JP2007205418A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液室間の内部隔壁を構成する第1の仕切部材と第2の仕切部材とをガタを生じさせることなくかしめ固定し、流通制御板からの衝撃力に起因して内部隔壁から異音が発生することを防止する。
【解決手段】防振装置10では、仕切部材48のフランジ部64に一体的に設けられたかしめ突起86が、仕切金具50のフランジ部76に形成された貫通穴内に挿入され、この貫通穴から突出した先端部に貫通穴の内径よりも大径の拡径部が形成される。これにより、かしめ突起86の拡径部がフランジ部76における貫通穴の周縁部へ圧接して仕切金具50が仕切部材48に対して軸方向に沿って相対移動することを阻止し、かしめ突起86により仕切金具50の仕切部材48に対する軸直角方向に沿って移動も阻止されるので、仕切金具50と仕切部材48とを高い強度で、かつフランジ部76とフランジ部84とをガタが生じないように固定できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車、一般産業用機械等に適用され、エンジン等の振動発生部から車体等の振動受部へ伝達される振動を減衰及び吸収する防振装置に関する。
自動車には、エンジンと車体(フレーム)との間に防振装置としてエンジンマウントが配置されている。このようなエンジンマウントとして適用される防振装置の一例としては、特許文献1に示されている液体封入式のものが知られている。この特許文献1に示された防振装置には、外筒、ゴム弾性体及びダイヤフラムにより外部から密閉された液室空間が形成されており、この液室空間は、内部隔壁により弾性体を隔壁の一部とする主液室と、ダイヤフラムを隔壁の一部とする副液室とにそれぞれ区画され、これらの主液室と副液室とが制限通路であるオリフィスにより繋ぎ合わされている。
ここで、主液室、副液室及びオリフィス内には、水、ポリアルキレングリコール等の液体が充填されている。内部隔壁には、外周側に主液室と副液室とを連通させる制限通路であるオリフィスが設けられている。また内部隔壁には、その内周側に円柱状の空間である収納室が設けられ、この収納室は仕切壁に形成された第1及び第2の開口部を通して主液室及び副液室にそれぞれ連通している。この防振装置では、収納室内にゴム材料等により円板状に形成された可動プレートが流通制御板として収納されており、この可動プレートは、収納室内で入力振動の振幅方向に沿って振動可能とされている。
上記のように構成された防振装置では、入力振動の周波数が所定の値よりも高い場合には、オリフィスが目詰まり状態となるが、可動プレートが収納室内で入力振動に同期して振動し、第1及び第2の開口部を交互に開閉することにより、収納室を通って主液室と副液室との間で液体の流通が生じるので、主液室内の液圧上昇に伴う動ばね定数の上昇を抑えることができ、このような高周波振動の入力時も弾性体の動ばね定数を低く維持し、この弾性体の弾性変形等により高周波振動を効果的に吸収できるようになる。
上記のような防振装置で用いられる内部隔壁としては、例えば、アルミ合金、鋼板等により円板状に形成され、その上面中央部に円形の凹部が形成された仕切部材と、鋼板等により略薄肉円板状に形成された蓋部材とを備えたものがある。この内部隔壁を組み立てる際には、凹部内に可動プレートを挿入した後、仕切部材の上面側に蓋部材を、ネジ止め、かしめ等の方法で固定し、この蓋部材により仕切部材の凹部の上端側(開口端)を閉塞する。これにより、仕切部材及び蓋部材により可動プレートを内蔵した内部隔壁が組み立てられる。
特開平1−193425号公報
しかしながら、上記のような防振装置では、振動入力時に可動プレートが入力振動の振幅方向に沿って振動し、収納室(内部隔壁)内の内壁面に入力振動の周波数に対応する周期で繰り返し衝突する。このため、内部隔壁を構成する仕切部材と蓋部材が、例えば、仕切部材に形成されたピン状の突起部を蓋部材に穿設された貫通穴に貫通させ、この突起部の先端部を均一に加圧し、突起部の外径を加圧により拡大するかしめ方法(平押しかしめ)で固定されている場合には、かしめによる部品(仕切部材及び蓋部材)間の固定力にはバラツキが生じ易いことから、可動プレートが収納室内壁へ衝突する際の衝撃力により仕切部材と蓋部材との間に経時的に隙間(ガタ)が生じてしまうことがある。また突起部及び貫通穴をそれぞれ十分に高い寸法精度で製造しないと、かしめ作業が不完全になり易く、仕切部材と蓋部材とが当初からガタが生じた状態で固定されてしまうおそれもある。
またネジ止めにより仕切部材と蓋部材を締結固定した場合にも、振動や衝撃力の影響により経時的にネジが緩んでしまい、仕切部材と蓋部材との間に経時的に隙間(ガタ)が生じてしまうことがある。
上記のような防振装置では、仕切部材と蓋部材との間にガタが生じると、振動入力時に仕切部材と蓋部材とが互いに離間及び衝突を繰り返して打音を発生させ、この打音が車体を通して車内へ不快な異音として伝達されることがある。
本発明の目的は、上記事実を考慮して、液室間の内部隔壁を構成する第1の仕切部材と第2の仕切部材とをガタを生じさせることなくかしめ固定でき、流通制御板からの衝撃力に起因して内部隔壁から異音が発生することを防止できる防振装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る防振装置は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置された弾性体と、液体が封入され、前記弾性体を隔壁の一部として該弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、液体が封入され、内容積が拡縮可能とされた副液室と、前記主液室と前記副液室との間を区画すると共に、内部に中空状の収納室が設けられ、該収納室を前記主液室に連通させる第1の開口部及び収納室を前記副液室に連通させる第2の開口部がそれぞれ形成された内部隔壁と、前記主液室と前記副液室とを互いに連通する制限通路と、前記収納室内に配置され、前記第1の取付部材又は第2の取付部材への振動入力時に、該入力振動に同期し、前記第1の開口部及び前記第2の開口部を交互に開閉する流通制御板と、を有する防振装置であって、
前記内部隔壁は、前記第1の開口部が形成されると共に、該第1の開口部の外周側に環状の第1のフランジ部が形成された第1の仕切部材と、前記第2の開口部が形成されると共に、該第2の開口部の外周側に環状の第2のフランジ部が設けられ、該第2のフランジ部が前記第1のフランジ部に対向する状態で固定されて、前記第1の仕切部材との間に前記収納室を形成する第2の仕切部材と、前記第1のフランジ部及び前記第2のフランジ部の一方に、その厚さ方向へ貫通するように形成された貫通穴と、前記第1のフランジ部及び前記第2のフランジ部の他方に、前記厚さ方向への移動が拘束されるように設けられ、前記貫通穴内に挿入されると共に、該貫通穴から突出した先端部に該貫通穴の内径よりも大径の拡径部が形成される締結部材と、を備えたことを特徴とする。
上記請求項1に係る防振装置では、第1のフランジ部及び第2のフランジ部の他方に設けられた締結部材が、第1のフランジ部及び第2のフランジ部の他方に対する厚さ方向への移動が拘束されると共に、第1のフランジ部及び第2のフランジ部の一方に形成された貫通穴内に挿入され、この貫通穴から突出した先端部に貫通穴の内径よりも大径の拡径部が形成されることにより、締結部材の拡径部が第1のフランジ部及び第2のフランジ部の一方における貫通穴の周縁部へ当接して第1のフランジ部及び第2のフランジ部の一方が他方に対して厚さ方向に沿って相対移動することを阻止するので、拡径部と第1のフランジ部及び第2のフランジ部の一方との間に厚さ方向に沿って隙間が生じないように拡径部を形成しておけば、第1の仕切部材と第2の仕切部材とを高い強度で、かつ第1の仕切部材と第2の仕切部材との間にガタが生じないように固定できる。
この結果、請求項1に係る防振装置によれば、第1又は第2の取付部材への振動入力時に主液室内に生じる圧力波を受けた流通制御板が収納室内で振動し、入力振動に同期して流通制御板が収納室の内壁(第1及び第2の仕切部材)に繰り返し当接(衝突)する現象が生じても、第1の仕切部材と第2の仕切部材との間にガタが生じることを防止でき、第1の仕切部材と第2の仕切部材との衝突により内部隔壁から異音が発生することを防止できる。
また本発明の請求項2に係る防振装置は、請求項1記載の防振装置において、前記締結部材は、前記第1のフランジ部及び前記第2のフランジ部の他方と一体的に形成され、前記貫通穴に挿入され、該貫通穴から突出した先端部に前記拡径部が形成されるピン状の突起部であることを特徴とする。
また本発明の請求項3に係る防振装置は、請求項1記載の防振装置において、前記第1のフランジ部及び前記第2のフランジ部の他方には、前記厚さ方向へ貫通する取付穴が形成され、前記締結部材は、前記取付穴の内径よりも大径の頭部及び、該頭部の前記厚さ方向に沿った一端面から突出する軸部を有し、該軸部を前記取付穴及び前記貫通穴にそれぞれ挿入し、該貫通穴から突出した先端部に前記拡径部が形成されるリベットであることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る防振装置は、請求項1乃至3の何れか1項記載の防振装置において、前記締結部材の先端部には、熱かしめにより前記拡径部が形成されることを特徴とする。
また本発明の請求項5に係る防振装置は、請求項1乃至3の何れか1項記載の防振装置において、前記締結部材の先端部には、該締結部材の先端面に形成された凹状の拡径起点部が軸方向に沿って加圧されて前記拡径部が形成されることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る防振装置は、請求項1乃至5の何れか1項記載の防振装置において、前記拡径部は、前記第1のフランジ部及び前記第2のフランジ部の一方における前記貫通穴の周縁部に対して圧接状態とされることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る防振装置は、請求項1乃至6の何れか1項記載の防振装置において、前記第1のフランジ部と前記第2のフランジ部との間に圧縮状態で介装される粘弾性を有する緩衝膜材を有することを特徴とする。
以上説明したように本発明の防振装置によれば、液室間の内部隔壁を構成する第1の仕切部材と第2の仕切部材とをガタを生じさせることなくかしめ固定でき、流通制御板からの衝撃力に起因して内部隔壁から異音が発生することを防止できる。
以下、本発明の実施形態に係る防振装置について図面を参照して説明する。
(実施形態の構成)
図1には本発明の実施形態に係る防振装置が示されている。この防振装置10は、自動車等の車両における振動発生部であるエンジンを振動受部である車体へ支持するエンジンマウントとして適用されるものである。なお、図1にて符合Sが付された一点鎖線は装置の軸心を示しており、この軸心Sに沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行う。
図1に示されるように、防振装置10は、エンジン側に連結される略肉厚円筒状に形成された内筒金具12と、この内筒金具12の外周側に略同軸的に配置され、車体側へ連結される略薄肉円筒状の外筒金具14と、内筒金具12と外筒金具14との間に配置され、吸振主体となるゴム製の弾性体16とを備えている。内筒金具12は、その上端側が外筒金具14内へ挿入されると共に、下端側が外筒金具14の下端側の開口部を通って外筒金具14の下方まで突出している。外筒金具14には、その軸方向中間部に設けられた段差部18に対して上端側の部分に下端側の部分よりも直径が拡大された拡径部20が形成されている。また外筒金具14には、その下端部に下方へ向って直径がテーパ状に縮小するテーパ部22が屈曲形成されると共に、拡径部20の上端部に装置の組立時に内周側へ屈曲されるかしめ部24が形成されている。
防振装置10には、外筒金具14の下端側が嵌挿固定される略カップ状の連結筒26及び、この連結筒26の下端側が嵌挿固定される略有底円筒状のホルダ金具28が設けられている。外筒金具14は、その下端部が連結筒26の底板部に当接するまで連結筒26内へ挿入されている。またホルダ金具28には、その外周面に複数の脚部30,32が溶接等により固定されており、この脚部30,32の先端側に形成された連結穴32を挿通するボルト(図示省略)により、ホルダ金具28は車体側へ締結固定される。これにより、外筒金具14が、連結筒26及びホルダ金具28を介して車体側へ連結固定される。
内筒金具12の下端側は、連結筒26の底板部に形成された開口部27を通って連結筒26の下方まで突出しており、この内筒金具12の下端部には、ボルト34によりエンジン連結用のブラケット36の基端部が締結固定されている。このブラケット36は、ホルダ金具28の側面部に形成された開口部(図示省略)を通って外周側へ延出しており、ブラケット36の先端側はボルト等によりエンジン(図示省略)側に締結固定される。またブラケット36の基端部には、チューブ状に形成されたストッパゴム38が被せられており、このストッパゴム38の上面部は連結筒26の底板部に圧接している。これにより、ブラケット36の軸方向に沿った過大な変位が防止されると共に、大荷重の入力によりブラケット36が連結筒26又はホルダ金具28へ衝突した際にも衝突音の発生が防止される。
内筒金具12の上端面には、上方へ向って開口する略カップ状に形成された延長金具40の底板部が溶接等により固着されている。延長金具40は、その側板部が底板側から上端側へ向って直径が拡大するテーパ状とされており、この側板部の上端部分には、リング状のフランジ部材42が溶接等により固着され、延長金具40の上端部分から内周側へ延出している。また延長金具40の側板部には、弾性体16の成形素材となる加硫ゴムを延長金具40内へ充填するための湯道穴44が複数穿設されている。
弾性体16は、外筒金具14内へ挿入された内筒金具12の上端側及び延長金具40にそれぞれ加硫接着されると共に、外筒金具14の下端側に加硫接着されており、内筒金具12と外筒金具14とを弾性的に連結している。ここで、弾性体16は、内筒金具12の外周面及び延長金具40の外周面にそれぞれ加硫接着されると共に、湯道穴44を通って延長金具40の内周側に充填され、延長金具40の内周面及び底面部とフランジ部材42の下面側にもそれぞれ加硫接着されている。また弾性体16には、外周側の上端部から上方へ延出する薄肉状の被覆部46が一体的に形成されており、この被覆部46は、外筒金具14内周面における上端側に加硫接着され、外筒金具14の内周面を被覆している。
図1に示されるように、外筒金具14内には、その段差部18の上側に全体として略肉厚の円板状に形成された隔壁体100(図3参照)が挿入されており、この隔壁体100下面における外周部は、被覆部46を介して段差部18に当接している。また外筒金具14内には、隔壁体100の上側に円筒状の支持筒52が嵌挿されており、この支持筒52の下端部は隔壁体100の上面外周部に当接している。これらの隔壁体100及び支持筒52が挿入された外筒金具14は、円筒状であったかしめ部24が内周側へテーパ状に屈曲される。これにより、隔壁体100、及び支持筒52が外筒金具14内における段差部18とかしめ部24との間に固定される。
ここで、支持筒52には、その内周面に上方へ向って凸の椀状に形成されたゴム製のダイヤフラム54の外周部が全周に亘って加硫接着されている。また隔壁体100は、図2に示されるように、略肉厚円板状に形成された仕切部材48及び、この仕切部材48の上面部に密着する略ハット状の仕切金具50を備えている。仕切部材48は、例えば、アルミ合金等の金属材料を素材として鋳造等の方法で成形され、また仕切金具50は、仕切部材48よりも高強度の鋼板等を素材としてプレス等の方法により成形されている。
防振装置10内には、外筒金具14、弾性体16及びダイヤフラム54により外部から密閉された液室空間が形成されており、この液室空間は、隔壁体100により弾性体16を隔壁の一部とする主液室56と、ダイヤフラム54を隔壁の一部とする副液室58とに区画されている。防振装置10では、副液室58の隔壁の一部を形成するダイヤフラム54の外側が大気空間とされており、これにより、ダイヤフラム54は、副液室58内の液圧変化に応じて副液室58の内容積を拡縮するように変形可能とされている。また主液室56は、その内容積が弾性体16の弾性変形に伴って拡縮する。
仕切部材48には、その外周面に周方向へ延在する凹状の溝部60が設けられている。図2(B)に示されるように、溝部60は軸心Sを中心とする周方向に沿ってC字状に延在しており、仕切部材48には、溝部60の一端部から下方へ向って溝部60の下部側が切り欠かれて連通口62が形成されると共に、溝部60の他端部から上方へ向って溝部60の上部側が切り欠かれて連通口64が形成されている。ここで、溝部60は、図1に示されるように、その外周側が被覆部46を介して外筒金具14の内周面により閉止されることにより、主液室56と副液室58とを連通させる細長い制限通路であるオリフィス66を形成している。
主液室56、副液室58及びオリフィス66内には、水、エチレングリコール等の液体が充填されており、この液体はオリフィス66を通して主液室56と副液室58との間で流通可能とされている。ここで、オリフィス66は、その路長及び断面積がシェイク振動の振幅及び周波数に適合するように設定(チューニング)されている。
仕切部材48には、図2(A)に示されるように、その上面中央部に円形凸状の肉厚部68が形成されており、この肉厚部68の上面中央部には円形の凹部70が形成されている。また仕切部材48には、その下面中央部に肉厚部68よりも大径とされた円形凹状の逃げ部72が形成されており、この逃げ部72の頂面と凹部70の底面との間には厚さが略一定の底板部90が設けられている。逃げ部72内には、軸方向に沿って底板部90との間に隙間を空けつつ、延長金具40及び弾性体16の上端部が挿入されている。
ここで、底板部90と延長金具40及び弾性体16との間の隙間は、ブラケット36にエンジンが連結され、このエンジンの重量に起因する荷重がブラケット36に入力した状態では、図1に示した状態よりも拡大されて十分な幅となるので、振動が入力しても延長金具40及び弾性体16が底板部90に接することは無い。
図2に示されるように、仕切部材48は、その上面部における肉厚部68の外周側が平面状のフランジ面84とされており、このフランジ面84には、円柱状に形成された複数本(本実施形態では、6本)のかしめ突起86が周方向に沿って等ピッチ(60°間隔)で一体的に形成されている。かしめ突起86のフランジ面84からの突出長(全長)は、仕切金具50の肉厚と後述するパッキン部材102の肉厚との和よりも若干長くなっている。かしめ突起86には、図4(A)及び(B)に示されるように、先端側よりも大径の円柱状とされた固定座210が一体的に形成されている。固定座210には、かしめ突起86の外周面から軸直角方向に沿って延出する環状の位置決め面212が平面状に形成されている。
仕切金具50には、その中央部に仕切部材48の肉厚部68に対応する円形凸状の外嵌部74が形成されると共に、この外嵌部74の下端部から外周側へ延出する環状のフランジ部76が一体的に形成されている。このフランジ部76には、複数本のかしめ突起86に対応する部位にそれぞれ円形の貫通穴77が穿設されている。この貫通穴77の内径は、かしめ突起86先端側の外径よりも僅かに小さくされており、固定座210の外径は、貫通穴77の内径よりも十分に大きくなっている。またフランジ部76の径方向に沿った幅は、フランジ面84の幅より若干狭くなっている。
隔壁体100には、図2に示されるように、仕切部材48のフランジ面84と仕切金具50のフランジ部76との間に介装されるリング状のパッキン部材102が設けられている。パッキン部材102は、NR、NBR、シリコーンゴム等のゴム組成物により厚さが一定とされた薄肉のプレート状に成形されており、その径方向に沿った幅がフランジ部76の幅と等しいか僅かに狭くなっている。パッキン部材102には、フランジ部76における複数の貫通穴77にそれぞれ対応する部位に中間開口104が穿設されており、この中間開口104の内径は固定座210の外径よりも若干大径とされている。
なお、本実施形態では、パッキン部材102に粘弾性を付与するためにパッキン部材102をゴム組成物により形成したが、粘弾性を有する材料であれば、ゴム組成物以外の他の材料(例えば、PE等の樹脂材料)によりパッキン部材102を形成しても良い。
仕切部材48、仕切金具50及びパッキン部材102からなる隔壁体100を組み立てる際には、先ず、仕切部材48の各かしめ突起86をそれぞれパッキン部材102の各中間開口104内へ挿入しつつ、パッキン部材102をフランジ面84上に密着するように載置する。このとき、組立作業の作業性を良好にするため、パッキン部材102とフランジ面84とを接着剤等により予め固着しておいても良い。また、パッキン部材102の中間開口104を仕切金具50の貫通穴77と一致させた状態で、予めパッキン部材102をフランジ部76の下面側に接着剤等により固着するようにしても良い。
なお、本実施形態では、所定形状に予め製造(成形)されたパッキン部材102を隔壁体100の構成部品として用いたが、このようなパッキン部材は、仕切部材48及び仕切金具50の一方をインサートコアとして加硫ゴムによりモールド成形すると同時に、仕切部材48のフランジ面84及び仕切金具50のフランジ部76の一方に加硫接着することにより、部品の成形と仕切部材48又は仕切金具50への固着とを同時に行っても良い。またパッキン部材を厚さ方向に沿って2分割した構造とし、このパッキン部材における一対の分割片をそれぞれ加硫成形すると同時に、フランジ面84及びフランジ部76にそれぞれ加硫接着するようにしても良い。
次いで、仕切金具50の外嵌部74を仕切部材48の肉厚部68へ外嵌しつつ、かしめ突起86の先端側を貫通穴77内へ挿入し、パッキン部材102を介して仕切金具50のフランジ部76を仕切部材48のフランジ面84上へ載置する。この状態で、フランジ面84及びフランジ部76によりパッキン部材102が厚さ方向(軸方向)へ圧縮されるように、仕切金具50及び仕切部材48の一方又は双方に軸方向に沿った加圧力を加える。このとき、パッキン部材102の圧縮後の厚さ、すなわちフランジ面84とフランジ部76とのクリアランスを一定にしないと、後述する収納室80の軸方向に沿った寸法が変化することから、フランジ面84とフランジ部76とのクリアランスを精度良く設計値に調整することが必要となる。このため、仕切部材48では、フランジ面84から固定座210の位置決め面212まで寸法がパッキン部材102の圧縮後の厚さと精度良く一致している。
ここで、また圧縮前のパッキン部材102は、その厚さDT(図2(A)参照)が0.1mm〜5.0mmの範囲で適宜設定され、より好ましくは0.1mm〜1.0mmの範囲で適宜設定されている。パッキン部材102を0.1mm以上とする理由は、0.1mmよりも薄い場合には、パッキン部材102を予圧縮した状態で、仕切金具50と仕切部材48との間で振動遮断等のために必要となる弾性作用が得られず、また5.0mmよりも厚いと仕切金具50の仕切部材48に対する軸方向に沿った変位が過大となり、後述する収納室80の軸方向に沿った寸法精度が不十分になることによる。従って、収納室80の軸方向に沿った寸法精度を十分に高いもものにする必要がある場合には、パッキン部材102の厚さを1.0mm以下とすることが好ましい。
最後に、図4(A)に示されるように、仕切金具50の貫通穴77から突出するかしめ突起86の先端部を専用のかしめ用工具により加圧し、かしめ突起86の少なくとも先端部が拡径するようにかしめ突起86の先端部を通電熱かしめ(抵抗熱かしめ)により塑性変形させて、かしめ突起86の先端部に所定の形状を有する拡径部110(図4(B)参照)を形成する。このかしめ突起86に対する熱かしめと同時に、かしめ工具によりフランジ部76をフランジ面84側へ加圧して、図4(B)に示されるように、パッキン部材102を圧縮しつつ、フランジ部76の下面側を固定座210の位置決め面212に密着させる。これにより、パッキン部材102が所定の圧縮量だけ精度良く圧縮される。
かしめ突起86に対して通電熱かしめを行う際には、先ず、図4(A)に示されるように、貫通穴77から突出したかしめ突起86の先端面に、油圧シリンダ等のアクチュエータ(図示省略)により軸方向へ駆動される円柱状のポンチ112の先端面を押し当て、この状態で、正極及び負極がそれぞれポンチ112及び仕切部材48に配線された電源ユニット114を通電状態とする。これにより、電源ユニット114、ポンチ112及び仕切部材48により構成された回路に電流が流れ、断面積が他の部分よりも小さく電気抵抗が大きいかしめ突起86がジュール熱により発熱する。
かしめ突起86が所定の目標温度まで昇熱されると、アクチュエータによりポンチ112を下降させて、ポンチ112の先端面によりかしめ突起86の先端面を加圧する。高温状態となって軟化しているかしめ突起86は、その先端部がポンチ112から加圧力により座屈変形する。これにより、かしめ突起86の先端部には、図4(B)に示されるように、軸方向に沿って扁平な円板状の拡径部110が形成される。この拡径部110は、その外径が貫通穴77の内径よりも大きくなっており、下面部の外周側及び上面部がそれぞれ略平面状となる。このとき、仕切金具50がパッキン部材102により仕切部材48から離間する方向へ付勢されていることから、かしめ突起86の下面側は仕切金具50のフランジ部76における貫通穴77の周縁部に圧接する。
かしめ突起86の先端部に拡径部110が形成されることより、かしめ突起86の拡径部110によりフランジ部76における貫通穴77の周縁部が係止された状態となり、仕切金具50がかしめ突起86により仕切部材48に対して固定(かしめ固定)され、隔壁体100の組み立てが完了する。この隔壁体100では、フランジ面84とフランジ部76との間でパッキン部材102が所定量だけ圧縮された状態に保持される。
図3(A)に示されるように、隔壁体100では、仕切部材48の凹部70の上端側(開口端)が外嵌部74の頂板部78により閉止され、この凹部70内には主液室56及び副液室58から区画された収納室80が形成される。このとき、仕切金具50の頂板部78は、その下面側を仕切部材48の肉厚部68の頂面から僅かに離間させる。収納室80内には、軸方向に沿った肉厚が略一定とされた円板状の空間が形成される。また仕切金具50のフランジ部76及びパッキン部材102には、図2(B)に示されるように、外周端から内周側へ向って略矩形状に切り欠かれた切欠部82及び切欠部106がそれぞれ形成されており、これらの切欠部82,106を通して、オリフィス66の連通口64は副液室58へ連通している。
図2(B)に示されるように、仕切金具50には、その頂板部78に内周部から外周側へ向って周方向に沿った寸法が広がる扇状の開口部88が複数個(本実施形態では、4個)穿設されている。この開口部88を通して収納室80は副液室58と互いに連通している。また図2(A)に示されるように、仕切部材48の底板部90にも、仕切金具50の開口部88と同様の形状及び開口面積を有する開口部92が複数個(本実施形態では、4個)穿設されている。この開口部92を通して収納室80は、主液室56と互いに連通している。
図3(A)に示されるように、収納室80内にはゴム、樹脂等を素材として円板状に形成された流通制御板94が配置されている。この流通制御板94は、全体として厚さが略一定の薄肉円板状に形成されており、その外径が収納室80の内径よりも若干小さくなっている。
流通制御板94は、その厚さPT(図3(A)参照)が収納室80の軸方向に沿った寸法ST(図3(A)参照)よりも所定寸法短くなっている。具体的には、例えば、流通制御板94の厚さPTと収納室80の厚さSTとの差は、入力振動のうち相対的に低周波数の振動であるシェイク振動の振幅よりも短く、かつ相対的に高周波数の振動であるアイドル振動の振幅よりも長くなるように設定されている。これにより、収納室80内では、流通制御板94の底板部90及び頂板部78との間に軸方向に沿って低周波振動と高周波振動との振幅差に対応する幅の隙間が形成される。これにより、収納室80内に収納された流通制御板94は、低周波振動と高周波振動との振幅差に対応する振幅で軸方向に沿って往復移動(振動)することが可能になる。
(実施形態の作用)
次に、上記のように構成された本発明の実施形態に係る防振装置10の動作及び作用について説明する。防振装置10では、エンジン又は車体側からの振動入力時に、この振動により吸振主体である弾性体16が弾性変形する。これにより、弾性体16の内部摩擦等によって入力振動が減衰吸収される。
また防振装置10では、エンジン又は車体側からの振動入力時に、この振動入力に同期して弾性体16が弾性変形すると、主液室56の内容積が拡縮すると共に液圧が変化する。この液圧変化に伴って、オリフィス66を通して主液室56と副液室58との間に液体が相互に流通すると共に、主液室56に連通した収納室80内に収納された流通制御板94には、入力振動に同期して周期的に変化する液圧(圧力波)が作用し、この圧力波を受けた流通制御板94は、収納室80内で軸方向に沿って振動し、その上面部及び下面部を仕切金具50の頂板部78及び仕切部材48の底板部90に対して当接及び離間する動作を繰り返す。
防振装置10では、流通制御板94が下方へ移動して底板部90に当接すると、流通制御板94の下面部により底板部74に開口する開口部92が閉塞され、流通制御板94が底板部74から上方へ離間すると、開口部92が開放される。また流通制御板94が上方へ移動して頂板部78に当接すると、流通制御板94の上面部により頂板部78に開口する開口部88が閉塞される。
防振装置10では、入力振動の周波数が低く、その振幅が所定値以上の場合に、主液室56内の液圧が副液室58内に液圧に対して実質的に変化(上昇及び低下)している期間には、流通制御板94が底板部90及び頂板部78の一方に交互に密着した状態となって開口部88,92の一方が閉塞され、収納室80内を通って液体が主液室56と副液室58との間を実質的に流通することがなくなり、オリフィス66のみを通して主液室56と副液室58との間で液体が相互に流通する。
具体的には、防振装置10では、入力振動の周波数がシェイク振動の周波数(例えば、8〜12Hz)以下である場合、主液室56内の液圧が副液室58内に液圧に対して変化(上昇及び低下)している期間には、流通制御板94により開口部88,92の一方が閉塞される。これにより、シェイク振動の入力時には、収納室80内を通って液体が主液室56と副液室58との間を実質的に流通することがなくなり、オリフィス66のみを通して主液室56と副液室58との間で液体が相互に流通する。
この結果、防振装置10によれば、入力振動が特にシェイク振動である場合には、オリフィス66を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じ、この液柱共振の作用によって入力振動を特に効果的に減衰できる。
また防振装置10では、入力振動の周波数がシェイク振動の周波数よりも高く、その振幅が小さい場合、例えば、入力振動がアイドル振動(例えば、20〜30Hz)である場合には、シェイク振動に適合するようにチューニングされたオリフィス66が目詰まり状態となり、オリフィス66には液体が流れ難くなるが、流通制御板94が収納室80内で入力振動に同期して振動することにより、主液室56内の液圧が副液室58内に液圧に対して実質的に変化している期間に、流通制御板94と底板部90及び頂板部78の一方との間に隙間が形成され、開口部88,92が交互に開放された状態となるので、収納室80を通って主液室56と副液室58との間で液体の流通が生じる。
この結果、防振装置10によれば、シェイク振動よりも高い周波数を有する高周波振動の入力時には、オリフィス66が目詰まり状態となり、オリフィス66には液体が流れ難くなるが、主液室56内の液圧上昇が抑制されるように、収納室80を通って主液室56内の液体が副液室58へ流出することから、主液室56内の液圧上昇に起因する装置の動ばね定数の上昇を抑えることができ、このような高周波振動(アイドル振動やこもり音)の入力時も弾性体16の動ばね定数を低く維持し、この弾性体16の弾性変形により高周波振動も効果的に吸収できる。
また防振装置10では、仕切部材48のフランジ部64に一体的に設けられたかしめ突起86が、仕切金具50のフランジ部76に形成された貫通穴77内に挿入され、この貫通穴77から突出した先端部に貫通穴77の内径よりも大径の拡径部110が形成されることにより、かしめ突起86の拡径部110がフランジ部76における貫通穴77の周縁部へ圧接して仕切金具50が仕切部材48に対して軸方向に沿って相対移動することを阻止し、かしめ突起86により仕切金具50の仕切部材48に対する軸直角方向に沿って移動も阻止されるので、仕切金具50と仕切部材48とを高い強度で、かつフランジ部76とフランジ部84との間にガタが生じないように固定できる。
この結果、防振装置10によれば、振動入力時に主液室56内に生じる圧力波を受けた流通制御板94が収納室80内で振動し、入力振動に同期して流通制御板94が収納室80を構成する頂板部78及び底板部90に繰り返し当接(衝突)する現象が生じても、流通制御板94からの荷重により仕切金具50のフランジ部76と仕切部材48のフランジ部84との間にガタが生じることを防止でき、フランジ部76とフランジ部84との衝突により内部隔壁から異音が発生することを防止できる。
また防振装置10では、かしめ突起86の先端部に熱かしめの一種である通電熱かしめにより拡径部110を形成したことにより、ヘッデング工法、スピニング工法等の冷間でかしめ工法によりかしめ突起86をかしめる場合と比較し、かしめ突起86に対する塑性変形量を大きくする場合でも、加工部(拡径部110付近)に亀裂等の損傷及び加工硬化の影響による脆化が生じにくくなるので、かしめ後のかしめ突起86の破壊を効果的に防止でき、またかしめ突起86に対するかしめ時にポンチ112からの加圧力により円板状の拡径部110を形成しつつ、この拡径部110の下面側をフランジ部76へ圧着させることができるので、拡径部110をフランジ部76との間に隙間が生じることを効果的に防止できる。
なお、本実施形態では、かしめ突起86に電気抵抗による発熱を利用する通電熱かしめにより拡径部110を形成したが、これ以外にも、高周波加熱を利用してかしめ突起86を加熱しても、又は高温状態に加熱されたポンチ112からの熱伝導によりかしめ突起86を加熱した後、かしめ突起86を加圧しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
但し、かしめ突起86に対するかしめ方法としては、熱かしめにより形成される拡径部110と同様の形状を有する形成できるものであれば、他の方法を用いても良い。
具体的には、例えば、図5(A)に示されるように、かしめ突起86の先端面に凹状の拡径起点部120を形成し、かしめ突起86の先端面をポンチ112により加圧して拡径部122を冷間で形成するかしめ方法を用いても良い。ここで、拡径起点部120は略円錐状(すり鉢状)に形成されており、拡径起点部120の外周側の強度を低下させると共に、軸方向に沿った荷重(加圧力)の一部を軸直角方向に沿った分力に変換するように作用する。これにより、かしめ突起86の先端面を平面状の加圧面124を有するポンチ112により加圧すると、かしめ突起86における拡径起点部120の外周側の部分が外周側へ容易に変形し、図5(B)に示されるように、かしめ突起86の先端部に略円板状の拡径部122が形成される。
このとき、かしめ突起86に形成する拡径起点部120の深さを適宜調整することにより、ポンチ112による加圧完了後にかしめ突起86に形成される拡径部110の厚さ及び、拡径部110の下面部分の軸方向に沿った位置を容易に調整できるので、拡径部110をその下面側とフランジ部76との間に隙間ができないようにかしめ突起86の先端部に形成できる。
また本実施形態に係る防振装置10では、仕切部材48と一体的に締結部材であるかしめ突起86を形成していたが、図6(A)に示されるように、締結部材として仕切部材48とは別体のリベット130を用いても良い。この場合、仕切部材48には、フランジ部84の上面部と溝部60の内壁面との間を貫通する取付穴136が形成される。この取付穴136の内径は、仕切金具50の貫通穴77と略同一になっている。リベット130は、その基端部に取付穴136の内径よりも大径の頭部132が形成されると共に、この頭部132の中央部から突出する軸部134が一体的に形成されている。防振装置10では、フランジ面84から突出する軸部134の外周側に圧縮後のパッキン部材102と厚さが一致するワッシャ214が嵌挿されており、このワッシャ214によりパッキン部材102の圧縮量が調整される。
リベット130は、その軸部134を仕切部材48の取付穴136、パッキン部材102の中間開口104及び仕切金具50の貫通穴77にそれぞれ挿入させ、頭部132を溝部60の内壁面へ当接させると共に、先端部を貫通穴77から突出させる。この場合にも、防振装置10では、かしめ突起86の先端部の場合と同様に、貫通穴77から突出した軸部134の先端部に熱かしめにより拡径部110が形成される。これにより、仕切金具50がパッキン部材102を介して仕切部材48に固定される。
なお、軸部134の先端面に図5(A)に示される拡径起点部120と同様な形状を有する拡径起点部を形成し、ポンチにより軸部134の先端面を均一に加圧することにより、拡径部122を形成するようにしても良い。
上記のように締結部材として仕切部材48とは、別体の規格部品であるリベット130を用いることにより、仕切部材48の形状が簡略化されて仕切部材48の製造が簡単になると共に製造コストの低減が可能になる。
また本実施形態に係る防振装置10では、仕切部材48のフランジ面84と仕切金具50のフランジ部76との間にゴム製のパッキン部材102を介装していたが、図6(B)に示されるように、仕切部材48のフランジ面84と仕切金具50のフランジ部76との間にパッキン部材102を介装しないようにしても良い。この場合でも、拡径部110が形成されたかしめ突起86によりフランジ面84とフランジ部76とを十分に大きい強度で連結して密着した状態に維持できるので、仕切金具50が流通制御板94からの衝撃荷重を繰り返し受けても、フランジ面84とフランジ部76との間に隙間ができ、打音が生じることを防止できる。
また防振装置10では、仕切部材48のフランジ面84と仕切金具50のフランジ部76との間に、粘弾性を有するパッキン部材102が圧縮状態で介装されていることにより、フランジ面84とフランジ部76との間で圧縮状態となったパッキン部材102がフランジ面84及びフランジ部76に、これらを互い離間させる方向の復元力を常に作用させると共に、流通制御板94から底板部90及び頂板部78に加わった衝撃力をパッキン部材102の粘弾性の作用により効果的に緩衝できるので、装置への振動入力時に流通制御板94が頂板部78及び底板部90に繰り返し衝突しても、流通制御板94から頂板部78及び底板部90に加わった衝撃力を緩衝でき、この衝撃力が振動受部側へ伝達されることを抑制できる。この結果、防振装置10によれば、流通制御板94が頂板部78及び底板部90へ衝突した際の衝撃力により発生する衝突音の発生も効果的に低減できる。
本発明の実施形態に係る防振装置の構成を示す側面断面図である。 図1に示される防振装置における可動板を収納した隔壁体を分解した状態を示す側面断面図及び斜視図である。 図1に示される防振装置における可動板を収納した隔壁体の構成を示す側面断面図及び斜視図である。 図1に示される防振装置における仕切部材と仕切金具とを連結するかしめ突起の構成を示す側面断面図であり、(A)は拡径部が形成される前のかしめ突起を示し、(B)は熱かしめにより拡径部が形成されたかしめ突起を示している。 図1に示される防振装置における仕切部材と仕切金具とを連結するかしめ突起の他の構成例を示す側面断面図であり、(A)は拡径部が形成される前の拡径起点部が形成されたかしめ突起を示し、(B)はかしめにより拡径部が形成されたかしめ突起を示している。 (A)は図1に示される防振装置における仕切部材と仕切金具とをリベットにより連結固定した場合を示す側面断面図、(B)は図1に示される防振装置からパッキン部材を取り除いた場合の場合を示す側面断面図である。である。
符号の説明
10 防振装置
12 内筒金具(第1の取付部材)
14 外筒金具(第2の取付部材)
16 弾性体
48 仕切部材(第1の仕切部材)
50 仕切金具(第2の仕切部材フランジ面84と仕切金具50のフランジ部76)
56 主液室
58 副液室
66 オリフィス(制限通路)
76 フランジ部(第2のフランジ部)
77 貫通穴
84 フランジ面(第1のフランジ部)
86 かしめ突起(締結部材)
88 開口部(第2の開口部)
92 開口部(第1の開口部)
94 流通制御板
100 隔壁体(内部隔壁)
102 パッキン部材(緩衝膜材)
110 拡径部
120 拡径起点部
130 リベット(締結部材)
132 頭部
134 軸部

Claims (7)

  1. 振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の取付部材と、
    振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材と、
    前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置された弾性体と、
    液体が封入され、前記弾性体を隔壁の一部として該弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、
    液体が封入され、内容積が拡縮可能とされた副液室と、
    前記主液室と前記副液室との間を区画すると共に、内部に中空状の収納室が設けられ、該収納室を前記主液室に連通させる第1の開口部及び収納室を前記副液室に連通させる第2の開口部がそれぞれ形成された内部隔壁と、
    前記主液室と前記副液室とを互いに連通する制限通路と、
    前記収納室内に配置され、前記第1の取付部材又は第2の取付部材への振動入力時に、該入力振動に同期し、前記第1の開口部及び前記第2の開口部を交互に開閉する流通制御板と、を有する防振装置であって、
    前記内部隔壁は、
    前記第1の開口部が形成されると共に、該第1の開口部の外周側に環状の第1のフランジ部が形成された第1の仕切部材と、
    前記第2の開口部が形成されると共に、該第2の開口部の外周側に環状の第2のフランジ部が設けられ、該第2のフランジ部が前記第1のフランジ部に対向する状態で固定されて、前記第1の仕切部材との間に前記収納室を形成する第2の仕切部材と、
    前記第1のフランジ部及び前記第2のフランジ部の一方に、その厚さ方向へ貫通するように形成された貫通穴と、
    前記第1のフランジ部及び前記第2のフランジ部の他方に、前記厚さ方向への移動が拘束されるように設けられ、前記貫通穴内に挿入されると共に、該貫通穴から突出した先端部に該貫通穴の内径よりも大径の拡径部が形成される締結部材と、
    を備えたことを特徴とする防振装置。
  2. 前記締結部材は、前記第1のフランジ部及び前記第2のフランジ部の他方と一体的に形成され、前記貫通穴に挿入され、該貫通穴から突出した先端部に前記拡径部が形成されるピン状の突起部であることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. 前記第1のフランジ部及び前記第2のフランジ部の他方には、前記厚さ方向へ貫通する取付穴が形成され、
    前記締結部材は、前記取付穴の内径よりも大径の頭部及び、該頭部の前記厚さ方向に沿った一端面から突出する軸部を有し、該軸部を前記取付穴及び前記貫通穴にそれぞれ挿入し、該貫通穴から突出した先端部に前記拡径部が形成されるリベットであることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  4. 前記締結部材の先端部には、熱かしめにより前記拡径部が形成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の防振装置。
  5. 前記締結部材の先端部には、該締結部材の先端面に形成された凹状の拡径起点部が軸方向に沿って加圧されて前記拡径部が形成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の防振装置。
  6. 前記拡径部は、前記第1のフランジ部及び前記第2のフランジ部の一方における前記貫通穴の周縁部に対して圧接状態とされることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の防振装置。
  7. 前記第1のフランジ部と前記第2のフランジ部との間に圧縮状態で介装される粘弾性を有する緩衝膜材を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の防振装置。
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