JP4199379B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、建設機械、一般産業用機械等へ適用され、エンジン等の振動発生部からの振動の伝達を抑制する防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両の振動発生部となるエンジンと振動受部となる車体との間には防振装置が配設されており、この防振装置はエンジンが発生する振動を吸収し、車体側に伝達される振動を抑制するような構造となっている。このような防振装置としては、例えば、装置内部にゴム製の弾性体及び複数の液室を設けると共に、これらの液室をオリフィスとなる制限通路で互いに連通したものが知られている。このような防振装置は、自動車のエンジンが作動して振動が発生した場合に、弾性体の制振機能及び液室間を連通するオリフィス内を流れる液体の粘性抵抗あるいは液柱共振等で振動を吸収し、車体へ伝達される振動を抑制する。
【0003】
近年、上記のような防振装置に対する部品点数の削減、組立時の工程数の低減によるコストダウン及び、軽量化等の要請が強くなり、この要請を受けて従来では金属製であった装置部品の樹脂化が検討されるようになった。そして、装置外郭部を形成すると共に、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される外筒部材が樹脂化された防振装置が開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、防振装置では、樹脂製の外筒部材を用いる場合には、金属製の外筒部材を用いる場合と比較し、弾性体をモールド成形と同時に外筒部材へ加硫接着できないことから、弾性体又は外筒部材へ接着剤を塗布し、この接着剤を介して弾性体と外筒部材とを互いに接着している。このため、樹脂製の外筒部材を用いた防振装置では、その製造工程において外筒部材が金属製であるならば不要であった接着剤を用いた弾性体と外筒部材との接着作業が発生すると共に、接着剤によるコスト増加が発生する。この結果、外筒部材の素材を樹脂に変更しても防振装置を十分コストダウンできなかった。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、接着剤を用いた樹脂製の外筒部材とゴム製の弾性体との接着作業を不要にできると共に、外筒部材と弾性体とを簡単な作業で連結できる防振装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の防振装置は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される取付部材と、
樹脂により円筒状に形成され、振動発生部及び振動受部の他方に連結される外筒部材と、前記外筒部材の内径より大径とされたインサート固定部が軸方向に沿って複数設けられ、前記複数のインサート固定部により外筒部材を挟持すると共に前記外筒部材の内周面に沿って配置されるインサート金具と、前記取付部材に連結されると共に前記インサート金具へ固着されるゴム製の弾性体と、を有し、前記インサート固定部の外周端部は、前記外筒部材の内部に埋設されていること、を特徴としている。
【0007】
上記構成の防振装置によれば、外筒部材の内周面に沿って配置されるインサート金具に外筒部材の内径より大径とされたインサート固定部が軸方向に沿って複数設けられ、インサート金具が複数のインサート固定部により外筒部材を挟持することにより、インサート金具により樹脂製の外筒部材の内周面が覆われると共に、複数のインサート固定部によってインサート金具を外筒部材へ固定できるので、ゴム製の弾性体を加硫接着によりインサート金具へ固着し、このインサート金具を介して弾性体を樹脂製の外筒部材へ連結できる。従って、弾性体をモールド成形する際に、弾性体成形用のモールド内にインサート金具を予めインサートしておくか、インサート金具を弾性体成形用のモールドの一部とすれば、モールド内での原料ゴムの硬化と同時に弾性体をインサート金具へ加硫接着できるので、インサート金具を介して弾性体を外筒部材へ連結できる。
【0008】
ここで、外筒部材の内径より大径とされたインサート固定部は、外筒部材内へ埋設される場合と、外筒部材の端部へ当接する場合とがある。
【0009】
請求項2記載の防振装置は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される取付部材と、
樹脂により円筒状に形成され、振動発生部及び振動受部の他方に連結される外筒部材と、前記外筒部材の内径より大径とされたインサート固定部が軸方向に沿って複数設けられ、前記複数のインサート固定部により外筒部材を挟持すると共に前記外筒部材の内周面に沿って配置されるインサート金具と、前記取付部材に連結されると共に前記インサート金具へ固着されるゴム製の弾性体と、を有し、前記インサート金具には、前記外筒部材の内周側へ支持された前記取付部材の径方向への移動を制限するゴム製のストッパ部材が固着されたことを特徴とする。
【0010】
上記構成の防振装置によれば、ゴム製のストッパ部材を加硫接着によりインサート金具へ固着できるので、ストッパ部材をモールド成形する際に、ストッパ部材成形用のモールド内にインサート金具を予めインサートしておくか、インサート金具をモールドの一部とすれば、モールド内での原料ゴムの硬化と同時にストッパ部材をインサート金具へ加硫接着できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る防振装置を図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1及び図2には本発明の第1の実施の形態に係る防振装置10が示されており、これらの図に示される符号Oは装置の中心線を示し、この中心線に沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行う。
【0013】
防振装置10の上端部には、図1に示されるように金属製の頂板12が配置されている。頂板12の上面からは、この頂板12を振動発生部であるエンジン(図示省略)側へ連結するためのボルト軸14が上方へ突出している。頂板12の下面にはゴム製の弾性体16の頂面が加硫接着されている。弾性体16には上部側に円錐台状の吸振部18が形成されており、この吸振部18の下面中央部には上方へ窪んだ凹部20が形成されている。また弾性体18の下部側には、吸振部18の下端面から下方へ延出する薄肉円筒状の被覆部22が一体的に形成されている。
【0014】
弾性体16の被覆部22の外周側には、樹脂製の外筒部材24が配置されている。外筒部材24は軸方向両端面が開口した略円筒状に形成されている。外筒部材24の外周面下部には、それぞれ径方向へ延出する一対のフランジ部26が形成されている。これら一対のフランジ部26は樹脂により外筒部材24と一体成形されている。
【0015】
フランジ部26は、それぞれ軸方向から見て先端側に向かって幅が狭くなるような略台形状とされている。一対のフランジ部26には、それぞれ径方向における先端側に金属製のインサートリング28が埋設固定されている。インサートリング28の外周面には径方向へ延出するフランジ状の大径部30が形成され、インサートリング28は大径部30の上下面がそれぞれ樹脂により覆われるようにフランジ部26内へ埋設されている。
【0016】
インサートリング28には軸方向へ貫通するねじ穴32が形成されている。防振装置10が振動受部である車体側へ固定される際には、防振装置10がフランジ部26のねじ穴32が車体側のねじ穴(図示省略)と一致するように防振装置10が位置決めされた後に、ねじ穴32及び車体側のねじ穴には固定用ボルト(図示省略)がねじ込まれて、防振装置10が車体側へ固定される。またフランジ26の上面には、インサートリング28のねじ穴32を中心として凹状の座ぐり部34が形成されており、この座ぐり部34には、ねじ穴32へねじ込まれる固定用ボルトの頭部が挿入される。
【0017】
外筒部材24の内周側には、薄肉円筒状に形成された金属製のインサート金具36が配置されている。インサート金具36には、図3に示されるように軸方向中間部に曲率半径が一定とされた円筒状の隔離部37が設けられている。この隔離部37の外周面は、図1に示されるように外筒部材24の内周面に密着している。
【0018】
インサート金具36の軸方向両端部には、図3に示されるように径方向へ延出するフランジ状のインサート固定部38,40がそれぞれ一体的に形成されている。これらのインサート固定部38,40のうち上側のインサート固定部38は、インサート金具36の上端部付近が外周側へ湾曲して形成されており、下側のインサート固定部40は、インサート金具36の下端部付近が外周側へ直角に屈曲され、更に内周側へ折り込まれることにより、インサート金具36の下端部付近が2重に折り重なって形成されている。
【0019】
図1に示されるように、インサート固定部38は外筒部材24上端部付近の内径より大きい外径を有しており、インサート固定部40は外筒部材24の下端部の内径より大きい外径を有している。またインサート金具36は、軸方向に沿った長さが外筒部材24の長さより短くされている。インサート金具36は、インサート固定部38の外周端部を外筒部材24の内部へ埋設し、かつインサート固定部40の外周端部を外筒部材24の内部へ埋設している。従って、インサート金具36は、一対のインサート固定部38,40により外筒部材24の周壁部を軸方向に沿って挟持している。これにより、インサート金具36は軸方向において外筒部材24へ固定される。
【0020】
またインサート金具36と外筒部材24とは互いに隙間なく圧着しているので、インサート金具36は、摩擦力によって中心線Oを中心とする周方向においても外筒部材24へ固定されるが、インサート金具36の周方向に沿った一部を非円形として周方向における固定強度を更に高めるようにしてもよい。
【0021】
インサート金具36には、図3に示されるようにインサート固定部40の下端から下方へ延出する円筒状のかしめ部材42が一体的に設けられている。このかしめ部材42の内径はインサート固定部40の隔離部37の内径より大きく、かつインサート固定部40の外径より小さくされている。これにより、インサート金具36内には、インサート金具40とかしめ部材42との境界に沿って段部44が形成されている。
【0022】
インサート金具36の内周面には、図1に示されるように弾性体16の下部側が加硫接着されている。弾性体16は、吸振部18の外周面下端部がインサート固定部38の内周部及び隔離部37の内周面上部側へ加硫接着されてインサート金具36へ固着され、更に被覆部22が隔離部37の内周面下部側を被覆するように加硫接着されている。
【0023】
外筒部材24内には、図1に示されるように樹脂製の隔壁部材46が配置されている。この隔壁部材46は円板状に形成されており、隔壁部材46には、上部側に弾性体16の被覆部22の内径と略等しい外径を有する隔壁部48が設けられ、下部側にかしめ部材42の内径と略等しい外径を有するフランジ部50が設けられている。隔壁部材46はフランジ部50の上面をインサート金具36の段部44へ当接させている。これにより、隔壁部材46は軸方向においてインサート金具36に対して位置決めされている。
【0024】
隔壁部材46は隔壁部48をインサート金具36の隔離部37内へ挿入し、隔壁部48の上面外周部を弾性体16の吸振部18の下面外周部へ全周に亘って当接させている。これにより、インサート金具36内には、弾性体16の吸振部18と隔壁部38との間に外部から区画された空間が形成され、この空間は液体が充填封入される主液室52とされている。
【0025】
また隔壁部48は、その外周面を弾性体16の被覆部22を介してインサート金具36へ密着させおり、この隔壁部48の外周面には断面矩形状の溝部54が略1周近くに亘って形成されている。この溝部54は、図1に示されるように被覆部22の内周面と共に主液汁52と後述する副液室とを連通する制限通路56を形成している。ここで、溝部54の一端部には主液室52へ接続された貫通穴58が形成され、溝部52の他端部には副液室へ接続された貫通穴60が形成されている。
【0026】
隔壁部材46の下面中央部には円形に窪んだ凹部62が形成されている。この凹部62の下方には、薄肉状のゴム膜によって形成されたダイヤフラム64が配置されており、このダイヤフラム64は凹部62の下部側の開口を閉止している。これにより、凹部62の内側には外部から区画された空間が形成され、この空間は液体が充填封入されると共に、制限通路56を通して主液室52と互いに連通した副液室65とされている。
【0027】
ダイヤフラム64の外周部には、図2に示されるように中央部側より肉厚状とされた嵌挿部66が全周に亘って形成され、隔壁部材46の下面には、凹部62の外周側に嵌挿部66に対応する嵌挿溝68が形成されている。この嵌挿溝68内にはダイヤフラム54の嵌挿部66が嵌挿している。またダイヤフラム54の中央部は、隔壁部材46の凹部62内へ向かって突出し、凹部62の内面に沿うように湾曲している。
【0028】
ダイヤフラム54の下部には、図1に示されるように薄肉状の蓋部材72が配置されている。蓋部材72の中央部にはカップ状に加工された気室部74が形成されており、この気室部74の開口はダイヤフラム54の中央部に面している。これにより、気室部74はダイヤフラム54を凹部62の外側まで弾性変形可能としている。蓋部材72の外周部には、円板状のフランジ部76が形成されている。このフラン部76は、隔壁部材46の下面外周部へ密着すると共に、隔壁部材46嵌挿溝68との間に嵌挿部66を挟んでダイヤフラム54を固定している。
【0029】
インサート金具36と一体的に設けられたかしめ部材42は、装置組立前には図2に示されるように円筒状とされているが、装置組立時に図1に示されるように下部側が内周側へかしめられて蓋部材72のフランジ部76の下面へ密着する。これにより、隔壁部材46、ダイヤフラム54及び蓋部材72がインサート金具36へ固定される。
【0030】
次に、上記のように構成された本実施の形態に係る弾性体16及び外筒部材24の製造方法を説明する。
【0031】
弾性体16の製造時には、弾性体16の形状に対応するキャビティが形成された弾性体成形用モールド(図示省略)内における所定の位置へ頂板12及びインサート金具36がそれぞれセットされる。このモールド内には、溶融状態とされると共に硫黄等の加硫剤が添加された原料ゴムが注入される。このモールド内の原料ゴムが冷却硬化することにより、弾性体16のモールド成形が完了すると同時に、弾性体16の頂板12及びインサート金具36への加硫接着も完了する。
【0032】
ここで、原料ゴムとしては、例えば、NR(天然ゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)等を用いることができる。なお、弾性体16の吸振部18の外周面から薄肉状のゴム膜を延出させ、このゴム膜によりインサート金具36の外周面を被覆するようにしてもよい。
【0033】
また外筒部材24の製造時には、外筒部材24及びフランジ部26の形状に対応するキャビティが形成された外筒部材成形用モールド(図示省略)内における所定の位置へインサート金具36がセットされる。このモールド内には、溶融状態とされた樹脂が注入される。このモールド内の溶融樹脂が冷却硬化することにより、外筒部材24及びフランジ部26のモールド成形が完了する。このとき、インサート金具36は外筒部材24をモールド成形する際のコアとなり、インサート金具36は、外周面が硬化樹脂により鋳ぐるまれた状態となり、インサート金具36の一対のインサート固定部38,40は外筒部材24の内周側から周壁部内へ埋設(インサート)される。また外筒部材成形用モールド内には、インサート金具36と共にインサートリング28もセットされ、インサートリング28はフランジ部26内へ埋設される。
【0034】
ここで、外筒部材24及びフランジ部26の素材となる樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリイミド等を用いることができる。
【0035】
次に、本実施形態に係る防振装置10の作用を説明する。
【0036】
本実施形態の防振装置10では、エンジンからの振動が頂板12を介して弾性体16の吸振部18へ伝達されると、吸振部18は吸振主体として作用し、吸振部18の弾性変形に伴った内部摩擦に基づく制振機能によって振動が吸収される。さらに、弾性体16の吸振部18の弾性変形によって主液室52が拡縮すると共に副液室65の隔壁を構成するダイヤフラム64が弾性変形して、主液室52及び副液室65内の液体が制限通路56を通って相互に流通し、制限通路56により形成されたオリフィス空間に生ずる液体の圧力変化、液体流動の粘性抵抗及び液柱共振等に基づく減衰作用でエンジンからの振動が効果的に吸収される。
【0037】
以上説明した本実施の形態に係る防振装置10によれば、外筒部材24の内周面に沿って配置されるインサート金具36に外筒部材24の内径より大径とされた一対のインサート固定部38,40が設けられ、インサート金具36の一対のインサート固定部38,40が外筒部材24内へ埋設されていることにより、インサート金具36により樹脂製の外筒部材24の内周面が覆われると共に、一対のインサート固定部38,40によってインサート金具36を外筒部材24へ固定できるので、ゴム製の弾性体16を加硫接着によりインサート金具36へ固着し、このインサート金具36を介して弾性体16を樹脂製の外筒部材24へ連結できる。従って、弾性体16をモールド成形する際に、前述したように弾性体成形用モールド内にインサート金具36を予めインサートしておけば、モールド内での原料ゴムの硬化と同時に弾性体16をインサート金具36へ加硫接着できるので、インサート金具36を介して弾性体16を外筒部材24へ連結できる。
【0038】
また液室52,68内の液体がインサート金具36の隔離部37によって外筒部材24から隔離されているので、水、油、エチレングリコール等の液体が樹脂製の外筒部材24へ直接触れず、液体と長時間触れることによる樹脂製の外筒部材24の膨潤等が防止されている。
【0039】
なお、本実施の形態時の防振装置10では、インサート金具36へ一対のインサート固定部38,40を設けた場合のみを説明したが、インサート金具36のインサート固定部は軸方向に沿って複数設けられていればよく、インサート固定部38,40の中間部に1又は2以上のインサート固定部を追加して設けるようにしてもよい。
【0040】
(第2の実施の形態)
図4及び図5には、本願発明を所謂ブッシュタイプの防振装置80へ適用した場合の実施の形態が示されている。なお、図中符号Oは装置の中心線を示し、この中心線に沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行う。
【0041】
防振装置80は、図4に示されるように肉厚円筒状の外筒部材82を備えている。外筒部材82は樹脂によって形成されており、外筒部材82の外周面へ嵌挿される連結金具(図示省略)を介して振動受部である車体側へ連結される。外筒部材82の内周側にはパイプ状の取付金具84が平行軸的に配置されている。取付金具84は金属によって形成されており、その内周側を挿通する連結軸(図示省略)を介して振動発生部であるエンジン側へ連結されている。
【0042】
外筒部材82と取付金具84との間には、図4に示されるように弾性体86が配置されている。弾性体86は軸方向から見て下方へ向かって開いた略V字状に形成されている。弾性体86の中心部には円形断面の嵌挿穴88が軸方向に沿って貫通しており、この嵌挿穴88は、取付金具84の外周面へ嵌挿しその内周面が取付金具84の外周面へ加硫接着されている。これにより、弾性体86は取付金具84へ固着されている。また弾性体86には、取付金具84を略中心として径方向へ延出する一対の連結部90が形成されている。これらの連結部90は、それぞれ外筒部材82の内周側に配置された金属製のインサート金具92へ固着されている。
【0043】
インサート金具92は、図5に示されるように薄肉円筒状に形成されている。インサート金具92には軸方向中間部に円筒状の中間円筒部94が設けられており、この中間円筒部94の内周面には弾性体86の連結部90の先端面が加硫接着されている。また中間円筒部94の外周面は外筒部材82の内周面に圧着している。
【0044】
インサート金具92の軸方向両端部には、図5に示されるようにインサート固定部96がそれぞれ形成されている。これらのインサート固定部96は、中間円筒部94の軸方向端部から外周側へ延出するフランジ部98と、このフランジ部98の延出端から軸方向外側へ伸びた円筒部100を備えている。円筒部100は、図5に示されるように外筒部材82の内径より大きい外径を有しており、フランジ部98及び円筒部100は、内周面側から外筒部材82の内部へ埋設されている。従って、インサート金具92は、一対のインサート固定部96により外筒部材82の周壁部を軸方向に沿って挟持している。これにより、インサート金具92は軸方向において外筒部材82へ固定される。
【0045】
またインサート金具92と外筒部材82とは互いに隙間なく圧着しているので、インサート金具92は、摩擦力によって中心線Oを中心とする周方向においても外筒部材82へ固定されるが、インサート金具92の周方向に沿った一部を非円形として周方向における固定強度を更に高めるようにしてもよい。
【0046】
弾性体86はインサート金具92を介して外筒部材82へ連結されており、弾性体86は、図4に示されるように外筒部材82内に取付金具84を平行軸的になるよう支持している。取付金具84は、その内周部を挿通する連結軸(図示省略)を介して振動発生部であるエンジン側へ連結される。これにより、取付金具84には、エンジンからの振動及びエンジン自重による荷重が入力する。このとき、取付金具84へエンジン自重による荷重が作用し、弾性体86の連結部90が弾性変形することにより、取付金具84は外筒部材82に対して略同軸的となる位置へ保持される。
【0047】
インサート金具92の内周面には、図4に示されるようにゴム製のストッパ部材102が加硫接着されている。ストッパ部材102は、中心線Oに対する径方向に沿って取付金具84の上方へ配置されている。これにより、エンジン側から過大な荷重が入力し、取付金具84が上方へリバウンドした際には、取付金具84は弾性体86を介してストッパ部材102へ当たって上方への移動が制限される。
【0048】
次に、上記のように構成された本実施の形態に係る弾性体86、ストッパ部材102及び外筒部材82の製造方法を説明する。
【0049】
弾性体86の製造時には、弾性体86の形状に対応するキャビティが形成された弾性体成形用モールド(図示省略)内における所定の位置へ取付金具84及びインサート金具92がそれぞれセットされる。このモールド内には、溶融状態とされると共に硫黄等の加硫剤が添加された原料ゴムが注入される。このモールド内の原料ゴムが冷却硬化することにより、弾性体86のモールド成形が完了すると同時に、弾性体86の取付金具84及びインサート金具92への加硫接着も完了する。
【0050】
またストッパ部材102は、インサート金具92の内周面へ密着させたストッパ部材成形用モールド(図示省略)内へ加硫剤が添加された原料ゴムが注入され、弾性体86と同様に成形されると共にインサート金具92へ加硫接着される。なお、ストッパ部材102に弾性体86への接続部を設けてストッパ部材102と弾性体86とを共通のモールドにより同時に成形することも可能である。
【0051】
また外筒部材82の製造時には、外筒部材82の形状に対応するキャビティが形成された外筒部材成形用モールド(図示省略)内における所定の位置へインサート金具92がセットされる。このモールド内には、溶融状態とされた樹脂が注入される。このモールド内の溶融樹脂が冷却硬化することにより、外筒部材82のモールド成形が完了する。このとき、インサート金具92は外筒部材82をモールド成形する際のコアとなる。これにより、インサート金具82は、外周面が硬化樹脂により鋳ぐるまれた状態となり、インサート金具82の一対のインサート固定部96は外筒部材82の内周側から周壁部内へ埋設(インサート)される。
【0052】
次に、本実施形態に係る防振装置80の作用を説明する。
【0053】
本実施形態の防振装置80では、エンジンからの振動が取付金具84を介して弾性体86へ伝達されると、弾性体86は吸振主体として作用し、主として連結部90が弾性変形する際の内部摩擦に基づく制振機能によって振動が吸収される。このとき、弾性体86における周方向に沿った連結部90の肉厚や水平方向に対する連結部90の傾斜角度等を適宜調整することにより、弾性体86の垂直方向におけるばね定数と水平方向におけるばね定数の大きさ及び、それらのばね定数の比をそれぞれ入力振動に対応して設定でき、エンジン側からの振動を効果的に減衰できるようになる。
【0054】
以上説明した本実施の形態に係る防振装置80によれば、第1の実施の形態に係る防振装置10と同様の効果を得られると共に、ゴム製のストッパ部材102を加硫接着によりインサート金具92へ固着できるので、ストッパ部材102をモールド成形する際にインサート金具92をモールドの一部とすれば、モールド内での原料ゴムの硬化と同時にストッパ部材102をインサート金具92へ加硫接着できる。従って、ストッパ部材102を接着剤による接着作業を行うことなくインサート金具92へ固着できる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の防振装置によれば、接着剤を用いた樹脂製の外筒部材とゴム製の弾性体との接着作業を不要にできると共に、外筒部材と弾性体とを簡単な作業で連結できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る防振装置の構成を示す軸方向に沿った断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係る防振装置を軸方向に沿って分解した状態を示す断面図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態に係る防振装置におけるインサート金具及びかしめ部材を示す斜視図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態に係る防振装置を軸方向から見た正面図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態に係る防振装置の構成を示す軸方向に沿った断面図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態に係る防振装置におけるインサート金具へ弾性体及びストッパ部材が固着された状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 防振装置
12 頂板(取付部材)
14 ボルト軸(取付部材)
16 弾性体
24 外筒部材
20 支持円筒(第2の取付部材)
36 インサート金具
38 インサート固定部
40 インサート固定部
80 防振装置
82 外筒部材
84 取付金具(取付部材)
92 インサート金具
86 弾性体
96 インサート固定部
102 ストッパ部材

Claims (2)

  1. 振動発生部及び振動受部の一方に連結される取付部材と、
    樹脂により円筒状に形成され、振動発生部及び振動受部の他方に連結される外筒部材と、
    前記外筒部材の内径より大径とされたインサート固定部が軸方向に沿って複数設けられ、前記複数のインサート固定部により外筒部材を挟持すると共に前記外筒部材の内周面に沿って配置されるインサート金具と、
    前記取付部材に連結されると共に前記インサート金具へ固着されるゴム製の弾性体と、
    を有し、
    前記インサート固定部の外周端部は、前記外筒部材の内部に埋設されていること、を特徴とする防振装置。
  2. 振動発生部及び振動受部の一方に連結される取付部材と、
    樹脂により円筒状に形成され、振動発生部及び振動受部の他方に連結される外筒部材と、
    前記外筒部材の内径より大径とされたインサート固定部が軸方向に沿って複数設けられ、前記複数のインサート固定部により外筒部材を挟持すると共に前記外筒部材の内周面に沿って配置されるインサート金具と、
    前記取付部材に連結されると共に前記インサート金具へ固着されるゴム製の弾性体と、
    を有し、
    前記インサート金具には、前記外筒部材の内周側へ支持された前記取付部材の径方向への移動を制限するゴム製のストッパ部材が固着されたことを特徴とする防振装置。
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