JP3374510B2 - 時間経過表示体 - Google Patents

時間経過表示体

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JP3374510B2 JP07135194A JP7135194A JP3374510B2 JP 3374510 B2 JP3374510 B2 JP 3374510B2 JP 07135194 A JP07135194 A JP 07135194A JP 7135194 A JP7135194 A JP 7135194A JP 3374510 B2 JP3374510 B2 JP 3374510B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発色状態にある発色剤
を時間の経過に従って変色、即ち、退色、消色もしくは
他の色調へ変化させ、その変色を視覚により判別できる
ようにした時間経過表示体に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品、防虫剤、脱臭剤などの製品はそ
れぞれ使用期限が設定されており、使用期限を経過した
場合には、廃棄したり交換が必要となる性質のものであ
る。
【0003】ところで、これらの製品は、外部から視覚
的に内容物の減量や変化の程度が判別できる場合などを
除き、使用開始時と廃棄又は交換時期との間で外形的に
は相違が観察されないのが一般的である。従って、所定
の時期に廃棄や交換できるようにするため、製品の外表
面に油性ペンなどで使用開始時と廃棄時期又は交換時期
とを個別に記入することが推奨されている。しかし、そ
のような個別的記入操作は非常に繁雑であるために、ほ
とんど履行されていないというのが実情である。
【0004】このため、近年、このような繁雑な記入操
作に代えて、色調が時間経過に従って変化する時間経過
表示体(タイムインジケーター)を製品に取り付けるこ
とが提案されている。このような時間経過表示体として
は、以下に示すようなものが提案されている。
【0005】1) 特開昭54−126682号公報に
は、ロイコ染料などの電子供与性呈色性有機化合物を酸
性基を有するバインダー樹脂に分散させた時間経過表示
体が提案されている。この時間経過表示体においては、
加熱により電子供与性呈色性有機化合物が溶融し、それ
とバインダー樹脂の酸性基とが反応して発色する。
【0006】2) 特開平4−326086号公報に
は、ロイコ染料などの電子供与性呈色性有機化合物とフ
ェノール化合物などの顕色剤と揮発性液状有機物とから
なる発色性溶液を、濾紙などの基材に含浸させた時間経
過表示体が提案されている。この時間経過表示体におい
ては、揮発性液状有機物が揮発するに従って電子供与性
呈色性有機化合物と顕色剤とが接触して発色する。
【0007】3) 特開昭62−185774号公報に
は、基材上に、顕色剤層、変色時間管理層、マイクロカ
プセル含有層とが形成され、マイクロカプセルの中には
染料前駆体を含有する油性溶液が封入されている時間経
過表示体が提案されている。この時間経過表示体におい
ては、圧力により破壊されたマイクロカプセルからしみ
出た油性溶液が、変色時間管理層を経て顕色剤層にまで
マイグレーションする。そして、顕色剤層に到達した油
性溶液中の染料前駆体と顕色剤とが反応して発色する。
この場合、変色時間管理層は、その材質や厚みなどを変
化させることにより油性溶液が顕色剤層に到達する時間
を制御している。従って、数時間から数か月単位という
広い範囲内で経過時間表示を設定することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
54−126682号公報で提案された時間経過表示体
の場合、150℃程度の温度に加熱しつづけなければ発
色せず、通常の生活環境温度、即ち20℃前後の温度で
は使用できないという問題があった。また、電子供与性
呈色性有機化合物と酸性基を有するバインダー樹脂とが
同一の層内に存在するため、所定の温度に加熱されてか
ら発色するまでの時間が数時間であり、月単位での時間
経過を表示できないという問題もあった。
【0009】また、特開平4−326086号公報で提
案された時間経過表示体の場合、基材に含浸されている
発色性溶液が液状であるために、その時間経過表示体と
接触した衣服や他の物品に発色性溶液が付着しやすいと
いう問題がある。付着した場合にはその場所で発色して
それらの商品価値を減ずる。また、時間経過表示体から
揮発性液状有機物が揮発することとなるが、狭い空間で
大量の時間経過表示体を存在させた場合には、人体に対
する安全性や臭気などが問題となる。
【0010】また、特開昭62−185774号公報で
提案された時間経過表示体の場合、前述したように、染
料前駆体を変色時間管理層を経て顕色剤層にまでマイグ
レーションさせている。ところで、染料前駆体は一般に
150℃以上の融点を有しているので、室温付近では固
体状態である。固体状態であれば、実際上、マイグレー
ションは期待できない。従って、室温付近でマイグレー
ションさせるために、染料前駆体を高級脂肪酸エステル
などの疎水性有機化合物に溶解した油性溶液とし、この
油性溶液をマイグレーションさせている。この場合、安
定した油性溶液とするため、染料前駆体の濃度は油性溶
液中数%以下となっている。このため、この時間経過表
示体は発色濃度が低いという問題があった。また、色の
光学濃度変化量も小さくなり、このため、下地の色によ
っては変色の程度が判別できなくなるという問題があっ
た。また、染料前駆体の油性溶液をマイクロカプセル化
する工程が必須となり、製造工程が繁雑となる問題もあ
った。
【0011】更に、上述した時間経過表示体はいずれも
無色から有色への変化を経過した時間の指標としている
ために、時間表示体の下地、例えば製品の表面に「交
換」という文字を印刷し、その上に時間表示体を設けた
場合には、変色によりその「交換」という文字が隠蔽さ
れてしまうという問題があった。
【0012】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決しようとするものであり、室温でも、数時間から
数か月単位という広い範囲内で、大きく変化する光学濃
度に応じて経過時間を表示でき、しかも衣類などを汚染
することがない、変色により下地の印刷を隠蔽しない時
間経過表示体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、予め発色さ
せた発色剤含有層と、その発色を変色させることのでき
る変色剤を含有する変色剤含有層とを積層するか、ある
いはそれぞれの層を別の部材として構成し、使用時に積
層できるようにすることにより上述の目的が達成できる
ことを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】即ち、本発明の第1の態様は、発色状態に
ある発色剤を含有する発色剤含有層上に、発色状態にあ
る発色剤を変色させることのできる変色剤を含有する変
色剤含有層が積層されていることを特徴とする時間経過
表示体を提供する。
【0015】また、本発明の第2の態様は、発色状態に
ある発色剤を含有する発色剤含有層を有する発色部材
と、発色状態にある発色剤を変色させることのできる変
色剤を含有する変色剤含有層を有する変色部材とからな
り、該発色部材の発色剤含有層と該変色部材の変色剤含
有層とを使用時に密着させることができるように、該発
色部材と変色部材とが分離した状態となっていることを
特徴とする時間経過表示体を提供する。
【0016】以下、本発明を説明する。
【0017】まず、本発明の第1の態様の時間経過表示
体と第2の態様の時間経過表示体との大きな相違点を簡
単に述べる。
【0018】本発明の第1の態様の時間経過表示体にお
いては、発色剤含有層と変色剤含有層とが積層されてい
る例であり、この場合、発色状態にある発色剤含有層に
変色剤含有層を積層した時点、即ち、この表示体の作成
時が、時間計測のスタート時点となっている。
【0019】一方、本発明の第2の態様の時間経過表示
体においては、使用前に発色剤含有層と変色剤含有層と
が積層されておらずに分離されている例であり、この場
合、時間計測のスタート時点は、この時間経過表示体の
作成時ではなく、使用に際して発色剤含有層と変色剤含
有層とを密着させた時点となる。従って、第2の態様の
場合には、時間経過表示体の使用者がスタート時点を自
由に設定できるという利点がある。
【0020】次に、本発明の第1の態様の時間経過表示
体を図面を参照しながら詳細に説明するが、全ての図面
において同じ符号は、同一もしくは同等の構成要素を示
している。
【0021】図1は、本発明の第1の態様の好ましい時
間経過表示体の断面図である。この時間経過表示体は、
発色状態にある発色剤を含有する発色剤含有層1上に、
発色状態にある発色剤を変色させることのできる変色剤
を含有する変色剤含有層2が積層されている構造を有す
る。ここで、発色剤含有層1中の発色剤はマイグレーシ
ョンすることなく、一方、変色剤含有層2中の変色剤が
発色剤含有層1にマイグレーションする。そしてマイグ
レーションした変色剤が発色剤に到達すると、その色を
変色、即ち、退色、消色もしくは他の色調へ変化させ
る。この変化により、両層を積層した時点からの経過し
た時間を表示することが可能となる。また、変色剤、発
色剤、バインダーなどの種類や使用量などを適宜変化さ
せることにより、変色に要する時間をコントロールする
ことができる。
【0022】発色剤含有層1に含有させる発色剤として
は、後述する変色剤のいずれかで変色することのできる
電子供与性呈色性有機化合物を使用することができる。
このような化合物としては、発色性フルオラン系染料、
発色性トリフェニルメタン系染料、発色性インドリルフ
タライド系染料、発色性フェノチアジン系染料などを使
用することができる。これらの中でも、変色の濃度変化
が大きく、消色時に無色状態となりうる所謂ロイコ染料
と称される染料グループに分類されるもの、例えば、
1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−ブロモ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラ
ン、6−ジエチルアミノベンゾ[a]−フルオラン、
3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフ
ェノチアジン、3,3−ビス(P−ジメチルアミノフェ
ニル)−6−ジメチルアミノフタライド、2−N,N−
ジベンゾイルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルア
ミノフルオラン、4−アニリノ−3−メチル−6−ジブ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−ジエチルアミノフルオランなどを好ましく使用するこ
とができる。これらの発色剤は二種以上を併用してもよ
い。
【0023】本発明においては、発色剤含有層1中の、
上述したような発色剤を発色状態としておく。ここで、
発色状態とする方法としては、公知の手法を適用するこ
とができ、例えば発色剤にそれを発色させるための顕色
剤を反応させる。このような顕色剤としては、使用する
発色剤により異なるが、例えば、電子供与性呈色性有機
化合物を使用する場合には、それから電子を受容するこ
とのできる酸性物質を使用する。このような酸性化合物
の例としては、ロイコ染料の顕色剤として公知の物質を
使用することができ、例えば、t−ブチルフェノール、
ビスフェノールA、フェノール樹脂などのフェノール類
等の有機酸性物質、活性白土、ベントナイト、クレーな
どの無機酸性物質を好ましく使用することができる。
【0024】発色剤含有層1は公知の手段により形成す
ることができ、例えば、未発色の発色剤と顕色剤とをバ
インダーに分散させたものをベース基材に塗工すること
により未発色状態の層を形成し、そして、発色剤又は顕
色剤が溶融する温度以上に加熱することにより両者を接
触させて反応させ、発色剤を発色させることにより形成
することができる。こうして形成した発色状態の発色剤
含有層1は、発色後に冷却しても発色状態を維持する。
ここで、バインダーとしては、ポリビニルアルコール、
セルロースエステル樹脂、アクリル系樹脂、デンプン、
カゼイン、ウレタン樹脂、SBR樹脂、ポリオレフィン
などの高分子化合物を使用することができる。
【0025】発色剤含有層1中の発色剤の含有量は、所
期の発色濃度、使用する発色剤や顕色剤の種類などによ
り異なるが、発色剤を発色剤含有層1から他へマイグレ
ーションさせる必要がないので固体状態のまま高濃度で
含有させることができ、通常0.1〜20重量%、好ま
しくは2〜4重量%とする。
【0026】また、顕色剤の濃度も、使用する発色剤や
顕色剤の種類などにより異なるが、通常は発色剤の0.
5〜5倍(重量比)の量を使用する。
【0027】変色剤含有層2に含有させる変色剤として
は、発色剤含有層1の発色剤にまでマイグレーションし
て到達でき、且つ発色剤を変色(退色、消色)させるこ
とができる物質を使用する。この場合、発色剤の変色メ
カニズムへの変色剤の関与形態には制限はなく、変色剤
としては種々のものを使用することができる。例えば、
変色剤としては、発色剤に非共有電子対を供与して発色
状態から変色(退色、消色)状態へ変化させることので
きる塩基性物質、例えば、ジアゾコピー現像液、ジアゾ
ニウム塩、アミン類等を使用することができる。また、
発色剤含有層1中で相互作用している発色剤と顕色剤と
を、相互作用しなくなる様に隔離することにより発色剤
を変色させることのできる非プロトン性有機化合物、中
でも、ジオクチルフタレートなどのフタル酸エステル類
のように、一般に可塑剤として使用されている化合物を
例示することができる。特に、不揮発性の点から可塑剤
を変色剤として使用することが好ましい。その他に、ト
ルエン、酢酸エチルなどの揮発性有機溶剤、食塩水など
の塩類含有水溶液、酢酸などの酸性物質なども例示する
ことができる。なお、使用する変色剤の種類を適宜選択
することにより、変色速度を調整できる。
【0028】図2は、発色剤含有層1と変色剤含有層2
との間に、変色剤含有層2中の変色剤が発色剤含有層1
に移行する時間を制御するための時間制御層3が更に配
されている例を示している。このように時間制御層3を
配し、その厚みや材質などをコントールすることによ
り、変色剤が発色剤含有層に到達する時間を、数時間か
ら数か月単位という広い範囲内でコントロールすること
ができる。
【0029】時間制御層3としては、変色剤がマイグレ
ーションできるような材質から形成することが好まし
く、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエ
ステル、ポリプロピレンなどのポリオレフィン等の熱可
塑性樹脂から形成することができる。また、時間制御層
3自体を、発色剤含有層1と変色剤含有層2とを貼り合
わすための接着性又は粘着性を有する接着層として機能
させることもでき、エポキシ系接着剤、ウレタン系粘着
剤、アクリル系粘着剤などの公知の接着剤もしくは粘着
剤を使用することができる。
【0030】なお、時間制御層3が接着層として十分に
機能せず、変色剤含有層2との密着強度が低い場合に
は、図3に示すように、時間制御層3と変色剤含有層2
との間に、変色剤が移行できる粘着剤等からなる接着層
4を配してもよい。また、図4に示すように、更に、発
色剤含有層1と時間制御層3との間にも接着層4を配し
てもよい。これにより、それらの層間の密着性を向上さ
せることができる。
【0031】また、時間経過表示体の機械的強度を高め
て取扱い性を向上させるために、図5に示すように、基
材5を発色剤含有層1側に配してもよい。この場合、必
要に応じて、接着剤により基材5と発色剤含有層1とを
貼り合わせてもよい。このような基材5としては特に限
定されず、紙、濾紙、樹脂フィルム、布などを使用する
ことができる。この場合、図6に示すように、基材5と
発色剤含有層1との間に印刷層6を形成することでき
る。印刷層6は、本発明の時間経過表示体が所定の時間
経過した後に消色状態となった場合に、変色剤含有層2
側から目視できるようになる。従って、印刷層6とし
て、例えば「交換」という文字情報を印刷すると、所定
の時間の経過後に「交換」という文字が判別できるよう
になり、製品の使用者はその廃棄や交換の時期を簡便に
知ることができるようになる。
【0032】なお、印刷層6は変色剤含有層2と反対側
の基材5の表面に設けてもよい。また、更に、この表示
体を商品に貼着するための接着層を設けてもよい。この
場合、商品に貼着するための接着層上に更に剥離シート
を設けることが好ましい。
【0033】次に、本発明の第2の態様の時間経過表示
体を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】図7は、本発明の第2の態様の好ましい時
間経過表示体の断面図である。この時間経過表示体は、
基材5a上に発色状態にある発色剤を含有する発色剤含
有層1が設けられた発色部材A(図7(a))と、発色
状態にある発色剤を変色させることのできる変色剤を含
有する変色剤含有層2が基材5b上に設けられた変色部
材B(図7(b))とから構成されており、これらは、
発色部材Aの発色剤含有層1と変色部材Bの変色剤含有
層2とを使用時に密着させることができるように、分離
した状態となっている。なお、変色部材Bの基材5b
は、変色剤含有層2が、それ自体で良好な保形成を示す
場合には省略することができる。
【0035】本発明の第2の態様の時間経過表示体にお
いて、使用時に発色部材Aの発色剤含有層1と変色部材
Bの変色剤含有層2とを密着させると、変色剤含有層2
中の変色剤は、発色剤含有層1にマイグレーションし、
発色剤に到達するとその発色を変色、即ち、退色、消色
もしくは他の色調へ変化させる。この変化により、経過
した時間を表示することが可能となる。また、本発明の
第1の態様の時間経過表示体と同様に、変色剤、発色
剤、バインダーなどの種類や使用量などを適宜変化させ
ることにより、変色に要する時間をコントロールするこ
とができる。
【0036】本発明の第2の態様の時間経過表示体にお
いては、図8(a)又は図8(b)に示すように、発色
剤含有層1上又は変色剤含有層2上に接着層4を設ける
ことが好ましい。これにより、使用時に発色剤含有層1
と変色剤含有層2と間の密着性を向上させることができ
る。また、この場合には、接着層4上に剥離シート7を
配することにより、使用時まで接着層4の粘着力を保持
しておくことが好ましい。
【0037】本発明の第2の態様においても、変色剤が
発色剤含有層に到達する時間を、数時間から数か月単位
という広い範囲内でコントロールできるようにするため
に、第1の態様の時間経過表示体の場合と同様に、発色
剤含有層1上に、変色部材Bの変色剤含有層中の変色剤
が発色剤含有層1に移行する時間を制御するための時間
制御層3を積層することが好ましい(図9(a))。そ
の際、発色剤含有層1と時間制御層3との間に接着剤層
を介して積層してもよい。また、時間制御層3上に接着
層4を更に設け、剥離シート7をその上に配することも
できる(図9(b))。また、発色部材Aの基材5aと
発色剤含有層1との間に、第1の態様の時間経過表示体
の場合と同様に、印刷層6を形成してもよい(図1
0)。
【0038】なお、発色部材Aの基材5aと変色部材B
の基材5bとを、図11に示すように、それらの基材が
連続した構造とすることもできる。この場合には、図中
矢印に示すように、二つに折り曲げることにより発色剤
含有層1と変色剤含有層2とを密着させるようにするこ
とが好ましい。これにより、両部材が機能的には分離し
つつも、一つのものとして取り扱うことができる。
【0039】本発明の時間経過表示体は公知の方法によ
り製造することができる。例えば、図5に示す時間経過
表示体は以下に示すように製造することができる。ま
ず、基材5の上に、発色剤と顕色剤とバインダーと溶剤
とを均一に混合した組成物を塗工し乾燥して発色剤含有
層1を形成する。次に、発色剤含有層1上に接着層4と
なる接着剤を塗布し、更に時間制御層3となるプラスチ
ックシートを積層する。そして全体をホットプレスする
ことにより発色剤を発色させる。これとは別に、変色剤
含有層2となる可塑剤などを含有するプラスチックシー
トに、粘着剤を塗工し接着層4を形成しておく。そし
て、その接着層4を時間制御層3に重ねて貼り合わせる
ことにより製造することができる。
【0040】
【作用】本発明の第1の態様の時間経過表示体において
は、予め発色させた発色剤含有層と、その発色を変色さ
せることのできる変色剤を含有する変色剤含有層とが積
層されている。そして、変色剤含有層中の変色剤は、発
色剤含有層へマイグレーションして移行し、発色状態に
ある発色剤に作用して変色させる。また、本発明の第2
の態様の時間経過表示体においては、予め発色させた発
色剤含有層と、その色を変色させることのできる変色剤
を含有する変色剤含有層とを別の部材として構成し、使
用時に積層する。従って、室温でも、数時間から数か月
単位という広い範囲内で大きく変化する光学濃度に応じ
て経過時間を表示でき、しかも衣類などを色で汚染する
ことがなく、変色により下地の印刷を隠蔽しないように
できる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0042】実施例1 厚さ30μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(E5100、東洋紡績株式会社)上に、ウレタン系バ
インダーを使用する黒インク(NEW LPスーパー
黒、東洋インキ製造株式会社製)により「交換」という
文字をグラビヤ印刷した。この印刷面に、ロイコ染料
(91墨(アクリル系バインダー樹脂含有)(DC)、
大日精化株式会社製)50重量部と顕色剤(150顕色
剤(アクリル系バインダー樹脂含有)(DC)、大日精
化株式会社製)50重量部と、溶剤としてダイナサーモ
No.6溶剤(大日精化株式会社製)10重量部とから
なる組成物を5μm厚(乾燥厚)となるようにシルクス
クリーン印刷して発色剤含有層を形成した。そして、こ
の発色剤含有層を約150℃のホットプレートに接触さ
せて発色状態とした。
【0043】これとは別に、変色剤として機能する可塑
剤としてジオクチルフタレートを30重量%を含有す
る、厚さ100μmのポリ塩化ビニルフィルム(タツノ
化学株式会社製)を用意し、このフィルム上に、アクリ
ル系粘着剤(オリバインBPS3233D、東洋インキ
株式会社製)を約20g/mの割合いで塗工し乾燥し
て接着層を形成した。
【0044】次に、この接着層と前述の発色状態の発色
剤含有層とを温度25℃の室内で貼着することにより、
全体で約155μm厚の薄い時間経過表示体が得られ
た。
【0045】得られた時間経過表示体を同温度の室内に
保存したところ、製造から約6時間後に「交換」という
文字が判別できた。
【0046】実施例2 変色剤として機能する可塑剤としてジオクチルフタレー
トを30重量%を含有する、厚さ100μmのポリ塩化
ビニルフィルム(タツノ化学株式会社製)を用意し、こ
のフィルム上に、アクリル系粘着剤(オリバインBPS
3233D、東洋インキ株式会社製)を約20g/m
の割合いで塗工し乾燥して接着層を形成した。そして、
接着層上に、剥離シートとしてポリエチレンキャスト紙
(NA、リンテック株式会社製)を貼り合わせることに
より変色部材を作製した。
【0047】次に、厚さ30μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム(E5100、東洋紡績株式会社製)
上に、ウレタン系バインダーを使用する黒インク(NE
WLPスーパー黒、東洋インキ製造株式会社製)により
「交換」という文字をシルクスクリーン印刷した。この
印刷面に、実施例1と同様に発色剤含有層を形成するこ
とにより発色部材を作製した。
【0048】次に、変色部材の剥離シートを引き剥が
し、変色部材の接着層と前述の発色部材の発色剤含有層
を温度25℃の室内で貼着した。
【0049】得られた時間経過表示体を同温度の室内に
保存したところ、貼着から約7日後に「交換」という文
字が判別できた。
【0050】実施例3〜11 変色剤として表1に示す可塑剤を30重量%で含有する
ポリ塩化ビニルフィルム(厚さ1000μm、チッソ株
式会社製)上に、アクリル系粘着剤(BPS5127、
東洋インキ製造株式会社製)を乾燥厚で20μmとなる
ように塗工し、100℃で45秒間乾燥して接着層を形
成した。そして、その接着層上に剥離紙(凸版印刷株式
会社製)を積層することにより変色部材を作製した。
【0051】次に、厚さ25μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム(E5100、東洋紡績株式会社製)
上に、発色剤として4−アニリノ−3−メチル−6−ジ
ブチルアミノフルオランと顕色剤としてビスフェノール
Aとを含有する感熱黒インク(ダイナサーモD911、
大日精化株式会社製)を5μm厚にワイヤーバーで塗工
することにより発色剤含有層を形成した。次に、この発
色剤含有層上に、固形分が30重量%に調整されたウレ
タン系接着剤(タケラックA610/タケラックA10
(=9:1)、武田薬品工業株式会社製)を3μm乾燥
厚となるように塗工し、80℃で10秒間乾燥させ、更
にその上に時間制御層として50μm厚の表1に示すプ
ラスチックフィルムを積層した。そして、この時間制御
層に約100〜150℃のホットプレートを接触させ
て、感熱インクを発色させることにより発色部材を作製
した。
【0052】なお、表1中、DOPはジオクチルフタレ
ート、DBPはジブチルフタレート、DINPはジイソ
ノニルフタレート、PEは延伸ポリエチレン(TS、東
京セロハン株式会社製)、PPは延伸ポリプロピレン
(OPM−1、東京セロハン株式会社製)、そしてPE
Tは延伸ポリエチレンテレフタレート(S25LS、ユ
ニチカ株式会社製)をそれぞれ示している。
【0053】
【表1】 このようにして得られた変色部材の剥離シートを引き剥
がし、変色部材の接着層と前述の発色部材の時間制御層
とを温度25℃の室内で貼着した。そして、発色剤含有
層の消色速度を光学濃時計(X−Rite 310、X
−Rite社製)を用いて測定(測定時期:0、1、
2、3、4、5及び6ヶ月)した。この結果を表2に示
し、同時にそのデータを図12にプロットする。この場
合、濃度が低い程消色の程度が大きいことを示してい
る。なお、このように形成した発色剤含有層の下地に濃
度1.4程度の印刷を施した場合には、発色剤含有層の
濃度が1.1〜1.0程度になるとその印刷層を判別で
きるようになり、更に濃度0.4以下となると発色剤含
有層が無色として認識されるようになる。
【0054】
【表2】 測 定 時 期 実施例 0ヶ月 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 3 1.42 1.00 0.79 0.54 0.29 0.22 0.22 4 1.43 0.89 0.45 0.21 0.21 0.21 0.21 5 1.42 1.25 1.09 0.97 0.78 0.45 0.22 6 1.42 1.23 1.01 0.89 0.61 0.45 0.23 7 1.43 1.11 0.87 0.52 0.22 0.22 0.22 8 1.42 1.31 1.13 1.02 0.89 0.54 0.32 9 1.42 1.31 1.19 1.03 0.87 0.76 0.59 10 1.43 1.24 1.05 0.92 0.65 0.47 0.26 11 1.42 1.38 1.26 1.12 0.98 0.81 0.67 表2及び図12に示す結果から、同じ時間制御層を使用
した実施例同士(3、4及び5)、(6、7及び8)及
び(9、10及び11)を比較すると、使用した可塑剤
の分子量が小さいほど消色速度が速いことがわかる。ま
た、同じ可塑剤を使用した実施例同士(3、6及び
9)、(4、7及び10)及び(5、9及び11)を比
較すると、時間制御層としてPEを使用したものが消え
る速度が一番速く、次がPPで最後にPETを使用した
ものであることがわかる。このように、可塑剤の種類や
時間制御層の素材などを変化させることにより、表示す
べき経過した時間を自由に設定することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明の時間経過表示体によれば、室温
でも、数時間から数か月単位という広い範囲内で大きく
変化する光学濃度に応じて経過時間を表示でき、しかも
衣類などを汚染することがなく、変色により下地の印刷
を隠蔽しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の時間経過表示体の断面図である。
【図2】本発明の別の態様の時間経過表示体の断面図で
ある。
【図3】本発明の別の態様の時間経過表示体の断面図で
ある。
【図4】本発明の別の態様の時間経過表示体の断面図で
ある。
【図5】本発明の別の態様の時間経過表示体の断面図で
ある。
【図6】本発明の別の態様の時間経過表示体の断面図で
ある。
【図7】本発明の別の態様の時間経過表示体の断面図で
ある。
【図8】本発明の別の態様の時間経過表示体の断面図で
ある。
【図9】本発明の別の態様の時間経過表示体の断面図で
ある。
【図10】本発明の別の態様の時間経過表示体の断面図
である。
【図11】本発明の別の態様の時間経過表示体の断面図
である。
【図12】本発明の時間経過表示体の消色速度変化図で
ある。
【符号の説明】
1 発色剤含有層 2 変色剤含有層 3 時間制御層 4 接着層 5 基材 6 印刷層 7 剥離シート A 発色部材 B 変色部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−151578(JP,A) 特開 平7−27879(JP,A) 特開 平7−27878(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G04F 1/00 - 1/02 G04F 13/00 C09K 3/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発色状態にある発色剤を含有する発色剤
    含有層上に、発色状態にある発色剤を変色させることの
    できる変色剤を含有する変色剤含有層が積層されている
    ことを特徴とする時間経過表示体。
  2. 【請求項2】 発色剤含有層と変色剤含有層との間に、
    変色剤含有層中の変色剤が発色剤含有層に移行する時間
    を制御するための時間制御層が形成されている請求項1
    記載の時間経過表示体。
  3. 【請求項3】 基材上に発色剤含有層が形成されている
    請求項1又は2に記載の時間経過表示体。
  4. 【請求項4】 発色剤が、顕色剤で発色させられたロイ
    コ染料である請求項1〜3のいずれかに記載の時間経過
    表示体。
  5. 【請求項5】 変色剤が可塑剤である請求項4記載の時
    間経過表示体。
  6. 【請求項6】 発色状態にある発色剤を含有する発色剤
    含有層を有する発色部材と、発色状態にある発色剤の色
    を変色させることのできる変色剤を含有する変色剤含有
    層を有する変色部材とからなり、該発色部材の発色剤含
    有層と該変色部材の変色剤含有層とを使用時に密着させ
    ることができるように、該発色部材と変色部材とが分離
    した状態となっていることを特徴とする時間経過表示
    体。
  7. 【請求項7】 発色剤含有層及び/又は変色部材が、基
    材上に形成されている請求項6記載の時間経過表示体。
  8. 【請求項8】 発色剤含有層上に、変色部材の変色剤含
    有層中の変色剤が発色剤含有層に移行する時間を制御す
    るための時間制御層が積層されている請求項6又は7に
    記載の時間経過表示体。
  9. 【請求項9】 発色剤が顕色剤で発色させられたロイコ
    染料である請求項6〜8のいずれかに記載の時間経過表
    示体。
  10. 【請求項10】 変色剤が可塑剤である請求項9記載の
    時間経過表示体。
  11. 【請求項11】 発色部材の基材と変色部材の基材とが
    共通である請求項6〜10のいずれかに記載の時間経過
    表示体。
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