JP2009281431A - 液封入式防振装置 - Google Patents

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Hikofumi Yamamoto
彦文 山本
Hironori Kato
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Abstract

【課題】仕切り体を構成する部材同士を強固に固定して、そのガタつきによる影響を抑制することができると共に、部材に要求される寸法公差を緩くして、製品コストの削減を図ることができる液封入式防振装置を提供すること。
【解決手段】第2挟持部材18の挿通孔32から突出されたオリフィス筒部材16突設ピン31部の先端を軸方向へ押圧して、突設ピン31の外径を拡径させることで、オリフィス筒部材16と第2挟持部材18とを結合することができる。よって、圧入固定と比較して、寸法公差を緩くすることができるので、その分、製品コストの削減を図ることができる。また、オリフィス筒部材16と第2挟持部材18とのガタつきを抑制して、メンブレンの拘束状態を安定化することができる。その結果、動的特性のばらつきを抑制することができると共に、ガタつきによる異音の発生を抑制することができる。
【選択図】図12

Description

本発明は、液封入式防振装置に関し、特に、仕切り体を構成する部材同士を強固に固定して、そのガタつきによる影響を抑制することができると共に、部材に要求される寸法公差を緩くして、製品コストの削減を図ることができる液封入式防振装置に関するものである。
自動車のエンジンを支持固定しつつ、そのエンジン振動を車体フレームへ伝達させないようにする防振装置として、液封入式防振装置が知られている。
液封入式防振装置は、例えば、エンジン側に取り付けられる第1取付け具と、車体フレーム側に取り付けられる第2取付け具とがゴム状弾性体から構成される防振基体で連結されると共に、第2取付け具に取付けられたダイヤフラムと防振基体との間に液体封入室が形成される。そして、この液体封入室は、仕切り体によって第1液室および第2液室に仕切られると共に、これら第1液室および第2液室は、オリフィスによって互いに連通されている。
この液封入式防振装置によれば、オリフィスによる第1液室および第2液室間の流体流動効果や防振基体の制振効果により、振動減衰機能と振動絶縁機能とを果すことができる。
このような液封入式防振装置としては、更に、第1液室および第2液室の間に弾性仕切り膜(メンブレン)を配置し、この弾性仕切り膜の両側に一対の格子部(挟持部材)を設けたものがある。この液封入式防振装置によれば、比較的小振幅の振動入力時には、弾性仕切り膜が往復動変位して、両液室間の液圧変動(液圧差)を吸収することで、低動ばね特性を得ることができる一方、比較的大振幅の振動入力時には、弾性仕切り膜の変位を格子部が規制して、膜剛性が高められることで、オリフィスを介して流動する液体を増加させて、減衰特性の向上を図ることができる(特許文献1)。
特開2007−182930号公報(例えば、段落[0018]、図3など)
ところで、上述した従来の液封入式防振装置では、筒部と格子部とを圧入により固定して、仕切り体を組み立てる構成である。即ち、一対の格子部の内の一方の格子部は、その外周部に沿って立設される円筒状の周壁部を備え、その周壁部を筒部の一端側に外嵌することで、筒部の一端側に一方の格子部が圧入固定される。なお、他方の格子部は、筒部の内周側に一体に形成されている。
しかしながら、このように、筒部に対して格子部を圧入により固定する構成では、圧入部(即ち、筒部の一端側における外径寸法、及び、格子部の周壁部における内径寸法)に要求される寸法公差が厳しく(小さく)なる。例えば、外径寸法が内径寸法よりも大き過ぎると圧入ができない一方で、小さ過ぎるとガタつきが発生して固定ができない。そのため、製造コストや管理コストが嵩むと共に、歩留まりが悪化して、その分、製品コストが増加するという問題点があった。
これに対し、一方の格子部を筒部に圧入固定せず、かかる一方の格子部を筒部の一端側の端面に重ね合わせるのみとする構成も考えられる。しかしながら、この場合には、一方の格子部が筒部(即ち、他方の格子部)に対してガタついて、格子部同士の相対的な位置関係を一定に維持することができない。そのため、メンブレンの拘束状態が不安定となり、動的特性がばらつくという問題点がある。また、このように、一方の格子部材が筒部に対して固定されていない場合には、そのガタつきによって、異音が発生するという問題点がある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、仕切り体を構成する部材同士を強固に固定して、そのガタつきによる影響を抑制することができると共に、部材に要求される寸法公差を緩くして、製品コストの削減を図ることができる液封入式防振装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の液封入式防振装置は、第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、前記第2取付け具と第1取付け具とを連結すると共にゴム状弾性材から構成される防振基体と、前記第2取付け具に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の第1液室と前記ダイヤフラム側の第2液室とに仕切る仕切り手段と、前記第1液室と第2液室とを連通させるオリフィスとを備えるものであり、前記仕切り手段は、筒状の筒部材と、前記筒部材の内周面側に配設される板状の第1挟持部材と、前記筒部材に重ね合わされ前記第1挟持部材と所定間隔を隔てて対向する板状の第2挟持部材と、前記第1挟持部材および第2挟持部材の対向面間に収容されると共にゴム状弾性材から構成されるメンブレンと、を備え、前記筒部材は、前記第2挟持部材との合わせ面から突設されると共に前記第2挟持部材の板厚寸法よりも突設寸法が大きい円柱状の突設部を備え、前記第2挟持部材は、板厚方向に貫通形成されると共に前記突設部の外径よりも大きな内径を有し前記筒部材の突設部が挿通される挿通孔を備え、前記挿通孔は、貫通方向に沿って一定の内径を有する円筒状の嵌合孔と、前記嵌合孔の内径よりも大きな内径を有すると共に前記筒部材との合わせ面に開口する大径孔とを備え、前記筒部材に前記第2挟持部材を重ね合わせ、前記筒部材の突設部を前記第2挟持部材の挿通孔に挿通させると共に、前記挿通孔から突出された前記突設部の先端を軸方向へ押圧して、前記突設部の外径を拡径させることで、前記突設部の外周面を前記挿通孔の内周面に圧接させ、前記筒部材と第2挟持部材とを結合するように構成されている。
請求項2記載の液封入式防振装置は、請求項1記載の液封入式防振装置において、前記大径孔は、前記嵌合孔に連設されると共に前記筒部材との合わせ面へ向けて漸次内径が拡径されるテーパ状に構成されている。
請求項3記載の液封入式防振装置は、第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、前記第2取付け具と第1取付け具とを連結すると共にゴム状弾性材から構成される防振基体と、前記第2取付け具に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の第1液室と前記ダイヤフラム側の第2液室とに仕切る仕切り手段と、前記第1液室と第2液室とを連通させるオリフィスとを備えるものであり、前記仕切り手段は、筒状の筒部材と、前記筒部材の内周面側に配設される板状の第1挟持部材と、前記筒部材に重ね合わされ前記第1挟持部材と所定間隔を隔てて対向する板状の第2挟持部材と、前記第1挟持部材および第2挟持部材の対向面間に収容されると共にゴム状弾性材から構成されるメンブレンと、を備え、前記筒部材は、前記第2挟持部材との合わせ面から突設されると共に前記第2挟持部材の板厚寸法よりも突設寸法が大きい円柱状の突設部と、前記突設部の周囲を取り囲み周方向に連続すると共に第2挟持部材との合わせ面に凹設される凹設溝とを備え、前記第2挟持部材は、板厚方向に貫通形成され前記筒部材の突設部が挿通される挿通孔を備えると共に、前記挿通孔は、前記突設部の外径よりも大きな内径を有すると共に軸方向に沿って内径が一定に構成される円筒状の嵌合孔を備え、前記筒部材に前記第2挟持部材を重ね合わせ、前記筒部材の突設部を前記第2挟持部材の挿通孔に挿通させると共に、前記挿通孔から突出された前記突設部の先端を軸方向へ押圧して、前記突設部の外径を拡径させることで、前記突設部の外周面を前記挿通孔の内周面に圧接させ、前記筒部材と第2挟持部材とを結合するように構成されている。
請求項4記載の液封入式防振装置は、請求項1から3のいずれかに記載の液封入式防振装置において、前記筒部材は、筒状に形成され内周面側に前記第1挟持部材が配設される胴部と、前記胴部の外周面から径方向外方へ張り出すと共に対向面間に前記オリフィスが形成される一対の張出部とを備えると共に、前記一対の張出部の内の前記第2挟持部材が重ね合わされる側の張出部は、外周縁を切り欠いて形成され前記オリフィスの出入り口となる張出側切欠部を備え、前記突設部は、前記筒部材の前記第2挟持部材との合わせ面から少なくとも3本が突出されると共に、前記筒部材の軸心方向視において、それぞれが前記胴部の軸心から等距離となる位置であって前記張出部および胴部に重なる位置に配設され、前記第2挟持部材は、外周縁を切り欠いて形成され前記オリフィスの出入り口となる板部材側切欠部を備え、前記挿通孔は、前記第2挟持部材の少なくとも3か所に貫通形成されると共に、前記第2挟持部材の軸心方向視において、それぞれが前記第2挟持部材の軸心から等距離となる位置であって前記突設部に対応する位置に配設され、前記第2挟持部材の一面側を筒部材に重ね合わせ、かつ、前記板部材側切欠部の周方向位置を前記張出側切欠部の周方向位置に一致させた場合のみ、前記突設部が挿通孔へ挿通可能となり、前記第2挟持部材の他面側を筒部材に重ね合わせた場合、または、前記板部材側切欠部の周方向位置が前記張出側切欠部の周方向位置に不一致である場合には、前記突設部が挿通孔へ挿通不可能となるように、前記複数の突設部の内の隣接する突設部同士および前記複数の挿通孔の内の隣接する挿通孔同士の周方向間隔がそれぞれ不等間隔に配列されている。
請求項1記載の液封入式防振装置によれば、筒部材の内周面側に第1挟持部材が配設され、その筒部材に第2挟持部材が重ね合わされると、第1挟持部材と第2挟持部材とが所定間隔を隔てて対向すると共に、これら第1挟持部材および第2挟持部材の対向面間にメンブレンが収容される。
よって、比較的小振幅の振動入力時には、メンブレンを往復動変位させて、第1及び第2液室間の液圧差を緩和(吸収)することで、低動ばね特性を得ることができる。一方、比較的大振幅の振動入力時には、第1挟持部材および第2挟持部材によりメンブレンを拘束(変位を規制)して、その剛性を上昇させることで、高減衰特性を得ることができる。
ここで、本発明の液封入式防振装置によれば、筒部材が、第2挟持部材との合わせ面から突設されると共に第2挟持部材の板厚寸法よりも突設寸法が大きい円柱状の突設部を備えると共に、第2挟持部材が、板厚方向に貫通形成されると共に突設部の外径よりも大きな内径を有し突設部が挿通される挿通孔を備える構成であるので、筒部材に第2挟持部材を強固に固定して、そのガタつきによる影響を抑制することができると共に、両部材に要求される寸法公差を緩くして、製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
即ち、従来品では、筒部(筒部材)に対して格子部(第2挟持部材)を圧入により固定する構成であったので、圧入部(即ち、圧入部材の外径寸法とその圧入部材が圧入される被圧入部材の内径寸法)に要求される寸法公差が厳しく(小さく)なる。即ち、外径寸法が内径寸法よりも大き過ぎると圧入ができない一方で、小さ過ぎるとガタつきが発生して固定ができない。そのため、製造コストや管理コストが嵩むと共に、歩留まりが悪化して、その分、製品コストが増加する。
これに対し、本発明の液封入式防振装置によれば、筒部材に第2挟持部材を重ね合わせ、突設部を挿通孔に挿通させると共に、挿通孔から突出された突設部の先端を軸方向へ押圧して、突設部の外径を拡径させることで、突設部の外周面を挿通孔の内周面に圧接させ、筒部材と第2挟持部材とを結合することができる。
即ち、突設部の拡径を利用して、筒部材に第2挟持部材を固定する構成であるので、圧入の場合と比較して、部材の寸法公差を緩くすることができる。その結果、筒部材及び第2挟持部材の製造コストや管理コストを削減することができると共に、仕切り手段の歩留まりを向上させることができ、その分、液封入式防振装置全体としての製品コストの削減を図ることができる。
また、上述したように、突設部の外径を拡径させ、突設部の外周面を挿通孔の内周面に圧接させることで、筒部材と第2挟持部材とを強固に結合することができるので、筒部材(第1挟持部材)に対して第2挟持部材がガタつくことを抑制して、第1及び第2挟持部材の位置関係を一定に維持することができる。その結果、メンブレンの拘束状態を安定化することができ、動的特性のばらつきを抑制することができる。また、筒部材に対する第2挟持部材のガタつきによる異音の発生を抑制することができる。
ここで、本発明の液封入式防振装置によれば、挿通孔が、貫通方向に沿って一定の内径を有する円筒状の嵌合孔と、その嵌合孔よりも大きな内径を有すると共に筒部材との合わせ面に開口する大径孔とを備える構成であるので、筒部材に対する第2挟持部材の浮き上がりを防止しつつ、両者を強固に結合することができるという効果がある。
即ち、挿通孔から突出された突設部の先端を軸方向へ押圧して、突設部の外径を拡径させる場合、突設部は軸方向の基部側が大きく潰れる(拡径される)と共に、この基部側が先に拡径される(基部側から先端側へ向けて順に拡径が進行する)ため、挿通孔が貫通方向に一定の内径を有する構成では、突設部の基部側が拡径されることで生じた余肉により、第2挟持部材が筒部材から浮き上がるという不具合が生じる。その結果、筒部材(第1挟持部材)と第2挟持部材との位置関係を一定に維持することができず、製品毎の動的特性のばらつきが大きくなる。
これに対し、本発明の液封入式防振装置によれば、挿通孔が大径孔を備えると共に、その大径孔が筒部材との合わせ面に開口を有する(即ち、挿通孔の大径孔が突設部の基部側に位置する)構成であるので、突設部を軸方向に押圧する場合には、その突設部の基部側が拡径されることで生じた余肉を、挿通孔の大径部により逃がして(大径部が受け入れて)、最も大きく潰れる(拡径される)部位である突設部の基部側が挿通孔へ接触することを抑制することができる。その結果、筒部材に対する第2挟持部材の浮き上がりを防止することができ、筒部材(第1挟持部材)と第2挟持部材との位置関係を一定に維持することができるので、製品毎の動的特性のばらつきを抑制することができる。
また、このように、突設部の基部側が潰れる(拡径される)ことにより生じる余肉を逃がすことができれば、突設部を軸方向へ押圧する押圧力をより強くすることができるので、突設部の外周面を挿通孔の嵌合孔の内周面へ強固に圧接させて、両者の結合をより確実に行うことができるという効果がある。また、突設部を軸方向へ押圧する押圧力をより強くすることができれば、筒部材の上面に第2挟持部材の裏面をより強固に押しつけて、合わせ面が密着された状態で両者を結合することができると共に、挿通孔から突出された突設部の先端部が潰れることで形成される頭部をより大きくする(大径とする)ことができるので、筒部材(突設部)から第2挟持部材が抜けることをより確実に防止することができるという効果がある。
請求項2記載の液封入式防振装置によれば、請求項1記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、大径孔を、嵌合孔に連設すると共にその嵌合孔から筒部材との合わせ面へ向けて漸次内径が拡径するテーパ状に構成したので、大径孔の加工を容易として、加工コストの削減を図りつつ、大径孔を設けることによる強度低下を抑制して、仕切り手段の耐久性の向上を図ることができるという効果がある。
即ち、大径孔を嵌合孔に連設すると共にテーパ状の構成とすることで、かかる大径部を形成する際には、一定の内径を有する嵌合孔の一端側の開口に面取り(C面)加工を施すだけで良いので、加工コストを抑制することができる。また、このように、大径孔をテーパ状の孔とすることで、例えば、皿ざぐり形状(嵌合孔との間に段差面を有する形状)に構成する場合と比較して、嵌合孔との接続部を滑らかとして、挿通孔全体としての形状変化を抑制することができるので、その強度を確保して、仕切り手段の耐久性の向上を図ることができる。
請求項3記載の液封入式防振装置によれば、筒部材の内周面側に第1挟持部材が配設され、その筒部材に第2挟持部材が重ね合わされると、第1挟持部材と第2挟持部材とが所定間隔を隔てて対向すると共に、これら第1挟持部材および第2挟持部材の対向面間にメンブレンが収容される。
よって、比較的小振幅の振動入力時には、メンブレンを往復動変位させて、第1及び第2液室間の液圧差を緩和(吸収)することで、低動ばね特性を得ることができる。一方、比較的大振幅の振動入力時には、第1挟持部材および第2挟持部材によりメンブレンを拘束(変位を規制)して、その剛性を上昇させることで、高減衰特性を得ることができる。
ここで、本発明の液封入式防振装置によれば、筒部材が、第2挟持部材との合わせ面から突設されると共に第2挟持部材の板厚寸法よりも突設寸法が大きい円柱状の突設部を備えると共に、第2挟持部材が、板厚方向に貫通形成されると共に突設部の外径よりも大きな内径を有し突設部が挿通される挿通孔を備える構成であるので、筒部材に第2挟持部材を強固に固定して、そのガタつきによる影響を抑制することができると共に、両部材に要求される寸法公差を緩くして、製品コストの削減を図ることができるという効果がある。
即ち、従来品では、筒部(筒部材)に対して格子部(第2挟持部材)を圧入により固定する構成であったので、圧入部(即ち、圧入部材の外径寸法とその圧入部材が圧入される被圧入部材の内径寸法)に要求される寸法公差が厳しく(小さく)なる。例えば、外径寸法が内径寸法よりも大き過ぎると圧入ができない一方で、小さ過ぎるとガタつきが発生して固定ができない。そのため、製造コストや管理コストが嵩むと共に、歩留まりが悪化して、その分、製品コストが増加する。
これに対し、本発明の液封入式防振装置によれば、筒部材に第2挟持部材を重ね合わせ、突設部を挿通孔に挿通させると共に、挿通孔から突出された突設部の先端を軸方向へ押圧して、突設部の外径を拡径させることで、突設部の外周面を挿通孔の内周面に圧接させ、筒部材と第2挟持部材とを結合することができる。
即ち、突設部の拡径を利用して、筒部材に第2挟持部材を固定する構成であるので、圧入の場合と比較して、部材の寸法公差を緩くすることができる。その結果、筒部材及び第2挟持部材の製造コストや管理コストを削減することができると共に、仕切り手段の歩留まりを向上させることができ、その分、液封入式防振装置全体としての製品コストの削減を図ることができる。
また、上述したように、突設部の外径を拡径させ、突設部の外周面を挿通孔の内周面に圧接させることで、筒部材と第2挟持部材とを強固に結合することができるので、筒部材(第1挟持部材)に対して第2挟持部材がガタつくことを抑制して、第1及び第2挟持部材の位置関係を一定に維持することができる。その結果、メンブレンの拘束状態を安定化することができ、動的特性のばらつきを抑制することができる。また、筒部材に対する第2挟持部材のガタつきによる異音の発生を抑制することができる。
ここで、本発明の液封入式防振装置によれば、突設部の周囲を取り囲み周方向に連続すると共に第2挟持部材との合わせ面に凹設される凹設溝を筒部材が備える構成であるので、筒部材に対する第2挟持部材の浮き上がりを防止しつつ、両者を強固に結合することができるという効果がある。
即ち、挿通孔から突出された突設部の先端を軸方向へ押圧して、突設部の外径を拡径させる場合、突設部は軸方向の基部側が大きく潰れる(拡径される)と共に、この基部側が先に拡径される(基部側から先端側へ向けて順に拡径が進行する)ため、挿通孔が貫通方向に一定の内径を有する構成では、突設部の基部側が拡径されることで生じた余肉により、第2挟持部材が筒部材から浮き上がるという不具合が生じる。その結果、筒部材(第1挟持部材)と第2挟持部材との位置関係を一定に維持することができず、製品毎の動的特性のばらつきが大きくなる。
これに対し、本発明の液封入式防振装置によれば、突設部の基部側(第2挟持部材との合わせ面)に凹設溝を凹設する構成であるので、突設部を軸方向に押圧する場合には、その突設部の基部側が拡径されることで生じた余肉を、凹設部により逃がして(凹設部が受け入れて)、最も大きく潰れる(拡径される)部位である突設部の基部側が挿通孔へ接触することを抑制することができる。その結果、筒部材に対する第2挟持部材の浮き上がりを防止することができ、筒部材(第1挟持部材)と第2挟持部材との位置関係を一定に維持することができるので、製品毎の動的特性のばらつきを抑制することができる。
また、このように、突設部の基部側が潰れる(拡径される)ことにより生じる余肉を逃がすことができれば、突設部を軸方向へ押圧する押圧力をより強くすることができるので、突設部の外周面を挿通孔の嵌合孔の内周面へ強固に圧接させて、両者の結合をより確実に行うことができるという効果がある。また、突設部を軸方向へ押圧する押圧力をより強くすることができれば、挿通孔から突出された突設部の先端部が潰れることで形成される頭部をより大きくする(大径とする)ことができるので、筒部材(突設部)から第2挟持部材が抜けることをより確実に防止することができるという効果がある。
請求項4記載の液封入式防振装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載の液封入式防振装置の奏する効果に加え、筒部材が、筒状に形成される胴部と、その胴部の外周面から径方向外方へ張り出す一対の張出部とを備え、筒部材の軸心方向視において、張出部および胴部の両方と重なる位置に突設部を配設する構成であるので、第2挟持部材を支持する座面の面積を確保して、第2挟持部材を安定した状態で保持することができると共に、筒部材の損傷を抑制しつつ、突設部を軸方向へ高い押圧荷重で押圧することができるという効果がある。その結果、筒部材に第2挟持部材を強固に結合することができる。
即ち、筒部材は筒状に構成されるため、その筒部材の軸心方向視において、胴部と重なる範囲のみに突設部を突設する(即ち、突設部が張出部に重ならない)構成では、突設部と筒部材の内周面との離間距離を十分に取ることができず、第2挟持部材を支持するための座面の面積を、筒部材の第2挟持部材との合わせ面上に確保することができなくなる。
そのため、突設部を軸方向へ押圧して、その突設部の頭部を潰すことで、第2挟持部材を筒部材に押し付ける場合に、その第2挟持部材からの荷重を受ける面(筒部材の第2挟持部材との合わせ面、座面)の面積が不足することとなり、筒部材による第2挟持部材の保持状態が不安定となる。そのため、第2挟持部材の変形を招くという不具合や使用に伴いガタつきが発生し易くなるという不具合がある。
なお、胴部は、内周側にメンブレンが収容されると共に、外周側にオリフィスが形成される部材であり、これらメンブレンの収容空間およびオリフィスの形成空間を、第2取付け具の限られた内部空間内で確保するべく、胴部の板厚寸法(内径と外径の差)は小さいことが好ましい。そのため、胴部の軸方向端面の面積(即ち、第2挟持部材を支持するための座面の面積)を確保することが困難となる。
よって、この場合(胴部と重なる範囲のみに突設部を突設する)、筒部材の第2挟持部材との合わせ面上に、第2挟持部材を支持するための座面の面積を確保するためには、その分、突設部の外径を細くする必要が生じるため、筒部材に第2挟持部材を強固に結合することができないという不具合が生じる。
これに対し、本発明の液封入式防振装置によれば、筒部材の軸心方向視において、張出部および胴部の両方と重なる位置に突設部を配設する(即ち、少なくとも一部が張出部と重なる位置に配設する)構成であるので、突設部の外径を太くしても、突設部を筒部材の内周面から十分に離間させて、第2挟持部材を支持するための座面の面積を筒部材の第2挟持部材との合わせ面上に確保することができる。その結果、座面の面積を確保して、第2挟持部材を安定した状態で保持することができると共に、突設部の拡径および頭部による係合により、筒部材へ第2挟持部材を強固に結合することができる。
一方、張出部は筒部材の外周面から張り出し形成した片持ち梁の構造であるため、筒部材の軸心方向視において、張出部と重なる範囲のみに突設部を突設する(即ち、突設部が筒部材に重ならない)構成では、突設部を軸方向へ高い押圧力で押圧すると、張出部が破損する恐れがある。そのため、突設部を高い押圧荷重で押圧することができず、筒部材と第2挟持部材との結合強度が弱くなる。
これに対し、本発明の液封入式防振装置によれば、筒部材の軸心方向視において、張出部および胴部の両方と重なる位置に突設部を配設する(即ち、少なくとも一部が胴部と重なる位置に配設する)構成であるので、突設部を軸方向へ押圧する際の押圧力を胴部によって受けることができ、その分、張出部に作用する荷重を軽減することができる。よって、張出部の破損を抑制することができるので、その分、突設部をより高い押圧荷重で押圧することができる。その結果、筒部材と第2挟持部材との結合強度を向上させることができる。
ここで、本発明の液封入式防振装置によれば、突設部を複数備えると共に、それら複数の突設部のそれぞれが、筒部材の軸心方向視において、胴部の軸心から等距離となる位置(即ち、各突設部の胴部と重なる面積が同じとなる位置)に配設される構成であるので、突設部を軸方向へ押圧する際には、各突設部の受圧状態を均一化することができるという効果がある。
よって、一部の突設部に押圧荷重が片寄って、かかる一部の突設部が押圧時に破損するという不具合や、拡径による挿通孔の圧接状態が各突設部で不均一となり、使用に伴うガタつきが発生し易くなるという不具合を未然に防止することができる。その結果、突設部の破損を抑制して、耐久性の向上を図ることができると共に、各突設部をそれぞれ異なる押圧荷重で押圧する必要がなく、複数の突設部を一度に押圧することができるので、その分、組み立てコストの削減を図ることができるという効果がある。
更に、本発明の液封入式防振装置によれば、突設部を3本以上設けると共に、その周方向間隔を不等間隔とすることで、第2挟持部材の一面側を筒部材に重ね合わせ、かつ、板部材側切欠部の周方向位置を張出側切欠部の周方向位置に一致させた場合のみ、突設部が挿通孔へ挿通可能となり、第2挟持部材の他面側を筒部材に重ね合わせた場合、または、板部材側切欠部の周方向位置が張出側切欠部の周方向位置に不一致である場合には、突設部が挿通孔へ挿通不可能とする構成であるので、筒部材に対する第2挟持部材の方向性を、周方向と表裏との2方向で設けることができ、組み立て間違いを回避することができる。
即ち、板部材側切欠部に対して張出側切欠部が位置ずれした状態(筒部材に対する第2挟持部材の周方向位置が不適切な状態)で仕切り手段が組み立てられ、オリフィス断面積が小さくなることで、適正な動的特性が発揮されないという不具合や、突設部に対する大径部の位置が逆の状態(筒部材に対する第2挟持部材の対向面(当接面)が不適切な状態)で仕切り手段が組み立てられ、軸方向への押圧時の余肉の盛り上がりを大径部により逃がす(受け入れる)ことができなくなることで、筒部材に対して第2挟持部材が浮き上がるという不具合を未然に回避することができる。その結果、組み立て作業における作業能率の向上を図ることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の1実施の形態における液封入式防振装置100の断面図である。
この液封入式防振装置100は、自動車のエンジンを支持固定しつつ、そのエンジン振動を車体フレームへ伝達させないようにするための防振装置であり、図1に示すように、エンジン側に取り付けられる第1取付け金具1と、エンジン下方の車体フレーム側に取付けられる筒状の第2取付け金具2と、これらを連結すると共にゴム状弾性体から構成される防振基体3とを備えている。
第1取付け金具1は、アルミニウム合金などの金属材料から略円柱状に形成され、図1に示すように、その上端面には、めねじ部1aが凹設されている。また、第1取付け部1の外周部には、径方向外方へ略フランジ状に張り出す張出部が形成されており、この張出部がスタビライザー金具と当接することで、大変位時のストッパ作用が得られるように構成されている。
第2取付け金具2は、防振基体3が加硫成形される筒状金具4と、その筒状金具4の下方に取着される底金具5とを備えて構成されている。筒状金具4は上広がりの開口を有する筒状に、底金具5は傾斜した底部を有するカップ状に、それぞれ鉄鋼材料などから形成されている。なお、底金具5の底部には、取付けボルト6が突設されている。
防振基体3は、ゴム状弾性体から円錐台形状に形成され、第1取付け金具1の下面側と筒状金具4の上端開口部との間に加硫接着されている。また、防振基体3の下端部には、筒状金具4の内周面を覆うゴム膜7が連なっており、このゴム膜7には、後述するオリフィス筒部材16のオリフィス形成壁22,23(図3及び図5参照)が密着され、オリフィス25が形成される。
ダイヤフラム9は、ゴム状弾性体から部分球状を有するゴム膜状に形成され上面視ドーナツ状の取付け板10に加硫接着されている。このダイヤフラム9は、図1に示すように、取付け板10が筒状金具4と底金具5との間でかしめ固定されることで、第2取付け金具2に取着されている。その結果、このダイヤフラム9の上面(表面)と防振基体3の下面(裏面)との間には、液体封入室8が形成されている。
ここで、ダイヤフラム9は、軸心周りに対称な形状に構成されると共に、加硫金型により加硫成型される際に注入口に連結される注入跡部が、後述する第1挟持部材17に対向する側の面(図1上側面)における中心部(貫通孔17b1に対応する位置)に配設されている。
この液体封入室8には、エチレングリコールなどの不凍性の液体(図示せず)が封入される。また、液体封入室8は、後述する仕切り体12によって、防振基体3側の第1液室11Aと、ダイヤフラム9側の第2液室11Bとの2室に仕切られている。
仕切り体12は、ゴム膜から略円板状に構成されるメンブレン15と、このメンブレン15を内周面側に収容すると共に第1挟持部材17が一体に形成されるオリフィス筒部材16と、このオリフィス筒部材16の上面側(図1上側)に積層配置される円板状の第2挟持部材18とを備えて構成されている。
なお、仕切り体12は、ダイヤフラム9の外周部と防振基体3の段部57とをそれぞれ軸芯方向(図1上下方向)に圧縮変形させた状態で第2取付け金具2(筒状金具4)内に挿入され、それらダイヤフラム9(外周部)及び防振基体3(段部57)の弾性復元力により液体封入室8内で挟圧保持されている。
また、オリフィス筒部材16の外周面と第2取付け金具2の内周面を覆うゴム膜7との間には、図1に示すように、オリフィス25が形成されている。このオリフィス25は、第1液室11Aと第2液室11Bとを連通させ、これら両液室11A,11B間で液体を流動させるためのオリフィス流路であり、オリフィス筒部材16の軸芯O周りに略1周して形成されている。
なお、第1挟持部材17及び第2挟持部材18には、後述するように、開口部17a,18aが開口形成されている。また、メンブレン15は、第1挟持部材17及び第2挟持部材18の対向面との間に隙間を有している。よって、液封入室8内の液体は、オリフィス25を介して第1液室11Aと第2液室11Bとの間で流通すると共に、後述する開口部17a,18aを介して第1液室11Aと第2液室11Bとの間でも流通する。
次いで、図2から図4を参照して、仕切り体12を構成するオリフィス筒部材16について説明する。図2はオリフィス筒部材16の上面図であり、図3は、図2(a)のIII−III線におけるオリフィス筒部材16の断面図である。また、図4は、図3のIV部におけるオリフィス筒部材16の部分拡大断面図である。なお、図2から図4では、かしめ加工を施す前の突設ピン31が図示されている。
オリフィス筒部材16は、図2及び図3に示すように、胴部16とオリフィス形成壁22,23とを備え、アルミニウム合金などの金属材料から軸芯Oを有する略円筒状に一体に形成されている。胴部21は、オリフィス筒部材16の骨格をなす部位であり、軸心Oを有する筒状に形成されると共に、その内周面側に第1挟持部材17が配設されている。
オリフィス形成壁22,23は、その対向面間にオリフィス流路が形成される部位であり(図1参照)、図3に示すように、胴部21の軸心O方向上下端から略フランジ状に径方向外方へ張り出して形成されている。
なお、上述したように、各オリフィス形成壁22,23は、筒状金具4の内周を覆うゴム膜7に密着することで、断面略矩形状のオリフィス25を形成する(図1参照)。また、オリフィス筒部材16は、図3に示すように、上下のオリフィス形成壁22,23を接続する縦壁24を備えており、オリフィス25(図1参照)は、この縦壁24によって周方向に分断される(図10参照)。
図2に示すように、上側のオリフィス形成壁22には、切欠き55が開口形成されており、この開口を介して、オリフィス流路(オリフィス25、図1参照)の一端が第1液室11A(図1参照)に連通される。同様に、下側のオリフィス形成壁23には、切欠き56が開口形成されている(図8参照)。この切欠き56は、オリフィス筒部材16の胴部まで延設されており、この開口を介して、オリフィス流路(オリフィス25、図1参照)の他端が第2液室11B(図1参照)に連通される。
オリフィス筒部材16は、図2及び3に示すように、その上面(図1上側面)から突設される複数(本実施の形態では5本)の突設ピン31を備えている。この突設ピン31は、オリフィス筒部材16(第1挟持部材17)に対する第2挟持部材18の周方向位置を位置決めすると共に、これら両部材16,18を一体化するための部位であり、図4に示すように、軸心O(図3参照)と平行な軸心Lを有する断面円形の円柱状に構成されている。後述するように、突設ピン31は、第2挟持部材18の挿通孔32に挿通された後、かしめ加工が施される(軸方向に圧縮される)ことで、挿通孔32に嵌合される(図12参照)。
突設ピン31は、オリフィス筒部材16の上面(第2挟持部材18との合わせ面、図4上側面)からの突設高さ(図4上下方向寸法)が、第2挟持部材18の板厚寸法よりも大きくされている(図12参照)。また、突設ピン31とオリフィス筒部材16との接続部は、図4に示すように、円弧状に形成され、滑らかに接続されている。
なお、この円弧状の部位の半径r1は、後述する大径部32bの皿穴深さt(図7参照)の60%以下の大きさ(r1<0.6t)に設定することが好ましい。これにより、かしめ加工時の余肉を確実に逃がして、第2挟持部材18の浮き上がりを防止することができる。
また、本実施の形態では、各突設ピン31がそれぞれ同じ形状(突設高さ及び外径D1)に構成されている。よって、かしめ加工時の突設ピン31の拡径状態のばらつきを抑制して、第2挟持部材18の挿通孔32と均等に係合するので、オリフィス筒部材16に第2挟持部材18を安定して結合することができる。
また、突設ピン31は、図2に示すように、オリフィス筒部材16(胴部21)の軸心O方向視において、それぞれが軸心Oから等距離となる位置、即ち、それぞれの軸心L(図4参照)がオリフィス筒部材16(同部21)の軸心Oを中心とする仮想円(図示せず)上に位置する。よって、胴部21により各突設ピン31が支持される状態(軸心O方向視において突設ピン31が胴部21と重なる面積)をそれぞれ同じとすることができる。これによっても、かしめ加工時の突設ピン31の拡径状態のばらつきを抑制して、第2挟持部材18の挿通孔32と均等に係合するので、オリフィス筒部材16に第2挟持部材18を安定して結合することができる。
なお、各突設ピン31は、図4に示すように、軸心Oを含むオリフィス筒部材16の断面形状において、軸心Lが胴部21の外周面に一致する位置に配設される。
オリフィス筒部材16の内周面側には、図2及び図3に示すように、略円板状の第1挟持部材17が一体に形成されている。なお、第1挟持部材17は、表面及び裏面(図3上側面及び下側面)が平行な一定の板厚を有する板状に構成されると共に、オリフィス筒部材16の軸心Oに対して垂直に配設されている。
図2及び図3に示すように、第1挟持部材17は、略円形に開口形成される開口部17aと、その開口部17aの中心部に位置する中央部材17bと、その中央部材17bから開口部17aの周縁部へ向けて放射直線状に延設され中央部材17bと開口部17aの周縁部とを連結する複数本(本実施の形態では4本)の変位規制リブ17cとを備える。
開口部17aは、液封入室8(第1液室11A)内の液圧変動をメンブレン15へ伝達するための開口であり(図1参照)、変位規制リブ17cによって、円を4等分に区画した形状(即ち、中心角90度の扇形)の開口として構成されている。
変位規制リブ17cは、メンブレン15を拘束(往復動変位を規制)するための部位であり、図2及び図3に示すように、オリフィス筒部材16の軸芯Oから4本が放射直線状に延設されている。なお、各変位規制リブ17cは、そのリブ幅およびリブ厚みが他の変位規制リブ17cと同一に形成される。また、各変位規制リブ17cは、周方向略等間隔(略90°間隔)に配置され、各変位規制リブ17c同士の交差角が90°とされている。
各変位規制リブ17cの交差部(開口部17aの中心部)には、図2及び図3に示すように、中央部材17bが形成されている。この中央部材17bは、メンブレン15を拘束(往復動変位を規制)するための部位であり、その板厚方向に貫通形成される貫通孔17b1を備える。
貫通孔17b1は、第1挟持部材17の裏面(図3下側面)に張り付いたダイヤフラムが剥がれる際の剥離音を抑制するための貫通孔であり、図2及び図3に示すように、オリフィス筒部材16の軸心O周りに対称な断面円形の孔として形成されている。
なお、貫通孔17b1は、図3に示すように、第1挟持部材17の裏面(図3下側面)から表面(図3上側面)へ向かうに従って内径が漸次小さくなる(即ち、ダイヤフラム9側の開口が最大内径となり、メンブレン15側の開口が最少内径となる、図1参照)テーパ穴として構成されている。
ここで、貫通孔17b1は、最大内径(第1挟持部材17の裏面側の開口における内径)が、変位規制リブ17cのリブ幅の50%以下の大きさであることが好ましい。中央部材17bは、各変位規制リブ17cの交差部として構成され、メンブレン15の往復動変位を規制する際に大きな荷重が作用する部位であるのに対し、貫通孔17b1の貫通形成により中央部材17bの強度が低下するところ、上述のように、貫通孔17b1の最大内径を所定範囲に設定することで、中央部材17bの強度を確保して、耐久性の向上を図ることができる。
一方、貫通孔17b1の最少内径(第1挟持部材17の表面側の開口における内径)が、変位規制リブ17cのリブ幅の20%以上であることが好ましい。後述するように、貫通孔17b1は、メンブレン15の移動により、液体が押し入れられる(即ち、貫通孔17b1内の圧力を上昇させる)ことで、第1挟持部材17(中央部材17b)の裏面側に張り付いたダイヤフラム9を引き剥がす構成であるところ、上述のように、貫通孔17b1の最少内径を所定範囲に設定することで、メンブレン15が移動された際に液体を貫通孔17b1内へ十分に押し入れる(即ち、貫通孔17b1内の圧力を十分に上昇させる)ことができ、かかる貫通孔17b1を起点として、ダイヤフラム9を第1挟持部材17の裏面から引き剥がすことができる。
また、このように、貫通孔17b1の最大内径を第1挟持部材17の裏面側(ダイヤフラム9が張り付く側)に配設すると共に、貫通孔17b1の最少内径を第1挟持部材17の表面側(メンブレン15が当接する側)に配設することで、中央部材17bの強度を確保して、耐久性の向上を図りつつ、ダイヤフラム9を第1挟持部材17の裏面側から徐々に引き剥がし易くして、その剥離音の発生を抑制することができる。
即ち、貫通孔17b1がストレート孔であると、貫通孔17b1内に押し入れられた液体(圧力上昇)によりダイヤフラム9の1点(貫通孔17b1に臨む部位)を下方(図3下方)へ押し下げるだけとなり易く、ダイヤフラム9を徐々に引き剥がすことが困難である。これに対し、貫通孔17b1を、ダイヤフラム9側に最大内径を有するテーパ穴(即ち、ダイヤフラム9へ向かうに従って拡径された末広がりのテーパ穴)として構成することで、貫通孔17b1内に押し入れられた液体を、ダイヤフラ9と第1挟持部材17の裏面との間に流入するように流動させることができる。よって、ダイヤフラム9を徐々に引き剥がし易くして、剥離音の抑制を図ることができる。
ここで、貫通孔17b1は、その内径が、上述したダイヤフラム9の注入跡部の外径よりも大きな径に設定されると共に、液封入式防振装置100の組み立て状態における軸心方向視において、ダイヤフラム9の注入跡部を含む位置に配設されている。よって、大振幅の振動入力に伴って、第1挟持部材17の裏面にダイヤフラム9が張り付く場合に、そのダイヤフラム9の注入跡部を貫通孔17b1内に受け入れて、剥離音の発生を抑制することができる。
即ち、ダイヤフラム9の注入跡部は、加硫金型からダイヤフラム9を脱型した後、注入口に対応する部位を切除することが形成される部位であり、ダイヤフラム9の表面から突出した状態に形成されている。そのため、ダイヤフラム9が第1挟持部材17の裏面に張り付く場合に、この注入跡部が第1挟持部材17の裏面に当接すると、注入跡部の突出高さ分だけ、第1挟持部材17の裏面とダイヤフラム9の表面との間に隙間が形成され、その隙間の周囲が第1挟持部材17の裏面に張り付く(密着する)こととなる。
即ち、第1挟持部材17の裏面に張り付いた領域の一部に隙間(空間)が形成されるため、そのダイヤフラム9が第1挟持部材17の裏面から引き剥がされる際には、上述した隙間(空間)内の液体が負圧となり易く、剥離音が大きくなる。これに対し、本発明の液封入式防振装置100によれば、注入跡部を貫通孔17b1内に逃がすことができるので、挟持部材17の裏面に張り付いた領域内に上述した隙間(空間)が形成されることを回避して、剥離音の発生を抑制することができる。
なお、第1挟持部材17に貫通孔17b1が設けられていない従来品では、注入跡部が第1挟持部材17の裏面に当接することを回避して、剥離音を抑制するべく、その配設位置をダイヤフラムの周縁部(取付け板10に近接する位置)に設定する必要がある。そのため、加硫金型内でのゴム材料の流動不良が発生し易く、歩留まりが低下するという問題点があった。
これに対し、本発明によれば、上述したように、貫通孔17b1を利用して注入跡部を逃がす構成としたので、かかる注入跡部の配設位置をダイヤフラム9の中心部(軸心上)とすることができる。その結果、加硫金型内でゴム材料を均一に流動させ、流動不良を抑制することができるので、ダイヤフラム9の歩留まりの向上を図ることができる。
次いで、図5及び図6を参照して、仕切り体12を構成する第2挟持部材18について説明する。図5は第2挟持部材18の上面図であり、図6は、図5のV−V線における第2挟持部材18の断面図である。また、図7は、図6のVII部における第2挟持部材18の部分拡大断面図である。
第2挟持部材18は、上述した第1挟持部材17と共にメンブレン15を挟持して、そのメンブレン15を拘束(往復動変位を規制)するための部材であり、図5及び図6に示すように、鉄鋼材料などの金属材料から軸芯Oを有する略円板状に形成されている。なお、第2挟持部材18は、表面及び裏面(図6上側面及び下側面)が平行な一定の板厚を有する板状に構成されている。
第2挟持部材18は、図5及び図6に示すように、略円形に開口形成される開口部18aと、その開口部18aの中心部に位置する中央部材18bと、その中央部材18bから開口部18aの周縁部へ向けて放射直線状に延設され中央部材18bと開口部18aの周縁部とを連結する複数本(本実施の形態では4本)の変位規制リブ18cとを備える。
なお、開口部18a、中央部材18b及び変位規制リブ18cは、上述した第1挟持部材17における開口部17a、中央部材17b及び変位規制リブ17c(図2及び図3参照)と同一のパターン(即ち、軸心Oに対する位置、大きさ、範囲などがそれぞれ同一)に構成されるものであるので、その説明は省略する。但し、第2挟持部材18では、第1挟持部材17と異なり、中央部材18bに貫通孔が形成されていない。
図5及び図6に示すように、第2挟持部材18の外周縁には、切欠き65が開口形成されている。この切欠き65は、オリフィス流路(オリフィス25、図1参照)の一端を第1液室11A(図1参照)に連通させるための開口である。即ち、仕切り体12の組立状態では、切欠き65が上述したオリフィス筒部材16の切欠き55に接続され(図10参照)、これにより、オリフィス流路が、切欠き55,65を介して、第1液室11Aに連通される。
第2挟持部材18は、図5から図7に示すように、その板厚方向(図6上下方向)に貫通形成される複数(本実施の形態では、5個)の挿通孔32を備えている。この挿通孔32は、上述したように、オリフィス筒部材16の突設ピン31が挿通される孔であり、突設ピン31の外径D1(図4参照)よりも大きな内径を有して構成されている。
ここで、第2挟持部材18の板厚は、突設ピン31の突設高さよりも小さい寸法に設定されている。よって、突設ピン31が挿通孔32に挿通されると、突設ピン31の軸方向先端が挿通孔32から突出されるので、この突出された突設ピン31の先端面を軸方向に圧縮する(かしめ加工を施す)ことで、挿通孔32に突設ピン31を嵌合することができる。これにより、オリフィス筒部材16(第1挟持部材17)に対する第2挟持部材18の周方向位置が位置決めされると共に、これら両部材16,18が一体化される(図9から図11参照)。
ここで、各挿通孔32は、それぞれ同じ形状に構成されており、図7に示すように、軸心O方向(図6上下方向)に沿って一定の内径を有する円筒状の嵌合孔32aと、その嵌合孔32aに連設されると共に開口側(オリフィス筒部材16との合わせ面側、図7下側)へ向かうほど内径がテーパ状に拡径されるざぐり形状(ざぐり角度θ、皿穴深さt)の大径孔32bとを備える。
なお、嵌合孔32aの内径(内周の直径)D2は、突設ピン31の外径(外周の直径)D1に上述した半径r1を加えたものより大きく、かつ、外径D1に半径r1の2倍を加えたものより小さいことが好ましい(D1+r1<D2<D1+2r1、図4参照)。これにより、かしめ加工時の余肉を大径部32bにより確実に逃がして、第2挟持部材18の浮き上がりを防止すると共に、突設ピン31の破損等を防止しつつ、突設ピン31の外周面を嵌合孔32aの内周面に強固に圧接させることができる。
また、本実施の形態では、ざぐり角度θが90度に設定されている。また、大径部32bの皿穴深さtは、突設ピン31の基部における半径r1(図4参照)の5/3倍(約166%)以上の大きさ(5r1/3<t)に設定することが好ましい。これにより、かしめ加工時の余肉を大径部32bにより確実に逃がして、第2挟持部材18の浮き上がりを防止することができる。
また、大径部32bの皿穴深さtは、突設ピン31の基部における半径r1(図4参照)の5倍(約500%)以下の大きさ(t<5r1)に設定することが好ましい。これにより、突設ピン31の拡径された外周面が第2挟持部材18の挿通孔32を圧接する面積と、第2挟持部材18及びオリフィス筒部材16の合わせ面の面積とをそれぞれ十分に確保して、オリフィス筒部材16に第2挟持部材18を強固に結合させることができる。
挿通孔32の大径孔32bは、上述したように、嵌合孔32aに連設されると共にその嵌合孔32aからオリフィス筒部材16との合わせ面へ向けて漸次内径が拡径するテーパ状に構成されているので、大径孔32bの加工を容易として、加工コストの削減を図りつつ、大径孔32bを設けることによる強度低下を抑制して、仕切り体12の耐久性の向上を図ることができる。
即ち、大径孔32bを嵌合孔32aに連設すると共にテーパ状の構成とすることで、かかる大径部32bを形成する際には、一定の内径を有する嵌合孔32aの一端側の開口に面取り(C面)加工を施せば良く、大径孔32bを比較的容易に成形することができるので、加工コストを抑制することができる。また、このように、大径孔32bをテーパ状の孔とすることで、例えば、皿ざぐり形状(嵌合孔32aとの間に段差面を有する形状)に構成する場合と比較して、嵌合孔32aとの接続部を滑らかとして、挿通孔32全体としての形状変化を抑制することができるので、その強度を確保して、仕切り12(第2挟持部材18)の耐久性の向上を図ることができる。
また、各挿通孔32の配設位置は、図5に示すように、各突設ピン31に対応する位置に配設されており、軸心Oからの離間距離が挿通孔32と突設ピン31とで同じとされる一方、隣接する各挿通孔32同士の周方向間隔が、各突設ピン31同士の周方向間隔と同様に、不等間隔(軸心Oに対する中心角がそれぞれ異なる角度)とされている。
その結果、第2挟持部材18は、オリフィス筒部材16に対して、その裏面側(図6下側、大径部32b形成側)をオリフィス筒部材16の上面側(図3上側)に対向させ、互いの軸心Oを一致させた状態で、周方向の一の位置でのみ、各挿通孔32に各突設ピン31を挿通させることができるように構成されている。
また、第2挟持部材18の表面側(図6上側、嵌合孔32a形成側)をオリフィス筒部材16に対向させた状態では、周方向のいずれの位置であっても、各突設ピン31の内の少なくとも1の突設ピン31が挿通孔32に挿通不可能となるように構成されている。
その結果、各挿通孔32に各突設ピン31がそれぞれ挿通されると、オリフィス筒部材16に対する第2挟持部材18の相対位置(周方向位置および表裏)が一位置のみに定まり、各変位規制リブ18cと各変位規制リブ17cとの周方向位置が一致される(軸心O方向視において重なる位置に配設される)と共に(図9参照)、切欠き65と切欠き55とが接続される(図10参照)。
このように、本実施の形態における仕切り体12によれば、挿通孔32を5か所に設けると共に、その周方向間隔を、突設ピン31に対応させて、不等間隔とすることで、第2挟持部材18の裏面側(一面側)をオリフィス筒部材16の上面側に重ね合わせ、かつ、第2挟持部材18の切欠き65の周方向位置をオリフィス筒部材16の切欠き55の周方向位置に一致させた場合のみ、突設ピン31を挿通孔32へ挿通させることができる。
言い換えれば、本実施の形態における仕切り体12によれば、第2挟持部材18の表面側(他面側)をオリフィス筒部材16の上面側に重ね合わせた場合、または、第2挟持部材18の切欠き65の周方向位置がオリフィス筒部材16の切欠き55の周方向位置に不一致である場合には、突設ピン31を挿通孔32へ挿通不可能とすることができる。
よって、オリフィス筒部材16に対する第2挟持部材18の方向性を、周方向と表裏との2方向で設けることができ、組み立て間違いを回避することができる。即ち、オリフィス筒部材16の切欠き55と第2挟持部材18の切欠き65とが位置ずれした状態(オリフィス筒部材16に対する第2挟持部材18の周方向位置が不適切な状態)で仕切り体12が組み立てられ、オリフィス断面積が小さくなることで、適正な動的特性が発揮されないという不具合や、突設ピン31に対する大径部32bの位置が逆の状態(オリフィス筒部材16に対する第2挟持部材18の対向面(当接面)が不適切な状態)で仕切り体12が組み立てられ、軸方向への押圧時の余肉の盛り上がりを大径部により逃がす(受け入れる)ことができなくなることで、オリフィス筒部材16に対して第2挟持部材18が浮き上がるという不具合を未然に回避することができる。その結果、組み立て作業における作業能率の向上を図ることができる。
次いで、図8を参照して、仕切り体12を構成するメンブレン15について説明する。図8(a)はメンブレン15の上面図であり、図8(b)は、図8(a)のVIIIb−VIIIb線におけるメンブレン15の断面図である。
メンブレン15は、図8に示すように、ゴム状弾性体から軸心Oを有する円板状に構成される部材であり、第1挟持部材17及び第2挟持部材18の対向面間に収容される(図11参照)。なお、メンブレン15の外径(図8(b)左右方向寸法)は、オリフィス筒部材16の内径よりも小さくされると共に開口部17a,18aの内径よりも大きくされ、かつ、メンブレン15の厚み寸法(図8(b)上下方向寸法)は、第1挟持部材17及び第2挟持部材18の対向間隔よりも小さくされると共に(図11参照)ダイヤフラム9の厚みよりも大きくされている(図1参照)。
ここで、メンブレン15は、その厚み方向(図8(b)上下方向)中央を通過する仮想平面に対して面対称となる凸レンズ状の形状に構成されている。即ち、メンブレン15は、図8(b)に示すように、その上面15aが上方(図8(b)上側)へ凸の円錐面(軸心Oに対して所定角度を有する仮想直線を軸心O周りに回転させて得られる曲面)として構成されると共に、下面15cが下方(図8(b)下側)へ凸の円錐面として構成されている。よって、メンブレン15の中心部(円錐面の頂部近傍)が貫通孔17b1内に入り込むことで、その分、貫通孔17b1の液圧を上昇させることができる。なお、両円錐面の高さは、互いに同じ高さとされている。
このように、本実施の形態では、メンブレン15の厚み寸法(図8(b)上下方向寸法)を、周縁部から中央部(軸心O側)へ向かうに従って大きく(厚く)なるように構成し、第1挟持部材17との間の対向間隔が、メンブレン15の中央部(軸心O側)へ向かうほど狭くなるように構成したので(図11参照)、後述するように、大振幅の振動入力時に、メンブレン15が第1挟持部材17の表面へ向けて移動する際には、その移動に伴う液圧の上昇を、対向間隔が狭い中央部(貫通孔17b1)に先に作用させることでき、ダイヤフラム9を中央部(貫通孔17b1に対応する部位)から徐々に引き剥がすことができるので、剥離音の発生を抑制することができる(図13から図15参照)。
ここで、メンブレン15の上面15a及び下面15bには、リブや突起、凹部などが形成されておらず、平坦面として構成されている。よって、後述するように、大振幅の振動入力時に、メンブレン15が第1挟持部材17の表面へ向けて移動する場合には、液体を貫通孔17b1内へ押し入れることで、かかる貫通孔17b1内の液圧を上昇させる効果、及び、第1挟持部材17の表面に当接した(張り付いた)メンブレン15へ第1液室11Aから開口部18aを介して液圧が作用して、そのメンブレンが貫通孔17b1側へ変形することで、貫通孔17b1内の液圧を更に上昇させる効果をそれぞれより効果的に発揮させることができる(図13から図15参照)。
次いで、図9から図12を参照して、仕切り体12の組み立て方法、及び、仕切り体12の組立状態について説明する。図9は、仕切り体12の上面図であり、図10は、図9の矢印X方向から視た仕切り体12の側面図であり、図11は、図9のXI−XI線における仕切り体12の断面図である。また、図12(a)は、突設ピン31が挿通孔32に挿通された状態を示す仕切り体12の部分拡大断面図であり、図12(b)は、突設ピン31が拡径される状態を示す仕切り体12の部分拡大断面図であり、図12(c)は、オリフィス筒部材16に第2挟持部材18が結合された状態を示す仕切り体12の部分拡大断面図である。
仕切り体12の組み立てに際しては、まず、第2挟持部材18の各挿通孔32へオリフィス筒部材16の各突設ピン31をそれぞれ挿通させつつ、図12(a)に示すように、オリフィス筒部材16の上面側(図12上側)に第2挟持部材18を装着する。なお、この場合には、図11に示すように、オリフィス筒部材16の内周部、即ち、第1挟持部材17と第2挟持部材18との対向面間にメンブレン15を収容する。
各突設ピン31を各挿通孔32へ挿通させ、オリフィス筒部材16に第2挟持部材18を装着すると、図9に示すように、各変位規制リブ18cと各変位規制リブ17cとの周方向位置が一致される(軸心O方向視において重なる位置に配設される)と共に、図10に示すように、切欠き65と切欠き55とが接続され、オリフィス25と第1液室11Aとが連通可能となる(図1参照)。
図12(a)に示すように、オリフィス筒部材16に第2挟持部材18を装着した後は、次いで、挿通孔32に挿通され突設ピン31の先端面(図12(a)上側面)を軸方向(軸心L方向、図4参照)に圧縮する(かしめ加工を施す)。これにより、図12(b)に示すように、突設ピン31の軸部が拡径される。
図12(b)に示す状態から突設ピン31を軸方向へ更に圧縮すると、図12(c)に示すように、拡径された突設ピン31の軸部が挿通孔32の内周面を圧接すると共に、突設ピン31の軸方向先端部(図12(c)上側部)が潰され、この潰された軸方向先端部が第2挟持部材18の上面(図12(c)上側面)を圧接することで、図9から図11及び図12(c)に示すように、オリフィス筒部材16と第2挟持部材18とが、互いの合わせ面を密着させた状態で、一体化される。
このように、本実施の形態における仕切り体12によれば、突設ピン31の軸部の外径を拡径させ、その拡径された軸部(突設ピン31)の外周面を挿通孔32の内周面に圧接させることで、オリフィス筒部材16と第2挟持部材18とを結合する構造である。よって、オリフィス筒部材16と第2挟持部材18とを強固に結合することができるので、オリフィス筒部材16(第1挟持部材17)に対して第2挟持部材18がガタつくことを抑制して、第1挟持部材17と第2挟持部材18との位置関係を一定に維持することができる。その結果、メンブレン15の拘束状態を安定化して、動的特性のばらつきを抑制することができる。また、オリフィス筒部材16に対する第2挟持部材18のガタつきによる異音の発生を抑制することができる。
ここで、本実施の形態における仕切り体12(第2挟持部材18)によれば、上述したように、挿通孔32が、貫通方向に沿って一定の内径を有する円筒状の嵌合孔32aと、その嵌合孔32aよりも大きな内径を有すると共にオリフィス筒部材16との合わせ面に開口する大径孔32bとを備える構成であるので(図7参照)、オリフィス筒部材16に対する第2挟持部材18の浮き上がりを防止しつつ、両者を強固に結合することができる。
即ち、挿通孔32から突出された突設ピン31の先端を軸方向(図12上下方向)へ押圧して、突設ピン31の外径を拡径させる場合、突設ピン31は軸方向の基部側(図12下側)が大きく潰れる(拡径される)と共に、この基部側が先に拡径される(基部側から先端側へ向けて順に拡径が進行する)ため、挿通孔32が貫通方向に一定の内径を有する構成では、突設ピン31の基部側が拡径されることで生じた余肉pにより、第2挟持部材18がオリフィス筒部材16との合わせ面から浮き上がるという不具合が生じる。その結果、オリフィス筒部材16(第1挟持部材17)と第2挟持部材18との位置関係を一定に維持することができず、第1及び第2挟持部材17,18の対向面間隔が製品毎にばらつき、その結果、動的特性のばらつきを招くという不具合がある。
これに対し、本実施の形態における仕切り体12によれば、挿通孔32が大径孔32bを備えると共に、その大径孔32bがオリフィス筒部材16との合わせ面に開口を有する(即ち、挿通孔32の大径孔32bが突設ピン31の基部側(図12下側)に位置する構成であるので、突設ピン31を軸方向に押圧する場合には、その突設ピン31の基部側が拡径されることで生じた余肉pを、図12(b)に示すように、挿通孔32の大径部32bにより逃がして(大径部32bが受け入れて)、最も大きく潰れる(拡径される)部位である突設ピン31の基部側が挿通孔32へ接触することを抑制することができる。その結果、オリフィス筒部材16に対する第2挟持部材18の浮き上がりを防止することができ、オリフィス筒部材16(第1挟持部材17)と第2挟持部材18との位置関係を各製品において一定に維持することができる。よって、製品毎の動的特性のばらつきを抑制することができる。
また、このように、突設ピン31の基部側が潰れる(拡径される)ことにより生じる余肉pを大径部32bによって逃がすことができれば、突設ピン31を軸方向へ押圧する押圧力をより強くすることができるので、突設ピン31の外周面を挿通孔32の嵌合孔32aの内周面へ強固に圧接させて、両者16,18の結合をより確実に行うことができる。
また、突設ピン31を軸方向へ押圧する押圧力をより強くすることができれば、オリフィス筒部材16の上面に第2挟持部材18の裏面をより強固に押しつけて、互いの合わせ面が密着された状態で両者16,18を結合することができると共に、挿通孔32から突出された突設ピン31の先端部(図12(c)上側部)が潰れることで形成される頭部をより大きくする(大径とする)ことができるので、オリフィス筒部材16(突設ピン31)から第2挟持部材18が抜けることをより確実に防止することができる。
次いで、図13から図14を参照して、大振幅の振動入力時における仕切り体12の動作を説明する。図13から図14は、液封入式防振装置100の部分拡大断面図であり、図1に図示された液封入式防振装置100の部分拡大図に対応する。
なお、図13は、リバウンド方向へ入力された大振幅の振動がバウンド方向へ切り替わる直前の状態における液封入式防振装置100の部分拡大断面図であり、図14は、大振幅の振動の入力方向がバウンド方向へ切り替わった直後の状態における液封入式防振装置100の部分拡大断面図であり、図15は、バウンド方向へ入力された大振幅の振動がリバウンド方向へ切り替わる直前の状態における液封入式防振装置100の部分拡大断面図である。
ここで、バウンド方向への振動入力とは、第1取付け金具1と第2取付け金具2とが互いに近接する方向へ相対変位して、第1液室11Aの容積が減少することで、第1液室11Aから押し出された液体が第2液室11Bへ流動し、第2液室11Bの容積が増大する方向の入力であり、リバウンド方向への振動入力とは、第1取付け金具1と第2取付け金具2とが互いに離間する方向へ相対変位して、第1液室11Aの容積が増大することで、第1液室11Aへ向けて第2液室11Bの液体が吸い上げられ、第2液室11Bの容積が減少する方向の入力である(図1参照)。
本実施の形態における液封入式防振装置100によれば、まず、大振幅の振動がリバウンド方向へ入力されると、第2液室11Bの液体が第1液室11Aへ流動されることで、メンブレン15及びダイヤフラム9が第1液室11A側へ向けて吸い上げられ、図13に示すように、メンブレン15が第2挟持部材18の裏面(図13下側面)に張り付くと共に、ダイヤフラム9が第1挟持部材17の裏面(図13下側面)に張り付く。
次いで、振動の入力方向がリバウンド方向からバウンド方向へ切り替わり、第1液室11Aから第2液室11Bへの液体の流動が開始されると、その液体の流動に伴って、メンブレン15及びダイヤフラム9が押し戻され、メンブレン15が第2挟持部材18の裏面(図13下側面)から第1挟持部材17の表面(図13上側面)へ向けて移動を開始すると共に、ダイヤフラム9が第1挟持部材17の裏面(図13下側面)から離れようとする。
この場合、上述したように、第1挟持部材17の中央部材17bには、貫通孔17b1が貫通形成されている。よって、図13に示す状態(即ち、貫通孔17b1の開口をダイヤフラム9が閉塞する状態)から、液体の流動に伴って、メンブレン15が、第2挟持部材18の裏面(図13下側面)から第1挟持部材17の表面(図13上側面)へ向けて移動すると、そのメンブレン15の移動によって、図14に示すように、液体が貫通孔17b1内へ押し入れられ、かかる貫通孔17b1内の液圧が上昇されると共に、バウンド方向への振動が更に入力されるとと共に、図15に示すように、メンブレン15が第1挟持部材17の表面(図15上側面)に当接する(張り付く)と、第1液室11Aから開口部18aを介してメンブレン15に作用する液圧によって、そのメンブレン15を貫通孔17b1側(図15下側)へ変形させ、貫通孔17b1内の液圧を更に上昇させることができる。
その結果、貫通孔17b1内の液圧の上昇に伴って、かかる液圧をダイヤフラム9の中心部(貫通孔17b1の開口を望む部位)に作用させ、図14に示すように、ダイヤフラム9を第1挟持部材の裏面(図14下側面)から徐々に引き剥がすことができる。即ち、第1挟持部材17の裏面から引き剥がされる部位を、図13、図14及び図15に示すように、貫通孔17b1に対応する部位からその周辺部へ向けて徐々に拡げることができる。
よって、従来品では、ダイヤフラム9が第1挟持部材17の裏面(特に、中央部材17b)から全体的に一気に引き剥がされる(即ち、図13に示す状態から、図14に示す状態を経ずに、図15に示す状態へ遷移する)ために、剥離音が発生していたのに対し、本発明の液封入式防振装置100によれば、ダイヤフラム9を第1挟持部材17の裏面から徐々に引き剥がすことができるので、剥離音の発生を抑制することができる。
また、このように、貫通孔17b1を設けることで、剥離音の発生を抑制することができれば、大振幅の振動入力時に第1挟持部材の裏面にダイヤフラム9が張り付くことを回避するために、オリフィス筒部材16の全高(図13上下方向寸法)を大きくする、或いは、筒状金具4の全高(図13上下方向寸法)を延長するなどによって、第1挟持部材17の裏面とダイヤフラム9とを離間させる必要がない。
よって、液封入式防振装置100全体としての小型軽量化を図ることができる。特に、第1挟持部材(仕切り体12)とダイヤフラム9との間の間隔を狭くすることができれば、第2液室11Bの容積(即ち、重量が嵩む液体)を減少させることができるので、その分、軽量化を効果的に達成することができる。
ここで、本実施の形態では、メンブレン15の厚み寸法(図8(b)上下方向寸法)を、図13から図15に示すように、ダイヤフラム9の厚み寸法よりも大きくする構成であるので、メンブレン15の移動によって、図14に示すように、貫通孔17b1内の液圧を上昇させ、ダイヤフラム9を第1挟持部材17の裏面から引き剥がし易くすることができる。
更に、本実施の形態では、上述したように、メンブレン15の厚み寸法が、周縁部から中央部(軸心O側)へ向かうに従って大きく(厚く)なるように構成したので、メンブレン15が第2挟持部材18の裏面から第1挟持部材17の表面へ向けて移動する際には、その移動に伴う液圧の上昇を、図14に示すように、厚み寸法が大きい(即ち、第1挟持部材17との間の対向間隔が狭い)中央部(即ち、貫通孔17b1)から先に作用させることできる。よって、ダイヤフラム9を中央部(貫通孔17b1に対応する部位)から徐々に引き剥がして、剥離音の発生をより確実に抑制することができる。
即ち、メンブレン15の厚み寸法が一定で、第1挟持部材17とメンブレン15との間の対向間隔が一定であると、メンブレン15が第2挟持部材18の裏面から第1挟持部材の表面へ向けて移動した際に、その移動に伴う液圧の上昇が、開口部17aを介して、ダイヤフラム9の外周側に作用して、かかるダイヤフラム9が外周側から剥がれようとするため、第1挟持部材17の裏面(特に、中央部材17b)に張り付いている部位の全面を一気に剥がす形態となり、剥離音が発生する。これに対し、本発明の液封入式防振装置100のように、貫通孔17b1内の液圧を先に上昇させることができれば、ダイヤフラム9を貫通孔17b1に対応する部位から徐々に引き剥がすことができるので、剥離音の発生を抑制することができる。
次いで、図16及び図17を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、突設ピン31の基部側が断面円弧形状に形成され、その断面円弧形状により突設ピン31とオリフィス筒部材16の上面とが滑らかに接続される場合を説明したが、第2実施の形態では、オリフィス筒部材216の上面に凹設溝231aが凹設され、その凹設溝231aが突設ピン231の基部側の周囲を取り囲んで配置されている。なお、上述した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図16(a)は、第2実施の形態におけるオリフィス筒部材216の部分拡大断面図であり、図16(b)は、図16(a)に示すオリフィス筒部材216の拡大図である。なお、図16(a)及び図16(b)は、それぞれ図4に対応する。また、図16(a)及び図16(b)では、かしめ加工を施す前の突設ピン231が図示されている。
オリフィス筒部材216は、図16(a)及び図16(b)に示すように、その上面(第2挟持部材18との合わせ面、図16(a)上側面)から突設される複数(本実施の形態では5本)の突設ピン231と、その突設ピン231の基部側(図16(a)下側)に位置する凹設溝231aとを備えている。
突設ピン231は、上述した第1実施の形態における突設ピン31と同様に、オリフィス筒部材216(第1挟持部材17)に対する第2挟持部材18の周方向位置を位置決めすると共に、これら両部材216,18を一体化するための部位であり、図16(a)に示すように、軸心O(図3参照)と平行な軸心Lを有する断面円形の円柱状に構成されている。
突設ピン231は、第1実施の形態における突設ピン31と同じ形状に構成されている。即ち、突設ピン231は、外径D1の円柱状に構成されると共に、オリフィス筒部材216の上面(図16(a)上側面)からの突設高さ(図16(a)上下方向寸法)が、第2挟持部材18の板厚寸法よりも大きくされている(図17参照)。
また、各突設ピン231は、第1実施の形態の場合と同様に、それぞれ同じ形状(突設高さ及び外径D1)に構成されている。更に、突設ピン231は、第1実施の形態の場合と同様に、オリフィス筒部材216(胴部21)の軸心O方向視において、それぞれが軸心Oから等距離となる位置、即ち、それぞれの軸心Lがオリフィス筒部材216(同部21)の軸心Oを中心とする仮想円(図示せず)上に位置する。なお、各突設ピン231は、図16(a)に示すように、軸心Oを含むオリフィス筒部材216の断面形状において、軸心Lが胴部21の外周面に一致する位置に配設される。
凹設溝231aは、突設ピン231が軸方向へ押圧される(かしめ加工が施される)際の余肉を逃がす(受け入れる)スペースを確保するための部位であり、図16(a)及び図16(b)に示すように、オリフィス筒部材216の上面(第2挟持部材18との合わせ面、図16(a)上側面)に断面半円状の溝として凹設されると共に、突設ピン231の基部側(図16(a)下側)の周囲を取り囲む周方向(軸心Lまわり)に連続して延設された溝として構成されている。
なお、凹設溝231aの断面形状は、図16(b)に示すように、半径r2の半円状に構成され、その中心C2はオリフィス筒部材216の上面に一致する。ここで、半径r2は、上述した大径部32bの皿穴深さt(図7参照)の30%以上の大きさ(0.3t<r2)で、かつ、皿穴深さtよりも小さい値(r2<t)に設定することが好ましい。これにより、かしめ加工時の余肉を逃がすスペースを確保して、第2挟持部材18の浮き上がりを確実に防止しつつ、オリフィス筒部材216の強度を確保して、かしめ加工時や車両組付け後の耐久性の向上を図ることができる。
次いで、図17を参照して、仕切り体212の組み立て方法について説明する。図17(a)は、突設ピン231が挿通孔32に挿通された状態を示す仕切り体212の部分拡大断面図であり、図17(b)は、突設ピン231が拡径される状態を示す仕切り体212の部分拡大断面図であり、図17(c)は、オリフィス筒部材216に第2挟持部材18が結合された状態を示す仕切り体212の部分拡大断面図である。
仕切り体212の組み立てに際しては、まず、第2挟持部材18の各挿通孔32へオリフィス筒部材216の各突設ピン231をそれぞれ挿通させつつ、図17(a)に示すように、オリフィス筒部材216の上面側(図17上側)に第2挟持部材18を装着する。なお、この場合には、第1実施の形態の場合と同様に、オリフィス筒部材216の内周部、即ち、第1挟持部材17と第2挟持部材18との対向面間にメンブレン15を収容する。
各突設ピン231を各挿通孔32へ挿通させ、オリフィス筒部材216に第2挟持部材18を装着すると、上述した第1実施の形態の場合と同様に、各変位規制リブ18cと各変位規制リブ17cとの周方向位置が一致される(軸心O方向視において重なる位置に配設される)と共に、切欠き65と切欠き55とが接続され、オリフィス25と第1液室11Aとが連通可能となる(図1参照)。
図17(a)に示すように、オリフィス筒部材216に第2挟持部材18を装着した後は、次いで、挿通孔32に挿通され突設ピン231の先端面(図17(a)上側面)を軸方向(軸心L方向、図16参照)に圧縮する(かしめ加工を施す)。これにより、図17(b)に示すように、突設ピン231の軸部が拡径される。
図17(b)に示す状態から突設ピン231を軸方向へ更に圧縮すると、図17(c)に示すように、拡径された突設ピン231の軸部が挿通孔32(嵌合孔32a)の内周面を圧接すると共に、突設ピン231の軸方向先端部(図17(c)上側部)が潰され、この潰された軸方向先端部が第2挟持部材18の上面(図17(c)上側面)を圧接することで、図17(c)に示すように、オリフィス筒部材216と第2挟持部材18とが、互いの合わせ面を密着させた状態で、一体化される。
このように、本実施の形態における仕切り体212によれば、突設ピン231の軸部の外径を拡径させ、その拡径された軸部(突設ピン231)の外周面を挿通孔32(嵌合孔32a)の内周面に圧接させることで、オリフィス筒部材216と第2挟持部材18とを結合する構造である。よって、第1実施の形態の場合と同様に、オリフィス筒部材216と第2挟持部材18とを強固に結合することができるので、オリフィス筒部材216(第1挟持部材17)に対して第2挟持部材18がガタつくことを抑制して、第1挟持部材17と第2挟持部材18との位置関係を一定に維持することができる。その結果、メンブレン15の拘束状態を安定化して、動的特性のばらつきを抑制することができる。また、オリフィス筒部材216に対する第2挟持部材18のガタつきによる異音の発生を抑制することができる。
ここで、本実施の形態における仕切り体212によれば、突設ピン231の周囲を取り囲み周方向に連続すると共に第2挟持部材18との合わせ面に凹設される凹設溝231aをオリフィス筒部材216が備える構成であるので、オリフィス筒部材216に対する第2挟持部材18の浮き上がりを防止しつつ、両者を強固に結合することができる。
即ち、挿通孔32から突出された突設ピン231の先端を軸方向へ押圧して、突設ピン231の外径を拡径させる場合、突設ピン231は軸方向の基部側(図17下側)が大きく潰れる(拡径される)と共に、この基部側が先に拡径される(基部側から先端側(図17上側)へ向けて順に拡径が進行する)ため、突設ピン231が拡径されることで生じた余肉を逃がすことができない場合には、第2挟持部材18がオリフィス筒部材216から浮き上がるという不具合が生じる。
これに対し、本実施の形態では、第2挟持部材18の挿通孔32に大径部32bを設けることに加え、突設ピン231の基部側(第2挟持部材18との合わせ面)に凹設溝231aを凹設する構成であるので、突設ピン231を軸方向に押圧する場合には、その突設ピン231の基部側が拡径されることで生じた余肉pを、図17(b)及び図17(c)に示すように、大径部32b及び凹設部231aにより逃がして(大径部32b及び凹設部231aが受け入れて)、最も大きく潰れる(拡径される)部位である突設ピン231の基部側が挿通孔32へ接触することを抑制することができる。その結果、オリフィス筒部材216に対する第2挟持部材18の浮き上がりを防止することができ、オリフィス筒部材216(第1挟持部材17)と第2挟持部材18との位置関係を一定に維持することができるので、製品毎の動的特性のばらつきを抑制することができる。
また、このように、突設ピン231の基部側が潰れる(拡径される)ことにより生じる余肉pを逃がすことができれば、突設ピン231を軸方向へ押圧する押圧力をより強くすることができるので、突設ピン231の外周面を挿通孔32の嵌合孔32aの内周面へより強固に圧接させて、両者216,18の結合をより確実に行うことができる。また、突設ピン231を軸方向へ押圧する押圧力をより強くすることができれば、挿通孔32から突出された突設ピン231の先端部(図17(c)上側部)が潰れることで形成される頭部をより大きくする(大径とする)ことができるので、オリフィス筒部材216(突設ピン231)から第2挟持部材18が抜けることをより確実に防止することができる。
次いで、図18及び図19を参照して第3実施の形態について説明する。第1実施の形態では、第2挟持部材18の挿通孔32が大径孔32bを備え、その一部がテーパ状に構成される場合を説明したが、第3実施の形態では、第2挟持部材318の挿通孔332が軸方向に沿って一定の内径を有する円筒状に構成されている。なお、上述した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図18(a)は、第3実施の形態におけるオリフィス筒部材316の部分拡大断面図であり、図18(b)は、図18(a)に示すオリフィス筒部材316の拡大図である。なお、図18(a)及び図18(b)は、それぞれ図4に対応する。また、図18(a)及び図18(b)では、かしめ加工を施す前の突設ピン331が図示されている。
オリフィス筒部材316は、図18(a)及び図18(b)に示すように、その上面(第2挟持部材318との合わせ面、図18(a)上側面)から突設される複数(本実施の形態では5本)の突設ピン331と、その突設ピン331の基部側(図18(a)下側)に位置する凹設溝331aとを備えている。
突設ピン331は、上述した第1実施の形態における突設ピン31と同様に、オリフィス筒部材316(第1挟持部材17)に対する第2挟持部材318の周方向位置を位置決めすると共に、これら両部材316,18を一体化するための部位であり、図18(a)に示すように、軸心O(図3参照)と平行な軸心Lを有する断面円形の円柱状に構成されている。
突設ピン331は、第1実施の形態における突設ピン31と同じ形状に構成されている。即ち、突設ピン331は、外径D1の円柱状に構成されると共に、オリフィス筒部材316の上面(図18(a)上側面)からの突設高さ(図18(a)上下方向寸法)が、第2挟持部材318の板厚寸法よりも大きくされている(図19参照)。
また、各突設ピン331は、第1実施の形態の場合と同様に、それぞれ同じ形状(突設高さ及び外径D1)に構成されている。更に、突設ピン331は、第1実施の形態の場合と同様に、オリフィス筒部材316(胴部21)の軸心O方向視において、それぞれが軸心Oから等距離となる位置、即ち、それぞれの軸心Lがオリフィス筒部材316(同部21)の軸心Oを中心とする仮想円(図示せず)上に位置する。なお、各突設ピン331は、図18(a)に示すように、軸心Oを含むオリフィス筒部材316の断面形状において、軸心Lが胴部21の外周面に一致する位置に配設される。
凹設溝331aは、突設ピン331が軸方向へ押圧される(かしめ加工が施される)際の余肉を逃がす(受け入れる)スペースを確保するための部位であり、図18(a)及び図18(b)に示すように、オリフィス筒部材316の上面(第2挟持部材318との合わせ面、図18(a)上側面)に断面半円状の溝として凹設されると共に、突設ピン331の基部側(図18(a)下側)の周囲を取り囲む周方向(軸心Lまわり)に連続して延設された溝として構成されている。
なお、凹設溝331aの断面形状は、図18(b)に示すように、半径r3の半円状に構成され、その断面形状における半円の中心C3はオリフィス筒部材316の上面に一致する。ここで、半径r3は、突設ピン331の外径D1の10%以上、かつ、40%以下の大きさの値(0.1D1<r3<0.4D1)に設定することが好ましい。これにより、かしめ加工時の余肉を逃がすスペースを確保して、第2挟持部材318の浮き上がりを確実に防止しつつ、オリフィス筒部材316の強度を確保して、かしめ加工時や車両組付け後の耐久性の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、上述した半円の中心C3がオリフィス筒部材316の上面に一致する場合を例に説明するが、かかる中心C3は、オリフィス筒部材316の上面よりも下方(オリフィス形成壁23側、図18下側)に位置することが好ましく、その中心C3の下方への移動量は、半径r3以下であることが好ましい。これによっても、かしめ加工時の余肉を逃がすスペースをより確保して、第2挟持部材318の浮き上がりを確実に防止しつつ、オリフィス筒部材316の強度を確保して、かしめ加工時や車両組付け後の耐久性の向上を図ることができる。
第2挟持部材318は、第1実施の形態における第2挟持部材18に対し、挿通孔332の形状を除き、同じ構成(形状、寸法)とされている。なお、挿通孔332は、第1実施の形態における挿通孔32と同様に、オリフィス筒部材316の突設ピン331が挿通される孔であり、軸心O方向(図19上下方向)に沿って一定の内径を有する円筒状の孔として構成されると共に、突設ピン331の外径D1よりも大きな内径を有して構成されている。
なお、挿通孔332の内径(内周の直径)は、突設ピン331の外径(外周の直径)D1に対し、5%以上大きく、かつ、20%より小さいことが好ましい。これにより、各挿通孔32の位置公差を緩やかとして、加工コストや管理コストを削減することができると共に、突設ピン331の拡径量を適正として、拡径時に突設ピン331や挿通孔332が破損することを防止しつつ、オリフィス筒部材316に第2挟持部材318を強固に結合させることができる。
次いで、図19を参照して、仕切り体312の組み立て方法について説明する。図19(a)は、突設ピン331が挿通孔332に挿通された状態を示す仕切り体312の部分拡大断面図であり、図19(b)は、突設ピン331が拡径される状態を示す仕切り体312の部分拡大断面図であり、図19(c)は、オリフィス筒部材316に第2挟持部材318が結合された状態を示す仕切り体312の部分拡大断面図である。
仕切り体312の組み立てに際しては、まず、第2挟持部材318の各挿通孔332へオリフィス筒部材316の各突設ピン331をそれぞれ挿通させつつ、図19(a)に示すように、オリフィス筒部材316の上面側(図19上側)に第2挟持部材318を装着する。なお、この場合には、第1実施の形態の場合と同様に、オリフィス筒部材316の内周部、即ち、第1挟持部材17と第2挟持部材18との対向面間にメンブレン15を収容する。
各突設ピン331を各挿通孔332へ挿通させ、オリフィス筒部材316に第2挟持部材318を装着すると、上述した第1実施の形態の場合と同様に、各変位規制リブ18cと各変位規制リブ17cとの周方向位置が一致される(軸心O方向視において重なる位置に配設される)と共に、切欠き65と切欠き55とが接続され、オリフィス25と第1液室11Aとが連通可能となる(図1参照)。
図19(a)に示すように、オリフィス筒部材316に第2挟持部材318を装着した後は、次いで、挿通孔332に挿通され突設ピン331の先端面(図19(a)上側面)を軸方向(軸心L方向、図18参照)に圧縮する(かしめ加工を施す)。これにより、図19(b)に示すように、突設ピン331の軸部が拡径される。
図19(b)に示す状態から突設ピン331を軸方向へ更に圧縮すると、図19(c)に示すように、拡径された突設ピン331の軸部が挿通孔332の内周面を圧接すると共に、突設ピン331の軸方向先端部(図19(c)上側部)が潰され、この潰された軸方向先端部が第2挟持部材318の上面(図19(c)上側面)を圧接することで、図19(c)に示すように、オリフィス筒部材316と第2挟持部材318とが、互いの合わせ面を密着させた状態で、一体化される。
このように、本実施の形態における仕切り体312によれば、突設ピン331の軸部の外径を拡径させ、その拡径された軸部(突設ピン331)の外周面を挿通孔332の内周面に圧接させることで、オリフィス筒部材316と第2挟持部材318とを結合する構造である。よって、第1実施の形態の場合と同様に、オリフィス筒部材316と第2挟持部材318とを強固に結合することができるので、オリフィス筒部材316(第1挟持部材17)に対して第2挟持部材317がガタつくことを抑制して、第1挟持部材17と第2挟持部材318との位置関係を一定に維持することができる。その結果、メンブレン15の拘束状態を安定化して、動的特性のばらつきを抑制することができる。また、オリフィス筒部材316に対する第2挟持部材318のガタつきによる異音の発生を抑制することができる。
ここで、本実施の形態における仕切り体312によれば、突設ピン331の周囲を取り囲み周方向に連続すると共に第2挟持部材318との合わせ面に凹設される凹設溝331aをオリフィス筒部材316が備える構成であるので、オリフィス筒部材316に対する第2挟持部材318の浮き上がりを防止しつつ、両者を強固に結合することができる。
即ち、挿通孔332から突出された突設ピン331の先端を軸方向へ押圧して、突設ピン331の外径を拡径させる場合、突設ピン331は軸方向の基部側(図19下側)が大きく潰れる(拡径される)と共に、この基部側が先に拡径される(基部側から先端側(図19上側)へ向けて順に拡径が進行する)ため、突設ピン331が拡径されることで生じた余肉を逃がすことができない場合には、第2挟持部材318がオリフィス筒部材316から浮き上がるという不具合が生じる。
これに対し、本実施の形態では、突設ピン331の基部側(第2挟持部材318との合わせ面)に凹設溝331aを凹設する構成であるので、突設ピン331を軸方向に押圧する場合には、その突設ピン331の基部側が拡径されることで生じた余肉pを、図19(b)及び図19(c)に示すように、凹設部331aにより逃がして(凹設部331aが受け入れて)、最も大きく潰れる(拡径される)部位である突設ピン331の基部側が挿通孔332へ接触することを抑制することができる。その結果、オリフィス筒部材316に対する第2挟持部材318の浮き上がりを防止することができ、オリフィス筒部材316(第1挟持部材17)と第2挟持部材318との位置関係を一定に維持することができるので、製品毎の動的特性のばらつきを抑制することができる。
また、このように、突設ピン331の基部側が潰れる(拡径される)ことにより生じる余肉pを逃がすことができれば、突設ピン331を軸方向へ押圧する押圧力をより強くすることができるので、突設ピン331の外周面を挿通孔332の内周面へより強固に圧接させて、両者316,318の結合をより確実に行うことができる。また、突設ピン331を軸方向へ押圧する押圧力をより強くすることができれば、挿通孔332から突出された突設ピン331の先端部(図19(c)上側部)が潰れることで形成される頭部をより大きくする(大径とする)ことができるので、オリフィス筒部材316(突設ピン331)から第2挟持部材318が抜けることをより確実に防止することができる。
更に、本実施の形態における仕切り体312によれば、第2挟持部材318の挿通孔332をストレート形状(軸心O方向に沿って一定の内径を有する円筒状)の孔とする構成であるので、第1実施の形態における仕切り体12と比較して、大径部を設ける工程を省略して、加工コストを削減することができ、その分、製品コストの削減を図ることができる。また、このように、挿通孔332をストレート形状とすることができれば、挿通孔332(即ち、第2挟持部材318)の形状を簡素化して、その耐久性の向上を図ることができる。
以上のように、本発明の液封入式防振装置100によれば、オリフィス筒部材16,216,316が、第2挟持部材18,318との合わせ面から突設されると共に第2挟持部材18,318の板厚寸法よりも突設寸法が大きい円柱状の突設ピン31,231,331を備えると共に、第2挟持部材18,318が、板厚方向に貫通形成されると共に突設ピン31,231,331の外径よりも大きな内径を有し突設ピン31,231,331が挿通される挿通孔32,332を備える構成であるので、オリフィス筒部材16,216,316に第2挟持部材18,318を強固に固定して、そのガタつきによる影響を抑制することができると共に、両部材16,18等に要求される寸法公差を緩くして、製品コストの削減を図ることができる。
例えば、圧入により両部材を固定する従来品では、圧入部の外径寸法が内径寸法よりも大き過ぎると圧入ができない一方で、小さ過ぎるとガタつきが発生して固定ができない。そのため、圧入部に要求される寸法公差が厳しく(小さく)なり、製造コストや管理コストが嵩むと共に、歩留まりが悪化して、その分、製品コストが増加する。
これに対し、本実施の形態における液封入式防振装置100によれば、オリフィス筒部材16,216,316に第2挟持部材18,318を重ね合わせ、突設ピン31,231,331を挿通孔32,332に挿通させると共に、挿通孔32,332から突出された突設ピン31,231,331の先端を軸方向へ押圧して、突設ピン31,231,331の外径を拡径させることで、突設ピン31,231,331の外周面を挿通孔32,332の内周面に圧接させ、オリフィス筒部材16,216,316と第2挟持部材18,318とを結合することができる。
即ち、突設ピン31,231,331の拡径を利用して、オリフィス筒部材16,216,316に第2挟持部材18,318を固定する構成であるので、圧入の場合と比較して、部材の寸法公差を緩くすることができる。その結果、オリフィス筒部材16,216,316及び第2挟持部材18,318の製造コストや管理コストを削減することができると共に、仕切り手段の歩留まりを向上させることができ、その分、液封入式防振装置100全体としての製品コストの削減を図ることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施の形態では、メンブレン15の上面15a及び下面15bを平坦面として構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、軸心Oから放射直線状に延設される突起および軸心Oを中心とする円環状の突起の一方または両方を、上面15a及び下面15bの一方または両方から突設させて構成しても良い。
上記実施の形態では、第1取付け金具1がエンジン側に取り付けられると共に、第2取付け金具2が車体フレーム側に取り付けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1取付け金具1を車体フレーム側に取り付けると共に第2取付け金具2をエンジン側に取り付けたいわゆる倒立型の液封入式防振装置として構成しても良い。なお、上記実施の形態では、リバウンド方向からバウンド方向へ振動入力方向が切り替わる際の剥離音を抑制するが、この変形例の場合には、バウンド方向からリバウンド方向へ振動入力方向が切り替わる際の剥離音を抑制する。
上記実施の形態では、複数の突設ピン31(挿通孔32)の内の隣接するもの同士の周方向間隔(軸心Oに対する中心角)がすべて異なる間隔(中心角)となる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも2種類の間隔(中心角)を有していれば良い。即ち、オリフィス筒部材16に対して第2挟持部材18の装着可能な方向が、第2挟持部材18の表面側または裏面側のいずれか一方側のみとされ、かつ、オリフィス筒部材16に対する第2挟持部材18の周方向位置が一位置のみに定まる構成であれば足りる趣旨である。これにより、仕切り体12の組み立て作業性の向上を図ることができる。
上記実施の形態では、貫通孔17b1をテーパ孔として構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、軸心方向に沿って内径が一定のストレート孔として構成することは当然可能である。或いは、貫通孔17b1のテーパ方向を上記実施の形態とは逆向きに構成しても良い。
上記実施の形態では、第2挟持部材18の中央部材18bに貫通孔が形成されない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1挟持部材17の中央部材17bと同様に、第2挟持部材18の中央部材18bにも貫通孔を貫通形成しても良い。この中央部材18bに形成された貫通孔を介して、れにより、第1液室11Aの液圧をメンブレン15に作用させることができるので、第1挟持部材17の貫通孔17b1内の圧力を上昇させ易くして、剥離音の発生をより確実に抑制することができる。
上記第1及び第2実施の形態では、大径孔32bのざぐり角度θが90度に設定される場合を説明したが、必ずしもこの角度に限られるものではなく、他の角度を採用することは当然可能である。
本発明の一実施の形態における液封入式防振装置の断面図である。 オリフィス筒部材の上面図である。 図2(a)のIII−III線におけるオリフィス筒部材の断面図である。 図3のIV部におけるオリフィス筒部材の部分拡大断面図である。 第2挟持部材の上面図である。 図5のV−V線における第2挟持部材の断面図である。 図6のVII部における第2挟持部材の部分拡大断面図である。 (a)はメンブレンの上面図であり、(b)は、図8(a)のVIIIb−VIIIb線におけるメンブレンの断面図である。 仕切り体の上面図である。 図9の矢印X方向から視た仕切り体の側面図である。 図9のXI−XI線における仕切り体の断面図である。 (a)は、突設ピンが挿通孔に挿通された状態を示す仕切り体の部分拡大断面図であり、(b)は、突設ピンが拡径される状態を示す仕切り体の部分拡大断面図であり、(c)は、オリフィス筒部材に第2挟持部材が結合された状態を示す仕切り体の部分拡大断面図である。 液封入式防振装置の部分拡大断面図であり、リバウンド方向へ入力された大振幅の振動がバウンド方向へ切り替わる直前の状態が図示されている。 液封入式防振装置の部分拡大断面図であり、大振幅の振動の入力方向がバウンド方向へ切り替わった直後の状態が図示されている。 液封入式防振装置の部分拡大断面図であり、バウンド方向へ入力された大振幅の振動がリバウンド方向へ切り替わる直前の状態が図示されている。 (a)は、第2実施の形態におけるオリフィス筒部材の部分拡大断面図であり、(b)は、図16(a)に示すオリフィス筒部材の拡大図である。 (a)は、突設ピンが挿通孔に挿通された状態を示す仕切り体の部分拡大断面図であり、(b)は、突設ピンが拡径される状態を示す仕切り体の部分拡大断面図であり、(c)は、オリフィス筒部材に第2挟持部材が結合された状態を示す仕切り体の部分拡大断面図である。 (a)は、第3実施の形態におけるオリフィス筒部材の部分拡大断面図であり、(b)は、図18(a)に示すオリフィス筒部材の拡大図である。 (a)は、突設ピンが挿通孔に挿通された状態を示す仕切り体の部分拡大断面図であり、(b)は、突設ピンが拡径される状態を示す仕切り体の部分拡大断面図であり、(c)は、オリフィス筒部材に第2挟持部材が結合された状態を示す仕切り体の部分拡大断面図である。
符号の説明
100 液封入式防振装置
1 第1取付け金具(第1取付け具)
2 第2取付け金具(第2取付け具)
4 筒状金具(第2取付け具の一部)
5 底金具(第2取付け具の一部)
3 防振基体
8 液体封入室
9 ダイヤフラム
11A 第1液室
11B 第2液室
12 仕切り体(仕切り手段)
15 メンブレン
16,216,316 オリフィス筒部材(筒部材)
17 第1挟持部材
18,318 第2挟持部材
21 胴部
22,23 オリフィス形成壁(張出部)
231a,331a 凹設溝
25 オリフィス
31,231,331 突設ピン(突設部)
32,332 挿通孔
32a 嵌合部
32b 大径孔
55 切欠き(張出側切欠部)
65 切欠き(板部材側切欠部)
O 軸心

Claims (4)

  1. 第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、前記第2取付け具と第1取付け具とを連結すると共にゴム状弾性材から構成される防振基体と、前記第2取付け具に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の第1液室と前記ダイヤフラム側の第2液室とに仕切る仕切り手段と、前記第1液室と第2液室とを連通させるオリフィスとを備えた液封入式防振装置において、
    前記仕切り手段は、筒状の筒部材と、前記筒部材の内周面側に配設される板状の第1挟持部材と、前記筒部材に重ね合わされ前記第1挟持部材と所定間隔を隔てて対向する板状の第2挟持部材と、前記第1挟持部材および第2挟持部材の対向面間に収容されると共にゴム状弾性材から構成されるメンブレンと、を備え、
    前記筒部材は、前記第2挟持部材との合わせ面から突設されると共に前記第2挟持部材の板厚寸法よりも突設寸法が大きい円柱状の突設部を備え、
    前記第2挟持部材は、板厚方向に貫通形成されると共に前記突設部の外径よりも大きな内径を有し前記筒部材の突設部が挿通される挿通孔を備え、
    前記挿通孔は、貫通方向に沿って一定の内径を有する円筒状の嵌合孔と、前記嵌合孔の内径よりも大きな内径を有すると共に前記筒部材との合わせ面に開口する大径孔とを備え、
    前記筒部材に前記第2挟持部材を重ね合わせ、前記筒部材の突設部を前記第2挟持部材の挿通孔に挿通させると共に、前記挿通孔から突出された前記突設部の先端を軸方向へ押圧して、前記突設部の外径を拡径させることで、前記突設部の外周面を前記挿通孔の内周面に圧接させ、前記筒部材と第2挟持部材とを結合するように構成されていることを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記大径孔は、前記嵌合孔に連設されると共に前記筒部材との合わせ面へ向けて漸次内径が拡径されるテーパ状に構成されていることを特徴とする請求項1記載の液封入式防振装置。
  3. 第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、前記第2取付け具と第1取付け具とを連結すると共にゴム状弾性材から構成される防振基体と、前記第2取付け具に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の第1液室と前記ダイヤフラム側の第2液室とに仕切る仕切り手段と、前記第1液室と第2液室とを連通させるオリフィスとを備えた液封入式防振装置において、
    前記仕切り手段は、筒状の筒部材と、前記筒部材の内周面側に配設される板状の第1挟持部材と、前記筒部材に重ね合わされ前記第1挟持部材と所定間隔を隔てて対向する板状の第2挟持部材と、前記第1挟持部材および第2挟持部材の対向面間に収容されると共にゴム状弾性材から構成されるメンブレンと、を備え、
    前記筒部材は、前記第2挟持部材との合わせ面から突設されると共に前記第2挟持部材の板厚寸法よりも突設寸法が大きい円柱状の突設部と、前記突設部の周囲を取り囲み周方向に連続すると共に第2挟持部材との合わせ面に凹設される凹設溝とを備え、
    前記第2挟持部材は、板厚方向に貫通形成され前記筒部材の突設部が挿通される挿通孔を備えると共に、前記挿通孔は、前記突設部の外径よりも大きな内径を有すると共に軸方向に沿って内径が一定に構成される円筒状の嵌合孔を備え、
    前記筒部材に前記第2挟持部材を重ね合わせ、前記筒部材の突設部を前記第2挟持部材の挿通孔に挿通させると共に、前記挿通孔から突出された前記突設部の先端を軸方向へ押圧して、前記突設部の外径を拡径させることで、前記突設部の外周面を前記挿通孔の内周面に圧接させ、前記筒部材と第2挟持部材とを結合するように構成されていることを特徴とする液封入式防振装置。
  4. 前記筒部材は、筒状に形成され内周面側に前記第1挟持部材が配設される胴部と、前記胴部の外周面から径方向外方へ張り出すと共に対向面間に前記オリフィスが形成される一対の張出部とを備えると共に、前記一対の張出部の内の前記第2挟持部材が重ね合わされる側の張出部は、外周縁を切り欠いて形成され前記オリフィスの出入り口となる張出側切欠部を備え、
    前記突設部は、前記筒部材の前記第2挟持部材との合わせ面から少なくとも3本が突出されると共に、前記筒部材の軸心方向視において、それぞれが前記胴部の軸心から等距離となる位置であって前記張出部および胴部に重なる位置に配設され、
    前記第2挟持部材は、外周縁を切り欠いて形成され前記オリフィスの出入り口となる板部材側切欠部を備え、
    前記挿通孔は、前記第2挟持部材の少なくとも3か所に貫通形成されると共に、前記第2挟持部材の軸心方向視において、それぞれが前記第2挟持部材の軸心から等距離となる位置であって前記突設部に対応する位置に配設され、
    前記第2挟持部材の一面側を筒部材に重ね合わせ、かつ、前記板部材側切欠部の周方向位置を前記張出側切欠部の周方向位置に一致させた場合のみ、前記突設部が挿通孔へ挿通可能となり、前記第2挟持部材の他面側を筒部材に重ね合わせた場合、または、前記板部材側切欠部の周方向位置が前記張出側切欠部の周方向位置に不一致である場合には、前記突設部が挿通孔へ挿通不可能となるように、前記複数の突設部の内の隣接する突設部同士および前記複数の挿通孔の内の隣接する挿通孔同士の周方向間隔がそれぞれ不等間隔に配列されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液封入式防振装置。
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