JP5079615B2 - 注出具 - Google Patents
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Description
このような容器に固着されて使用される樹脂製の注出具として、例えば下記特許文献1に記載された包装容器に適用される注出具のように、予め容器に形成された開口をテープで覆い、このテープを包含するように注出具のベース部を容器に固着して、内容物の使用開始の際にはテープを剥離して注出用開口を形成して内容物の注出を可能にし、注出終了後には、上蓋をベース部に係合することにより、リシールを可能にしたものが提案されている。
1.注出栓と基部を連結するヒンジが、上蓋と基部を連結するヒンジの反対側の位置に形成されていること、
2.注出栓の底面壁が、嵌合筒部が容器に形成された内容物注出用開口に嵌合された状態で、開口部から注出方向に向かって上方に傾斜する傾斜面を有すること、
3.注出栓の嵌合筒部の最大外径が、容器に形成された内容物注出用開口の径よりも大きいこと、
が好適である。
また本発明の注出具は、注出栓に注出案内部が形成され、この注出案内部を伝って内容液が注出されるため、注ぎやすく液切れ性もよい。しかも基部内の容器面にほとんど内容液が触れないため、液ダレや液残り、或いはテープの剥離面に内容液が浸透してしまうことが有効に防止され、衛生性にも優れている。
また注出栓の注出方向の底面壁が注出方向から開口に向かって下方に傾斜していることにより、注出終了後に内容液が速やかに容器に戻るため、液残りを有効に防止することができる。
図1は、本発明の注出具の一例の上蓋を開いた状態における平面図(A)及び側断面図(B)であり、図2は、図1に示した注出具の上蓋が基部に固定された状態における側断面図である。
図3は、図2に示した注出具を容器に装着した状態における側断面図であり、図4は、図3に示した注出具の上蓋を開いた状態を示す側断面図であり、図5は、図4に示した状態から注出栓を起こしてテープを剥離している状態を示す側断面図であり、図6は、図5に示した状態からテープを剥離し、注出栓を容器の開口に嵌め込み、上蓋を基部に固定した状態を示す側断面図である。
また図7は、本発明の注出具の一例を容器に装着した状態を示す斜視図であり、図8は、図7の状態から上蓋を開いた状態を示す斜視図であり、図9は、図8の状態から、注出栓を引き上げた状態を示す斜視図であり、図10は、図9の状態からテープを剥離した状態を示す斜視図であり、図11は、図10の状態から注出栓を容器の注出用開口に固定した状態を示す斜視図である。
基部2は、長辺21a及び短辺21bから形成される矩形状のフレーム部21から成っており、フレーム部21の下面が容器7との溶着面になるように、長辺21a及び短辺21bが所定の幅を持って形成されている。またフレーム部21の下面には、環状凹部22が形成され、注出具を固定する際の溶融樹脂の逃げ部として作用する。
更にフレーム部21の上面には、上蓋4の係合部と係合して液密性を保持するための環状係合部23が形成されている。
また上蓋4のスカート部42の下端内面には、基部2の環状係合部23と係合するための係合部45が形成されている。また、上蓋4の天面41の内面側には、後述する注出栓6の開口部に嵌合可能なインナーリング46が形成されている。
更に図に示す具体例では、上蓋4は、外周壁43の下端で基部2のフレーム部21の短辺21bとヒンジ3により連結されている。
また底面壁62の下面の開口部61近傍には、容器7の開口71に嵌合させる嵌合筒部65が形成されており、この嵌合筒部65の外周面には、容器7の開口端縁と係合可能なアンダーカット66が形成されており、これにより、一旦固定した注出栓が容器開口から容易に抜けることが防止されていると共に、この部分からの内容液の漏洩が有効に防止されている。
更に、底面壁62のヒンジ5の反対側には、注出栓6を持ち上げるための把持部67が形成されている。
図3は、容器7に本発明の注出具1が適用された状態を示すものであり、容器7の上面に予め形成された開口71には、テープ72が開口71の周縁に接着されている。
図4は、本発明の注出具1の上蓋4の係合部45と基部2の環状係合部23との係合が解除され、上蓋4が開いた状態である。次いで、図5に示すように、注出栓6の把持部67を持って上方に注出栓6を引き上げることにより、テープ72の剥離が可能となって、テープを完全に容器7から引き剥がすことにより、容器7の開口71が形成される。
次いで注出栓6を元の位置に戻し、更に注出栓6の嵌合筒部65を容器の開口71に嵌め込み、注出栓6の嵌合筒部65のアンダーカット66が容器7の開口端縁73と係合させた後、上蓋4を完全に閉じることにより、図6に示すリシール状態となる。この状態において、上蓋4のインナーリング46の外周面は注出栓6の開口端縁68と圧接し、容器の液密性を確保している。
次いで、注出栓6の嵌合筒部65を容器7の開口71に嵌め込むことにより、注出栓6の開口部61を通じて内容液の注出が可能になる(図11)。
本発明の注出具において、注出栓の嵌合筒部の最大外径は、容器に形成された開口の内径よりも大きいことが好ましく、これにより、容器の開口と嵌合筒部の間からの内容液の漏洩を有効に防止できる。
また、上蓋のインナーリングと注出栓の開口部端縁との嵌合力、注出栓の嵌合筒部と容器開口の嵌合力との関係は、後者の嵌合力の方が強いことが、液密性の点から好ましい。
更に、上蓋のインナーリング、注出栓の開口部の形状は、図に示した具体例では注出方向に長い長円であり、これ以外にも種々の形状を採用できるが、上蓋のインナーリング及び注出栓の開口端縁、注出栓の嵌合筒部及び容器開口端縁の確実な嵌合を可能にする観点からは、円形であることが好ましく、図に示したような注出方向に長い長円や、楕円等は、注出量を容易に制御することができるので特に好ましい。
また注出栓の注出壁は、図に示した具体例では、底面壁の全周にわたって形成されており、これにより、内容液が直接容器に接触することが有効に防止できるが、前述したように、本発明の注出栓は注出性、液切れ性及び液戻り性の向上を図るものであることから、注出案内部を形成するように注出壁を注出方向側だけに形成することもできる。
また図に示した具体例では、注出栓と基部の連結は、上蓋と基部の連結の反対側であったが、これに限定されるものではない。
また注出具の大きさは、当然のことながら、基部のフレーム部内に容器に形成された開口を覆うテープが収納される大きさであることが重要である。
容器への注出具の固定は、容器の材質等によって決定され、容器表面が溶融可能な樹脂フィルムから成る場合には、基部のフレーム部下面を溶着させてもよいし、或いは接着剤を用いて接着してもよい。
また注出具を容器に溶着する場合、フレーム部の下面にリブが形成されていることが特に好ましく、これにより、樹脂の溶融効率を上げることができ、溶着性が向上する。図に示した具体例においては、フレーム部の下面に環状凹部を形成して溶着していたが、これに限定されるものでなく、凹部に代えて中央が突出した環状凸部であっても溶着性を向上できる。
また容器開口を覆うテープとしては、これに限定されないが、アルミ箔の両面に熱可塑性樹脂フィルムが積層された積層体や、ガスバリア性樹脂フィルムの両面に熱可塑性樹脂フィルムが積層された積層体等、従来公知のものをすべて使用することができる。
21 フレーム部、22 環状凹部、23 環状係合部、41 天面、42 スカート部、43 外周壁、44 溝、45 係合部、46 インナーリング、61 開口部、
62 底面壁、63 注出壁、64 注出案内部、65 嵌合筒部、
66 アンダーカット、67 把持部。
Claims (4)
- 容器に固着されるフレーム状の基部、及び該基部にヒンジ連結され、該基部と係合して密封可能な上蓋から成る注出具において、
前記基部にはヒンジを介して注出栓が一体に成形されており、該注出栓は、容器に形成された内容物注出用開口に合致する位置に開口部が形成された底面壁、該底面壁の開口部周縁に形成されて容器の内容物注出用開口と嵌合可能な嵌合筒部及び該底面壁の外周縁から上方に延びる注出壁とから成り、該注出壁の注出方向周縁には注出案内部が形成されていると共に、前記上蓋には前記注出栓の開口部に嵌合可能なインナーリングが形成されていることを特徴とする注出具。 - 前記注出栓と基部を連結するヒンジが、上蓋と基部を連結するヒンジの反対側の位置に形成されている請求項1記載の注出具。
- 前記注出栓の底面壁が、嵌合筒部が容器に形成された内容物注出用開口に嵌合された状態で、開口部から注出方向に向かって上方に傾斜する傾斜面を有する請求項1又は2記載の注出具。
- 前記注出栓の嵌合筒部の最大外径が、容器に形成された内容物注出用開口の径よりも大きい請求項1乃至3の何れかに記載の注出具。
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