JP2007278399A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】隔壁部への応力の集中を防いで、この部分の歪みが大きくなり過ぎないようにすることにより耐久性を向上した防振装置を得る。
【解決手段】外筒金具16の内周面に中間筒20が嵌合され、中間筒20の下部リング状部材21Aと取付金具18の下部金具19Aとの間に第1弾性体23Aが配置され、中間筒20の上部リング状部材21Bと取付金具18の上部金具19Bとの間に第2弾性体23Bが配置される。第1弾性体23Aと第2弾性体23Bとの間の部分に第1空洞部及び第2空洞部が形成され、第2弾性体23Bにこれら空洞部を仕切る隔壁部22Dが形成される。隔壁部22Dに弾性凹部22Eが形成され、第1弾性体23Aの対向部分に弾性凸部22Fが形成される。弾性凹部22Eと弾性凸部22Fとを嵌合して、隔壁部22Dの下端部で第1弾性体23Aと第2弾性体23Bとが接合される。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジン等の振動発生部からの振動を吸収して車体等の振動受部への振動伝達を防止する防振装置に関し、例えば一般産業機械或いは、自動車におけるエンジンマウント等として用いられる液体封入式の防振装置に適用可能なものである。
例えば、車両の振動発生部となるエンジンと振動受部となる車体との間にはエンジンマウントとしての防振装置が配設されており、この防振装置はエンジンが発生する振動を吸収し、車体側への振動の伝達を抑制している。このような防振装置としては、弾性体、受圧液室及び副液室等が内部に設けられると共に、これら受圧液室と副液室との間が制限通路とされるオリフィスを介して互いに連通した液体封入式のものが知られている。
このような液体封入式の防振装置によれば、搭載されたエンジンが作動して振動が発生した場合には、弾性体の制振機能及び、受圧液室と副液室との間を連通するオリフィス内で流通する液体の粘性抵抗等によって振動を吸収することにより、車体側への振動の伝達を抑制している。
そして、このような防振装置の従来技術として下記の特許文献に示されるような構造が考えられ、これらの特許文献の内の例えば特許文献1の図1に示す防振装置に基づき、以下に従来技術を説明する。つまり、この防振装置では、中間筒3の内側にゴム材等による弾性体4が接着されて配置されていて、防振装置の軸方向である上下方向の振動を減衰する為の受圧液室である上液室A及びこの上液室Aに連通する副液室である下液室Bを有している。
さらにこれら液室だけでなく、複数の周液室が存在していて、上下方向と交差する前後方向或いは左右方向の振動をこれら複数の周液室で減衰するような構造にされている。そして、一体的に形成された弾性体4の隔壁部で、これら周液室を仕切る構造ともされている。
特開2004−68938号公報 特開2002−327788号公報
しかし、上記のような構造の従来の防振装置では、一体的に形成されている弾性体4の隔壁部と中間筒3との間が接着された構造となっている為、軸方向に沿って大振幅の振動が入力されて弾性体3が大きく変形した時に、このゴム製の隔壁部に応力が集中するのに伴い、歪みが大きくなり過ぎてこの部分が疲労し易く、防振装置の耐久性が低い欠点を有していた。また、防振装置がエンジンの分担加重を受ける場合、中間筒3と弾性体4の隔壁部との間の加硫接着面に応力が集中し、この部分に大きな歪みが生じ易くなるため、加硫接着面及びその近傍の隔壁部の耐久性を得難い欠点が指摘されている。
本発明は上記事実を考慮し、隔壁部への応力の集中を防いで、この部分の歪みが大きくなり過ぎないようにすることにより耐久性を向上した防振装置を提供することが目的である。
請求項1に係る防振装置は、振動発生部及び振動受部の一方に連結され且つ、筒状に形成された第1取付部材と、
振動発生部及び振動受部の他方に連結され且つ、第1取付部材の内周側に配置された第2取付部材と、
第1取付部材の内周面に嵌合される中間筒と、
中間筒と第2取付部材との間に配置されて中間筒と第2取付部材とを弾性変形可能に連結する第1弾性体と、
中間筒の内周側に配設されると共に、内壁の少なくとも一部が第1弾性体により形成されて液体が充填される第1受圧液室と、
第1受圧液室と連通され且つ、隔壁の一部が変形可能に形成されて液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされる副液室と、
第1弾性体と並ぶ形で中間筒と第2取付部材との間に配置されて中間筒と第2取付部材とを弾性変形可能に連結する第2弾性体と、
第1弾性体と第2弾性体との間の第2取付部材を挟んだ部分に形成され且つ、液体がそれぞれ充填される一対の第2受圧液室と、
第1弾性体或いは第2弾性体の何れかの部分に設けられて一対の第2受圧液室間を区画する隔壁部と、
を有することを特徴とする。
請求項1に係る防振装置の作用を以下に説明する。
本請求項では、第1取付部材及び第2取付部材の何れか一方に振動発生部側から振動が防振装置に入力されると、この入力振動により第1取付部材の内周面に嵌合される中間筒と第2取付部材との間に、相互に並ぶ形でそれぞれ配置された第1弾性体及び第2弾性体が弾性変形し、これら弾性体の内部摩擦等に基づく減衰作用によって振動が吸収され、振動受け部側へ伝達される振動が低減される。このとき、入力振動が防振装置の軸方向と略一致する主振幅方向の振動であっても、この主振幅方向と略直交する副振幅方向の振動であっても、これら弾性体の減衰作用により、その一部が吸収される。
また、第1取付部材の内周面に嵌合された中間筒の更に内周側に、内壁の少なくとも一部が第1弾性体によって形成されて液体を充填している第1受圧液室が配設され、この第1受圧液室が、隔壁の一部を変形可能に形成した副液室に連通されている。このことにより、第1取付部材又は第2取付部材に振動発生部側から主振幅方向に沿った振動が入力された場合、第1弾性体がこの主振幅方向に沿って弾性変形すると共に第1受圧液室の内容積を拡縮させる。
この為、液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされる副液室と第1受圧液室とを液体が相互に流通することになるのに合わせて、入力振動に同期してこの液体に共振現象が生じるので、この液体の共振現象に伴う圧力変化及び粘性抵抗によって、主振幅方向に沿った入力振動を効果的に吸収できる。
さらに、第1取付部材又は第2取付部材に振動発生部側から副振幅方向に沿った振動が入力した場合、第2弾性体が副振幅方向に沿って弾性変形するのに伴い、第1弾性体と第2弾性体との間の第2取付部材を挟んだ部分に形成されて液体がそれぞれ充填される一対の第2受圧液室の内容積が交互に拡縮する。この結果、一対の第2受圧液室の相互間或いは副液室との間で液体が相互に流通して、液体の共振現象に伴う圧力変化及び粘性抵抗によって、副振幅方向に沿った入力振動も吸収できる。
他方、本請求項では、一対の第2受圧液室間を区画する隔壁部が、第1弾性体或いは第2弾性体の何れかの部分に設けられていて、一対の第2受圧液室を仕切るための隔壁部が何れかの弾性体とは一体にされていない構造とされる。この結果、隔壁部が大変形するような振動が振動発生部側から防振装置に入力された場合でも、この隔壁部が第1弾性体或いは第2弾性体の何れか一方の弾性体の部分に設けられて他方の弾性体の部分とは分離されていることから、隔壁部が比較的自由に変形して応力を緩和し、隔壁部に疲労が生じないようになるのに伴い、防振装置の耐久性が向上する。
請求項2に係る防振装置の作用を以下に説明する。
本請求項に係る防振装置は請求項1と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、一対の第2受圧液室がそれぞれ副液室に連通されるという構成を有している。つまり、一対の第2受圧液室と副液室との間がそれぞれ連通されることで、入力振動に同期してこれら一対の第2受圧液室と副液室との間を相互に流通する液体に共振現象が生じるようになり、この液体の共振現象に伴う圧力変化及び粘性抵抗によって、副振幅方向に沿った入力振動も効果的に吸収できる。
請求項3に係る防振装置の作用を以下に説明する。
本請求項に係る防振装置は請求項1と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、隔壁部の周辺部分で第1弾性体と第2弾性体とが嵌合してこれら弾性体が接合されるという構成を有している。つまり、隔壁部が一方の弾性体の部分に設けられて他方の弾性体の部分と分離されているものの、第1弾性体と第2弾性体とが隔壁部の周辺部分で圧入されつつ嵌合してこれら弾性体が接合されていることから、接合部分における一対の第2受圧液室内からの液体の漏れ出しが確実に防がれるようになる。
請求項4に係る防振装置の作用を以下に説明する。
本請求項に係る防振装置は請求項1と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、第2弾性体側に隔壁部が設けられていて、隔壁部の第1弾性体との対向部分で第1弾性体と第2弾性体とが接合されるという構成を有している。
つまり、変形の比較的少ない側の弾性体である第2弾性体に隔壁部が設けられ、この隔壁部の第1弾性体との対向部分で第1弾性体と第2弾性体とが接合されていることから、第1弾性体と第2弾性体とがより確実に接合されることになり、防振装置に大変形が加わった場合でも、接合部分における一対の第2受圧液室内からの液体の漏れ出しが確実に防がれるようになる。
請求項5に係る防振装置の作用を以下に説明する。
本請求項に係る防振装置は請求項1と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、第1弾性体及び第2弾性体が相互に材質の異なるゴム材によりそれぞれ形成されるという構成を有している。つまり、第1弾性体及び第2弾性体を構成するゴム材の材質が相互に異なることにより、耐オゾン性ゴムや自己潤滑ゴム等のより最適な材質のゴム材を第1弾性体及び第2弾性体にそれぞれ適用可能となる。
請求項6に係る防振装置の作用を以下に説明する。
本請求項に係る防振装置は請求項1と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、第1受圧液室が第2取付部材の端部と対向して配置されると共に、一対の第2受圧液室が第2取付部材を挟んで対称の位置に配置されるという構成を有している。つまり、防振装置内の狭い空間内への第1受圧液室及び一対の第2受圧液室の最適な配置と考えられる上記の構成を採用することにより、小型化を図りつつ防振装置の耐久性を向上することが可能となった。
請求項7に係る防振装置の作用を以下に説明する。
本請求項に係る防振装置は請求項1と同一の作用を奏する。但し、本請求項では、中間筒が一対の部材により構成され、隔壁部の端部が中間筒より外周側に突出するようにこれら一対の部材間に形成されるという構成を有している。つまり、中間筒より外周側に突出している隔壁部の端部が、第1取付部材或いは第1取付部材との間に介在される部材に当接してシールすることで、一対の第2受圧液室内の液体の漏れ出しが確実に防がれるようになる。
請求項8に係る防振装置の作用を以下に説明する。
本請求項に係る防振装置は請求項1から請求項7までと同様の作用を奏する。但し、本請求項では、請求項1から請求項7までの作用に加え、何れかの弾性体に設けられた隔壁部の部分と第1取付部材との間を非接着状態で圧接させる構成とした。このことで、前述の加硫接着面及びその近傍への応力集中や歪みが、第1取付部材である例えば外筒との間を非接着状態で圧着した前記弾性体の隔壁部の変位や変形によって吸収できるので、エンジンの分担加重を受ける場合においても、耐久性が向上する。
以上説明したように本発明の上記構成によれば、隔壁部への応力の集中を防いで、この部分の歪みが大きくなり過ぎないようにすることにより耐久性を向上した防振装置を提供できるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施の形態に係る防振装置を図1から図8に示し、これらの図に基づき本実施の形態を説明する。
図1から図4に示すような本実施の形態に係る防振装置10は、例えば自動車におけるエンジンマウントとして用いられるものであり、振動受部である車体と振動発生部となるエンジンとの間に配置されてエンジンを支持する形になる。なお、図中、符号Sは装置の軸心を示しており、この軸心Sに沿った方向を防振装置10の軸方向、軸心Sに直交する方向を防振装置10の径方向として以下の説明を行う。
図1に示されるように、防振装置10は、この防振装置10を車体側へ連結固定するためのブラケット12を備えている。このブラケット12には、円筒状のホルダ部12A及び、このホルダ部12Aの下端部から径方向へ延出する一対の脚部12Bが設けられている。これら一対の脚部12Bの先端部には、それぞれ車体連結用の取付穴14がそれぞれ設けられている。
ブラケット12のホルダ部12A内には、軸方向両端部をそれぞれ開口した薄肉円筒状の第1取付部材である外筒金具16が嵌合して配置されており、この外筒金具16の内周側には、円柱状に形成された第2取付部材である取付金具18が外筒金具16と同軸的に配置されている。
但し、この取付金具18は、下側に位置する軸状の下部金具19Aとこの下部金具19Aの上側に位置する軸状の上部金具19Bとで構成されている。これに伴い、下部金具19Aの上端部に形成された凸部18Bと上部金具19Bの下端部に形成された凹部18Cとが強固に嵌合されてこれら相互に同一の外径を有した金具19A,19Bが一体となって取付金具18が構成される。
この際、ホルダ部12A全体又は上端部付近が内周側へかしめられることにより、ブラケット12内における所定位置に外筒金具16が十分な強度で固定されている。そして、この外筒金具16の下端部には、内周側に屈曲される段差部16Aが形成されると共に、この段差部16Aを介して上部側よりも小径の円筒状とされた小径部16Bが設けられている。
ここで、防振装置10を車体側へ連結する際には、一対の脚部12Bの取付穴14にそれぞれボルト(図示省略)を挿入し、その先端部を車体側にねじ込むことにより、防振装置10がブラケット12を介して車体側へ締結固定される。また、取付金具18の上部金具19Bには、その上面部分に軸心Sに沿って上方へ突出するボルト軸18Aが立設されており、このボルト軸18Aを介して取付金具18が車両のエンジン側に連結固定される。
さらに、外筒金具16の内周面には、金属材によりそれぞれリング状に形成された一対のリング状部材21A,21Bにより構成される中間筒20が配置されている。これら一対のリング状部材21A,21Bの内の図1及び図2における上側に位置している上部リング状部材21Bは、同じく下側に位置している下部リング状部材21Aより大径であって外筒金具16の内径に対応するような外径を有している。これに伴い、上部リング状部材21Bの外周面が外筒金具16の内周面の上端部にかしめられつつ、これらが嵌合されている。
図1及び図2における下側に位置する下部リング状部材21Aと取付金具18の下部金具19Aとの間には、ゴム製で全体として厚肉の円板状に形成される第1弾性体23Aが配置されており、また、図1及び図2における上側に位置する上部リング状部材21Bと取付金具18の上部金具19Bとの間には、ゴム製で全体として厚肉の円板状に形成される第2弾性体23Bが配置されている。
そして、これら一対の弾性体23A,23Bの外周面は、一対のリング状部材21A,21Bの内周面にそれぞれ加硫接着して連結されており、これら一対の弾性体23A,23Bの内周面が金具19A,19Bの外周面にそれぞれ加硫接着して連結されている。これにより、取付金具18と中間筒20との間が、第1弾性体23A及び第2弾性体23Bにより構成されるゴム弾性体22によって、それぞれ弾性的に連結されることになる。さらに、このゴム弾性体22の内の第1弾性体23Aの下面中央部には、軸直角方向に沿った断面を円形とする形に窪んだ凹部22Aが設けられている。
一方、図1及び図2に示されるように、厚肉の円板状に金属材により形成された仕切部材24の外周部分が外筒金具16の段差部16Aに当接するように、この仕切部材24が外筒金具16内に嵌挿されている。また、第1弾性体23Aの下面における凹部22Aの周縁部が、この仕切部材24の外周部分に圧接されている。
これにより、仕切部材24は、凹部22Aの下面側を閉止して凹部22A内に外部から区画された空間を形成している。この空間はエチレングリコール、シリコンオイル等の液体が充填された第1受圧液室30とされる。つまり、中間筒20の内周側に配設されることになるこの第1受圧液室30の内壁の少なくとも一部が、ゴム弾性体22の内の第1弾性体23Aにより形成された構造になっている。
さらに、中間筒20の下部リング状部材21Aの内周側に加硫接着されたゴム弾性体22の第1弾性体23Aと、同じく上部リング状部材21Bの内周側に加硫接着された第2弾性体23Bとの間の部分であって、図1における取付金具18を挟んだ左側及び右側の部分には、それぞれ外周面から内周側へ向って凹状とされた第1空洞部22B及び第2空洞部22Cが形成されている。
つまり、これらの空洞部22B,22Cの軸方向に沿った断面形状は凹状とされており、図3に示される空洞部22B,22Cの径方向に沿った断面形状が半円状に形成されている。これら第1空洞部22Bと第2空洞部22Cとの間の部分には、第2弾性体23Bの内周側から外周側へ向って一定幅を有してこれら空洞部22B,22Cを仕切る隔壁部22Dが、第2弾性体23Bから突出するように形成されている。
他方、第1弾性体23Aとの対向部分とされるこの隔壁部22Dの下端部には、図5から図7に示されるように、下側に突出すると共に径方向に沿って長く延びる弾性凹部22Eが形成されており、これに対応して第1弾性体23Aの上面の内の弾性凹部22Eとの対向部分には、図5及び図8に示されるように、上側に突出すると共に同じく径方向に沿って長く延びる弾性凸部22Fが形成されている。この為、これら弾性凹部22Eと弾性凸部22Fとが圧入されつつ嵌合することにより、隔壁部22Dの下端部で第1弾性体23Aと第2弾性体23Bとが接合されている。
また、第1空洞部22B及び第2空洞部22Cのそれぞれ外周側は、外筒金具16の内周面により閉塞されており、これに伴って、第1空洞部22B及び第2空洞部22C内には外部から区画された空間がそれぞれ形成されることになる。取付金具18や隔壁部22Dを挟んだゴム弾性体22の部分に形成されたこれら第1空洞部22B及び第2空洞部22C内の空間は、エチレングリコール、シリコンオイル等の液体が充填された一対の第2受圧液室32,34とされる。つまり、図1及び図3に示されるように、左側第2受圧液室32が第1空洞部22Bに対応し、右側第2受圧液室34が第2空洞部22Cに対応している。
そして、図2に示されるように、中間筒20を構成する一対のリング状部材21A,21B間から、第2弾性体23Bの隔壁部22Dの両端部23が、中間筒20より外周側である外筒金具16側に突出する形になっている。これに伴い、一対の第2受圧液室32,34間をこの隔壁部22Dが区画している。さらに、中間筒20を構成する一対のリング状部材21A,21B間から突出した隔壁部22Dの両端部23が、外筒金具16の内周面に強く当たって、外筒金具16の内周面と同一の面になっている。
一方、外筒金具16の下部寄りの小径部16Bの内周面には、薄膜状に形成されたゴム製のダイヤフラム48が外筒金具16の下端部を閉止するように、加硫接着されている。これに伴い、外筒金具16内の下部側にはダイヤフラム48及び仕切部材24により外部から区画された空間が形成され、この空間はエチレングリコール、シリコンオイル等の液体が充填された副液室36とされている。そして、副液室36内に充填された液体の圧力変化に応じて副液室36の内容積を拡縮するように、隔壁の一部とされるダイヤフラム48が軸方向に沿って弾性変形可能になっている。
さらに、図4に示されるように、仕切部材24の上面部分には、軸心Sを中心とする周方向に沿って環状の溝部54が一周近くに亘って形成されている。この溝部54の一端部には、仕切部材24の下面まで貫通する連通穴56が穿設されている。また、図1に示されるように、仕切部材24における溝部54の内周側部分には、円形の凹部58が形成されており、この凹部58の底板部には、仕切部材24の下面まで貫通する複数の開口部60が形成されている。
この仕切部材24には、凹部58の上面部分を塞ぐ形で円板状の閉止板62が接着やねじ止め、かしめ等により固着されている。この閉止板62における溝部54の他端部に対向する部位には、連通穴64が穿設されており、凹部58に面する閉止板62の部位には、複数の開口部65が穿設されている。
ここで、仕切部材24における連通穴56及び溝部54と閉止板62の連通穴64は、第1受圧液室30と副液室36とを連通させる制限通路である第1オリフィス38を形成している。この第1オリフィス38を介して、第1受圧液室30と副液室36とは互いに連通され、第1受圧液室30と副液室36との間を液体が相互に流通可能となっている。
また、閉止板62により上面側が閉止された仕切部材24の凹部58は、メンブランであるゴム製の可動板68を収納する収納室70として構成されている。この可動板68は肉厚がほぼ一定の円板状に形成されているものの、可動板68の外周部分にはリング状に上下に突出する外周ガイド部68Aが形成されており、可動板68の中央部分には上下に突出する中央ガイド部68Bが形成されている。
そして、これら外周ガイド部68A及び中央ガイド部68Bの高さが収納室70の軸方向に沿った高さよりも若干高く設定されており、閉止板62の取付時に前記両ガイド部68A、68Bに予圧縮がかかる構成となっている。また、可動板68の外径が収納室70の内径とほぼ同一とされている。
以上より、可動板68は、外周ガイド部68A及び中央ガイド部68Bを除く部分の肉厚と収納室70の高さとの差の範囲で、軸方向に沿って移動(振動)可能となる。但し、可動板68の中央部分に中央ガイド部68Bが存在していることで、この中央部分の大きな振動が抑えられる結果、急激な液圧変動による可動板68の大変形を抑えることが可能となり、凹部58の底板部や閉止板62と可動板68との接触に起因する異音や打音を抑えることが出来る。
ここで、車両におけるエンジンを振動源として発生する上下方向の振動(主振動)としては、比較的低い周波数(例えば、8〜15Hz)を有するシェイク振動が知られているが、このシェイク振動を更に細かく分類すると、一般的に、シェイク振動は、10Hz未満の周波数を有するエンジンバウンス振動(以下、単に「バウンス振動」)と、10Hz〜15Hzの周波数を有するピッチング振動とに分類できる。本実施の形態に係る防振装置10では、第1受圧液室30と副液室36とを連通する第1オリフィス38の路長及び断面積がバウンス振動の周波数(10Hz未満)に対応するように設定(チューニング)されている。
図1から図3に示されるように、円板状の仕切部材24には、外径を外筒金具16の内径に対応する寸法とされつつ、仕切部材24の外周部分から上側にリング状に延出するリング部24Aが、形成されている。
つまり、外筒金具16の内周面に嵌挿されたリング部24Aは、その外周面を外筒金具16の内周面へ圧接させている。また、リング部24Aの内径は中間筒20の下部リング状部材21Aに対応する外径を有しており、リング部24Aの内周面がこの下部リング状部材21Aの外周面に当接されている。
そして、図1及び図2に示されるように、この下部リング状部材21Aの下端部が仕切部材24の上面部に当接されると共に、この下部リング状部材21Aの上端部が仕切部材24から上側に延出するリング部24Aの上端部にかしめられて、下部リング状部材21Aが仕切部材24に固定されている。
他方、図1に示されるように、リング部24Aの外周面の取付金具18を挟んで対称の位置には、上下方向にそれぞれ延在する外周溝80及び外周溝81が形成されており、これら外周溝80及び外周溝81は、仕切部材24の本体部分となる円板状の部分にそれぞれ繋がっている。
さらに、外周溝80の一端部からリング部24Aの上端部を貫通する上側連通口82がリング部24Aに形成されており、この外周溝80の他端部は、図4に示されるように仕切部材24の本体部分に約半周に亘って周回する形で形成された溝部84の一端に繋がっている。この溝部84の他端には、下方の副液室36に向かって貫通する下側連通口86が形成されている。
また、外周溝81の一端部からリング部24Aの上端部を貫通する上側連通口83がリング部24Aに形成されており、この外周溝81の他端部は、図4に示されるように切部材24の本体部分に約半周に亘って周回する形で形成された溝部85の一端に繋がっている。この溝部85の他端には、下方の副液室36に向かって貫通する下側連通口87が形成されている。
ここで、リング部24Aの外周溝80,81は、その外周側が外筒金具16の内周面により閉塞される。この外周側が閉塞された外周溝80及び溝部84は、副液室36と左側第2受圧液室32とを互いに連通させる第2オリフィス40を構成し、同じく外周溝81及び溝部85は、副液室36と右側第2受圧液室34とを互いに連通させる第2オリフィス42を構成する。つまり、これら一対の第2オリフィス40,42は、一対の第2受圧液室32,34と副液室36との間で液体を相互に流通可能としている。
本実施の形態に係る防振装置10では、一対の第2受圧液室32,34と副液室36との間をそれぞれ連通する一対の第2オリフィス40,42の路長及び断面積が、主振幅方向に沿った振動に対してはピッチング振動の周波数(10Hz〜15Hz)に対応するように設定(チューニング)されると共に、副振幅方向に沿った振動に対しては5Hz〜20Hzの周波数範囲から選択された特定の周波数に対応するように設定(チューニング)されている。
また、本実施の形態では、取付金具18を介してゴム弾性体22に振動が入力されるのに伴い、左側第2受圧液室32及び右側第2受圧液室34が配列された図1の左右方向(第2の容積拡縮方向)に向かってゴム弾性体22が弾性変形すると、左側第2受圧液室32及び右側第2受圧液室34の内容積がそれぞれ拡縮する。
ここで、ゴム弾性体22は、第2の容積拡縮方向に沿って左側第2受圧液室32側へ向う入力荷重と右側第2受圧液室34側へ向う入力荷重に対する剛性が略等しくなるように、左側第2受圧液室32及び右側第2受圧液室34の容積等が調整されている。なお、本実施の形態の防振装置10は、車両に装着された状態で、前記第2の容積拡縮方向が後述する副振幅方向と実質的に一致するように取付方向が調整される。
本実施の形態の防振装置10の組み立てに際しては、まず取付金具18の下部金具19Aと中間筒20の下部リング状部材21Aとの間に、図8に示されるようにゴム材により形成される第1弾性体23Aを加硫接着する。これに合わせて、同じく上部金具19Bと上部リング状部材21Bとの間に、図6及び図7に示されるようにゴム材により形成される第2弾性体23Bを加硫接着する。
さらに、下部金具19Aの凸部18Bと上部金具19Bの凹部18Cとを嵌合して、これら金具19A,19Bを一体とすることにより取付金具18を形成し、これに伴い、隔壁部22Dの下端部の弾性凹部22Eと第1弾性体23Aの弾性凸部22Fとを圧入しつつ嵌合してこれら第1弾性体23Aと第2弾性体23Bとを接合することにより、ゴム弾性体22とする。
次に、仕切部材24に下部金具19Aを取り付けて必要箇所をかしめてから、取付金具18、上記の一対のリング状部材21A,21Bからなる中間筒20、ゴム弾性体22及び仕切部材24を、外筒金具16内における所定位置に嵌挿する。そして、この嵌挿された状態で、外筒金具16全体を内周側へかしめることにより、中間筒20及び仕切部材24を外筒金具16に対して固定する。この後、この外筒金具16は、前述したようにブラケット12のホルダ部12A内へ嵌挿され、さらにかしめ固定される。
次に、上記のように構成された本実施の形態に係る防振装置10の作用を説明する。
本実施の形態では、取付金具18に連結されたエンジンが作動すると、エンジンからの振動が取付金具18を介して、外筒金具16の内周面に嵌合される中間筒20と取付金具18との間に、相互に並ぶ形でそれぞれ配置された第1弾性体23A及び第2弾性体23Bに伝達される。この際、ゴム弾性体22を構成するこれら第1弾性体23A及び第2弾性体23Bは吸振主体として作用し、これら第1弾性体23A及び第2弾性体23Bが弾性変形して、これら第1弾性体23A及び第2弾性体23Bの内部摩擦等に基づく減衰作用によって振動が吸収され、車体側へ伝達される振動が低減される。
このとき、エンジンから防振装置10に入力する主要な振動としては、エンジン内のピストンがシリンダ内で往復移動することにより発生する振動(主振動)と、エンジン内のクランクシャフトの回転速度が変化することにより生じる振動(副振動)とが、挙げられる。エンジンが直列型の場合、主振動は、その振幅方向(主振幅方向)が車両の上下方向と略一致するものとなり、副振動は、その振幅方向(副振幅方向)が主振動の振幅方向とは直交する車両の前後方向(エンジンが横置きの場合)又は左右方向(エンジンが縦置きの場合)と略一致するものになる。
そして、上記のゴム弾性体22は、入力振動が防振装置10の軸方向と略一致する主振幅方向に沿った主振動であっても、この主振幅方向と略直交する副振幅方向に沿った副振動であっても、その内部摩擦等による減衰作用により、振動の一部を吸収する。
また、中間筒20の内周側であって取付金具18の下端部と対向した位置に配設されて内壁の少なくとも一部が第1弾性体23Aによって形成された第1受圧液室30が、隔壁の一部を変形可能に形成した副液室36に第1オリフィス38を介して連通されている。このことにより、取付金具18にエンジン側から主振幅方向に沿った振動が入力された場合、ゴム弾性体22の内の第1弾性体23Aが主にこの主振幅方向に沿って弾性変形すると共に第1受圧液室30の内容積を拡縮させる。この為、液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされる副液室36とこの第1受圧液室30との間を第1オリフィス38を介して液体が相互に流通する。
このとき、第1オリフィス38における路長及び断面積がバウンス振動の周波数に対応するように設定されていることから、入力する主振動がバウンス振動である場合には、第1オリフィス38を介して第1受圧液室30と副液室36との間を、入力振動に同期して相互に流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じるので、この液柱共振に伴う液体の圧力変化及び粘性抵抗によって主振幅方向に沿って入力するバウンス振動を特に効果的に吸収できる。
また、入力する主振動の周波数がシェイク振動の周波数よりも高く、その振幅が小さい場合、例えば、入力振動がアイドル振動(例えば、20〜30Hz)で、その振幅が0.1mm〜0.2mm程度の場合には、シェイク振動に対応するようにチューニングされた第1オリフィス38が目詰まり状態となり、第1オリフィス38には液体が流れ難くなる。
しかし、可動板68が収納室70内で入力振動に同期して軸方向に沿って振動することにより、収納室70の内壁面と可動板68との隙間及び開口部60,65を通って第1受圧液室30と副液室36との間で液体が流通することになる。この結果、第1受圧液室30内の液圧上昇に伴う動ばね定数の上昇を抑えることができ、このような高周波振動の入力時もゴム弾性体22の動ばね定数を低く維持し、このゴム弾性体22の弾性変形等により高周波振動も効果的に吸収できる。
一方、取付金具18にエンジン側から副振幅方向に沿った振動が入力した場合、ゴム弾性体22を構成する第2弾性体23Bが副振幅方向に沿って弾性変形するのに伴い、同じくゴム弾性体22を構成する第1弾性体23Aと第2弾性体23Bとの間の取付金具18を挟んだ対称の位置となる部分に形成される一対の第2受圧液室32,34の内容積が交互に拡縮する。この結果、一対の第2オリフィス40,42を介して、一対の第2受圧液室32,34と副液室36との間がそれぞれ連通されていることで、入力振動に同期してこれら一対の第2受圧液室32,34と副液室36との間を液体が交互に流通する。
ここで、一対の第2オリフィス40,42における路長及び断面積が、副振幅方向に沿った振動に対しては5Hz〜20Hzから選択された特定の周波数に対応するように設定されている。この為、入力する副振動が特定の周波数を有する場合には、一対の第2オリフィス40,42を介して第2受圧液室32,34と副液室36との間を相互に流通する液体に共振現象が生じるので、この液体の共振現象に伴う圧力変化、粘性抵抗等によって副振幅方向に沿って入力する特定周波数の振動を特に効果的に吸収できる。
他方、本実施の形態では、図2及び図3に示されるように、一対の第2受圧液室32,34間を区画する隔壁部22Dが、第2弾性体23Bの部分に設けられていて、一対の第2受圧液室32,34を仕切るための隔壁部22Dが第1弾性体23Aとは一体にされていない構造になっている。そして、図7に示されるように、一対のリング状部材21A,21Bにより構成される中間筒20より外周側とされる外筒金具16側に向かって、この隔壁部22Dの両端部23が突出するように、これら一対のリング状部材21A,21B間に隔壁部22Dが形成されている。
この結果、ゴム弾性体22の隔壁部22Dが大変形するような振動がエンジン側から防振装置10に入力された場合でも、この隔壁部22Dが第2弾性体23Bの部分に設けられて第1弾性体23Aの部分と分離されていることから、隔壁部22Dが比較的自由に変形して応力を緩和し、隔壁部22Dに疲労が生じないようになるのに伴い、防振装置10の耐久性が向上する。
また、ゴム弾性体22の隔壁部22Dにおける両端部23が、中間筒20より外周側の外筒金具16側に突出し、外筒金具16に当接してシールすることで、一対の第2受圧液室32,34内の液体の漏れ出しが確実に防がれる。
つまり、ゴム弾性体22の隔壁部22Dの両端部23が中間筒20を構成する一対のリング状部材21A,21B間から突出させるのに合わせて、隔壁部22Dの中間筒20に対する接着を無くすことができ、これに伴って、一対の第2受圧液室32,34内の液体の漏れ出しを確実に防ぎつつ、隔壁部22Dが自由に変形して応力を緩和できる。
さらに、本実施の形態では、図5に示されるように第2弾性体23B側に隔壁部22Dが設けられていて、この隔壁部22Dの周辺部分とされる隔壁部22Dの第1弾性体23Aとの対向部分において、第1弾性体23A側の弾性凸部22Fと第2弾性体23B側の弾性凹部22Eとが嵌合して、これら一対の弾性体23A,23Bが接合されている。
つまり、変形の比較的少ない側の弾性体である第2弾性体23Bに隔壁部22Dが設けられて、この隔壁部22Dが第1弾性体23Aと分離されているものの、隔壁部22Dの周辺部分とされるこの隔壁部22Dの第1弾性体23Aとの対向部分で、第1弾性体23Aと第2弾性体23Bとが相互に圧入されて嵌合することで、第1弾性体23Aと第2弾性体23Bとが接合される構造とされている。
このことから、第1弾性体23Aと第2弾性体23Bとがより確実に接合されることになり、防振装置10に大変形が加わった場合でも、接合部分における一対の第2受圧液室32,34内からの液体の漏れ出しが確実に防がれるようになる。
さらに、本実施の形態では、防振装置10内の狭い空間内への第1受圧液室30及び一対の第2受圧液室32,34の最適な配置と考えられるような、第1受圧液室30を取付金具18の下端部と対向して配置すると共に、一対の第2受圧液室32,34を取付金具18を挟んで対称の位置に配置したことで、小型化を図りつつ防振装置10の耐久性を向上することが可能ともなった。
また、本実施の形態では、一対の第2受圧液室32,34が中間筒20と取付金具18との間に配設されているが、主振幅方向に沿った振動の入力時にも、ゴム弾性体22の弾性変形に伴って一対の第2受圧液室32,34が変形し、これら一対の第2受圧液室32,34の内容積が増減する。この時に一対の第2受圧液室32,34に生じる内容積の変化量は、第1受圧液室30の内容積の変化量に較べてかなり小さいものの、一対の第2受圧液室32,34には、ゴム弾性体22の変形量に対応する内容積の変化が確実に生じる。
従って、取付金具18にエンジン側から主振幅方向に沿った主振動が入力した場合にも、ゴム弾性体22が主振幅方向に沿って弾性変形するのに伴い、一対の第2受圧液室32,34の内容積が拡縮することから、一対の第2オリフィス40,42を通して一対の第2受圧液室32,34と副液室36とを液体が相互に流通する現象が生じる。
このとき、一対の第2オリフィス40,42における路長及び断面積が、主振幅方向に沿った振動に対してはピッチング振動の周波数に対応するように設定されているので、入力する副振動がピッチング振動の周波数を有する場合には、一対の第2オリフィス40,42を通して一対の第2受圧液室32,34と副液室36との間を相互に流通する液体に共振現象が生じるので、この液体の共振現象に伴う圧力変化、粘性抵抗等によって主振幅方向に沿って入力するピッチング振動を特に効果的に吸収できる。
尚、本実施の形態では、第1弾性体23Aを形成するゴム材の材質と第2弾性体23Bを形成するゴム材の材質とを相互に同一種類のゴム材とすることが考えられるが、これら第1弾性体23A及び第2弾性体23Bを相互に材質の異なるゴム材によりそれぞれ形成しても良い。
例えば、変形量が相対的に大きくなると考えられる第1弾性体23Aに自己潤滑ゴムを採用し、防振装置10の外部に一部が面している第2弾性体23Bに耐オゾン性ゴムを採用する等として、第1弾性体23A及び第2弾性体23Bを構成するゴム材の材質を相互に異ならせることが考えられる。これにより、耐オゾン性ゴムや自己潤滑ゴム等のより最適な材質のゴム材を第1弾性体23A及び第2弾性体23Bにそれぞれ適用可能となる。
他方、本実施の形態において、取付金具18の上部金具19Bにボルト軸18Aを設けたが、この替わりに変形例として、図9に示されるように、下部金具19Aにボルト軸18Aを設けると共に、上部金具19Bに貫通孔18Dを設けた構造にすることが考えられる。この場合、この貫通孔18Dにボルト軸18Aを嵌合させて金具19A,19Bを一体として取付金具18を構成し、Oリング90でこれら下部金具19Aと上部金具19Bとの間を封止するような構造になる。
本発明の第2の実施の形態に係る防振装置を図10に示し、この図に基づき本実施の形態を説明する。尚、第1の実施の形態において説明した部材には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
第1の実施の形態では仕切部材24の外周部分から上側にリング状のリング部24Aが延出する構造とされていたが、この替わりに本実施の形態に係る防振装置10では、図10に示されるように、リング部24Aが円板状の仕切部材24から分離されて、リング状のオリフィス形成部材25とされている。
そして、オリフィス形成部材25の内周面下部側寄り部分を一段外周側にリング状にへこませたリング状凹部25Aがこのオリフィス形成部材25に形成されており、このリング状凹部25Aに中間筒20の下部リング状部材21Aの外周面が嵌合した構造とされている。
従って、本実施の形態では、このオリフィス形成部材25が仕切部材24の上面に設置されるのに伴い、中間筒20の下部リング状部材21Aがオリフィス形成部材25と仕切部材24との間に挟まれて、仕切部材24上に固定されることになる。
尚、上記実施の形態に係る防振装置10では、第2弾性体23Bに隔壁部22Dが形成され、この隔壁部22Dの下端部で第1弾性体23Aと接合されていたが、この替わりに隔壁部を第1弾性体側に形成して、この隔壁部で第2弾性体と接合するような構造としても良い。また、上記実施の形態では、弾性凹部22Eを第2弾性体23B側に形成し、弾性凸部22Fを第1弾性体23A側に形成してこれらを嵌合させているが、上下逆に弾性凹部及び弾性凹部を形成してもよい。
一方、上記実施の形態に係る防振装置10では、ブラケット12を介して外筒金具16を車体側へ連結すると共に、取付金具18をエンジン側に連結していたが、これとは逆に、外筒金具16をエンジン側へ連結すると共に、取付金具18を車体側に連結するようにしても良い。
さらに、上記実施の形態において、車両の車体の防振を目的としたが、本発明の防振装置は、車両以外の他の用途にも用いられることはいうまでもない。一方、外筒金具16、取付金具18及びゴム弾性体22等の形状、寸法なども実施の形態のものに限定されるものではない。
本発明の第1の実施の形態に係る防振装置を示す断面図であって、図3の1−1矢視線断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る防振装置を示す断面図であって、図3の2−2矢視線断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る防振装置のブラケットを除いた状態の断面図であって、図1の3−3矢視線断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る防振装置のブラケットを除いた状態の断面図であって、図1の4−4矢視線断面図である。 図3の5−5矢視線断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る防振装置に適用される上部リング状部材、第2弾性体及び上部金具が一体的に形成された状態を示す断面図であって、図3の1−1矢視線断面に対応する図である。 本発明の第1の実施の形態に係る防振装置に適用される上部リング状部材、第2弾性体及び上部金具が一体的に形成された状態を示す断面図であって、図3の2−2矢視線断面に対応する図である。 本発明の第1の実施の形態に係る防振装置に適用される下部リング状部材、第1弾性体及び下部金具が一体的に形成された状態を示す断面図であって、図3の2−2矢視線断面に対応する図である。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係る防振装置を示す図2に対応する断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る防振装置を示す図2に対応する断面図である。
符号の説明
10 防振装置
16 外筒金具(第1取付部材)
18 取付金具(第2取付部材)
20 中間筒
21A 下部リング状部材
21B 上部リング状部材
22 ゴム弾性体
22D 隔壁部
23 両端部
23A 第1弾性体
23B 第2弾性体
23 両端部
30 第1受圧液室
32 左側第2受圧液室
34 右側第2受圧液室
36 副液室

Claims (8)

  1. 振動発生部及び振動受部の一方に連結され且つ、筒状に形成された第1取付部材と、
    振動発生部及び振動受部の他方に連結され且つ、第1取付部材の内周側に配置された第2取付部材と、
    第1取付部材の内周面に嵌合される中間筒と、
    中間筒と第2取付部材との間に配置されて中間筒と第2取付部材とを弾性変形可能に連結する第1弾性体と、
    中間筒の内周側に配設されると共に、内壁の少なくとも一部が第1弾性体により形成されて液体が充填される第1受圧液室と、
    第1受圧液室と連通され且つ、隔壁の一部が変形可能に形成されて液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされる副液室と、
    第1弾性体と並ぶ形で中間筒と第2取付部材との間に配置されて中間筒と第2取付部材とを弾性変形可能に連結する第2弾性体と、
    第1弾性体と第2弾性体との間の第2取付部材を挟んだ部分に形成され且つ、液体がそれぞれ充填される一対の第2受圧液室と、
    第1弾性体或いは第2弾性体の何れかの部分に設けられて一対の第2受圧液室間を区画する隔壁部と、
    を有することを特徴とする防振装置。
  2. 一対の第2受圧液室がそれぞれ副液室に連通されることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. 隔壁部の周辺部分で第1弾性体と第2弾性体とが嵌合してこれら弾性体が接合されることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  4. 第2弾性体側に隔壁部が設けられていて、隔壁部の第1弾性体との対向部分で第1弾性体と第2弾性体とが接合されることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  5. 第1弾性体及び第2弾性体が相互に材質の異なるゴム材によりそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  6. 第1受圧液室が第2取付部材の端部と対向して配置されると共に、一対の第2受圧液室が第2取付部材を挟んで対称の位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  7. 中間筒が一対の部材により構成され、隔壁部の端部が中間筒より外周側に突出するようにこれら一対の部材間に形成されることを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  8. 何れかの弾性体に設けられた隔壁部の部分と第1取付部材とが、非接着状態で圧接されることを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の防振装置。
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