JPH08129015A - 集積型spmセンサ - Google Patents

集積型spmセンサ

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JPH08129015A
JPH08129015A JP28857894A JP28857894A JPH08129015A JP H08129015 A JPH08129015 A JP H08129015A JP 28857894 A JP28857894 A JP 28857894A JP 28857894 A JP28857894 A JP 28857894A JP H08129015 A JPH08129015 A JP H08129015A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 センサを集積化したカンチレバーのねじれや
反りの発生を防止し、良好なSPM測定を可能にした集
積型SPMセンサを提供する。 【構成】 カンチレバー部1と、支持部2と、カンチレ
バー部1の自由端に設けられた探針3と、探針3の近傍
に設けたセンサ用の第1及び第2のコンタクトホール
4,5と、センサ用の第1及び第2の配線6,7とボン
ディングパッド部8,9とを備え、第1及び第2のコン
タクトホール4,5並びに第1及び第2の配線6,7
を、カンチレバー部1の自由端中心から支持部2に向か
って伸びる中心線10に対して対称になるように配設して
集積型SPMセンサを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、走査型プローブ顕微
鏡(SPM:Scanning Probe Microscope )に用いられ
る集積型SPMセンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1980年代後半以降、エバネッセント
波を用いることにより回折限界を超える分解能を有する
光学顕微鏡が提案されている。この顕微鏡は、近視野顕
微鏡(SNOM:Scanning near field optical micros
cope)と呼ばれている。このSNOMは、エバネッセン
ト波が“波長より小さい寸法の領域に局在し、自由空間
を伝搬しない”という特性を利用したものである。
【0003】SNOMの測定原理は、まず、測定試料の
表面近傍に1波長程度以下の距離までプローブを近づけ
て、プローブ先端の微小開口を通過する光強度の地図を
作成することによって、測定試料に対する解像が成され
るものである。SNOMとしてはいくつかの方式が提案
されているが、大別すると2つの方式が提案されてい
る。その一つはコレクション方式と呼ばれ、試料の下か
ら光を照射した時に、試料を透過し試料表面近傍に局在
したエバネッセント波を、プローブを介して検出しSN
OM像とする方式である。他の方式は、微小開口を持っ
たプローブから試料に対して光を照射し、試料を透過し
た光を、試料下に設置された光検出器によって検出する
という、いわゆるエミッション方式と呼ばれる方式であ
る。この方式は、例えば特開平4−291310号(A
T&T;R. E. Betzig)に開示されている。
【0004】更に、最近では、光ファイバーのブローブ
の代わりにカンチレバーを用いてSNOM測定と原子間
力顕微鏡(AFM)測定を同時に行う方法が、N. F. Va
n Hulst,らにより提案されている。このSNOMは、例
えば、N. F. Van Hulst, M.H. P. Moers, O. F. J. Noo
rdman, R. G. Track, F. B. Stegerink and B. Bolger
の論文“ Near-field optical microscope using a sil
icon-nitride probe "{ Appl. Phys. Lett. 62, 461-4
63(1993)}に開示されている。
【0005】なお、ここでAFMとは、特開昭62−1
30302号(IBM,G.ビニッヒ;サンプル表面の
像を形成する方法及び装置)に提案されている装置であ
り、自由端に鋭い突起部分(探針部)を持つカンチレバ
ーを、試料に対向・近接させ、探針部の先端の原子と試
料原子との間に働く相互作用力により、変位するカンチ
レバーの動きを電気的あるいは光学的にとらえて測定し
つつ、試料をXY方向に走査し、カンチレバーの探針部
との位置関係を相対的に変化させることによって、試料
の凹凸情報などを3次元的にとらえることができるよう
になっているものである。
【0006】このAFMにおいては、カンチレバーの変
位を測定する変位測定センサは、カンチレバーとは別途
に設けるのが一般的である。しかし最近では、カンチレ
バー自体に変位を測定できる機能を付加した集積型AF
Mセンサが、M.Tortonese らにより提案されている。こ
の集積型AFMセンサは、例えばM.Tortonese,H.Yamad
a, R.C.Barrett and C.F.Quate の論文“Atomic force
microscopy using a piezoresistive cantilever ”(T
ransducers and Sensors '91 )や、PCT出願WO9
2/12398に開示されている。
【0007】ここでカンチレバーの変位測定原理として
は、ピエゾ抵抗効果を利用している。すなわち探針先端
を測定試料に近接させると、探針と試料間に働く相互作
用力によりカンチレバー部がたわみ、歪みを生じる。カ
ンチレバー部には抵抗層が積層されていて、カンチレバ
ーの歪みに応じてその抵抗値が変化する。従って、抵抗
層に対して電極部より定電圧を加えておけば、カンチレ
バーの歪み量に応じて抵抗層を流れる電流が変化し、電
流の変化を検出することにより、カンチレバーの変位量
を知ることが出来る。
【0008】このような集積型AFMセンサは、構成が
極めて簡単で小型であることから、カンチレバー側を走
査するいわゆるスタンドアロン型のAFMを構成できる
ようになると期待されている。従来のAFMでは試料を
XY方向に動かしてカンチレバー先端の探針との相対的
位置関係を変化させるため、試料の大きさが最大数cm程
度に限られるが、スタンドアロン型のAFMは、このよ
うな試料の大きさの制限を取り除くことができるという
利点がある。
【0009】次に、従来の集積型AFMセンサの構成例
を図6を参照して説明する。まず製造工程について説明
する。スタートウェハ100 として、図6の(A)に示す
ように、シリコンウェハ110 の上に酸化シリコンの分離
層112 を介してシリコン層114 を設けたもの、例えば貼
り合わせSOI(Silicon on Insulator)ウェハを用意
する。次に、シリコン層114 の表面にイオンインプラン
テーションによりボロンBを打ち込んでピエゾ抵抗層11
6 を形成し、図6の(D)に図示した形状にパターニン
グした後、表面を酸化シリコン膜118 で覆う。そしてカ
ンチレバーの固定端側にボンディング用の穴をあけ、ア
ルミニウムをスパッタリングして電極120 を形成する。
更に、シリコンウェハ112 の下側にレジスト層122 を形
成し、このレジスト層122 をパターニングし開口を形成
して、図6の(B)に示すような形状とする。続いて、
オーミックコンタクトをとるための熱処理をした後、レ
ジスト層122 をマスクとして湿式異方性エッチングによ
り分離層112 までエッチングし、最後にフッ化水素水溶
液でカンチレバー部124 下部の分離層112 をエッチング
してカンチレバー部124 を形成して、集積型AFMセン
サが完成する。その側断面図を図6の(C)に、その上
面図を図6の(D)に示す。このようにして作製した集
積型AFMセンサにおいては、測定の際には、2つの電
極120 の間に数ボルト以下のDC電圧を印加し、カンチ
レバー部124 の先端を試料に接近させる。カンチレバー
部124 の先端と試料表面の原子間に相互作用力が働く
と、カンチレバー部124 が変位する。これに応じてピエ
ゾ抵抗層116 の抵抗値が変化するため、カンチレバー部
124 の変位が2つの電極120 の間に流れる電流信号とし
て得られる。
【0010】また、図7に図6の集積型AFMセンサを
用いて変位量測定を行うための回路を示す。ピエゾ抵抗
層を接続したカンチレバーの電極120 には、直流定電圧
電源126 と電流計測用のオペアンプ128 が接続されてい
る。例えば、直流定電圧電源126 の電位を+5Vとすれ
ば、図7の上側のピエゾ抵抗層の一端に接続された電極
120 の電位は+5Vに保たれる。下側のピエゾ抵抗層の
他端に接続された電極120 は、オペアンプ128 の非反転
入力端子(+)がGND電位に保たれていることから、
GND電位に保たれている。
【0011】また更に、近年、カンチレバーのねじれ量
(LFM信号)が検出できる機能を付加した集積型SP
Mセンサが提案されている。かかる機能をもつ集積型S
PMセンサは、例えば特開平5−063547号に開示
されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述したM.Tortonese
らにより提案されている集積型AFMセンサは、カンチ
レバーに歪みセンサを集積化したものであるが、同様に
歪みセンサだけでなく、光検出機能を持つセンサや温度
センサ、磁気センサ等を歪みセンサと共にカンチレバー
上に複合集積化することは容易に考えられ、またそのよ
うなセンサを用いることにより多種の物理情報を同時に
検出できる集積型SPMセンサを構築することができ
る。例えば、集積型AFMセンサに光センサを集積化す
ることにより、SNOM測定に利用することが可能とと
なる。このようなセンサとしては、例えばシリコンにて
形成されたカンチレバー上に光センサとしてPNフォト
ダイオードを集積化すること等が考えられる。
【0013】しかしこのような各種センサをカンチレバ
ー上に複合集積化しようとすると、各センサへの電源供
給及び信号検出用配線、あるいは基板と前記配線とを電
気的に絶縁する絶縁膜等をカンチレバー上に形成する必
要が一般に生ずる。一方、カンチレバー上に異種材料膜
が形成されると膜応力によりカンチレバーが反ることは
よく知られているが、探針を有するカンチレバーを用い
てSPM測定する場合、カンチレバーの反りがあると探
針先端が試料に対して傾いてしまうため、測定分解能が
劣化してしまう。まして配線のように特定のパターンが
カンチレバー上に形成されると、カンチレバーは単純に
反るばかりでなくねじれが生じてしまう。ねじれの生じ
たカンチレバーでのSPM測定は極めて困難となる。
【0014】本発明は、このようにカンチレバー上にセ
ンサを集積化した集積型センサにおける上記問題点解消
するためになされたもので、請求項1,5記載の発明
は、センサを集積化したカンチレバーのねじれ発生を防
止し、良好なSPM測定を可能にした集積型SPMセン
サを提供することを目的とする。
【0015】また、請求項2,5記載の発明は、センサ
を集積化したカンチレバーの反りの発生を防止し、ある
いはカンチレバーに発生するレバーの反りを緩和させ、
SPM測定分解能の劣化を防止できるようにした集積型
SPMセンサを提供することを目的とする。また、請求
項3,5記載の発明は、センサを集積化したカンチレバ
ー形成後に発生したレバーの反りを緩和させ、SPM測
定分解能の劣化を防止できるようにした集積型SPMセ
ンサを提供することを目的とする。また、請求項4,5
記載の発明は、センサを集積化したカンチレバーのねじ
れの発生を防止すると共に、カンチレバー形成後に発生
するレバーの反りを緩和させ、良好なSPM測定を可能
とする集積型SPMセンサを提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段及び作用】上記問題点を解
決するため、請求項1記載の発明は、支持部より伸びた
カンチレバー上にセンサを設けた集積型SPMセンサに
おいて、前記センサへの電源供給及び信号検出用配線を
カンチレバー自由端中心から支持部に向かって伸びる中
心線に対して対称に配設するものである。
【0017】このように構成した集積型SPMセンサに
おいては、カンチレバーに加わる電源供給及び信号検出
用配線による応力は、前記中心線に対して対称となるた
め、カンチレバーのねじれの発生がなくなる。
【0018】また請求項2記載の発明は、支持部より伸
びたカンチレバー上にセンサを設けた集積型SPMセン
サにおいて、カンチレバーのセンサ形成面の反対側の面
に、センサの形成により生じるカンチレバーの反りを相
殺する膜を形成するものである。
【0019】このように構成した集積型SPMセンサに
おいては、カンチレバー上へのセンサの形成により生ず
るカンチレバーの反りは、カンチレバーの前記センサ形
成面とは反対面に形成した膜の応力により相殺され、カ
ンチレバーの反りをなくすことが可能となる。なお前記
膜の応力は、膜材質及び膜厚を選択して適宜設定され
る。
【0020】また請求項3記載の発明は、支持部より伸
びたカンチレバー上にセンサを設けた集積型SPMセン
サにおいて、前記カンチレバー上に、センサの形成によ
り生じるカンチレバーの反りを相殺する電歪効果素子を
設けるものである。このように構成した集積型SPMセ
ンサにおいて、センサの形成により生じるカンチレバー
の反りを相殺する電歪効果素子に電力を供給することに
より、カンチレバーの反りをなくすことが可能となる。
【0021】また請求項4記載の発明は、複数個の電歪
効果素子をカンチレバー自由端中心から支持部に向かっ
て伸びる中心線に対して対称に配設し、該複数個の電歪
効果素子それぞれに独立に電圧を印加できるように構成
するものである。このように構成した集積型SPMセン
サにおいては、前記請求項3記載の発明の作用に加え
て、カンチレバーのねじれをもなくすことが可能とな
る。
【0022】また請求項5記載の発明は、上記請求項1
〜4のいずれか1項に記載の発明において、センサとし
て半導体光センサ及び歪みセンサを用いるものである。
このように構成した集積型SPMセンサにおいては、半
導体光センサ及び歪みセンサを設けた集積型SPMセン
サにおいて、請求項1〜4記載の発明の作用が得られ
る。
【0023】
【実施例】
〔第1実施例〕次に実施例について説明する。図1は、
本発明に係る集積型SPMセンサの第1実施例を示す図
で、カンチレバー上面からみた模式図である。図におい
て1はカンチレバー部、2はカンチレバー部の一端に設
けられた支持部、3はカンチレバー部の自由端に設けら
れた探針、4は探針3の近傍に設けられたセンサ(図示
せず)用の第1のコンタクトホール、5は同じくセンサ
用の第2のコンタクトホール、6はセンサ用の第1の配
線、7はセンサ用の第2の配線、8,9は第1及び第2
配線のボンディングパッド部である。そして、上記セン
サ用の第1のコンタクトホール4と第2のコンタクトホ
ール5、並びに上記第1の配線6と第2の配線7とが、
カンチレバー部1の自由端中心から支持部2に向かって
伸びる中心線10に対して対称になるように配設して、集
積型SPMセンサ11を構成している。
【0024】また、カンチレバー部に配置されるセンサ
の構成によっては、図2に示すようにセンサ用の第1及
び第2のコンタクトホール4,5を上記中心線10に対し
て対称に配設することができない場合も多々生ずるが、
そのような場合には、図2に示すように、ダミー配線パ
ターン12を形成することにより、センサ用の第1及び第
2の配線6,7が中心線10に対して対称になるように配
設する。更に第3のコンタクトホール13及び第3の配線
14が図示のように形成される場合は、これに対応してダ
ミー配線パターン15を、中心線10に対して第3の配線14
と対称になるように形成すればよい。
【0025】このように構成した集積型SPMセンサに
おいては、センサ用配線による膜応力がカンチレバー部
1の前記中心線10に対して対称に働くため、カンチレバ
ー部1が膜応力によってねじれることはなくなる。な
お、図1及び図2においては、配線用ボンディングパッ
ド部8,9も前記中心線10に対して対称に配設したもの
を示したが、支持部2上の配線パターンの配置について
は、対称に配設する必要はなく、なんら制限はない。
【0026】〔第2実施例〕次に第2実施例について説
明する。図3は本実施例の集積型SPMセンサ20の構成
を示す断面図である。図において、21はカンチレバー
部、22はカンチレバー部21の一端に設けられた支持部、
23はカンチレバー部21の自由端に設けられた探針部、24
は探針部23の近傍に形成された光センサ用の第1の不純
物拡散層、25は同じく光センサ用の第2の不純物拡散
層、26,27は光センサ用の第1及び第2のコンタクトホ
ール、28,29は光センサ用の第1及び第2の配線、30は
歪みセンサ用ピエゾ抵抗、31,32は歪みセンサ用の第1
及び第2のコンタクトホール、33,34は歪みセンサ用の
第1及び第2の配線、35はカンチレバー部21の裏面に形
成されたカンチレバー裏面膜である。
【0027】このように構成された第2実施例におい
て、カンチレバー裏面膜35の膜応力が、カンチレバー部
表面に形成したセンサ用配線あるいは絶縁膜等の膜応力
を相殺するように設定することにより、カンチレバー部
21の反りをなくすことが可能となる。
【0028】カンチレバー裏面膜35としては、金属、絶
縁膜、半導体膜、あるいはそれらの複合膜等いずれも使
用可能であり、使用する膜材料により形成膜厚を調整す
る。またカンチレバー裏面膜35の形成方法は、カンチレ
バー部21の完成後に蒸着法、スパッタ法等により形成し
てもよいし、あるいは予めカンチレバー部を形成するシ
リコン層下面に形成しておいてもよい。
【0029】〔第3実施例〕次に第3実施例について説
明する。図4は本実施例の集積型SPMセンサ40の構成
を示す断面図である。図において、41はカンチレバー
部、42はカンチレバー部41の一端に設けられた支持部、
43はカンチレバー部41の自由端に設けられた探針部、44
は探針部43の近傍に形成された光センサ用の第1の不純
物拡散層、45は同じく光センサ用の第2の不純物拡散
層、46,47は光センサ用の第1及び第2のコンタクトホ
ール、48,49は光センサ用の第1及び第2の配線、50は
光センサ用の第1及び第2の配線48,49上に形成された
配線上絶縁膜、51は配線上絶縁膜50上に形成された電歪
効果膜、52,53は電歪効果膜用の配線である。
【0030】このように構成した集積型SPMセンサ40
において、センサ用配線等によりカンチレバー部41に反
りが発生しても、電歪効果膜51に電源54より電圧を印加
することにより、反りを矯正することができる。なお、
ここで言う電歪効果とは広義の意味で用いており、物性
論的に言う、歪みが印加電界の2乗に比例する電歪効果
のみならず、印加電界に比例する逆圧電効果も含むもの
とする。また電歪効果膜としてはPZT〔Pb(Zr,Ti)
3 〕,PLZT〔(Pb,La)(Zr,Ti)O3〕,PM
N〔Pb(Mg1/3 ,Nb2/3 )O3 〕,PVDF(ポリフッ
化ビニリデン)等が用いられる。
【0031】なお、電歪効果膜として逆圧電効果に基づ
く電歪素子を用いて集積型SPMセンサを構成した場合
には、電歪素子を歪みセンサとしてAFM測定を行うよ
うにしてもよい。
【0032】〔第4実施例〕次に第4実施例について説
明する。図5は本実施例のカンチレバー上面からみた模
式図である。この実施例の集積型SPMセンサ60は、電
歪効果膜64,65を、カンチレバー部61の自由端中心から
支持部62に向かって伸びる中心線72に対して対称に配設
し、それぞれ独立に電圧を印加できるように構成したも
のである。なお図において、63は探針、66,67,68,69
は電歪効果膜64,65用の配線、70,71はセンサ用ボンデ
ィングパッド部である。
【0033】このように構成した集積型SPMセンサに
おいては、カンチレバー部に反りばかりでなくねじれも
生じている場合でも、複数個の電歪効果膜にそれぞれ独
立に電圧を印加することにより、カンチレバー部の反り
とねじれを相殺することが可能となる。
【0034】なお、本実施例においても第3実施例と同
様に、電歪効果膜を歪みセンサとして使用し、AFM測
定を行うようにしてもよい。また本実施例の場合、カン
チレバー部のねじれも検出可能となるため、LFM(La
teral force microscope)としての使用も可能となる。
【0035】
【発明の効果】以上実施例に基づいて説明したように、
請求項1,5記載の発明によれば、カンチレバーに形成
されたセンサへの電源供給及び信号検出用配線の膜応力
に起因するカンチレバーのねじれの発生を防止し、良好
なSPM測定を可能にする。また請求項2,5記載の発
明によれば、カンチレバー表面に形成されたセンサの配
線等の膜応力に起因するカンチレバーの反りを低減し、
SPM測定の分解能を向上させることができる。また請
求項3,5記載の発明によれば、カンチレバー表面に形
成されたセンサの配線等の膜応力に起因して発生したカ
ンチレバーの反りを矯正し、良好なSPM測定が可能と
なる。また請求項4,5記載の発明によれば、カンチレ
バー表面に形成されたセンサの配線等の膜応力に起因し
て発生したカンチレバーの反りやねじれを矯正し、良好
なSPM測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る集積型SPMセンサの第1実施例
のカンチレバー上面からみた模式図である。
【図2】図1に示した第1実施例の変形例を示す模式図
である。
【図3】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す断面図である。
【図5】本発明の第4実施例のカンチレバー上面からみ
た模式図である。
【図6】従来の集積型AFMセンサの製造工程を示す図
である。
【図7】図6に示した集積型AFMセンサを用いて変位
量測定を行う回路を示す図である。
【符号の説明】
1 カンチレバー部 2 支持部 3 探針 4 センサ用の第1のコンタクトホール 5 センサ用の第2のコンタクトホール 6 センサ用の第1の配線 7 センサ用の第2の配線 8,9 ボンディングパッド 10 中心線 11 集積型SPMセンサ 12,15 ダミー配線パターン 13 第3のコンタクトホール 14 第3の配線 20 集積型SPMセンサ 21 カンチレバー部 22 支持部 23 探針部 24 光センサ用の第1の不純物拡散層 25 光センサ用の第2の不純物拡散層 26 光センサ用の第1のコンタクトホール 27 光センサ用の第2のコンタクトホール 28 光センサ用の第1の配線 29 光センサ用の第2の配線 30 歪みセンサ用ピエゾ抵抗 31 歪みセンサ用の第1のコンタクトホール 32 歪みセンサ用の第2のコンタクトホール 33 歪みセンサ用の第1の配線 34 歪みセンサ用の第2の配線 35 カンチレバー裏面膜 40 集積型SPMセンサ 41 カンチレバー部 42 支持部 43 探針部 44 光センサ用の第1の不純物拡散層 45 光センサ用の第2の不純物拡散層 46 光センサ用の第1のコンタクトホール 47 光センサ用の第2のコンタクトホール 48 光センサ用の第1の配線 49 光センサ用の第2の配線 50 配線上絶縁膜 51 電歪効果膜 52,53 電歪効果膜用の配線 54 電源 60 集積型SPMセンサ 61 カンチレバー部 62 支持部 63 探針 64、65 電歪効果膜 66〜69 電歪効果膜用の配線 70,71 センサ用ボンディングパッド 72 中心線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部より伸びたカンチレバー上にセン
    サを設けた集積型SPMセンサにおいて、前記センサへ
    の電源供給及び信号検出用配線をカンチレバー自由端中
    心から支持部に向かって伸びる中心線に対して対称に配
    設したことを特徴とする集積型SPMセンサ。
  2. 【請求項2】 支持部より伸びたカンチレバー上にセン
    サを設けた集積型SPMセンサにおいて、カンチレバー
    のセンサ形成面の反対側の面に、センサの形成により生
    じるカンチレバーの反りを相殺する膜を形成したことを
    特徴とする集積型SPMセンサ。
  3. 【請求項3】 支持部より伸びたカンチレバー上にセン
    サを設けた集積型SPMセンサにおいて、前記カンチレ
    バー上に、センサの形成により生じるカンチレバーの反
    りを相殺する電歪効果素子を設けたことを特徴とする集
    積型SPMセンサ。
  4. 【請求項4】 複数個の電歪効果素子がカンチレバー自
    由端中心から支持部に向かって伸びる中心線に対して対
    称に配設され、該複数個の電歪効果素子それぞれに独立
    に電圧を印加できるように構成したことを特徴とする請
    求項3記載の集積型SPMセンサ。
  5. 【請求項5】 前記センサが半導体光センサ及び歪みセ
    ンサであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の集積型SPMセンサ。
JP28857894A 1994-10-31 1994-10-31 集積型spmセンサ Expired - Fee Related JP3587572B2 (ja)

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