JP5358262B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動を発生する部材からの振動の伝達を防止する流体封入式の防振装置に関する。
例えば、乗用車等の車両では、振動発生部となるエンジンと振動受け部となる車体との間にエンジンマウントとしての防振装置が配設されており、この防振装置がエンジンから発生する振動を吸収し、車体側に伝達されるのを阻止する構造となっている。
このような構造の防振装置として、特許文献1には、本体ゴム部を有する一体加硫品のマウント本体と、樹脂ブラケットを有する予備組付品とを、仕切部材とともにかしめ付けにより一体に組み付けて構成したものが記載されている。
特許文献1に記載の防振装置では、かしめを行うために金具部等の部材が必要であり、重量増を招いていた。また、かしめを行うために製造工数も増え、コスト高を招くことがあった。
特開2006−220230号公報
本発明は上記事実を考慮して、より少ない製造工数で製造可能で、軽量かつ低コストの防振装置を得ることを課題とする。
請求項1に記載の発明では、樹脂によって形成され振動発生部及び振動受け部の一方に連結される第1取付部材と、振動発生部及び振動受け部の他方に連結される第2取付部材と、弾性体を備え、前記第1取付部材と係合部で係合されて一体成型されると共に前記第1取付部材と前記第2取付部材との間で第1取付部材と第2取付部材とに連結された弾性部材と、液体が封入されると共に前記弾性体の弾性変形に伴って内容積が変化する主液室を前記弾性体との間に構成する仕切り部材と、液体が封入されると共に液圧変化に応じて内容積が変化する副液室を前記仕切り部材との間に構成するダイヤフラム部材と、前記主液室と前記副液室との間での液体の移動を可能とする制限通路と、前記弾性部材を構成し前記第1取付部材への取付用とされる第1中間部材と、前記第1中間部材との間で前記ダイヤフラム部材を挟み込むと共に前記第1取付部材への取付用とされる第2中間部材と、前記第1中間部材と前記第2中間部材とのダイヤフラム挟み込み部分の双方から外側に向かって延出されたフランジ部と、を有し、前記第1中間部材の前記フランジ部と前記第2中間部材の前記フランジ部とが重ね合わせられた状態で、前記第1取付部材がフランジ部を挟み込んで前記係合部を構成すると共に第1中間部材及び第2中間部材と一体成型され、前記係合部が、前記第1取付部材と前記弾性部材との相対移動を阻止している。
請求項1の防振装置では、第1取付部材及び第2取付部材の何れか一方に振動が伝達されると、第1取付部材と第2取付部材との間に配置された弾性部材の弾性体が弾性変形し、この弾性部材の内部摩擦等に基づく吸振作用によって振動が吸収され、振動受け部側へ伝達される振動が低減される。また、係合部により、第1取付部材と弾性部材との相対移動が阻止される。
振動発生部及び振動受け部の一方に連結される第1取付部材は樹脂製とされ、弾性部材と一体成型されている。これらを別体で構成した場合には、後工程でかしめ等の加工が必要であり、さらにかしめのための金属製の部材(取付金具等)が必要となるが、本実施形態では、このような部材が不要であり、軽量化を図ることが可能になる。また、かしめ加工を行う必要がないので、製造工数が少なくて済み、低コストとなる。
また、請求項1に記載の発明では、液体が封入されると共に前記弾性体の弾性変形に伴って内容積が変化する主液室を前記弾性体との間に構成する仕切り部材と、液体が封入されると共に液圧変化に応じて内容積が変化する副液室を前記仕切り部材との間に構成するダイヤフラム部材と、前記主液室と前記副液室との間での液体の移動を可能とする制限通路と、前記弾性部材を構成し前記第1取付部材への取付用とされる第1中間部材と、前記第1中間部材との間で前記ダイヤフラム部材を挟み込むと共に前記第1取付部材への取付用とされる第2中間部材と、前記第1中間部材と前記第2中間部材とのダイヤフラム挟み込み部分の双方から外側に向かって延出されたフランジ部と、を有し、前記第1中間部材の前記フランジ部と前記第2中間部材の前記フランジ部とが重ね合わせられた状態で、前記第1取付部材がフランジ部を挟み込んで前記係合部を構成すると共に第1中間部材及び第2中間部材と一体成型されている。
この防振装置では、主液室と副液室とは制限通路により、液体の移動が可能とされており、弾性体の弾性変形に伴って主液室の内容積が変化すると、液体の一部が副液室へ移動する。たとえば、この制限通路の路長や断面積等を適切に設定することで、液体に共振現象が生じさせ、入力振動(主振幅方向)を効果的に吸収できるようになる。
仕切り部材との間に副液室を構成するダイヤフラム部材は、第1中間部材と第2中間部材とに挟み込まれている。そして、この挟み込み部分では、第1中間部材と第2中間部材の双方から外側に向かってフランジ部が延出されている。このフランジ部が重ね合わされた状態で、第1取付部材がフランジ部を挟み込んで係合部を構成し、さらに第1中間部材及び第2中間部材と一体成型されている。
このように、重ね合わされたフランジ部を第1取付部材で挟み込むことで、係合部を確実に構成できと共に、第1中間部材と第2中間部材とを接合して一体化した状態にできる、製造工数が少なくなる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記第1中間部材が前記弾性体と一体化され、前記第2中間部材が前記ダイヤフラム部材と一体化されている。
このように、第1中間部材を弾性体とあらかじめ一体化し、第2中間部材をダイヤフラム部材とあらかじめ一体化しておくことで、防振装置の製造工数としては、より少なくすることが可能になる。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記制限通路の一部が、前記第1中間部材と前記ダイヤフラム部材の一部で構成されている。
したがって、第1中間部材と第2中間部材とを一体化することで、制限通路の一部を構成することができる。また、第1中間部材とダイヤフラム部材とで制限通路を分割して構成することで、いわゆるアンダーカットとなる部分を解消し、成型を容易にすることも可能となる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記第1取付部材に備えられ、前記弾性部材から見て前記ダイヤフラム部材の反対側に位置して弾性部材の移動範囲を制限する移動制限部材、を有する。
移動制限部材を有するので、弾性部材の移動範囲を効果的に制限できる。しかも、移動制限部材は第1取付部材に備えられているので、別体で構成したものと比較して、後工程で一体化する必要がなく、より少ない製造工数で製造可能となる。
本発明は上記の構成としたので、より少ない製造工数で製造可能で、軽量かつ低コストの防振装置が得られる。
本発明の第1実施形態に係る防振装置の構成を示す軸方向に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置を製造する過程において防振装置本体を樹脂型内に投入した状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る防振装置について図面を参照して説明する。
図1には本発明の第1実施形態の防振装置10が示されている。この防振装置10は、例えば、自動車におけるエンジンマウントとして用いられるものである。振動受け部である車体上において、振動発生部となるエンジンを支持する。なお、図中、符号Sは装置の軸心を示しており、この軸心Sに沿った方向を装置の軸方向、軸心Sに直交する方向を装置の径方向とする。
図1に示すように、防振装置10には、ブラケット12及び防振装置本体22が備えられている。ブラケット12は樹脂製とされ、防振装置本体22を保持するブラケット本体14と、ブラケット本体14の外側でブラケット本体14から延出された複数の脚部18で構成されている。防振装置本体22は吸振主体となるゴム製のゴム弾性体30と、このゴム弾性体30の外周側に配置された外筒部材16とが一体化されて構成された弾性部材28を備えており、ブラケット本体14の内側に嵌め込まれている。本実施形態では、外筒部材16も樹脂製とされている。
防振装置本体22のゴム弾性体30の上部には連結部材20が埋め込まれている。連結部材20は、断面略長方形の枠状に形成されており、その開口方向が軸心Sと直交する方向で、ゴム弾性体30の上部に埋め込まれている。連結部材20の内側にも所定の厚みでゴムが被覆されているが、この被覆ゴムのさらに内側に、エンジンの被支持部材等が挿通されるようになっている。
外筒部材16は、その下部において略円筒状に形成された円筒部16Aと、円筒部16Aの下端から上方へと徐々に拡径された略すり鉢状の拡径部16Cとを備えており、拡径部16Cの上端部には、外周側へ延出する環状のフランジ部16Fが形成されている。
ゴム弾性体30は、拡径部16Cの内側に接着されており、その下面中央部に、上方に向かった凹まされた凹部30Aが形成されている。さらに円筒部16Aの下部に至るまでは、薄膜筒状の被覆部32が一体的に形成されている。この被覆部32は、外筒部材16の内周面に接着されて外筒部材16の内周面を覆っている。
被覆部32の内周側には、オリフィス形成部材40が嵌め込まれている。オリフィス形成部材40は環状とされ、外周壁に螺旋状の周溝41が形成されている。この周溝41と後述するダイヤフラム部材64の円筒部70とで制限通路としてのオリフィス42が構成される。本実施形態では、オリフィス形成部材40も樹脂製としている。
オリフィス42の一端は、主開口部42Aで、後述する主液室52と連通され、オリフィス42の他端は副開口部42Bで、後述する副液室54と連通されている。
オリフィス形成部材40には、主液室52と副液室54とを連通する透孔40Hが形成されているが、この透孔40Hには、薄板状のメンブラン46が配置されて閉塞されている。換言すれば、オリフィス形成部材40(メンブラン46を含む)により仕切られた上側の空間(オリフィス形成部材40とゴム弾性体30の凹部30Aとの間の空間)が主液室52、下側の空間(オリフィス形成部材40とダイヤフラム本体66との間の空間)が副液室54となっている。そして、前述のオリフィス42により、主液室52と副液室54とが連通されている。主液室52、及び、副液室54には水、オイル等の液体Lが封入されている。
オリフィス形成部材40の下側には、ダイヤフラム部材64が配置され、さらにその下方からは、押さえ部材84が配置されている。
ダイヤフラム部材64は、中央のダイヤフラム本体66と、このダイヤフラム本体66の周囲から環状に延出された環状部68、環状部68の周囲から円筒状に延出された円筒部70、及び円筒部70の上端から外方へとフランジ状に延出された被挟持部72を有している。さらに、環状部68は、内側部分において上方へと屈曲された小環部68Sと、この小環部68Sの外側で小環部68Sよりも下方に位置する大環部68Lと、で構成されている。
ダイヤフラム本体66は、弾性変形が生じていない状態では上方へ向かって突出した略半球状に形成されており、軸方向に沿って副液室54の容積を変化させるように弾性変形可能とされている。
これに対し、押さえ部材84は樹脂製とされ、ダイヤフラム部材64と一体化されている。そして、押さえ部材84は、ダイヤフラム部材64の環状部68に下方から接触するリング部86と、リング部86の周囲から円筒状に延出された円筒部88、さらに、円筒部88の上端から外方へと延出されたフランジ部84Fと、を有している。リング部86の中央は孔となっており、ダイヤフラム本体66の変形を阻害しないようになっている。
また、リング部86には、オリフィス形成部材40との間で、ダイヤフラム部材64の小環部68Sを上下に挟み込む挟持部86Sと、挟持部86Sよりも外側でダイヤフラム部材64を支持する支持部86Lと、で構成されている。そして、ダイヤフラム部材64は、支持部86Lで支持された部分と、円筒部88の内側に位置する部分とで、オリフィス42の隔壁の一部を構成している。
押さえ部材84の円筒部88の上部内周と、外筒部材16の間には所定の隙間が構成され、この隙間に、ダイヤフラム部材64の円筒部70の上部及び被挟持部72が挟み込まれている。
外筒部材16のフランジ部16Fと、押さえ部材84のフランジ部84Fとは、被挟持部72を挟持した部分の外側では、互いに接合面90により直接的に接触して重ね合わされている。フランジ部16Fとフランジ部84Fとは、外径が一致されており、接触状態では、軸心S方向に沿って見たときにこれらの外周が一致している。換言すれば、外筒部材16と押さえ部材84とが、これらの接合面90において仕切られて分割されていることになる。そして、接合面90においてフランジ部16F、84Aが延出されている。
ブラケット12のブラケット本体14は、軸心Sから見てフランジ部16F、84Fの外側を囲む部分に位置している。ブラケット12は樹脂製とされており、ブラケット本体14は、フランジ部16F、84Fを挟み込みつつ、外筒部材16、押さえ部材84と一体成型されている。すなわち、フランジ部16F、14Aに対応する凹部94がブラケット12に形成されており、フランジ部16F、14Aと凹部94とが主振動が作用する方向(軸心Sの方向と一致する)で係合することで、主振動の方向(矢印M方向)に作用した荷重(主振動による荷重のほか、エンジンの自重に起因する荷重も含む)での外筒部材16、押さえ部材84とブラケット12との相対的な位置ズレを阻止する係合部92が構成されている。
ブラケット12の下端部からは、複数の脚部18が一体的に径方向へ向かって一体的に延出されている。これらの脚部18の先端部には、それぞれ車体連結用の取付穴19がそれぞれ軸方向へ貫通しており、車体102に対しボルト104及びナット106等により防振装置10が取り付けられる。
ブラケット12には、ブラケット本体14から上方へ、バウンドストッパー96が延出されている。バウンドストッパー96は、下方へ向かって開く略逆U字状に形成されており、中央部分が、ゴム弾性体30の上方に位置しており、ブラケット12に対しゴム弾性体30が相対的に上方へ移動したときには、ゴム弾性体30が接触することでその移動が制限されるようになっている。
次に、上記のように構成された本実施形態に係る防振装置10の製造方法及び作用について説明する。
この防振装置10を製造する場合、まず、連結部材20が埋め込まれたゴム弾性体30に外筒部材16を接着等により一体化して、弾性部材28を構成しておく。また、ダイヤフラム部材64と押さえ部材84とも接着等により一体化しておく。そして、弾性部材28とダイヤフラム部材64との間の所定位置にオリフィス形成部材40を位置させ、フランジ部16F、14Aを位置あわせされた状態で接触させ(必要に応じ溶着等により接合してもよい)、防振装置本体22を構成しておく。これにより、本発明における凸部99(図2参照)がフランジ部16F、14Aによって形成される。
次に、図2に示すように、防振装置本体22を、上型110A及び下型110Bで構成された樹脂型110内にインサートし、樹脂を流し込む。このとき、挟持具112を用いて防振装置本体22を上下から押さえつけておく。図2に示した樹脂型110では、上側の挟持具112Aは連結部材20内に挿通される構造である。下側の挟持具112Bは、樹脂型110の下方110Bが兼ねている。なお、挟持具112は、少なくともブラケット12が形成される部分は回避する形状とされている(フランジ部16F、14Aの周囲を含む領域には挟持具は存在していない)。このようにして、バウンドストッパー96を備えたブラケット12を、外筒部材16や押さえ部材84等と共に一体成型し、防振装置10を製造することができる。
このように、本実施形態の防振装置10では、製造時に、取付金具等に部材を挿入してかしめる等の工程が不要であり、取付金具も不要となるので、軽量化を図ることができる。また、かしめ工程を行う必要がないので、低コストで製造できる。
なお、この防振装置10では、外筒部材16をゴム弾性体30と一体成形し、押さえ部材84をダイヤフラム部材64と一体成形している。したがって、このように一体成形することなく別体としたものと比較すると、防振装置の製造時にこれらを一体化する工程が不要となるので、低コストで製造できる。
防振装置10を車体側へ連結する際には、脚部18の取付穴19にそれぞれボルト104を挿入し、その先端部を車体102に設けられたボルト穴へねじ込むことより、防振装置10がブラケット12を介して車体側へ締結固定される。また、連結部材20に、車両のエンジン側の部材が挿通されて連結固定される。
この防振装置10が車体に取り付けられてエンジンの荷重を支持した状態では、エンジン又は車体側からの振動入力時に、吸振主体であるゴム弾性体30が振動により弾性変形すると、この振動がゴム弾性体30によって減衰吸収される。
また防振装置10では、ゴム弾性体30の変形により主液室52の内容積が拡縮し、この主液室52の拡縮に伴って主液室52と副液室54との間で液体Lがオリフィス42を通して相互に流通する。このとき、比較的低い周波数域の振動、例えばシェイク振動等の入力時には、入力振動に共振して液体Lが主液室52と副液室54との間で流入及び流出する液柱共振が生じる。このとき、オリフィス42内の空間に生ずる液体の圧力変化、液体流動の粘性抵抗等により振動エネルギが吸収されるので、防振装置10では、特にシェイク振動等の比較的低い周波数域の振動については主液室52、副液室54間の液柱共振によって効果的に吸収できる。
またダイヤフラム本体66は、主液室52から副液室54内への液体Lの流入時に外側へ膨出するように弾性変形することにより、副液室54内の過度の液圧上昇を抑制する。これにより、副液室54内の液圧上昇により主液室52内から副液室54内への液体Lの流入が抑制されることが防止される。
一方、エンジンから比較的高い周波数域の振動、例えばアイドル振動等が入力する時には、オリフィス42に目詰まりが発生して液柱共振により振動を吸収できなくなる。この時には、主液室52内の液体Lへ伝達される高い周波数域の振動によりメンブラン46が主液室52内の容積を拡縮するように弾性変形する。これにより、主液室52内の液圧上昇が抑制されることから、エンジンから比較的高い周波数域の振動が入力した時でも、主液室52内の液体Lの液圧上昇に伴う動ばね定数の上昇を抑制できるので、高い周波数域の振動も効果的に吸収できる。
なお、防振装置10への振動入力が大きい場合には、ゴム弾性体30がブラケット12に対し大きく上方へ相対移動することがある。この場合には、ゴム弾性体30の上端がバウンドストッパー96に当たることで移動が制限される。
本実施形態の防振装置10では、フランジ部16F、14Aと凹部94とが係合しており、係合部92を構成している。したがって、たとえばエンジンの自重や、上記したアイドル振動、シェイク振動等によるか荷重が作用した場合でも、防振装置本体22とブラケット12との上下方向(荷重が作用する方向)の相対的な位置ズレを抑制できる。
なお、このように防振装置本体22とブラケット12との荷重作用方向での相対的な位置ズレを抑制する観点からは、要するに防振装置本体22とブラケット12とが荷重作用方向に係合し合っていればよい。たとえば、外筒部材16及び押さえ部材84に凹部を、ブラケット12に凸部を形成し、この凹部と凸部とが係合する構造でもよい。
また、上記では、液体Lが封入された防振装置本体22を用いた防振装置10をに挙げたが、液体Lが封入されていない防振装置(すなわち主液室52、副液室54、オリフィス42等を有しない防振装置)に本発明を適用することも可能である。この場合、弾性部材(又は弾性体)とブラケットとに互いに係合する係合部を設けると共に、これらを一体成形すればよい。実際の製造工程では、凸部又は凹部があらかじめ形成された弾性体を樹脂型内にインサートし、凸部又は凹部が形成された領域を取り囲むように樹脂を流し込むことで、ブラケットを弾性体と一体成型することができる。
上記実施形態のように、オリフィス42をそなえた防振装置では、オリフィスを形成する部材が、いわゆるアンダーカットとなり、成形が困難になることも多い。本実施形態では、オリフィス42の隔壁の一部を、外筒部材16及びダイヤフラム部材64により構成している。このように、2つの部材でオリフィス42の隔壁の一部を構成することで、いわゆるアンダーカットの部分を解消し、成形が容易な構造とすることができる。
また、本実施形態の防振装置10では、バウンドストッパー96を有する構造としているが、バウンドストッパー96もブラケット12と一体成形されている。したがって、バウンドストッパーを別体で成形し、後工程で一体化したものと比較して、製造工程が少なくなり、低コストで製造できる。
10 防振装置
12 ブラケット(第1取付部材)
14 ブラケット本体
16 外筒部材(第1中間部材)
16F フランジ部
20 連結部材(第2取付部材)
22 防振装置本体
28 弾性部材
30 ゴム弾性体
40 オリフィス形成部材(仕切り部材)
42 オリフィス(制限通路)
46 メンブラン
52 主液室
54 副液室
64 ダイヤフラム部材
66 ダイヤフラム本体
72 被挟持部
84 押さえ部材(第2中間部材)
84F フランジ部
92 係合部
96 バウンドストッパー(移動制限部材)
S 軸心

Claims (4)

  1. 樹脂によって形成され振動発生部及び振動受け部の一方に連結される第1取付部材と、
    振動発生部及び振動受け部の他方に連結される第2取付部材と、
    弾性体を備え、前記第1取付部材と係合部で係合されて一体成型されると共に前記第1取付部材と前記第2取付部材との間で第1取付部材と第2取付部材とに連結された弾性部材と、
    液体が封入されると共に前記弾性体の弾性変形に伴って内容積が変化する主液室を前記弾性体との間に構成する仕切り部材と、
    液体が封入されると共に液圧変化に応じて内容積が変化する副液室を前記仕切り部材との間に構成するダイヤフラム部材と、
    前記主液室と前記副液室との間での液体の移動を可能とする制限通路と、
    前記弾性部材を構成し前記第1取付部材への取付用とされる第1中間部材と、
    前記第1中間部材との間で前記ダイヤフラム部材を挟み込むと共に前記第1取付部材への取付用とされる第2中間部材と、
    前記第1中間部材と前記第2中間部材とのダイヤフラム挟み込み部分の双方から外側に向かって延出されたフランジ部と、
    を有し、
    前記第1中間部材の前記フランジ部と前記第2中間部材の前記フランジ部とが重ね合わせられた状態で、前記第1取付部材がフランジ部を挟み込んで前記係合部を構成すると共に第1中間部材及び第2中間部材と一体成型され、前記係合部が、前記第1取付部材と前記弾性部材との相対移動を阻止している防振装置。
  2. 前記第1中間部材が前記弾性体と一体化され、
    前記第2中間部材が前記ダイヤフラム部材と一体化されている請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記制限通路の一部が、前記第1中間部材と前記ダイヤフラム部材の一部で構成されている請求項1又は請求項2に記載の防振装置。
  4. 前記第1取付部材に備えられ、前記弾性部材から見て前記ダイヤフラム部材の反対側に位置して弾性部材の移動範囲を制限する移動制限部材、を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の防振装置。
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