JP2006007910A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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孝康 田窪
Yasuhiro Aritake
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Abstract

【課題】
車輪取付フランジの形状を抜本的に変更して大幅な小型・軽量化を図ると共に、ハブボルトの固定力を安定化させて信頼性を高めた車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】
内周に複列の外側転走面2aが形成された外方部材2と、一端部に車輪取付フランジ6を一体に有し、外周に内側転走面4aと、これから軸方向に延びる小径段部4bが形成されたハブ輪4、および小径段部4bに圧入され、外周に内側転走面5aが形成された内輪5とからなる内方部材1を備え、車輪取付フランジ6が、ボルト挿通孔8の近傍を除く部分を切欠いて、この形成部分と略同じ幅でもって基部から放射状に突出する複数の部分フランジ6aが形成されると共に、この部分フランジ6aが、肉厚をh、幅をD、ボルト挿通孔の直径をdとした時、ボルト挿通孔周りの肉厚が、h{1−(d/D)}/d≧0.335となるように設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置、詳しくは、車輪取付フランジに植設されるハブボルトの固定力を高めた車輪用軸受装置に関するものである。
近年、省資源あるいは公害等の面から燃費向上に対する要求は厳しいものがある。自動車部品において、中でも車輪軸受装置の軽量化はこうした要求に応える要因として注目され、強く望まれて久しい。特に、自動車等の車両の中でも軽四輪あるいはスモールカーをはじめとした軽車両においては、低コスト化は言うまでもなく、この軽量化に対する要求は益々増大してきている。従来から軽量化を図った車輪用軸受装置に関する提案は種々のものがあるが、それと共に車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置においては、この軽量化と一面では相反するNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)を抑制させることも重要な要因となっている。
このNVHの中でも特に、車両の低速走行時にブレーキを作動させた時に発生する低周波の不快な騒音、所謂ブレーキジャダーに関しては、未だその明確な原因が究明されていないが、一つの要因として、ホイールハブおよびブレーキロータの固定力不足が指摘されている。これらのホイールハブおよびブレーキロータは、ハブ輪の車輪取付フランジに植設されたハブボルトによって固定されているが、この固定力が弱いと低速走行時の比較的弱いブレーキ操作によってビビリ振動が発生し、この振動に誘引されてブレーキジャダーが発生するものと考えられている。
そこで、このハブボルトの固定力を増大させるために、図4に示すように、ハブボルト51の首部外周面にセレーション52が形成されると共に、車輪取付フランジ53のボルト挿通孔54の内周面にも前記セレーション52に対応するセレーション55が形成され、ハブボルト51をこのボルト挿通孔54に嵌着させたものである。
ここで、56はホイールハブ、57はブレーキロータ、58は駆動車軸、59は等速自在継手、60は車輪用軸受装置である。この車輪用軸受装置60は、外周に車体取付フランジ61を一体に有する外方部材62と、この外方部材62に複列の転動体(ボール)63を介して内挿された内方部材64とからなる。また、内方部材64は、一端部に車輪取付フランジ53を一体に有するハブ輪65と、このハブ輪65に圧入された内輪66とからなる。
ところが、この種のハブボルト51の固定方法は、ハブボルト51のセレーション52をボルト挿通孔54のセレーション55に係合させると共に、歯先の一部をボルト挿通孔54の内周面に食い込ませてボルト抜け力とボルトスリップトルクを確保するものであるため、各セレーション52、55の寸法精度が重要な要因となる。この寸法精度、例えば、セレーション52、55にピッチ誤差があると反って固定力が減少してしまう問題があった。
こうした問題を解決するために、本出願人は、図5に示すようなハブボルトの固定方法を提案している。すなわち、ハブボルト67の頭部外周面に一つの平坦面68を形成して異形頭部とする共に、車輪取付フランジ69のボルト挿通孔70の縁部近傍に、この平坦部68に係合してハブボルト67の回転を拘束する凸部71を形成したものである。
これにより、ハブボルト67の固定力は増大し、従来のように車輪取付フランジ53のボルト挿通孔54の内周面を塑性変形させてハブボルト51の結合力を高めたものと比較して車輪取付フランジ69の歪みもなく、ブレーキジャダーの発生を抑制することができる。
特開2001−191715号公報
しかしながら、このような従来の車輪用軸受装置では、ハブボルト67の平坦面68と凸部71との位相を合わせてハブボルト67を車輪取付フランジ69のボルト挿通孔70に嵌挿する必要があり、組立作業が煩雑になるばかりでなく、自動化の妨げとなって量産に不向きである。また、平坦面68と凸部71間に必然的にすきまが生じるため、この凸部71を塑性変形させてすきまを殺すと言った手段が余儀なくされていた。さらに、この凸部71は明らかに軽量化を著しく阻害する要因となっていた。
最近では軽量化を狙って車輪取付フランジのスリム化が進み、例え1gの除肉でさえも要求される市場となっている。従来、ハブ輪等をスリム化した車輪用軸受装置であっても減肉量はせいぜい0.1〜0.2kg程度で、これ以上の軽量化は、ハブ輪等の強度・耐久性に問題が生じてくると言われおり、装置の総重量としては1.3〜1.4kgが限界であった。したがって、総重量が1.0kg、さらには1.0kg以下の車輪用軸受装置は、特殊な車両以外に自動車用として未だ市場にはない。こうした市場の要求を満たすためには、既成概念に囚われず車輪取付フランジの形状等の抜本的な見直しと、それに付随する各部位の形状・構造を再検討する必要があった。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、車輪取付フランジの形状を抜本的に変更して大幅な小型・軽量化を図ると共に、ハブボルトの固定力を安定化させて信頼性を高めた車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記内方部材または外方部材のいずれか一方が車輪取付フランジを有すると共に、この車輪取付フランジにボルト挿通孔が穿設され、首部にセレーションが形成されたハブボルトがこのボルト挿通孔に圧入された車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジが、前記ボルト挿通孔の近傍を除く部分を切欠いて、円周方向に離れた複数の部分フランジに分割して形成されると共に、前記部分フランジが、その肉厚をh、幅をDとし、前記ボルト挿通孔の直径をdとした時、当該ボルト挿通孔周りの肉厚が、h{1−(d/D)}/d≧0.335となるように設定されている構成を採用した。
このように、車輪取付フランジが、ボルト挿通孔の近傍を除く部分を切欠いて、円周方向に離れた複数の部分フランジに分割して形成されると共に、部分フランジが、その肉厚をh、幅をDとし、ボルト挿通孔の直径をdとした時、当該ボルト挿通孔周りの肉厚が、h{1−(d/D)}/d≧0.335となるように設定されているので、大幅な小型・軽量化を達成することができると共に、車輪取付フランジに嵌着されるハブボルトの固定力を安定化させて信頼性を高めた車輪用軸受装置を提供することができる。また、外方部材をナックルに締結する際に、この車輪取付フランジに邪魔されることなく、工具にて容易にナックルボルトを締結することができ、組立作業を簡便化することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記内方部材が、一端部に前記車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された少なくとも一つの内輪とからなると共に、前記車輪取付フランジにおけるインボード側の側面が、その基部に向って漸次肉厚になるようにリブが形成されていれば、ハブ輪の強度・耐久性を確保しつつ一段と除肉され、小型・軽量化を達成することができる。
また、請求項3に記載の発明は、前記ボルト挿通孔のインボード側の開口部に傾斜角が60°以下に設定された面取りが形成されているので、ボルト挿通孔に対してハブボルトは傾きなく所定の直角度でもって圧入され、安定した固定力を得ることができる。
また、請求項4に記載の発明は、前記ボルト挿通孔のアウトボード側の開口部に面取りが形成されているので、ハブボルト圧入によるフランジ側面の面触れ劣化を抑制することができる。
また、請求項5に記載の発明は、前記外方部材は、外周に懸架装置を構成するナックルに取り付けられる車体取付フランジを一体に有し、その外周部にボルト挿通孔が穿設されると共に、当該車体取付フランジは、前記ボルト挿通孔の周辺を避けてボルト挿通孔間に、このボルト挿通孔のピッチ円直径より内径側まで深くR形状の切欠きが形成されているので、外方部材の剛性を損なうことなく軽量化を達成することができ、ハブ輪の軽量化と相俟って装置の大幅な小型・軽量化を達成することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記内方部材または外方部材のいずれか一方が車輪取付フランジを有すると共に、この車輪取付フランジにボルト挿通孔が穿設され、首部にセレーションが形成されたハブボルトがこのボルト挿通孔に圧入された車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジが、前記ボルト挿通孔の近傍を除く部分を切欠いて、円周方向に離れた複数の部分フランジに分割して形成されると共に、前記部分フランジが、その肉厚をh、幅をDとし、前記ボルト挿通孔の直径をdとした時、当該ボルト挿通孔周りの肉厚が、h{1−(d/D)}/d≧0.335となるように設定されているので、大幅な小型・軽量化を達成することができると共に、車輪取付フランジに嵌着されるハブボルトの固定力を安定化させて信頼性を高めた車輪用軸受装置を提供することができる。また、外方部材をナックルに締結する際に、この車輪取付フランジに邪魔されることなく、工具にて容易にナックルボルトを締結することができ、組立作業を簡便化することができる。
内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された内輪とからなる内方部材と、前記両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が前記ハブ輪に対して軸方向に固定されていると共に、前記車輪取付フランジにボルト挿通孔が穿設され、首部にセレーションが形成されたハブボルトがこのボルト挿通孔に圧入された車輪用軸受装置において、前記車輪取付フランジが、前記ボルト挿通孔の近傍を除く部分を切欠いて、当該ボルト挿通孔の形成部分と略同じ幅でもって環状の基部から放射状に突出する複数の部分フランジが形成され、この部分フランジのインボード側の側面が、その基部に向って漸次肉厚になるようにリブが形成されると共に、前記部分フランジが、その肉厚をh、幅をDとし、前記ボルト挿通孔の直径をdとした時、当該ボルト挿通孔周りの肉厚が、h{1−(d/D)}/d≧0.335となるように設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2(a)は図1の側面図、(b)は、(a)のIII−III線に沿った断面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)、中央寄り側をインボード側(図面右側)という。
この車輪用軸受装置は、従動輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置であって、内方部材1と外方部材2、これら内方部材1と外方部材2間に収容された複列の転動体(ボール)3、3とを備えている。ここで、内方部材1は、ハブ輪4と、このハブ輪4に圧入された内輪5とを指す。
ハブ輪4は、外周のアウトボード側の端部に円周方向複数(4つ)に分割された車輪取付フランジ6を一体に有し、外周部には車輪を締結するためのハブボルト7が植設されている。この車輪取付フランジ6は、図2(a)に示すように、ハブボルト挿通孔8の近傍を除く部分を切欠いて、各ボルト挿通孔8の形成部分と略同じ幅でもって、環状の基部から放射状に突出するように形成されている。すなわち、車輪取付フランジ6は、円周方向に離れた複数の部分フランジ6aに分割して形成されている。さらに、車輪取付フランジ6のインボード側の側面には、その基部に向って漸次肉厚になるようにリブ9が形成されている(図1参照)。これにより、ハブ輪4の剛性を損なうことなく軽量化を達成することができる。
また、図1に示すように、ハブ輪4の車輪取付フランジ6の基部にはアウトボード側に延びる円筒状のブレーキパイロット部10が形成され、ブレーキロータ11の内径面を案内している。さらに、このブレーキパイロット部10からアウトボード側に延びるホイールパイロット部12が形成されている。このホイールパイロット部12は、ブレーキロータ11に重ねて装着されるホイールハブ13の内径面を案内するもので、前記ブレーキパイロット部10よりも僅かに小径に形成されている。そして、その円周方向の複数箇所に切欠きが設けられ、断続して突片状に形成されている。ここでは、この断続したホイールパイロット部12は、複数に分割された部分フランジ6a間に形成されている(図2参照)。これにより、ハブ輪4の剛性を低下させることなく軽量化を図ることができる。
ハブ輪4における車輪取付フランジ6からインボード側の外周には内側転走面4aと、この内側転走面4aから軸方向に延びる小径段部4bが形成されている。そして、外周に内側転走面5aが形成された内輪5がこの小径段部4bに圧入され、小径段部4bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部4cにより、ハブ輪4に対して内輪5が軸方向へ抜けるのを防止している。本実施形態では、このようなセルフリテイン構造を採用することにより、従来のようにナット等で強固に緊締して予圧量を管理する必要がないため、車両への組込性を簡便にすることができると共に、かつ長期間その予圧量を維持することができる。
ハブ輪4は、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、アウトボード側の内側転走面4aをはじめ、アウトボード側のシール19が装着されるフランジ基部および小径段部4bに亙り高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、加締部4cは、鍛造後の素材表面硬さ25HRC以下の未焼入れ部としている。これにより、ハブ輪4の剛性が向上すると共に、内輪5との嵌合面のフレッティング摩耗を防止することができ、ハブ輪4の耐久性が向上する。また、加締部4cを塑性変形させる時の加工性が向上すると共に、加工時におけるクラック等の発生を防止してその品質の信頼性が向上する。また、内輪5は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。
なお、本実施形態では、車輪取付フランジ6が、ボルト挿通孔8の近傍を除く部分を切欠いて、各ボルト挿通孔8の形成部分と略同じ幅でもって、その環状の基部から放射状に突出するように形成されたものを例示したが、これに限らず、図示はしないが、ボルト挿通孔の周辺を避けてボルト挿通孔間に、このボルト挿通孔のピッチ円直径より内径側まで深くR形状の切欠きが形成された花形形状をなす車輪取付フランジであっても良い。
外方部材2は、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に取り付けられる車体取付フランジ14を一体に有し、外周部にボルト挿通孔15が穿設されている。この車体取付フランジ14は、図2(a)に示すように、ボルト挿通孔15の周辺を避けてボルト挿通孔15間に、このボルト挿通孔15のピッチ円直径より内径側まで深くR形状の切欠き16が形成されている。すなわち、車体取付フランジ14は、円周方向に離れた複数の部分フランジ14aに分割して形成されている。さらに、外方部材2のインボード側の端部には、図1に示すように、車体取付フランジ14から軸方向に延びる円筒状のナックルパイロット部17が形成され、このナックルパイロット部17の外径面にナックルが嵌合される。
外方部材2は、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、その内周には内方部材1の複列の内側転走面4a、5aに対向する複列の外側転走面2a、2aが形成されている。そして、これら複列の外側転走面2a、2aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理され、内方部材1と外方部材2のそれぞれの転走面間に保持器18、18により複列の転動体3、3が転動自在に収容されている。外方部材2のアウトボード側の端部にはシール19が装着され、外方部材2と内方部材1との環状空間を密封している。一方、外方部材2のインボード側の端部には、カップ状のシールキャップ(図示せず)が装着され、外方部材2の開口部を閉塞している。これらシール19およびシールキャップにより、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
本実施形態では、ハブ輪4の車輪取付フランジ6が、ボルト挿通孔8の近傍を除く部分を切欠いて、各ボルト挿通孔8の形成部分だけが環状の基部から外径側に略同じ幅でもって突出するように形成されているので、外方部材2をナックルに締結する際に、この車輪取付フランジ6に邪魔されることなく、工具にて容易にナックルボルトを締結することができ、組立作業を簡便化することができる。
また、ハブ輪4および外方部材2が大幅に除肉され、車輪取付フランジ6および車体取付フランジ14が従来の円板状フランジとは全く異なり、4つの部分フランジ6a、14aに分割されて形成されているので、強度・耐久性を確保しつつ、最軽量化ができた。
ここでは、ハブ輪4の外周に直接内側転走面4aが形成された第3世代と呼称される車輪用軸受装置を例示したが、本発明に係る車輪用軸受装置はこうした構造に限定されず、例えば、図示はしないがハブ輪の小径段部に一対の内輪が圧入された、第1世代あるいは第2世代構造であっても良い。なお、転動体3、3をボールとした複列アンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず転動体に円すいころを使用した複列円すいころ軸受であっても良い。
ここで、ハブボルト7はクロムモリブデン鋼(JIS規格のSCM435系等)からなり、その首部にはセレーション7aが形成されている。このハブボルト7は熱処理で表面が硬化され、その表面硬さは機械的強度の面から少なくとも35HRCに設定されている。そして、ハブ輪4における部分フランジ6aの外周部にハブボルト7が圧入される複数のボルト挿通孔8が穿設されると共に、ハブボルト7のセレーション7aの歯先をボルト挿通孔8に食い込ませてボルト抜け力とボルトスリップトルクを確保する訳であるが、本出願人は、このボルト挿通孔8周りの肉厚、すなわち、図2(b)に示すように、車輪取付フランジ6における部分フランジ6aの肉厚hおよびボルト挿通孔8周りの肉厚(D−d)がハブボルト7の固定力(スリップトルク)に関係があることに着目した。なお、Dは部分フランジ6aの周方向幅、dはボルト挿通孔8の直径を示している。
本実施形態のように車輪取付フランジ6が従来の円板状フランジとは全く異なり、4つの部分フランジ6aに分割され、かつスリム化されて形成されていると共に、その外周部にボルト挿通孔8が穿設されているので、このボルト挿通孔8にハブボルト7を圧入した場合、ボルト挿通孔8周りの剛性不足によって変形し、所望のスリップトルクが得られないといった問題が生じる。
そこで本出願人は、車輪取付フランジにおいてボルト挿通孔8周りの肉厚の異なる種々のサンプルを製作し、ハブボルト7のスリップトルクとボルト挿通孔8周りの肉厚との関係を検証した。その結果を図3に示す。ここで、ハブボルト7のスリップトルクの基準値を、通常使用されるボルト(JISの並目ねじにおけるねじの呼びがM12、強度区分が10.9、座面摩擦係数μ=0.1)の降伏締付トルク122Nmに設定した。図3から解るように、ボルト挿通孔8周りの肉厚をh{1−(d/D)}/dと規定した場合、スリップトルクとボルト挿通孔8周りの肉厚はリニアな比例関係にあり、この肉厚、すなわち、h{1−(d/D)}/d≧0.335であれば所望のスリップトルク122Nmを確保することができる。
通常、ハブボルト7はボルト挿通孔8にガイドされながら直角を保持した状態で圧入されるが、本実施形態では、図2(b)に示すように、車輪取付フランジ6における部分フランジ6aの肉厚hが可及的に薄く形成されているため、ガイド面となるボルト挿通孔8の軸方向長さが短くなり、ハブボルト7を圧入する際、このハブボルト7が部分フランジ6aに対して傾いて嵌着される恐れがある。したがって、本実施形態では、ボルト挿通孔8のインボード側の開口部に傾斜角αからなる面取り20が形成されている。
本出願人は、傾斜角αが異なる面取り20を有するサンプルを数種類製作し、ハブボルト7の圧入試験を実施した。その結果、この傾斜角αを60°以下、好ましくはα=60〜30°の範囲に設定すれば、ハブボルト7は傾きなく所定の直角度でもって圧入されることが判った。これは、ハブボルト7をボルト挿通孔8に圧入する際、ハブボルト7が面取り20に接触して調心しながらボルト挿通孔8に沿ってガイドされていくためと考えられる。
一方、傾斜角αが60°を超えると著しくハブボルト7の直角度が低下することも判った。これは、ハブボルト7が面取り20に接触した時、調心する方向の分力が発生し難く、ハブボルト7とボルト挿通孔8との偏心そのものがハブボルト7の傾きとなって圧入されるためと考えられる。なお、傾斜角αが30°よりも小さい場合は、面取り20形成の効果がなく、ハブボルト7の圧入荷重が大きくなると共に、圧入不良が発生する等、作業性が低下して好ましくない。
また、本実施形態では、部分フランジ6aにおけるボルト挿通孔8のアウトボード側の開口部にも面取り21が形成されている。この面取り21は、ハブボルト7の圧入によるフランジ側面の面触れ劣化を抑制するために形成されている。すなわち、ハブボルト7のセレーション7aの歯先がボルト挿通孔8に食い込みながら圧入された時、ボルト挿通孔8の一部が削り取られたり、あるいは塑性流動したりしてフランジ側面に膨出しても、この面取り21によって許容することができる。
このように本発明に係る車輪用軸受装置にあっては、ハブ輪4および外方部材2が大幅に除肉され、車輪取付フランジ6および車体取付フランジ14の形状を抜本的に変更し、これら車輪取付フランジ6および車体取付フランジ14が4つの部分フランジ6a、14aに分割されて形成されているので大幅な小型・軽量化を達成することができると共に、車輪取付フランジ6に嵌着されるハブボルト7の固定力を安定化させて信頼性を高めた車輪用軸受装置を提供することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブボルトが嵌着されるボルト挿通孔の近傍を除く部分を切欠いて、円周方向に離れた複数の部分フランジに分割して車輪取付フランジが形成された駆動輪用、従動輪用、あるいは内輪回転、外輪回転タイプのあらゆる車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 (a)は、図1の側面図である。 (b)は、同上、III−III線に沿った断面図である。 スリップトルクとボルト挿通孔周りの肉厚との関係を示すグラフである。 (a)は、従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 (b)は、同上ハブボルトとボルト挿通孔を示す説明図である。 (a)は、従来の他の車輪用軸受装置における要部断面斜視図である。 (b)は、同上ハブボルトの頭部側正面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
2・・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
2a・・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
3・・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
4・・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
4a、5a・・・・・・・・・・・・・内側転走面
4b・・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
4c・・・・・・・・・・・・・・・・加締部
5・・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
6・・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
6a、14a・・・・・・・・・・・・部分フランジ
7・・・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
7a・・・・・・・・・・・・・・・・セレーション
8、15・・・・・・・・・・・・・・ボルト挿通孔
9・・・・・・・・・・・・・・・・・リブ
10・・・・・・・・・・・・・・・・ブレーキパイロット部
11・・・・・・・・・・・・・・・・ブレーキロータ
12・・・・・・・・・・・・・・・・ホイールパイロット部
13・・・・・・・・・・・・・・・・ホイールハブ
14・・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
14a・・・・・・・・・・・・・・・部分フランジ
16・・・・・・・・・・・・・・・・切欠き部
17・・・・・・・・・・・・・・・・ナックルパイロット部
18・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
19・・・・・・・・・・・・・・・・シール
20、21・・・・・・・・・・・・・面取り
51、67・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
52、55・・・・・・・・・・・・・セレーション
53・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
54、70・・・・・・・・・・・・・ボルト挿通孔
56・・・・・・・・・・・・・・・・ホイールハブ
57・・・・・・・・・・・・・・・・ブレーキロータ
58・・・・・・・・・・・・・・・・駆動車軸
59・・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
60・・・・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受装置
61・・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
62・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
63・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
64・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
65・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
66・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
68・・・・・・・・・・・・・・・・平坦面
69・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
71・・・・・・・・・・・・・・・・凸部
d・・・・・・・・・・・・・・・・・ボルト挿通孔の直径
D・・・・・・・・・・・・・・・・・部分フランジの幅
h・・・・・・・・・・・・・・・・・部分フランジの肉厚
α・・・・・・・・・・・・・・・・・傾斜角

Claims (5)

  1. 内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材および前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、
    前記内方部材または外方部材のいずれか一方が車輪取付フランジを有すると共に、この車輪取付フランジにボルト挿通孔が穿設され、首部にセレーションが形成されたハブボルトがこのボルト挿通孔に圧入された車輪用軸受装置において、
    前記車輪取付フランジが、前記ボルト挿通孔の近傍を除く部分を切欠いて、円周方向に離れた複数の部分フランジに分割して形成されると共に、前記部分フランジが、その肉厚をh、幅をDとし、前記ボルト挿通孔の直径をdとした時、当該ボルト挿通孔周りの肉厚が、h{1−(d/D)}/d≧0.335となるように設定されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記内方部材が、一端部に前記車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された少なくとも一つの内輪とからなると共に、前記車輪取付フランジにおけるインボード側の側面が、その基部に向って漸次肉厚になるようにリブが形成されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記ボルト挿通孔のインボード側の開口部に傾斜角が60°以下に設定された面取りが形成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記ボルト挿通孔のアウトボード側の開口部に面取りが形成されている請求項1乃至3にいずれか記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記外方部材は、外周に懸架装置を構成するナックルに取り付けられる車体取付フランジを一体に有し、その外周部にボルト挿通孔が穿設されると共に、当該車体取付フランジは、前記ボルト挿通孔の周辺を避けてボルト挿通孔間に、このボルト挿通孔のピッチ円直径より内径側まで深くR形状の切欠きが形成されている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008056099A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Jtekt Corp 車輪用転がり軸受装置
JP2008074357A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Jtekt Corp ハブユニット
JP2014155962A (ja) * 2009-02-17 2014-08-28 Jtekt Corp 車輪用軸受装置
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