JP2011185428A - 液封入式防振装置 - Google Patents

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Tatsunori Masuda
辰典 増田
Kentaro Yamamoto
健太郎 山本
Takahiro Oguchi
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Abstract

【課題】仕切部材のマス−バネ系の固有値をコントロールすることができる液封入式防振装置を提供する。
【解決手段】第1取付具12と第2取付具14を防振基体16を介して連結し、防振基体16とダイヤフラム34の間に形成された液体封入室32を、仕切部材38により主液室32Aと副液室32Bに仕切るとともに、仕切部材38の副液室側の面を仕切受け部材44で受け支えるようにした液封入式防振装置10において、第2取付具14の筒状胴部22に仕切部材38の外径よりも小径の小径部58を設け、該小径部58と仕切受け部材44との間で仕切部材38を挟持し、その際、仕切部材の主液室側では仕切部材38と小径部58との間に第1ゴム部66を介在させ、副液室側では仕切部材38と仕切受け部材44との間に第2ゴム部68を介在させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、液封入式防振装置に関するものである。
自動車エンジン等の振動源の振動を車体側に伝達しないように支承するエンジンマウント等の防振装置として、振動源側と車体側のいずれか一方に取り付けられる第1取付具と、他方に取り付けられる筒状の第2取付具と、これら取付具の間に介設されたゴム状弾性体からなる防振基体と、可撓性ゴム膜からなるダイヤフラムと、防振基体とダイヤフラムとの間の液体封入室を主液室と副液室に仕切る仕切部材と、これら液室間を連通させるオリフィス流路とを備え、オリフィス流路での液流動による液柱共振作用や防振基体の制振効果により、振動減衰機能と振動絶縁機能を果たすように構成された液封入式防振装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
かかる液封入式防振装置として、下記特許文献2には、筒状胴部を有する第2取付具を上下方向で2分割し、両分割金具の対接部分を径方向内向きに折曲した接合フランジに形成し、該接合フランジを互いに接合させて第2取付具に小径部を形成した上で、該小径部の下面側にゴム部を介して仕切部材を当接させた状態に組み込むことが開示されている。上記仕切部材の下面には仕切受け部材が配され、該仕切受け部材を第2取付具にかしめ固定することにより、仕切受け部材が仕切部材に金属同士の接触状態にて押し当てられ、これにより仕切部材を仕切受け部材と小径部との間で挟持するように構成されている。
また、下記特許文献3には、筒状胴部を有する第2取付具にくびれによる小径部を設け、小径部の段差部にゴム部を介して仕切部材を当接させた状態に組み込むことが開示されている。仕切部材の下端には、ダイヤフラムの外周部に固着された固定金具(仕切受け部材に相当)が配され、該固定金具を第2取付具にかしめ固定することにより、固定金具が仕切部材に金属同士の接触状態にて押し当てられ、これにより仕切部材を固定金具と小径部との間で挟持するように構成されている。
特開2004−144237号公報 特開2001−032875号公報 特開2008−249075号公報
上記特許文献2,3の構造では、仕切部材とその主液室側の第2取付具の小径部との間にはゴム部が介在しているが、仕切部材と仕切受け部材との間にはゴム部が介在していないため、バネ定数をコントロールすることができない。このように従来は、仕切部材をマスとしたマス−バネ系の固有値を積極的にコントロールすることは行われていなかった。
液封入式防振装置においては、例えば、仕切部材に弾性メンブレンを組み込んだ構造で弾性メンブレンが変位規制部材に衝突したときに打音が発生したり、あるいはまた、弾性メンブレンを有しない構造でも主液室内のキャビテーションにより異音が発生するなど、液室内部で異音が発生することがある。このような液室内部の異音が外部に伝達するのを低減する上でも、上記仕切部材のマス−バネ系の固有値をコントロールすることが有効である。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、仕切部材のマス−バネ系の固有値を容易にコントロールすることができる液封入式防振装置を提供することを目的とする。
本発明に係る液封入式防振装置は、第1取付具と、筒状胴部を有する第2取付具と、前記第1取付具と前記第2取付具を連結するゴム状弾性体からなる防振基体と、前記第2取付具に取付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム状弾性膜からなるダイヤフラムと、前記筒状胴部の内側にゴム状弾性体からなるゴム層を介して嵌着されて前記液体封入室を前記防振基体側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室に仕切る仕切部材と、前記第2取付具に固定されて前記仕切部材の副液室側の面を受け支える仕切受け部材と、前記主液室と前記副液室を連通させるオリフィス流路と、を備えた液封入式防振装置において、前記筒状胴部が、前記仕切部材の主液室側に当該仕切部材の外径よりも小径の小径部を備え、前記仕切部材が、主液室側では当該仕切部材と前記小径部との間にゴム状弾性体からなる第1ゴム部を介在させ、副液室側では当該仕切部材と前記仕切受け部材との間にゴム状弾性体からなる第2ゴム部を介在させた状態で、前記小径部と前記仕切受け部材とにより挟持されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、第2取付具の小径部と仕切受け部材との間で挟持される仕切部材につき、小径部と仕切受け部材の双方との間でゴム部を介して挟持するようにしたので、仕切部材の両側を支持するゴム部のバネ定数を変更することで、仕切部材をマスとしたマス−バネ系の固有値を容易にコントロールすることができる。そのため、該マス−バネ系の固有値の設定により、液室内部の異音を外部に伝達しにくくすることができ、すなわち、異音の低減が可能となる。
本発明の1実施形態に係る液封入式防振装置の縦断面図 同実施形態の仕切り体の平面図 同仕切り体の縦断面図 同仕切り体を構成する弾性メンブレンを示すものであり、(a)は平面図、(b)はそのIV−IV線断面図 同仕切り体を構成する第1挟持部材を示すものであり、(a)は平面図、(b)はそのV−V線断面図 同仕切り体を構成する第2挟持部材を示すものであり、(a)は平面図、(b)はそのVI−VI線断面図 同実施形態の仕切受け部材を示すものであり、(a)は平面図、(b)その断面図 (a)弾性メンブレンの打音成分の力と周波数の関係を示すグラフ、(b)マス(仕切部材)−バネ系の伝達率と周波数の関係を示すグラフ
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、一実施形態に係る液封入式防振装置10の縦断面図である。この防振装置10は、自動車のエンジンを支承するエンジンマウントであり、振動源であるエンジン側に取り付けられる上側の第1取付具12と、支持側の車体に取り付けられる筒状をなす下側の第2取付具14と、これら両取付具12,14の間に介設されて両者を連結するゴム弾性体からなる防振基体16とを備えてなる。
第1取付具12は、第2取付具14の軸芯部上方に配されたボス金具であり、径方向外方に向けてフランジ状に突出するストッパ部18が形成されている。また、上端部にはボルト20が突設されて、エンジン側に取り付けられるよう構成されている。
第2取付具14は、防振基体16が加硫成形される円筒状の筒状胴部22と、その下端部に連結される有底筒状部24とからなる本体金具であり、有底筒状部24の底面中央部に下向きのボルト26が突設され、このボルト26を介して車体側に取り付けられるように構成されている。筒状胴部22は、その下端部が有底筒状部24の上端開口部に対し、かしめ部28によりかしめ固定されている。符号30は、筒状胴部22の上端部にかしめ固定されたストッパ金具であり、第1取付具12のストッパ部18との間でストッパ作用を発揮する。
防振基体16は、略傘状に形成され、その上部に第1取付具12が埋設された状態に加硫接着され、下端外周部が筒状胴部22の上端開口部に加硫接着されている。
第2取付具14には、防振基体16の下面に対して軸方向Xに対向配置されて防振基体16との間に液体封入室32を形成する可撓性ゴム膜からなるダイヤフラム34が取り付けられ、液体封入室32に液体が封入されている。ダイヤフラム34は、外周部に環状の板材からなる補強金具36を備え、該補強金具36を介して上記かしめ部28に固定されている。
液体封入室32は、筒状胴部22の内側において、防振基体16の下面とダイヤフラム34との間に形成されており、仕切部材38によって、防振基体16側、即ち防振基体16が室壁の一部をなす上側の主液室32Aと、ダイヤフラム34側、即ちダイヤフラム34が室壁の一部をなす下側の副液室32Bとに仕切られている。主液室32Aと副液室32Bは、単一のオリフィス流路40により互いに連通されている。
仕切部材38は、筒状胴部22の内側(内周面間)にゴム弾性体からなるゴム層42を介して嵌着されており、その下面側に当接配置された仕切受け部材44を用いて保持されている。仕切受け部材44は、金属製の環状板材からなり(図7参照)、その周縁部44Aをダイヤフラム34の補強金具36とともに、上記かしめ部28で固定することにより、第2取付具14に取付固定されるとともに、仕切部材38の副液室32B側の面(即ち、下面)を受け支えるよう構成されている。
仕切部材38は、主液室32Aと副液室32Bとを仕切るゴム弾性体からなる弾性メンブレン46と、外周部にオリフィス形成部48を備えた第1挟持部材50と、該第1挟持部材50との間で弾性メンブレン46の周縁部を両面側から挟持する第2挟持部材52とを備えてなる(図2,3参照)。
弾性メンブレン46は、図4に示すように円板状のゴム膜であり、周縁部が厚肉状をなす外周厚肉部46Aに形成されるとともに、該外周厚肉部46Aよりも内側の可撓範囲の中心部に厚肉部としての中央厚肉部46Bを備える。外周厚肉部46Aは、第1及び第2挟持部材50,52によって両面側から挟圧されることで液密に保持される。外周厚肉部46Aの内側の可撓範囲は、薄肉状の本体膜部46Cからなり、主液室32A及び副液室32Bの液圧変動により軸方向Xに撓み変形可能に構成されている。
弾性メンブレン46には、その両面に複数の変位規制凸部54が中央厚肉部46Bから放射状に形成されており、この例では周方向Cに等間隔に3本が設けられ、弾性メンブレン46の上下両面で対称に配置されている。弾性メンブレン46には、また、その両面にリブ状突起からなる補助突起56が設けられている。補助突起56は、放射状リブと環状リブを組み合わせることで形成されており、変位規制凸部54よりも高さ及び幅が小さく設定されている。
第1挟持部材50は、アルミニウムや樹脂等の剛性材料からなる環状部材であり、図5に示すように外周部のオリフィス形成部48が外向きに開かれた断面コの字状をなし、ゴム層42を介して筒状胴部22の内周面に嵌合されることで、当該内周面との間に、周方向Cに沿って延びる上記オリフィス流路40を形成する。オリフィス形成部48は、周方向Cの一端に主液室32Aに対して開口する切り欠き状の主液室側開口40Aを備えるとともに、周方向Cの他端に副液室32Bに対して開口する副液室側開口40Bを備え、これら開口40A,40Bを介して、オリフィス流路40は主液室32Aと副液室32Bの間を連通している。
第1挟持部材50は、弾性メンブレン46を副液室32B側から挟持する部材であり、オリフィス形成部48の内周面から内向きに突設されて弾性メンブレン46の外周厚肉部46Aを挟持する円形リング板状の外周挟持部50Aを備える。第2挟持部材52は、弾性メンブレン46に関して主液室32A側に位置して、上記第1挟持部材50とともに弾性メンブレン46の外周厚肉部46Aを挟持する部材であり、アルミニウムや樹脂等の剛性材料より形成されている。第2挟持部材52は、弾性メンブレン46の外周厚肉部46Aを挟持する円形リング板状の外周挟持部52Aを備える。
これら第1挟持部材50と第2挟持部材52は、弾性メンブレン46の変位量をその膜面の両側から規制する一対の変位規制部50B,52Bを備える。第1挟持部材50の変位規制部50Bは、図5に示すように放射状に形成されており、詳細には、弾性メンブレン46の中央厚肉部46Bを挟持する中央規制部50Cと、弾性メンブレン46の変位規制凸部54に対応させて設けられた複数の変位規制リブ50Dとを備えてなる。これにより、第1挟持部材50には、軸方向Xに貫通する複数(3つ)の扇形状の開口部50Eが設けられ、該開口部50Eを介して副液室32Bの液圧変動が弾性メンブレン46に伝達するよう構成されている。第2挟持部材52の変位規制部52Bも、図6に示すように放射状に形成されており、中央規制部52Cと、複数の変位規制リブ52Dとを備え、これにより、複数の開口部52Eが形成されている。これらの位置、形状及び大きさは第1挟持部材50の変位規制部50Bと同様に設定されている。
仕切部材38は、第1挟持部材50上に弾性メンブレン46を載せ、その上から第2挟持部材52を被せ、このようにして一対の挟持部材50,52により弾性メンブレン46を挟み込んだ状態で、超音波溶着等の固定手段により第1挟持部材50と第2挟持部材52とを固着することで得られる。
以上の構成において、本実施形態のものでは、第2取付具14の筒状胴部22が、仕切部材38の主液室32A側において仕切部材38の外径よりも小径の小径部58を備えている。詳細には、筒状胴部22は、防振基体16が加硫接着される上部側が軸方向X下方に向かって漸次小径のテーパ状部60に形成され、テーパ状部60の下端部が仕切部材38の外径よりも小径になるまで軸方向X下方に延長されている。そして、このテーパ状部60の下端から径方向外方に向かって広がる環状の第1対向壁部62が設けられ、この第1対向壁部62と上記テーパ状部60の下端部とにより小径部58が全周にわたって形成されている。第1対向壁部62は、筒状胴部22の周壁から径方向(軸直角方向)内方Yiに延びて、仕切部材38の外周部における主液室32A側の面(即ち、上面)に所定間隔をおいて相対する壁部であり、筒状胴部22の周壁から径方向内向きYiに垂直に折曲形成されることで、仕切部材38の外周部上面に平行な壁状をなしている。なお、小径部58の内径(最小径部分の内径)は、仕切部材38の外周部に位置するオリフィス形成部48の内径と同等に設定されている。
一方、仕切受け部材44は、かしめ部28にかしめ固定される周縁部44Aに対して、内周部が仕切部材38側に隆起しており、この隆起部によって、仕切部材38の外周部における副液室32B側の面(即ち、下面)に相対する第2対向壁部64が形成されている。第2対向壁部64は、仕切部材38の外周部下面に対して所定間隔をおいて対向するように、当該下面に平行な壁状をなしている。
仕切部材38は、その上下両側において弾性体を介して小径部58と仕切受け部材44とにより軸方向Xに挟持されている。詳細には、仕切部材38の上側、即ち主液室32A側では、仕切部材38と小径部58との間にゴム弾性体からなる第1ゴム部66が介設されている。また、仕切部材38の下側、即ち副液室32B側では、仕切部材38と仕切受け部材44との間にゴム弾性体からなる第2ゴム部68が介設されている。
第1ゴム部66は、仕切部材38の外周部における主液室32A側の面と筒状胴部22における段状の第1対向壁部62との間にゴム層状に形成されており、径方向において一定肉厚でかつ全周にわたって環状に形成されている。この例では、第1ゴム部66は、防振基体16から連なるゴムで形成されており、更に仕切部材38の外周に配されるゴム層42も該第1ゴム部66を介して防振基体16から連なるゴムで形成されている。
第2ゴム部68は、仕切部材38の外周部における副液室32B側の面と仕切受け部材44の第2対向壁部64との間にゴム層状に形成されており、径方向において一定肉厚でかつ全周にわたって環状に形成されている。この例では、第2ゴム部68は、図7に示すように、仕切受け部材44の第2対向壁部64の上面に加硫接着等によって一体に形成されている。
以上よりなる液封入式防振装置10を製造する際には、例えば、液槽内において、第2取付具14の筒状胴部22に仕切部材38を下側開口部から圧入して、仕切部材38の外周部を小径部58の段面である第1対向壁部62に第1ゴム部66を介して当接させる。次いで、仕切部材38の下面側に仕切受け部材44を載せて、該仕切部材38の外周部の下面に仕切受け部材44の第2対向壁部64を第2ゴム部68を介して当接させ、更にダイヤフラム34を被せて、仕切受け部材44の周縁部44Aにダイヤフラム34の補助金具36を重ねる。その後、大気中で有底筒状部24を被せて、筒状胴部22の下端のかしめ部28により、仕切受け部材44の周縁部44Aと、ダイヤフラム34の補強金具36と有底筒状部24の上端開口部を包み込むようにしてかしめ固定することにより、液体封入室32が液密に封止される。また、これにより、仕切部材38は、その外周部の上下両側が、第1及び第2ゴム部66,68を介して、剛体である小径部58と仕切受け部材44との間に軸方向Xで挟圧された状態に保持されている。
以上よりなる本実施形態の液封入式防振装置10であると、第2取付具14の小径部58と仕切受け部材44との間で挟持される仕切部材38につき、小径部58と仕切受け部材44の双方との間でゴム部66,68を介して挟持するようにしたので、仕切部材38の両側を支持するゴム部66,68のバネ定数を変更することで、仕切部材38をマスとしたマス−バネ系の固有値を容易にコントロールすることができる。すなわち、仕切部材38のマス−バネ系の固有値は、第1取付具12が下方に変位する圧縮側の入力に対しては仕切受け部材44側の第2ゴム部68のバネ定数が寄与し、第1取付具12が上方に変位する引張側の入力に対しては小径部58側の第1ゴム部66のバネ定数が寄与する。該第1ゴム部66の支持バネ定数は、その形状、材質の選定により容易にコントロールすることができ、また、第2ゴム部68の支持バネ定数は、その形状、材質の選定により容易にコントロールすることができる。そのため、これらの選定により、マス(仕切部材38)−バネ系の固有値を容易にコントロールすることが可能となり、異音低減が可能となる。
例えば、図8(a)に示すように、弾性メンブレン46の打音成分の力と周波数の関係より、打音成分が低周波数側の領域にある場合、マス(仕切部材38)−バネ系の伝達率と周波数との関係より、図8(b)に示すように、伝達率のピークを低周波数側の領域から高周波数側の領域にシフトさせる。すなわち、固有値が低周波数領域にあるもの(A)につき、上記第1ゴム部66と第2ゴム部68の形状(肉厚)や材質を変更することでバネ定数を変えて、固有値を高周波数領域(B)にシフトさせる。これにより、打音成分の領域はマス(仕切部材38)−バネ系の伝達率の低い領域となるので、このような伝達率の低い領域を使用することで、異音の低減が可能となる。
また、例えば、上記と逆に、弾性メンブレン46の打音成分が高周波数側の領域にある場合、マス(仕切部材38)−バネ系の固有値を低周波数側にシフトさせる。これにより、打音成分の領域を、マス(仕切部材38)−バネ系の伝達率が1より小さい防振領域とすることも可能となるので、このような防振領域を使用することにより異音の低減が可能となる。
なお、上記実施形態では、仕切部材38が弾性メンブレン46とその変位量を規制する変位規制部50B,52Bを備えており、その場合、弾性メンブレン46が変位規制部50B,52Bに衝突することによる打音に起因した異音の伝達を抑える必要があるので、上記マス(仕切部材38)−バネ系の固有値をコントロールすることがより効果的である。但し、本発明では、このような弾性メンブレンを備えた仕切部材に限定されず、弾性メンブレンを有しない仕切部材にも適用することができる。
例えば、一般に液封入式防振装置においては、主液室が過度な負圧状態(即ち、主液室の液圧が所定値よりも低下した状態)となったときに、封入された液体の飽和蒸気圧を下回ることで多数の気泡が発生する現象、即ちキャビテーションが生じることがある。キャビテーションが生じると、上記気泡が消滅するときの衝撃が異音となって外部に伝達されるので、このような異音を低減することが求められる。本発明は、このようなキャビテーションによる異音を低減することにも利用することができ、すなわち、マス(仕切部材)−バネ系の固有値を、キャビテーションによる異音成分の周波数領域と重ならないようにずらすことにより、キャビテーションによる異音を低減することができる。
このように本発明では、マス(仕切部材38)−バネ系の固有値を、液室内部の異音成分の周波数領域と重ならないようにずらすことにより、液室内部の異音が外部に伝わりにくくすることができ、液室内部の種々の異音に対して、その異音低減に利用することが可能である。
上記実施形態では、ダイヤフラム34の補強金具36とは別に、仕切受け部材44を設けたが、ダイヤフラムの補強金具自体を仕切受け部材として利用してもよい。すなわち、例えば、周縁部でかしめ固定される補強金具の内周側に、仕切部材の外周部における副液室側の面と対向する上記第2対向壁部を設け、該第2対向壁部と仕切部材との間に上記第2ゴム部を介在させてもよい。この場合、第2ゴム部をダイヤフラムから連なるゴムで一体に設けることもできる。
また、上記実施形態では、第2取付具14の小径部58を筒状胴部22にくびれ状の折曲部を設けることで形成したが、小径部の構成はこれに限定されるものではない。例えば、上記特許文献2のように、筒状胴部を上下方向で2分割し、両分割金具の対接部分を径方向内向きに折曲した接合フランジに形成し、該接合フランジを互いに接合させることで小径部を形成してもよい。
また、上記実施形態では、単一のオリフィス通路を持つシングルオリフィス構造の防振装置について説明したが、本発明は、ダブルオリフィス構造の防振装置など、種々の液封入式防振装置に適用可能であり、例えば、仕切部材の内部に液室が組み込まれたタイプの防振装置にも適用することができる。
更に、上記実施形態では、第1取付具をエンジン側の取付具とし、第2取付具を車体側の取付具としたが、これとは逆に、第1取付具を車体側に、第2取付具をエンジン側に取り付けるように構成してもよい。更には、本発明は、エンジンマウント以外にも、ボディマウント、デフマウントなど、種々の防振装置に適用可能である。その他、一々列挙しないが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
10…液封入式防振装置、12…第1取付具、14…第2取付具、16…防振基体
22…筒状胴部、32…液体封入室、32A…主液室、32B…副液室
34…ダイヤフラム、38…仕切部材、40…オリフィス流路、42…ゴム層
44…仕切受け部材、46…弾性メンブレン、50B,52B…変位規制部
58…小径部、62…第1対向壁部、64…第2対向壁部
66…第1ゴム部、68…第2ゴム部

Claims (3)

  1. 第1取付具と、
    筒状胴部を有する第2取付具と、
    前記第1取付具と前記第2取付具を連結するゴム状弾性体からなる防振基体と、
    前記第2取付具に取付けられて、前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム状弾性膜からなるダイヤフラムと、
    前記筒状胴部の内側にゴム状弾性体からなるゴム層を介して嵌着されて、前記液体封入室を前記防振基体側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室に仕切る仕切部材と、
    前記第2取付具に固定されて、前記仕切部材の副液室側の面を受け支える仕切受け部材と、
    前記主液室と前記副液室を連通させるオリフィス流路と、
    を備えた液封入式防振装置において、
    前記筒状胴部が、前記仕切部材の主液室側に当該仕切部材の外径よりも小径の小径部を備え、
    前記仕切部材が、主液室側では当該仕切部材と前記小径部との間にゴム状弾性体からなる第1ゴム部を介在させ、副液室側では当該仕切部材と前記仕切受け部材との間にゴム状弾性体からなる第2ゴム部を介在させた状態で、前記小径部と前記仕切受け部材とにより挟持された、
    ことを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記仕切部材が、前記主液室と副液室を仕切る弾性メンブレンと、前記弾性メンブレンの変位量を当該弾性メンブレンの膜面の両側から規制する一対の変位規制部とを備えてなる請求項1記載の液封入式防振装置。
  3. 前記小径部が、前記筒状胴部の周壁から径方向内方に延びて前記仕切部材の外周部における主液室側の面に相対する第1対向壁部を有し、前記仕切部材の主液室側の面と前記第1対向壁部との間に前記第1ゴム部が形成され、
    前記仕切受け部材が、前記仕切部材の外周部における副液室側の面に相対する第2対向壁部を有し、前記仕切部材の副液室側の面と前記第2対向壁部との間に前記第2ゴム部が形成された請求項1又は2に記載の液封入式防振装置。
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