JPH0510374A - 流体封入式防振組立体 - Google Patents

流体封入式防振組立体

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JPH0510374A
JPH0510374A JP18303791A JP18303791A JPH0510374A JP H0510374 A JPH0510374 A JP H0510374A JP 18303791 A JP18303791 A JP 18303791A JP 18303791 A JP18303791 A JP 18303791A JP H0510374 A JPH0510374 A JP H0510374A
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JP
Japan
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fluid
elastic body
vibration
rubber
rubber elastic
Prior art date
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Application number
JP18303791A
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English (en)
Inventor
Takashi Uchiyama
高 内山
Yoshiki Funahashi
芳樹 舟橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 流体封入式防振組立体において、ゴム弾性体
の耐久性を確保しつつ、各振動荷重の入力方向における
ばね定数の設計自由度を拡大すること。 【構成】 第一の取付金具10と、その周りに所定距離
を隔てて配される筒状部を備えた第二の取付金具12と
を、それら第一の取付金具10と筒状部との間に介装さ
れたゴム弾性体14にて連結すると共に、該ゴム弾性体
14にて壁部の一部が構成されて、内部に所定の非圧縮
性流体が封入された流体室を形成せしめて成る流体封入
式防振組立体において、かかるゴム弾性体14を、前記
第一の取付金具10および第二の取付金具12に対して
固着されて、それら両取付金具を連結する第一のゴム部
材18と、該第一のゴム部材18と別体形成されて、該
第一のゴム部材18に重ね合わされて前記流体室を画成
する第二のゴム部材64とからなる、分割構造をもって
構成せしめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動車用エンジンマウント等と
して好適に採用され得る防振組立体に係り、より詳細に
は、内部に封入された流体の流動作用に基づいて防振効
果を得るようにした流体封入式防振組立体に関するもの
である。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装されて、それらを防振連結するマウント装置の一種
として、特開昭57−9340号公報等に示されている
如く、防振連結される一方の部材に取り付けられる第一
の取付金具と、該第一の取付金具の周りに所定距離を隔
てて配される筒状部を備えた、防振連結される他方の部
材に取り付けられる第二の取付金具とを、それらの間に
介装されたゴム弾性体にて連結すると共に、かかるゴム
弾性体によって壁部の一部が構成されて、内部に所定の
非圧縮性流体が封入された流体室を形成せしめて成る構
造の、所謂流体封入式防振組立体が知られている。
【0003】そして、このような流体室を備えた防振組
立体においては、振動入力時に流体室内に封入された流
体が流動せしめられることによって発揮される、該流体
の共振作用やずり剪断作用、或いは流動抵抗作用等の流
動作用に基づいて、ゴム弾性体のみでは得られない、優
れた減衰効果や低動ばね効果等の防振効果を容易に得る
ことができることから、近年、自動車用エンジンマウン
ト等として、好適に用いられるようになってきている。
【0004】ところで、一般に、自動車用エンジンマウ
ント等にあっては、異なる方向から入力される振動の違
いや、車両の乗り心地と操縦安定性の両立等のために、
各振動乃至は荷重の入力方向において、互いに異なる防
振特性乃至は荷重支持特性が要求されることとなる。
【0005】そこで、そのような要求特性を満足させる
ために、例えば、第一の取付金具と第二の取付金具とを
連結するゴム弾性体に対して肉抜部を設けて、その肉厚
を、各振動乃至は荷重の入力方向において異ならせるこ
とにより、該ゴム弾性体のばね定数を、それらの各方向
においてチューニングすることが考えられる。
【0006】ところが、かかるゴム弾性体は、前述の如
く、流体室の壁部を構成することから、肉抜部を貫通し
て設けることができず、凹所状形態をもって形成しなけ
ればならないために、かかる肉抜部の形成が面倒である
と共に、該肉抜部の設計自由度、延いてはばね定数のチ
ューニング自由度が制限されてしまうという不具合を有
していたのであり、要求されるばね特性を充分に満足さ
せることが困難であったのである。
【0007】加えて、このような肉抜部の形成によっ
て、ゴム弾性体が部分的に薄肉化されるために、振動荷
重の入力時に、かかる薄肉部に対して、圧縮/引張応力
の集中が惹起され易く、充分な耐久性が得られ難いとい
った問題をも有していたのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、前述の如き流体封入式防振組立体におい
て、ゴム弾性体の耐久性を確保しつつ、そのばね定数の
各振動乃至は荷重の入力方向におけるチューニング自由
度を有利に確保することの出来る技術を提供することに
ある。
【0009】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明にあっては、防振連結される一方の部材に取り付け
られる第一の取付金具の周りに、防振連結される他方の
部材に取り付けられる第二の取付金具に設けられた筒状
部を、所定距離を隔てて配置せしめると共に、該第一の
取付金具と該第二の取付金具の筒状部とを、それらの間
に介装されたゴム弾性体にて連結せしめる一方、該ゴム
弾性体によって壁部の一部が構成された、所定の非圧縮
性流体が封入されて成る流体室を形成せしめて、振動入
力時に該封入流体の流動作用に基づく防振効果を得るよ
うにした流体封入式防振組立体において、前記第一の取
付金具および前記第二の取付金具に対してそれぞれ固着
せしめられて、それら両取付金具を連結する第一のゴム
部材と、該第一のゴム部材と別体形成され、該第一のゴ
ム部材に重ね合わされて前記流体室を画成する第二のゴ
ム部材とによって、前記ゴム弾性体を構成したことを、
その特徴とするものである。
【0010】また、本発明は、前記第二の取付金具に対
して内挿固定される有底筒状のカセット部材を設け、該
カセット部材の開口を前記第二のゴム部材にて覆蓋せし
めることにより、前記流体室を、前記第一及び第二の取
付金具とは別体形成せしめて成る構造の流体封入式防振
組立体をも、その特徴とするものである。
【0011】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0012】先ず、図1及び図2には、本発明を自動車
用エンジンマウントに対して適用したものの一具体例が
示されている。かかる図において、10は第一の取付金
具、12は第二の取付金具であって、互いに所定距離を
隔てて配されていると共に、それらの間に介装されたゴ
ム弾性体14によって、弾性的に連結されている。そし
て、かかるエンジンマウントにあっては、第一の取付金
具10がパワーユニット側に、第二の取付金具12が車
体側に、それぞれ取り付けられることによって、それら
パワーユニットと車体との間に介装されることとなり、
以て該パワーユニットを車体に対して防振支持せしめる
ようになっている。
【0013】また、本実施例のエンジンマウントにあっ
ては、図1中の上下方向(以下、マウント軸方向とい
う)が車両の略上下方向となり、且つ図2中の左右方向
および上下方向が、それぞれ、車両の略前後方向および
左右方向となる状態で、装着されることとなる。
【0014】より詳細には、前記第一の取付金具10
は、略逆円錐台形状をもって形成されている。また、こ
の第一の取付金具10における大径側端面には、外方に
突出する取付ボルト16が立設されており、この取付ボ
ルト16によって、該第一の取付金具10がパワーユニ
ット側に取り付けられるようになっている。
【0015】そして、かかる第一の取付金具10は、全
体として略円錐台形状を呈する第一のゴム部材としての
第一のゴム弾性体18に対して、その小径側端面から軸
方向に入り込んだ状態で、加硫接着されている。また、
この第一のゴム弾性体18における大径側端部の外周面
には、円筒状の連結金具20が加硫接着されている。即
ち、かかる第一のゴム弾性体18は、第一の取付金具1
0と連結金具20とが、それぞれ加硫接着されてなる一
体加硫成形品22として形成されているのである。
【0016】また、かかる第一のゴム弾性体18には、
第一の取付金具10を挟んで軸直角方向両側に対向位置
する部位において、軸方向に貫通する一対の肉抜孔2
3,23が設けられている。即ち、第一のゴム弾性体1
8における軸直角方向のばね特性が、これらの肉抜孔2
3,23の対向方向において柔らかくされているのであ
り、以て、かかる肉抜孔23,23によって、該第一の
ゴム弾性体18における軸直角方向のばね定数が、互い
に直交する二方向(図2中、左右方向と上下方向)で、
異なる値に設定されているのである。
【0017】また一方、前記第二の取付金具12は、全
体として略厚肉の有底円筒形状をもって形成されてい
る。そして、その筒壁部は、軸方向中間部分に段付部2
4が設けられて、小径部26と大径部28とから成る段
付円筒形状を呈していると共に、大径部28の開口周縁
部には、かしめ部30が設けられている。また、この第
二の取付金具12には、底壁部32の中央部位におい
て、外方に突出する取付ボルト34が立設されており、
この取付ボルト34によって、該第二の取付金具12が
車体側に取り付けられるようになっている。
【0018】さらに、この第二の取付金具12には、図
3に示されている如き、内部に流体室を備えた流体室形
成体36が、収容されて組み付けられている。かかる流
体室形成体36は、軸方向中間部に段付部40が設けら
れて、大径部42と小径部44とから成る段付円筒形状
を呈するカセット金具38を備えている。そして、該カ
セット金具38における小径部44側の開口部には、可
撓性膜としての薄肉円板状のダイヤフラム48が加硫接
着されており、該ダイヤフラム48にて小径部44側の
開口が流体密に閉塞されている。即ち、本実施例では、
カセット金具38の小径側開口部がダイヤフラム48に
て閉塞されることにより、全体として有底円筒状のカセ
ット部材が構成されているのである。なお、かかるカセ
ット金具38の大径部42内周面には、略全面に亘っ
て、薄肉のシールゴム層46が形成されている。
【0019】また、このカセット金具38の内部には、
全体として略円盤形状を呈する仕切部材50が、収容配
置されている。かかる仕切部材50は、それぞれ略円板
形状を呈する上下板金具52,54が軸方向に一体的に
重ね合わされてなる構造とされており、その外周縁部
が、カセット金具38の段付部40上に載置された状態
で、支持されている。更に、かかる上板金具52の中央
部分には、透孔58が形成されている一方、下板金具5
4の中央部分には、円形の凹部62が設けられていると
共に、該円形凹部62を形成する底壁部には、多数の通
孔60が形成されている。そして、これら上板金具52
の透孔58と下板金具54の円形凹部62との間におい
て、それらを閉塞するようにして、円板状のゴム弾性板
56が、その外周縁部を上下板金具52,54間で挟持
されることにより配設されている。即ち、そのような配
設状態下、かかるゴム弾性板56には、上下板金具5
2,54に設けられた透孔58および通孔60を通じて
両側面に及ぼされる圧力差に基づいて、所定量の変形が
許容され得るようになっているのである。
【0020】さらに、カセット金具38における大径部
42側には、第二のゴム部材としての第二のゴム弾性体
64が組み付けられており、該第二のゴム弾性体64に
て、かかる大径部42側の開口が流体密に覆蓋されてい
る。この第二のゴム弾性体64は、略円形ドーム形状を
もって形成されており、その外周縁部には、大径部68
と小径部70とから成る段付円筒形状の筒金具66が、
加硫接着されている。そして、図面上に明示はされてい
ないが、かかる筒金具66における小径部70の周上の
一箇所において、外周面を大径部68と面一とする仕切
部が設けられていることにより、かかる小径部70の外
周面上に、周方向に一周弱の長さで延びる周溝72が形
成されている。また、この筒金具66の小径部70にお
ける、周溝72の周方向両端部に位置する部位には、第
一の切欠窓74および第二の切欠窓76が、それぞれ設
けられている。
【0021】そして、かかる第二のゴム弾性体64は、
筒金具66がカセット金具38の大径部42に内挿され
て嵌着固定されることにより、そのゴム弾性力に基づい
て外方に突出する状態で組み付けられている。また、そ
れによって、カセット金具38の大径部42側の開口が
流体密に覆蓋されており、その内部に密閉室が形成され
ている。更に、この第二のゴム弾性体64の組付けによ
り、仕切部材50の外周縁部が、カセット金具38の段
付部40と筒金具66の軸方向端面との間で挟持され
て、かかる密閉室を仕切る状態で、該カセット金具38
に対して固定的に支持せしめられている。
【0022】また、かかるカセット金具38内に形成さ
れた密閉室には、所定の非圧縮性流体が封入されてい
る。そして、それによって、仕切部材50に対して第二
のゴム弾性体64側には、壁部の一部が第二のゴム弾性
体64にて構成されて、該第二のゴム弾性体64の変形
に基づいて内圧変動が惹起される受圧室78が形成され
ている一方、仕切部材50を挟んで、該受圧室78と反
対側には、壁部の一部がダイヤフラム48にて構成され
て、容積変化が容易に許容される平衡室80が形成され
ている。即ち、本実施例では、これら受圧室78と平衡
室80とによって、流体室が構成されているのである。
【0023】なお、これら受圧室78および平衡室80
に封入される非圧縮性流体としては、後述する流体の共
振作用に基づく防振効果を有利に得るために、本実施例
では、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリ
コール、シリコーン油等の低粘性流体が、好適に用いら
れることとなる。そして、かかる流体の受圧室78およ
び平衡室80への充填は、例えば、カセット金具38に
対する第二のゴム弾性体64の組付けを、流体中にて行
なうこと等によって、有利に為され得る。
【0024】具体的には、図4及び図5に示されている
如く、先ず、カセット金具38の大径部42を、外方に
向かって拡径するテーパ筒形状をもって形成せしめて、
該大径部42内に仕切部材50を収容配置せしめた後、
かかるカセット金具38と、別途形成した前記第二のゴ
ム弾性体64とを、それぞれ、所定の流体中に浸漬せし
める。そして、流体中にて、第二のゴム弾性体64の外
周面に加硫接着された筒金具66を、カセット金具38
の大径部42に挿入せしめ、その後、かかる大径部42
を縮径して筒金具66に嵌着固定せしめる。即ち、この
ような組付手法によれば、流体室(受圧室78および平
衡室80)の形成と同時に、流体の封入が為され得るこ
ととなるのである。
【0025】さらに、かかる流体室形成体36にあって
は、筒金具66がカセット金具38に対して嵌着される
ことにより、筒金具66の小径部70によって形成され
た周溝72が覆蓋されており、以て、それら筒金具66
とカセット金具38との間に、周方向に一周弱の長さで
延びる環状通路が形成されている。また、この環状通路
は、周方向一端側において、第一の切欠窓74を通じ
て、受圧室78に連通されている一方、周方向他端側に
おいて、第二の切欠窓76と仕切部材50に形成された
連通孔84とを通じて、平衡室80に連通されている。
それによって、かかる環状通路により、受圧室78と平
衡室80とを相互に連通せしめ、それら両室78,80
間での流体の流動を許容するオリフィス通路86が形成
されているのである。
【0026】そして、このようにして内部に受圧室78
と平衡室80とが形成されて成る流体室形成体36にあ
っては、図1に示されているように、前記第二の取付金
具12に内挿され、カセット金具38の段付部40が、
第二の取付金具12の段付部24に重ね合わされて、支
持されている。
【0027】さらに、この第二の取付金具12には、前
記一体加硫成形品22が挿入され、流体室形成体36に
対してマウント軸方向に重ね合わされている。そして、
その連結金具20が、流体室形成体36を構成するカセ
ット金具38の筒壁部に対して軸方向に重ね合わされた
状態で、第二の取付金具12における段付部24とかし
め部30との間で、一体的に軸方向に挟持されることに
より、該第二の取付金具12に対して固定的に組み付け
られている。即ち、それによって、第一の取付金具10
と第二の取付金具12とが、第一のゴム弾性体18を介
して、互いに弾性的に連結されているのである。
【0028】また、そのような組付状態下、第一のゴム
弾性体18が第二のゴム弾性体64に対して重ね合わさ
れることとなり、しかも、かかる第二のゴム弾性体64
は、外方に凸となるゴム弾性力を有していることから、
第一のゴム弾性体18が、該第二のゴム弾性体64の外
側面に対して、内方に押圧力を及ぼす状態で重ね合わさ
れることにより、圧接せしめられている。
【0029】それ故、第一の取付金具10と第二の取付
金具12との間に、マウント軸方向の振動荷重が入力さ
れた際には、第一のゴム弾性体18と第二のゴム弾性体
64とに対して、略同一の変形が生ぜしめられることに
より、それら第一及び第二のゴム弾性体18,64が、
協働して作用し、全体として所定のマウントばね特性が
発揮されることとなる。また、かかる第二のゴム弾性体
64の変形によって、受圧室78内に内圧変動が有効に
生ぜしめられることから、受圧室78と平衡室80との
内圧差に基づいて、オリフィス通路86を通じての流体
の流動が生ぜしめられるのであり、以て、かかるオリフ
ィス通路86を流動せしめられる流体の共振作用に基づ
いて、所定の防振効果、例えばシェイク等の低周波振動
に対する高減衰効果が、有利に発揮され得ることとなる
のである。
【0030】なお、本実施例のエンジンマウントにおい
ては、仕切部材50に設けられたゴム弾性板56の変形
に基づいて、こもり音等の高周波小振幅振動の入力時に
おける受圧室78の内圧上昇が軽減乃至は防止され得る
ことから、そのような高周波数域の振動入力時における
マウントの高動ばね化が有利に回避され得るのであり、
それによって、高周波数域の入力振動に対しても良好な
防振効果が発揮されることとなる。
【0031】また一方、第一の取付金具10と第二の取
付金具12との間に、マウント軸直角方向の振動荷重が
入力された際には、第一のゴム弾性体18と第二のゴム
弾性体64との当接面間で相対的なずれ変位(すべり)
が許容されて、かかる振動荷重が第二のゴム弾性体64
には有効に及ぼされ得ないために、主として、第一のゴ
ム弾性体18に対して変形が生ぜしめられ、該第一のゴ
ム弾性体18によるばね特性が発揮されることとなる。
【0032】それ故、マウント軸直角方向に入力される
振動荷重に対しては、第一のゴム弾性体18に設けられ
た肉抜孔23,23によって、その入力方向に応じて相
異なるマウントばね特性が発揮されることとなるのであ
り、かかる肉抜孔23,23の対向方向に入力される振
動荷重に対しては、柔らかいばね特性が発揮される一
方、それに直交する方向(図2中の上下方向)に入力さ
れる振動荷重に対しては、硬いばね特性が発揮されるこ
ととなる。
【0033】また、そこにおいて、かかる肉抜孔23,
23にあっては、第一のゴム弾性体18を貫通して設け
られていることから、かかる第一のゴム弾性体18の成
形が容易であると共に、該第一のゴム弾性体18におい
て、それら互いに直交する両方向(図2中、左右方向と
上下方向)におけるばね比を、極めて有利に確保するこ
とができ、大きなチューニング自由度が得られるのであ
る。
【0034】しかも、そのようなマウント軸直角方向へ
の振動荷重の入力時においても、流体室(受圧室78お
よび平衡室80)の壁部を構成する第二のゴム弾性体6
4における変形が、第一のゴム弾性体18との重ね合わ
せ面でのすべり作用によって有利に軽減され得ることか
ら、かかる第二のゴム弾性体64における局部的な応力
集中等が問題となるようなこともなく、その耐久性が充
分に確保され得るのである。
【0035】従って、このような構造のエンジンマウン
トによれば、マウント軸方向の入力振動に対する流体の
流動作用に基づく防振効果を充分に確保しつつ、車両前
後方向における柔らかいばね特性と、車両左右方向にお
ける硬いばね特性とを、何れも有利に得ることができる
のであり、それによって、良好なるマウント耐久性を確
保しつつ、車両乗り心地と操縦安定性とが、高度に達成
され得ることとなるのである。
【0036】また、本実施例のエンジンマウントにあっ
ては、流体室が、第一及び第二の取付金具10,12と
別体形成された流体室形成体36により、カセット構造
をもって形成されていることから、かかる流体室への流
体の封入等の製造工程において、大型部材である第一及
び第二の取付金具10,12や第一のゴム弾性体14を
流体中に浸漬せしめる必要がないのであり、それによっ
て、マウント組立作業性の向上が有利に図られ得るとい
った利点をも有しているのである。
【0037】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明はかかる
具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0038】例えば、前記実施例では、流体室が、第一
及び第二の取付金具10,12とは別体のカセット構造
をもって形成されていたが、流体室の周壁部を第二の取
付金具12にて構成せしめること等によって、かかる流
体室を、第二の取付金具12内に一体的に形成するよう
にしても良い。
【0039】また、前記実施例では、第一のゴム弾性体
18に対して肉抜孔23,23を設けることによって、
そのばね比がチューニングされていたが、かかる肉抜孔
23,23の形状や大きさは、限定されるものではな
く、防振組立体に要求されるばね特性等に応じて、適宜
決定されるべきものであって、例えば、第一のゴム弾性
体18に凹所を設けたり、その肉厚を周方向に変化させ
ること等によっても、ばね比のチューニングを行なうこ
とが可能である。
【0040】更にまた、前記実施例では、内部に封入さ
れた流体の共振作用に基づいて防振効果を得るようにし
た防振組立体に対して、本発明を適用したものの具体例
を示したが、その他、内部に封入された流体のずり剪断
作用や流動抵抗作用等に基づいて防振効果を得るように
した防振組立体に対しても、本発明は、同様に適用され
得るものである。
【0041】そして、流体室の具体的構造は、封入流体
の粘度や利用する流体の流動作用等に応じて、適宜、変
更されるべきものであって、例えば、流体のずり剪断作
用に基づいて高減衰効果を得ようとする場合には、流体
室の壁部の一部をダイヤフラム(48)等の可撓性膜に
て構成する必要もなく、またオリフィス通路(86)等
を形成する必要もない。
【0042】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに対して適用したものの具体例を示
したが、本発明は、その他、自動車用ボデーマウントや
デフマウント、或いは自動車以外の各種装置における防
振組立体に対して、何れも、有利に適用され得るもので
あることは、勿論である。
【0043】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0044】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式防振組立体においては、
マウント軸直角方向に入力される振動荷重の及ぼされる
第一のゴム部材が、流体室を画成する第二のゴム部材と
別体形成されていることから、該第一のゴム部材におけ
るばね特性のチューニングに際して、流体室の液密性を
考慮する必要がなく、貫通した肉抜孔等を設けることも
可能となるのであり、それによって、マウント軸直角方
向の振動荷重に対するマウントばね特性のチューニング
自由度が極めて有利に確保され得るのである。
【0045】しかも、かかる流体封入式防振組立体にあ
っては、第一のゴム部材と第二のゴム部材とが別体とさ
れており、マウント軸直角方向の振動荷重の第二のゴム
部材への入力が軽減乃至は防止されていることから、第
二のゴム部材における局部的な応力集中が極めて有利に
防止され得るのであり、それによって、優れた耐久性が
発揮され得るのである。
【0046】また、流体室をカセット構造をもって形成
せしめて成る請求項2に記載の流体封入式防振組立体に
よれば、流体の封入操作を含む組立作業が簡略且つ容易
となるのであり、それによって、目的とする流体封入式
防振組立体が、より一層有利に実現され得ることとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのエンジンマウントを
示す縦断面図であって、図2におけるI−I断面に相当
する図である。
【図2】図1に示されているエンジンマウントの平面図
である。
【図3】図1に示されているエンジンマウントを構成す
る流体室形成体を示す縦断面図である。
【図4】図3に示されている流体室形成体の一製作工程
を説明するための説明図である。
【図5】図3に示されている流体室形成体の一製作工程
を説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 第一の取付金具 12 第二の取付金具 14 ゴム弾性体 18 第一のゴム弾性体 20 連結金具 23 肉抜孔 36 流体室形成体 38 カセット金具 48 ダイヤフラム 50 仕切部材 64 第二のゴム弾性体 66 筒金具 78 受圧室 80 平衡室 86 オリフィス通路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防振連結される一方の部材に取り付けら
    れる第一の取付金具の周りに、防振連結される他方の部
    材に取り付けられる第二の取付金具に設けられた筒状部
    を、所定距離を隔てて配置せしめると共に、該第一の取
    付金具と該第二の取付金具の筒状部とを、それらの間に
    介装されたゴム弾性体にて連結せしめる一方、該ゴム弾
    性体によって壁部の一部が構成された、所定の非圧縮性
    流体が封入されて成る流体室を形成せしめて、振動入力
    時に該封入流体の流動作用に基づく防振効果を得るよう
    にした流体封入式防振組立体において、 前記第一の取付金具および前記第二の取付金具に対して
    それぞれ固着せしめられて、それら両取付金具を連結す
    る第一のゴム部材と、該第一のゴム部材と別体形成さ
    れ、該第一のゴム部材に重ね合わされて前記流体室を画
    成する第二のゴム部材とによって、前記ゴム弾性体を構
    成したことを特徴とする流体封入式防振組立体。
  2. 【請求項2】 前記第二の取付金具に対して内挿固定さ
    れる有底筒状のカセット部材を設け、該カセット部材の
    開口を前記第二のゴム部材にて覆蓋せしめることによ
    り、前記流体室を、前記第一及び第二の取付金具とは別
    体形成した請求項1記載の流体封入式防振組立体。
JP18303791A 1991-06-26 1991-06-26 流体封入式防振組立体 Pending JPH0510374A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007278399A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Bridgestone Corp 防振装置
JP2008232315A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置
JP2009079678A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Tokai Rubber Ind Ltd 防振装置及び該防振装置の製造方法

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