142の第2の支持部136がホルダー本
体172''に形成された溝174に挿入され、ホルダー
本体172''の側面に設けられた板バネ176がカンチ
レバー142の第1の支持部118に接触して第2の支
持部136の当て付け面を溝174の底面に押し付ける
ことにより、カンチレバー142が保持される。
【0102】また、圧電体180は、カンチレバー14
2のレバー部140を振動させて行なう励振モードのS
PM測定のために設けられており、電源部(図示せず)か
らの交流電圧印加を受けて振動して、カンチレバー14
2のレバー部140に振動を与える。
【0103】カンチレバー保持機構170''では、カン
チレバー142を押圧する板バネ176がホルダー本体
172''の側面に取り付けられているため、試料との間
に比較的広い空間を確保できる。また、板バネ176の
形状や大きさの変更が比較的自由に行なえ、カンチレバ
ー142をより強固に保持することができる。
【0104】これまでに説明したカンチレバーでは、図
23と図24に示したように、第2の支持部は平行六面
体かこれに類似した形状を有している。前述したよう
に、第2の支持部の形状は、図2の工程で形成するエッ
チングマスク110に依存しており、このエッチングマ
スク110の形状や位置を変更することにより変更でき
る。
【0105】以下では、これまで説明したものと異なる
形状の第2の支持部を備えたカンチレバーを図29と図
30に示し、これらのカンチレバーを保持するカンチレ
バー保持機構を図31と図32に示す。
【0106】図29に示すカンチレバー182は、四角
錐台形状の第2の支持部184を有している。この形状
の第2の支持部184を形成するには、図2の工程にお
いて、エッチングマスク110の形状を、窒化シリコン
膜116の第1の支持部を形成する部分よりも小さい長
方形とし、この部分のほぼ中央に来るように配置するだ
けである。これにより、図9の工程の湿式異方性エッチ
ングでは、エッチングマスク110の側に4つの(11
1)面が露出するようにエッチングされ、その結果、四
角錐台形状の第2の支持部184が形成される。
【0107】また、図2の工程において、エッチングマ
スク110の形状を台形とすることにより、図30に示
すように、第1の支持部118の全面を支持する形状の
第2の支持部184'を持つカンチレバー182'が作製
される。このカンチレバー182'は、図24のカンチ
レバー142'と同様に、カンチレバーを振動させるS
PM測定への適用に適している。
【0108】図31と図32のカンチレバー保持機構は
いずれも、図29と図30のカンチレバーを同様に保持
するので、以下では代表的に図29のカンチレバー14
2を保持するものとして説明する。
【0109】図31に示すカンチレバー保持機構190
は、カンチレバー182の第2の支持部184に対応し
た形状の溝194が形成されたホルダー本体192と、
この溝194の上に延出するようにホルダー本体192
に固定された板バネ196とを有している。
【0110】このカンチレバー保持機構190では、カ
ンチレバー182の第2の支持部184がホルダー本体
192に形成された溝194に挿入され、ホルダー本体
192の側面に設けられた板バネ196がカンチレバー
182の第1の支持部118に接触して第2の支持部1
84の当て付け面を溝194の底面に押し付けることに
より、カンチレバー182が保持される。
【0111】カンチレバー保持機構190では、カンチ
レバー182を押圧する板バネ196がホルダー本体1
92の側面に取り付けられているため、試料との間に比
較的広い空間を確保できる。また、板バネ196の形状
や大きさは比較的自由に変更でき、カンチレバー142
をより強固に保持することができる。
【0112】図31に示すカンチレバー保持機構19
0'は、カンチレバー182の第2の支持部184に対
応した形状の溝194が形成されたホルダー本体19
2'を有し、この溝194の底面に真空チャック用の穴
198が形成されており、この穴198は吸引装置19
9に接続されている。
【0113】このカンチレバー保持機構190'では、
カンチレバー182の第2の支持部184がホルダー本
体192'に形成された溝194に挿入され、穴198
を介してカンチレバー182の第2の支持部184の当
て付け面を吸引することにより、カンチレバー182が
保持される。
【0114】カンチレバー保持機構190'のホルダー
本体192'は、カンチレバー142を保持するための
部品を全く備えていないので、試料との間に比較的広い
空間を確保することができる。
【0115】なお、図31及び図32に示される保持機
構190、190'に、図28に示される圧電体180
を付加した構成としてもよい。
【0116】以下、上述した作製方法を応用して作製可
能な特に垂直壁測定に好適なカンチレバーを作製につい
て説明する。
【0117】上述した作製方法により作製されるカンチ
レバーでは、探針部の形状は、シリコンの2つの結晶
面、(111)面と(100)面と、人為的な加工により形
成される2つの面によって規定されている。これらの人
為的な加工により形成される2つの面を変更することに
よって、上述した探針とは全く異なる形状の、垂直壁測
定に好適な探針部を備えるカンチレバーを作製すること
もできる。
【0118】この垂直壁測定に好適な探針部を備えるカ
ンチレバーを図33に示す。図中、既に説明した部材と
同等の部材は、同一の参照符号を付して示されている。
【0119】図33に示されるように、カンチレバー2
42は、レバー部140の軸に対して側方に位置する一
対の終端点201と202を持つ探針部238を有して
いる。他の言い方をすれば、カンチレバー242は、レ
バー部140を(100)面の方向で、且つ、レバー部の
基端部側から見た場合、レバー部140の延出方向の左
右に対称的に突出した一対の三角錐形状の突起部を含む
探針部238を有している。
【0120】図34に示されるように、探針部238の
一方の突起部の側面は、交差する2つの結晶面すなわち
(111)面と(100)面と、人為的な加工によって形成
された面203とで構成され、終端点201はこれら3
つの面すなわち(111)面と(100)面と面203の交
点である。同様に、探針部238の他方の突起部の側面
は、交差する2つの結晶面すなわち(111)面と(10
0)面と、人為的な加工によって形成された面204と
で構成され、終端点202はこれら3つの面すなわち
(111)面と(100)面と面204の交点である。
【0121】人為的な加工によって形成された面203
と面204は、それぞれ、図4の工程で形成される探針
形成部122のエッチング面126とエッチング面12
4によって定められる。つまり、このような探針部23
8を持つカンチレバー242は、図4の工程における窒
化シリコン膜116のパターニングに変更を加える以外
は、図1〜図10を用いて説明したカンチレバーの作製
方法を適用して作製できる。
【0122】つまり、図4の工程において、窒化シリコ
ン膜116のパターンを変更し、これをマスクにして第
2のシリコン基板(活性層)106を、SOI基板108
の中間酸化シリコン膜104が露出するまで選択的に除
去することにより、図36に示されるように、第1の支
持部118と、レバー部の母材であるレバーベース部1
20と、探針部の母体である探針形成部122が形成さ
れると共に、探針形成部122のエッチング面124及
び126が、<110>を含み(100)面に直交する面に
対して等しい角度の傾斜を有するように形成される。
【0123】その後、図5〜図10に示される工程を適
用して、図33に示されるカンチレバー、つまり、その
先端に2つの終端点201と202を有する探針部23
8を備えるカンチレバー242が作製される。
【0124】さらに、図7の工程において、900〜1
000℃、好ましくは950℃で酸化することにより、
図35に示されるように、より尖鋭化された一対の終端
点201'と202'を持つ探針部238'が得られる。
【0125】このようなカンチレバー242は、探針部
238がレバー部140の軸に対して側方すなわちレバ
ー部140の上下面の方向に突出した一対の終端点20
1(201')と202(202')を有しているため、図3
7から分かるように、特に垂直壁の測定の測定に好適で
ある。
【0126】図37は、このカンチレバー242を用い
た垂直壁測定の様子を示しており、垂直壁測定は、カン
チレバー242を探針部238の2つの終端点201
(201')と202(202')を結ぶ稜線方向に励振して
行なわれる。
【0127】本発明は、上述した実施の形態に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれ
る実施の全てを含む。
【0128】例えば、本発明の実施の形態に示したカン
チレバー保持機構を以下に示す従来からの装置に取り付
けてもよい。
【0129】特開平9−15250号公報には、カンチ
レバー支持部と一体に構成されたカンチレバーと、カン
チレバー支持部を保持するカンチレバー保持機構(カン
チレバーホルダー)と、一端がSPM装置本体に固定さ
れたスキャナと、このスキャナの他端に設けられた光て
こ方式の変位検出センサーユニットとが示されている。
【0130】この構成において、カンチレバーはカンチ
レバー保持機構と共に変位検出センサーユニットに対し
て着脱可能であり、測定に応じて本発明におけるカンチ
レバー及び保持機構を上記変位検出センサーユニットに
取り付けることが可能である。
【0131】以上の説明から本実施の形態における走査
型プローブ顕微鏡用カンチレバーの作製方法は以下のよ
うに言える。
【0132】1. 半導体IC製造技術を応用して、半
導体基板から、レバー部を備えた走査型プローブ顕微鏡
用カンチレバーを作製する方法において、形成されるレ
バー部は、その長さ方向と厚さ方向が半導体基板の主面
に平行に選ばれ、幅方向が半導体基板の厚さ方向に選ば
れていることを改善とする走査型プローブ顕微鏡用カン
チレバーの作製方法。
【0133】2. 半導体IC製造技術を応用して、半
導体基板から、探針部とレバー部と支持部を有する走査
型プローブ顕微鏡用カンチレバーを作製する方法におい
て、半導体基板を用意する工程と、半導体基板の主面に
エッチングマスクを形成する工程と、エッチングマスク
を介してエッチングを行ない、探針部とレバー部と支持
部の大まかな形状を形成する工程とを有していることを
改善とする走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの作製
方法。
【0134】3. レバー部を備えた走査型プローブ顕
微鏡用カンチレバーの作製方法であり、第1の半導体基
板の一方の面に形成された酸化膜と第2の半導体基板を
貼り合わせて作製された貼り合わせ基板を用意する工程
と、酸化膜が露出するまで第2の半導体基板を選択的に
除去して、少なくとも第1の支持部とレバーベース部を
形成する工程と、残っている第2の半導体基板を酸化し
て、レバーベース部の側面に酸化膜を形成する工程と、
第1の半導体基板を選択的に除去して、第2の支持部を
形成する工程と、不要な酸化膜を除去して、カンチレバ
ーの完成品を得る工程とを有しており、形成されるレバ
ー部の厚さは、第2の半導体基板を選択的に除去する工
程と第2の半導体基板を酸化する工程とによって制御さ
れる、走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの作製方
法。
【0135】4. 第3項において、貼り合わせ基板を
用意する工程と第2の半導体基板を選択的に除去する工
程との間に、形成するレバー部の幅に応じて、第2の半
導体基板の少なくとも一部をエッチングして、その厚さ
を低減させる工程を更に有しており、レバーベース部は
厚さが低減された部分に作られる、作製方法。
【0136】5. 探針部を有するレバー部を備えた走
査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの作製方法であり、
第1の半導体基板の一方の面に形成された酸化膜と第2
の半導体基板を貼り合わせて作製された貼り合わせ基板
を用意する第1の工程と、第2の半導体基板を酸化膜が
露出するまで選択的に除去して、第1の支持部とレバー
ベース部と探針形成部を形成する第2の工程と、残った
第2の半導体基板を酸化して、レバーベース部の側面に
酸化膜を形成する第3の工程と、探針形成部の第2の半
導体基板を露出させる第4の工程と、露出した探針形成
部の第2の半導体基板を選択的に除去して探針部の予備
成形部である探針ベース部を形成する第5の工程と、第
1の半導体基板を選択的に除去して第2の支持部を形成
する第6の工程と、不要な酸化膜を除去して、カンチレ
バーの完成品を得る第7の工程とを有しており、形成さ
れるレバー部の厚さは、第2の工程と第3の工程によっ
て制御される、走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの
作製方法。
【0137】6. 第5項において、第1の工程と第2
の工程の間に、形成するレバー部の幅に応じて、第2の
半導体基板の少なくとも一部をエッチングして、その厚
さを低減させる工程を更に有しており、レバーベース部
は厚さが低減された部分に作られる、作製方法。
【0138】7. 第5項において、第5の工程と第6
の工程の間に、第2の半導体基板の表面に酸化膜を形成
する工程を更に有しており、形成されるレバー部の厚さ
は、第2の工程と第3の工程に加えて本工程によって制
御される、作製方法。
【0139】8. 第7項において、前述の酸化膜を形
成する工程は第2の半導体基板を低温熱酸化する工程を
有し、この工程によって探針ベース部は尖鋭化処理され
る、作製方法。
【0140】9. 第5項において、探針ベース部の先
端部は三角錐形状もしくは略三角錐形状をしており、そ
の側面の2つは結晶面で構成され、残る1つの側面は人
為的な加工により形成される面で構成されている、作製
方法。
【0141】10. 第9項において、前述の2つの結
晶面は(100)面と(111)面であり、前記探針ベース
部が形成されたレバーベース部の面は(100)面と(1
11)面に対してほぼ垂直に選ばれている、作製方法。
【0142】11. 第9項において、前述の探針ベー
ス部の側面の残る1つの面は、前記探針ベース部が形成
されたレバーベース部の面に対して傾きθを持つ平面で
構成されている、作製方法。
【0143】12. 第9項において、前述の探針ベー
ス部の側面の残る1つの面は、前記探針ベース部が形成
されたレバーベース部の面に対して傾きθを持つ平面
と、前記探針ベース部が形成されたレバーベース部の面
に対して傾きφ(>θ)を持つ平面とで構成されている、
作製方法。
【0144】13. 第9項において、前述の探針ベー
ス部の側面の残る1つの面は、この探針ベース部が形成
されたレバーベース部の面に対して傾きθを持つ平面
と、この探針ベース部が形成されたレバーベース部の面
に対して傾きφ(>θ)を持つ平面と、この探針ベース部
が形成されたレバーベース部の面に対して傾きψ(<φ)
を持つ平面とで構成されている、作製方法。
【0145】14. 第9項において、前述の酸化膜を
形成する工程は第2の半導体基板を低温熱酸化する工程
を有し、この工程によって探針ベース部は尖鋭化処理さ
れる、作製方法。
【0146】15. 第5項において、探針ベース部は
レバーベース部の延出方向の左右に対称的に突出する一
対の三角錐形状もしくは略三角錐形状の突起部を含んで
おり、突起部の各々の側面の2つは結晶面で構成され、
残る1つの側面は人為的な加工により形成される面で構
成されている、作製方法。
【0147】16. 第15項において、前述の2つの
結晶面は(100)面と(111)面であり、前記探針ベー
ス部が形成されたレバーベース部の面は(100)面と
(111)面に対してほぼ垂直に選ばれている、作製方
法。
【0148】17. 第15項において、前述の探針ベ
ース部の各々の側面の残る1つの面は、前記探針ベース
部が形成されたレバーベース部の面に対して等しい傾き
を持つ平面で構成されている、作製方法。
【0149】18. 第15項において、前述の酸化膜
を形成する工程は第2の半導体基板を低温熱酸化する工
程を有し、この工程によって探針ベース部の一対の三角
錐形状の突起部は尖鋭化処理される、作製方法。
【0150】
【発明の効果】本発明によれば、レバー部の長さと厚さ
をエッチングマスクにより規定することによって、長さ
と厚さのばらつきが少ないレバー部を備えたカンチレバ
ーを安定に作製し得る方法が提供される。さらに、レバ
ー部の長さと厚さを高精度に制御でき、従って、レバー
部の共振周波数がMHzオーダーでバネ定数が40〜5
0N/m以下のカンチレバーを安定に作製し得る方法が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるカンチレバーの作製
方法における第1の工程を示している。
【図2】本発明の実施の形態によるカンチレバーの作製
方法における図1の工程に続く第2の工程を示してい
る。
【図3】本発明の実施の形態によるカンチレバーの作製
方法における図2の工程に続く第3の工程を示してい
る。
【図4】本発明の実施の形態によるカンチレバーの作製
方法における図3の工程に続く第4の工程を示してい
る。
【図5】本発明の実施の形態によるカンチレバーの作製
方法における図4の工程に続く第5の工程を示してい
る。
【図6】本発明の実施の形態によるカンチレバーの作製
方法における図5の工程に続く第6の工程を示してい
る。
【図7】本発明の実施の形態によるカンチレバーの作製
方法における図6の工程に続く第7の工程を示してい
る。
【図8】本発明の実施の形態によるカンチレバーの作製
方法における図7の工程に続く第8の工程を示してい
る。
【図9】本発明の実施の形態によるカンチレバーの作製
方法における図8の工程に続く第9の工程を示してい
る。
【図10】図1〜図9の工程を経て得られる完成品とし
てのカンチレバーを概略的に示している。
【図11】図4の工程における窒化シリコン膜のパター
ニング形状を変更することにより作製し得る、図10の
カンチレバーに対して面対称な形状のカンチレバーを示
している。
【図12】本発明の実施の形態によるカンチレバーの作
製方法におけるレバー部の形成過程を示しており、(a)
は図4の工程におけるレバーベース部の断面、(b)は図
5の工程におけるレバーベース部の断面、(c)は図7の
工程におけるレバーベース部の断面を模式的に示してい
る。
【図13】図4の工程において形成される探針形成部の
形状を示している。
【図14】図13に示す形状の探針形成部に基づいて図
6の工程において形成される探針ベース部を示してい
る。
【図15】図14に示す探針ベース部に基づいて最終的
に形成される探針部を示している。
【図16】図4の工程において形成される探針形成部の
形状の第一の変形例を示している。
【図17】図16に示す形状の探針形成部に基づいて図
6の工程において形成される探針ベース部を示してい
る。
【図18】図17に示す探針ベース部に基づいて最終的
に形成される探針部を示している。
【図19】図4の工程において形成される探針形成部の
形状の第二の変形例を示している。
【図20】図19に示す形状の探針形成部に基づいて図
6の工程において形成される探針ベース部を示してい
る。
【図21】図20に示す探針ベース部に基づいて最終的
に形成される探針部を示している。
【図22】図20に示す探針ベース部に対して低温熱酸
化処理を施すことにより最終的に形成される探針部を示
している。
【図23】本発明の実施の形態によるカンチレバーの作
製方法によって作製される、平行六面体形状の第2の支
持部を備えたカンチレバーを示している。
【図24】図2の工程で形成する第2の支持部を形成す
るためのエッチングマスクの形状を変更することにより
作製し得る、第1の支持部のほぼ全体を支持する、平行
六面体に類する形状の第2の支持部を備えたカンチレバ
ーを示している。
【図25】図4の工程で形成する窒化シリコン膜のパタ
ーニング形状を変更することにより作製し得る、レバー
部の面が第1の支持部の底面に対して傾きを持っている
カンチレバーを示している。
【図26】図23〜図25に示したカンチレバーを保持
するためのカンチレバー保持機構を示している。
【図27】図23〜図25に示したカンチレバーを保持
するための別のカンチレバー保持機構を示している。
【図28】図23〜図25に示したカンチレバーを保持
するための、カンチレバーのレバー部を振動させる機能
を備えた更に別のカンチレバー保持機構を示している。
【図29】図2の工程で形成する第2の支持部を形成す
るためのエッチングマスクの形状を変更することにより
作製し得る、四角錐台形状の第2の支持部を備えたカン
チレバーを示している。
【図30】図2の工程で形成する第2の支持部を形成す
るためのエッチングマスクの形状を変更することにより
作製し得る、第1の支持部のほぼ全体を支持する、四角
錐台に類する形状の第2の支持部を備えたカンチレバー
を示している。
【図31】図29と図30に示したカンチレバーを保持
するためのカンチレバー保持機構を示している。
【図32】図29と図30に示したカンチレバーを保持
するための別のカンチレバー保持機構を示している。
【図33】図4の工程における窒化シリコン膜のパター
ニング形状を変更することにより作製し得る、特に垂直
壁の測定に好適なカンチレバーを示している。
【図34】図33に示したカンチレバーの探針部を拡大
して示している。
【図35】図34に示した探針部の探針ベース部に対し
て低温熱酸化処理を施すことにより形成される探針部を
示している。
【図36】図33に示したカンチレバーのために変更さ
れた窒化シリコン膜のパターニングに従って形成される
探針形成部を示している。
【図37】図33に示したカンチレバーを用いた垂直壁
測定の様子を示している。
【符号の説明】
102 第1のシリコン基板 104 中間酸化シリコン膜 106 第2のシリコン基板 108 SOI基板 116 窒化シリコン膜 118 第1の支持部 120 レバーべース部 122 探針形成部 130 探針べース部 132 酸化シリコン膜 136 第2の支持部 138 探針部 140 レバー部 142 カンチレバー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板を選択的に除去して、レバー部
    を備えた走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーを作製す
    る方法において、 形成するレバー部の長さ方向と厚さ方向が半導体基板の
    主面に平行に選ばれ、レバー部の幅方向が半導体基板の
    厚さ方向に選ばれていることを特徴とする走査型プロー
    ブ顕微鏡用カンチレバーの作製方法。
  2. 【請求項2】半導体基板を選択的に除去して、探針部と
    レバー部と支持部を有する走査型プローブ顕微鏡用カン
    チレバーを作製する方法において、 半導体基板の主面にエッチングマスクを形成し、このエ
    ッチングマスクを介してエッチングを行なうことによ
    り、探針部とレバー部と支持部の大まかな形状が形成さ
    れることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡用カンチレ
    バーの作製方法。
  3. 【請求項3】 探針部を有するレバー部を備えた走査型
    プローブ顕微鏡用カンチレバーの作製方法であり、 第1の半導体基板の一方の面に形成された酸化膜と第2
    の半導体基板を貼り合わせて作製された貼り合わせ基板
    を用意する第1の工程と、 形成するレバー部の幅に応じて第2の半導体基板を選択
    的に除去する第2の工程と、 第2の半導体基板を酸化膜が露出するまで選択的に除去
    して、第1の支持部とレバーベース部と探針形成部を形
    成する第3の工程と、 レバーベース部の側面に酸化半導体膜を形成する第4の
    工程と、 探針形成部の第2の半導体基板を露出させる第5の工程
    と、 露出した探針形成部の第2の半導体基板を除去して探針
    部の予備成形部である探針ベース部を形成する第6の工
    程と、 第2の半導体基板の表面に酸化膜を形成する第7の工程
    と、 第1の半導体基板を選択的に除去して第2の支持部を形
    成する第8の工程とを有している、走査型プローブ顕微
    鏡用カンチレバーの作製方法。
JP8003399A 1998-03-24 1999-03-24 走査型プロ―ブ顕微鏡用カンチレバ―の作製方法 Withdrawn JPH11337563A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007120966A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Seiko Instruments Inc 計測プローブ及び計測プローブの製造方法
CN100399040C (zh) * 2005-03-31 2008-07-02 电子科技大学 一种磁力显微镜磁性探针磁化器
JP2009300440A (ja) * 2008-06-11 2009-12-24 Imec 超高分解能電気測定用のダイヤモンドチップの費用効果のある製造方法およびこれにより得られるデバイス

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