JP2002340772A - 走査型プローブ及びその製造方法 - Google Patents

走査型プローブ及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002340772A
JP2002340772A JP2001145309A JP2001145309A JP2002340772A JP 2002340772 A JP2002340772 A JP 2002340772A JP 2001145309 A JP2001145309 A JP 2001145309A JP 2001145309 A JP2001145309 A JP 2001145309A JP 2002340772 A JP2002340772 A JP 2002340772A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
probe
field light
mask
light generating
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001145309A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3577291B2 (ja
Inventor
Takashi Yatsui
崇 八井
Minoru Ueda
稔 上田
Motonobu Korogi
元伸 興梠
Genichi Otsu
元一 大津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Corp filed Critical Japan Science and Technology Corp
Priority to JP2001145309A priority Critical patent/JP3577291B2/ja
Publication of JP2002340772A publication Critical patent/JP2002340772A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3577291B2 publication Critical patent/JP3577291B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つの微小な試料に対して、近接場光を利用
した観察と、AFM及びSTMなどと同様の原理を利用
した観察とを、高精度に行うことを可能とする。 【解決手段】 走査型プローブ1を、開口型探針6と突
起型探針7とが一体化しており、且つ隣接している構造
とする。したがって、圧電素子などによって走査型プロ
ーブ1を僅かに移動させることが可能となり、位置再現
性が良好なものとなる。すなわち、微小な試料に対し
て、例えば開口型探針6による観察を行った後に、走査
型プローブ1を僅かに移動させて、突起型探針7による
観察を行うことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型プローブ顕
微鏡などに使用される走査型プローブ及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の光学顕微鏡によって試料を観察す
るときには、回折限界という波の伝播に由来する分解能
の限界があるため、光の半波長以下の2点を区別するこ
とはできない。すなわち、光の回折限界を越えて試料を
観察することはできない。
【0003】これに対して、先端径がナノメートルサイ
ズであるプローブを備えた走査型プローブ顕微鏡を用い
れば、光の回折限界を越えて試料を観察することが可能
となる。この走査型プローブ顕微鏡は、鋭い針状の探針
を試料の表面に沿って走査しながら、例えば観察する試
料表面と探針との原子間力などの物理量を測定して、通
常の光学顕微鏡と比較して分解能が高い画像を得る顕微
鏡である。
【0004】この走査型プローブ顕微鏡としては、原子
間力顕微鏡(AFM)や、走査型トンネル電子顕微鏡
(STM)、近接場光学顕微鏡などが挙げられる。
【0005】ここで、AFMは、微小な可動部の先端に
設けられた探針を試料表面に近接させたときに生じる原
子間力を利用している。そして、AFMは、探針先端の
原子と試料表面の原子との間に生じる原子間力が一定に
なるように高さを変化させながら探針を走査し、この探
針の位置の変位を検出することによって、高い分解能で
試料の表面形状を観察する。
【0006】また、STMは、微小な可動部の先端に設
けられた探針と導電性を有する試料との間に電圧を加え
て距離を1nm程度にまで近接させると、探針と試料と
の間にトンネル電流が流れることを利用している。そし
て、STMは、このトンネル電流が一定となるように探
針を走査し、この探針の位置の変位を検出することによ
って、高い分解能で試料の表面形状を観察する。
【0007】また、近接場光学顕微鏡は、探針の先端に
形成された微小開口から染み出す近接場光(エバネッセ
ント光)を使用することによって、光の波長を超えた光
学画像を得る。この近接場光学顕微鏡によって、光の回
折限界を越えて試料を空気中や水中で観察することや、
分光測定すること、また、試料表面下の構造を観察する
ことなどが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、AFMやS
TMでは、試料表面の分解能を向上させるために、先端
が尖鋭で開口が形成されていない突起型探針を使用する
ことが望ましい。しかしながら、この突起型探針の先端
から光を出射すると光のスポット径が大きくなる。した
がって、この突起型探針を近接場光を使用した観察に使
用すると、分解能が低下することとなる。すなわち、こ
の突起型探針を、近接場光を使用した試料の分析のため
に使用することは望ましくない。
【0009】また、近接場光学顕微鏡では、先端から出
射される光のスポット径を小さくするために、先端に開
口が形成されている開口型探針を使用している。この開
口型探針は、開口の周囲が遮光性を有する膜で被覆され
ており、開口周辺から光が漏れにくい構造とされてい
る。しかしながら、この開口型探針は、開口の周囲が遮
光性を有する膜で被覆されているために、先端径が大き
くなっている。したがって、この開口型探針をAFMや
STMなどによる観察に使用すると、試料表面の形状を
観察したときの分解能が低下することとなる。すなわ
ち、この開口型探針をAFMやSTMなどに使用するこ
とは望ましくない。
【0010】以上説明した理由により、一つの探針によ
って近接場光を利用した試料の分析とAFM及びSTM
などによる試料表面の観察との両方を行うときには、ど
ちらかの分解能が低下することになる。すなわち、近接
場光を利用した試料の分析とAFM及びSTMなどによ
る試料表面の観察との両方を高い分解能で行うときに
は、開口型探針及び突起型探針の両方を使用することが
望ましい。
【0011】しかしながら、観察対象となる試料は例え
ば100nm以下と微小である。このように微小な試料
を複数の異なる探針によって観察するときには、それぞ
れの探針について十分な位置再現性を得ることが困難と
なる。すなわち、複数の異なる探針で微小な試料の同一
な場所を観察することは困難となる。
【0012】本発明は、以上のような従来の実情に鑑み
て考案されたものであり、一つの微小な試料を異なる探
針で観察できる走査型プローブ及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る走査型プロ
ーブは、試料の表面を走査して物理量を検出する走査型
プローブにおいて、支持基板上に錐体が複数形成されて
おり、上記錐体のうち少なくとも1つは先端に近接場光
の発生部が設けられた近接場光発生用探針であり、少な
くとも他の1つは突起型探針であることを特徴とする。
【0014】したがって、本発明に係る走査型プローブ
は、突起型探針と近接場光発生用探針とが一体化してお
り、隣接した構造を有する。
【0015】また、本発明に係る走査型プローブの製造
方法は、第1のマスク形成工程と、第1のエッチング工
程と、第1のマスク除去工程と、酸化膜形成工程と、第
2のマスク形成工程と、第2のエッチング工程と、第2
のマスク除去工程と、発生部形成工程と、遮光膜形成工
程とを有する。第1のマスク形成工程は、基板上の近接
場光発生用探針領域に開口が形成されるように、一方の
主面上に第1のマスクを形成する。第1のエッチング工
程は、上記第1のマスク側をエッチングして、上記近接
場光発生用探針領域に錐状の穴部を穿設する。第1のマ
スク除去工程では、上記第1のマスクを除去する。酸化
膜形成工程は、上記近接場光発生用探針領域上に、酸化
膜とを形成する。第2のマスク形成工程は、上記基板上
の突起型探針領域の中心に対して、他方の主面上に第2
のマスクを形成する。第2のエッチング工程は、上記第
2のマスク側をエッチングして、上記近接場光発生用探
針領域及び上記突起型探針領域にそれぞれ錐体を形成す
る。第2のマスク除去工程は、上記第2のマスクを除去
する。発生部形成工程は、上記近接場光発生用探針領域
に形成された錐体の先端に近接場光の発生部を形成す
る。遮光膜形成工程は、上記近接場光発生用探針領域に
形成された錐体の外周に遮光膜を形成する。そして、上
記近接場光発生用探針領域に近接場光発生用探針を形成
するとともに、上記突起型探針領域に突起型探針を形成
することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した走査型プ
ローブ及びその製造方法について、図面を参照しながら
詳細に説明する。
【0017】この走査型プローブは、走査型プローブ顕
微鏡などに使用される。走査型プローブ顕微鏡では、走
査型プローブは試料との対向面に取り付けられる。そし
て、この走査型プローブを使用することによって、高い
分解能で試料を分析することが可能となる。例えば、試
料との間に生じる原子間力が一定となるように走査型プ
ローブを走査することによって、高い分解能で表面形状
の分析を行うことができる。また、走査型プローブと導
電性の試料との間に電圧を加えて、間に生じるトンネル
電流を測定することによっても、高い分解能で表面形状
の分析を行うことができる。また、走査型プローブの先
端から近接場光を発生させて試料に対して照射すること
で、光の波長を超えた分解能で分光測定などを行う。
【0018】図1乃至図3に示すように、本発明を適用
した走査型プローブ1は、支持部2と第1及び第2の可
動部3,4とからなる支持基板5を備えており、第1の
可動部3上には開口型探針6が形成され、第2の可動部
4上には突起型探針7が形成された構造を有している。
【0019】支持基板5は、第1の可動部3と第2の可
動部4とが、それぞれ略平行となるように支持部2から
突きだした構造を有している。すなわち、第1の可動部
3及び第2の可動部4におけるそれぞれの一方の端部
(以下、固定端部とする。)3a,4aが支持部2によ
って支持された構造を有している。この支持基板5は、
例えばSiによって形成される。
【0020】第1及び第2の可動部3,4はカンチレバ
ー構造を有している。すなわち、第1及び第2の可動部
3,4は可撓性を有しており、他方の端部(以下、第1
及び第2の自由端部とする。)3b,4bは、矢印X及
び矢印Yに示すように弾性変位可能とされている。そし
て、第1の自由端部3bには開口型探針6が形成されて
おり、第2の自由端部4bには突起型探針7が形成され
ている。
【0021】開口型探針6は、図2に示すように錐体で
あり、その内部に略錐状の空洞が形成された構造を有し
ている。そして、この錐体の先端には例えば80nmの
微小開口が形成されており、この微小開口が光出射開口
部6aとされている。また、錐体の底辺にも開口が形成
されており、この開口が光入射開口部6bとされてい
る。開口型探針6は、光出射開口部6aから近接場光を
発生する近接場光発生用探針である。
【0022】この開口型探針6は、走査型プローブ顕微
鏡に適用されるときには、光出射開口部6aと試料との
距離が光の波長以下となる位置に配設される。そして、
この開口型探針6は、光入射開口部6bで光を入射し、
入射した光を内壁6cで散乱させて光出射開口部6aで
の光強度が大きくなるように集光し、光出射開口部6a
と試料との間に近接場光(エバネッセント光)を発生さ
せる。すなわち、光出射開口部6aが近接場光の発生部
となる。そして、この近接場光により、光の回折限界を
越えて、試料を空気中や水中で観察することや、分光測
定すること、試料表面下の構造を観察することなどが可
能となる。
【0023】本実施の形態では、開口型探針6の内層8
がSiOによって形成されており、外層9がAg,A
u,Alなどの金属によって形成されている。外層9は
遮光性を有しており、開口型探針6の光出射開口6aか
ら出射する近接場光のスポットを小さくする。
【0024】突起型探針7も錐体であるが、図3に示す
ように内部が空洞とされることはなく、先端部7aや底
辺7bに開口が形成されることもない。なお、突起型探
針7と開口型探針6とは、先端部7aと光出射開口部6
aとが同じ位置となるように、第1及び第2の自由端部
3b,4b上に形成される。
【0025】この突起型探針7は、先端部7aを試料表
面に近づけて走査することによって試料表面の形状を観
察する。例えば、原子間力顕微鏡(AFM)と同様に、
先端部7aの原子と試料表面の原子との原子間力が一定
となるように、高さを変化させながら突起型探針7を走
査し、この突起型探針7の位置の変位を検出すること
で、高い分解能で試料表面の形状を観察できる。また、
走査型トンネル顕微鏡(STM)と同様に、電圧をかけ
た先端部7aを試料表面に接近させ、トンネル電流の量
が一定となるように突起型探針7を走査し、この突起型
探針7の位置の変位を検出することで、光の回折限界を
越えて試料表面の形状を観察できる。
【0026】以上説明したように、本発明を適用した走
査型プローブ1は、開口型探針6と突起型探針7とが一
体化しており、隣接して形成された構造を有している。
したがって、本発明を適用した走査型プローブ1によれ
ば、圧電素子などを使用して開口型探針6と突起型探針
7とを僅かに移動させることで、一つの微小な試料にお
ける同一な場所を、2つの探針で観察することが容易に
なる。例えばミリメートル単位の距離をナノメートル単
位の位置再現性をもって制御することが可能となり、1
00nm以下の微小な試料を、開口型探針6及び突起型
探針7の両方の探針で観察することが可能となる。した
がって、一つの微小な試料に対して、近接場光を利用し
た観察と、STM及びAFM等の原理を利用した観察と
を、高精度に行うことが可能となる。すなわち、一つの
微小な試料に対して、表面形状の観察と共に、表面下の
構造の観察や、空気中及び水中での観察、分光測定など
を高精度に行うことが可能となる。また、走査型プロー
ブ1は、第1及び第2の可動部3,4がカンチレバー構
造であるために、オングストロームオーダーの高い分解
能を有する。
【0027】つぎに、走査型プローブ1の製造方法につ
いて、図4乃至図15を用いて説明する。
【0028】先ず、図4に示すようなSOI(silicon
on inslation)基板10を用意する。このSOI基板1
0は、第1のSi層11上に、第1のSiO層12
と、第2のSi層13とが順次積層された構造を有して
いる。本実施の形態では、第1のSi層11の厚さが6
00μm、第1のSiO層12の厚さが1μm、第2
のSi層13の厚さが10μmとされている。
【0029】次に、図5に示すように、第2のSi層1
3を酸化し、第2のSi層13上に第2のSiO層1
4を形成する。そして、この第2のSiO層14に対
して、例えばリソグラフィーによるパターニングを行
い、第1のマスク14aを形成する。このとき、図6に
示すように、最終的に開口型探針6が形成される開口型
探針領域C、及び最終的に支持基板5が形成される部位
を除いた周辺領域D〜Fに開口が形成されるように、第
1のマスク14aを形成する。ここで、リソグラフィー
技術としては、例えばフォトリソグラフィー技術や電子
ビーム描画装置を使用した技術などを用いることができ
る。
【0030】次に、SOI基板10に対して、第1のマ
スク14a側から異方性エッチングを施す。このときの
エッチャントとしては、例えばKOH水溶液、NaOH
水溶液、ヒドラジン一水和物、エティレンジアミン−パ
イロカテコール−水の混合液(EPW)、テトラメティ
ルアンモニュウムハイドロオキサイド(TMAH)など
を使用する。これにより、図7及び図8に示すように、
開口型探針領域C、周辺領域D〜Fにそれぞれ凹部が形
成される。
【0031】ここで、開口型探針領域Cは、一辺の長さ
lと第2のSi層13の厚さtとの関係がl≦(t−
1)×2−2となるように形成する。一辺の長さがlの
ときにSiがエッチングされる深さdはl/2−2×l
となる。したがって、開口型探針領域Cをl≦(t−
1)×2−2となるように形成することによって、開口
型探針領域Cに錐状の穴部が形成され、この穴部の先端
が第1のSiO層に到達することを防止できる。ま
た、周辺領域D〜Fでは、第1のSiO層12が形成
されていることによってエッチングが停止する。
【0032】次に、第2のSiO層14を、例えばフ
ッ酸緩衝液によって除去する。
【0033】次に、950℃、9時間の加熱を行って第
2のSi層13を酸化し、図9に示すように、第2のS
i層13上に第3のSiO層15を形成する。なお、
このとき第3のSiO層15を、開口型探針領域C、
周辺領域D〜Fに形成された凹部上にも形成する。
【0034】次に、図10に示すように、開口型探針領
域C上に、例えばCrを蒸着することで第1の金属層1
6を形成する。
【0035】次に、図11に示すように、開口型探針領
域C以外の領域に形成された第3のSiO層15を除
去し、第2のSi層13を表面に露出させる。すなわ
ち、上に第1の金属層16が形成された領域にのみ第3
のSiO層15を残存させる。このとき、例えばフッ
酸緩衝液を用いることによって、第3のSiO層15
を除去する。
【0036】次に、図12に示すように、第2のSi層
13上に補強部材17を接合する。この補強部材17の
形状は、第1及び第2の自由端部3b,4bが弾性変位
可能となるように、最終的に第1及び第2の可動部3,
4が形成される領域上に空間を有する必要がある。すな
わち、補強部材17は、最終的に第1及び第2の可動部
3,4が形成される領域との対向面が切り欠かれた形状
とされている。本実施の形態では、補強部材17をガラ
スによって形成し、最終的に支持部2となる領域上に陽
極接合した。なお、補強部材17を接合した位置は、図
13中斜線部に示す位置である。
【0037】この補強部材17を第2のSi層13上に
接合することによって、走査型プローブ1の強度が向上
する。また、本実施の形態では、補強部材17としてガ
ラスを使用している。ガラスは光伝搬損失が少ない。し
たがって、ガラスによって形成された補強部材17を接
合することで、走査型プローブ1の強度を向上させると
ともに、開口型探針6へ入射する光量を十分な量とし、
先端部6aで発生する近接場光を十分な強度とすること
が可能となる。
【0038】ここで、補強部材17を形成しているガラ
スと第2のSi層13との陽極接合について説明する。
ガラスはNaを含有している。このガラスと第2のS
i層13とを接触させ、真空中又はN、Arなどの
不活性ガス中で350℃〜450℃に加熱したまま、第
1のSi層11を陽極として200V〜1000Vの電
位差を与える。このとき、Naは、ガラスの融点以下
の温度でもガラス中で動き易くなり、負電界に引かれて
ガラス表面に到達する。そして、ガラス中に残った多量
の負イオンが第2のSi層13との間に空間電荷層を形
成してSi−ガラス間に吸着力が生じ、第2のSi層1
3とガラスとが化学接合する。
【0039】次に、図14に示すように、第1のSi層
11を除去する。第1のSi層11を除去する方法とし
ては、例えばKOH水溶液、TMAH、フッ酸・硝酸混
合液などによるエッチングや、機械的研磨、或いは化学
機械研磨(CMP)などが挙げられる。これにより、第
1のSiO層12表面が露出することとなる。
【0040】次に、図15に示すように、第1のSiO
層12に対してリソグラフィによりパターニングを行
い第2のマスク12aを形成する。このとき、図16に
示すように、最終的に突起型探針7が形成される突起型
探針領域Hの中心部Iに、第2のマスク12aを形成す
る。この第2のマスク12aを形成して異方性エッチン
グを施すことで、後述するように最終的に突起型探針7
となる錐体が形成され、この錐体の頂点が中心部Iに形
成される。
【0041】次に、第2のSi層13に対して、第2の
マスク12a側から異方性エッチングを施す。このと
き、エッチャントとしては、例えばKOH水溶液、ヒド
ラジン一水和物、EPW、TMAHなどを使用する。こ
の異方性エッチングにより、図17に示すように、最終
的に開口型探針6となる第1の錐体18及び最終的に突
起型探針7となる第2の錐体19が形成される。
【0042】ここで、形成される第2のマスク12aを
適切な大きさとすることによって、突起型探針領域Hに
第2の錐体19が形成される。例えば、第2のマスク1
2aを10μm角の正方形状とし、エッチャントとし
て、KOH(40g、85%)、水(60g)、イソプ
ロピルアルコール(40cc)を混合した溶液を使用
し、80℃でエッチングを行うことで、四角錐形状を有
する第2の錐体19が形成される。
【0043】次に、図18に示すように、第2の錐体1
9の先端部19a上に残存した第2のマスク12aを、
例えばフッ酸緩衝液によって除去する。また、第1の錐
体18の先端部18aに対してもフッ酸緩衝液によって
開口を形成する。
【0044】次に、図19に示すように、第1の金属層
16を例えばエッチングにより除去する。このとき、例
えばエッチャントとして、硫酸二アンモニュウムセリウ
ム(165g)、硝酸(90ml)、超純水(1l)を
混合した溶液を使用し、室温でエッチングを行う。
【0045】次に、図20に示すように、第2の錐体1
9をレジスト膜20などで保護し、第1の錐体18の外
周に、例えばAu、Ag、Alなどによって第2の金属
層21を形成する。この第2の金属層20は最終的に外
層9となる。
【0046】そして、図21に示すように、補強部材1
7が接合された走査型プローブ1が完成する。
【0047】以上説明したように、本発明を適用した走
査型プローブ1の製造方法によれば、開口型探針6と突
起型探針7とが一体化しており、隣接して形成された構
造を有している走査型プローブ1を作製することが可能
となる。
【0048】
【発明の効果】本発明を適用した走査型プローブは、近
接場光発生用探針と突起型探針とが一体化しており、隣
接して形成された構造を有している。したがって、走査
型プローブは、例えば圧電素子などを使用して近接場光
発生用探針と突起型探針とを僅かに移動させることで、
一つの微小な試料における同一の場所を、異なる探針で
良好な位置再現性をもって観察することが可能となる。
すなわち、一つの微小な試料に対して、表面形状の観察
と共に、表面下の構造の観察や、空気中及び水中での観
察、分光測定などを高精度に行うことが可能となる。
【0049】また、本発明を適用した走査型プローブの
製造方法によれば、近接場光発生用探針と突起型探針が
一体化しており、隣接して形成された構造を有している
走査型プローブを作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した走査型プローブを示す平面図
である。
【図2】同走査型プローブに形成された開口型探針を示
す図であり、図1中A−A’線における断面図である。
【図3】同走査型プローブに形成された突起型探針を示
す図であり、図1中B−B’線における断面図である。
【図4】SOI基板の断面図である。
【図5】第2のSi層上に第2のSiO層が形成され
たSOI基板の断面図である。
【図6】第2のSiO層において、実際に異方性エッ
チングを施す位置を示した模式図である。
【図7】第1のマスク側を異方性エッチングしたSOI
基板を示す断面斜視図である。
【図8】同SOI基板を示す断面図である。
【図9】同SOI基板上に第3のSiO層を形成した
状態を示す断面図である。
【図10】第3のSiO層上に、第1の金属層を形成
したSOI基板を示す断面図である。
【図11】第1の金属層が形成された凹部以外の位置に
形成された第3のSiO層を除去したSOI基板を示
す断面図である。
【図12】同SOI基板に補強部材を接合した状態を示
す断面図である。
【図13】第2のSi層を示す平面図であり、補強部材
を接合する位置を示した模式図である。
【図14】第1のSi層を除去した状態を示す断面図で
ある。
【図15】第1のSiO層をパターニングして第2の
マスクを形成した状態を示す断面図である。
【図16】第1のSiO層をパターニングして第2の
マスクを形成する位置を示す平面図である。
【図17】第2のマスク側を異方性エッチングしたSO
I基板を示す断面図である。
【図18】第2の錐体上に残存した第2のマスクを除去
し、第1の錐体の先端に開口を形成した状態を示す断面
図である。
【図19】第2の錐体上に残存した第2のマスクを除去
するとともに、第1の金属層を除去した状態を示す断面
図である。
【図20】第2の錐体の外周をレジスト膜でマスクし、
第1の錐体上に第2の金属層を形成した状態を示す断面
図である。
【図21】第2の錐体上に形成されたレジスト膜を除去
した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 走査型プローブ、2 支持部、3 第1の可動部、
4 第2の可動部、5支持基板、6 開口型探針、7
突起型探針、8 内層、9 外層、10 SOI基板、
11 第1のSi層、12 第1のSiO層、13
第2のSi層、14 第2のSiO層、15 第3の
SiO層、16 第1の金属層、17 補強部材、1
8 第1の錐体、19 第2の錐体、20 レジスト
膜、21第2の金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 稔 神奈川県平塚市真田547−41 (72)発明者 興梠 元伸 神奈川県横浜市旭区若葉台4−28−905 (72)発明者 大津 元一 東京都品川区豊町6−21−5

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料の表面を走査して物理量を検出する
    走査型プローブにおいて、 支持基板上に錐体が複数形成されており、上記錐体のう
    ち少なくとも1つは先端に近接場光の発生部が設けられ
    た近接場光発生用探針であり、少なくとも他の1つは突
    起型探針であることを特徴とする走査型プローブ。
  2. 【請求項2】 上記近接場光発生用探針は、内部に錐状
    の空洞が設けられた錐体であることを特徴とする請求項
    1記載の走査型プローブ
  3. 【請求項3】 上記支持基板及び突起型探針は、Siに
    よって形成されており、上記近接場光発生用探針は、内
    層がSiOによって形成され、外層が金属によって形
    成されていることを特徴とする請求項2記載の走査型プ
    ローブ。
  4. 【請求項4】 上記支持基板は、略長方形を有する複数
    の可動部が平行となるようにそれぞれ支持部から突きだ
    した形状を有しており、 上記近接場光発生用探針及び上記突起型探針は、異なる
    可動部における上記支持部と反対側の端部にそれぞれ形
    成されていることを特徴とする請求項1記載の走査型プ
    ローブ。
  5. 【請求項5】 基板上の近接場光発生用探針領域に開口
    が形成されるように、一方の主面上に第1のマスクを形
    成する第1のマスク形成工程と、 上記第1のマスク側をエッチングして、上記近接場光発
    生用探針領域に錐状の穴部を穿設する第1のエッチング
    工程と、 上記第1のマスクを除去する第1のマスク除去工程と、 上記近接場光発生用探針領域上に、酸化膜を形成する酸
    化膜形成工程と、 上記基板上の突起型探針領域の中心に対して、他方の主
    面上に第2のマスクを形成する第2のマスク形成工程
    と、 上記第2のマスク側をエッチングして、上記近接場光発
    生用探針領域及び上記突起型探針領域にそれぞれ錐体を
    形成する第2のエッチング工程と、 上記第2のマスクを除去する第2のマスク除去工程と、 上記近接場光発生用探針領域に形成された錐体の先端に
    近接場光の発生部を形成する発生部形成工程と、 上記近接場光発生用探針領域に形成された錐体の外周に
    遮光膜を形成する遮光膜形成工程とを有し、 上記近接場光発生用探針領域に近接場光発生用探針を形
    成するとともに、上記突起型探針領域に突起型探針を形
    成することを特徴とする走査型プローブの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記第1のマスク形成工程において、上
    記近接場光発生用探針領域とともに、最終的に支持基板
    が形成されない領域に開口が形成されるように一方の主
    面上にマスクを形成し、 上記第1のエッチング工程において、上記近接場光発生
    用探針領域とともに、最終的に支持基板が形成されない
    領域をエッチングすることを特徴とする請求項5記載の
    走査型プローブの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記基板はSi基板であり、上記酸化膜
    はSiOによって形成されていることを特徴とする請
    求項5記載の走査型プローブの製造方法。
JP2001145309A 2001-05-15 2001-05-15 走査型プローブの製造方法 Expired - Fee Related JP3577291B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001145309A JP3577291B2 (ja) 2001-05-15 2001-05-15 走査型プローブの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001145309A JP3577291B2 (ja) 2001-05-15 2001-05-15 走査型プローブの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002340772A true JP2002340772A (ja) 2002-11-27
JP3577291B2 JP3577291B2 (ja) 2004-10-13

Family

ID=18991147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001145309A Expired - Fee Related JP3577291B2 (ja) 2001-05-15 2001-05-15 走査型プローブの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3577291B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3577291B2 (ja) 2004-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5811017A (en) Cantilever for use in a scanning probe microscope and method of manufacturing the same
US7861316B2 (en) Microscope probe having an ultra-tall tip
EP1553047B1 (en) Nanometric mechanical oscillator
JPH1166650A (ja) 微小開口を有する突起の製造方法と微小開口を有する突起、及びそれらによるプローブまたはマルチプローブ
JP6423343B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡検査法用の小型カンチレバー・プローブ、及びその製造方法
US20080282819A1 (en) Probe for a scanning probe microscope and method of manufacture
JP2006125846A (ja) カンチレバー
Genolet et al. Micromachined photoplastic probe for scanning near-field optical microscopy
JP3600433B2 (ja) 走査型プローブとその製造方法及び走査型プローブ顕微鏡
KR100928233B1 (ko) 나노미러가 형성된 집중형 광프로브
EP1455213B1 (en) Optical waveguide probe and scanning near-field optical microscope
JP3577291B2 (ja) 走査型プローブの製造方法
JPH11304823A (ja) 近接場光顕微鏡用プローブとその製造方法および走査型近接場光顕微鏡
US7297933B2 (en) Probe, near-field light generation apparatus including probe, exposure apparatus, and exposing method using probe
JP2003194697A (ja) グレーティングカップラを有する探針及びその製造方法、該探針を有するプローブ、及び該プローブを有する情報処理装置、表面観察装置、露光装置、該露光装置による光学素子
JP2984094B2 (ja) 表面観察装置用プローブおよびその製造方法ならびに表面観察装置
US7861315B2 (en) Method for microfabricating a probe with integrated handle, cantilever, tip and circuit
JP3574794B2 (ja) プローブ及びその製造方法
JPH11230974A (ja) プローブ及びその作製方法
JP2001056281A (ja) 走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー
JPH09152436A (ja) 走査型プローブ顕微鏡用プローブ及びその作製方法
JPH05299015A (ja) 走査型プローブ顕微鏡用カンチレバーの作製方法
JP3076148B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバーチップ
JPH10104243A (ja) 走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー
JP2009058534A (ja) 近視野光プローブとその製造方法、およびその近視野光プローブを用いた近視野光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20031031

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20031215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040409

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040706

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040709

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070716

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080716

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090716

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees