JPH11311626A - 微小光透過部を有するカンチレバー型プローブとその作製方法、および該プローブにより形成されたマルチプローブおよび表面観察装置 - Google Patents
微小光透過部を有するカンチレバー型プローブとその作製方法、および該プローブにより形成されたマルチプローブおよび表面観察装置Info
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- JPH11311626A JPH11311626A JP13276498A JP13276498A JPH11311626A JP H11311626 A JPH11311626 A JP H11311626A JP 13276498 A JP13276498 A JP 13276498A JP 13276498 A JP13276498 A JP 13276498A JP H11311626 A JPH11311626 A JP H11311626A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、集積化・小型化が可能で分解能が良
好な微小光透過部を有し、短時間で、大きさにばらつき
がなく、歩留まりの良好な微小光透過部を形成すること
ができるカンチレバー型プローブとその作製方法、およ
び該プローブにより形成されたマルチプローブおよび表
面観察装置を提供することを目的としている。 【解決手段】本発明のカンチレバー型プローブは、シリ
コンよりなる薄膜カンチレバーと、該薄膜カンチレバー
の一端を固定支持する支持部材とを備え、該薄膜カンチ
レバーの先端近傍に二酸化シリコンよりなる微小光透過
部が形成されていることを特徴とするものであり、ま
た、その作製方法は、シリコン層を有する基板を用いて
カンチレバー型プローブを作製する方法であって、前記
シリコン層の一部を酸化することによって、微小光透過
部を形成する工程と、前記シリコン層をレバー形状に加
工する工程と、前記シリコン層を有する基板のハンドル
ウエハ部の一部を裏面からエッチングする工程とを少な
くとも有することを特徴とするものである。
好な微小光透過部を有し、短時間で、大きさにばらつき
がなく、歩留まりの良好な微小光透過部を形成すること
ができるカンチレバー型プローブとその作製方法、およ
び該プローブにより形成されたマルチプローブおよび表
面観察装置を提供することを目的としている。 【解決手段】本発明のカンチレバー型プローブは、シリ
コンよりなる薄膜カンチレバーと、該薄膜カンチレバー
の一端を固定支持する支持部材とを備え、該薄膜カンチ
レバーの先端近傍に二酸化シリコンよりなる微小光透過
部が形成されていることを特徴とするものであり、ま
た、その作製方法は、シリコン層を有する基板を用いて
カンチレバー型プローブを作製する方法であって、前記
シリコン層の一部を酸化することによって、微小光透過
部を形成する工程と、前記シリコン層をレバー形状に加
工する工程と、前記シリコン層を有する基板のハンドル
ウエハ部の一部を裏面からエッチングする工程とを少な
くとも有することを特徴とするものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近視野光学顕微鏡
等に用いられるエバネッセント光検出または照射用の微
小光透過部を有するカンチレバー型プローブとその作製
方法、および該プローブにより形成されたマルチプロー
ブおよび表面観察装置に関するものである。
等に用いられるエバネッセント光検出または照射用の微
小光透過部を有するカンチレバー型プローブとその作製
方法、および該プローブにより形成されたマルチプロー
ブおよび表面観察装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、導体の表面原子の電子構造を直接
観察できる走査型トンネル顕微鏡(以下、「STM」と
いう)が開発されて(G.Binnig et a
l.,Phys.Rev.Lett,49,57(19
82))、単結晶、非晶質を問わず実空間像を高い分解
能で測定ができるようになって以来、走査型プローブ顕
微鏡(以下、「SPM」という)が材料の微細構造評価
の分野でさかんに研究されるようになってきた。SPM
としては、微小探針を有するプローブを評価する試料に
近接させることにより得られるトンネル電流、原子間
力、磁気力、光等を用いて表面の構造を検出する走査型
トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AF
M)、磁気力顕微鏡(MFM)等がある。また、STM
を発展させたものとして、尖鋭なプローブ先端の微小開
口からしみ出すエバネッセン卜光を試料表面から光プロ
ーブで検出して試料表面を調べる走査型近接場光顕微鏡
(以下SNOMと略す)[Durig他,J.App
l.Phys.59,3318(1986)]が開発さ
れた。
観察できる走査型トンネル顕微鏡(以下、「STM」と
いう)が開発されて(G.Binnig et a
l.,Phys.Rev.Lett,49,57(19
82))、単結晶、非晶質を問わず実空間像を高い分解
能で測定ができるようになって以来、走査型プローブ顕
微鏡(以下、「SPM」という)が材料の微細構造評価
の分野でさかんに研究されるようになってきた。SPM
としては、微小探針を有するプローブを評価する試料に
近接させることにより得られるトンネル電流、原子間
力、磁気力、光等を用いて表面の構造を検出する走査型
トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AF
M)、磁気力顕微鏡(MFM)等がある。また、STM
を発展させたものとして、尖鋭なプローブ先端の微小開
口からしみ出すエバネッセン卜光を試料表面から光プロ
ーブで検出して試料表面を調べる走査型近接場光顕微鏡
(以下SNOMと略す)[Durig他,J.App
l.Phys.59,3318(1986)]が開発さ
れた。
【0003】さらに、試料裏面からプリズムを介して全
反射の条件で光を入射させ、試料表面へしみ出すエバネ
ッセント光を試料表面から光プローブで検出して試料表
面を調べるSNOMの一種であるフォトンSTM(以下
PSTMと略す)[Reddick他,Phys.Re
v.B39,767(1989)]も開発された。さ
て、上記のSNOMにおいては、光プローブの先端径が
分解能するため、これまで種々の光りプローブの作製方
法が工夫されてきた。例えばPSTMでは光プローブの
先端に微小開口を設けず、光プローブとして用いる光フ
ァイバー端面の化学エッチング条件を最適化することに
より先鋭化し、分解能を向上させてきた。また初期のS
NOMにおいては、透明結晶のへき開面の交点を金属で
コーティングし、これを固い面に押し付け交点部分の金
属を除去して交点を露出させ微小開口を作製した(欧州
特許112402号明細書)。その後、微小開口をリソ
グラフィの手法を用いて形成する方法も用いられてい
る。また微小開口と光導波路を一体構成にしてプローブ
を形成する作製方法も提案されている(米国特許第5,
354,985号明細書)。
反射の条件で光を入射させ、試料表面へしみ出すエバネ
ッセント光を試料表面から光プローブで検出して試料表
面を調べるSNOMの一種であるフォトンSTM(以下
PSTMと略す)[Reddick他,Phys.Re
v.B39,767(1989)]も開発された。さ
て、上記のSNOMにおいては、光プローブの先端径が
分解能するため、これまで種々の光りプローブの作製方
法が工夫されてきた。例えばPSTMでは光プローブの
先端に微小開口を設けず、光プローブとして用いる光フ
ァイバー端面の化学エッチング条件を最適化することに
より先鋭化し、分解能を向上させてきた。また初期のS
NOMにおいては、透明結晶のへき開面の交点を金属で
コーティングし、これを固い面に押し付け交点部分の金
属を除去して交点を露出させ微小開口を作製した(欧州
特許112402号明細書)。その後、微小開口をリソ
グラフィの手法を用いて形成する方法も用いられてい
る。また微小開口と光導波路を一体構成にしてプローブ
を形成する作製方法も提案されている(米国特許第5,
354,985号明細書)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のうち、PSTMの場合のように光プローブに微小
開口を用いない場合、試料表面の凹凸による散乱光等エ
バネッセント光以外の迷光を検出してしまい、分解能が
低下してしまうという問題が生じる。また、光ファイバ
ーをエッチングする方法では、光プローブを集積・小型
化して作製することが困難である。そしてまた、従来の
微小開口の形成方法のうち、結晶劈開面を利用する方法
では、微小開口の大きさにばらつきが生じやすく、歩留
まりも良好でなく、また集積化・小型化することも困難
であった。また、フォトリソグラフィを用いた微小開口
形成方法においては、加工装置の精度の限界から100
nm程度の直径の開口が限界で、10nm程度の直径の
微小開口を作製することが難しかった。したがって、S
NOM装置としての分解能に限界を生じた。また、工程
も複雑になってしまい、時間も要しコスト的にも高価に
なるという問題点があった。また、EB加工装置やFI
B加工装置を用いれば、100nm以下の開口形成も原
理的には可能であるが、位置合わせ制御が複雑で、バラ
付きが生じ易いという点に問題がある。
来例のうち、PSTMの場合のように光プローブに微小
開口を用いない場合、試料表面の凹凸による散乱光等エ
バネッセント光以外の迷光を検出してしまい、分解能が
低下してしまうという問題が生じる。また、光ファイバ
ーをエッチングする方法では、光プローブを集積・小型
化して作製することが困難である。そしてまた、従来の
微小開口の形成方法のうち、結晶劈開面を利用する方法
では、微小開口の大きさにばらつきが生じやすく、歩留
まりも良好でなく、また集積化・小型化することも困難
であった。また、フォトリソグラフィを用いた微小開口
形成方法においては、加工装置の精度の限界から100
nm程度の直径の開口が限界で、10nm程度の直径の
微小開口を作製することが難しかった。したがって、S
NOM装置としての分解能に限界を生じた。また、工程
も複雑になってしまい、時間も要しコスト的にも高価に
なるという問題点があった。また、EB加工装置やFI
B加工装置を用いれば、100nm以下の開口形成も原
理的には可能であるが、位置合わせ制御が複雑で、バラ
付きが生じ易いという点に問題がある。
【0005】そこで、本発明は、上記従来技術における
課題を解決し、集積化・小型化が可能で分解能が良好な
微小光透過部を有し、短時間で、大きさにばらつきがな
く、歩留まりの良好な微小光透過部を形成することがで
きるカンチレバー型プローブとその作製方法、および該
プローブにより形成されたマルチプローブおよび表面観
察装置を提供することを目的としている。
課題を解決し、集積化・小型化が可能で分解能が良好な
微小光透過部を有し、短時間で、大きさにばらつきがな
く、歩留まりの良好な微小光透過部を形成することがで
きるカンチレバー型プローブとその作製方法、および該
プローブにより形成されたマルチプローブおよび表面観
察装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するため、カンチレバー型プローブとその作製方法、
および該プローブにより形成されたマルチプローブおよ
び表面観察装置を、つぎのように構成したことを特徴と
するものである。すなわち、本発明のカンチレバー型プ
ローブは、シリコンよりなる薄膜カンチレバーと、該薄
膜カンチレバーの一端を固定支持する支持部材とを備
え、該薄膜カンチレバーの先端近傍に二酸化シリコンよ
りなる微小光透過部が形成されていることを特徴として
いる。また、本発明のカンチレバー型プローブは、前記
微小光透過部が、前記薄膜カンチレバーの先端近傍に形
成された凸型突起部に形成されていることを特徴として
いる。また、本発明のカンチレバー型プローブは、光透
過層およびピエゾ抵抗層の機能を有する遮光層からなる
薄膜カンチレバーと、該薄膜カンチレバーを固定支持す
る支持部材とを備え、該薄膜カンチレバーの先端近傍に
形成された凸型突起部に微小光透過部が形成されている
ことを特徴としている。また、本発明のカンチレバー型
プローブは、前記ピエゾ抵抗層の抵抗を測定するための
外部回路に電気的接続をするための電極を備えているこ
とを特徴としている。また、本発明のカンチレバー型プ
ローブは、前記遮光層がシリコンよりなり、前記微小光
透過部が二酸化シリコンよりなることを特徴としてい
る。また、本発明のカンチレバー型プローブは、前記光
透過層が窒化シリコンあるいは二酸化シリコンよりなる
ことを特徴としている。
成するため、カンチレバー型プローブとその作製方法、
および該プローブにより形成されたマルチプローブおよ
び表面観察装置を、つぎのように構成したことを特徴と
するものである。すなわち、本発明のカンチレバー型プ
ローブは、シリコンよりなる薄膜カンチレバーと、該薄
膜カンチレバーの一端を固定支持する支持部材とを備
え、該薄膜カンチレバーの先端近傍に二酸化シリコンよ
りなる微小光透過部が形成されていることを特徴として
いる。また、本発明のカンチレバー型プローブは、前記
微小光透過部が、前記薄膜カンチレバーの先端近傍に形
成された凸型突起部に形成されていることを特徴として
いる。また、本発明のカンチレバー型プローブは、光透
過層およびピエゾ抵抗層の機能を有する遮光層からなる
薄膜カンチレバーと、該薄膜カンチレバーを固定支持す
る支持部材とを備え、該薄膜カンチレバーの先端近傍に
形成された凸型突起部に微小光透過部が形成されている
ことを特徴としている。また、本発明のカンチレバー型
プローブは、前記ピエゾ抵抗層の抵抗を測定するための
外部回路に電気的接続をするための電極を備えているこ
とを特徴としている。また、本発明のカンチレバー型プ
ローブは、前記遮光層がシリコンよりなり、前記微小光
透過部が二酸化シリコンよりなることを特徴としてい
る。また、本発明のカンチレバー型プローブは、前記光
透過層が窒化シリコンあるいは二酸化シリコンよりなる
ことを特徴としている。
【0007】また、本発明のカンチレバー型プローブの
作製方法は、シリコン層を有する基板を用いてカンチレ
バー型プローブを作製する方法であって、(a)前記シ
リコン層の一部を酸化することによって、微小光透過部
を形成する工程と、(b)前記シリコン層をレバー形状
に加工する工程と、(c)前記シリコン層を有する基板
のハンドルウエハ部の一部を裏面からエッチングする工
程と、を少なくとも有することを特徴としている。ま
た、本発明のカンチレバー型プローブの作製方法は、薄
膜カンチレバー型プローブの作製方法であって、(a)
基板表面にエッチングストップ層を形成する工程と、
(b)前記エッチングストップ層表面に凸型突起部を形
成する工程と、(c)前記エッチングストップ層表面に
光透過性の薄膜層を形成する工程と、(d)前記光透過
性の薄膜層の表面に遮光性の薄膜層を形成する工程と、
(e)前記光透過性の薄膜層および遮光性の薄膜層を前
記凸型突起部を含んだレバー形状に加工する工程と、
(f)前記凸型突起部を局所的に酸化することにより、
微小光透過部を形成する工程と、(g)基板の一部を裏
面からエッチングして、該エッチングを前記エッチング
ストップ層を用いて停止する工程と、(h)エッチング
ストップ層を除去する工程と、を少なくとも有すること
を特徴としている。また、本発明のカンチレバー型プロ
ーブの作製方法は、前記酸化を、導電性の探針を用いて
電圧を印加することにより、行うことを特徴としてい
る。また、本発明のカンチレバー型プローブの作製方法
は、前記基板が単結晶シリコン基板であり、前記エッチ
ングを結晶異方性エッチングによって行うことを特徴と
している。また、本発明のカンチレバー型プローブの作
製方法は、前記光透過層が、窒化シリコンあるいは二酸
化シリコンであるであることを特徴としている。また、
本発明のマルチプローブは、上記した本発明のいずれか
のカンチレバー型プローブ、または上記した本発明のい
ずれかのカンチレバー型プローブの形成方法によって形
成されたカンチレバー型プローブを、基板上に複数形成
したことを特徴としている。また、本発明の表面観察装
置は、上記した本発明のいずれかのカンチレバー型プロ
ーブ、または上記した本発明のいずれかのカンチレバー
型プローブの作製方法により形成されたカンチレバー型
プローブによって構成したことを特徴としている。
作製方法は、シリコン層を有する基板を用いてカンチレ
バー型プローブを作製する方法であって、(a)前記シ
リコン層の一部を酸化することによって、微小光透過部
を形成する工程と、(b)前記シリコン層をレバー形状
に加工する工程と、(c)前記シリコン層を有する基板
のハンドルウエハ部の一部を裏面からエッチングする工
程と、を少なくとも有することを特徴としている。ま
た、本発明のカンチレバー型プローブの作製方法は、薄
膜カンチレバー型プローブの作製方法であって、(a)
基板表面にエッチングストップ層を形成する工程と、
(b)前記エッチングストップ層表面に凸型突起部を形
成する工程と、(c)前記エッチングストップ層表面に
光透過性の薄膜層を形成する工程と、(d)前記光透過
性の薄膜層の表面に遮光性の薄膜層を形成する工程と、
(e)前記光透過性の薄膜層および遮光性の薄膜層を前
記凸型突起部を含んだレバー形状に加工する工程と、
(f)前記凸型突起部を局所的に酸化することにより、
微小光透過部を形成する工程と、(g)基板の一部を裏
面からエッチングして、該エッチングを前記エッチング
ストップ層を用いて停止する工程と、(h)エッチング
ストップ層を除去する工程と、を少なくとも有すること
を特徴としている。また、本発明のカンチレバー型プロ
ーブの作製方法は、前記酸化を、導電性の探針を用いて
電圧を印加することにより、行うことを特徴としてい
る。また、本発明のカンチレバー型プローブの作製方法
は、前記基板が単結晶シリコン基板であり、前記エッチ
ングを結晶異方性エッチングによって行うことを特徴と
している。また、本発明のカンチレバー型プローブの作
製方法は、前記光透過層が、窒化シリコンあるいは二酸
化シリコンであるであることを特徴としている。また、
本発明のマルチプローブは、上記した本発明のいずれか
のカンチレバー型プローブ、または上記した本発明のい
ずれかのカンチレバー型プローブの形成方法によって形
成されたカンチレバー型プローブを、基板上に複数形成
したことを特徴としている。また、本発明の表面観察装
置は、上記した本発明のいずれかのカンチレバー型プロ
ーブ、または上記した本発明のいずれかのカンチレバー
型プローブの作製方法により形成されたカンチレバー型
プローブによって構成したことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、上記したように、微小
光透過部が凸型突起部上に形成されていることにより、
SNOM測定時に、微小光透過部以外の部分が試料に接
触するのを防ぐことができ、微小光透過部を試料に接近
させることが容易となる。遮光層がピエゾ抵抗層の役割
を果たすことにより、作製工程が容易となる。またピエ
ゾ抵抗層の抵抗を測定することにより、SNOM測定時
にプローブの試料への接触を容易に検知することができ
る。さらに本発明のカンチレバー型プローブは、前記遮
光層がシリコンよりなり、前記微小光透過部が二酸化シ
リコンよりなることを特徴とする上記記載のカンチレバ
ー型プローブである。SOI基板を用いて、カンチレバ
ー型プローブを作製することにより、簡便に再現性良く
カンチレバー型プローブを作製することが可能となる。
さらに本発明のカンチレバー型プローブの作製方法は、
導電性の探針を用いて電圧を印加することにより前記酸
化を行うことを特徴とするカンチレバー型プローブの作
製方法である。これにより、薄膜カンチレバー上の所望
の場所に、微小光透過部を再現性良く形成することが可
能となる。このとき、電圧印加条件を変えることによ
り、微小光透過部の径を制御することができる。さらに
本発明のカンチレバー型プローブの作製方法は、前記基
板が単結晶シリコン基板であり、前記エッチングを結晶
異方性エッチングによって行うことを特徴とするカンチ
レバー型プローブの作製方法である。これにより、エッ
チングの制御が容易になり、薄膜カンチレバーの長さを
制御することが可能となり、共振周波数、ばね定数等機
械特性の均一な薄膜カンチレバーを作製することが可能
となる。本発明には、上記記載のカンチレバー型プロー
ブを複数、基板上に形成したマルチプローブが含まれ
る。プローブをマルチ化することにより、同時に複数の
場所を観察することが可能となり、効率よく観察を行う
ことが可能となる。本発明には、上記記載のカンチレバ
ー型プローブ、マルチプローブを用いた表面観察装置が
含まれる。
光透過部が凸型突起部上に形成されていることにより、
SNOM測定時に、微小光透過部以外の部分が試料に接
触するのを防ぐことができ、微小光透過部を試料に接近
させることが容易となる。遮光層がピエゾ抵抗層の役割
を果たすことにより、作製工程が容易となる。またピエ
ゾ抵抗層の抵抗を測定することにより、SNOM測定時
にプローブの試料への接触を容易に検知することができ
る。さらに本発明のカンチレバー型プローブは、前記遮
光層がシリコンよりなり、前記微小光透過部が二酸化シ
リコンよりなることを特徴とする上記記載のカンチレバ
ー型プローブである。SOI基板を用いて、カンチレバ
ー型プローブを作製することにより、簡便に再現性良く
カンチレバー型プローブを作製することが可能となる。
さらに本発明のカンチレバー型プローブの作製方法は、
導電性の探針を用いて電圧を印加することにより前記酸
化を行うことを特徴とするカンチレバー型プローブの作
製方法である。これにより、薄膜カンチレバー上の所望
の場所に、微小光透過部を再現性良く形成することが可
能となる。このとき、電圧印加条件を変えることによ
り、微小光透過部の径を制御することができる。さらに
本発明のカンチレバー型プローブの作製方法は、前記基
板が単結晶シリコン基板であり、前記エッチングを結晶
異方性エッチングによって行うことを特徴とするカンチ
レバー型プローブの作製方法である。これにより、エッ
チングの制御が容易になり、薄膜カンチレバーの長さを
制御することが可能となり、共振周波数、ばね定数等機
械特性の均一な薄膜カンチレバーを作製することが可能
となる。本発明には、上記記載のカンチレバー型プロー
ブを複数、基板上に形成したマルチプローブが含まれ
る。プローブをマルチ化することにより、同時に複数の
場所を観察することが可能となり、効率よく観察を行う
ことが可能となる。本発明には、上記記載のカンチレバ
ー型プローブ、マルチプローブを用いた表面観察装置が
含まれる。
【0009】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明す
る。 [実施例1]図1は本実施例のカンチレバー型プローブ
の上面図およびA−A断面図である。本実施例のカンチ
レバー型プローブは、図1に示す通り、薄膜カンチレバ
ー101と該薄膜カンチレバーの一端を固定支持する支
持部材102よりなる。薄膜カンチレバーの先端部に
は、微小光透過部103が形成されている。図2は本実
施例のカンチレバー型プローブの作製方法を示す図であ
る。以下、この図を用いて本実施例のカンチレバー型プ
ローブの作製方法を説明する。まず、SOI(Sili
con on Insulator)基板を用意した。
用意するSOI基板のシリコン層201および二酸化シ
リコンよりなる分離層202の厚さは、それぞれ80n
m、100nmとした。次にLPCVDを用いてSi3
N4よりなる保護層204を、SOI基板のハンドルウ
エハ203の表面に形成した(図2(a))。次にフォ
トリソグラフィおよびCF4ガスによるエッチングによ
り、開口部205を形成した。次にフォトリソグラフィ
およびSF6ガスによるエッチングにより、シリコン層
201にレバー部を形成した。次に、電圧印加可能な走
査型プローブ顕微鏡用探針206により、前記レバー部
の所望の位置に大気中において電圧を印加した。この時
に、電流値、電圧値はそれぞれ1nm、10Vであっ
た。これによりシリコン層201の電圧が印加された部
分には、酸化物が形成され光に対して透明な微小光透過
部207が形成された。微小光透過部207は、酸化と
ともに体積が膨張してシリコン層表面から脹らんだ形状
となった。微小光透過部207は、上面から見たとき、
ほぼ円形をしており、その直径は50nm±10nmで
あった。また微小光透過部207のシリコン層201か
らの脹らみは最も高いところで、20nmであった(図
2(b))。ここで、(1)探針206の先端径、
(2)シリコン層201の膜厚、(3)シリコン層20
1に対する探針206の接触力、(4)電圧印加条件、
(5)電圧印加時の雰囲気をそれぞれ制御することによ
り、微小光透過部の径を制御することが可能である。次
に、基板表面に樹脂層をスピン塗布し硬化させた後に、
基板裏面の開口部205からTMAH(テトラメチルア
ンモニウムヒドロキシド)水溶液を用いて結晶異方性エ
ッチングを行い、支持部材208を形成した。最後に、
HF水溶液を用いて分離層202の一部を除去し、プラ
ズマアッシャーで樹脂層を除去し、図1に記載のカンチ
レバー型プローブを作製した(図2(c))。本実施例
では、出発基板にSOI基板を用いることにより、簡便
なプロセスで薄膜カンチレバーを作製することができ
た。また、走査型プローブ顕微鏡用探針を用いて酸化を
行い微小光透過部を形成することにより、大きさにばら
つきがなく歩留まりの良好な微小光透過部を、短時間で
形成することができた。また、本実施例において微小光
透過部を、レバー部の先端近傍に形成した凸型突起部上
に形成するように構成することで、SNOM測定時に、
微小光透過部以外の部分が試料に接触するのを防ぐこと
ができ、微小光透過部を試料に接近させることを容易と
することができる。
る。 [実施例1]図1は本実施例のカンチレバー型プローブ
の上面図およびA−A断面図である。本実施例のカンチ
レバー型プローブは、図1に示す通り、薄膜カンチレバ
ー101と該薄膜カンチレバーの一端を固定支持する支
持部材102よりなる。薄膜カンチレバーの先端部に
は、微小光透過部103が形成されている。図2は本実
施例のカンチレバー型プローブの作製方法を示す図であ
る。以下、この図を用いて本実施例のカンチレバー型プ
ローブの作製方法を説明する。まず、SOI(Sili
con on Insulator)基板を用意した。
用意するSOI基板のシリコン層201および二酸化シ
リコンよりなる分離層202の厚さは、それぞれ80n
m、100nmとした。次にLPCVDを用いてSi3
N4よりなる保護層204を、SOI基板のハンドルウ
エハ203の表面に形成した(図2(a))。次にフォ
トリソグラフィおよびCF4ガスによるエッチングによ
り、開口部205を形成した。次にフォトリソグラフィ
およびSF6ガスによるエッチングにより、シリコン層
201にレバー部を形成した。次に、電圧印加可能な走
査型プローブ顕微鏡用探針206により、前記レバー部
の所望の位置に大気中において電圧を印加した。この時
に、電流値、電圧値はそれぞれ1nm、10Vであっ
た。これによりシリコン層201の電圧が印加された部
分には、酸化物が形成され光に対して透明な微小光透過
部207が形成された。微小光透過部207は、酸化と
ともに体積が膨張してシリコン層表面から脹らんだ形状
となった。微小光透過部207は、上面から見たとき、
ほぼ円形をしており、その直径は50nm±10nmで
あった。また微小光透過部207のシリコン層201か
らの脹らみは最も高いところで、20nmであった(図
2(b))。ここで、(1)探針206の先端径、
(2)シリコン層201の膜厚、(3)シリコン層20
1に対する探針206の接触力、(4)電圧印加条件、
(5)電圧印加時の雰囲気をそれぞれ制御することによ
り、微小光透過部の径を制御することが可能である。次
に、基板表面に樹脂層をスピン塗布し硬化させた後に、
基板裏面の開口部205からTMAH(テトラメチルア
ンモニウムヒドロキシド)水溶液を用いて結晶異方性エ
ッチングを行い、支持部材208を形成した。最後に、
HF水溶液を用いて分離層202の一部を除去し、プラ
ズマアッシャーで樹脂層を除去し、図1に記載のカンチ
レバー型プローブを作製した(図2(c))。本実施例
では、出発基板にSOI基板を用いることにより、簡便
なプロセスで薄膜カンチレバーを作製することができ
た。また、走査型プローブ顕微鏡用探針を用いて酸化を
行い微小光透過部を形成することにより、大きさにばら
つきがなく歩留まりの良好な微小光透過部を、短時間で
形成することができた。また、本実施例において微小光
透過部を、レバー部の先端近傍に形成した凸型突起部上
に形成するように構成することで、SNOM測定時に、
微小光透過部以外の部分が試料に接触するのを防ぐこと
ができ、微小光透過部を試料に接近させることを容易と
することができる。
【0010】[実施例2]図3は本実施例のカンチレバ
ー型プローブの上面図およびA−A断面図である。本実
施例のカンチレバー型プローブは、図3に示す通り、薄
膜カンチレバー301と該薄膜カンチレバーを支持する
ための支持部材304および電極305よりなる。薄膜
カンチレバーは、遮光層302と光透過層303よりな
り、遮光層302はピエゾ抵抗層の役割も兼ねている。
薄膜カンチレバーの先端部には凸型突起部306が形成
されており、該凸型突起部上に微小光透過部307が形
成されている。図4は本実施例の微小光透過部を有する
カンチレバー型プローブの作製方法を示す図である。以
下、この図を用いて作製方法を説明する。まず、(10
0)単結晶Si基板401の両面に膜厚2.5μmのS
iO2膜402、403を熱酸化法により形成した。次
にSiO2膜402に、フォトリソグラフィとHF水溶
液を用いたエッチングにより凸型突起部を形成した。こ
のとき凸型突起部の高さは、2μmとした。ここで凸型
突起部の形状、高さ、大きさはフォトリソグラフィ条
件、エッチング条件により制御することが可能である。
次に、SiO2膜上にLPCVDで光透過層である膜厚
1.0μmのSi3N4膜404を形成した。次に、LP
CVDでSi3N4膜上に膜厚0.05μmの多結晶Si
膜405を形成した。次に、SiO2膜403に、フォ
トリソグラフィとHF水溶液によるエッチングにより、
開口部406を形成した(図4(a))。なお、この光
透過層は、二酸化シリコンであってもよい。次にフォト
リソグラフィおよびCF4ガスおよびSF6ガスによるエ
ッチングにより、Si3N4膜404および多結晶Si膜
405にレバー部を形成した。次に基板表面に、Alを
スパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィおよびり
ん酸を主成分とするエッチャントによりエッチングし電
極407を形成した。次に、電圧印加可能な走査型プロ
ーブ顕微鏡用探針408によりレバー先端部に、大気中
において電圧を印加した。この時、電流値、電圧値はそ
れぞれ1nm、10Vであった。これによりレバー部の
電圧印加した位置には、酸化物が形成され光に対して透
明になり微小光透過部409が形成された。微小光透過
部409は、酸化とともに体積が膨張してレバー部表面
から膨らんだ形状となった。微小光透過部409は、上
面から見たときにほぼ円形をしており、その直径は約5
0nm±10nmであった。また微小光透過部409の
レバー部からの脹らみの高さは高いところで約20nm
であった(図4(b))。ここで、(1)探針408の
先端径、(2)遮光層302の膜厚、(3)遮光層30
2に対する探針408の接触力、(4)電圧印加条件、
(5)電圧印加時の雰囲気をそれぞれ制御することによ
り、微小光透過部409の径を制御することが可能であ
る。次に、基板表面に樹脂層をスピン塗布し硬化させた
後に、基板裏面の開口部からTMAH水溶液を用いて結
晶異方性エッチングを行い、支持部材410を形成し
た。最後に、HF水溶液を用いてSiO2膜を除去し、
樹脂層をプラズマアッシャーで除去し、図3に記載のカ
ンチレバー型プローブを作製した(図4(c))。本実
施例では、薄膜カンチレバーに凸型突起部を形成し、該
凸型突起部に微小光透過部を形成することにより、測定
時に微小光透過部を確実に試料に接触させることが可能
な薄膜カンチレバー型プローブを作製した。また遮光層
がピエゾ抵抗層の役割も兼ねていることにより、作製工
程が少なくてすみ、簡便にカンチレバー型プローブを作
製することができた。
ー型プローブの上面図およびA−A断面図である。本実
施例のカンチレバー型プローブは、図3に示す通り、薄
膜カンチレバー301と該薄膜カンチレバーを支持する
ための支持部材304および電極305よりなる。薄膜
カンチレバーは、遮光層302と光透過層303よりな
り、遮光層302はピエゾ抵抗層の役割も兼ねている。
薄膜カンチレバーの先端部には凸型突起部306が形成
されており、該凸型突起部上に微小光透過部307が形
成されている。図4は本実施例の微小光透過部を有する
カンチレバー型プローブの作製方法を示す図である。以
下、この図を用いて作製方法を説明する。まず、(10
0)単結晶Si基板401の両面に膜厚2.5μmのS
iO2膜402、403を熱酸化法により形成した。次
にSiO2膜402に、フォトリソグラフィとHF水溶
液を用いたエッチングにより凸型突起部を形成した。こ
のとき凸型突起部の高さは、2μmとした。ここで凸型
突起部の形状、高さ、大きさはフォトリソグラフィ条
件、エッチング条件により制御することが可能である。
次に、SiO2膜上にLPCVDで光透過層である膜厚
1.0μmのSi3N4膜404を形成した。次に、LP
CVDでSi3N4膜上に膜厚0.05μmの多結晶Si
膜405を形成した。次に、SiO2膜403に、フォ
トリソグラフィとHF水溶液によるエッチングにより、
開口部406を形成した(図4(a))。なお、この光
透過層は、二酸化シリコンであってもよい。次にフォト
リソグラフィおよびCF4ガスおよびSF6ガスによるエ
ッチングにより、Si3N4膜404および多結晶Si膜
405にレバー部を形成した。次に基板表面に、Alを
スパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィおよびり
ん酸を主成分とするエッチャントによりエッチングし電
極407を形成した。次に、電圧印加可能な走査型プロ
ーブ顕微鏡用探針408によりレバー先端部に、大気中
において電圧を印加した。この時、電流値、電圧値はそ
れぞれ1nm、10Vであった。これによりレバー部の
電圧印加した位置には、酸化物が形成され光に対して透
明になり微小光透過部409が形成された。微小光透過
部409は、酸化とともに体積が膨張してレバー部表面
から膨らんだ形状となった。微小光透過部409は、上
面から見たときにほぼ円形をしており、その直径は約5
0nm±10nmであった。また微小光透過部409の
レバー部からの脹らみの高さは高いところで約20nm
であった(図4(b))。ここで、(1)探針408の
先端径、(2)遮光層302の膜厚、(3)遮光層30
2に対する探針408の接触力、(4)電圧印加条件、
(5)電圧印加時の雰囲気をそれぞれ制御することによ
り、微小光透過部409の径を制御することが可能であ
る。次に、基板表面に樹脂層をスピン塗布し硬化させた
後に、基板裏面の開口部からTMAH水溶液を用いて結
晶異方性エッチングを行い、支持部材410を形成し
た。最後に、HF水溶液を用いてSiO2膜を除去し、
樹脂層をプラズマアッシャーで除去し、図3に記載のカ
ンチレバー型プローブを作製した(図4(c))。本実
施例では、薄膜カンチレバーに凸型突起部を形成し、該
凸型突起部に微小光透過部を形成することにより、測定
時に微小光透過部を確実に試料に接触させることが可能
な薄膜カンチレバー型プローブを作製した。また遮光層
がピエゾ抵抗層の役割も兼ねていることにより、作製工
程が少なくてすみ、簡便にカンチレバー型プローブを作
製することができた。
【0011】[実施例3]本実施例では、実施例2のカ
ンチレバー型プローブを複数用いて、マルチSNOMを
構成した。その構成を図5に示す。図5において50
1、502、503は本発明のプローブを用いたSNO
Mプローブ1、2、3である。複数のSNOMプローブ
1、2、3は、支持部材504に一体構成で作製されて
いる。また、表面アバランシェフォトダイオード等、高
感度の複数のフォトダイオード1(505)、2(50
6)、3(507)が、前記支持部材504に張り合わ
されて一体化している。このときフォトダイオード1〜
3(505〜507)の位置は、対応するSNOMプロ
ーブ1〜3(501〜503)の微小光透過部の背後
(図中上部)になるように設計、作製されている。本発
明のプローブでは、微小光透過部の背後にスペースをと
ることができ、フォトダイオード等の光検出機構を近傍
に配置することができるため、光検出分解能を低下させ
ることのない光検出機構との一体集積化が可能となっ
た。被測定試料509は透明基板510上に設けられて
いる。透明基板510を通して試料509の背後から試
料509の表面において全反射の条件になるような角度
で光511を入射する。このとき、光は試料509表面
から図中、上方向には透過しないが、試料509表面か
ら距離が0.1μm以下のごく近傍には、エバネッセン
ト光と呼ばれる光がにじみ出している。このとき、複数
のSNOMプローブ1〜3(501〜503)の微小光
透過部が試料に接触するように配置すると、エバネッセ
ント光1(512)、2(513)、3(514)がS
NOMプローブの微小光透過部を通って背後のフォトダ
イオード1〜3(505〜507)で検出される。検出
されたエバネッセント光電流信号をI/V変換回路1
(515)、2(516)、3(517)で電圧信号に
変換し、マルチプレクサ1(518)において、マルチ
SNOM信号とする。また本発明のプローブ1〜3のピ
エゾ抵抗層の抵抗変化を測定するための検出回路520
が、マルチプレクサ2(519)を介して、各プローブ
のピエゾ抵抗層に接続されている。ピエゾ抵抗層の抵抗
変化を測定することにより、プローブが試料に接触した
ことを容易に検知することができる。これにより、プロ
ーブを試料に押し付け過ぎることを避けることができ、
過大な接触力が加わることによるプローブの破壊や試料
の破壊を避けることができる。図中、不図示であるがX
−Yアクチュエーターを用い、複数のSNOMプローブ
1〜3に対し試料509を試料面内方向(図中X−Y方
向)に2次元の相対走査を行い、XY面内の各位置にお
けるSNOM信号の大きさをプロットすることにより、
試料509表面のSNOM観察像が得られる。
ンチレバー型プローブを複数用いて、マルチSNOMを
構成した。その構成を図5に示す。図5において50
1、502、503は本発明のプローブを用いたSNO
Mプローブ1、2、3である。複数のSNOMプローブ
1、2、3は、支持部材504に一体構成で作製されて
いる。また、表面アバランシェフォトダイオード等、高
感度の複数のフォトダイオード1(505)、2(50
6)、3(507)が、前記支持部材504に張り合わ
されて一体化している。このときフォトダイオード1〜
3(505〜507)の位置は、対応するSNOMプロ
ーブ1〜3(501〜503)の微小光透過部の背後
(図中上部)になるように設計、作製されている。本発
明のプローブでは、微小光透過部の背後にスペースをと
ることができ、フォトダイオード等の光検出機構を近傍
に配置することができるため、光検出分解能を低下させ
ることのない光検出機構との一体集積化が可能となっ
た。被測定試料509は透明基板510上に設けられて
いる。透明基板510を通して試料509の背後から試
料509の表面において全反射の条件になるような角度
で光511を入射する。このとき、光は試料509表面
から図中、上方向には透過しないが、試料509表面か
ら距離が0.1μm以下のごく近傍には、エバネッセン
ト光と呼ばれる光がにじみ出している。このとき、複数
のSNOMプローブ1〜3(501〜503)の微小光
透過部が試料に接触するように配置すると、エバネッセ
ント光1(512)、2(513)、3(514)がS
NOMプローブの微小光透過部を通って背後のフォトダ
イオード1〜3(505〜507)で検出される。検出
されたエバネッセント光電流信号をI/V変換回路1
(515)、2(516)、3(517)で電圧信号に
変換し、マルチプレクサ1(518)において、マルチ
SNOM信号とする。また本発明のプローブ1〜3のピ
エゾ抵抗層の抵抗変化を測定するための検出回路520
が、マルチプレクサ2(519)を介して、各プローブ
のピエゾ抵抗層に接続されている。ピエゾ抵抗層の抵抗
変化を測定することにより、プローブが試料に接触した
ことを容易に検知することができる。これにより、プロ
ーブを試料に押し付け過ぎることを避けることができ、
過大な接触力が加わることによるプローブの破壊や試料
の破壊を避けることができる。図中、不図示であるがX
−Yアクチュエーターを用い、複数のSNOMプローブ
1〜3に対し試料509を試料面内方向(図中X−Y方
向)に2次元の相対走査を行い、XY面内の各位置にお
けるSNOM信号の大きさをプロットすることにより、
試料509表面のSNOM観察像が得られる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
集積化・小型化が可能で分解能が良好な微小光透過部を
実現することができる。また、本発明によると、複雑な
工程を経ることがないため、大きさにばらつきがなく、
歩留まりの良好なカンチレバー型プローブを短時間に形
成することができ、コストの低減化を図ることができ
る。また、本発明においては、凸型突起部に微小光透過
部を形成することにより、微小光透過部を試料に接触さ
せることを容易とすることができる。また、本発明にお
いては、遮光層をピエゾ抵抗層の役割を果たすようにす
ることによって、プローブの試料への接触を容易に検知
することができ、過大な力が加わることによるプロー
ブ、試料の破損を防止することができる。また本発明の
薄膜カンチレバー型プローブの作製方法は、上述したよ
うに小型化・集積化に適した方法であるので、これを用
いることにより小型のSNOMや複数のプローブを有す
るマルチ化SNOMを容易に実現することができる。
集積化・小型化が可能で分解能が良好な微小光透過部を
実現することができる。また、本発明によると、複雑な
工程を経ることがないため、大きさにばらつきがなく、
歩留まりの良好なカンチレバー型プローブを短時間に形
成することができ、コストの低減化を図ることができ
る。また、本発明においては、凸型突起部に微小光透過
部を形成することにより、微小光透過部を試料に接触さ
せることを容易とすることができる。また、本発明にお
いては、遮光層をピエゾ抵抗層の役割を果たすようにす
ることによって、プローブの試料への接触を容易に検知
することができ、過大な力が加わることによるプロー
ブ、試料の破損を防止することができる。また本発明の
薄膜カンチレバー型プローブの作製方法は、上述したよ
うに小型化・集積化に適した方法であるので、これを用
いることにより小型のSNOMや複数のプローブを有す
るマルチ化SNOMを容易に実現することができる。
【図1】本発明の薄膜カンチレバー型プローブを示す図
である。
である。
【図2】図1に示した本発明のカンチレバー型プローブ
の作製方法を示す図である。
の作製方法を示す図である。
【図3】本発明の薄膜カンチレバー型プローブを示す図
である。
である。
【図4】図3に示した本発明のカンチレバー型プローブ
の作製方法を示す図である。
の作製方法を示す図である。
【図5】本発明のマルチSNOMの構成を示す図であ
る。
る。
101:薄膜カンチレバー 102:支持部材 103:微小光透過部 201:シリコン層 202:分離層 203:ハンドルウエハ 204:保護層 205:開口部 206:走査型プローブ顕微鏡用探針 207:微小光透過部 301:薄膜カンチレバー 302:遮光層 303:光透過層 304:支持部材 305:電極 306:凸型突起部 307:微小光透過部 401:シリコン基板 402:SiO2膜 403:SiO2膜 404:Si3N4膜 405:多結晶シリコン膜 406:開口部 407:電極 408:走査型プローブ顕微鏡用探針 409:微小光透過部 410:支持部材 501〜503:SNOMプローブ1〜3 504:支持部材 505〜507:フォトダイオード1〜3 509:被測定試料 510:透明基板 511:光 512〜514:エバネッセント光1〜3 515〜517:I/V変換回路1〜3 518:マルチプレクサ1 519:マルチプレクサ2 520:検出回路
Claims (15)
- 【請求項1】シリコンよりなる薄膜カンチレバーと、該
薄膜カンチレバーの一端を固定支持する支持部材とを備
え、該薄膜カンチレバーの先端近傍に二酸化シリコンよ
りなる微小光透過部が形成されていることを特徴とする
カンチレバー型プローブ。 - 【請求項2】前記微小光透過部が、前記薄膜カンチレバ
ーの先端近傍に形成された凸型突起部に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のカンチレバー型プロ
ーブ。 - 【請求項3】光透過層およびピエゾ抵抗層の機能を有す
る遮光層からなる薄膜カンチレバーと、該薄膜カンチレ
バーを固定支持する支持部材とを備え、該薄膜カンチレ
バーの先端近傍に形成された凸型突起部に微小光透過部
が形成されていることを特徴とするカンチレバー型プロ
ーブ。 - 【請求項4】前記ピエゾ抵抗層の抵抗を測定するための
外部回路に電気的接続をするための電極を備えているこ
とを特徴とする請求項3に記載のカンチレバー型プロー
ブ。 - 【請求項5】前記遮光層がシリコンよりなり、前記微小
光透過部が二酸化シリコンよりなることを特徴とする請
求項3または請求項4に記載のカンチレバー型プロー
ブ。 - 【請求項6】前記光透過層が窒化シリコンよりなること
を特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載
のカンチレバー型プローブ。 - 【請求項7】前記光透過層が二酸化シリコンよりなるこ
とを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記
載のカンチレバー型プローブ。 - 【請求項8】シリコン層を有する基板を用いてカンチレ
バー型プローブを作製する方法であって、(a)前記シ
リコン層の一部を酸化することによって、微小光透過部
を形成する工程と、(b)前記シリコン層をレバー形状
に加工する工程と、(c)前記シリコン層を有する基板
のハンドルウエハ部の一部を裏面からエッチングする工
程と、を少なくとも有することを特徴とするカンチレバ
ー型プローブの作製方法。 - 【請求項9】薄膜カンチレバー型プローブの作製方法で
あって、(a)基板表面にエッチングストップ層を形成
する工程と、(b)前記エッチングストップ層表面に凸
型突起部を形成する工程と、(c)前記エッチングスト
ップ層表面に光透過性の薄膜層を形成する工程と、
(d)前記光透過性の薄膜層の表面に遮光性の薄膜層を
形成する工程と、(e)前記光透過性の薄膜層および遮
光性の薄膜層を前記凸型突起部を含んだレバー形状に加
工する工程と、(f)前記凸型突起部を局所的に酸化す
ることにより、微小光透過部を形成する工程と、(g)
基板の一部を裏面からエッチングして、該エッチングを
前記エッチングストップ層を用いて停止する工程と、
(h)エッチングストップ層を除去する工程と、 を少なくとも有することを特徴とするカンチレバー型プ
ローブの作製方法。 - 【請求項10】前記酸化を、導電性の探針を用いて電圧
を印加することにより、行うことを特徴とする請求項8
または請求項9に記載のカンチレバー型プローブの作製
方法。 - 【請求項11】前記基板が単結晶シリコン基板であり、
前記エッチングを結晶異方性エッチングによって行うこ
とを特徴とする請求項9または請求項10に記載のカン
チレバー型プローブの作製方法。 - 【請求項12】前記光透過層が、窒化シリコンであるこ
とを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれか1項に
記載のカンチレバー型プローブの作製方法。 - 【請求項13】前記光透過層が、二酸化シリコンである
ことを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれか1項
に記載のカンチレバー型プローブの作製方法。 - 【請求項14】請求項1〜請求項6のいずれか1項に記
載のカンチレバー型プローブ、または請求項7〜請求項
13のいずれか1項に記載のカンチレバー型プローブの
形成方法によって形成されたカンチレバー型プローブ
を、基板上に複数形成したことを特徴とするマルチプロ
ーブ。 - 【請求項15】請求項1〜請求項6のいずれか1項に記
載のカンチレバー型プローブ、または請求項7〜請求項
13のいずれか1項に記載のカンチレバー型プローブの
形成方法により形成されたカンチレバー型プローブによ
って構成したことを特徴とする表面観察装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13276498A JPH11311626A (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 微小光透過部を有するカンチレバー型プローブとその作製方法、および該プローブにより形成されたマルチプローブおよび表面観察装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13276498A JPH11311626A (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 微小光透過部を有するカンチレバー型プローブとその作製方法、および該プローブにより形成されたマルチプローブおよび表面観察装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11311626A true JPH11311626A (ja) | 1999-11-09 |
Family
ID=15089017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13276498A Pending JPH11311626A (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 微小光透過部を有するカンチレバー型プローブとその作製方法、および該プローブにより形成されたマルチプローブおよび表面観察装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11311626A (ja) |
-
1998
- 1998-04-27 JP JP13276498A patent/JPH11311626A/ja active Pending
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