JP5009329B2 - スパウトを装着したパウチ - Google Patents

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Description

この発明は、食品、洗剤等が充填されるパウチ(袋体)の開口部に溶着されて内容物の
注出路を形成するためのスパウトを装着したパウチに関するもので、更に具体的には、密封性に優れ、しかも容易に開封可能であり、かつ悪戯抑止効果及び悪戯明示機能を有するスパウトを装着したパウチに関する。
従来、合成樹脂又は金属箔又は両者を積層して得られる2枚の矩形フレキシブルシートの周縁部を相互にヒートシールしたパウチに、注出筒を有するスパウトを取り付け、スパウトの注出開口部にキャップを施した容器が使用されている。このスパウト付きパウチは、スパウト上方に形成された注出筒の開口端に引き剥がし用の摘み部を有するインナーシールをヒートシールすることで注出口を閉塞してパウチ内の密封状態を保証する方法が一般的に採用されている。
この種のスパウト付きパウチは、注出口をスクリューキャップなどのキャップ類によって開閉するものと比較して十分な密封性を確保できるので、特にレトルト殺菌処理を必要とする内容物を充填する場合に、しばしば用いられる。
しかしながら、インナーシールを採用したスパウト付きパウチでは、キャップとスパウトの注出筒との間に殆んど隙間がないので、インナーシールの摘み部の面積を大きくとることができず、その上、摘み部がキャップによって注出筒の外周面に押圧された状態となるので摘むことが困難であり、又摘み部が開口端部とキャップとの間に折り込まれて注出筒の外周面に融着する恐れもあり、いずれにしても消費者がインナーシールを剥がして内容物を使用する場合、その引き剥がしが容易に行われない恐れがあった。
このような問題を解決するために、特許文献1には、スクリューキャップがねじ込まれるスパウト側の雄ねじのねじ山を通常よりも高くして、ねじ込まれるスクリューキャップとねじ山間に隙間を形成し、スクリューキャップを取り付けたときにインナーシールの摘み部が注出筒の外周面に押し付けられないようにし、開封に際して容易に摘み部を摘まんでインナーシールを引き剥がすことができるようにしたスパウト付きパウチが提案されている。
特開2001−48200
しかしながら、スパウトの注出筒とスクリューキャップとの間に隙間を形成するときは、スクリューキャップと注出筒のねじ山における係合が弱くなり、密閉性に問題を生ずる。又、そもそもインナーシールは、ヒートシール手段によって注出筒の開口端にインナーシールを貼付するものであり、製造工程が増え、コスト面で不利といえる。
本発明は、スパウトを装着したパウチにおける問題点を解決するためになされたものであって、製造コストを削減するとともに、容器に必要かつ十分な密封性を与え、かつタンパーエビデント性を有する安全性の高いスパウトとそのスパウトを装着したパウチを提供することを目的とするものである。
上記の課題を達成するための本発明は、パウチ内の内容物の注出を行う注出筒と、該注出筒に連接して形成され、パウチの内面縁部に溶着固定される取付部と、を備え、注出筒の下端部には封止底部と摘み片が設けられ、前記封止底部の上に位置する注出筒には全周にわたって破断可能な環状の弱化部が形成され、摘み片(9)と取付部(6)とが接続片(10)で接続されたスパウトを装着したパウチであって、パウチには少なくとも前記弱化部と摘み片を含むスパウトの下方部分に整合するように透明又は半透明領域が形成されていることを特徴とする
本発明において注出筒の下端部に設けられる摘み片は、パウチ外部から容易に摘まむことができるように薄型の平板形状であればよく、その側面の形状は矩形形状、楕円形状、台形形状など任意の形状を採ることが出来る。又摘み片は、摘み易さの観点から、その幅が取付部の幅とほぼ同一寸法とすることが好ましい。
本発明においては、注出筒の開口部の封止を剥ぎ取り困難なインナーシールによることなく、注出筒下端部に封止底部と摘み片を形成し、封止底部の上部に位置する注出筒に破断可能な弱化部を形成することで、開封されるまで確実に密封性能を維持することができ、開封時には該摘み片を把持し弱化部に破断力を加えて切り離すことで注出開口が容易に形成される。
また弱化部及び摘み片の存在位置を、パウチに設けた透明又は半透明領域によって目視により確認し得る様にすれば、使用に際しての開封をより確実かつ容易に行うことができる上に、更に摘み片の状態が目視可能であるところから悪戯抑制効果および悪戯明示効果に優れたものとなる。又、本発明においてはスパウトに有底の注出筒を使用するものであるから、開口部にインナーシールを施す必要がなく、したがって内容物の充填工程に際して、ヒートシール工程を付与することがないので、製造コストを低減する効果もある。
さらに、本発明において注出筒の下端部に設けられた摘み片を薄型の平板形状とすることで、製品製造時にスパウトの取付部をパウチ上縁内に挿入して溶着するに際して、摘み片が挿入用ガイドとしての機能を果たすことができ、スパウトのパウチへの挿入が容易になる。
本発明のスパウトの一実施例を示す斜視図である。
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明のスパウト及びこれを装着したパウチの概要を示す斜視図である。図において、1はスパウトであり、2はパウチである。本図では、便宜上スパウト1は、斜視図にて示され、パウチ2は一点鎖線で示される。
スパウト1は、上端に開口部4を有し、下端に封止底部5を有するパウチの内と外の上下方向に延びる注出筒3が設けられている。6はスパウト1をパウチ2の内面縁部に溶着取り付けするために該注出筒3に連接して形成された取付部である。該取付部6は、注出筒の軸方向に直行して設けられており、本実施の形態においては平面が略菱形形状に形成されているが、楕円形状等、パウチ2の内面縁部に溶着固定するために都合のよい形状であれば、その形状は特に限定されない。
7は取付部6の側面に設けられた溶着部である。8は封止底部5上方の注出筒に形成された弱化部である。弱化部8は、前記封止底部5を注出筒3から切り離し、開口を形成するために形成された破断可能な薄肉部であり、前記注出筒3の全周にわたって環状に形成されている。
9は、前記封止底部と連接して形成された薄型の平板形状の摘み片である。スパウト1をパウチ2に溶着固定した場合に、該摘み片9の摘み面は、パウチ2の内面と同一面或いはほぼ同一面をなしており、また幅(前記上縁2a方向の長さ)は、前記取付部の幅(前記上縁2aの長さ)と略同一に形成されている。摘み片9は、接続片10により取付部6と接続されている。
11は注出筒3の開口部4に装着されたキャップであり、本実施形態においてキャップ11は、注出筒3の外周に設けられた雄ねじ12に螺合するねじ方式が採られているが、例えば注出筒の外周面の環状の掛止用突起を設け、キャップ内面の相応箇所に掛合用突起を設けて相互に両者を掛け止める掛止方式など公知の手段を採用することができる。
スパウト1をパウチ2に装着するには、対向する2枚のフレキシブルシートの上縁、下縁を除く側縁の二方をあらかじめヒートシールにより溶着封止して略筒状としたパウチ2の上縁内面にスパウト1を挿入し、しかる後、該上縁を溶着部7とともにヒートシールにより溶着封止する。スパウト1のパウチ2への挿入に際しては、前記摘み片9がガイド役を果たすので円滑な挿入が行われることになる。
その後、流動性食品等の所望の内容物をパウチの下縁開口部から充填した後、該下縁を溶着封止する。なお、パウチ2には、一般的には合成樹脂、金属箔、又はこれらを積層した不透明フレキシブルシートが用いられるが、図中鎖線13に示されるように、スパウト1の注出筒3における弱化部8及び摘み片9の挿入部分に整合する領域は透明または半透明とされる。
内容物の注出に際しては、スパウト1の摘み片9をパウチ2の上から摘んだ後、破断力を加え弱化部8を破断し、キャップ11を外して内容物を注出する。この際、パウチ2には前記弱化部8及び摘み片9に整合するように透明又は半透明領域が形成されているため、目視によって摘み片9の操作及び弱化部8の裂き取りを容易に確認することができる。該摘み片9を含む切離片は、接続片10によって取付部6に接続されているので、パウチ2内部で浮遊して注出開口を閉塞する虞がない。
1.スパウト
2.パウチ
3. 注出筒
4.開口部
5.封止底部
6.取付部
7.溶着部
8.弱化部
9.摘み片
10.接続片
11.キャップ
12.雄ねじ
13.透明又は半透明領域

Claims (2)

  1. パウチ(2)内の内容物の注出を行う注出筒(3)と、該注出筒(3)に連接して形成され、パウチ(2)の内面縁部に溶着固定される取付部(6)と、を備え、注出筒(3)の下端部には封止底部(5)と摘み片(9)が設けられ、前記封止底部(5)の上方に位置する注出筒にはその全周にわたって破断可能な環状の弱化部(8)が形成され、摘み片(9)と取付部(6)とが接続片(10)で接続されたスパウト(1)を装着したパウチ(2)であって、
    パウチ(2)には少なくとも前記弱化部(8)と摘み片(9)を含むスパウト(1)の下方部分に整合するように透明又は半透明領域(13)が形成されていることを特徴とするスパウトを装着したパウチ。
  2. 前記スパウト(1)は、前記摘み片(9)が平板状の板体であることを特徴とする請求項記載のパウチ
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