JP2007204092A - 容器口部の閉止機構 - Google Patents

容器口部の閉止機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2007204092A
JP2007204092A JP2006023391A JP2006023391A JP2007204092A JP 2007204092 A JP2007204092 A JP 2007204092A JP 2006023391 A JP2006023391 A JP 2006023391A JP 2006023391 A JP2006023391 A JP 2006023391A JP 2007204092 A JP2007204092 A JP 2007204092A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cap
cylindrical mouth
inner lid
mouth portion
cylindrical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006023391A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Umenaka
一博 梅中
Hideki Oe
秀樹 大江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hosokawa Yoko KK
Original Assignee
Hosokawa Yoko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hosokawa Yoko KK filed Critical Hosokawa Yoko KK
Priority to JP2006023391A priority Critical patent/JP2007204092A/ja
Publication of JP2007204092A publication Critical patent/JP2007204092A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】小さな力でキャップの開栓と同時にインナーシール材を口部から剥離することができ、且つ、レトルト処理にも対応可能な容器口部の閉止機構を提供する。
【解決手段】キャップは、キャップ本体と、筒状口部の上端開口部を覆って該筒状口部を閉鎖するキャップ中蓋と、からなり、前記キャップ中蓋の天部と前記筒状口部の上端面とが前記当接面において接着しており、前記キャップ本体と前記キャップ中蓋は、該キャップ中蓋を回転させずに該キャップ本体を回転させることができる互いに独立した部材であり、前記キャップ本体を前記筒状口部の側面に沿って回転させて該筒状口部上端方向へ移動させるときに、該キャップ本体が該キャップ中蓋と摺動可能な状態で係合し該キャップ中蓋を押し上げることにより、前記キャップ中蓋の天部と前記筒状口部の上端面との接着が解け、前記筒状口部が開放される容器口部の閉止機構。
【選択図】図1

Description

本発明は、容器本体に設けられた筒状口部と、当該筒状口部を閉止するキャップの組み合わせからなる容器口部の閉止機構に関する。
内容物の取出し口(注出口)として機能する筒状口部と、該筒状口部を閉止するキャップとを備えた容器は、液体飲料、流動性食品、調味料等を収容する容器として広く用いられている。このような容器において、キャップと筒状口部の嵌合のみで口部を閉止する場合、嵌合部の成形不良やキズなどによって、内容物の漏れが生じる懸念がある。また、容器内に内容物を充填し、容器密閉後、高温加熱殺菌するレトルト処理を行う場合には、レトルト処理時の容器内の圧力上昇により、内容物が漏れてしまうおそれがある。さらに、レトルト処理によるキャップと筒状口部の収縮・膨張率に差があると、口部のキャップによる閉止が不十分となり、内容物が漏れてしまうおそれもある。
従来、この筒状口部を備えた容器の密封性を向上させるため、口部と接着可能なインナーシール材を用いて、口部を封止することが行われてきた。しかしながら、インナーシール材によって封止された容器から内容物を取り出すためには、まずキャップを開栓し、さらに口部に接着しているインナーシール材を口部から剥離しなければならず、手間がかかるものであった。
そこで、キャップの開栓と同時に、インナーシール材が口部から剥離されるようにした容器が提案されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、インナーシール材を口部とキャップ内面の両方に接着し、インナーシール材とキャップ内面との接着力をインナーシール部材と口部との接着力よりも大きくすることで、キャップを開栓するとインナーシール部材はキャップ内面との接着状態を保持したまま、自動的に口部から剥離されるようにした密封装置が記載されている。
実公昭49−26614号公報 特開2004−83080号公報 特開2005−280799号公報 特開2003−146350号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2のように、キャップの回転によって口部とインナーシール材との界面に剪断力を生じさせ、インナーシール材を口部から剥離するためには、大きな力を要するという問題がある。
一方、特許文献3には、キャップシェルの内部に容器口部の内周面と密着する垂直シール(インナーパッキン)を有する中栓を備え、この中栓がキャップシェルの上昇に追従しないような構造とすることで、タンパーエビデントバンドとキャップ本体とをつなぐ弱化部が破断される前に、キャップの密封性が解除されないようにしたタンパーエビンデント性を有するプラスチックキャップが記載されている。
また、特許文献4には、円形状の天板及び該天板の周縁から垂下されたスカート壁及びタンパーエビデンスバンドを有するシェルと、当該シェル内に挿入されて容器の口部を密封するパッキンとからなる合成樹脂製のピルファープルーフキャップが開示されている。このキャップは、開栓時に上記密封用パッキンを持ち上げるパッキン案内部を備えており、当該パッキン案内部による密封用パッキンの持ち上げによって密封用パッキンの中足が容器口部の気密機能を逸するまでの間は、タンパーエビデンスバンドのブリッジが切断されても、容器の気密性が維持されるようになっている。
特許文献3及び特許文献4のキャップは、インナーパッキンとして機能する垂直シール(中足)や、必要に応じて設けても良い外側シール(アウターパッキン)によって、キャップの密封性を保持するものであり、密封性が不十分であり、特にレトルト処理に対応することができない。
本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、キャップの回転による剪断力でインナーシール材を剥離する方法と比較して、小さな力でキャップの開栓と同時にインナーシール材を口部から剥離することができ、且つ、レトルト処理にも対応可能な容器口部の閉止機構を提供することを目的とする。
本発明の容器口部の閉止機構は、容器本体に設けられた筒状口部と、該筒状口部を閉止するキャップとの組み合わせからなる容器口部の閉止機構であって、前記キャップは、天板部、及び、該天板部の周縁から垂下し、前記筒状口部の側面を覆うスカート部を有すると共に、該スカート部の内面に前記筒状口部の外面に設けられたネジ部と螺合するネジ部を有し、前記筒状口部の側面に沿って回転しながら上下動することが可能なキャップ本体と、前記キャップ本体内部の天板部近傍に該キャップ本体と分離しないように嵌合され、且つ、前記筒状口部の上端面と当接する当接面を有する天部を有し、前記筒状口部の上端開口部を覆って該筒状口部を閉鎖するキャップ中蓋と、からなり、前記キャップ中蓋の天部と前記筒状口部の上端面とが前記当接面において接着しており、前記キャップ本体と前記キャップ中蓋は、該キャップ中蓋を回転させずに該キャップ本体を回転させることができる互いに独立した部材であり、前記キャップ本体を前記筒状口部の側面に沿って回転させて該筒状口部上端方向へ移動させるときに、該キャップ本体が該キャップ中蓋と摺動可能な状態で係合し該キャップ中蓋を押し上げることにより、前記キャップ中蓋の天部と前記筒状口部の上端面との接着が解け、前記筒状口部が開放されることを特徴とするものである。
本発明の容器口部の閉止機構は、前記キャップ本体を前記筒状口部の側面に沿って回転させて該筒状口部の上端方向へ移動させる際に、該キャップ本体とキャップ中蓋とが係合する係合面に働く筒状口部の上端方向への力を、該キャップ中蓋を押し上げて前記筒状口部と該キャップ中蓋(キャップ)との接着を解く力として利用するものである。このとき、キャップ本体は、キャップ中蓋との係合面に対して摺動しながら回転し、該キャップ中蓋を押し上げるので、キャップ中蓋と筒状口部との接着面に剪断力がほとんど生じない。従って、本発明によれば、口部とキャップとの接着面に剪断力を生じさせることによりキャップと口部との接着を解く従来のキャップと比べて、小さな力でキャップ本体を回転させることができ、容易にキャップを開栓することが可能である。また、キャップと筒状口部とを接着させて密封させているため、密封性に優れるものである。
前記筒状口部と前記キャップ中蓋との接着形態は特に限定されないが、密封性及び開封容易性の観点から、前記キャップ中蓋の前記当接面に、前記筒状口部と前記キャップ中蓋とを接着するインナーシール材を備え、該インナーシール材を介して前記筒状口部と前記キャップ中蓋とが接着していることが好ましい。
前記キャップ中蓋が、前記筒状口部の上端開口部を覆って該筒状口部を閉鎖する構造は特に限定されず、前記キャップ中蓋の天部が、前記筒状口部の上端開口部を覆って該筒状口部を閉鎖する形状を有していてもよいし、前記キャップ中蓋の前記当接面に設けられたインナーシール材が、前記筒状口部の上端開口部を覆って該筒状口部を閉鎖する形状を有していてもよい。
前記キャップ本体を前記筒状口部の側面に沿って回転させて筒状口部上端方向へ移動させたときに該キャップ本体と前記キャップ中蓋とが係合する係合面が、前記キャップ本体を前記筒状口部の側面に沿って回転させて最も下端側に移動させたときに、まったく接触しないような構成とする場合、キャップ回転開始時に必要な力が小さくなり、キャップの開封性を向上させることができる。
また、前記キャップ本体が前記キャップ中蓋を押し上げる力を一箇所に集中させることで、キャップの開栓が容易となることから、前記キャップ本体を前記筒状口部の側面に沿って回転させて該筒状口部上端方向へ移動させるときに該キャップ本体と前記キャップ中蓋とが係合する位置の相対する係合面のどちらかに凸部が一箇所設けられていることが好ましい。
前記キャップ本体を前記筒状口部の側面に沿って回転させて該筒状口部上端方向へ移動させるときに前記キャップ中蓋と係合する該キャップ本体の係合面は、例えば、前記スカート部の内面に設けられたネジ部の一部により形成することができる。
本発明により提供される容器口部の閉止機構は、キャップと筒状口部との螺合を解く際のキャップ本体の筒状口部上端方向への移動を、接着された筒状口部とキャップとの接着を解くための力に利用してキャップを開封するものであり、キャップと筒状口部との接着面にほとんど剪断力が生じない。そのため、キャップを回転させる際に、筒状口部とキャップとの接着面の界面に生じる剪断力によってキャップと口部との接着を解き、キャップを開封する従来の閉止機構と比較して、小さな力で楽に容器を開封することが可能である。また、キャップと筒状口部とが接着されているため、容器の密封性が高く、レトルト処理にも対応が可能である。
本発明の容器口部の閉止機構は、容器本体に設けられた筒状口部と、該筒状口部を閉止するキャップとの組み合わせからなる容器口部の閉止機構であって、前記キャップは、天板部、及び、該天板部の周縁から垂下し、前記筒状口部の側面を覆うスカート部を有すると共に、該スカート部の内面に前記筒状口部の外面に設けられたネジ部と螺合するネジ部を有し、前記筒状口部の側面に沿って回転しながら上下動することが可能なキャップ本体と、前記キャップ本体内部の天板部近傍に該キャップ本体と分離しないように嵌合され、且つ、前記筒状口部の上端面と当接する当接面を有する天部を有し、前記筒状口部の上端開口部を覆って該筒状口部を閉鎖するキャップ中蓋と、からなり、前記キャップ中蓋の天部と前記筒状口部の上端面とが前記当接面において接着しており、前記キャップ本体と前記キャップ中蓋は、該キャップ中蓋を回転させずに該キャップ本体を回転させることができる互いに独立した部材であり、前記キャップ本体を前記筒状口部の側面に沿って回転させて該筒状口部上端方向へ移動させるときに、該キャップ本体が該キャップ中蓋と摺動可能な状態で係合し該キャップ中蓋を押し上げることにより、前記キャップ中蓋の天部と前記筒状口部の上端面との接着が解け、前記筒状口部が開放されることを特徴とするものである。
以下、本発明の閉止機構について、図1〜図12を用いて説明する。
図1〜図3は、本発明を適用した、筒状口部と当該筒状口部を閉止するキャップの組み合わせからなる容器口部の閉止機構の一実施形態を示す断面図であって、図1は、筒状口部がキャップによって閉止されている状態を示す図、図2は図1における閉止機構のキャップのみを示す図、図3は図1における閉止機構の筒状口部のみを示す図である。また、図11は、図1の閉止機構を適用した内容物取出装置101の一形態例を示す正面図(11A)と側面図(11B)、図12は、図11の内容物取出装置101を取り付けた容器の一形態例を示す図である。
尚、本発明において筒状口部を備える容器は図12に示すものに限定されず、その材質は紙製、樹脂製、金属製、又はこれらの材質を複数組み合わせて用いてもよく、その形状もチューブ型、ボトル型、袋型等、特に限定されない。また、容器本体に設けられる筒状口部は、筒状であって、キャップによる閉止が可能であればよく、容器本体と一体型であっても、一体型でなくてもよい。また、筒状口部は、図11のような内容物取出装置に限定されず、一般的なチューブやボトルの注出口(注入口)として取り付けられるような構造の口部でもよい。
図11において、内容物取出装置101は、筒状口部1、導管部2、導管部2の上端において左右に張り出した一対の接合部3を少なくとも備えたストロー部4と、筒状口部1を閉止するキャップ5とからなる。筒状口部1は、図1及び図3に示すように、キャップ5(キャップ本体12)に設けられたネジ部(本実施形態においてはネジ溝)20と係合できるネジ部(本実施形態においてはネジ山)6をその側面1aに有し、キャップ5と螺合することによって閉止される。容器未開封時には、筒状口部1の上端開口部1cは、その上端面1bにおいて、キャップ5の内面(キャップ中蓋15)にインナーシール材19を介して接着しており、密封性が高く保たれている。図11のように、キャップ5(キャップ本体12)の側面部の外表面には、滑り止めとなる縦溝12b等が設けられていてもよい。
ストロー部4は、キャップ(キャップ中蓋)やインナーシール材との接着性の点で、通常、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック材料を射出成形することによって形成されるが、成形材料は特に制限されず、プラスチック以外の材料を用いてもよい。
筒状口部1には、内容物取出装置101を容器の製造工程途中で吊るための支持フランジ7、支持フランジ7を介して吊り上げた内容物取出装置101を整列するための整列リブ8等が設けられていても良い。また、導管部2には、上端部フランジ9や、内容物を効率よく充填又は取出すための内容物導出孔10が形成されていてもよい。
内容物取出装置101は、例えば、図12に示すように、フレキシブルな積層フィルムで作製されたガセット袋からなる容器本体11の上方開口部と、内容物取出装置101の接合部3を接合して用いることができる。この容器から内容物を取り出す際には、キャップ5と筒状口部1の螺合を解いてキャップ5を開栓し、筒状口部1を注出口として利用する。図12のように、導管部2の先端が容器本体11の底部付近にまで達する場合には、内容物取出装置101をストローとして利用することも可能であり、筒状口部1に口を付けて内容物を吸い上げることができる。
図1〜図3に示すように、筒状口部1と螺合し、筒状口部1を閉止するキャップ5は、キャップ本体12とキャップ中蓋15とからなる。
キャップ本体12は、天板部13と、当該天板部13の周縁から垂下し、筒状口部1の側面1aを覆うスカート部14を有しており、いわゆるオーバーキャップ型である。スカート部14の内面には、筒状口部1のネジ部6と係合できるネジ部20が設けられており、筒状口部1との螺合により、キャップ本体12は筒状口部1の側面1aに沿って回転しながら上下動(図1における矢印の方向)することが可能となっている。このキャップ本体12の筒状口部に沿った上下動により、キャップ5は、筒状口部1から着脱自在な構造となっている。
キャップ中蓋15は、スカート部14の内面のネジ部20の上部に設けられた突条17によって、キャップ本体12内部の天板部13の近傍に当該キャップ本体12と分離しないように嵌合されており、筒状口部1の上端開口部1cを覆って当該筒状口部1を直接閉鎖するものである。具体的には、キャップ中蓋15は、キャップ本体12のスカート部14内面に設けられた突条17の内径よりも大きな外径を有する円盤状の天部16を有している。該天部16は、キャップ中蓋15がキャップ本体12と分離しないように、該キャップ本体12のスカート部14の上部側内面に形成された突条17によって、キャップ本体12内部の天板部13近傍(スカート部14の上部側付近)に嵌合されている。また、天部16は、筒状口部1の上端面1bと当接する当接面16aを有している。この天部16の当接面16aには、筒状口部1の上端面1bと、キャップ5とを接着させるインナーシール材19が設けられている。
キャップ5を構成するキャップ本体12とキャップ中蓋15は、キャップ中蓋15を回転させずにキャップ本体12を回転させることができる互いに独立した部材である。図4に示したように、キャップ本体12を筒状口部1の側面1aに沿って回転させて該筒状口部1の上端方向(上端面側)へ移動させると(図4A→図4B)、キャップ本体12とキャップ中蓋15とが、キャップ本体12の内面に設けられた突条17とキャップ中蓋15の底面との係合面(17a、15a)において係合するようになっており(図2参照)、さらにキャップ本体12を筒状口部1の上端方向へ移動させる(図4B→図4C)ことによって、キャップ中蓋15が押し上げられる。
このキャップ本体12によるキャップ中蓋15の押し上げによって、キャップ中蓋15は筒状口部1の上端開口部1cから離れ、その結果、筒状口部1とキャップ5(キャップ中蓋15)とを接着しているインナーシール材19も該筒状口部から剥がれ、該筒状口部1が開放されるようになっている。このとき、筒状口部1とキャップ中蓋15とがインナーシール材によって接着していない場合(再封止後)には、キャップ本体12がキャップ中蓋15を押し上げる力によって、筒状口部1からキャップ中蓋15が離れることにより筒状口部が開放され、容器が再び開封されることとなる。
上記開栓動作において、キャップ本体12は、キャップ中蓋15に対して自由に回転できる構造を有していることから、キャップ本体12とキャップ中蓋15とが係合した後も、キャップ中蓋15との係合面に対して摺動しながら(滑りながら)、筒状口部1の軸周りを回転することができ、筒状口部1の上端方向に移動してキャップ中蓋15を押し上げる。
従って、筒状口部1とキャップ中蓋15とが接着している場合でも、上記のようにキャップ本体12がキャップ中蓋15を押し上げる際に、キャップ本体12はキャップ中蓋15との係合面を滑りながら回転するので、キャップ中蓋15と筒状口部1との接着面にはほとんど剪断力が生じない。そのため、特許文献1や特許文献2ほど剪断方向の抵抗が大きくなく、小さな力でキャップ本体12を回転させることができる。そして、キャップ本体12の回転によって、筒状口部1を直接閉止しているキャップ中蓋15が該キャップ中蓋15と筒状口部1との接着面に垂直な方向に押し上げられ、該接着面に剪断力を生じさせずにキャップ中蓋15を筒状口部1から剥がすことができる。
以上のように、本発明の容器口部の閉止機構は、キャップ本体を筒状口部の側面に沿って回転させ、該筒状口部の上端方向へ移動させる際に、キャップ本体とキャップ中蓋とが係合する係合面に働く筒状口部の上端方向への力を、キャップ中蓋を押し上げてキャップと筒状口部との接着を解き、筒状口部を開放する力として利用するものである。
筒状口部の上端面と接着したキャップ中蓋を、筒状口部から、該キャップ中蓋と筒状口部との接着面に対して垂直な方向に引き離すことによって、筒状口部とキャップ中蓋との接着を解くために必要な力は、キャップを回転させて口部とキャップとの接着面に剪断力を生じさせることによってキャップと口部との接着を解くために必要な力と比べて小さく、容易にキャップを開栓することが可能である。
すなわち、本発明によれば、剪断力によって容器を開封する従来の容器では、キャップの開栓が困難となるような高い接着力で筒状口部を閉鎖することが可能であり、従来よりも密封性に優れた容器を提供することができる。或いは、未開封時の密封性を保持しつつ、小さな力で開封することが可能な易開封性に優れた容器を提供することもできる。
また、容器口部とキャップとを接着させているので、密封性に優れ、内容物の膨張や、容器口部とキャップの膨張性の差等により内容物の漏れが生じ易いレトルト処理にも十分対応可能である。
尚、本発明において、キャップが筒状口部を閉鎖しているとは、開封前において、筒状口部の上端開口部を覆うキャップ中蓋が該筒状口部と接着している状態の他、開封後において、キャップ中蓋と筒状口部が接着せずに、接着以外の方法でキャップ中蓋が筒状口部の上端開口部に固定されている状態も含まれる。例えば、キャップと筒状口部との接着を解いた後の再封止時において、キャップ本体を回転させて筒状口部の最も下端側に移動させた時に、キャップ本体の天板部によってキャップ中蓋を筒状口部の上端面に押し付ける力が作用し、キャップ中蓋によって筒状口部がシールされている状態等も含まれる。
また、キャップ本体とキャップ中蓋とが互いに独立した部材であるとは、該キャップ本体の回転に該キャップ中蓋を追従させることなく、該キャップ本体を回転させることができれば、キャップ本体12とキャップ中蓋15とは別部材であってもよいし、キャップ本体12がキャップ中蓋15に対して自由に回転できるように嵌合された状態で連結していてもよい。
また、キャップ本体とキャップ中蓋との嵌合は、キャップ本体がキャップ中蓋に対して自由に回転できる程度の緩い嵌合であり、キャップ本体の筒状口部の側面に沿った回転を妨げるものではない。
図1〜図4に示す本実施形態において、キャップ5(キャップ中蓋15)と筒状口部1は、キャップ中蓋15の天部16の(筒状口部1の上端開口部1cと当接する)当接面16aに配置されたインナーシール材19によって接着されるが、キャップ(キャップ中蓋)と筒状口部との接着は、容器未開封時の密封性を保持し、且つ、キャップ本体によるキャップ中蓋の押し上げによって、筒状口部からキャップ中蓋を剥がすことができる形態であれば、特に限定されない。例えば、キャップ中蓋と筒状口部の上端面とを直接溶着した形態であってもよいし、接着剤によってキャップ中蓋と筒状口部の上端面とが接着した形態であってもよい。未開封時の密封性の確保とキャップ開栓時の開封容易性の観点からは、キャップ中蓋(天部)の筒状口部との当接面に配置されたインナーシール材を介してキャップ中蓋と筒状口部とが接着されることが好ましい。
インナーシール材としては、筒状口部の上端面を覆い、容器未開封時においてキャップ中蓋の当接面と筒状口部の上端面とを接着して、容器内の気密性を保持することができ、且つ、キャップの開栓時に筒状口部の上端面から容易に剥離するが、キャップ中蓋からは剥離しない接着性を有するものを用いることができる。このようなインナーシール材を介してキャップ中蓋と筒状口部とを接着させることで、未開封時の筒状口部におけるシール性を保持しつつ、小さな力でキャップを開栓し、それと同時にインナーシール材を筒状口部から剥がすことができる。
このとき、キャップの開栓と同時に、確実にインナーシール材を筒状口部1から剥がすためには、インナーシール材/キャップ中蓋(天部)間の単位面積又は単位長さ当りの接着強度が、インナーシール材/筒状口部間の単位面積又は単位長さ当りの接着強度よりも大きくなるようにすることが好ましい。
なお、インナーシール材/キャップ中蓋(天部)間の単位面積又は単位長さ当りの接着強度が、インナーシール材/筒状口部間の単位面積又は単位長さ当りの接着強度と同等、或いは、インナーシール材/筒状口部間の単位面積又は単位長さ当りの接着強度より小さくても、インナーシール材を筒状口部の上端開口部全体を覆うような形状とし、キャップ中蓋とその全面にて接着させれば、キャップ中蓋とインナーシール材間の接着面積の方が、筒状口部上端とインナーシール材間の接着面積と比べてはるかに大きいので、インナーシール材は通常、キャップ中蓋の方により強く固着する。従って、キャップの開栓と同時に確実にインナーシール材を筒状口部から剥がすことができる。
インナーシール材/キャップ中蓋間、インナーシール材/筒状口部間の単位面積又は単位長さ当りの接着強度を直接測定することが困難な場合には、インナーシール材/キャップ中蓋用材料で形成した板状部材間、インナーシール材/筒状口部用材料で形成した板状部材間の単位面積又は単位長さ当りの接着強度を、インナーシール材/キャップ中蓋間、インナーシール材/筒状口部間の単位面積又は単位長さ当りの接着強度としてそれぞれ採用すればよい。
インナーシール材/キャップ中蓋用材料で形成した板状部材間、インナーシール材/筒状口部用材料で形成した板状部材間の単位長さ当りの接着強度の測定方法としては、例えば、JISZ0238「ヒートシール軟包装袋及び半剛性容器の試験方法」に記載の方法を利用することができる。
インナーシール材としては、様々な材料を用いることができ、例えば、単層又は多層のプラスチックフィルムと、金属フィルム、無機蒸着層、紙の層などを任意に含む複合プラスチックフィルム等が挙げられるが、一般的には、キャップ中蓋と溶着するプラスチックフィルム層(表層)と、プラスチック層、金属フィルム層又は無機蒸着層、或いはこれらを複数積層した積層フィルム等からなる中間層と、筒状口部と溶着するヒートシール層(裏層)とを有する複合フィルムが用いられる。
ヒートシール層は、筒状口部と溶着することが可能であれば、単層構造でも複数の層が積層した多層構造であってもよく、また、その材質も特に限定されないが、イージーピール性を有するフィルム(イージーピールフィルム)を用いることが好ましい。イージーピールフィルムの剥離形式は、特に制限されず、界面剥離、凝集剥離、層間剥離等、容器の形状やシール条件、殺菌条件等によって、使い分ければよい。界面剥離形式のイージーピールフィルムとしては、例えば、ポリエチレン(PE)フィルムからなる支持層とエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)及び粘着剤を含む接着層とを積層した構造のもの、凝集剥離形式のイージーピールフィルムとしては、例えば、PEフィルム又はポリプロピレン(PP)フィルムからなる支持層と、PP、PE及び必要に応じてその他の材料を含む凝集剥離層とを積層した構造のものが挙げられる。
本発明の容器口部の閉止機構を設けた容器をレトルトパウチとして用いる場合、イージーピールフィルムの剥離形式としては、凝集剥離や層間剥離が好ましく、特に凝集剥離が好ましい。レトルトパウチ用の凝集剥離形式イージーピールフィルムの構造としては、例えば、耐熱性に優れたPPフィルムからなる支持層と、PP、PE及び必要に応じてその他の材料を含む凝集剥離層とを積層したものが好ましい。
一方、プラスチックフィルム層は、キャップ中蓋の天部の当接面と溶着することが可能であれば、単層構造でも複数の層が積層した多層構造であってもよく、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)等の未延伸フィルム層、又はこれらフィルム層を積層したものが挙げられる。ヒートシール層と同様、本発明の閉止機構を設けた容器をレトルトパウチとして用いる場合には、耐熱性を有しているCPP等のポリプロピレン系フィルム層を用いることが好ましい。
中間層は、延伸ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリプロピレン(OPP)、延伸高密度ポリエチレン(HDPE)、延伸ナイロン(ONY)等の延伸フィルム層や、アルミ(Al)等の金属フィルム層や金属蒸着層からなる金属層、又はこれらの層が複数積層したものを用いることができる。中間層として、アルミ(Al)等の金属フィルム層や金属蒸着層からなる金属層を設ける場合には、電磁誘導によって金属層を発熱させて、ヒートシール層と筒状口部の上端面及び/又はプラスチックフィルム層とキャップ中蓋とを溶着させることができる。上記のような観点から、中間層としては、金属層を含むものが好ましい。また、中間層は、必要に応じてガスバリア性等の機能を付与することができる層を設けることも可能である。
インナーシール材の具体例としては、以下のようなものが挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記例示において符号「#」は該当する層の厚さ(単位:μm)を表す。
具体例:プラスチックフィルム層〔CPP#30〜50〕/中間層〔Al#6〜30〕/ヒートシール層〔イージーピールフィルム#25〜50〕
インナーシール材を、キャップ中蓋の天部の筒状口部の上端面との当接面及び筒状口部の上端面の双方と接着し、筒状口部をシールする方法は特に限定されない。例えば、キャップ中蓋を製造する際に、キャップ中蓋成形用金型内の天部の当接面となる位置にインナーシール材をセットし、金型内に溶融したプラスチック材料を射出、充填して、金型内で冷却、固化させることによって、インナーシール材とキャップ中蓋の天部とを接着して一体化させることができる(インサートインジェクション方式)。
また、キャップ中蓋の天部の成形後、或いは、キャップ中蓋の天部とキャップ本体とを嵌合させたキャップの成形後に、キャップ中蓋天部の筒状口部との当接面となる位置にインナーシール材をセットし、当該インナーシール材をヒートシール、高周波、超音波、電磁誘導等の一般的な方法によって、キャップ中蓋の天部に溶着させることができる。
以上のようにしてインナーシール材を接着させたキャップ中蓋を備えるキャップを、容器に取り付けられた筒状口部に完全に螺着させた状態で高周波や超音波等を作用させることによりインナーシール材と筒状口部の上端面とを溶着することができる。
或いは、容器に取り付けられた筒状口部の上端開口部に、インナーシール材をセットした状態でキャップを閉め、高周波や超音波等により、インナーシール材を筒状口部の上端面及びキャップ中蓋の双方と同時に溶着することもできる。
キャップを構成するキャップ本体とキャップ中蓋は、キャップ中蓋を回転させずに該キャップ本体を回転させることができる互いに独立した部材であり、且つ、互いに分離しないようにキャップ本体内部の天板部近傍にキャップ中蓋が嵌合されており、キャップ本体を筒状口部の側面に沿って回転させて該筒状口部上端方向へ移動させるときに、該キャップ本体が該キャップ中蓋と摺動可能な状態で係合し該キャップ中蓋を押し上げることにより筒状口部が開放されるものであれば、各々の具体的な構造は特に限定されない。
すなわち、キャップ本体は、天板部及び当該天板部の周縁より垂下して筒状口部の側面を覆うスカート部を有すると共に、キャップ中蓋を嵌合する部位と、筒状口部と螺合可能なネジ部と、該キャップ本体を筒状口部の側面に沿って回転させて該筒状口部の上端方向へ移動させるときにキャップ中蓋と摺動可能な状態で係合し、キャップ中蓋を押し上げることが可能な係合面とを備えていればよい。一方、キャップ中蓋は、キャップ本体の内面に分離不可能に嵌合され、筒状口部の上端開口部を覆って筒状口部を閉鎖することができ、且つ、キャップ本体を筒状口部の側面に沿って回転させて該筒状口部の上端方向へ移動させるときにキャップ本体と摺動可能な状態で係合し、該キャップ中蓋が押し上げられる係合面を有していればよい。
例えば、キャップ中蓋は、筒状口部の上端開口部を覆って筒状口部を閉鎖することができれば、キャップ中蓋を構成する天部やインナーシール材が共に筒状口部の上端開口部を覆う形状を有していなくてもよい。すなわち、筒状口部の上端開口部を覆う形状を有するインナーシール材を用いる場合、キャップ中蓋の天部は、当該天部からインナーシール材が剥がれないように、該天16部と該インナーシール材19との接着面積が確保できれば、筒状口部の上端面よりも内径側に孔を有する形状(例えば、図5C)でもよい。同様に、キャップ中蓋の天部16を、筒状口部の上端開口部を覆う形状とする場合、インナーシール材19は、容器の密封性と易開封性を確保できるように、該インナーシール材と天部及び筒状口部との接着面積が確保できれば、筒状口部の上端面よりも内径側に孔を有する形状(例えば、図5B)でもよい。
但し、上述したように、キャップの開栓時に、インナーシール材が、キャップ中蓋からは剥がれずに、筒状口部からは確実に剥がれるようにするためには、インナーシール材/キャップ中蓋(天部)間の単位面積又は単位長さ当りの接着強度が、インナーシール材/筒状口部間の単位面積又は単位長さ当りの接着強度よりも大きくなるようにすることが好ましく、そのためには天部16及びインナーシール材19が共に、筒状口部の上端開口部を覆うような形状(例えば、図5A)を有していることが好ましい。
尚、図5は、中蓋の構造例を示す図であって、平面図とAA断面図である。
また、キャップ本体とキャップ中蓋との嵌合形態や係合形態は特に限定されない。例えば、図1〜図4に示す実施形態において、キャップ本体12とキャップ中蓋15を嵌合及び係合させるため、キャップ本体12のスカート部14内面上部に設けられた突条17は、図6Aのようにスカート部14の内周面に連続する環状突条でもよいし、図6Bや図6Cのように不連続な突条であってもよい。図6は、突条17が設けられた位置におけるキャップ本体12の断面図である。
同様に、キャップ中蓋の天部の形状も、キャップ本体と嵌合して該キャップ本体と分離せず、且つ、キャップ本体の筒状口部上端方向や下端方向への移動に際して、キャップ本体と係合して押し上げられたり、引き下げられたりすることができれば、特に限定されない。
図1〜図4に示す実施形態においては、キャップ本体12のスカート部内面に付加的に設けられた突条17によって、キャップ中蓋15が嵌合され、且つ、キャップ本体12を筒状口部1の側面1aに沿って回転させて該筒状口部上端方向へ移動させるときに、当該突条17において、キャップ本体12がキャップ中蓋15と係合するようになっているが、キャップ本体のスカート部内面に設けられたネジ部を、上記突条の代替部として利用することもできる。
具体的には、図7に示すように、キャップ本体12のネジ部20がネジ山である場合、スカート部14の上部側に設けられたネジ山20aの内径よりもキャップ中蓋15(天部16)の外径を大きくすることによって、キャップ本体12のネジ山20と天板部13との間にキャップ中蓋15を嵌合させることができる。また、図7の場合、キャップ本体12が筒状口部上端方向へ移動する際には、キャップ中蓋15とキャップ本体12とを嵌合させるネジ山20aの上面とキャップ中蓋15の底面とが係合する。
キャップ本体とキャップ中蓋との嵌合構造によっては、キャップと筒状口部との接着を解いた後、容器を再封止することができる。例えば、キャップ本体を筒状口部の側面に沿って回転させて当該筒状口部下端方向へ移動させたときに、キャップ中蓋が、キャップ本体の天板部と筒状口部の上端面との間に挟まれ、筒状口部の上端面に押し付けられて再び当接する場合、当該筒状口部がシールされ、再封止することができる。
再封止時の密封性を向上させるためには、キャップにパッキンを設けることが好ましい。パッキンは、筒状口部における密封性を高められる構造であればよい。例えば、図8に示すように、キャップ中蓋15の天部16の(筒状口部1の上端面1bとの)当接面16aの周囲に設けられ、筒状口部1の外周面に密着できるように、筒状口部1の外径よりも若干小さく且つ内径よりも若干大きな内径を有する円筒形状を有し、キャップ5と筒状口部1との螺着によって、該パッキン18の内周面と筒状口部1の外周面とが密着するようなもの(アウターパッキン)が挙げられる。
或いは、図示しないが、キャップ中蓋の天部の(筒状口部の上端面との)当接面の内側に設けられ、筒状口部の内周面に密着できるように、該筒状口部の内径よりも若干大きな外径を有する円筒形状を有し、キャップと筒状口部との螺着によって、筒状口部の内部へと入り込み、筒状口部の内周面と密着するようなもの(インナーパッキン)でもよい。
或いは、上記インナーパッキンとアウターパッキンとを組み合わせ、筒状口部の内周面及び外周面に密着し、該筒状口部を密封するパッキン(図示せず)も用いることができる。
キャップ中蓋へのインナーシール材の装着が容易であること、インナーシール材とパッキンとの構成が複雑化しないこと等の理由から、上記パッキンのうちアウターパッキンが好ましい。
尚、パッキンは、図8のようにキャップ中蓋15に設けてもよいし、或いは、キャップ本体に設けてもよい。また、パッキンは、インナーシール材の使用の有無に関わらず設けることができる。
キャップ5は、図1や図8のように、キャップ本体12を筒状口部1の側面1aに沿って回転させ、筒状口部上端方向へ移動させたときに該キャップ本体12とキャップ中蓋15とが係合する係合面(17a、15a)が、キャップ本体12を筒状口部1の側面1aに沿って回転させて最も下端側に移動させたときに、まったく接触しない構造を有していることが好ましい。
このように、キャップ本体12が筒状口部1の最も下端側に位置する状態、すなわち、キャップ本体12が筒状口部1と完全に螺着し、これ以上キャップ本体12が筒状口部1の側面を回転することができない状態において、キャップ本体12の係合面(17a)とキャップ中蓋15の係合面(15a)との間に隙間を有する場合、キャップ本体12を筒状口部1の上端方向へ移動させる回転の開始時には、キャップ本体12とキャップ中蓋15とが係合しないため、キャップ中蓋15を押し上げてキャップと筒状口部との接着を解くための力を必要とせず、キャップ本体12を回転し始めるための力のみが必要となる(図4A参照)。
ネジ山の肉厚等によって、通常、螺着した2つの部材間の回転に必要な力は、完全に螺着した状態から開栓方向に回転を開始する際に最も大きくなる。従って、キャップ本体の回転開始時に、キャップ本体とキャップ中蓋が係合し、キャップ中蓋を押し上げてキャップと筒状口部との接着を解くための力が必要な場合には、キャップ本体を回転させ始める際に比較的大きな力を要する。これに対し、キャップ本体の回転開始時に必要な力が、キャップ本体と筒状口部との螺合を解くための力のみである場合、比較的小さな力で楽にキャップ本体の回転を開始することができる。
そして、キャップ本体12が筒状口部1の側面1aに沿って回転しながら筒状口部1の上端方向へと移動し、キャップ本体12の係合面(17a)とキャップ中蓋15の係合面(15a)が係合した時点から、キャップ本体12の回転にキャップ中蓋15を押し上げてキャップ5と筒状口部1との接着を解くための力が必要となる(図4B参照)。この時点では、キャップ本体12と筒状口部1との螺合を解くためにキャップ本体12を回転させる力は、キャップ本体12の回転開始時と比較して小さくなっているため、比較的小さな力でキャップ本体12を回転させてキャップ中蓋15を押し上げることができる。
キャップ5と筒状口部1とが接着している場合には、キャップ中蓋15を押し上げる際に、該キャップ中蓋15を筒状口部1から剥がすための力も要するため、係合面17aと係合面15aとの間に上記のような隙間構造を設けることによる効果が大きいが、再封止時のように、キャップと筒状口部とが接着していない状態において、パッキンによりキャップと筒状口部とが密着している場合にも、上記のような係合面間の隙間を設けることによって、比較的小さな力での開栓が可能となる。
尚、図9に示すように、キャップ本体12を筒状口部1の側面1aに沿って回転させて最も下端側に移動させた状態において、キャップ本体12とキャップ中蓋15との係合面(17a、15a)同士が係合するような構造を有している場合、キャップ本体12の回転開始時に、キャップ本体12の回転を開始させるための力と共に、キャップ中蓋15を押し上げてキャップ5と筒状口部1との接着を解くための力が必要となるため、図1〜図4に示す構造ほど弱い力でキャップ本体を回転させることはできないが、従来のキャップと比較して充分弱い力で開栓することができる。
キャップ本体とキャップ中蓋との係合形態は特に限定されないが、キャップ本体のキャップ中蓋を押し上げる力が一箇所に集中し、筒状口部からキャップ中蓋をより剥がしやすくすることができることから、以下のような構造とすることが好ましい。すなわち、キャップ本体12を筒状口部1の側面1aに沿って回転させて該筒状口部上端方向へ移動させるときに該キャップ本体12とキャップ中蓋15とが係合する位置の相対する係合面のどちらかに、凸部21が一箇所設けられていることが好ましい(図8、図10参照)。
このように、キャップ本体12とキャップ中蓋15とが係合する位置の相対する係合面のどちらかに凸部21が一箇所設けられている場合、該凸部21が設けられた位置において、キャップ中蓋15は、当該凸部21の高さ分持ち上げられ、全体として斜めに傾いた状態となる。このとき、凸部21が設けられた位置のキャップ中蓋15と筒状口部1との接着面には、キャップ中蓋15を筒状口部1から引き剥がす力が集中し、筒状口部1からキャップ中蓋15が剥離する開始点となる。このように接着面の一部を剥離させるのに必要な力は、接着面全面を一気に剥離させるのに必要な力と比べて小さく、また、剥離の開始点が生じた接着面は該開始点に応力が集中するため残りの接着面の剥離が進行しやすい。従って、キャップ中蓋15と筒状口部1との剥離を容易に行うことができる。
図8や図10のように、凸部21をキャップ本体12の係合面(17a)に設ける場合、該凸部21はキャップ本体12の回転と共に周回しながら、キャップ中蓋15と接触して該キャップ中蓋15を押し上げるため、キャップ中蓋15を筒状口部1から引き剥がす力は、キャップ中蓋15と筒状口部1との接着面に徐々にかかる。
一方、凸部をキャップ中蓋の係合面に設ける場合(図示せず)、キャップ中蓋が筒状口部から剥がれるまでは、該凸部はキャップ本体が回転しても回転せず、当該凸部が設けられた位置でキャップ中蓋を集中的に持ち上げていく。
キャップ本体及び筒状口部に設けられるネジ部のピッチによって、キャップ本体の一回転当りの上下動距離が変わってくるため、ネジ部のピッチを調節することによりキャップ中蓋を押し上げるために必要な力を調節することも可能となる。すなわち、ネジ部のピッチを小さくし、キャップ一回転当りの上下移動距離を小さくすることで、キャップを小さい力で回転させることが可能となり、キャップの開栓が容易になる。
本発明の閉止機構を構成するキャップの製造方法は、特に限定されない。例えば、キャップ本体とキャップ中蓋とをそれぞれ別々に成形し、組み立て(嵌合し)てもよい。
キャップ本体を形成する材料としては、キャップ開栓時にキャップ本体に加えられる力で、大きく変形しないような剛性を有する材料であればよく、適宜選択して用いることができる。例えば、HDPE等のポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
一方、キャップ中蓋を形成する材料としては、筒状口部の閉止状態を保持できる強度を有する材料であればよく、適宜選択して用いることができる。さらに、インナーシール材を介して、キャップ中蓋と筒状口部とを接着させる場合には、インナーシール材との溶着が可能である材料、或いは、キャップ中蓋と筒状口部とを直接接着させる場合には、筒状口部と溶着させることが可能な材料からなるものが好ましい。例えば、ポリエチレン(HDPEなど)、ポリプロピレン等が挙げられる。
レトルト殺菌する容器(レトルトパウチ)のキャップとして用いる場合には、キャップ本体及びキャップ中蓋共に耐熱性を有するポリプロピレン等を用いることが好ましい。
本発明に係る容器口部の閉止機構の一形態例を示す図である。 図1の閉止機構におけるキャップのみを示す図である。 図1の閉止機構における筒状口部のみを示す図である。 本発明に係る容器口部の閉止機構の一形態例における開栓機構を示す図である。 本発明に係る容器口部の閉止機構におけるキャップ中蓋の構造例を示す図である。 本発明に係る容器口部の閉止機構におけるキャップ本体の構造を示す断面図である。 本発明に係る容器口部の閉止機構におけるキャップの一形態例を示す図である。 本発明に係る容器口部の閉止機構の一形態例を示す図である。 本発明に係る容器口部の閉止機構の一形態例を示す図である。 本発明に係る容器口部の閉止機構の一形態例を示す図である。 図1の閉止機構を有する内容物取出装置101の一形態例を示す図である。 図11の内容物取出装置101を取り付けた容器の一形態例を示す図である。
符号の説明
1…筒状口部
1a…筒状口部の側面
1b…筒状口部の上端面
1c…筒状口部の上端開口部
2…導管部
3…接合部
4…ストロー部
5…キャップ
6…ネジ部
7…支持フランジ
8…整列リブ
9…上端フランジ
10…内容物導出孔
11…容器本体
12…キャップ本体
12b…縦溝
13…天板部
14…スカート部
15…キャップ中蓋
15a…係合面
16…天部
16a…当接面
17…突条
17a…係合面
18…パッキン
19…インナーシール材
20…ネジ部
21…凸部
101…内容物取出装置

Claims (7)

  1. 容器本体に設けられた筒状口部と、該筒状口部を閉止するキャップとの組み合わせからなる容器口部の閉止機構であって、
    前記キャップは、
    天板部、及び、該天板部の周縁から垂下し、前記筒状口部の側面を覆うスカート部を有すると共に、該スカート部の内面に前記筒状口部の外面に設けられたネジ部と螺合するネジ部を有し、前記筒状口部の側面に沿って回転しながら上下動することが可能なキャップ本体と、
    前記キャップ本体内部の天板部近傍に、該キャップ本体と分離しないように嵌合され、且つ、前記筒状口部の上端面と当接する当接面を有する天部を有し、前記筒状口部の上端開口部を覆って該筒状口部を閉鎖するキャップ中蓋と、
    からなり、
    前記キャップ中蓋の天部と前記筒状口部の上端面とが前記当接面において接着しており、
    前記キャップ本体と前記キャップ中蓋は、該キャップ中蓋を回転させずに該キャップ本体を回転させることができる互いに独立した部材であり、前記キャップ本体を前記筒状口部の側面に沿って回転させて該筒状口部上端方向へ移動させるときに、該キャップ本体が該キャップ中蓋と摺動可能な状態で係合し該キャップ中蓋を押し上げることにより、前記キャップ中蓋の天部と前記筒状口部の上端面との接着が解け、前記筒状口部が開放されることを特徴とする、容器口部の閉止機構。
  2. 前記キャップ中蓋の前記当接面に、前記筒状口部と前記キャップ中蓋とを接着するインナーシール材を備える、請求項1に記載の容器口部の閉止機構。
  3. 前記キャップ中蓋の天部が、前記筒状口部の上端開口部を覆って該筒状口部を閉鎖する形状を有する、請求項1又は2に記載の容器口部の閉止機構。
  4. 前記キャップ中蓋の前記当接面に設けられたインナーシール材が、前記筒状口部の上端開口部を覆って該筒状口部を閉鎖する形状を有する、請求項2又は3に記載の容器口部の閉止機構。
  5. 前記キャップ本体を前記筒状口部の側面に沿って回転させて筒状口部上端方向へ移動させたときに該キャップ本体と前記キャップ中蓋とが係合する係合面が、前記キャップ本体を前記筒状口部の側面に沿って回転させて最も下端側に移動させたときに、まったく接触しない請求項1乃至4のいずれかに記載の容器口部の閉止機構。
  6. 前記キャップ本体を前記筒状口部の側面に沿って回転させて該筒状口部上端方向へ移動させるときに該キャップ本体と前記キャップ中蓋とが係合する位置の相対する係合面のどちらかに凸部が一箇所設けられている、請求項1乃至5のいずれかに記載の容器口部の閉止機構。
  7. 前記キャップ本体を前記筒状口部の側面に沿って回転させて該筒状口部上端方向へ移動させるときに前記キャップ中蓋と係合する該キャップ本体の係合面が、前記スカート部の内面に設けられたネジ部の一部である、請求項1乃至6のいずれかに記載の容器口部の閉止機構。
JP2006023391A 2006-01-31 2006-01-31 容器口部の閉止機構 Pending JP2007204092A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006023391A JP2007204092A (ja) 2006-01-31 2006-01-31 容器口部の閉止機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006023391A JP2007204092A (ja) 2006-01-31 2006-01-31 容器口部の閉止機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007204092A true JP2007204092A (ja) 2007-08-16

Family

ID=38483897

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006023391A Pending JP2007204092A (ja) 2006-01-31 2006-01-31 容器口部の閉止機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007204092A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009057106A (ja) * 2007-09-03 2009-03-19 Kirin Brewery Co Ltd プラスチックキャップ、それを装着した容器及びその装着方法
JP2010528947A (ja) * 2007-06-05 2010-08-26 テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム 注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材及び当該閉塞部材の製造方法
JP2011031942A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Pola Chemical Industries Inc 蓋ラベル及び化粧料
JP2021037983A (ja) * 2019-09-02 2021-03-11 凸版印刷株式会社 注出口栓
US11059633B2 (en) 2019-10-31 2021-07-13 Cheer Pack North America Flip-top closure for container

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002205752A (ja) * 2000-10-26 2002-07-23 Toyo Seikan Kaisha Ltd ヒートシール蓋付きキャップ及びヒートシール蓋
JP2004083080A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Toyo Seikan Kaisha Ltd 容器口部のシール構造

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002205752A (ja) * 2000-10-26 2002-07-23 Toyo Seikan Kaisha Ltd ヒートシール蓋付きキャップ及びヒートシール蓋
JP2004083080A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Toyo Seikan Kaisha Ltd 容器口部のシール構造

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010528947A (ja) * 2007-06-05 2010-08-26 テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム 注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材及び当該閉塞部材の製造方法
US8910811B2 (en) 2007-06-05 2014-12-16 Tetra Laval Holdings & Finance S.A. Closure for a sealed container of a pourable food product, and method of producing thereof
JP2009057106A (ja) * 2007-09-03 2009-03-19 Kirin Brewery Co Ltd プラスチックキャップ、それを装着した容器及びその装着方法
JP2011031942A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Pola Chemical Industries Inc 蓋ラベル及び化粧料
JP2021037983A (ja) * 2019-09-02 2021-03-11 凸版印刷株式会社 注出口栓
US11059633B2 (en) 2019-10-31 2021-07-13 Cheer Pack North America Flip-top closure for container

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4883940B2 (ja) 容器口部の閉止機構
JP7123054B2 (ja) スパウトキャップ、スパウトおよびスパウト付き容器
JP6829500B2 (ja) 両面接着が可能な高周波誘導加熱容器封止体及びそれを適用したタンパー機能を有するコンパクト化粧品容器並びにそれを適用したタンパー機能のあるフリップキャップを有する容器
JP2007204092A (ja) 容器口部の閉止機構
JP4210825B2 (ja) ヒートシール蓋付きキャップ
JP6521747B2 (ja) 内容物の充填方法及び二重容器
WO2017212951A1 (ja) 樹脂製密閉容器
JP5090726B2 (ja) 容器口部の閉止機構
US11897669B2 (en) Spout cap, spout, and container with spout
JP2021079977A (ja) 袋状容器の注出口ユニット
JP5009329B2 (ja) スパウトを装着したパウチ
JP4919669B2 (ja) ヒンジキャップ付スパウトを有するパウチ
JP4923177B2 (ja) 容器口部の閉止機構
JP4154566B2 (ja) ヒートシール蓋付きキャップとそのキャップ本体へのヒートシール蓋装着方法
JP7259240B2 (ja) 樹脂製密閉容器
JPH11124156A (ja) 注出口組合体
JP2021054514A (ja) スパウトとキャップとの組み合わせ
JP2534255Y2 (ja) 容器の注出栓
JP2021134002A (ja) キャップ
JP2000103457A (ja) 熱可塑性樹脂製ボトルの密封構造
JP2003261177A (ja) 密封容器
JP2004059090A (ja) 液垂れ防止口栓
JP2024007867A (ja) 包装容器
JP2023020073A (ja) バリア容器
JP2020121732A (ja) チューブ容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110412

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111018