JP2007205373A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運搬中や取り扱い時に内輪が外輪に対して分離しない非分離構造としながら、組立時にボールに擦り傷が発生するのを防止して軸受長寿命化を可能とする車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】 この車輪用軸受装置は、複列外向きアンギュラ玉軸受型とされ、外輪1の軌道面4に隣接して、内径面が外輪軌道面4の溝底径よりも内径側に突出したカウンタボア部9を有する。前記カウンタボア部9の内径面9aの表面粗さを3.2Ra以下とした。
【選択図】 図2

Description

この発明は、自動車等の車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置に関する。
この種の車輪用軸受装置の一例(例えば特許文献1)を図9に示す。この車輪用軸受装置は、第1世代に分類される複列外向きアンギュラ玉軸受型のものであり、内周に複列の軌道面54を有する外輪51と、これら軌道面54にそれぞれ対向する軌道面55を有する内輪52と、これら複列の軌道面54,55間に介在する複列のボール53とを備える。内輪52は2つの個別内輪52Aを軸方向に並べたものであり、ボール53は各列毎に保持器56で保持されている。外輪51と内輪52の間に形成される環状空間の両端は、一対のシール57,58で密封される。
このように、転動体としてボールを用いた車輪用軸受装置では、搬送途中および自動車メーカーの組立工程において、内輪が分離しない非分離構造が採用される。上記車輪用軸受装置の場合、非分離構造として、
(1)外輪51および内輪52に、軌道面54,55に隣接して軌道面54,55の溝底径よりも突出したカウンタボア部59,60が設けられ、軌道面54,55間に介在するボール53が軸方向に抜脱するのをカウンタボア部59,60で阻止するようにしている。
車輪用軸受装置の非分離構造の他の例として、
(2)外輪にカウンタボア部を設けると共に、保持器の内径面に設けた爪を内輪に係合させ、ボールを介在させることにより非分離としたもの、
(3)軸方向に並んで内輪を構成する2つの個別内輪を連結リングで止めることで非分離としたもの、
等も知られている。これらの非分離構造のうち、(1)や(2)の構造が、経済性、組立性の観点から広く採用されている。
上記(1),(2)の非分離構造を採用するには外輪に溝底径よりも突出したカウンタボア部を設けることが不可欠の条件となる。この場合は、軸受組立工程において、ボール・保持器のアッセンブリが外輪カウンタボア部を通過して軸受軌道部に挿入される。すなわち、図9の車輪用軸受装置の場合、軸受組立工程は以下の通りである。
a)外輪51の内径面側にボール53と保持器56のアッセンブリを挿入。
b)軸受内輪52Aを挿入。
c)グリースを封入。
d)シール57,58を圧入。
特開平10−260195号公報
ところで、上記軸受組立工程において、ボール・保持器アッセンブリを外輪51の内径面側に挿入する場合、図10に拡大して示すように外輪51のカウンタボア部59をボール53が通過するが、通常、カウンタボア部59の内径面59aは旋削加工であるため、送りに伴う加工痕が残っている。その結果、ボール53が、旋削加工痕を有するカウンタボア部内径面59aを通過する際に、ボール表面に擦り傷が発生することがある。この傷は、軸受回転時に軌道輪に対して有害であり、軸受短寿命の原因となる。現行、上記のようなカウンタボア部59の内径面59aは、表面粗さ6.3Ra程度で加工され、ボール53が通過する際、ボール53の表面に約0.6μmの傷が付くことが確認されている。
この発明の目的は、運搬中や取り扱い時に内輪が外輪に対して分離しない非分離構造としながら、組立時にボールに擦り傷が発生するのを防止して軸受長寿命化を可能とできる車輪用軸受装置を提供することである。
この発明の車輪用軸受装置は、複列外向きアンギュラ玉軸受型とされ、外輪の軌道面に隣接して、内径面が外輪軌道面の溝底径よりも内径側に突出したカウンタボア部を有する車輪用軸受装置において、前記カウンタボア部の内径面の表面粗さを3.2Ra以下としたことを特徴とする。
この構成によると、カウンタボア部が外輪軌道面の溝底径よりも内径側に突出しているため、内輪が外輪に対して分離しない非分離構造とできる。カウンタボア部は外輪軌道面の溝底径よりも内径側に突出しているが、カウンタボア部の内径面は、その表面粗さを3.2Ra以下としているから、組立工程におけるボール・保持器アッセンブリの挿入で、ボールに擦り傷が発生するのを防止できる。そのため、組立時に擦り傷が発生したボールが起因となる車輪用軸受装置の短寿命化を回避することができる。因みに、上記表面粗さが3.2Raを超えると、組立時にボールに擦り傷が発生し易い傾向となる。
この発明において、前記カウンタボア部の内径面が、成形バイトにより送りをかけずに加工したものであっても良い。このように、カウンタボア部の内径面を成形バイトにより送りをかけずに加工したものとすることにより、従来残っていた旋削加工痕を無くすことができて、その表面粗さを容易に3.2Ra以下とすることができる。そのため、上記組み立て時におけるボールの擦り傷の発生をより確実に抑え、車輪用軸受装置の長寿命化を可能とする。
この発明の車輪用軸受装置の製造方法は、複列外向きアンギュラ玉軸受型とされ、外輪の軌道面に隣接して、内径面が外輪軌道面の溝底径よりも内径側に突出したカウンタボア部を有する車輪用軸受装置の製造方法であって、前記カウンタボア部の内径面を、成形バイトにより送りをかけずに加工して、表面粗さを3.2Ra以下とすることを特徴とする。
この方法によると、内外輪が分離しない非分離構造でありながら、組立時にボールに擦り傷が発生するのを防止して、軸受の長寿命化が可能な車輪用軸受装置が製造できる。また、前記カウンタボア部の内径面を、成形バイトにより送りをかけずに加工するから、従来残っていた旋削加工痕を無くすことができて、表面粗さを容易に3.2Ra以下とすることができる。したがって、車輪用軸受装置の組立時に、ボールに擦り傷が発生するのをより確実に防止できる。
この発明の車輪用軸受装置は、複列外向きアンギュラ玉軸受型とされ、外輪の軌道面に隣接して、内径面が外輪軌道面の溝底径よりも内径側に突出したカウンタボア部を有する車輪用軸受装置において、前記カウンタボア部の内径面の表面粗さを3.2Ra以下としたため、運搬時や取り扱い時に内輪が分離しない非分離構造としながら、組立時にボールに擦り傷が発生するのが防止され、軸受長寿命化が可能となる。
この発明の車輪用軸受装置の製造方法は、複列外向きアンギュラ玉軸受型とされ、外輪の軌道面に隣接して、内径面が外輪軌道面の溝底径よりも内径側に突出したカウンタボア部を有する車輪用軸受装置の製造方法であって、前記カウンタボア部の内径面を、成形バイトにより送りをかけずに加工して、表面粗さを3.2Ra以下とするので、内外輪が分離しない非分離構造でありながら、組立時にボールに擦り傷が発生するのを防止して軸受長寿命化を可能とする車輪用軸受装置が製造でき、また、カウンタボア部の内径面の表面粗さを確実に3.2Ra以下とすることができる。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図4と共に説明する。この実施形態の車輪用軸受装置Aは、第1世代に分類される複列外向きアンギュラ玉軸受型のものである。この車輪用軸受装置Aは、内周に複列の軌道面4を有する外輪1と、これら軌道面4にそれぞれ対向する軌道面5を有する内輪2と、これら複列の軌道面4,5間に介在する複列のボール3とを備える。内輪2は、2つの個別内輪2Aを軸方向に並べたものである。ボール3は、各列毎に保持器6で保持されている。内外輪2,1間に形成される環状空間の両端は一対のシール7,8で密封されている。
外輪1の内径面には、各列の軌道面4に隣接して軌道面4の溝底径より内径側に突出したカウンタボア部9が設けられ、かつ内輪2の外径面に、各列の軌道面5に隣接した軌道面5の溝底径より外径側に突出したカウンタボア部39が設けられている。各カウンタボア部9,39は、一般的なアンギュラ玉軸受で設けられる各軌道面4,5の溝底と同径のカウンタボア部よりも、内径側または外径側へそれぞれ突出する段差部として設けられたものである。これらカウンタボア部9,39により、軌道面4,5間に介在するボール3が軸方向に抜脱するのを阻止するようにしている。
図2は、図1における外輪1の左端側を拡大して示す。同図において、外輪2の各カウンタボア部9の内径面9aはバイト送り速度を遅くすることによって表面粗さが3.2Ra以下に加工された旋削加工面とされている。外輪1の内径面における各カウンタボア部9よりも端部側には、カウンタボア部9の内径よりも大径のシール取付用面1aが形成され、これらのシール取付用面1aに前記シール7,8が取付られる。すなわち、図2においてシール取付用面1aの溝部1aaの内径側に突出する肩部として左列側のカウンタボア9が設けられている。右列側のカウンタボア部9とシール取付用面1aの関係については拡大図を省略するが、前記した左列側と同様の構造とされている。
なお、図1の右側のシール8は、シール部材8Aと、このシール部材8Aが摺接するスリンガ8Bとでなり、シール部材8Aが外輪1の前記シール取付用面1aに取付けられている。スリンガ8Bは軸受内輪2Aの外径面に取付けられ、回転検出用の磁気エンコーダ40が一体に設けられている。
この構成の車輪用軸受装置Aは、上記のように外・内輪1,2のカウンタボア部9,39により、軌道面4,5間に介在するボール3が軸方向に抜脱するのが阻止され、これにより、搬送途中および自動車メーカーの組立工程において、内輪2が外輪1に対して分離しない非分離構造とされる。
この車輪用軸受装置Aの組み立ては、ボール3と保持器6のアッセンブリを外輪1の各列の軌道面4に挿入してから、各列に対応する各軸受内輪2Aを挿入する。ついで、グリースを封入した後に、シール7,8を圧入するという工程で行われる。この組立工程におけるボール・保持器アッセンブリの挿入では、例えば外輪1の左端側からの挿入例を示す図3のように、ボール3が外輪1のカウンタボア部9を通過する。このとき、カウンタボア部9の内径面9aは、成形バイトにより表面粗さが3.2Ra以下に加工された旋削加工面とされていて、旋削の加工痕が小さくなっているので、ボール3に擦り傷が発生するのを防止できる。このように、組立工程でのボール3の擦り傷発生をなくすことができるため、ボール3の擦り傷によって車輪用軸受装置Aが短寿命化するのを回避することができる。
図4(A)(B)は、外輪1のカウンタボア部9の内径面9aを旋削加工する際の、内径面9aの加工状態を模式的に示している。図4(A)は、バイト20の送り速度を遅くして(0.2mm/rev以下)、内径面9aを旋削加工する場合を、図4(B)は、バイト20の送り速度を従来のような速度(0.3mm/rev以上)にして内径面9aを旋削加工する場合を、それぞれ示している。図4(A)でのバイト20の送りによるリード目の山部はなくならないが、山の高さが低くなり、表面粗さが改善される。また、この場合のリード目ピッチpは、図4(B)でのバイト20の送りによるリード目ピッチPに比べて大幅に小さいことが理解される。このように、バイト20の送り速度遅くすることによって、旋削の加工痕が小さくなる。表1に、バイト送り速度と、カウンタボア部9の内径面9aの表面粗さ、および軸受装置の組立の際に生じるボール3の擦り傷の深さを検証した結果を示す。
Figure 2007205373
表1から、バイト送り速度を0.2mm/rev以下とすると、カウンタボア部9の内径面9aの表面粗さが3.3Ra以下となり、すなわち、上記加工痕が小さくなり、軸受装置Aの組立時にボール3に擦り傷が発生しなくなることが理解される。
図5は、外輪1のカウンタボア部9の内径面9aを旋削加工面とする加工方法の別の例を示す模式図である。この加工方法では、外輪1のカウンタボア部9の内径面9aを、この内径面9aからシール取付用面1aの溝部1aaに連なる溝肩部1abと共に、同じ成形バイト30の各部分で同時に旋削する。成形バイト30は、これら内径面9aおよび溝肩部1abの仕上がり状態の断面形状に沿う断面形状の外径面を持つものであり、これらの被加工面に対して送りをかけずに旋削がなされる。このように、送りをかけずに加工することで、バイト送りに伴うリード目が発生することがなくなるため、表面粗さを容易に3.3Ra以下とすることができ、軸受装置Aの組立時にボール3に擦り傷が発生することが回避でき、軸受装置Aの短寿命化するのを回避することができる。同じ成形バイト30で、カウンタボア部9の内径面9aを、溝肩部1abと共に同時旋削するため、施削加工時に内径面9aおよび溝肩部1abの相互間で軸心等のずれが生じることが回避され、これら被加工面の相互間の精度が高精度化される。また、同時旋削によって、加工工数の削減につながり、コストの低減化に寄与する。
図6は、この発明の他の実施形態を示す。この車輪用軸受装置Bは、第2世代に分類される複列外向きアンギュラ玉軸受型であり、外輪回転タイプでかつ従動輪支持用のものである。この車輪用軸受装置Bは、内周に複列の軌道面4を有するハブ輪となる外輪1と、これら軌道面4にそれぞれ対向する軌道面5を有する内輪2と、これら複列の軌道面4、5間に介在する複列のボール3とを備える。外輪1は、外周に車輪取付用のフランジ1bを有する。車両への取付けにおいて、前記フランジ1bには、そのボルト挿通孔12に圧入固定されたハブボルト13、およびこのハブボルト13に螺合するハブナット(図示せず)により、ブレーキ装置のブレーキロータと車輪(いずれも図示せず)とが重ねて取付けられる。内輪2が2つの個別内輪2Aを軸方向に並べたものであることは、先の実施形態の場合と同じである。この内輪2の内径面に車軸(図示せず)が固定される。ボール3は、各列毎に保持器6で保持されている。内外輪2,1間に形成される環状空間の両端は一対のシール7,8で密封されている。
この車輪用軸受装置Bにおいても、内輪非分離構造として、外輪1の各列の軌道面4に隣接して、軌道面4の溝底径よりも内径側に突出したカウンタボア部9が設けられ、また内輪2の各列の軌道面5に隣接して、軌道面5の溝底径よりも外径側に突出したカウンタボア部39が設けられる。外輪1のカウンタボア部9の内径面が表面粗さ3.2Ra以下の旋削加工面とされることは図1の実施形態と同じである。
図7は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の車輪用軸受装置Cは、第3世代に分類される複列外向きアンギュラ玉軸受型であり、内輪回転タイプでかつ駆動輪支持用のものである。この車輪用軸受装置Cは、内周に複列の軌道面4を有する外輪1と、これら各軌道面4に対向する軌道面5を有する内輪2と、これら内外輪2,1の軌道面4,5間に介在した複列のボール3とを備える。ボール3は、各列毎に保持器6で保持されている。内外輪2,1間に形成される環状空間の両端は、一対のシール7,8によりそれぞれ密封されている。
外輪1は固定側の部材となるものであって、車体取付フランジ(図示せず)を外周に有し、その車体取付フランジが車体に設置されたナックルにボルト(いずれも図示せず)で締結される。内輪2は回転側の部材となるものであって、外周に車輪取付用のフランジ10aを有するハブ輪10と、このハブ輪10のインボード側端の外周に嵌合した個別内輪11とでなる。前記複列の軌道面5におけるアウトボード側列の軌道面5がハブ輪10に、インボード側列の軌道面5が個別内輪11にそれぞれ形成されている。ハブ輪10はインボード側端の外周に段差部とされた内輪嵌合面10bを有し、この内輪嵌合面10bに個別内輪11が嵌合する。ハブ輪10のフランジ10aには、そのボルト挿通孔12に圧入されたハブボルト13、およびこのハブボルト13に螺合するハブナット(図示せず)により、ブレーキ装置のブレーキロータと車輪(いずれも図示せず)とが重ねて取付けられる。
ハブ輪10は中央孔19を有し、この中央孔19に、等速ジョイント14の片方の継手部材となる外輪15のステム部15aが挿通されてスプライン嵌合され、ステム部15aの先端に螺合するナット16の締め付けにより、等速ジョイント外輪15が内輪2に結合される。このとき、等速ジョイント外輪15に設けられたアウトボード側に向く段面15bが、個別内輪11のインボード側に向く端面11aに押し付けられ、等速ジョイント外輪15とナット16とで内輪2が幅締めされる。
この車輪用軸受装置Cにおいては、外輪1に挿入したボール・保持器アッセンブリが軸受組立工程で外輪1から脱落しないように、外輪1の各列の軌道面4に隣接して、軌道面4の溝底径よりも内径側に突出したカウンタボア部9が設けられる。外輪1のカウンタボア部9の内径面が表面粗さ3.2Ra以下の旋削加工面とされることは図1の実施形態の場合と同じである。
図8は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の車輪用軸受装置Dは、第4世代に分類される複列外向きアンギュラ玉軸受型であり、内輪回転タイプでかつ駆動輪支持用のものである。この車輪用軸受装置Dは、内周に複列の軌道面4を有する外輪1と、これら各軌道面4に対向する軌道面5を有する内輪2と、これら内外輪2,1の軌道面4,5間に介在した複列のボール3とを備える。ボール3は、各列毎に保持器6で保持されている。内外輪2,1間の環状空間の両端は、一対のシール7,8によりそれぞれ密封されている。
外輪1は固定側の部材となるものであって、車体取付フランジ1cを外周に有し、その車体取付フランジ1cのボルト挿通孔17を貫通するナックルボルト(図示せず)により、車体取付フランジ1cが車体に設置されたナックル(図示せず)に締結される。
内輪2は回転側の部材となるものであって、アウトボード側端に車輪取付用のフランジ10aを有するハブ輪10と、このハブ輪10の中央孔19に挿入されて嵌合する等速ジョイント外輪15とでなる。前記複列の軌道面5におけるアウトボード側列の軌道面5がハブ輪10に、インボード側列の軌道面5が等速ジョイント外輪15にそれぞれ形成されている。ハブ輪10の内径面は凹凸21を形成して焼入れしてあり、等速ジョイント外輪15の中空となったステム部を拡径加締することで、ハブ輪10と等速ジョイント外輪15とが結合されている。ハブ輪10のフランジ10aには、そのボルト挿通孔12に圧入固定されたハブボルト13、およびこのハブボルト13に螺合するハブナット(図示せず)により、ブレーキ装置のブレーキロータと車輪(いずれも図示せず)とが重ねて取付けられる。
この車輪用軸受装置Dにおいても、車輪用軸受装置Cと同様に外輪1に挿入したボール・保持器アッセンブリが軸受組立工程で外輪1から脱落しないように、外輪1の各列の軌道面4に隣接して、軌道面4の溝底径よりも内径側に突出したカウンタボア部9が設けられる。外輪1のカウンタボア部9の内径面が表面粗さ3.2Ra以下の旋削加工面とされることは図1の実施形態の場合と同じである。
なお、車輪用軸受装置の形態は、図例のものに限定されず、複列外向きアンギュラ玉軸受型であって、内外輪が分離しない非分離構造の車輪用軸受装置であれば、この発明が適用されることは言うまでもない。
この発明の第1の実施形態にかかる車輪用軸受装置の断面図である。 同車輪用軸受装置における外輪の一端部の拡大断面図である。 同車輪用軸受装置の組立工程における外輪へのボール・保持器アッセンブリ挿入説明図である。 (A )(B )はカウンタボア部の内径面を旋削加工する際の、内径面の状態を模式的に示す図であり、(A)はバイトの送り速度を遅くした場合を、(B)はバイトの送り速度を従来の速度とした場合を、それぞれ示している。 カウンタボア部内径面の旋削加工方法の一例を示す説明図である。 この発明の他の実施形態にかかる車輪用軸受装置の断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる車輪用軸受装置の断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる車輪用軸受装置の断面図である。 従来例の断面図である。 同従来例の組立工程における外輪へのボール・保持器アッセンブリ挿入説明図である。
符号の説明
1…外輪
2…内輪
3…ボール
4…外輪軌道面
5…内輪軌道面
9…カウンタボア部
9a…カウンタボア部の内径面
20…バイト
30…成形バイト
A…車輪用軸受装置
B…車輪用軸受装置
C…車輪用軸受装置
D…車輪用軸受装置

Claims (2)

  1. 複列外向きアンギュラ玉軸受型とされ、外輪の軌道面に隣接して、内径面が外輪軌道面の溝底径よりも内径側に突出したカウンタボア部を有する車輪用軸受装置において、
    前記カウンタボア部の内径面の表面粗さを3.2Ra以下としたことを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 請求項1において、前記カウンタボア部の内径面が、成形バイトにより送りをかけずに加工したものである車輪用軸受装置。
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