JP3452659B2 - 集積型spmセンサ及びその製造方法 - Google Patents

集積型spmセンサ及びその製造方法

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JP3452659B2 JP24486594A JP24486594A JP3452659B2 JP 3452659 B2 JP3452659 B2 JP 3452659B2 JP 24486594 A JP24486594 A JP 24486594A JP 24486594 A JP24486594 A JP 24486594A JP 3452659 B2 JP3452659 B2 JP 3452659B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、探針部に光検出機構
を備えた集積型SPMセンサ及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】1980年代後半以降、エバネッセント
波を用いることにより回折限界を超える分解能を有する
光学顕微鏡が提案されている。この顕微鏡は、近視野顕
微鏡(SNOM:Scanning near field optical micros
cope)と呼ばれている。このSNOMは、エバネッセン
ト波が“波長より小さい寸法の領域に局在し、自由空間
を伝搬しない”という特性を利用したものである。
【0003】SNOMの測定原理は、まず、測定試料の
表面近傍に1波長程度以下の距離までプローブを近づけ
て、プローブ先端の微小開口を通過する光強度の地図を
作成することによって、測定試料に対する解像が成され
るものである。SNOMとしてはいくつかの方式が提案
されているが、大別すると2つの方式が提案されてい
る。その一つはコレクション方式と呼ばれ、試料の下か
ら光を照射した時に、試料を透過し試料表面近傍に局在
したエバネッセント波を、プローブを介して検出しSN
OM像とする方式である。他の方式は、微小開口を持っ
たプローブから試料に対して光を照射し、試料を透過し
た光を、試料下に設置された光検出器によって検出する
という、いわゆるエミッション方式と呼ばれる方式であ
る。この方式は、例えば特開平4−291310号(A
T&T;R. E. Betzig)に開示されている。
【0004】次に、一般的なSNOM装置の概要につい
て説明をする。測定試料は、3次元移動ステージに倒立
配置されたプリズム上に載置され、そのプリズムの測定
試料の載置されている面に対して、半導体レーザー光を
全反射条件を満たす角度で入射させる。その結果、測定
試料の表面近傍にエバネッセント光が発生し、このと
き、先端を先鋭化させた光ファイバープローブを測定試
料表面に近づけると、エバネッセント光が散乱光に変換
される。散乱光は、光ファイバープローブを介して光検
出器に導光され、散乱光強度の変化が検出される。光検
出器によって検出された散乱光強度の変化は、対応した
散乱光強度信号に変換され、Z位置制御機構に出力され
る。Z位置制御機構は、散乱光強度信号に基づいて、3
次元移動ステージをZ方向に移動制御して測定試料と光
ファイバープローブの先端とを略同位置に固定する。こ
のような状態において、マイクロコンピュータがX/Y
走査位置を介して、3次元移動ステージをX/Y移動制
御する。その結果、光ファイバープローブは測定試料に
対して相対的にXY走査される。このとき、測定試料の
表面近傍に発生しているエバネッセント光は、光ファイ
バープローブによって散乱光に変換される。この散乱光
は光検出器によって光強度に対する電気信号に変換され
た後、雑音、バックグランド除去等の画像処理が行わ
れ、SNOM画像として表示されるようになっている。
【0005】一方、BinnigとRohrerらにより発明された
走査トンネル顕微鏡(STM;Scanning Tunneling Mic
roscope )におけるサーボ技術を始めとする要素技術を
利用しながら、STMでは測定し難かった絶縁性の試料
を原子オーダーの精度で観察することのできる顕微鏡と
して、原子間力顕微鏡(AFM;Atomic Force Microsc
ope )が提案されている(特開昭62−130302
号:IBM、G.ビニッヒ、サンプル表面の像を形成す
る方法及び装置)。
【0006】このAFMの構造はSTMに類似してお
り、走査型プローブ顕微鏡(SPM)の一つとして位置
づけられる。AFMでは、自由端に鋭い突起部分(探針
部)を持つカンチレバーを、試料に対向・近接させ、探
針部の先端の原子と試料原子との間に働く相互作用力に
より、変位するカンチレバーの動きを電気的あるいは光
学的にとらえて測定しつつ、試料をXY方向に走査し、
カンチレバーの探針部との位置関係を相対的に変化させ
ることによって、試料の凹凸情報などを3次元的にとら
えることができるようになっている。
【0007】このAFMにおいては、カンチレバーの変
位を測定する変位測定センサは、カンチレバーとは別途
に設けるのが一般的である。しかし最近では、カンチレ
バー自体に変位を測定できる機能を付加した集積型AF
Mセンサが、M.Tortonese らにより提案されている。こ
の集積型AFMセンサは、例えばM.Tortonese,H.Yamad
a, R.C.Barrett and C.F.Quate の論文“Atomic force
microscopy using a piezoresistive cantilever ”(T
ransducers and Sensors '91 )や、PCT出願WO9
2/12398に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のM.Tortonese ら
により提案されている集積型AFMセンサは、カンチレ
バーに歪みセンサを集積化したものであるが、同様に光
検出機能を持ったセンサーをカンチレバー上に集積化す
ることは容易に発想できる。しかし、単純に光検出機能
を持ったセンサ、例えばフォトダイオードを集積化する
と、そのフォトダイオードにおいて、光照射により発生
したフォトキャリアが半導体内のキャリアと再結合した
り、トラップに捕獲されることにより、光電流用のキャ
リアとして寄与しなくなり、検出効率が低下する。その
ため、エバネッセント光の様な微弱で、測定試料表面近
傍にしか存在しない光を検出する際には、空乏層まで光
が届かず、発生したフォトキャリアは半導体内ですぐに
再結合するため、感度が非常に低下する。
【0009】また、従来の光ファイバープローブを使用
したSNOMでは、プローブとは別にセンサを設けなけ
ればならず、装置が大型化してしまう。それに伴い、外
部の振動の影響を受けやすく、しかも作製が容易ではな
い。また、プローブと光検出機構との距離が離れている
ため、その間で光が損失し光検出効率が悪く、感度が悪
くなる。更に、他のSPM装置、特にAFM装置とは装
置の構成が全く異なるため、ユーザーはAFM装置とは
別に、専用のSNOM装置を購入せざるを得ず、ユーザ
ーには大きな負担となってしまう。
【0010】本発明は、従来の集積型AFMセンサある
いはSNOMにおける上記問題点を解消するためになさ
れたもので、従来のSPM、特にAFMとほぼ同様な構
成によりSNOM測定の可能な集積型SPMセンサ及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】上記問題点を解
決するため、本発明は、自由端に探針部を有するカンチ
レバー部と、該カンチレバー部の基端を支持する支持部
と、前記探針部に設けられた光検出機構とを備えた集積
型SPMセンサにおいて、前記光検出機構は、探針部に
集積化された半導体光センサで構成されていることを特
徴とするものである。
【0012】このように、構成した集積型SPMセンサ
の探針部を測定試料表面近傍に発生したエバネッセント
光に接触させると、探針部に設けられた集積化された半
導体光センサによりエバネッセント光が検出される。エ
バネッセント光は光強度信号に変換され、この信号に基
づいて測定試料の表面情報を出力することにより、SN
OM測定が行われる。そして探針部と半導体光センサ
一体化されているため、探針部と半導体光センサを極限
まで近づけることができ、光伝播中の損失を抑えた高感
度のSNOM測定を可能にする。
【0013】また半導体光センサをフォトダイオードで
構成し、該フォトダイオードのPN接合部における空乏
層が探針部の先端部まで形成されるように構成すること
により、探針部先端の高濃度ドーピング層でのフォトキ
ャリアの再結合確率を低減し、エバネッセント光のよう
な微弱光を高感度で検出することが可能となる。
【0014】また、本発明に係る集積型SPMセンサの
製造方法は、カンチレバー部表面と探針部表面に酸化膜
を厚く形成し、前記カンチレバー部表面に垂直な方向で
イオンインプランテーションを行って、探針部及びその
近傍の表面にフォトダイオードを構成するP型(N型)
層を形成する工程を用いたり、また探針部の全表面にフ
ォトダイオード構成するP型(N型)層を形成した後、
探針部表面を酸化し探針部先端のP型(N型)層を除去
する工程を用いたり、またカンチレバー部に探針形成用
マスクを形成してエッチングにより探針部を形成し、次
いで探針形成用マスクをイオンインプランテーション用
マスクとして用い、カンチレバー部を回転しながら、カ
ンチレバー部の表面に対して斜め方向において探針部に
向けてイオンインプランテーションを行い、先端部を除
いて探針部表面にフォトダイオードを構成するP型(N
型)層を形成する工程を用いたり、更にはまたカンチレ
バー部に形成した探針部の先端にフォトダイオードを構
成するP型(N型)層を形成させないためのマスクを設
け、イオンインプランテーションにより探針部表面に先
端部を除いてP型(N型)層を形成する工程を用いるも
のである。
【0015】このような工程を用いて製造することによ
り、フォトダイオードを構成するP型(N型)層が探針
部先端には形成されず空乏層が探針部先端まで形成され
た高光感度のフォトダイオードを、探針部に集積化した
集積型SPMセンサを容易に得ることができる。
【0016】
【実施例】次に実施例について説明する。まず本発明に
係る集積型SPMセンサ及びその製造方法の第1実施例
の製造方法を、図1及び図2に基づいて説明する。な
お、本実施例においては、N型基板を用いて形成する場
合について説明する。まず図1の(A)に示すように、
シリコンウェハ1の表面に酸化シリコンの分離層2を介
してN型シリコン層のレバー構造体部3を設けたもの、
例えば貼り合わせウェハを用意し、このシリコンウェハ
1の裏面とレバー構造体部3の表面に、シリコン酸化膜
4を形成する。
【0017】次に図1の(B)に示すように、シリコン
ウェハ1の裏面の酸化膜4に、カンチレバーの下部を除
去してその変位を自由にし、且つカンチレバー支持部を
形成するためのシリコンウェハ1のエッチング用の開口
部5を設ける。そして、レバー構造体部3を図2に示す
ようなカンチレバー平面形状にパターニングした後、図
示しない探針形成用マスクを設けて探針部6をエッチン
グにより形成し、次いでレバー構造体部3と探針部6の
表面に酸化膜7を形成する。この酸化膜7の厚さは、イ
オンインプランテーションにおけるドープする材料の加
速電圧を考慮した上で、レバー構造体部3の表面に最適
にドーピングされる厚さとする。次に、レジストを表面
に塗布し、イオンインプランテーション用のマスク8を
形成して、ボロンのイオンインプランテーションによ
り、探針部6及びその近傍の表面にP層9を形成する。
この際イオンインプランテーションは、レバー構造体部
3に対して垂直に行われる(図3参照)。このようにレ
バー構造体部3に対してイオンインプランテーションが
垂直に行われた場合、酸化膜7の表面から探針部6の表
面までの距離は、探針部6の先端部における距離をa,
中間における距離をb,裾部における距離をcとする
と、a>b>cとなるので、P層9は探針部6の先端部
には形成されず、探針部6の裾部から頂点に行くにした
がって薄く形成されるようになっている。
【0018】次に図1の(C)に示すように、イオンイ
ンプランテーション用のマスク8を除去した後に、探針
部6のレバー支持部側のP層9の形成されている部分に
レバー構造体部3の表面に接してP+ 層10と、そのP+
層10からレバー支持部側に少し離れたレバー構造体部3
の表面部分にN+ 層11を形成し、これらのP+ 層10及び
+ 層11の上部の酸化膜7にコンタクトホール12,13を
形成する。その後、コンタクトホール12,13を介してP
+ 層10及びN+ 層11に接続した電極部14,15を、例えば
アルミニウムをスパッタリングして、図2に示す表面形
状のようにパターニングし、次いで探針部6の部分のみ
の酸化膜7を除去して、裏面エッチング時に表面を保護
するための、例えばポリイミドからなる表面保護膜16を
表面に形成する。
【0019】次に図1の(D)に示すように、裏面に形
成されている、一部が除去されている酸化膜4をマスク
として、シリコンウェハ1を湿式異方性エッチングによ
り酸化シリコン分離層2までエッチングし、レバー支持
部1aを形成する。最後にカンチレバー部17を自由にす
るためフッ酸で酸化シリコン分離層2の一部を除去し、
表面保護膜16を除去することにより集積型SPMセンサ
が完成する。
【0020】なお、探針部6の先端にP層9が形成され
ないようにする他の方法としては、ボロンをイオンイン
プランテーションした後に、酸化により探針先端のP層
を除去する方法がある。すなわち、図4に示すように、
ボロンをイオンインプランテーションする際に、探針部
6の表面に形成する酸化膜7を薄く形成してイオンイン
プランテーションを行い、P層9を形成したのち、図5
に示すように表面を酸化、例えば熱酸化することにより
酸化膜18を形成する。これにより探針部6の表面のシリ
コンは酸化膜18に変わり、探針部6の先端のP層9も酸
化膜18に変わる。そして、この酸化膜18をフッ酸で除去
することにより、上記第1実施例の製造で得られるもの
と同様な構成のものが得られる。
【0021】次に、第1実施例の製法により得られた集
積型SPMセンサの構成及びその使用態様について、図
1の(D)及び図2を参照しながら説明する。シリコン
ウェハからなるレバー支持部1a上に酸化シリコン分離
層2を介してレバー構造体部3が形成されており、この
レバー構造体部3の自由端側に探針部6が形成され、カ
ンチレバー部17を構成している。そして、探針部6とそ
の近傍の表面にはP層9が形成されている。このP層9
は探針部6の先端には形成されず、探針部6の裾部から
頂点に行くにしたがって薄く形成されている。これは局
所的な光のみをとらえるためで、先端部のみを薄く裾部
を厚くすることにより先端部での光が空乏層に届き易く
なる。またP+ 層10がP層9に接して、且つレバー構造
体部3の表面にも接して形成されており、またN+ 層11
がP+ 層10からレバー支持部1a側に少し離れた部分、
例えば10μm程度離れたレバー構造体部3の表面部分に
形成されている。そして、探針部6とP+ 層10及びN+
層11に対するコンタクトホール12,13部分を除いて、レ
バー構造体部3の表面と側面に酸化膜7が形成されてい
る。またP+ 層10とN+ 層11には、コンタクトホール1
2,13を介して電極部14,15が、それぞれ接続されてい
る。そして、このように構成された集積型SPMセンサ
は、図2に示すように、電極部14にはPN接合部に逆電
圧を印加するための直流定電圧電源19が接続され、電極
部15には電流検出用回路20が接続されて使用されるよう
になっている。
【0022】次に、動作について説明する。上記のよう
に構成された集積型SPMセンサの一方の電極部15に電
流検出用回路20を接続して、該回路20を例えばアース接
続し、他方の電極部14には、直流定電圧電源19を接続
し、例えば、−3V印加して動作させる。このような動
作状態においては、探針部6におけるP層9とN型シリ
コン層よりなるレバー構造体部3の接合部では空乏層が
拡がり、探針部6の先端まで空乏層となる。この探針部
6の先端の空乏層に直接光が入射すると、P層9とレバ
ー構造体部(N型シリコン層)3からなるフォトダイオ
ード内で光電流用キャリアとして寄与するキャリアが多
量に発生し、フォトダイオードに流れる電流も増加す
る。この電流は光の強度に応じて変化するため、この変
化を電流検出用回路20で検知することによって、SNO
M信号を得ることができる。
【0023】この実施例においては、P層9を探針部6
の先端とその近傍を除いた探針部表面に形成したので、
探針部の先端まで空乏層が形成され、光が空乏層に直接
入射される。これにより、光電流用キャリアとして寄与
するキャリアの量が増加し、感度が向上する。またカン
チレバー部自体にフォトダイオード(光検出機構)を集
積化することにより装置の小型化が可能となり、それに
伴い装置が簡易化でき、作製も容易となり振動等の影響
を低減できるようになる。更に、探針部にフォトダイオ
ードを集積化したことにより、探針部(プローブ)と光
検出部との距離が短くなり、その間の光損失が低減し感
度の向上を図ることができる。また、他のSPM装置、
特にAFM装置に、エバネッセント光を発生させる光源
を設け、プローブを本実施例のものに交換するだけでS
NOM測定が可能となり、AFM測定装置とは別個にS
NOM測定装置を用意する必要がなくなり、ユーザの負
担が軽減される。なお、本実施例において、P層とN
層,P+ 層とN+ 層をそれぞれ逆に形成した構造として
もよく、この場合は、印加バイアスの極性を反対にして
使用する。
【0024】次に、第2実施例について説明する。ま
ず、その製造方法の要部を図6及び図7に基づいて説明
する。この実施例の製造方法は、第1実施例の製造方法
とは、ボロンのイオンインプランテーションの方法が異
なるのみであるから、ここではイオンインプランテーシ
ョンに関する工程のみについて説明し、他の工程の説明
は省略する。この実施例においては、第1実施例と同様
にして、図6に示すように、探針形成用マスク21を設け
て、レバー構造体部3に探針部6を形成したのち、探針
形成用マスク21をそのままの状態で残しておき、レバー
構造体部3の表面と探針部6の表面に薄い酸化膜7を形
成する。次いで、探針形成用マスク21をイオンインプラ
ンテーション用のマスクとして、ボロンのイオンインプ
ランテーションを、レバー構造体部3の表面に対し斜め
方向から行い、シリコンウェハ全体を回転させる。これ
により、図7に示すように、P層9は探針部6の先端に
は形成されず、探針部6の途中から裾に向かって形成さ
れる。次いで探針形成用マスク21を除去し、以後第1実
施例と同様な工程により、第1実施例と同様な構成の集
積型SPMセンサが得られる。
【0025】このようにして製造された集積型SPMセ
ンサの構成は上記のように第1実施例と同様であり、そ
の説明は省略するが、効果に関しては、第1実施例と同
様な効果に加え、イオンインプランテーションにより直
接P層の厚さの制御が可能であり、また探針先端からP
層までの距離はイオンインプランテーションを行う傾斜
角度を変えるだけで容易に制御できるので、探針先端部
に適切な空乏層が作製可能となり、一層の感度向上が達
成可能となる。
【0026】次に、第3実施例について説明する。ま
ず、その製造方法の要部を図8に基づいて説明する。こ
の実施例の製造方法は、第1実施例の製造方法とは、ボ
ロンのイオンインプランテーションの方法が異なるのみ
であるから、ここではイオンインプランテーションに関
する工程のみについて説明し、他の工程の説明は省略す
る。この実施例においては、第1実施例と同様にして、
レバー構造体部3に探針部6を形成したのち、レバー構
造体部3の表面と探針部6の表面に薄い酸化膜7を形成
する。次いで、その上にレジストを塗布して、図8に示
すように、イオンインプランテーション用のマスク31を
探針部6の先端部分のみを覆うように形成し、ボロンの
イオンインプランテーションを、レバー構造体部3に対
して垂直に行う。これによりP層9は探針部6の先端に
は形成されず、探針部6の途中から裾に向かって形成さ
れる。その後イオンインプランテーション用マスク31を
除去し、以後第1実施例と同様な工程により、第1実施
例と同様な構成の集積型SPMセンサが得られる。
【0027】このようにして製造された集積型SPMセ
ンサの構成は上記のように第1実施例と同様であり、そ
の説明は省略するが、効果に関しては、第1実施例と同
様な効果に加え、イオンインプランテーションにより直
接P層の厚さの制御が可能であり、また探針先端からP
層までの距離はイオンインプランテーション用マスクの
大きさを変えるだけで容易に制御できるので、探針先端
部に適切な空乏層の生成が可能となり、一層の感度向上
が可能となる。
【0028】次に第4実施例の構成並びに製造方法を、
完成した集積型SPMセンサの正面を示す図9と、その
断面を示す図10に基づいて説明する。この実施例の製造
方法は第1実施例の製造方法とほぼ同様であり、異なる
点は、レバー構造体部3を図9に示すようなレバーを3
本としたカンチレバー平面形状にパターニングし、ボロ
ンのイオンインプランテーションを行う際に、図10に示
すようにピエゾ抵抗層41をレバー構造体部3の中央のレ
バーの表面近傍に同時に形成し、またフォトダイオード
が形成されているレバー構造体部とピエゾ抵抗層41が形
成されているレバー構造体部との間に絶縁層、例えばシ
リコン酸化膜42を形成し、そして前記ピエゾ抵抗層41に
コンタクトホール43,44を介してそれぞれ電極部45,46
を接続形成している点である。したがって、構成におけ
る第1実施例との相違点は、カンチレバー部17を3本の
レバーで形成し、中央のレバーにピエゾ抵抗層41を配設
すると共にシリコン酸化膜42を設け、ピエゾ抵抗層41に
電極部45,46を接続配設した点である。
【0029】次に、第4実施例の製造方法により得られ
た集積型SPMセンサの使用態様及び動作について説明
する。この集積型SPMセンサの使用時には、電極部45
にはピエゾ抵抗層41に電圧を印加するための直流定電圧
電源47を接続し、電極部46には電流検出用回路48を接続
する。そして、電極部45には例えば−3Vを印加し、電
極部46は−0.5 Vにしておく。これにより、カンチレバ
ー部17が変形した際、ピエゾ抵抗層41の抵抗値に変化が
生じ、電流値も変化する。この電流値の変化を電流検出
用回路48により検出することによって、AFM信号を得
ることができる。
【0030】以上のように、この実施例による集積型S
PMセンサにおいては、第1実施例の集積型SPMセン
サの効果に加え、AFMセンサとなるピエゾ抵抗層を組
み込んだため、AFM測定が可能となり、AFMとSN
OMの同時測定も可能となる。
【0031】なお、本実施例では、ピエゾ抵抗層からな
るAFMセンサをカンチレバー部に集積化したものを示
したが、ピエゾ抵抗層を設ける代わりに、カンチレバー
部の裏面に反射膜を設け、光によりカンチレバー部の反
りを測定する光学的手法により、AFM測定を行うよう
に構成してもよい。
【0032】また、本実施例においてはカンチレバー部
のレバーを3本設けたものを示したが、ピエゾ抵抗層の
形成されているレバー構造体部が、光検出部( フォトダ
イオード)が形成されているレバー構造体部と電気的に
絶縁されるように構成されていれば、レバーの本数は何
本でもかまわない。
【0033】また、レバー構造体部とピエゾ抵抗層が逆
バイアスとなっている場合は、フォトダイオードが形成
されているレバー構造体部とピエゾ抵抗層が形成されて
いるレバー構造体部との間に形成したシリコン酸化膜
は、必ずしも必要ではない。
【0034】
【発明の効果】以上実施例に基づいて説明したように、
本発明に係る集積型SPMセンサは、探針部に集積化さ
れた半導体光センサを備えているので、探針部と半導体
光センサとの距離を極めて接近させることができ、その
間の光の損失を抑え高感度のSNOM測定を行うことが
できる。また半導体光センサをフォトダイオードで構成
し、該フォトダイオードのPN接合部における空乏層が
探針部先端にまで形成されるように構成することによ
り、更に感度を向上させることができる。更に、ピエゾ
抵抗素子や反射膜などのAFM測定機能を容易に組み込
むことができ、これによりAFM測定とSNOM測定を
同時に行うことが可能となる。
【0035】また、本発明に係る集積型SPMセンサの
製造方法によれば、フォトダイオードを構成するP型
(N型)層を探針部先端には形成せず、空乏層を探針部
先端に適切に形成した集積型SPMセンサを容易に製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る集積型SPMセンサの第1実施例
の製造方法を説明するための製造工程図である。
【図2】図1に示した製造方法により製造された集積型
SPMセンサの構成並びに動作回路の接続態様を示す図
である。
【図3】図1に示した製造方法におけるボロンのイオン
インプランテーションの態様を示す図である。
【図4】第1実施例の製造方法の変形例の製造工程を示
す図である。
【図5】図4に示した製造工程に続く製造工程を示す図
である。
【図6】第2実施例の製造方法の製造工程の要部を示す
図である。
【図7】図6に示した製造工程に続く製造工程を示す図
である。
【図8】第3実施例の製造方法の製造工程の要部を示す
図である。
【図9】第4実施例の正面図及び動作回路の接続態様を
示す図である。
【図10】第4実施例の断面を示す図である。
【符号の説明】
1 シリコンウェハ 1a カンチレバー支持部 2 酸化シリコン分離層 3 レバー構造体部 4 酸化膜 5 開口部 6 探針部 7 酸化膜 8 マスク 9 P層 10 P+ 層 11 N+ 層 12,13 コンタクトホール 14,15 電極部 16 表面保護膜 17 カンチレバー部 18 酸化膜 19 直流定電圧電源 20 電流検出用回路 21 探針形成用マスク 31 イオンインプランテーション用マスク 41 ピエゾ抵抗層 42 シリコン酸化膜 43,44 コンタクトホール 45,46 電極部 47 直流定電圧電源 48 電流検出用回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−134187(JP,A) 特開 平5−196458(JP,A) 特開 平6−89439(JP,A) 特開 平4−311839(JP,A) 特開 平6−29358(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 13/10 - 13/24 G12B 21/00 - 21/24 JICSTファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自由端に探針部を有するカンチレバー部
    と、該カンチレバー部の基端を支持する支持部と、前記
    探針部に設けられた光検出機構とを備えた集積型SPM
    センサにおいて、前記光検出機構は、探針部に集積化さ
    れた半導体光センサで構成されていることを特徴とする
    集積型SPMセンサ。
  2. 【請求項2】 前記集積化された半導体光センサは、フ
    ォトダイオードで構成され、該フォトダイオードのPN
    接合部における空乏層が探針部先端にまで形成されてい
    ることを特徴とする請求項記載の集積型SPMセン
    サ。
  3. 【請求項3】 前記フォトダイオードは、探針部を構成
    するN型(P型)基板と探針部の表面に形成されたP型
    (N型)層とで構成され、該P型(N型)層は探針部の
    裾部から先端に近づくにしたがって薄く形成されている
    ことを特徴とする請求項記載の集積型SPMセンサ。
  4. 【請求項4】 前記P型(N型)層は探針部の先端部の
    表面には形成されていないことを特徴とする請求項
    載の集積型SPMセンサ。
  5. 【請求項5】 自由端に探針部を有するカンチレバー部
    と、該カンチレバー部の基端を支持する支持部と、前記
    探針部に集積して設けられたフォトダイオードとを有す
    る集積型SPMセンサの製造方法において、カンチレバ
    ー部表面と探針部表面に酸化膜を厚く形成し、前記カン
    チレバー部表面に垂直な方向でイオンインプランテーシ
    ョンを行って、探針部及びその近傍の表面にフォトダイ
    オードを構成するP型(N型)層を形成する工程を含む
    ことを特徴とする集積型SPMセンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 自由端に探針部を有するカンチレバー部
    と、該カンチレバー部の基端を支持する支持部と、前記
    探針部に集積して設けられたフォトダイオードとを有す
    る集積型SPMセンサの製造方法において、探針部の全
    表面にフォトダイオード構成するP型(N型)層を形成
    した後、探針部表面を酸化し探針部先端のP型(N型)
    層を除去する工程を含むことを特徴とする集積型SPM
    センサの製造方法。
  7. 【請求項7】 自由端に探針部を有するカンチレバー部
    と、該カンチレバー部の基端を支持する支持部と、前記
    探針部に集積して設けられたフォトダイオードとを有す
    る集積型SPMセンサの製造方法において、カンチレバ
    ー部に探針形成用マスクを形成してエッチングにより探
    針部を形成し、次いで探針形成用マスクをイオンインプ
    ランテーション用マスクとして用い、カンチレバー部を
    回転しながら、カンチレバー部の表面に対して斜め方向
    において探針部に向けてイオンインプランテーションを
    行い、先端部を除いて探針部表面にフォトダイオードを
    構成するP型(N型)層を形成する工程を含むことを特
    徴とする集積型SPMセンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 自由端に探針部を有するカンチレバー部
    と、該カンチレバー部の基端を支持する支持部と、前記
    探針部に集積して設けられたフォトダイオードとを有す
    る集積型SPMセンサの製造方法において、カンチレバ
    ー部に形成した探針部の先端にフォトダイオードを構成
    するP型(N型)層を形成させないためのマスクを設
    け、イオンインプランテーションにより探針部表面に先
    端部を除いてP型(N型)層を形成する工程を含むこと
    を特徴とする集積型SPMセンサの製造方法。
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