JP2003261177A - 密封容器 - Google Patents
密封容器Info
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Abstract
がら、所要の条件を満足する密封性と消費者の開封操作
に対する便宜を図った易開封性も備えるようにし、簡易
な構成で高酸素バリア性と密封性と易開封性を備える密
封容器を得る。 【解決手段】フランジ上面9から上方に向けて凸となる
ヒートシール被着部10を設け、蓋材8を捲り上げる開
封部12でのヒートシール被着部10を、フランジ張り
出し方向に向けて凸となる山形状にした。
Description
施される容器であって、酸素バリア性に優れる密封容器
に関するものである。
として、上面を開口した収納凹部を有する合成樹脂製の
容器本体とこの容器本体の上面開口を覆う蓋材とからな
り、前記蓋材をその容器本体の上面開口を覆うようにし
て重ね、容器本体の上面開口の周辺に設けられているフ
ランジとこのフランジに対応する蓋材の周辺とをヒート
シールして収納凹部を封止した構造のものがあり、開封
に際しては蓋体を捲り上げるようにしてフランジから剥
離すればよく、複雑な開封機構を備えることなく収容物
の取り出しが容易な形態の密封容器として多く流通して
いる。
き、外部から蓋材や容器本体を透過した酸素による収容
物の変質を抑えて安定的に収容する必要がある。そのた
め前記蓋材や容器本体それぞれはバリア性を備えるもの
が採用され、図7,8に示されているように、密封容器
1において合成樹脂製とした容器本体2では、例えば収
納凹部3の周壁部4と底部5との外表面に、バリア性の
あるフィルムを用いてなるバリア層6が配されている。
しかしながら、この容器本体2の成形方法や成形コスト
などの関係から、フランジ7の部分や周壁部4と底部5
との繋ぎ部分には、前記バリア層6を設けることができ
ない。そのため、バリア性を備える蓋材8をヒートシー
ルして密封を行なっても、特にフランジ上面9のヒート
シール被着部10と周壁部4におけるバリア層6の上端
位置との間における肉厚の小さいフランジ7の部分から
外部酸素が透過する可能性が残り、密封容器全体として
高い酸素バリア性を確保し難いという状況にある(酸素
の透過を図9のsとして示した)。
性を備える密封容器には密封性と易開封性とを満足させ
る要求がある。密封性の要求について説明すると、食品
を収容する密封容器にはレトルト殺菌処理を施して収容
物を殺菌する場合が多く、この殺菌処理時の環境下で収
納部の内圧が上昇してもヒートシール界面で包装材料が
剥離せずに収容物が保護されるようにする必要があり、
ヒートシール部分でのシール強度が2.3kg/15m
m幅以上であることが義務付けられている。また、易開
封性の要求としては、この密封容器を用いた製品を購買
する一般消費者への便宜を図るものであって、蓋材を所
定の開封部分から捲り上げて開封するときに大きな抵抗
を生じさせないようにする必要がある。このように密封
容器では密封性と易開封性とを満足させることが要求さ
れている。このシール強度を確保しながら易開封性を図
るものとして、特開昭63−294368号に示されて
いるようにシール面の間に一層の中間材を設けるように
したり、多層シート成型品の容器本体を用いることが行
われている。また、易開封性を犠牲にして蓋材のシーラ
ントに無延伸ポリプロピレン樹脂を用い、シール線幅を
細くするなどの手法を採用している容器もある。
素バリア性を備える密封容器に対して、レトルト殺菌処
理にも適正に耐え得る密封性と上記易開封性とを満足さ
せる試みはなされておらず、高い酸素バリア性を備え、
かつ密封性と易開封性とを備える密封容器は未だ存在し
ていないのが現状であった。そこで、本発明は上記事情
に鑑み、密封容器に対して高い酸素バリア性を付与しな
がら、所要の条件を満足する密封性と消費者の開封操作
に対する便宜を図った易開封性も備えるようにすること
を課題とし、簡易な構成で高酸素バリア性と密封性と易
開封性を備える密封容器が得られるようにすることを目
的とするものである。
してなされたもので、上面を開口し底面部と周壁部とに
バリア層を備えた容器本体と、バリア性を有して容器本
体の上面開口を覆う蓋材とからなり、前記容器本体の上
面開口の周辺にフランジを設け、該フランジに前記蓋材
をヒートシールし、前記蓋材を捲り上げてフランジから
剥離させて開封する構成とした容器において、フランジ
上面から上方に向けて凸となるヒートシール被着部を設
け、蓋材を捲り上げる開封部での前記ヒートシール被着
部を、フランジ張り出し方向に向けて凸となる山形状に
したことを特徴とする密封容器を提供して、上記課題を
解消するものである。本発明において、上記容器本体に
おける周壁部の外表面にバリア層が配されていて、前記
バリア層の上端位置での周壁部の平断面に相対するフラ
ンジ上面の対応領域に、上記ヒートシール被着部の少な
くとも一部分が位置していることが良好である。
ートシール被着部における尖端外縁と尖端内縁とのそれ
ぞれの曲率半径を3mm以下とすることが可能である。
さらに、上記容器本体のバリア層は、合成樹脂製フィル
ムにアルミナ蒸着加工を施したバリア性フィルムを、イ
ンサートインジェクション成形方法による容器本体成形
時に容器本体と一体としてなるものとすることが可能で
ある。さらにまた、上記蓋材の容器本体側に、シール温
度150℃〜180℃、シール時間1秒のヒートシール
条件で、対向面間のシール強度が1.8〜2.8kg/
15mm幅となるシーラントを設けて、蓋材とヒートシ
ール被着部とが貼り合わされているものとすることが可
能である。そして、本発明において、上記蓋材は、アル
ミ箔または合成樹脂製フィルムにアルミナ蒸着加工を施
したバリア性フィルムをバリア層として備えているもの
とすることが可能である。
す実施の形態に基づいて詳細に説明する。なお、図7か
ら図9に示す従来例と構成が重複する部分は同符号を付
してその説明を省略する。密封容器1は、酸素バリア性
を有した容器本体2と酸素バリア性を有して容器本体2
に重ねられている蓋材8とからなるものであり、前記容
器本体2にあっては、図1に示されているように収納凹
部3の上面視形状を略四角形状にしてコーナー部分を曲
面とし、フランジ7も容器本体2の上面開口11の形状
に対応して四方のコーナー部分が湾曲した形状に設けら
れており、さらに蓋材8もフランジ7の外縁形状に対応
した形状として容器本体2に重ね合わせ、その蓋材8の
周辺とフランジ7とがヒートシールされている。そし
て、蓋材8の一つのコーナーが位置する箇所を開封部1
2としていて、後述するようにこの開封部12から蓋材
8を捲り上げてフランジ7から剥離させることで開封を
行なうようにしているものである。
X線方向の断面を表している)に示されているように収
納凹部3の周壁部4の外表面と底部5の内表面とに配さ
れたバリア層6によって上記酸素バリア性を有するよう
にしている。そして、前記バリア層6自体は、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムにアルミナ蒸着加工を施し
たバリア性フィルムを、インサートインジェクション成
形方法による容器本体成形時に容器本体と一体としてな
るものである。図3においては、底部5の外表面にバリ
ア層6を配した例を示していて、このように底部5にお
けるバリア層6の配置は特に限定されない。また、蓋材
8は、アルミ箔または合成樹脂製フィルムにアルミナ蒸
着加工を施したバリア性フィルムをバリア層として備え
ているものであり、これによって酸素バリア性を有する
ように設けられているものである。
ランジ7と同じく酸素バリア性を備えた蓋材8とが適正
にヒートシールされるようにこの密封容器1では、上面
開口11を囲むヒートシール被着部10がフランジ上面
9から上方に向けて凸となる形状にして上面開口11の
周りに亘って設けられており、その突出高さh1を0.
2〜0.8mmとし、突出端面の幅d1を1.0〜3.
0mmとしている(図2参照)。そして、このヒートシ
ール被着部10に重なるようにして上記蓋材8の周辺が
重ね合わされ、所要のシール強度、例えば上述した2.
3kg/15mm幅以上のシール強度が得られるように
してヒートシールされている。
バリア層6が貼り合わせられた状態とはなっていないこ
とから、本発明では上記ヒートシール被着部10のフラ
ンジ上面9上での位置を選択して、酸素がこのフランジ
7を透過して収納凹部3側に入り込む度合いを極力抑え
るようにしている。即ち、従来例ではフランジ7の部分
を酸素が透過する度合いが高いことから、バリア層6の
上端位置6aでの周壁部4の平断面部分13に相対する
フランジ上面9の対応領域14に、ヒートシール被着部
10の少なくとも一部分が位置するようにしている。こ
の位置関係はヒートシール被着部10の全周において成
立していて、図4(イ)に示すように開封部12以外の
ヒートシール被着部10の一般部分にあっては上面開口
11の内縁に沿って位置し、図4(ロ)に示すように開
封部12のヒートシール被着部10にあっても前述の位
置関係が保たれており、後述するように易開封性を考慮
してフランジ張り出し方向に向けて凸となる山形状とし
ているが、上端位置6aの上方にヒートシール被着部1
0の尖端外縁15と尖端内縁16との間が位置するよう
にしている。
2と蓋材8とが酸素バリア性を有し、かつフランジ上面
9上での上記対応領域14に対してヒートシール被着部
10の少なくとも一部分を位置させて蓋材8をヒートシ
ールしているため、容器本体2と蓋材8とで酸素バリア
性が連続するようになってフランジ7での酸素の透過が
抑えられ、密封容器1全体の酸素バリア性が向上する。
ル被着部10をその平面視形状がフランジ張り出し方向
に向けて凸となる山形状にしている。これによってこの
開封部12から蓋材8を捲り上げる際、蓋材8をヒート
シール被着部10から剥離させようとする力が尖頭部分
のヒートシール界面に集中するようになり、所要のシー
ル強度でヒートシールされていても尖頭部分で蓋材8が
ヒートシール被着部10から剥離し始めるようになる。
そして前記尖頭部分でのヒートシール界面で蓋材8とヒ
ートシール被着部10との間が離れた状態で蓋材8を捲
り上げる力を加え続ければ、その尖頭部分のヒートシー
ル界面が剥離始端となって蓋材8を剥ぎ取ることがで
き、それほど大きな力を要することなく開封部12から
開封操作が行なえるものとなっている。このように密封
容器1では開封部12のヒートシール被着部10をフラ
ンジ張り出し方向に向けて凸となる山形状にしているた
めに蓋材8を剥離させる始端が形成され易くなってお
り、よって密封容器1の所要のシール強度による密封性
を確保しながら易開封性も有するものとなる。
は、尖頭外縁15の曲率半径r1と尖頭内縁16の曲率
半径r2とをそれぞれ3mm以下にすることが好まし
い。このように曲率半径r1、r2を3mm以下にすれ
ば、開封部12での蓋材8の捲り上げによって容易にそ
の蓋材8がヒートシール被着部10の尖頭部分から剥離
して開封操作が頗る向上するようになる。勿論、シール
強度を低下させる必要はなく適正な密封性も確保でき
る。さらに、開封操作をより一層向上させるため、蓋材
8側に工夫を施すことが可能である。図5はその例を示
していて、蓋材8の容器本体側に、シール温度150℃
〜180℃、シール時間1秒のヒートシール条件で、対
向面間のシール強度が1.8〜2.8kg/15mm幅
となるシーラント17を設けるようにしてもよい。そし
て、この場合、蓋材8はアルミ箔または合成樹脂製フィ
ルムにアルミナ蒸着加工を施したバリア性フィルムをバ
リア層6として備えていることが良好である。
ィルムを用いてインサートインジェクション成形した容
器本体において、上記ヒートシール被着部がバリア層の
上端位置での周壁部の平断面に相対するフランジ上面の
対応領域から外方に離れている比較例1と、ヒートシー
ル被着部がフランジ上面の前記対応領域内に位置してい
る実施例1とを作成して酸素バリア性を比較した。その
結果を表1に示す。図6は比較例1の容器本体2aと実
施例1の容器本体2bとを示しており、ヒートシール被
着部10の突出高さh2は共に0.4mmとした。ま
た、比較例1においてバリア層上端位置とヒートシール
被着部との水平方向の距離d2を1.0mmとした。周
壁部と底部とのバリア層を構成するバリア性フィルムは
共につぎの層構成とした。延伸ポリプロピレン(20μ
m)/ポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミナ
蒸着加工を施したバリア性フィルム(12μm)/無延
伸ポリプロピレン(50μm) 蓋材はつぎの層構成とした。ポリエチレンテレフタレー
ト(12μm)/アルミ箔(15μm)/ナイロン(1
5μm)/無延伸ポリプロピレン(50μm) 表1から明らかなように実施例1は比較例1より良好な
酸素バリア性を有し、レトルト殺菌処理の前後において
その酸素バリア性が変化しなかったことが確認できた。
そして、フランジ断面方向においてヒートシール被着部
の少なくとも一部分を、上記バリア層上端位置の対応部
分から内側に位置させるようにすることが、酸素バリア
性を向上させることで有効であることが判断できた。
レン樹脂(ホモPP)を材料としたインジェクション成
形の容器本体において、フランジ上面を平坦にしたもの
と凸形状のヒートシール被着部を有したものとを作成
し、フランジ上面を平坦にしてヒートシール被着部を表
2中の条件とした比較例2、ヒートシール被着部の開封
部における尖頭外縁と尖頭内縁との曲率半径を表2中の
条件とした比較例3、実施例2、実施例3により開封強
度を比較した。その結果を表2に示した。比較例3、実
施例2、実施例3に用いた容器本体ではヒートシール被
着部の突出高さを0.4mm、幅を2.0mmとした。
比較例2に用いた蓋材Aの層構成を下記に示す。ポリエ
チレンテレフタレート(12μm)/ポリエチレンテレ
フタレートフィルムに酸化けい素を蒸着したバリア性フ
ィルム(12μm)/ナイロン(15μm)/無延伸ポ
リプロピレン(70μm、プレーンCPP) 比較例3、実施例2、3に用いた蓋材Bの層構成を下記
に示す。ポリエチレンテレフタレート(12μm)/ア
ルミ箔(15μm)/ナイロン(15μm)/無延伸ポ
リプロピレン(50μm、東レ合成株式会社製9501
H) シール強度は一定とした。表2に示されているように実
施例2、3において易開封性が確認された。そして、ヒ
ートシール被着部を凸形状とし、尖頭外縁、尖頭内縁の
曲率半径r1、r2を3.0mm以下とすることが良好
と判断できた。
菌処理に適応した密封性を確保しながら易開封性をも有
するようになり、さらに高いバリア性にて収容物を安定
的に収容できる機能も備える密封容器が得られる。そし
て、密封容器を製造する上で充填の後のヒートシール方
法が簡易なものとなり、製造コストや材料費を引き上げ
ることがないなど、実用性に優れた効果を奏するもので
ある。
とを分離した状態で示す説明図である。
である。
を示す説明図である。
示すもので、(イ)はヒートシール被着部の一般部分を
示す説明図、(ロ)は開封部を示す説明図である。
る。
す説明図である。
ルを示す説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】上面を開口し底面部と周壁部とにバリア層
を備えた容器本体と、バリア性を有して容器本体の上面
開口を覆う蓋材とからなり、前記容器本体の上面開口の
周辺にフランジを設け、該フランジに前記蓋材をヒート
シールし、前記蓋材を捲り上げてフランジから剥離させ
て開封する構成とした容器において、 フランジ上面から上方に向けて凸となるヒートシール被
着部を設け、蓋材を捲り上げる開封部での前記ヒートシ
ール被着部を、フランジ張り出し方向に向けて凸となる
山形状にしたことを特徴とする密封容器。 - 【請求項2】上記容器本体における周壁部の外表面にバ
リア層が配されていて、前記バリア層の上端位置での周
壁部の平断面に相対するフランジ上面の対応領域に、上
記ヒートシール被着部の少なくとも一部分が位置してい
る請求項1に記載の密封容器。 - 【請求項3】上記開封部でのヒートシール被着部におけ
る尖端外縁と尖端内縁とのそれぞれの曲率半径を3mm
以下とした請求項1または2に記載の密封容器。 - 【請求項4】上記容器本体のバリア層は、合成樹脂製フ
ィルムにアルミナ蒸着加工を施したバリア性フィルム
を、インサートインジェクション成形方法による容器本
体成形時に容器本体と一体としてなるものである請求項
1から3のいずれか一項に記載の密封容器。 - 【請求項5】上記蓋材の容器本体側に、シール温度15
0℃〜180℃、シール時間1秒のヒートシール条件
で、対向面間のシール強度が1.8〜2.8kg/15
mm幅となるシーラントを設けて、蓋材とヒートシール
被着部とが貼り合わされている請求項1から4のいずれ
か一項に記載の密封容器。 - 【請求項6】上記蓋材は、アルミ箔または合成樹脂製フ
ィルムにアルミナ蒸着加工を施したバリア性フィルムを
バリア層として備えている請求項1から5のいずれか一
項に記載の密封容器。
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-
2002
- 2002-03-04 JP JP2002057406A patent/JP4277475B2/ja not_active Expired - Fee Related
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