JP2007196424A - 複写シート - Google Patents

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Rena Okazaki
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Abstract

【課題】複写記入した情報を隠蔽可能で偽造防止機能も有する複写シートを提供する。
【課題の解決手段】複写シート1は、一面には記入欄を設け、他面にはノーカーボン感圧複写層である顕色剤層5を設けた第1シートである注文書控3と、注文書控3の顕色剤層5と対向する面に、ノーカーボン感圧複写・示温消色層である顕色剤層5の上に発色剤マイクロカプセルと消色型示温剤マイクロカプセルを混合してなる発色剤・示温剤マイクロカプセル層12を設けた第2シートである注文葉書4とからなり、注文書控3の記入欄に記入した事項が、注文書控3の他面と注文葉書4とに複写記入され、常温では呈色状態にある消色型示温剤マイクロカプセルによってカムフラージュされて注文葉書4の複写記入事項は隠蔽状態となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ノーカーボン感圧複写タイプの複写シートに関し、特に複写記入した情報を隠蔽可能とした複写シートに関する。
従来から、ノーカーボン感圧複写タイプの複写シートは種々知られており、また、複写記入した情報を隠蔽可能とした複写シートも知られている。この従来の複写記入した情報を隠蔽可能とした複写シートは、裏面に発色剤マイクロカプセル層を設けた上位シートと、この上位シートの裏面に対向する表面に顕色剤及び消色型示温剤マイクロカプセルからなる顕色剤・示温剤マイクロカプセル層を設けた下位シートとからなる。そして、常温では示温剤が呈色するため、上位シートの表面に記入することで、下位シート表面に複写記入した情報は視認できず隠蔽状態となる一方、示温剤の消色温度以上に加温すると、示温剤が消色、透明化して情報を読み取ることができるものである。
特開平10−211780号公報
しかし、この従来の情報を隠蔽可能な複写シートは、上位シートへの記入で下位シートに複写記入した後、上位シートを下位シートから分離すると、上位シートの記入内容と下位シートの複写記入内容を関連づけることができないので、上位シートの記入内容を改ざんしても、下位シートの複写記入内容との不一致は判明するが、いずれのシートの記入内容が正当で、いずれのシートの記入内容が改ざんしたものであるか、を判断することができないという不都合があった。本発明は、このような不都合を解消した複写記入した情報を隠蔽可能な複写シートを提供することを目的とする。
この目的を達成するため本発明の請求項1に係る複写シートは、一面には記入欄を設け、他面にはノーカーボン感圧複写層を設けた第1のシートと、この第1のシートのノーカーボン感圧複写層と対向する面にノーカーボン感圧複写・示温消色層を設けた第2のシートとからなるものである。第1のシートのノーカーボン感圧複写層としては、顕色剤層が好適である。また、第2のシートのノーカーボン感圧複写・示温消色層としては、顕色剤層の上に発色剤マイクロカプセルと消色型示温剤マイクロカプセルを混合した層を積層してなる二層構造や、顕色剤マイクロカプセルと発色剤マイクロカプセルと消色型示温剤マイクロカプセルとを混合した一層構造が好適である。消色型示温剤としては、常温(15〜35℃程度)で発色剤とほぼ同色の呈色状態にあり、35〜70℃程度で完全に消色するものが好適である。
本発明の請求項1に係る複写シートによれば、第1のシートの記入欄と反対面側にノーカーボン感圧複写層を設けたので、この複写層に記入内容が複写記入されることにより、第1のシートの両面と第2のシートの複写記入面における記入内容がすべて一致していない場合は、正規の記入後に改ざんされたものであると判断できるので、複写シートの改ざん防止に有効であり、また、複写記入情報を隠蔽状態で伝達できるとともに、加温すれば複写記入情報の隠蔽状態を解除できるので、その読み取りも容易であるという効果を奏する。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づき説明する。ここにおいて、図1〜図3は第1実施形態を示し、図1は注文書控と注文葉書からなる複写シートの展開状態を示す断面図、図2は複写面同士が対向するように折り重ねた状態を示す断面図、図3は複写シートを注文書控と注文葉書の2枚に分離した状態を示す斜視図である。また、図4は第2の実施形態の複写シートを示す断面図である。
図1に示すように、複写シート1は、折り兼切り用ミシン目からなる切り離し部2を境に、第1のシートたる注文書控3と第2のシートたる注文葉書4とを連接してなる。この複写シート1の一面(図1上、上面)には、ノーカーボン感圧複写層である顕色剤層5をほぼ全面的に設けている。また、注文書控3の他面(図1上、下面)には、商品注文書(控)なる表題6の下に、商品名、注文個数、価格を記入する注文商品記入欄7と、注文者の住所、氏名、会員番号を記入する注文者記入欄8とを設けている(図3参照)。一方、注文葉書4の前記顕色剤層5を設けた一面(図1上、上面)には、注文書控3と同様に、商品注文書なる表題9の下に、商品名、注文個数、価格を複写記入する注文商品複写記入欄10と、注文者の住所、氏名、会員番号を複写記入する注文者複写記入欄11とを設けている(図3参照)。図示してはいないが、前記注文葉書4の他面(図1上、下面)には、送付先となる商品取り扱い業者の住所及び名称である宛先情報をあらかじめ表示している。
顕色剤層5は、公知の電子受容性物質をアルコールなどの有機溶媒中に溶解した後、フレキソインキ、紫外線硬化型オフセットインキなどのインキビヒクルと混合し、顕色剤インキとしたものを塗布して形成したものである。また、前記電子受容性物質としては、フェノールホルムアルデヒド樹脂、酸性白土、活性白土、ゼオライト、ベントナイト、カオリンなどの粘土物質、あるいは芳香族カルボン酸金属塩などを挙げることができる。
図1に示すように、注文葉書4に対応する顕色剤層5の上には、顕色剤層5とともにノーカーボン感圧複写・示温消色層を構成する発色剤マイクロカプセルと消色型示温剤マイクロカプセルを混合してなる発色剤・示温剤マイクロカプセル層12を積層している。これらマイクロカプセルはインキ化したものを使用すると好適であり、その調製法としては、水系に生成したマイクロカプセルをカプセル壁材とインキビヒクルの双方に親和性のある溶剤、例えば、グリセリンなどの低級アルコールをもって、カプセル壁材を被覆するように設けた後、真空脱水法を用いてカプセル生成液の水分を気化して除去することで、マイクロカプセルを粉体にすることなく、カプセル表面層を溶剤で被覆した状態でインキビヒクル中に分散状態で置換する方法がある(特開平7−216273号参照)。なお、消色型示温剤マイクロカプセルは所定の印字圧や筆圧に耐え得る強度が必要なので、マイクロカプセル材質が同一の場合には、発色剤マイクロカプセルと比較して、カプセル殻の厚みを増したり、カプセルサイズを小さくするなどの調整を行う。
発色剤としては、公知の電子供与物質を用いればよいが、ロイコ系染料が最も好適である。一方、消色型示温剤としては、常温(15〜35℃程度をいう、以下同じ。)では呈色状態にあって、一定温度以上に加温すると消色して透明化する有機系、無機系のサーモクロミック物質であればよく、可逆性型でも不可逆性型でもよいが、消色温度、消色温度幅、使いやすさ、コストなどを勘案すると、感熱型カラーフォーマーが好適である。例えば、ロイコ系染料とフェノール類の固体酸及び高級アルコール,エステル,エーテルなどの減感剤を混合したものがある。この例に挙げた消色型示温剤では、35〜45℃程度に加温すると、減感剤が融けてロイコ系染料と固体酸の反応による発色を妨げ、消色し透明化するものである。なお、通常の事務処理環境における常温で複写記入情報を隠蔽する必要があるため、消色型示温剤は、呈色状態では発色剤と同色であることが望ましく、また、前記常温で消色しないことが求められる反面、これが高すぎると読み取り時の取扱いに問題が生じるため、35〜70℃程度で完全消色する消色温度に設定すると好適である。
本実施形態は以上のように構成したので、複写シート1を図2に示すように、切り離し部2で注文書控3の顕色剤層5と注文葉書4の発色剤・示温剤マイクロカプセル層12を対接した状態で、前記注文書控3の各記入欄7,8に商品注文に必要な情報を記入する(図示せず)と、同一情報が、前記注文葉書4の対応する各複写記入欄10,11と前記注文書控3の裏面側に複写される。この時、消色型示温剤は常温下にあるので呈色状態にあり、各複写記入欄10,11に記入された複写記入情報(図示せず)は、消色型示温剤マイクロカプセルによってカムフラージュされた隠蔽状態となって、視認不能である。
この状態で切り離し部2を分断して、注文書控3と注文葉書4とを分離すれば(図3参照)、前記注文葉書4を通常の葉書と同様に使用できる。この際、注文葉書4は送付先に到達するまで、常に常温下におかれるので、消色型示温剤は呈色状態を維持し、複写記入情報は隠蔽状態にあり、何人にも視認される虞はない。一方、注文葉書4を受領した商品取扱業者は、適宜な器具を用いて、複写記入情報面を加温して消色型示温剤の消色温度以上とすることにより、消色型示温剤を消色、透明化して、複写記入情報の読み取りを行うものである。
続いて、本発明の第2実施形態を、図4に基づいて説明する。本実施形態の複写シート21が上述した第1実施形態の複写シート1と異なるのは、注文書控23と注文葉書24を当初から別体に構成して重ね合わせている点と、注文葉書24のノーカーボン感圧複写・示温消色層26が2層構造ではなく、一層構造の点である。注文書控23に設けた顕色剤層25をはじめ、その他の構成及び使用方法は第1実施形態と同一なので、その説明は省略し、以下にはノーカーボン感圧複写・示温消色層26についてのみ説明する。
ノーカーボン感圧複写・示温消色層26は、顕色剤マイクロカプセルと発色剤マイクロカプセルと消色型示温剤マイクロカプセルとを混合して形成した、顕色剤・発色剤・示温剤マイクロカプセル層26である。顕色剤、発色剤、消色型示温剤は、上述の第1実施形態で説明したものと同様のものを使用すればよく、また、発色剤と消色型示温剤のマイクロカプセル化も同様に行うことができる。また、顕色剤のマイクロカプセル化は、インキビヒクルを消色型示温剤マイクロカプセルインキと同一のもので顕色剤インキを調製した後、発色剤と消色型示温剤のマイクロカプセル化と同様に行うことができる。
なお、本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、例えば、第1実施形態の複写シート1の注文書控3と注文葉書4を、第2実施形態と同様に、当初から別体として構成してもよい。また、切り離し部2は、折り兼切り用ミシン目によるほか、切断指示線でもよい。さらに、複写シート1,21は注文書控3,23と注文葉書4,24との組み合わせに限定されず、種々の用途に適した構成を採用することが可能である。
第1実施形態における複写シートの展開状態を示す断面図。 同じく折り重ねた状態を示す断面図。 同じく複写シートを2枚に分離した状態を示す斜視図。 第2実施形態における複写シートを示す断面図。
符号の説明
1,21 複写シート
2 切り離し部
3,23 注文書控
4,24 注文葉書
5,25 顕色剤層
6,9 表題
7 注文商品記入欄
8 注文者記入欄
10 注文商品複写記入欄
11 注文者複写記入欄
12 発色剤・示温剤マイクロカプセル層
26 顕色剤・発色剤・示温剤マイクロカプセル層

Claims (1)

  1. 一面には記入欄を設け、他面にはノーカーボン感圧複写層を設けた第1のシートと、この第1のシートのノーカーボン感圧複写層と対向する面にノーカーボン感圧複写・示温消色層を設けた第2のシートとからなることを特徴とする複写シート。
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