JP2008202766A - 液封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大振幅の振動時に弾性仕切り膜周りでの両液室間の液流れを防止してオリフィスによる液体流動効果を十分に確保しながら、微振幅の振動時に弾性仕切り膜周りでの両液室間の液流れを生じさせることで低動ばね特性を向上する。
【解決手段】仕切り体34を、オリフィス形成部材38と弾性仕切り膜40と一対の変位規制手段42,44とで構成し、弾性仕切り膜40の周縁部に、仕切り膜本体50よりも厚肉状をなす環状厚肉部52を設け、その軸芯方向Xにおける両側面52A,Bを平坦面に形成する。一対の変位規制手段の上下の環状支持部56間の間隔D1をその間に配される環状厚肉部52の厚みD2よりも大に設定して、環状厚肉部52の両側面52A,Bと上下の環状支持部56との間に微小隙間60を設け、両微小隙間60を環状厚肉部の外周面52Cとオリフィス形成部材38との間に設けた隙間62により連結する。
【選択図】図5

Description

本発明は、主として自動車エンジン等の振動体を防振的に支承するのに用いられる液封入式防振装置に関するものである。
従来、この種の液封入式防振装置として、第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、これらを連結するゴム状弾性体からなる防振基体と、前記第2取付け具に取り付けられて防振基体との間に液体封入室を形成するダイヤフラムと、該液体封入室を防振基体側の第1液室とダイヤフラム側の第2液室に仕切る仕切り体と、両液室を連通させるオリフィスとを備え、前記仕切り体が、第2取付け具の周壁部の内側に設けられて前記オリフィスを形成する環状のオリフィス形成部材と、該オリフィス形成部材の内側で第1液室と第2液室を軸芯方向に仕切る弾性仕切り膜と、該弾性仕切り膜の変位量をその膜面の両側から規制する一対の変位規制手段とを備えてなるものが知られている(例えば、下記特許文献1,2参照)。
この防振装置では、走行路面の凹凸に起因して大振幅の振動が生じると、液体がオリフィスを通って両液室間を流動し、その液体流動効果によって振動を減衰させる。一方、アイドリング振動などの微振幅の振動が生じると、オリフィスは機能せずに、弾性仕切り膜が往復動変位することで、両液室間の液圧変動を吸収して低動ばね特性が得られる。
また、従来、液封入式防振装置においては一般に、上記筒状の第2取付け具が車体側に取り付けられる下側取付け具とされ、上記第1取付け具がエンジン側に取り付けられる上側取付け具とされているが(例えば、下記特許文献2参照)、上記第1取付け具を車体側に取り付けられる下側取付け具とし、上記筒状の第2取付け具をエンジン側に取り付けられる上側取付け具とした、いわゆる倒立タイプの液封入式防振装置も提案されている(下記特許文献1,3,4参照)。
特開平07−238983号公報 特開2003−294080号公報 特開2006−083907号公報 特開2005−083461号公報
上記従来の往復動変位する弾性仕切り膜を持つ液封入式防振装置において、上記特許文献1に開示されたものでは、弾性仕切り膜は、単なる薄板円板状をなし、上下方向に微小変位可能なように仕切り体の収容室内に収容されている。しかしながら、このような単なる薄板円板状の弾性仕切り膜では、大振幅の振動時において弾性仕切り膜の外周を通って液体が両液室間を流動しやすく、そのため、オリフィスによる液体流動効果を十分に発揮させることができない場合がある。
一方、上記特許文献2に開示されたものでは、弾性仕切り膜は、一対の変位規制手段の周縁部同士で挟み込まれる弾性仕切り膜の周縁部に凸条が設けられており、弾性仕切り膜の周縁部は、前記一対の変位規制手段の周縁部により、上記凸条が挟圧された状態に支持されている(同文献の図2(c)参照)。この場合、上記凸条により、大振幅の振動時における弾性仕切り膜周りでの両液室間の液流れは防止できるものの、微振幅の振動が生じたときに、弾性仕切り膜周りでの両液室間の液流れは期待できず、そのため、かかる両液室間の液移動による低動ばね定数の低減効果は得られない。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、大振幅の振動時に弾性仕切り膜周りでの両液室間の液流れを防止してオリフィスによる液体流動効果を十分に確保しながら、微振幅の振動時に弾性仕切り膜周りでの両液室間の液流れを生じさせることで低動ばね特性に優れる液封入式防振装置を提供することを目的とする。
本発明に係る液封入式防振装置は、第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、これらを連結するゴム状弾性体からなる防振基体と、前記第2取付け具に取り付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の第1液室と前記ダイヤフラム側の第2液室に仕切る仕切り体と、前記第1液室と第2液室を連通させるオリフィスとを備え、前記仕切り体が、前記第2取付け具の周壁部の内側に設けられて前記オリフィスを形成する環状のオリフィス形成部材と、前記オリフィス形成部材の内側で前記第1液室と第2液室を軸芯方向に仕切る弾性仕切り膜と、該弾性仕切り膜の変位量をその膜面の両側から規制する一対の変位規制手段とを備えてなる、液封入式防振装置において、
前記弾性仕切り膜は、仕切り膜本体と、前記仕切り膜本体よりも厚肉状をなして該仕切り膜本体に周設された環状厚肉部とからなり、前記一対の変位規制手段は、前記仕切り膜本体に対して軸芯方向に離間して対向し当該仕切り膜本体の軸芯方向における変位を規制する規制部本体と、前記環状厚肉部を軸芯方向の両側から挟み込むように支持する環状支持部とからなり、
前記環状厚肉部の軸芯方向における両側面がそれぞれ軸芯方向に垂直な平坦面に形成されるとともに、軸芯方向に対向する一対の前記環状支持部間の間隔が前記環状厚肉部の厚みよりも大に設定されることで、前記環状厚肉部の軸芯方向における一方の側面と該一方の側面に対向する一方の前記環状支持部との間に微小隙間が設けられるとともに、前記環状厚肉部の軸芯方向における他方の側面と該他方の側面に対向する他方の前記環状支持部との間に微小隙間が設けられ、前記環状厚肉部の両側の前記微小隙間の間を連結する軸芯方向に延びる隙間が前記環状厚肉部の外周面と前記オリフィス形成部材の内周面との間に設けられたものである。
上記構成によれば、大振幅の振動が生じた場合、弾性仕切り膜の周縁部に設けられた環状厚肉部の両側面が、変位規制手段の環状支持部に押し当てられる。その際、環状厚肉部は仕切り膜本体に対して厚肉化されたため変形しにくく、かつ、上記側面が突起や凸条などのない平坦面に形成されているため、環状厚肉部と環状支持部が隙間なく当接し、そのため、弾性仕切り膜周りでの両液室間の液流れを防止することができ、オリフィスによる液体流動効果を効果的に発揮させることができる。
一方、微振幅の振動が生じた場合、弾性仕切り膜の環状厚肉部の両側における上記微小隙間とその間を連結する軸芯方向に延びる隙間を通って、両液室間で液流れが生じる。その際、上記環状厚肉部の両側面は平坦面に形成され、上記液流れを阻害する突起や凸条などがないため、該液流れが有効に確保される。そのため、弾性仕切り膜、特にその仕切り膜本体での往復動変位と相俟って、優れた低動ばね特性を発揮することができる。
本発明において、前記仕切り膜本体の膜面には、前記変位規制手段の前記環状支持部よりも径方向内方側の領域に複数の突起が設けられていることが好ましい。かかる突起を設けたことにより、弾性仕切り膜の仕切り膜本体と変位規制手段の規制部本体との接触面積を小さくして、変位規制手段への弾性仕切り膜の衝突による異音を低減することができる。また、該突起が上記環状支持部にかからないように設けられているので、大振幅の振動時における弾性仕切り膜周りでの両液室間の液流れを防止することができる。
この場合、前記弾性仕切り膜が軸芯方向視で円形状をなし、前記突起が前記弾性仕切り膜の径方向中心を同心円状に取り囲む複数のリング状にかつ周方向で等間隔に並設されていると、弾性仕切り膜には周方向で方向性がなくなる。そのため、本発明のように、弾性仕切り膜が周方向で固定されておらず回転可能であっても、変位規制手段の規制部本体に対する上記突起による異音低減効果を効果的に発揮させることができる。
本発明において、前記第2取付け具が、振動源側に取り付けられる上側取付け具であり、前記第1取付け具が、前記第2取付け具よりも下方に位置して、支持側に取り付けられる下側取付け具であると、次の作用効果が奏される。
すなわち、上記のように環状厚肉部が軸芯方向で挟圧されずに両側に隙間が設けられていると、対向する環状支持部との衝突による打音が懸念される。これに対し、仕切り体が取り付けられた第2取付け具を振動源側に連結したので、仕切り体で発生した上記打音は支持側に対しては防振基体を介して伝達されることになる。そのため、防振基体にて該打音による振動を吸収することができ、支持側への異音伝達を抑制することができる。
上記のように本発明によれば、大振幅の振動時に弾性仕切り膜周りでの両液室間の液流れを防止してオリフィスによる液体流動効果を十分に発揮することができるとともに、微振幅の振動時に弾性仕切り膜周りでの両液室間の液流れを生じさせることで低動ばね特性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る液封入式防振装置10の縦断面図であり、同防振装置10は、自動車のエンジンを車体に対して支承するためのエンジンマウントである。
この液封入式防振装置10は、車体1(図9参照)側に取り付けられる下側の第1取付け具12と、エンジン2(図9参照)側に取り付けられる筒状をなす上側の第2取付け具14と、これらを連結するゴム状弾性体からなる防振基体16とを備えている。
第1取付け具12は、第2取付け具14の軸芯部における下方に配された段付き円柱形状の金属製部材であり、その下端面には雌ねじ部18が下方に開口して設けられている。第2取付け具14は、下部側の大径筒部20と、上部側の小径筒部22と、両者を連結する段部24とを有する段付き筒状金具である。防振基体16は、第1取付け具12の外周面と第2取付け具14の大径筒部20の内周面とにそれぞれ加硫接着されており、該大径筒部20から第1取付け具12に向けて下方ほど漸次小径の円錐台状に形成されている。
第2取付け具14の上端部には、防振基体16との間に液体封入室26を形成するゴム状弾性膜からなるダイヤフラム28が取り付けられている。ダイヤフラム28は、外周部に補強金具30を備え、該補強金具30が、第2取付け具14の内周面に設けられた前記防振基体16から連なるゴム層32の内周面に嵌着されている。
液体封入室26は、仕切り体34により、防振基体16側の第1液室26Aとダイヤフラム28側の第2液室26Bとに仕切られており、両液室26A,26Bが液体流路であるオリフィス36を介して連通されている。
仕切り体34は、図1〜4に示されるように、第2取付け具14の周壁部14Aの内側に設けられて前記オリフィス36を形成する環状のオリフィス形成部材38と、該オリフィス形成部材38の内側で第1液室26Aと第2液室26Bを軸芯方向Xに仕切る弾性仕切り膜40と、該弾性仕切り膜40の変位量をその膜面の両側から規制する上下一対の変位規制手段42,44とを備えてなる。
オリフィス形成部材38は、径方向外方側K1に開かれたオリフィス形成溝45を備える金属又は樹脂製の円環状部材である。オリフィス形成部材38は、この例では、オリフィス36の内周壁を構成する本体筒部38Aと、該本体筒部38Aの上端から外向きに延設されてオリフィス36の上側壁を構成する上壁部38Bとからなる第1部材46と、オリフィス36の下側壁を構成する下壁部38Cを有する平板状の第2部材48とを組み立てることで構成され、第2取付け具14のゴム層32の内周面に嵌着されている。
弾性仕切り膜40は、図6,7にも示されるように、軸芯方向視で円形状をなす板状ゴム部材であり、円板状の仕切り膜本体50と、該仕切り膜本体50よりも厚肉状をなして該仕切り膜本体50に周設された環状厚肉部52とからなる。環状厚肉部52は、弾性仕切り膜40の周縁部において、その内側の仕切り膜本体50に対して軸芯方向Xの両側に増肉させることで周方向の全体にわたって設けられており、該環状厚肉部52の軸芯方向Xにおける両側面52A,52Bが、それぞれ軸芯方向Xに垂直な平坦面に形成されている。
変位規制手段42,44は、仕切り膜本体50に対して軸芯方向Xに離間して対向し当該仕切り膜本体50の軸芯方向Xにおける変位を規制する規制部本体54と、前記環状厚肉部52を軸芯方向Xの両側から挟み込むように支持する環状支持部56とからなる。この例では、上側の変位規制手段42は、オリフィス形成部材38の上記第1部材46における本体筒部38Aの内周面に一体に設けられている。また、下側の変位規制手段44は、オリフィス形成部材38の上記第2部材48の内側に一体に設けられている。なお、かかる変位規制手段42,44は、オリフィス形成部材38とは別体に形成してもよい。
上記環状支持部56は、変位規制手段42,44の周縁部において幅狭のリング板状に形成されている。この環状支持部56の内側の規制部本体54は、この例では、図2に示すように、径方向に延びて互いに直交する格子により形成されており、これにより、規制部本体54には、周方向に4つの扇形状の開口部58が設けられている。なお、一対の変位規制手段42,44における規制部本体54と環状支持部56の形状は、軸芯方向Xで重複するように同一に形成されている。
図5に示すように、軸芯方向Xに対向する上下一対の環状支持部56,56間の間隔D1は、その間に配される環状厚肉部52の厚みD2よりも大に設定されており、これにより、環状厚肉部52の両側面52A,52Bと、これら各側面52A,52Bに対向する一対の環状支持部56,56の対向面56A,56Aとの間に、それぞれ微小隙間60,60が設けられている。微小隙間60は、弾性仕切り膜40の厚みよりも十分小さな隙間であり、より詳細には、仕切り膜本体50の表面に対する環状厚肉部52の増肉分D3よりも十分に狭い微小な隙間である。
これらの上下の微小隙間60,60は、環状厚肉部52の外周面52Cと、オリフィス形成部材38の本体筒部38Aの内周面38Dとの間に形成された、軸芯方向Xに延びる隙間62により、連通されている。この隙間62は、周方向の全周にわたって設けられ、上記微小隙間60と同様の微小な隙間により形成されている。
図6,7に示すように、仕切り膜本体50の膜面には、変位規制手段42,44の環状支持部56よりも径方向内方側K2の領域に複数の球冠状の突起64が分散して設けられている。該突起64は、弾性仕切り膜40の径方向中心Oを同心円状に取り囲む複数のリング状に並設されている。この例では、突起64は、径方向中心Oに1つと、その周りに7重円状に取り囲むように設けられている。また、突起64は、リング状の各列において、周方向に等間隔に並設されており、しかも、この例では、全てのリング状の列において、隣接する突起64間の間隔が一定に配置されている。また、周方向に隣接する突起64間の間隔は、各突起64の幅(直径)と同等以下の寸法に設定されている。
図5に示すように、突起64の突出高さHは、環状厚肉部52の上記増肉分D3よりも小に設定されており、大振幅時に、環状厚肉部52が変位規制手段42,44に有利に当接するように構成されている。なお、弾性仕切り膜40に設けられる上記突起64の形状及び配置は、弾性仕切り膜40の表裏両側で重複するように同一に設けられている。
以上よりなる液封入式防振装置10は、図8,9に示すように、第2取付け具14がエンジン側ブラケット70の筒状保持部72に圧入されることで取付け固定され、第1取付け具12が車体側ブラケット74の締結面部76にボルト78を用いて締結固定される。そして、エンジン側ブラケット70がエンジン2に対して不図示のボルトで固定され、車体側ブラケット74が車体1に対して不図示のボルトで固定されることで、車両に組み付けられる。なお、符号80は、筒状保持部72に対して上方から被せられたストッパゴム部材であり、車体側ブラケット74との間でストッパ作用を発揮する。
本実施形態の液封入式防振装置10であると、大振幅の振動が生じた場合、弾性仕切り膜40の環状厚肉部52が、変位規制手段42,44の環状支持部56に押し当てられる。その際、厚肉状の環状厚肉部52の両側面52A,52Bが突起などのない平坦面に形成されているため、環状厚肉部52と環状支持部56とが隙間なく当接し、よって、弾性仕切り膜40周りでの両液室26A,26B間の液流れを防止することができ、オリフィス36による液体流動効果を効果的に発揮させることができる。
また、微振幅の振動が生じた場合、図5の矢印Lで示すように、弾性仕切り膜40の環状厚肉部52の両側における微小隙間60,60とその間を連結する軸芯方向Xに延びる隙間62を通って、両液室26A,26B間で液流れが生じる。その際、環状厚肉部52の両側面52A,52Bが平坦面であるため、かかる液流れが阻害されず、よって、弾性仕切り膜40での往復動変位と相俟って、優れた低動ばね特性が発揮される。
図10,11は、上記した実施形態の液封入式防振装置10(実施例)と、比較例として、弾性仕切り膜40の環状厚肉部52の両側面52A,52Bに周方向に延びる凸条を設けたものとについて、貯蔵バネ定数(動ばね定数)と損失係数を測定した結果を示すものである。図10は、大振幅の振動時に相当する±1.0mmの振幅を負荷したときのデータであり、図11は、微振幅の振動時に相当する±0.2mmの振幅を負荷したときのデータである。
図10に示すように、大振幅時において、実施例の損失係数は比較例の損失係数よりも高く、すなわち、実施例では、比較例に対して同等以上の優れた減衰性が確保されていた。これは、比較例では、シール性を高めるために設けた上記凸条が、大振幅時に環状支持部に不安定に当接することで、却って液漏れが生じたことによるものと考えられる。実施例のものでは、環状厚肉部52の両側面52A,52Bを平坦面にて形成することで、大振幅時に環状支持部56との密着性が高められて有効に液漏れが防止されていた。
そして、図11に示すように、微振幅時においては、実施例では、比較例に対してアイドリング振動に相当する高周波数域(約15〜25Hz)での動ばね定数が低減しており、優れた低動ばね特性が得られていた。
本実施形態の液封入式防振装置10では、また、仕切り膜本体50の膜面において環状支持部56にかからないように複数の突起64を設けたことにより、大振幅時における弾性仕切り膜40周りでの両液室26A,26B間の液流れを防止しながら、変位規制手段42,44との衝突による異音を低減することができる。
また、上記特有の突起64の配置により、弾性仕切り膜40は周方向で方向性がないので、弾性仕切り膜40がどのように回転しても、変位規制手段42,44の規制部本体54に対する上記突起64による異音低減効果を発揮させることができる。
また、仕切り体34が取り付けられた第2取付け具14をエンジン2側に連結したので、仕切り体34で発生した打音は、車体1に対して防振基体16を介して伝達されることになる。そのため、上記打音による振動を防振基体16にて吸収することができ、車室内への異音伝達を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る液封入式防振装置の縦断面図。 同防振装置の仕切り体の平面図。 図2のIII−III線断面図。 同仕切り体の分解断面図 同仕切り体の要部拡大断面図。 同仕切り体の弾性仕切り膜の平面図。 同弾性仕切り膜の縦断面図。 同防振装置をブラケットに組み付けた状態での縦断面図。 同防振装置の車両への組み付け状態を示す側面図。 実施例と比較例の防振装置について、大振幅の振動時における貯蔵ばね定数と損失係数の測定結果を示すグラフ。 実施例と比較例の防振装置について、微振幅の振動時における貯蔵ばね定数と損失係数の測定結果を示すグラフ。
符号の説明
1…車体(支持側)
2…エンジン(振動源側)
10…液封入式防振装置
12…第1取付け具
14…第2取付け具、14A…周壁部
16…防振基体
26…液体封入室、26A…第1液室、26B…第2液室
28…ダイヤフラム
34…仕切り体
36…オリフィス
38…オリフィス形成部材、38D…内周面
40…弾性仕切り膜
42,44…変位規制手段
50…仕切り膜本体
52…環状厚肉部、52A,52B…側面、52C…外周面
54…規制部本体
56…環状支持部
60…微小隙間
62…隙間
64…突起
D1…環状支持部間の間隔
D2…環状厚肉部の厚み
K2…径方向内方側
O…径方向中心
X…軸芯方向

Claims (4)

  1. 第1取付け具と、筒状の第2取付け具と、前記第1取付け具と第2取付け具を連結するゴム状弾性体からなる防振基体と、前記第2取付け具に取り付けられて前記防振基体との間に液体封入室を形成するダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の第1液室と前記ダイヤフラム側の第2液室に仕切る仕切り体と、前記第1液室と第2液室を連通させるオリフィスとを備え、
    前記仕切り体が、前記第2取付け具の周壁部の内側に設けられて前記オリフィスを形成する環状のオリフィス形成部材と、前記オリフィス形成部材の内側で前記第1液室と第2液室を軸芯方向に仕切る弾性仕切り膜と、前記弾性仕切り膜の変位量を当該弾性仕切り膜の膜面の両側から規制する一対の変位規制手段とを備えてなる、液封入式防振装置において、
    前記弾性仕切り膜は、仕切り膜本体と、前記仕切り膜本体よりも厚肉状をなして該仕切り膜本体に周設された環状厚肉部とからなり、
    前記一対の変位規制手段は、前記仕切り膜本体に対して軸芯方向に離間して対向し当該仕切り膜本体の軸芯方向における変位を規制する規制部本体と、前記環状厚肉部を軸芯方向の両側から挟み込むように支持する環状支持部とからなり、
    前記環状厚肉部の軸芯方向における両側面が軸芯方向に垂直な平坦面に形成されるとともに、軸芯方向に対向する一対の前記環状支持部間の間隔が前記環状厚肉部の厚みよりも大に設定されることで、前記環状厚肉部の軸芯方向における一方の側面と該一方の側面に対向する一方の前記環状支持部との間に微小隙間が設けられるとともに、前記環状厚肉部の軸芯方向における他方の側面と該他方の側面に対向する他方の前記環状支持部との間に微小隙間が設けられ、前記環状厚肉部の両側の前記微小隙間の間を連結する軸芯方向に延びる隙間が前記環状厚肉部の外周面と前記オリフィス形成部材の内周面との間に設けられた、
    ことを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記仕切り膜本体の膜面には、前記変位規制手段の前記環状支持部よりも径方向内方側の領域に複数の突起が設けられた、ことを特徴とする請求項1記載の液封入式防振装置。
  3. 前記弾性仕切り膜が軸芯方向視で円形状をなし、前記突起が前記弾性仕切り膜の径方向中心を同心円状に取り囲む複数のリング状にかつ周方向で等間隔に並設された、請求項2記載の液封入式防振装置。
  4. 前記第2取付け具が、振動源側に取り付けられる上側取付け具であり、前記第1取付け具が、前記第2取付け具よりも下方に位置して、支持側に取り付けられる下側取付け具である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液封入式防振装置。
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