JPH0886794A - 集積型spmセンサ及びその製造方法 - Google Patents

集積型spmセンサ及びその製造方法

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JPH0886794A
JPH0886794A JP24486694A JP24486694A JPH0886794A JP H0886794 A JPH0886794 A JP H0886794A JP 24486694 A JP24486694 A JP 24486694A JP 24486694 A JP24486694 A JP 24486694A JP H0886794 A JPH0886794 A JP H0886794A
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JP
Japan
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cantilever
sensor
probe
integrated
forming
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JP24486694A
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Michio Takayama
美知雄 高山
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体光センサの特性を損なうことなく、A
FM測定におけるレバー特性因子を自由に選択できるよ
うにした集積型SPMセンサ及びその製造方法を提供す
る。 【構成】 片持ち梁2と、該片持ち梁2の基部に形成さ
れた支持部3と、片持ち梁2の先端に形成された凸型突
起部4と、該凸型突起部4上に形成された探針5と、前
記凸型突起部4上に形成されたフォトダイオード6と、
該フォトダイオード6に接続され、支持部3に向けて形
成された配線7とで集積型SPMセンサを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、走査型プローブ顕微
鏡(SPM:Scanning Probe Microscope )に用いられ
る集積型SPMセンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1980年代後半以降、エバネッセント
波を用いることにより回折限界を超える分解能を有する
光学顕微鏡が提案されている。この顕微鏡は、近視野顕
微鏡(SNOM:Scanning near field optical micros
cope)と呼ばれている。このSNOMは、エバネッセン
ト波が“波長より小さい寸法の領域に局在し、自由空間
を伝搬しない”という特性を利用したものである。
【0003】SNOMの測定原理は、まず、測定試料の
表面近傍に1波長程度以下の距離までプローブを近づけ
て、プローブ先端の微小開口を通過する光強度の地図を
作成することによって、測定試料に対する解像が成され
るものである。SNOMとしてはいくつかの方式が提案
されているが、大別すると2つの方式が提案されてい
る。その一つはコレクション方式と呼ばれ、試料の下か
ら光を照射した時に、試料を透過し試料表面近傍に局在
したエバネッセント波を、プローブを介して検出しSN
OM像とする方式である。他の方式は、微小開口を持っ
たプローブから試料に対して光を照射し、試料を透過し
た光を、試料下に設置された光検出器によって検出する
という、いわゆるエミッション方式と呼ばれる方式であ
る。この方式は、例えば特開平4−291310号(A
T&T;R. E. Betzig)に開示されている。
【0004】更に、最近では、光ファイバーのブローブ
の代わりにカンチレバーを用いてSNOM測定と原子間
力顕微鏡(AFM)測定を同時に行う方法が、N. F. Va
n Hulst,らにより提案されている。このSNOMは、例
えば、N. F. Van Hulst, M.H. P. Moers, O. F. J. Noo
rdman, R. G. Track, F. B. Stegerink and B. Bolger
の論文“ Near-field optical microscope using a sil
icon-nitride probe "{ Appl. Phys. Lett. 62, 461-4
63(1993)}に開示されている。
【0005】なお、ここでAFMとは、特開昭62−1
30302号(IBM,G.ビニッヒ;サンプル表面の
像を形成する方法及び装置)に提案されている装置であ
り、自由端に鋭い突起部分(探針部)を持つカンチレバ
ーを、試料に対向・近接させ、探針部の先端の原子と試
料原子との間に働く相互作用力により、変位するカンチ
レバーの動きを電気的あるいは光学的にとらえて測定し
つつ、試料をXY方向に走査し、カンチレバーの探針部
との位置関係を相対的に変化させることによって、試料
の凹凸情報などを3次元的にとらえることができるよう
になっているものである。
【0006】このAFMにおいては、カンチレバーの変
位を測定する変位測定センサは、カンチレバーとは別途
に設けるのが一般的である。しかし最近では、カンチレ
バー自体に変位を測定できる機能を付加した集積型AF
Mセンサが、M.Tortonese らにより提案されている。こ
の集積型AFMセンサは、例えばM.Tortonese,H.Yamad
a, R.C.Barrett and C.F.Quate の論文“Atomic force
microscopy using a piezoresistive cantilever ”(T
ransducers and Sensors '91 )や、PCT出願WO9
2/12398に開示されている。
【0007】ここでカンチレバーの変位測定原理として
は、ピエゾ抵抗効果を利用している。すなわち探針先端
を測定試料に近接させると、探針と試料間に働く相互作
用力によりカンチレバー部がたわみ、歪みを生じる。カ
ンチレバー部には抵抗層が積層されていて、カンチレバ
ーの歪みに応じてその抵抗値が変化する。従って、抵抗
層に対して電極部より定電圧を加えておけば、カンチレ
バーの歪み量に応じて抵抗層を流れる電流が変化し、電
流の変化を検出することにより、カンチレバーの変位量
を知ることが出来る。
【0008】このような集積型AFMセンサは、構成が
極めて簡単で小型であることから、カンチレバー側を走
査するいわゆるスタンドアロン型のAFMを構成できる
ようになると期待されている。従来のAFMでは試料を
XY方向に動かしてカンチレバー先端の探針との相対的
位置関係を変化させるため、試料の大きさが最大数cm程
度に限られるが、スタンドアロン型のAFMは、このよ
うな試料の大きさの制限を取り除くことができるという
利点がある。
【0009】次に、従来の集積型AFMセンサの構成例
を図7を参照して説明する。まず製造工程について説明
する。スタートウェハ100 として、図7の(A)に示す
ように、シリコンウェハ110 の上に酸化シリコンの分離
層112 を介してシリコン層114 を設けたもの、例えば貼
り合わせSOI(Silicon on Insulator)ウェハを用意
する。次に、シリコン層114 の表面にイオンインプラン
テーションによりボロンBを打ち込んでピエゾ抵抗層11
6 を形成し、図7の(D)に図示した形状にパターニン
グした後、表面を酸化シリコン膜118 で覆う。そしてカ
ンチレバーの固定端側にボンディング用の穴をあけ、ア
ルミニウムをスパッタリングして電極120 を形成する。
更に、シリコンウェハ112 の下側にレジスト層122 を形
成し、このレジスト層122 をパターニングし開口を形成
して、図7の(B)に示すような形状とする。続いて、
オーミックコンタクトをとるための熱処理をした後、レ
ジスト層122 をマスクとして湿式異方性エッチングによ
り分離層112 までエッチングし、最後にフッ化水素水溶
液でカンチレバー部124 下部の分離層112 をエッチング
してカンチレバー部124 を形成して、集積型AFMセン
サが完成する。その側断面図を図7の(C)に、その上
面図を図7の(D)に示す。このようにして作製した集
積型AFMセンサにおいては、測定の際には、2つの電
極120 の間に数ボルト以下のDC電圧を印加し、カンチ
レバー部124 の先端を試料に接近させる。カンチレバー
部124 の先端と試料表面の原子間に相互作用力が働く
と、カンチレバー部124 が変位する。これに応じてピエ
ゾ抵抗層116 の抵抗値が変化するため、カンチレバー部
124 の変位が2つの電極120 の間に流れる電流信号とし
て得られる。
【0010】また、図8に図7の集積型AFMセンサを
用いて変位量測定を行うための回路を示す。ピエゾ抵抗
層を接続したカンチレバーの電極120 には、直流定電圧
電源126 と電流計測用のオペアンプ128 が接続されてい
る。例えば、直流定電圧電源126 の電位を+5Vとすれ
ば、図8の上側のピエゾ抵抗層の一端に接続された電極
120 の電位は+5Vに保たれる。下側のピエゾ抵抗層の
他端に接続された電極120 は、オペアンプ128 の非反転
入力端子(+)がGND電位に保たれていることから、
GND電位に保たれている。
【0011】また更に、近年、カンチレバーのねじれ量
(LFM信号)が検出できる機能を付加した集積型SP
Mセンサが提案されている。かかる機能をもつ集積型S
PMセンサは、例えば特開平5−063547号に開示
されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述したM.Tortonese
らにより提案されている集積型AFMセンサは、カンチ
レバーに歪みセンサを集積化したものであるが、同様に
歪みセンサだけでなく、光検出機能を持つセンサや温度
センサ、磁気センサ等を歪みセンサと共にカンチレバー
上に複合集積化することは容易に考えられ、またそのよ
うなセンサを用いることにより多種の物理情報を同時に
検出できる集積型SPMセンサを構築することができ
る。例えば、集積型AFMセンサに光センサを集積化す
ることにより、SNOM測定に利用することが可能とと
なる。このようなセンサとしては、例えばシリコンにて
形成されたカンチレバー上に光センサとしてPNフォト
ダイオードを集積化すること等が考えられる。
【0013】しかし、光センサとしての最適特性と、A
FM測定に要求されるカンチレバー特性を同時に満足さ
せることは容易ではない。例えば、光センサからの出力
を増幅する後段アンプへのノイズを低減するためには、
PNフォトダイオードの空乏層容量は小さく抑える必要
がある。したがって、空乏層は出来るだけ厚いほうが望
ましい。しかし、この空乏層がカンチレバーの裏面に接
してしまうと、暗電流ノイズが多量に発生してしまうた
め、カンチレバーの厚みは空乏層の厚みよりもさらに厚
くする必要がある。また、赤外領域の光を検出しようと
する場合も空乏層を厚くしないと透過してしまい検出す
ることができなくなる。しかし、単純にカンチレバーの
厚みを増減すると、カンチレバーの共振周波数等AFM
測定における特性因子に影響を与えてしまうという問題
点がある。
【0014】本願請求項1記載の発明は、従来のカンチ
レバー上にPNフォトダイオードなどの半導体光センサ
を集積化することにより、SNOM測定とAFM測定と
の同時測定を可能にする集積型SPMセンサにおける上
記問題点を解消するためになされたもので、PNフォト
ダイオードなどの半導体光センサの特性を損なうことな
く、AFM測定におけるレバー特性因子を自由に選択で
きるようにした集積型SPMセンサ及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【0015】また、請求項2記載の発明は、SNOM測
定とAFM測定を同時に容易に行えるようにした集積型
SPMセンサを提供することを目的とする。また請求項
3記載の発明は、請求項2記載の集積型SPMセンサを
容易に形成できる構成を提供することを目的とする。
【0016】更に、請求項4及び5記載の発明は、半導
体光センサの特性を損なうことなく、接触モードでのA
FM測定など極めて柔らかいレバー特性が要求される場
合にも対応できるようにした集積型SPMセンサ及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用】上記問題点を解
決するため、請求項1記載の発明は、自由端に探針を有
する片持ち梁部と、該片持ち梁部の基端部を支持する支
持部と、前記探針の近傍に設けた半導体光センサとを備
えた集積型SPMセンサにおいて、前記半導体光センサ
を前記片持ち梁部の自由端近傍の探針を含む領域に形成
された凸型シリコン突起部上に形成するものである。
【0018】このように、構成された集積型SPMセン
サにおいては、片持ち梁部の半導体光センサの形成領域
は厚く形成し、片持ち梁部の他の領域は所望の厚みに設
定できるので、半導体光センサの特性を損なうことな
く、AFM測定に要求されるレバー特性を容易に実現可
能となる。
【0019】また、請求項2記載の発明は請求項1記載
の集積型SPMセンサにおいて、片持ち梁部上に歪みセ
ンサを設けるものである。これにより、SNOM測定と
AFM測定とを小型のデバイスで同時に行うことが可能
となる。また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2
記載の集積型SPMセンサにおいて、片持ち梁部をシリ
コンで構成するものである。これにより、請求項1又は
2記載の構成の集積型SPMセンサを容易に形成するこ
とができる。
【0020】また、請求項4記載の発明は、請求項1又
は2記載の集積型SPMセンサにおいて、片持ち梁部を
窒化シリコンで構成するものである。これにより半導体
光センサの特性を損なうことなく、接触モードでのAF
M測定など極めて柔らかいレバー特性が要求される場合
に対応することができる。また請求項5記載の発明は、
請求項4記載の発明の製造方法に関するもので、この製
造方法によれば、片持ち梁部の形成部材を堆積し片持ち
梁部をパターン形成する工程で、片持ち梁部を形成して
いるので、極めて薄い片持ち梁部を均一に形成すること
が可能となる。
【0021】
【実施例】次に実施例について説明する。図1は、本発
明に係る集積型SPMセンサの第1実施例を示す図で、
図1の(A)はその斜視図、図1の(B)はその横断面
図である。この実施例の集積型SPMセンサ1は、片持
ち梁2、該片持ち梁2の基部に形成された支持部3、前
記片持ち梁2の先端に形成された凸型突起部4、該凸型
突起部4上に形成された探針5、前記凸型突起部4上に
形成されたフォトダイオード6、及び該フォトダイオー
ド6に接続したフォトダイオード用配線7とで構成され
ている。そして片持ち梁2,凸型突起部4,探針5の形
成材料としては、シリコンが用いられており、フォトダ
イオード6は前述のとおり探針5を含む凸型突起部4に
形成されており、このフォトダイオード6への電源供給
及び光起電流検出用の配線7は、凸型突起部4から支持
部3に向かって片持ち梁2上に形成されている。また片
持ち梁2及び支持部3の下面には反射膜8が形成されて
いる。
【0022】この実施例による集積型SPMセンサ1に
おいては、フォトダイオード6は片持ち梁2の先端に設
けた凸型突起部4に設けられているため、片持ち梁2を
任意の厚さに保ったまま、フォトダイオードの空乏層を
十分に厚くすることができる。
【0023】次に、このような構成の集積型SPMセン
サの製造方法を図2の(A)〜(F)に示す製造工程図
に基づいて説明する。まずスタート基板10として、図2
の(A)に示すように、面方位(100)のシリコンウ
ェハ11の表面に酸化シリコン膜12を形成した後、例えば
N型の同じく面方位(100)を持ったシリコンウェハ
13を貼り合わせたもの、いわゆる貼り合わせSOI(Si
licon on Insulator)基板を使用する。ここで、シリコ
ンウェハ13は、片持ち梁、凸型突起部、探針を形成する
ものであり、その厚さは必要とするレバーの特性、探針
長、受光波長等にあわせて設定される。例えば、その厚
さは15〜20μm程度である。
【0024】次に図2の(B)に示すように、上記基板
10の表面の所定の場所に探針14を、酸化シリコン膜等を
マスクとして例えばRIE(Reactive Ion Etching)法
を用いて、スタート基板10をエッチングすることにより
形成する。また一方、上記基板10の裏面には、例えば酸
化シリコン膜等により支持部形成用パターン15を形成し
ておく。
【0025】次に図2の(C)に示すように、探針14を
含むように例えば酸化シリコン膜等でマスク16を形成
し、前記スタート基板10の表面を、再度RIE法あるい
は湿式エッチング法等を用いてエッチング処理すること
により凸型突起部17を形成する。またこの時、片持ち梁
の厚さ調整も行う。次に図2の(D)に示すように、片
持ち梁18をパターニングしたのち、上記凸型突起部16上
にフォトダイオード19を形成する。このフォトダイオー
ド19の形成は、例えばフォトレジスト膜等をマスクにし
てP型不純物であるBF2 ,B+ 等をイオン注入法等を
用いて基板内に注入し、その後熱処理することにより行
【0026】次に図2の(E)に示すように、片持ち梁
18の表面を酸化膜20で覆った後、フォトダイオード19の
形成部分にコンタクトホール21を形成し、該コンタクト
ホール21を介してフォトダイオード用配線22を、例えば
Al等で形成する。この後、上記基板表面を例えばポリ
イミド等で保護した後、基板10の裏面を湿式エッチング
法により処理することによって、図2の(F)に示すよ
うに、支持部23を形成する。最後に、片持ち梁裏面にA
u,Cr等の反射膜24を蒸着形成することにより、本発
明による集積型SPMセンサ25を得ることができる。
【0027】なお本実施例では、片持ち梁及び探針の形
成部材としてN型シリコンウェハを用い、フォトダイオ
ード構成においてP型不純物拡散層を用いた例を示した
が、片持ち梁及び探針の形成部材としてP型シリコンウ
ェハを用い、N型不純物拡散層を用いてフォトダイオー
ドを形成してももちろん構わない。また本実施例では、
探針を形成した後に凸型突起部を形成したものを示した
が、逆に凸型突起部を形成した後に探針を形成するよう
にしてもよい。
【0028】また凸型突起部16の形状は一段の台形状に
形成したものを示したが、この凸型突起部は、図3の
(A)に示すように多段状の凸型突起部17−1、あるい
は図3の(B)に示すように、片持ち梁固定端に向かっ
てゆるやかに傾斜をもった傾斜形凸型突起部17−2でも
構わない。このような多段状あるいは傾斜形凸型突起部
17−1,17−2を用いることにより、フォトダイオード
用配線の段差による断線を防止することができる。
【0029】次に、本発明に係る集積型SPMセンサの
第2実施例を図4に基づいて説明する。図4の(A)は
第2実施例の斜視図で、図4の(B)はその横断面図で
あり、図1に示した第1実施例と同一又は対応する部材
には同一符号を付して示している。本実施例において
は、第1実施例に示した構成に加え、片持ち梁の変位を
測定するための歪みセンサ31及び歪みセンサ用配線32を
設けた点を特徴としている。片持ち梁2の形成部材とし
てシリコンを使用した場合は、この歪みセンサ31として
は、例えばシリコンのピエゾ抵抗効果を利用したものが
簡便に使用でき、そして片持ち梁2の形成部材としてN
型シリコンウェハを使用した場合は、BF2 ,B+ 等の
P型不純物拡散層を形成して用いればよい。また歪みセ
ンサ用配線部材としては、例えばAl,不純物ドープポ
リシリコン等が使用できる。
【0030】また、この歪みセンサは片持ち梁形成部材
としてP型シリコンウェハを使用した場合は、N型不純
物拡散層からなるピエゾ抵抗層を用いればよい。また、
歪みセンサとしては、ピエゾ抵抗効果を利用するほか
に、例えばZnO,PZT等の強誘電体の圧電効果等を用
いて構成しても構わない。
【0031】本実施例の集積型SPMセンサでは、片持
ち梁の変位に応じて歪みセンサを構成するピエゾ抵抗層
の抵抗値が変化するため、この抵抗変化に応じた電流も
しくは電圧変化を検出することによって、片持ち梁変位
を観測できる。したがって、SNOM測定とAFM測定
の同時測定を、非常に小型のデバイスで実現することが
できる。
【0032】次に本発明の第3実施例を図5に基づいて
説明する。図5は第3実施例を示す横断面図で、図1の
(B)に示した第1実施例と同一又は対応する部材には
同一符号を付して示している。本実施例では第1実施例
における片持ち梁の構成を変え、片持ち梁の形成部材と
して例えば窒化シリコン等、シリコン以外の堆積膜を使
用し、片持ち梁41を形成している点を特徴としている。
【0033】次に図6の(A)〜(E)を参照しながら
第3実施例の集積型SPMセンサの製造方法を説明す
る。まず図6の(A)に示すように、第1実施例と同様
にしてSOI基板表面に探針14を、裏面に支持部形成用
パターン15を形成する。次に凸型突起部17を形成するわ
けであるが、第1実施例とは異なり、図6の(B)に示
すように、SOI基板の中間の酸化シリコン膜12が露出
するまでエッチング処理を行って凸型突起部17を形成す
る。次に図6の(C)に示すように、凸型突起部17上に
フォトダイオード19を形成した後、基板表面に片持ち梁
となる、例えば窒化シリコン膜を形成する。その後上記
凸型突起部17を含むように窒化シリコン膜からなる片持
ち梁41をパターニング形成する。この際、AFM測定感
度を向上させるため、探針14の先端の窒化シリコン膜は
エッチング除去してもよいし、また一方、SNOM測定
感度向上を目的として反射防止効果を持たせるため、敢
えて探針14上に窒化シリコン膜を残してもよい。次にフ
ォトダイオード19へのコンタクトホール21を上記窒化シ
リコン膜からなる片持ち梁41に形成し、Al等によりフ
ォトダイオード用配線22を図6の(D)に示すように形
成する。
【0034】この後、上記基板表面を例えばポリイミド
等で保護した後、基板裏面を湿式エッチング法により処
理することによって、支持部23を形成する。最後に片持
ち梁41の裏面にAu,Cr等の反射膜24を蒸着形成する
ことにより、図6の(E)に示すように本実施例による
集積型SPMセンサ25を得ることができる。
【0035】なお本実施例の構成には示していないが、
第2実施例と同様に片持ち梁の表面に強誘電体の圧電効
果等を利用した歪みセンサを設け、片持ち梁の変位も測
定できるように構成してもよい。
【0036】本実施例による集積型SPMセンサでは、
片持ち梁形成部材として窒化シリコン膜等の薄膜を用い
ているので、極めて薄い片持ち梁を均一に形成すること
が容易となる。またフォトダイオード形成領域は片持ち
梁形成材料である窒化シリコン膜で覆われているが、窒
化シリコン膜はフッ化水素水溶液等の酸化膜剥離液に侵
されにくいので、なんら特殊な対策を施すことなく、支
持部形成後に、片持ち梁裏面や探針先端の酸化膜を剥離
することが可能となる。
【0037】
【発明の効果】以上実施例に基づいて説明したように、
請求項1記載の発明によれば、片持ち梁部の厚さにかか
わらず、半導体光センサ形成領域を厚く形成できるの
で、片持ち梁部としての要求特性を損なうことなく、半
導体光センサ性能を向上させることが可能な集積型SP
Mセンサを実現することができる。
【0038】また、請求項2記載の発明によれば、SN
OM測定とAFM測定とを小型のデバイスで同時に行う
ことができる。また請求項3記載の発明によれば、請求
項1又は2記載の発明に係る集積型SPMセンサを容易
に形成することができる。また請求項4記載の発明によ
れば、半導体光センサの特性を損なうことなく、接触モ
ードでのAFM測定など極めて柔らかいレバー特性が要
求される場合に対応できる集積型SPMセンサを実現す
ることができる。また請求項5記載の発明によれば、極
めて薄い均一な片持ち梁部を有する集積型SPMセンサ
を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る集積型SPMセンサの第1実施例
を示す図である。
【図2】図1に示した第1実施例の製造工程を示す図で
ある。
【図3】図1に示した第1実施例の変形例を示す図であ
る。
【図4】第2実施例の構成を示す図である。
【図5】第3実施例の構成を示す図である。
【図6】図5に示した第3実施例の製造工程を示す図で
ある。
【図7】従来の集積型AFMセンサの製造工程を示す図
である。
【図8】図7に示した集積型AFMセンサを用いて変位
量測定を行う回路を示す図である。
【符号の説明】
1 集積型SPMセンサ 2 片持ち梁 3 支持部 4 凸型突起部 5 探針 6 フォトダイオード 7 配線 8 反射膜 10 スタート基板 11 シリコンウェハ 12 酸化シリコン膜 13 シリコンウェハ 14 探針 15 支持部形成用パターン 16 マスク 17 凸型突起部 18 片持ち梁 19 フォトダイオード 20 酸化膜 21 コンタクトホール 22 配線 23 支持部 24 反射膜 25 集積型SPMセンサ 31 歪みセンサ 32 配線 41 片持ち梁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自由端に探針を有する片持ち梁部と、該
    片持ち梁部の基端部を支持する支持部と、前記探針の近
    傍に設けた半導体光センサとを備えた集積型SPMセン
    サにおいて、前記半導体光センサは前記片持ち梁部の自
    由端近傍の探針を含む領域に形成された凸型シリコン突
    起部上に形成されていることを特徴とする集積型SPM
    センサ。
  2. 【請求項2】 前記片持ち梁部上に歪センサを備えてい
    ることを特徴とする請求項1記載の集積型SPMセン
    サ。
  3. 【請求項3】 前記片持ち梁部はシリコンで形成されて
    いることを特徴とする請求項1又は2記載の集積型SP
    Mセンサ。
  4. 【請求項4】 前記片持ち梁部は窒化シリコンで形成さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2記載の集積型
    SPMセンサ。
  5. 【請求項5】 基板表面にエッチング処理により探針を
    形成する工程と、該探針を含む基板上の所定領域にエッ
    チング処理により凸型突起部を形成する工程と、該凸型
    突起部上にフォトダイオードを形成する工程と、前記基
    板表面に片持ち梁部の形成部材を堆積する工程と、該片
    持ち梁部形成部材に片持ち梁部をパターン形成する工程
    と、該片持ち梁部の所定領域にコンタクトホールを形成
    した後、前記フォトダイオード用の配線を形成する工程
    と、前記基板の裏面より基板をエッチング処理すること
    により片持ち梁支持部を形成する工程とからなる集積型
    SPMセンサの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08304423A (ja) * 1995-05-12 1996-11-22 Olympus Optical Co Ltd 集積型spmセンサ
CN107328747A (zh) * 2017-07-24 2017-11-07 京东方科技集团股份有限公司 检测芯片和使用其的检测方法

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