JP7490192B2 - 液体充填容器用口栓および同口栓を備えた液体充填容器 - Google Patents
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Description
このタイプの容器にあっては、スクリューキャップをスパウトから外しておいてから、プルタブを引き上げると、プルタブが破断してスパウトから分離し、それによって開封が行われ、開封後にスパウトを通じて内容物を注出することができる。また、開封後は、スクリューキャップをスパウトに着脱することで、繰り返し再封を行うことができるので、内容物を複数回に分けて注出する場合に適している。
上記特許文献2等に記載された液体充填容器用口栓の場合、プルタブを引き上げて破断させる際に比較的大きな力が必要となり、開封操作性の点で問題があった。
また、上記特許文献3に記載された液体充填容器用口栓の場合、レバー全体がリングの内側に配置されているため、レバーの第一の部分および第二の部分のサイズが小さくなる。そして、レバーの第一の部分が小さいと、同部分で注ぎ口部を破断させることにより形成される開口の面積を大きくすることができず、注出量が少なくなるので、注ぎ難いという問題があった。また、レバーの第二の部分が小さいと、開封のためのレバー操作時に第一の部分に対して力が加わり難く、開封操作性が良好とは言えなかった。
開封予定部と対面して配置されるように口栓本体の内周部に第1ヒンジを介して揺動自在に連結され、開封予定部に向かう開封方向に揺動させられることにより封止シートを破断させて開封する開封部材と、
口栓本体の外周部に第2ヒンジを介して揺動自在に連結され、開封部材に向かって揺動させられることにより、開封部材を押圧して開封方向に揺動させるレバー部材と、
口栓本体の外周部のうち第2ヒンジと重ならない箇所に第3ヒンジを介して揺動自在に連結され、口栓本体に向かって揺動させられることにより口栓本体の内側開口を塞いで閉栓する蓋部材とを備えている、液体充填容器用口栓。
レバー部材が、基端が第2ヒンジに結合されているレバー本体部と、レバー本体部の表側部分から突出しかつ開封部材に向かって揺動させられた際に開封部材の被押圧部と圧接する押圧凸部とを有している、上記1)または2)の液体充填容器用口栓。
蓋部材の口栓本体用蓋部が、頂壁部と、頂壁部の裏面から垂下状にのびかつ蓋部材を閉じた際に口栓本体の環状立ち上がり壁部の内周面と液密状に接触させられる環状垂下壁部とを有している、上記10)の液体充填容器用口栓。
また、同口栓によれば、レバー部材のサイズも大きくすることができるので、開封のための揺動操作時にレバー部材に手指を掛け易くなる上、開封部材に対して力が加わりやすくなり、優れた開封操作性が得られる。
また、同口栓によれば、開封部材が第1ヒンジを介して口栓本体と一体化されているので、開封後に開封部材が容器内に落下して液体中に混入することがない。
また、同口栓によれば、レバー部材用蓋部によってレバー部材の押圧凸部が被覆されるため、開封後に容器内に入り込む開封部材と接触する押圧凸部を衛生的な状態に保持することができる。
さらに、レバー部材用蓋部によってレバー部材のほぼ全体が被覆されるようになっている場合には、口栓を容器に接合する際の機械適性を向上させることができる。すなわち、例えばパーツフィーダーによって多数の口栓をバラバラにかき混ぜながら整列させて搬送する際に、各口栓のレバー部材どうしが干渉してレバー部材が不用意に揺動することにより、口栓の整列に支障が生じたり、レバー部材が破損したりする不具合を確実に回避することができる。
以下の説明において、図2,3,9の各左を「前」、同各右を「後」、同上を「左」、同下を「右」というものとする。
開封予定部(11a)は、封止シート(10a)よりなる。この実施形態の場合、封止シート(10a)は、容器(紙パック)(1)を構成する積層体(10)のうち開封予定部(11a)に相当する部分の紙層を予め切除することにより形成されたものであって、積層体(10)の他の部分よりも破断強度が小さくなされている。
開封予定部(11a)の形状は、例えば図示のような円形となされるが、その他の形状であってもよい。また、開封予定部(11a)のサイズは、封止シート(10a)の破断により容器(1)に形成すべき開口の大きさ等に応じて適宜決定されるが、例えば開封予定部(11a)が円形である場合、直径20~25mm程度とするのが好ましい。
但し、別体に成形された2つ以上の構成部品を組み合わせて口栓を構成することも可能である。
底壁部(31)の環状内側部分(311)は、略ドーナツ形のものであって、その内周縁により口栓本体(3)の内側開口(30)が画定されている。環状内側部分(31)の内径は、開封予定部(11a)の直径とほぼ同じかそれよりも若干大きくなされている。
底壁部(31)の外側部分は、環状内側部分(311)の前方に設けられた略コ形の外径輪郭を有する第1外側部分(312)と、環状内側部分(311)の後方に設けられた略円弧形の外径輪郭を有する第2外側部分(313)とよりなる。
底壁部(31)の裏面(下面)には、その内周縁を取り囲む環状の領域に、口栓本体接合用接着剤を塗布するための凹部(314)が形成されている(図4等参照)。凹部(314)は、その底面がほぼ水平な平坦面となされているが、塗布した接着剤の広がりを抑えられるように緩やかな勾配を付けてもよい。凹部(314)の深さは、接着剤の塗布量等に応じて適宜設定されるが、例えば0.05~0.5mm程度となされる。なお、凹部(314)を形成すべき領域は、図示の態様には限定されず、底壁部(31)裏面の形状やサイズ等に応じて適宜変更可能である。
底壁部(31)の環状内側部分(311)の表面(上面)は、少なくとも第1ヒンジ(4)と反対側の部分、すなわち前側部分が、内方に向かって次第に裏面(下面)側に近づく勾配を有する傾斜面(311a)となされている。この傾斜面(311a)により、内容物である液体を注出した後に、液体が環状内側部分(311)の表面に付着したまま残留するのが抑制されるので、衛生的である。また、上記傾斜面(311a)に、付着した液体が容器(1)内に開口を通じて流下するのを促進するために、口栓本体(3)の内側開口(30)に向かってのびる複数の凹溝および/または凸条(図示略)を形成してもよい。さらには、上記傾斜面(311a)に、撥水性を高めるためのシボ加工(図示略)を施すようにしてもよい。
底壁部(31)の環状内側部分(311)には、その内周縁における後寄りの左右両側位置から左右方向内方に向かって突出した第1係合凸部(係合部)(33)が形成されている。第1係合凸部(33)は、例えば、図示のような平面より見て略三角形のものとなされる。
環状立ち上がり壁部(32)の前側部分には、前方に向かって張り出すように斜め上方にのびる注出用口縁部(321)が形成されている。この口縁部(321)から液体が注出されることにより、液垂れが効果的に防止される。
環状立ち上がり壁部(32)の後側部分(322)は、開封部材(5)に向かって前方に揺動させられたレバー部材(7)との干渉を回避するために、環状立ち上がり壁部(32)の他の部分よりも高さが低くなされている。図示の環状立ち上がり壁部(32)の場合、その後側部分(322)の高さが、他の部分の高さの約2分の1となされている。
環状立ち上がり壁部(32)の内周面には、全周にわたって水平にのびる環状リブ(323)が形成されている。この環状リブ(323)は、後述する蓋部材(9)の口栓本体用蓋部(9a)における環状垂下壁部(92)の外周面に密接させられるようになっている。環状リブ(323)は、図示のように1本とする他、上下に間隔をおいて複数本設けてもよい。
基部(51)の後側部分には、左右方向外方に向かって突出した左右1対の第2係合凸部(係合部)(54)が形成されている。第2係合凸部(54)は、例えば図示のように平面より見て略三角形となされる。これら第2係合凸部(54)は、開封部材(5)が封止シート(10a)を破断させて口栓本体(3)の内側開口(30)に対して所定角度をなす容器内方位置まで揺動させられた際に、口栓本体(3)の2つの第1係合凸部(33)とそれぞれ係り合わせられるようになっている(図9,11等参照)。それによって、開封部材(5)が上記位置から開封方向と反対方向に揺動するのが阻止される。
基部(51)の頂壁(511)の左右両側部分には、液体注出時に容器(1)内に空気を導入しうる空気導入用貫通孔(511a)が形成されている。
また、口栓(2)には、口栓本体(3)の第1係合凸部(33)と開封部材(5)の第2係合凸部(54)とが係り合わせられた際に、第1係合凸部(33)、第2係合凸部(54)、口栓本体(3)の内周部(底壁部(31)の環状内側部分(311))、開封部材(5)の基部(51)、および第1ヒンジ(4)によって画定された左右2つの空気導入用間隙(S1)が形成される(図9参照)。これらの間隙(S1)を通じても、液体注出時に液体充填容器(1)内に空気が導入されるようになっている。
さらに、基部(51)には、その裏側部分から下方に突出しかつ刃部(52)によって破断された封止シート(10a)を基部(51)の裏側部分から離間させうる封止シート離間用凸部(55)が形成されている。同凸部(55)により、空気導入用貫通孔(511a)や空気導入用間隙(S1)が、破断された封止シート(10a)によって塞がれるのが防止され、内容物である液体の注出が良好に行われる。凸部(55)は、例えば図示のように、基部(51)の裏面中央部から下方に向かって短く突出した軸状のものとなされるが、その他の適宜の形状や配置にしてもよく、また、複数の凸部を形成しても構わない。
ここで、刃部(52)は、少なくとも基部(51)における垂下壁(512)の下端縁の前端位置に1つ形成されていればよいが、好ましくは、垂下壁(512)の下端縁に周方向に間隔をおいて複数個形成される。
より好ましくは、刃部(52)は、図示のように、大刃部(521)と小刃部(522)とが交互に複数個ずつ形成されてなり、それによって封止シート(10a)の破断がより良好に行われる。大刃部(521)は、小刃部(522)と比べて、下方への突出長さが長くなされている。例えば単一の刃部や突出長さの等しい複数の刃部によって封止シート(10a)を破断させると、封止シート(10a)の表裏両面を構成しているポリエチレン等の合成樹脂層が切れずに伸びてしまって、封止シート(10a)の破断された切り口の見栄えが悪くなることがあり、液体の注出にも好ましくない影響を与えるおそれがある。これに対して、上記態様の刃部(52)の場合、まず大刃部(521)が、封止シート(10a)の表面に当接して同当接部分の封止シート(10a)を切り裂き、次いで小刃部(522)が、封止シート(10a)の残りの部分を合成樹脂層にテンションがかかっている状態で切り裂くことにより、切り口が綺麗になる。
また、刃部(52)は、基部(51)の垂下壁(512)の下端縁に、周方向の一部または全部にわたって鋸刃状に形成されていてもよい。
被押圧部(53)は、下方に開口した中空状となされているとともに、その内部に前後方向にのびる垂直な補強リブ(56)が形成されている。補強リブ(56)は、複数形成されていてもよい。この補強リブ(56)により開封部材(5)の強度が高められることで、開封操作時に刃部(52)の先端に力が伝わり易くなり、封止シート(10a)の破断が良好に行われる。
被押圧部(53)は、好ましくは、開封部材(5)が開封方向への揺動を開始して封止シート(10a)を破断させた後に口栓本体(3)の内側開口(30)に対して所定角度(例えば約90°)をなす容器内方位置まで揺動させられる間(図8(c)参照)、後述するレバー部材(7)の押圧凸部(72)によって互いに相対移動しながら押圧される第1被押圧面(531)と、第1被押圧面(531)の一端(後端)に連なって第1被押圧面(531)と所定角度(ここでは約90°)をなすように設けられかつ開封部材(5)を前記容器内方位置から更に開封方向に揺動させうるように押圧凸部(72)によって押圧される第2被押圧面(532)とを有している。
第1被押圧面(531)と第2被押圧面(532)との間の稜角部(533)は、なだらかな凸弧状となされており、それによって押圧凸部(72)の第1被押圧面(531)から第2被押圧面(532)への移動がスムーズに行われるようになっている。
なお、押圧凸部(72)が稜角部(533)まで移動させられた際に、開封部材(5)が液体の注出を邪魔しない所望の容器内方位置まで揺動させられ、その時点でレバー部材(7)による開封部材(5)の押圧操作を停止しうるように、押圧凸部(72)および被押圧部(53)の形状、サイズ、配置等を設計するようにしてもよい。
なお、図示のレバー部材(7)は、口栓本体(3)の外周部の後側部分に第2ヒンジ(6)を介して揺動自在に連結されることにより、第1ヒンジ(4)を挟んで開封部材(5)と反対の後側に配置されているが、開封部材(5)とレバー部材(7)との位置関係は、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、レバー部材(7)を、口栓本体(3)の外周部のうち第1ヒンジ(4)に対して約90°の範囲内で左右いずれかの回転方向にずれた部分(例えば、図示の口栓(2)の場合、口栓本体(3)の外周部の右斜め後側部分や右側部分等)に第2ヒンジ(6)を介して連結してもよい。
頂壁(711)の裏面側には、前後方向にのびる垂直な補強リブ(713)が形成されている。補強リブ(713)は、図示のように左右に並んで2つ設ける他、1つまたは3つ以上設けてもよい。
図示のレバー本体部(71)は、レバー部材(7)を揺動させる際に手指で摘み易いように、その左右両側部分に窪みが設けられている。
また、図示のレバー本体部(71)は、後端部がなだらかな凸弧面によって構成されている。但し、レバー本体部(71)の後端部は、ほぼ垂直な平面であってもよい。例えばパーツフィーダーによって多数の口栓(2)をバラバラにかき混ぜながら整列させて搬送する際、レバー本体部(71)の後端部が、搬送方向後方に位置する口栓(2)によって押されることになるが、同後端部を平面とすれば、口栓(2)の搬送供給を安定して行うことができる。
図示の押圧凸部(72)は、その前端部が略垂直面となされ、上部および後端部がなだらかに連なる凸弧面となされ、左右両側部が略垂直面となされている。
レバー部材(7)を前方に揺動させると、押圧凸部(72)における前端側の角部が、開封部材(5)の被押圧部(53)に当たって、被押圧部(53)を押圧するようになっている。
また、押圧凸部(72)は、図示のようにレバー本体部(71)の頂壁(711)表面における基端(前端)寄りの箇所に形成されているのが好ましい。押圧凸部(72)が上記箇所に形成されていれば、開封部材(5)の被押圧部(53)を第1ヒンジ(4)に近い箇所で押圧することができ、従って、開封部材(5)を液体注出時に邪魔にならない容器内方位置まで深く押し込むことが可能となる。
第3ヒンジ(8)を構成するリビングヒンジは、図示のようにバタフライヒンジとなされているのが好ましく、それによって、約90°以上開いた状態の蓋部材(9)から手を離しても、蓋部材(9)が不用意に閉方向に揺動してレバー部材(7)による開封操作や液体の注出の妨げになるのが回避される。
バタフライヒンジ(8)は、例えば図示のように、2本のスリットによって前後および中央の3つのヒンジ部(81)(82)(83)に分割されるとともに、中央のヒンジ部(82)が蓋部材(9)を開いた際に下方に向かって凸となるように屈曲する構造を有するものとなされる。
なお、第3ヒンジ(8)の配置は、図示のものには限定されず、第2ヒンジ(6)と重ならない位置であれば、液体注出の向き等を考慮した上で、適宜変更可能である。
頂壁部(91)は、口栓本体(3)のうち底壁部(31)の第1外側部分(312)の左右両端部を除いたほぼ全体を被覆しうるような平面形状を有している。頂壁部(91)は、その外周部分を除いた内側部分に短い筒状の上方凸部(911)を有している。上方凸部(911)は、平面より見て環状垂下壁部(92)とほぼ重なる位置に形成されている。この上方凸部(911)および環状垂下壁部(92)によって、口栓本体(3)の内部に、開封部材(5)を収容するのに十分な大きさを有する空間が形成されている。上方凸部(911)の頂面には、図示のように、蓋部材(9)の開方向を示すための矢印や文字等の表示が形成されていてもよい。頂壁部(91)の外周縁には、下方に短くのびた垂下縁部(912)が形成されている。
環状垂下壁部(92)の外周面の先端側部分には、口栓本体(3)の環状立ち上がり壁部(32)の内周面との密封性をさらに高めるために、環状立ち上がり壁部(32)内周面の環状リブ(323)に代えてまたは同環状リブ(323)に加えて、周方向にのびる環状リブ(図示略)を形成してもよい。
口栓本体用蓋部(9a)の外周部の所定箇所、より詳細には、口栓本体用蓋部(9a)の垂下縁部(912)の右側部分に、蓋部材(9)を開く際に手指を掛けるための開操作用タブ(93)が形成されている。図2および図12に示すように、タブ(93)は、好ましくは、平面より見て液体充填容器(1)の頂壁部(11)の右側縁から0.5~5mm(より好ましくは1.0~3.0mm)外方にはみ出すように設けられている。
レバー部材用蓋部(9b)は、頂壁部(94)と、頂壁部(94)の左右両側縁の前側部を除く部分および後側縁から下方にのびる垂下壁部(95)とを備えている。
頂壁部(94)は、レバー本体部(71)のうち左右2つの基端部(前端部)を除いた部分と、押圧凸部(72)とを被覆しうるような平面形状を有している。
頂壁部(94)には、レバー部材(7)の押圧凸部(72)を内部に収容するための上方凸部(941)が形成されている。
蓋部材(9)を閉じた状態において、レバー部材用蓋部(9b)の頂壁部(94)の裏面が、レバー部材(7)におけるレバー本体部(71)の頂壁(711)の表面と密接するようになされているのが好ましい。これにより、レバー部材(7)と蓋部材(9)のレバー部材用蓋部(9b)との間に虫やダスト等が侵入するのが防止されるので、口栓(2)を衛生的に保持することができる。
まず、図2に示す閉栓状態の口栓(2)付き液体充填容器(1)において、口栓(2)の蓋部材(9)の開操作用タブ(93)を手指に掛けて蓋部材(9)を開方向(左方)に揺動させることによって蓋部材(9)を開き、口栓本体(3)、開封部材(5)およびレバー部材(7)を露出させる(図3~7等参照)。この状態で、蓋部材(9)は、バタフライヒンジよりなる第3ヒンジ(8)の作用によって開位置に保持され、不用意に閉方向に揺動しないようになっている。
そして、レバー部材(7)を手指で摘んで開封部材(5)に向かって前方に揺動させると、図8(a)に示すように、レバー部材(7)の押圧凸部(72)が、開封部材(5)の被押圧部(53)の第1被押圧面(531)に当接する。
レバー部材(7)をさらに前方に揺動させると、押圧凸部(72)によって第1被押圧面(531)が下向きに押圧され、開封部材(5)が開封予定部(11a)に向かう開封方向(下方)に揺動させられる。それによって、図8(b)に示すように、開封部材(5)の刃部(52)が、開封予定部(11a)を構成している封止シート(10a)を切り裂いて破断する。ここで、押圧凸部(72)と第1被押圧面(531)とは、押圧凸部(72)が第1被押圧面(531)の後端に向かうように相対移動させられるようになっている。
レバー部材(7)の前方への揺動を続けて行うことにより、開封部材(5)が、図8(c)に示すように口栓本体(3)の内側開口(30)に対して所定角度(例えば約90°)をなす容器内方位置まで揺動させられると、レバー部材(7)の押圧凸部(72)は、第1被押圧面(531)の後端付近まで移動する。破断されて略舌状となされた封止シート(10a)は、開封部材(5)の揺動に付随して、容器(1)の内方に向かって揺動させられる。
ここから更にレバー部材(7)を前方に揺動させると、図8(d)に示すように、レバー部材(7)の押圧凸部(72)は、開封部材(5)の第1被押圧面(531)から稜角部(533)を経て第2被押圧面(532)まで相対移動し、第2被押圧面(532)を押圧する。これにより、開封部材(5)は、図8(c)に示す容器内方位置から更に開封方向に向かって所定角度(例えば105°)揺動させられる。また、開封部材(5)の上記揺動に伴い、開封部材(5)の第2係合凸部(54)が、口栓本体(3)の第1係合凸部(33)を乗り越えて下方に移動し、その時点でこれらの係合凸部(54)(33)が互いに係り合わせられる。
こうして、液体充填容器(1)の頂壁部(11)の開封予定部(11a)に、液体の注出を容易に行いうる所要の大きさの開口が形成されて、同容器(1)が開封される。
また、上述した通り、開封操作はレバー部材(7)を前方に揺動させるだけでよく、それに要する力も比較的小さくて済むので、容易に容器(1)の開封を行うことができる。
開封後、レバー部材(7)は、後方に揺動させて容器(1)の頂壁部(11)上方の待機位置まで戻しておく。
この際、開封部材(5)の基部(51)に設けられた空気導入用貫通孔(511a)や、第1係合凸部(33)、第2係合凸部(54)、口栓本体(3)の内周部、開封部材(5)の基部(51)および第1ヒンジ(4)によって画定された空気導入用間隙(S1)を通じて、容器(1)内に置換用の空気が導入されるため、液体の注出がスムーズに行われる。また、開封部材(5)の基部(51)の裏側部分に設けられた封止シート離間用凸部(55)の存在により、上記の貫通孔(511a)や間隙(S1)が、破断した略舌状の封止シート(10a)によって塞がれるおそれがなく、上記効果が確実に得られるようになっている。
また、上述した開封操作により容器内方位置まで揺動させられた開封部材(5)は、同操作に伴って互いに係り合わせられた第1係合凸部(33)および第2係合凸部(54)により、開封方向と反対方向への揺動が阻止されているので、開封部材(5)や破断された封止シート(10a)によって、頂壁部(11)の開口が狭められたり塞がれたりするおそれがなく、同開口を通じて内容物である液体の注出が支障なく行われる。
(10a):封止シート
(11):頂壁部(所定の壁部)
(11a):開封予定部
(2):液体充填容器用口栓
(3):口栓本体
(30):内側開口
(31):底壁部
(311):環状内側部分
(311a):傾斜面
(314):口栓本体接合用接着剤を塗布するための凹部
(32):環状立ち上がり壁部
(33):第1係合凸部(係合部)
(4):第1ヒンジ
(5):開封部材
(51):基部
(511a):空気導入用貫通孔
(52):刃部
(53):被押圧部
(531):第1被押圧面
(532):第2被押圧面
(54):第2係合凸部(係合部)
(55):封止シート離間用凸部
(6):第2ヒンジ
(7):レバー部材
(71):レバー本体部
(72):押圧凸部
(8):第3ヒンジ
(9):蓋部材
(9a):口栓本体用蓋部
(91):頂壁部
(92):環状垂下壁部
(93):開操作用タブ
(9b):レバー部材用蓋部
(S1):空気導入用間隙
Claims (16)
- 液体充填容器の所定の壁部に設けられた封止シートよりなる開封予定部を取り囲むように同壁部の表面に接合される枠状の口栓本体と、
開封予定部と対面して配置されるように口栓本体の内周部に第1ヒンジを介して揺動自在に連結され、開封予定部に向かう開封方向に揺動させられることにより封止シートを破断させて開封する開封部材と、
口栓本体の外周部に第2ヒンジを介して揺動自在に連結され、開封部材に向かって揺動させられることにより、開封部材を押圧して開封方向に揺動させるレバー部材と、
口栓本体の外周部のうち第2ヒンジと重ならない箇所に第3ヒンジを介して揺動自在に連結され、口栓本体に向かって揺動させられることにより口栓本体の内側開口を塞いで閉栓する蓋部材とを備えている、液体充填容器用口栓。 - 全体が合成樹脂により一体成形されている、請求項1記載の液体充填容器用口栓。
- 開封部材が、基端が第1ヒンジに結合されている基部と、基部の裏側部分から突出しかつ封止シートを切り裂いて破断させうる刃部と、基部の表側部分に設けられかつレバー部材により押圧される被押圧部とを有しており、
レバー部材が、基端が第2ヒンジに結合されているレバー本体部と、レバー本体部の表側部分から突出しかつ開封部材に向かって揺動させられた際に開封部材の被押圧部と圧接する押圧凸部とを有している、請求項1または2記載の液体充填容器用口栓。 - レバー部材の押圧凸部が、レバー本体部の表側部分における基端寄りの箇所に形成されている、請求項3記載の液体充填容器用口栓。
- 開封部材の被押圧部が、開封部材が開封方向への揺動を開始して封止シートを破断させた後に口栓本体の内側開口に対して所定角度をなす容器内方位置まで揺動させられる間、押圧凸部によって互いに相対移動しながら押圧される第1被押圧面と、第1被押圧面の一端に連なって第1被押圧面と所定角度をなすように設けられかつ開封部材を前記容器内方位置から更に開封方向に揺動させうるように押圧凸部によって押圧される第2被押圧面とを有している、請求項3または4記載の液体充填容器用口栓。
- 口栓本体の内周部および開封部材の基部に、開封部材が封止シートを破断させて口栓本体の内側開口に対して所定角度をなす容器内方位置まで揺動させられた際に、互いに係り合わせられて、開封部材が開封方向と反対方向に揺動するのを阻止する係合部が設けられている、請求項3~5のいずれか1つに記載の液体充填容器用口栓。
- 口栓本体の内周部および開封部材の基部に設けられた係合部どうしが係り合わせられた状態で、同係合部、口栓本体の内周部、開封部材の基部および第1ヒンジによって画定されることにより、液体注出時に液体充填容器内に空気を導入しうる空気導入用間隙が形成される、請求項6記載の液体充填容器用口栓。
- 開封部材の基部に、液体注出時に液体充填容器内に空気を導入しうる空気導入用貫通孔が形成されている、請求項3~7のいずれか1つに記載の液体充填容器用口栓。
- 開封部材の基部に、その裏側部分から突出しかつ刃部によって破断された封止シートを基部の裏側部分から離間させうる封止シート離間用凸部が形成されている、請求項7または8記載の液体充填容器用口栓。
- 蓋部材が、口栓本体を被覆する口栓本体用蓋部と、レバー部材のうち少なくとも押圧凸部を被覆するレバー部材用蓋部とを備えている、請求項4記載の液体充填容器用口栓。
- 口栓本体が、液体充填容器における前記所定の壁部の表面に接合される平坦な枠状の底壁部と、底壁部の表面から立ち上がった環状立ち上がり壁部とを有しており、
蓋部材の口栓本体用蓋部が、頂壁部と、頂壁部の裏面から垂下状にのびかつ蓋部材を閉じた際に口栓本体の環状立ち上がり壁部の内周面と液密状に接触させられる環状垂下壁部とを有している、請求項10記載の液体充填容器用口栓。 - 口栓本体用蓋部の外周部の所定箇所に、蓋部材を開く際に手指を掛けるための開操作用タブが形成されている、請求項11記載の液体充填容器用口栓。
- 口栓本体の底壁部の裏面に、口栓本体接合用接着剤を塗布するための凹部が形成されている、請求項11または12記載の液体充填容器用口栓。
- 口栓本体の底壁部が、環状立ち上がり壁部よりも内方に位置する環状内側部分を有しており、環状内側部分の表面のうち少なくとも第1ヒンジと反対側の部分が、内方に向かって次第に裏面側に近づく傾斜面となされている、請求項11~13のいずれか1つに記載の液体充填容器用口栓。
- 請求項1~14のいずれか1つに記載の液体充填容器用口栓を備えている、口栓付き液体充填容器。
- 請求項12記載の液体充填容器用口栓を備えている口栓付き液体充填容器であって、開封予定部が、液体充填容器の所定の壁部の一側縁に近接した箇所に設けられており、蓋部材の開操作用タブが、平面より見て前記一側縁から0.5~5mm外方にはみ出すように設けられている、口栓付き液体充填容器。
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