JPH09166608A - 集積型spmセンサ - Google Patents

集積型spmセンサ

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JPH09166608A
JPH09166608A JP34691295A JP34691295A JPH09166608A JP H09166608 A JPH09166608 A JP H09166608A JP 34691295 A JP34691295 A JP 34691295A JP 34691295 A JP34691295 A JP 34691295A JP H09166608 A JPH09166608 A JP H09166608A
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JP
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cantilever portion
liquid
probe
integrated
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JP34691295A
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Nobutaka Kamiya
宜孝 神谷
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液中観察におけるacモード測定において、
分解能を向上させた集積型SPMセンサを提供する。 【解決手段】 レバー支持部1と、自由端に探針部3を
備え、基端を前記レバー支持部1上に酸化シリコン層2
を介して支持させた窒化シリコンからなる第1のカンチ
レバー部4と、該第1のカンチレバー部4の両側に配置
され先端部にPNフォトダイオード部を備え、基端を酸
化シリコン層2を介して前記レバー支持部1に支持させ
たN型シリコン層5からなる第2のカンチレバー部6と
を備え、該第2のカンチレバー部6に折曲部14を形成し
て、前記第2のカンチレバー部6のPNフォトダイオー
ド部を、前記第1のカンチレバー部4の探針部3の形成
面より該探針部3の突出方向に突出させて、集積型SP
Mセンサを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、走査型プローブ
顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope )に用い
られる集積型SPMセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、SPMに属するものとして、19
80年代後半以降、エバネッセント波を用いることによ
り回折限界を超える分解能を有する光学顕微鏡が提案さ
れている。この顕微鏡は、近視野顕微鏡(SNOM:Sc
anning near field optical microscope)と呼ばれてい
る。このSNOMは、エバネッセント波が“波長より小
さい寸法の領域に局在し、自由空間を伝搬しない”とい
う特性を利用したものである。
【0003】SNOMの測定原理は、まず、測定試料の
表面近傍に1波長程度以下の距離まで光ファイバーのプ
ローブを近づけて、プローブ先端の微小開口を通過する
光強度の地図を作成することによって、測定試料に対す
る解像が成されるものである。SNOMとしてはいくつ
かの方式が提案されているが、大別すると2つの方式が
提案されている。その一つはコレクション方式と呼ば
れ、試料の下から光を照射した時に、試料を透過し試料
表面近傍に局在したエバネッセント波を、プローブを介
して検出しSNOM像とする方式である。他の方式は、
微小開口を持ったプローブから試料に対して光を照射
し、試料を透過した光を、試料下に設置された光検出器
によって検出するという、いわゆるエミッション方式と
呼ばれる方式である。この方式は、例えば特開平4−2
91310号(AT&T;R. E. Betzig)に開示されて
いる。
【0004】更に、最近では、光ファイバーのプローブ
の代わりにカンチレバーを用いてSNOM測定と原子間
力顕微鏡(AFM)測定を同時に行う方法が、N. F. Va
n Hulst らにより提案されている。このSNOMは、例
えば、N. F. Van Hulst, M.H. P. Moers, O. F. J. Noo
rdman, R. G. Tack, F. B. Stegerink and B. Bolger
の論文“ Near-field optical microscope using a sil
icon-nitride probe "{ Appl. Phys. Lett. 62, 461-4
63(1993)}に開示されている。
【0005】更に、シリコン製のカンチレバーにフォト
ダイオードを集積化したSNOM用光検出カンチレバー
も、第55回応用物理学会学術講演会講演予稿集、21p−
Q−6,21p−Q−7に報告されている。そして、この
SNOMを利用して、最近では生体試料の液中観察も盛
んに行われている。
【0006】上記AFMとは、SNOMと同様にSPM
に属するものであって、特開昭62−130302号
(IBM,G.ビニッヒ;サンプル表面の像を形成する
方法及び装置)に提案されている装置であり、自由端に
鋭い突起部分(探針部)を持つカンチレバーを、試料に
対向・近接させ、探針部の先端の原子と試料原子との間
に働く相互作用力により、変位するカンチレバーの動き
を電気的あるいは光学的にとらえて測定しつつ、試料を
XY方向に走査し、カンチレバーの探針部との位置関係
を相対的に変化させることによって、試料の凹凸情報な
どを3次元的にとらえることができるようになっている
ものである。
【0007】このAFMにおいては、カンチレバーの変
位を測定する変位測定センサは、カンチレバーとは別途
に設けるのが一般的である。しかし最近では、カンチレ
バー自体に変位を測定できる機能を付加した集積型AF
Mセンサが、M.Tortonese らにより提案されている。こ
の集積型AFMセンサは、例えばM.Tortonese,H.Yamad
a, R.C.Barrett and C.F.Quate の論文“Atomic force
microscopy using a piezoresistive cantilever ”(T
ransducers and Sensors '91 )や、PCT出願WO9
2/12398に開示されている。
【0008】ここでカンチレバーの変位測定原理として
は、圧電抵抗効果を利用している。すなわち探針先端を
測定試料に近接させると、探針と試料間に働く相互作用
力によりカンチレバー部がたわみ、歪みを生じる。カン
チレバー部には抵抗層が積層されていて、カンチレバー
の歪みに応じてその抵抗値が変化する。従って、抵抗層
に対して電極部より定電圧を加えておけば、カンチレバ
ーの歪み量に応じて抵抗層を流れる電流が変化し、電流
の変化を検出することにより、カンチレバーの変位量を
知ることが出来る。
【0009】このような集積型AFMセンサは、構成が
極めて簡単で小型であることから、カンチレバー側を走
査するいわゆるスタンドアロン型のAFMを構成できる
ようになると期待されている。従来のAFMでは試料を
XY方向に動かしてカンチレバー先端の探針との相対的
位置関係を変化させるため、試料の大きさが最大数cm程
度に限られるが、スタンドアロン型のAFMは、このよ
うな試料の大きさの制限を取り除くことができるという
利点がある。
【0010】次に、従来の集積型AFMセンサの構成例
を図9を参照して説明する。まず製造工程について説明
する。スタートウェハ100 として、図9の(A)に示す
ように、レバー支持部となるシリコンウェハ110 の上に
酸化シリコンの分離層112 を介してN型シリコン層114
を設けたもの、例えば貼り合わせウェハを用意する。次
に、N型シリコン層114 の極表面にイオンインプランテ
ーションによりボロンBを打ち込んでピエゾ抵抗層116
を形成し、図9の(D)に図示した形状にパターニング
した後、表面を酸化シリコン膜等の絶縁層118 で覆う。
そしてカンチレバーの固定端側にボンディング用の穴を
あけ、アルミニウムをスパッタリングして電極120 を形
成する。更に、レバー支持部となるシリコンウェハ112
の下側にレジスト層122 を形成し、このレジスト層122
をパターニングし開口を形成して、図9の(B)に示す
ような形状とする。続いて、オーミックコンタクトをと
るための熱処理をした後、レジスト層122 をマスクとし
て湿式異方性エッチングにより分離層112 までエッチン
グし、最後にフッ酸でカンチレバー部124 下部の分離層
112 をエッチングしてカンチレバー部124 を形成して、
集積型AFMセンサが完成する。その側断面図を図9の
(C)に、その上面図を図9の(D)に示す。このよう
にして作製した集積型AFMセンサにおいては、測定の
際には、2つの電極120 の間に数ボルト以下のDC電圧
を印加し、カンチレバー部124 の先端を試料に接近させ
る。カンチレバー部124 の先端と試料表面の原子間に相
互作用力が働くと、カンチレバー部124 が変位する。こ
れに応じてピエゾ抵抗層116 の抵抗値が変化するため、
カンチレバー部124 の変位が2つの電極120 の間に流れ
る電流信号として得られるようになっている。
【0011】また更に、近年、カンチレバーのねじれ量
(LFM信号)が検出できる機能を付加した集積型SP
Mセンサが提案されている。かかる機能をもつ集積型S
PMセンサは、例えば特開平5−063547号に開示
されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の光フ
ァイバープローブを用いたSNOM、又はシリコン製カ
ンチレバーにフォトダイオードを集積化したAFMセン
サは、先に述べたように生体試料の液中観察に用いられ
ているが、液中観察の際にカンチレバーを振動させるa
cモードにおいては、液体の抵抗が大きくなり、カンチ
レバーを振動させにくいという問題点がある。また、液
中観察において光検出器部分は大気中に配置されている
ため、探針部で散乱された散乱光が液体と大気の界面で
散乱し、大気中に配置されている光検出器で検出したい
光を効率よく検出できないという問題点がある。
【0013】本発明は、従来の集積型SPMセンサにお
ける上記問題点を解消するためになされたもので、請求
項1記載の発明は、液中観察においてacモード測定が
可能で分解能の高いSNOM測定の可能な集積型SPM
センサを提供することを目的とする。また請求項2及び
3記載の発明は、半導体プロセスを用いて低コストで容
易に作製可能な集積型SPMセンサを提供することを目
的とし、また請求項4及び5記載の発明は、更に低コス
トで容易に作製可能な集積型SPMセンサを提供するこ
とを目的とし、また請求項6及び7記載の発明は、更に
高感度化を可能にする集積型SPMセンサを提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1記載の発明は、自由端に突出形成した探針
部を有する第1のカンチレバー部と、集積化された光検
出機構の配置部分を前記第1のカンチレバーの探針部の
突出形成面より、該探針部の突出方向に突出するように
配設した第2のカンチレバー部と、前記第1及び第2の
カンチレバー部の基端を支持する支持部と、前記光検出
機構からの信号より測定試料表面情報を出力する回路と
で集積型SPMセンサを構成するものである。
【0015】このように構成した集積型SPMセンサを
用いてSNOM測定を行う場合は、測定試料の裏面から
プリズムを介して臨界角で光を照射し、測定試料表面近
傍で発生したエバネッセント光を、第1のカンチレバー
部に形成された探針部で散乱し、その散乱光を第2のカ
ンチレバー部に配置された光検出機構により検知する。
そして検知された散乱光は光強度信号に変換され、この
信号に基づいて測定試料の表面情報を出力する。この
際、液中観察をacモード測定で行う場合、第1のカン
チレバー部の探針部のみを液中に配置することにより容
易に振動させることができ、また第2のカンチレバー部
の光検出機構の配置部分を液中に配置させることによ
り、探針部で散乱した散乱光を効率よく検出することが
可能となり、分解能の高いSNOM測定を実現すること
ができる。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の集
積型SPMセンサにおいて、第2のカンチレバー部に折
曲部を設けて光検出機構配置部分を突出して配設するも
のであり、また請求項3記載の発明は、請求項2記載の
集積型SPMセンサにおいて、第2のカンチレバー部を
シリコンで構成し、第2のカンチレバー部の折曲部をシ
リコンの面方位を利用して形成するものである。このよ
うに構成することにより、請求項1記載の集積型SPM
センサを半導体プロセスを利用して容易に作製すること
ができる。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1記載の集
積型SPMセンサにおいて、第2のカンチレバー部を弯
曲して形成し、光検出機構配置部分を突出して配設する
ものであり、また請求項5記載の発明は、請求項4記載
の集積型SPMセンサにおいて、第2のカンチレバー部
の表面に応力弯曲用膜を設けて構成するものである。こ
のように構成することにより、請求項1記載の集積型S
PMセンサを更に簡単なプロセスで容易に作製すること
ができる。
【0018】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれか1項に記載の集積型SPMセンサにおいて、第2
のカンチレバー部に設けた光検出機構の受光面を、試料
台上面と平行になるように構成するものであり、また請
求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記
載の集積型SPMセンサにおいて、第2のカンチレバー
部に配設された光検出機構を、第1のカンチレバー部に
形成された探針部を囲むように形成するものである。こ
のように構成することにより、更に高感度化の可能な集
積型SPMセンサを実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に実施例について説明する。図
1は本発明に係る集積型SPMセンサの第1の実施の形
態の外観を示す斜視図である。図2は、図1に示した第
1の実施の形態の表面の絶縁層を除去して示す概略平面
図であり、図3は、図2のAで示した部分の拡大した横
方向断面図である。図において、1はレバー支持部で、
該レバー支持部1上に酸化シリコン層2を介して、自由
端に探針部3を備え、窒化シリコンで形成された第1の
カンチレバー部4の基端が支持されている。なお、探針
部3は窒化シリコンで第1のカンチレバー部4と一体的
に形成されている。また前記レバー支持部1には、酸化
シリコン層2を介して前記第1のカンチレバー部4の両
側に、N型シリコン層5からなる第2のカンチレバー部
6の基端が支持されている。
【0020】そして、第2のカンチレバー部6を構成す
るN型シリコン層5には、N+ 型シリコン層7及びP型
シリコン層8が形成されており、更にP型シリコン層8
にはP+ 型シリコン層9が形成されていて、前記P型シ
リコン層8とN型シリコン層5とでPNフォトダイオー
ドを構成している。また、P+ 型シリコン層9とN+
シリコン層7には、酸化シリコン層2に形成したコンタ
クトホール10,11を介して、アルミニウム等の電極12,
13がそれぞれ接続されている。なお、酸化シリコン層2
はコンタクトホール10,11を除いて、第2のカンチレバ
ー部6及び電極12,13の全面を覆っている。また、第2
のカンチレバー部6には折曲部14が設けられており、こ
の折曲部14はシリコンの面方位を利用して形成されてい
る。そして、電極12,13間には、光を検出するために所
定の逆バイアスの電圧が印加されるようになっており、
例えば、電極13には電流検出用のオペアンプ15が接続さ
れGND電位に保たれており、電極12には直流定電圧電
源16が接続され、負の電圧が数V印加されている。
【0021】次に、このように構成された第1の実施の
形態の集積型SPMセンサの液中測定動作を、図4に基
づいて説明する。液中測定においては、図4に示すよう
に、第1のカンチレバー部4の探針部3の先端部と、第
2のカンチレバー部6の先端のPNフォトダイオード部
のみが液体21中に配置され、第1のカンチレバー部4自
体は液体21に接触しないように配置されている。このよ
うな配置状態で、acモード測定を行うと、第1のカン
チレバー部自体は液体21に接触していないため、液体21
の抵抗を受けずに第1のカンチレバー部4は振動しやす
くなる。また、光検出部となる第2のカンチレバー部6
のPNフォトダイオード部は液中にあるために、測定試
料22の表面近傍で発生したエバネッセント光を探針部3
で散乱した散乱光23は、大気と液体の界面での光の散乱
を受けずに、光検出部により効率よく検出され、検出効
率の低下を防ぐことができる。
【0022】上記のように集積型SPMセンサを構成す
ることにより、図9に示した集積型SPMセンサの製造
方法と同様な手法で、半導体プロセスで作製できるた
め、バッチ処理が可能となり、コストの低減を図ること
ができる。更に、第1のカンチレバー部4の反りを検出
する手段、例えばピエゾ抵抗層を第1のカンチレバー部
4に設けて電気的にカンチレバー部の反りを検出した
り、あるいは第1のカンチレバー部4の裏面に反射膜を
コーディングして光学的にカンチレバー部の反りを検出
するように構成することにより、AFMとSNOMの同
時測定が可能となる。
【0023】なお、本実施の形態において、第2のカン
チレバー部及びフォトダイオードを構成するP型シリコ
ン層とN型シリコン層,P+ 型シリコン層とN+ 型シリ
コン層を、それぞれ逆に選択して構成してもよく、その
場合は印加バイアスの極性も反対にする。また、本実施
の形態においては、第1のカンチレバー部及び探針部を
窒化シリコンで形成したものを示したが、例えば、シリ
コン,酸化シリコン,ダイヤモンド,DLC等、どのよ
うな材質で構成してもよい。
【0024】次に、第2の実施の形態について説明す
る。図5は第2の実施の形態を示す全体斜視図で、図6
は図5においてBで示す部分の拡大断面図である。この
実施の形態も図9に示した集積型SPMセンサの製造方
法と同様な手法で作製できるものである。図において、
31はレバー支持部で、該レバー支持部31上には酸化シリ
コン層32を介して、窒化シリコンで構成された第1のカ
ンチレバー部33の基端が支持されており、その自由端側
には窒化シリコン製の探針部34が設けられている。ま
た、前記レバー支持部31には、酸化シリコン層32を介し
て前記第1のカンチレバー部33の両側に、N型シリコン
層35からなる第2のカンチレバー部36の基端が支持され
ている。
【0025】そして、第2のカンチレバー部36を構成す
るN型シリコン層35の先端面には、N+ 型シリコン層37
及びP型シリコン層38が形成されており、更にP型シリ
コン層38にはP+ 型シリコン層39が形成されていて、前
記P型シリコン層38とN型シリコン層35とでPNフォト
ダイオードを構成している。また、N+ 型シリコン層37
とP+ 型シリコン層39には、酸化シリコン層32に形成し
たコンタクトホール40,41を介してアルミニウム等の電
極42,43がそれぞれ接続されている。なお、酸化シリコ
ン層32はコンタクトホール40,41を除いて、第2のカン
チレバー部36及び電極42,43の全面を覆っている。更
に、第2のカンチレバー部36の表面には、応力の高い
膜、例えば窒化シリコン膜44が形成されていて、第2の
カンチレバー部36を反らせて弯曲させ、その先端に設け
たPNフォトダイオード部の受光面が、サンプル台の上
面と平行になるように構成されている。
【0026】そして、第1の実施の形態と同様に、電極
42,43間には、光を検出するために所定の逆バイアスの
電圧が印加されるようになっており、例えば、電極43に
は電流検出用のオペアンプが接続されGND電位に保た
れており、電極42には直流定電圧電源が接続され、負の
電圧が数V印加されるようになっている。
【0027】以上のように集積型SPMセンサを構成す
ることにより、半導体プロセスを用いて作製できるた
め、バッチ処理が可能となり、コストを低減することが
可能となる。また、第2のカンチレバー部36の表面に窒
化シリコン膜等の応力の高い膜を堆積するだけで弯曲さ
せることができ、折曲部を形成することなく第2のカン
チレバー部を突出形成することができるため、プロセス
の簡略化が可能となる。更に、第1のカンチレバー部33
の反りを検出する手段、例えばピエゾ抵抗層を第1のカ
ンチレバー部33に設け、電気的にカンチレバー部の反り
を検出することにより、あるいは第1のカンチレバー部
33の裏面に反射膜をコーディングし光学的にカンチレバ
ー部の反りを検出することにより、AFM測定も可能と
なり、AFMとSNOMの同時測定が可能となる。そし
て、液中観察におけるacモード測定を、第1のカンチ
レバー部自体を液体に接触させずに行うことができるた
め、第1のカンチレバー部は液体の抵抗を受けずに振動
しやすくなり、効率的な測定を行うことができる。ま
た、第2のカンチレバー部に設けたフォトダイオードか
らなる光検出部を液中に配置して測定を行うことができ
るので、大気と液体の界面での光の散乱による検出効率
の低下を防ぐことができ、効率的な光検出を行うことが
できる。更にまた、第2のカンチレバー部に設けたフォ
トダイオードの受光面をサンプル台の上面と平行になる
ように構成しているため、第2のカンチレバー部の上面
にフォトダイオードを形成して弯曲させた場合に比べ
て、検出効率を向上させることができる。
【0028】なお、本実施の形態においても、第2のカ
ンチレバー部及びフォトダイオードを構成するP型シリ
コン層とN型シリコン層,P+ 型シリコン層とN+ 型シ
リコン層を、それぞれ逆に選択して構成してもよく、そ
の場合は印加バイアスの極性も反対にする。また、本実
施の形態においては、第1のカンチレバー部及び探針部
を窒化シリコンで形成したものを示したが、例えば、シ
リコン,酸化シリコン,ダイヤモンド,DLC等、どの
ような材質で構成してもよい。更に、本実施の形態にお
いては、応力弯曲用膜として窒化シリコン膜を用い第2
のカンチレバー部の表面に堆積したものを示したが、電
極を形成している膜の応力を利用して第2のカンチレバ
ー部を弯曲させるように構成してもよい。
【0029】次に、第3の実施の形態について説明す
る。図7は第3の実施の形態を示す全体斜視図で、図8
は図7に示した第3の実施の形態の探針部側からみた平
面図であり、この実施の形態も図9に示した集積型SP
Mセンサの製造方法と同様な手法で作製できるもきであ
る。図において、51ははレバー支持部で、該レバー支持
部51上には酸化シリコン層52を介して、窒化シリコンで
構成された第1のカンチレバー部53の基端が支持されて
おり、その自由端側には窒化シリコン製の探針部54が設
けられている。また、前記レバー支持部51には、酸化シ
リコン層52を介して前記第1のカンチレバー部53を囲む
ようにコ字状に形成された、N型シリコン層55からなる
第2のカンチレバー部56の両基端が支持されている。
【0030】そして、第2のカンチレバー部56を構成す
るN型シリコン層には、N+ 型シリコン層57と前記第1
のカンチレバー部53の探針部54を囲むようにP型シリコ
ン層58が形成されており、更にP型シリコン層58にはP
+ 型シリコン層59が形成されていて、前記P型シリコン
層58と第2のカンチレバー部を構成するN型シリコン層
とでPNフォトダイオードを構成している。また、N+
型シリコン層57とP+型シリコン層59には、酸化シリコ
ン層52に形成したコンタクトホール60,61を介してアル
ミニウム等の電極62,63がそれぞれ接続されている。な
お、酸化シリコン層52はコンタクトホール60,61を除い
て、第2のカンチレバー部56及び電極62,63の全面を覆
っている。また第2のカンチレバー部56には両脚に折曲
部64が設けられており、この折曲部64はシリコンの面方
位を利用して形成されている。そして、電極62,63間に
は、光を検出するために所定の逆バイアスの電圧が印加
されるようになっており、例えば、電極63には電流検出
用のオペアンプが接続されGND電位に保たれており、
電極62には直流定電圧電源が接続され、負の電圧が数V
印加されるようになっている。
【0031】以上のように集積型SPMセンサを構成す
ることにより、半導体プロセスを用いて作製できるた
め、バッチ処理が可能となり、コストを低減することが
可能となる。更に、第1のカンチレバー部の反りを検出
する手段、例えばピエゾ抵抗層を第1のカンチレバー部
53に設け、電気的にカンチレバー部の反りを検出するこ
とにより、あるいは第1のカンチレバー部53の裏面に反
射膜をコーディングし光学的にカンチレバー部の反りを
検出するように構成することにより、AFM測定も可能
となり、AFMとSNOMの同時測定が可能となる。そ
して、液中観察におけるacモード測定を、第1のカン
チレバー部自体を液体に接触させずに行うことができる
ため、第1のカンチレバー部は液体の抵抗を受けずに振
動しやすくなり、効率的な測定を行うことができる。ま
た、第2のカンチレバー部に設けたフォトダイオードか
らなる光検出部を液中に配置して測定を行うことができ
るので、大気と液体の界面での光の散乱による検出効率
の低下を防ぐことができ、効率的な光検出を行うことが
できる。更にまた、フォトダイオードを構成するP型シ
リコン層58を探針部54を囲むように形成することによ
り、フォトダイオードの受光面が拡大し、探針部によっ
て散乱された散乱光をより多く検出できるようになり、
感度を向上させることができる。
【0032】なお、本実施の形態においても、第2のカ
ンチレバー部及びフォトダイオードを構成するP型シリ
コン層とN型シリコン層,P+ 型シリコン層とN+ 型シ
リコン層を、それぞれ逆に選択して構成してもよく、そ
の場合は印加バイアスの極性も反対にする。また、本実
施の形態においても、第1のカンチレバー部及び探針部
を窒化シリコンで形成したものを示したが、例えば、シ
リコン,酸化シリコン,ダイヤモンド,DLC等、どの
ような材質で構成してもよい。
【0033】
【発明の効果】以上実施の形態に基づいて説明したよう
に、請求項1記載の発明によれば、液中観察におけるa
cモード測定において、探針部と、光検出機構部を設け
た第2のカンチレバー部は液中に配置し、探針部を設け
た第1のカンチレバー部自体は液体に接触しないように
配置することができるので、第1のカンチレバー部は液
体の抵抗を受けずに振動しやすくなり、また光検出機構
部は液中に配置され大気と液体の界面での光の散乱によ
る検出効率の低下を防ぐことができる。また請求項2及
び3記載の発明によれば、半導体プロセスを利用して簡
単に且つ一度に大量生産することが可能となり、コスト
の低減を図ることができる。また第1のカンチレバー部
の反りを検出する手段を設けることにより、AFM測定
も可能となり、AFMとSNOMの同時測定が可能とな
る。また請求項4及び5記載の発明によれば、第2のカ
ンチレバー部に応力の高い膜を形成するだけで弯曲させ
ることができ、折曲部を設ける必要がなくなり作製プロ
セスを簡略化することができる。また請求項6記載の発
明によれば、光検出機構の受光面を試料台の上面と平行
に形成されているため、検出効率を一層向上させること
ができる。また請求項7記載の発明によれば、光検出機
構の受光面積を拡大できるため、散乱光をより多く検出
でき感度向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る集積型SPMセンサの第1の実施
の形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示した集積型SPMセンサの探針部側か
らみた一部省略した平面図である。
【図3】図2のAで示した部分の拡大断面図である。
【図4】図1〜図3に示した第1の実施の形態の使用態
様を示す図である。
【図5】第2の実施の形態を示す全体斜視図である。
【図6】図5のBで示した部分の拡大断面図である。
【図7】第3の実施の形態を示す全体斜視図である。
【図8】図7に示した集積型SPMセンサの探針部側か
らみた一部省略した平面図である。
【図9】従来の集積型AFMセンサ及びその製造方法を
説明するための製造工程図である。
【符号の説明】
1 レバー支持部 2 酸化シリコン層 3 探針部 4 第1のカンチレバー部 5 N型シリコン層 6 第2のカンチレバー部 7 N+ 型シリコン層 8 P型シリコン層 9 P+ 型シリコン層 10,11 コンタクトホール 12,13 電極 14 折曲部 15 オペアンプ 16 直流定電圧電源 21 液体 22 測定試料 23 散乱光 31 レバー支持部 32 酸化シリコン層 33 第1のカンチレバー部 34 探針部 35 N型シリコン層 36 第2のカンチレバー部 37 N+ 型シリコン層 38 P型シリコン層 39 P+ 型シリコン層 40,41 コンタクトホール 42,43 電極 44 窒化シリコン膜 51 レバー支持部 52 酸化シリコン層 53 第1のカンチレバー部 54 探針部 56 第2のカンチレバー部 57 N+ 型シリコン層 58 P型シリコン層 59 P+ 型シリコン層 60,61 コンタクトホール 62,63 電極 64 折曲部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自由端に突出形成した探針部を有する第
    1のカンチレバー部と、集積化された光検出機構の配置
    部分を前記第1のカンチレバーの探針部の突出形成面よ
    り、該探針部の突出方向に突出するように配設した第2
    のカンチレバー部と、前記第1及び第2のカンチレバー
    部の基端を支持する支持部と、前記光検出機構からの信
    号より測定試料表面情報を出力する回路とを備えている
    ことを特徴とする集積型SPMセンサ。
  2. 【請求項2】 前記第2のカンチレバー部に折曲部を設
    けて前記光検出機構配置部分を突出して配設したことを
    特徴とする請求項1記載の集積型SPMセンサ。
  3. 【請求項3】 前記第2のカンチレバー部はシリコンで
    構成され、該第2のカンチレバー部の折曲部はシリコン
    の面方位を利用して形成されていることを特徴とする請
    求項2記載の集積型SPMセンサ。
  4. 【請求項4】 前記第2のカンチレバー部は弯曲して形
    成され、前記光検出機構配置部分を突出配設しているこ
    とを特徴とする請求項1記載の集積型SPMセンサ。
  5. 【請求項5】 前記第2のカンチレバー部は、その表面
    に応力弯曲用膜を備えていることを特徴とする請求項4
    記載の集積型SPMセンサ。
  6. 【請求項6】 前記第2のカンチレバー部の光検出機構
    の受光面が試料台上面に平行になるように構成されてい
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の集積型SPMセンサ。
  7. 【請求項7】 前記第2のカンチレバー部に配設された
    光検出機構は、前記第1のカンチレバー部に形成された
    探針部を囲むように形成されていることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれか1項に記載の集積型SPMセン
    サ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100466157B1 (ko) * 2001-11-21 2005-01-14 재단법인서울대학교산학협력재단 원자간력 현미경용 단일/멀티 캔틸레버 탐침 및 그의제조방법
KR100466158B1 (ko) * 2001-11-21 2005-01-14 재단법인서울대학교산학협력재단 원자간력 현미경용 고해상도 단일/멀티 캔틸레버 탐침 및그의 제조방법
JP2006138633A (ja) * 2004-10-15 2006-06-01 Olympus Corp 光学系及び光学装置

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