JPH1186364A - 微小開口の形成方法、微小開口を含んでなるメンブレンと該メンブレンによるプローブ、及び該プローブによる表面観察装置、露光装置、情報処理装置 - Google Patents

微小開口の形成方法、微小開口を含んでなるメンブレンと該メンブレンによるプローブ、及び該プローブによる表面観察装置、露光装置、情報処理装置

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JPH1186364A
JPH1186364A JP26493297A JP26493297A JPH1186364A JP H1186364 A JPH1186364 A JP H1186364A JP 26493297 A JP26493297 A JP 26493297A JP 26493297 A JP26493297 A JP 26493297A JP H1186364 A JPH1186364 A JP H1186364A
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probe
light
etching
substrate
minute
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JP26493297A
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English (en)
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Takeo Yamazaki
剛生 山崎
Yasuhiro Shimada
康弘 島田
Tsutomu Ikeda
勉 池田
Akira Kuroda
亮 黒田
Takayuki Yagi
隆行 八木
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、微小な開口を簡便な方法で再現性良
く形成でき、また、基板上に集積化が容易で、複数の微
小開口を形成したときに開口径のばらつきが小さい、微
小開口の形成方法と微小開口を含んでなるメンブレンと
該メンブレンによるプローブ、及び該プローブによる表
面観察装置、露光装置、情報処理装置を提供することを
目的としている。 【解決手段】本発明の微小開口の形成方法と微小開口を
含んでなるメンブレンは、基板上の光透過性のエッチン
グストップ層の表面に酸化により光透過性が上昇する材
料からなる遮光性の薄膜層を形成すると共に、該薄膜層
の一部を酸化することによって微小開口となる微小光透
過部を形成し、前記基板上の前記微小光透過部を含む基
板の裏面からエッチングして、前記エッチングストップ
層を用いて前記微小光透過部を含むメンブレンを形成し
たことを特徴とするものであり、また、本発明はこれら
によってプローブを構成し、あるいは該プローブを用い
て表面観察装置、露光装置、情報処理装置を構成したこ
とを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微小開口の形成方
法、微小開口を含んでなるメンブレンと該メンブレンに
よるプローブ、及び該プローブによる表面観察装置、露
光装置、情報処理装置に関し、特に、近視野光学顕微鏡
等に用いられるエバネッセント光検出または照射用の探
針(微小ティップ)、及び該探針を有するプローブ及び
これらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、導体の表面原子の電子構造を直接
観察できる走査型トンネル顕微鏡(以下、「STM」と
いう)が開発されて(G.Binnig et a
l.,Phys.Rev.Lett,49,57(19
82))、単結晶、非晶質を問わず実空間像を高い分解
能で測定ができるようになって以来、走査型プローブ顕
微鏡(以下、「SPM」という)が材料の微細構造評価
の分野でさかんに研究されるようになってきた。SPM
としては、微小探針を有するプローブを評価する試料に
近接させることにより得られるトンネル電流、原子間
力、磁気力、光等を用いて表面の構造を検出する走査型
トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AF
M)、磁気力顕微鏡(MFM)等がある。また、STM
を発展させたものとして、尖鋭なプローブ先端の微小開
口からしみ出すエバネッセント光を試料表面から光プロ
ーブで検出して試料表面を調べる走査型近接場光顕微鏡
(以下SNOMと略す)[Durig他,J.App
l.Phys.59,3318(1986)]が開発さ
れた。
【0003】さらに、試料裏面からプリズムを介して全
反射の条件で光を入射させ、試料表面へしみ出すエバネ
ッセント光を試料表面から光プローブで検出して試料表
面を調べるSNOMの一種であるフォトンSTM(以下
PSTMと略す)[Reddick他,Phys.Re
v.B39,767(1989)]も開発された。さ
て、上記のSNOMにおいては、光プローブの先端径が
分解能を決定するため、プローブ表面を遮光し、先端に
微小な開口を形成することにより光の出口を小さくする
方法が取られている。このような微小開口の形成方法と
しては、透明結晶の劈開面の交点を金属でコーティング
し、これを固い面に押しつけ交点部分の金属を除去して
交点を露出させ微小開口をする方法(図5(a)参照)
が提案されている(欧州特許EP0112402号)。
また、光ファイバープローブを回転させながらある方向
からのみメタルを蒸着することにより、メタルの堆積し
ない部分を作って微小開口を形成する方法がある(図5
(b)参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例においては、以下に示す問題点があった。すなわ
ち、上記従来例は、ファイバープローブ1本に対する微
小開口を形成するためのプロセスが不可欠であり、その
ため生産性が低く、かつ、微小開口の集積化が困難であ
るという問題があった。また、微小開口の径を厳密に制
御するのが困難で再現性が得にくいという点にも問題が
あった。そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決
し、微小な開口を簡便な方法で再現性良く形成でき、ま
た、基板上に集積化が容易で、複数の微小開口を形成し
たときに開口径のばらつきが小さい、微小開口の形成方
法と微小開口を含んでなるメンブレンと該メンブレンに
よるプローブ、及び該プローブによる表面観察装置、露
光装置、情報処理装置を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、微小開口の形成方法と微小開口を含んでな
るメンブレンと該メンブレンによるプローブ、及び該プ
ローブによる表面観察装置、露光装置、情報処理装置
を、つぎのように構成したことを特徴とするものであ
る。すなわち、本発明の微小開口の形成方法は、(a)
基板表面に光透過性のエッチングストップ層を形成する
工程と、(b)前記エッチングストップ層表面に酸化に
より光透過性が上昇する材料からなる遮光性の薄膜層を
形成する工程と、(c)前記薄膜層の一部を酸化するこ
とにより、微小開口となる光透過部を形成する工程と、
(d)前記基板の一部を裏面からエッチングして、該エ
ッチングを前記エッチングストップ層を用いて停止する
ことにより、前記光透過部を含むメンブレンを形成する
工程と、を少なくとも有することを特徴としている。ま
た、これらの発明においては、前記基板が単結晶シリコ
ンであることを特徴としている。また、本発明の微小開
口の形成方法は、光透過な分離層を挟んで表面側にシリ
コン層と裏面側にハンドルウエハ部を有するSOI基板
を用いた微小開口の形成方法であって、(a)前記SO
I基板表面のシリコン層の一部を酸化することにより、
微小開口となる光透過部を形成する工程と、(b)前記
SOI基板のハンドルウエハ部の一部を裏面からエッチ
ングして、該エッチングを前記SOI基板の光透過な分
離層をエッチングストップ層として用いて停止すること
により、前記光透過部を含むメンブレンを形成する工程
と、を少なくとも有することを特徴としている。また、
これらの発明においては、前記薄膜層の酸化を、導電性
の探針により電圧印加することによって行うことを特徴
としており、前記エッチングを、結晶異方性エッチング
により行うことを特徴としている。また、本発明の微小
開口を含んでなるメンブレンは、基板上の光透過性のエ
ッチングストップ層の表面に形成された酸化により光透
過性が上昇する材料からなる遮光性の薄膜層と、該薄膜
層の一部を酸化することによって形成された微小開口と
なる微小光透過部と、前記基板上の前記微小光透過部を
含む基板の裏面からエッチングし、前記エッチングスト
ップ層を用いて形成された前記微小光透過部を含むメン
ブレンと、によって構成されていることを特徴としてい
る。また、本発明の微小開口を含んでなるメンブレン
は、光透過な分離層を挟んで表面側にシリコン層と裏面
側にハンドルウエハ部を有するSOI基板を用いて、該
SOI基板表面側のシリコン層の一部を酸化することに
よって形成された微小開口となる微小光透過部と、前記
SOI基板上の前記微小光透過部を含む基板の裏面から
エッチングし、前記SOI基板の光透過な分離層をエッ
チングストップ層として用いて形成された前記微小光透
過部を含むメンブレンと、によって構成されていること
を特徴としている。また、本発明の微小開口を具備した
プローブは、前記した本発明のいずれかに記載の微小開
口の形成方法によって形成されてなり、または、該微小
開口を具備したプローブは前記した本発明のいずれかの
微小開口を含んでなるメンブレンによって構成されてい
ることを特徴としている。また、本発明の微小開口を具
備したプローブは、発光素子および該発光素子を作用さ
せるための配線電極、または受光素子および該受光素子
を作用させるための配線電極を有することを特徴として
いる。また、本発明のマルチプローブは、上記した本発
明のいずれかのプローブを、基板上に複数形成したこと
を特徴としている。また、本発明の表面観察装置は、上
記した本発明のいずれかのプローブまたはマルチプロー
ブを用いたことを特徴としている。また、本発明の露光
装置は、上記した本発明のいずれかのプローブまたはマ
ルチプローブを用いたことを特徴としている。また、本
発明の情報処理装置は、上記した本発明のいずれかのプ
ローブまたはマルチプローブを用いたことを特徴として
いる。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つ
として、微小開口の形成方法について説明する。まず、
基板上にエッチングストップ層を形成する。エッチング
ストップ層は、光透過でありかつ後のエッチング工程に
おいてエッチングされることのない材料を選択する。次
に、前記エッチングストップ層上にスパッター蒸着、真
空蒸着などの方法により、10〜100nmの膜厚の遮
光性の薄膜層を形成する。前記薄膜層の材料は、遮光性
でありながら、酸化することによって光透過性が上昇す
る材料を選択する。例えば、Ti、V、Cr、Siなど
を使用することができる。薄膜層の膜厚は、10〜10
0nmが望ましい。あまり薄いと薄膜層が連続になら
ず、微小開口以外のところからも光が漏れてしまい、厚
すぎると微小開口から染み出すエバネッセント光強度が
低下してしまう。
【0007】次に、前記薄膜層の所望の場所を導電性の
探針を用いて、大気中もしくは酸素雰囲気中で電圧を印
加することにより酸化する。微小探針として、例えば、
走査型トンネル顕微鏡もしくは電圧印加可能な走査型原
子間力顕微鏡の微小探針を用いることができる。これに
より薄膜層の電圧が印加された部分は、酸化して透明に
変化する。それと同時に体積が膨張して薄膜層表面から
膨らんだ形状になる。この部分が後に微小開口部とな
る。このとき、光透過部の径は、印加電圧条件によって
決定される。この方法により複数の微小光透過部を、前
記薄膜層の所望の位置に再現性良く作製することが可能
となる。次に、基板の一部を裏面からエッチングを行
い、前記光透過部を含むメンブレンを形成する。このと
き、光透過性のエッチングストップ層を用いて、エッチ
ングを停止することにより、エッチングの停止時間の制
御を行う必要がなくなる。以上の方法で、微小開口を簡
便な方法で再現性良く形成することが可能となる。
【0008】前記基板としてはシリコン単結晶を用いる
ことが好ましい。そのことにより、基板を裏面からエッ
チングする工程において結晶異方性エッチングを用いる
ことができ、エッチングの制御性が向上する。前記基板
としてSOI(Silicon on Insulat
or)基板を用いることにより、該SOI基板のシリコ
ン層を前記薄膜層とすることができ、基板上に薄膜層を
形成する工程を省略することができる。また、該SOI
基板の二酸化シリコン分離層は、光透過性なので基板裏
面からエッチングを行う際のエッチングストップ層とす
ることができる。このことによりエッチングの制御性が
さらに向上する。
【0009】本発明には上記製造方法にて作製した微小
開口、又は微小開口を有する突起よりなるプローブまた
はマルチプローブ及び、これらを用いた表面観察装置、
露光装置、情報処理装置も含む。本発明によるプローブ
を試料に接近させて、X−Yアクチュエータにより試料
面内方向に2次元の相対走査を行い、試料表面からしみ
だすエバネッセント光を検知することにより試料の表面
状態を観察することが可能である。また、本発明による
プローブを用いてレジストに露光することにより光の波
長よりも微細なパターンを形成できる露光装置を作製す
ることが可能である。また、このプローブを用いて記録
媒体の微小領域における表面状態を変化させ、また、こ
れを観察することにより記録再生装置とすることが可能
である。この際、試料または記録媒体との間隔制御・接
触力制御はSNOM信号自体を使うことが可能である。
また、STMの手法やシェアフォースによる手法も用い
ることができ、これらの手段は本発明を限定するもので
はない。
【0010】また、本発明によるマルチプローブを用い
て情報を並列処理することにより転送レートの大きい表
面観察装置または露光装置または記録再生装置を提供す
ることが可能である。この場合の記録媒体としては、電
圧印加により光学特性が変化する記録媒体の例として、
特開平4−90152号公報に記載されているような電
圧印加により、局所的に流れる電流によるジュール熱に
よりジアセチレン誘導体重合体に構造変化が起こり、光
の吸収帯のピーク波長がシフトするような10,12−
ペンタコサジイン酸が挙げられる。また、光照射下の電
圧印加により光学特性が変化する記録媒体の例として、
特開平2−98849号公報に記載されているような光
を照射した場合のみシス型⇔トランス型の光異性反応を
起こしてレドックス・ペアを形成し、電界印加によりこ
のレドックス・ペア間でプロトン移動を起こすようなキ
ノン基およびヒドロキノン基を有するアゾ化合物が挙げ
られる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]実施例1は、複数個の微小開口を基板上に
形成した微小開口プローブおよびその作製方法について
実施した例である。本実施例の微小開口プローブの使用
方法は、例えば微小開口を有する面の反対側の面から光
を照射し、微小開口から出るエバネッセント光が及ぶ距
離までレジストを接近させることにより、微細なパター
ンの露光を行うために用いる。図1は本実施例による微
小開口プローブの製造工程を示す断面図であり、以下こ
れを用いて製造方法を説明する。まず面方位(100)
の単結晶シリコン基板101を用意し、熱酸化を行い両
面にシリコン熱酸化膜を100nm形成した。形成した
熱酸化膜のうち、裏面のものが保護層102、表面のも
のがエッチングストップ層103となる。次に、スパッ
タ蒸着法によりエッチングストップ層103の表面に、
Ti薄膜層104を50nm形成した(図1(a))。
【0012】次に、電圧印加可能な走査型プローブ顕微
鏡用探針105により、Ti薄膜層104の所望の位置
に、大気中において電圧を印加した。この時に電流値お
よび電圧値は、それぞれ1nA、10Vであった。これ
によりTi薄膜層104において電圧印加をした位置
は、酸化物が形成され光に対して透明になり、微小光透
過部106が形成された。微小光透過部は、酸化ととも
に体積が膨張してTi薄膜層表面から膨らんだ形状とな
った。微小光透過部106は、上面から見たときにほぼ
円形をしており、その直径は50nm±10nmであっ
た。また、微小光透過部106のTi薄膜層からの膨ら
みの高さは高いところで20nmであった(図1
(b))。
【0013】次に、保護層102の所望の場所に、フォ
トリソグラフィーを施した後、ふっ化水素とふっ化アン
モニウムの水溶液によるエッチングによりパターニング
を行い、10μm平方のシリコンを露出した。次に、液
温90℃、濃度22%のTMAH(テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド)水溶液を用いて、パターニング部
のシリコンを結晶異方性エッチングによりエッチングし
微小光透過部106を含むメンブレン107を形成し
た。この工程においては、エッチングがエッチングスト
ップ層103に達したところで自動的に停止した。以上
で、本実施例の微小開口プローブが完成した(図1
(c))。
【0014】本実施例の形成方法では、微小開口径は、
Ti薄膜層104の膜厚と、走査型プローブ顕微鏡用探
針105による電圧印加条件により決定される。このこ
とから、電圧印加条件により、微小開口径を制御するこ
とが可能になった。また、裏面からのエッチング工程に
おいて、エッチングがエッチングストップ層103に達
したところで自動的に停止するため、エッチングの停止
時間の制御を行う必要がなくなった。以上のことから本
実施例では、微小開口プローブを、従来技術と比較して
再現性良く、より簡便な方法で製造することが可能にな
った。
【0015】[実施例2]実施例2では、SOI(Si
licon on Insulator)基板を用いて
微小開口プローブを作製した。図2は、本実施例による
微小開口プローブの製造工程を示す断面図であり、以下
これを用いて製造方法を説明する。まず、SOI基板を
用意する。用意したSOI基板のシリコン層201およ
び二酸化シリコンよりなる分離層202の膜厚は、それ
ぞれ50nm、100nmとした。次に、LPCVDを
用いてSi34からなる保護膜204をSOI基板のシ
リコンハンドルウエハ部203の表面に形成した(図2
(a))。
【0016】次に、電圧印加可能な走査型プローブ顕微
鏡用探針205により、シリコン層201の所望の位置
に、大気中において電圧を印加した。この時に電流値、
電圧値は、それぞれ1nA、10Vであった。これによ
りシリコン層201の電圧印加した位置には、酸化物が
形成され光に対して透明になり微小光透過部206が形
成された。微小光透過部206は、酸化とともに体積が
膨張してシリコン層表面から膨らんだ形状となった。微
小光透過206は、上面から見たときにほぼ円形をして
おり、その直径は50nm±10nmであった。また、
微小光透過部206のシリコン層201からの膨らみの
高さは高いところで20nmであった(図2(b))。
【0017】次に、保護層204の所望の場所に、フォ
トリソグラフィーを施した後、CF4ガスによるドライ
エッチングによりパターニングを行い、10μm平方の
シリコンを露出した。次に、液温90℃、濃度22%の
TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)水
溶液を用いて、パターニング部のシリコンを結晶異方性
エッチングによりエッチングし前記微小光透過部206
を含むメンブレン207を形成した。この工程において
は、エッチングが分離層202に達したところで自動的
に停止する。以上で、本実施例の微小開口プローブが完
成した(図2(c))。本実施例では、SOI基板を用
い、該SOI基板のシリコン層を薄膜層として用いたこ
とにより、基板上に薄膜層を形成する工程を省略するこ
とができた。また、SOI基板の分離層をエッチングス
トップ層とすることができた。以上のことから実施例1
と比較してより簡便な方法で、微小開口プローブを再現
性良く作製することができた。
【0018】[実施例3]実施例3では、本発明の微小
開口マルチプローブを用いて、SNOMを構成した。図
3に本実施例のSNOMの構成を示す。図3において3
01は本発明の微小開口プローブを用いたマルチSNO
Mプローブである。表面にアバランシェダイオード等、
高感度のフォトダイオード302を作製したフォトダイ
オード支持基板303が、微小開口プローブ裏面に張り
合わされて、一体化している。このとき、フォトダイオ
ードの位置は、対応する微小開口の背後になるように設
計、作製されている。被測定試料304は、透明基板3
05上に設けられている。透明基板305を通して試料
304の背後から試料表面において全反射の条件になる
ような角度で光306を入射する。このとき、光306
は試料表面から図中、上方向には通過しないが、試料表
面からの距離が100nm以下のごく近傍にはエバネッ
セント光307と呼ばれる光が滲みだしている。このと
き、マルチSNOMプローブを突起先端が試料に接触す
るように配置すると、エバネッセント光が、マルチSN
OMプローブの微小開口を通って背後のフォトダイオー
ドで検出される。検出されたエバネッセント光電流信号
をI/V変換機308で電圧信号に変換し、マルチプレ
クサ309においてマルチSNOM信号とする。
【0019】図中には示していないが、X−Yアクチュ
エーターを用い、マルチSNOMプローブに対し試料を
試料面内方向に2次元の相対走査を行い、X−Y面内の
各一におけるSNOM信号の大きさをプロットすること
により、試料表面のSNOM観察像が得られる。本発明
の微小開口プローブでは、微小開口の逆側には微小開口
よりも大きな開口を有している。このため、微小開口の
背後にスペースをとることができ、光導波路等を用いる
ことなく、フォトダイオード等光検出機構を近傍に配置
することができるため、光検出分解能を低下させること
のない光検出機構との一体集積化が可能となり、高分解
能なSNOM像を得ることができた。
【0020】[実施例4]実施例4では、本発明の微小
開口プローブをエバネッセント光露光用マスクとして、
エバネッセント光露光装置を構成した。図4に本実施例
の構成を示す。図4において401は本発明の微小開口
プローブを用いたエバネッセント光露光用マスクであ
る。さらに表面に面発光レーザーよりなる発光素子40
2を配した発光素子支持基板403が、エバネッセント
光露光用マスクの裏面に張り合わされて一体化してい
る。このとき発光素子402の位置は対応する微小開口
の背後になるように設計、作製されている。
【0021】以下に本実施例の露光装置を用いたエバネ
ッセント光露光の手順を説明する。まず、被露光物とし
て基板404上にレジスト405を塗布したものを、ス
テージ406の上に設置する。次にステージを駆動し、
エバネッセント光露光用マスクに対する基板のマスク面
内の2次元方向の相対位置あわせを行う。次に、マスク
面法線方向にステージを駆動し、エバネッセント光露光
用マスクの微小開口面と基板上のレジストの間隔が全面
にわたって100nm以下になるように両面を密着させ
る。この後、発光素子を駆動して、レザー光407を背
後から微小開口に照射し、微小開口表面から滲み出すエ
バネッセント光408によりレジストの露光を行う。
【0022】上記方法を用いて、シリコン基板上に10
0nmの膜厚に塗布した紫外線用レジストに対して、エ
バネッセント光露光を行った。露光後、現像を行ったと
ころ、レジスト上に微細なパターンを形成することがで
きた。本実施例の微小開口プローブは、微小開口の逆側
に微小開口よりも大きな開口を有している。このため、
微小開口の背後にスペースをとることができ、面発光レ
ザー等の発光素子を一体化することが出来る。したがっ
て、従来の露光装置で必要であった光導波路、レンズ等
の光学系が不要となり、装置を小型化することができ
た。また各発光素子をON/OFF操作しながら面内操
作をして露光を行うことができるので、従来のエバネッ
セント光露光装置と比較して、微細パターンの形成速度
を向上させることができた。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上のとおり、導電性の微小
探針を用いて基板上に形成された遮光性の薄膜層の一部
に対して電圧印加を行い、前記薄膜層の一部を酸化する
ことにより、微小な光透過部を形成し、基板裏面からエ
ッチングを行い前記光透過部を含むメンブレンを形成
し、該エッチングを光透過性のエッチングストップ層で
停止することにより、簡便な方法で、微小開口を再現性
良く作製することができ、基板上の複数の微小開口径の
ばらつきが小さく、集積化が容易な微小開口を形成する
ことができる。また、本発明の微小開口となる微小光透
過部を含むメンブレンによるマルチプローブを用いてS
NOMを構成することにより、高分解能なSNOM像を
実現することが可能となる。また、本発明の微小開口プ
ローブをエバネッセント光露光用マスクとして用いるこ
とにより、微細なパターンを高速で形成できる露光装置
を提供することが可能となる。また、本発明のプローブ
を用いて表面観察装置、情報処理装置等を構成すること
により、これらの性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1である微小開口プローブの形
成方法を示す図である。
【図2】本発明の実施例2である微小開口プローブの形
成方法を示す図である。
【図3】本発明の実施例3であるSNOMの構成を示す
図である。
【図4】本発明の実施例4であるエバネッセント光露光
装置の構成を示す図である。
【図5】従来例による微小開口プローブの製造工程を示
す図である。
【符号の説明】
101:単結晶シリコン基板 102:保護層 103:エッチングストップ層 104:TI薄膜層 105:走査型プローブ顕微鏡用探針 106:微小光透過部 107:メンブレン 201:シリコン層 202:分離層 203:シリコンハンドルウエハ部 204:保護層 205:走査型プローブ顕微鏡用探針 206:微小光透過部 207:メンブレン 301:SNOMマルチプローブ 302:フォトダイオード 303:支持基板 304:試料 305:透明基板 306:光 307:エバネッセント光 308:I/V変換回路 309:マルチプレクサ 401:エバネッセント光露光用マスク 402:発光素子 403:支持基板 404:基板 405:レジスト 406:ステージ 407:レーザー光 408:エバネッセント光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 亮 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 八木 隆行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微小開口の形成方法であって、(a)基板
    表面に光透過性のエッチングストップ層を形成する工程
    と、(b)前記エッチングストップ層表面に酸化により
    光透過性が上昇する材料からなる遮光性の薄膜層を形成
    する工程と、(c)前記薄膜層の一部を酸化することに
    より、微小開口となる光透過部を形成する工程と、
    (d)前記基板の一部を裏面からエッチングして、該エ
    ッチングを前記エッチングストップ層を用いて停止する
    ことにより、前記光透過部を含むメンブレンを形成する
    工程と、 を少なくとも有することを特徴とする微小開口の形成方
    法。
  2. 【請求項2】前記基板が単結晶シリコンであることを特
    徴とする請求項1に記載の微小開口の形成方法。
  3. 【請求項3】光透過な分離層を挟んで表面側にシリコン
    層と裏面側にハンドルウエハ部を有するSOI基板を用
    いた微小開口の形成方法であって、(a)前記SOI基
    板表面のシリコン層の一部を酸化することにより、微小
    開口となる光透過部を形成する工程と、(b)前記SO
    I基板のハンドルウエハ部の一部を裏面からエッチング
    して、該エッチングを前記SOI基板の光透過な分離層
    をエッチングストップ層として用いて停止することによ
    り、前記光透過部を含むメンブレンを形成する工程と、 を少なくとも有することを特徴とする微小開口の形成方
    法。
  4. 【請求項4】前記薄膜層の酸化を、導電性の探針により
    電圧印加することによって行うことを特徴とする請求項
    1〜請求項3のいずれか1項に記載の微小開口の形成方
    法。
  5. 【請求項5】前記エッチングを、結晶異方性エッチング
    により行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいず
    れか1項に記載の微小開口の形成方法。
  6. 【請求項6】微小開口を含んでなるメンブレンであっ
    て、 基板上の光透過性のエッチングストップ層の表面に形成
    された酸化により光透過性が上昇する材料からなる遮光
    性の薄膜層と、 該薄膜層の一部を酸化することによって形成された微小
    開口となる微小光透過部と、 前記基板上の前記微小光透過部を含む基板の裏面からエ
    ッチングし、前記エッチングストップ層を用いて形成さ
    れた前記微小光透過部を含むメンブレンと、 によって構成されていることを特徴とする微小開口を含
    んでなるメンブレン。
  7. 【請求項7】微小開口を含んでなるメンブレンであっ
    て、 光透過な分離層を挟んで表面側にシリコン層と裏面側に
    ハンドルウエハ部を有するSOI基板を用いて、該SO
    I基板表面側のシリコン層の一部を酸化することによっ
    て形成された微小開口となる微小光透過部と、 前記SOI基板上の前記微小光透過部を含む基板の裏面
    からエッチングし、前記SOI基板の光透過な分離層を
    エッチングストップ層として用いて形成された前記微小
    光透過部を含むメンブレンと、 によって構成されていることを特徴とする微小開口を含
    んでなるメンブレン。
  8. 【請求項8】微小開口を具備したプローブであって、該
    微小開口が請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の
    微小開口の形成方法によって形成されてなり、または、
    該微小開口を具備したプローブが請求項6または請求項
    7の微小開口を含んでなるメンブレンによって構成され
    ていることを特徴とするプローブ。
  9. 【請求項9】発光素子および該発光素子を作用させるた
    めの配線電極、または受光素子および該受光素子を作用
    させるための配線電極を有することを特徴とする請求項
    8に記載のプローブ。
  10. 【請求項10】請求項8または請求項9に記載のプロー
    ブを、基板上に複数形成したことを特徴とするマルチプ
    ローブ。
  11. 【請求項11】プローブまたはマルチプローブを用いた
    表面観察装置であって、該プローブまたは該マルチプロ
    ーブが請求項8または請求項9に記載のプローブまたは
    請求項10に記載のマルチプローブであることを特徴と
    する表面観察装置。
  12. 【請求項12】プローブまたはマルチプローブを用いた
    露光装置であって、該プローブまたは該マルチプローブ
    が請求項8または請求項9に記載のプローブまたは請求
    項10に記載のマルチプローブであることを特徴とする
    露光装置。
  13. 【請求項13】プローブまたはマルチプローブを用いた
    情報処理装置であって、該プローブまたは該マルチプロ
    ーブが請求項8または請求項9に記載のプローブまたは
    請求項10に記載のマルチプローブであることを特徴と
    する情報処理装置。
JP26493297A 1997-09-11 1997-09-11 微小開口の形成方法、微小開口を含んでなるメンブレンと該メンブレンによるプローブ、及び該プローブによる表面観察装置、露光装置、情報処理装置 Pending JPH1186364A (ja)

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