JPH0446937Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は例えば運送会社などにおいて、荷物
配送用として利用される複写伝票組や機械等の対
象物に貼着するシール、ステツカーを構成する場
合に使用するタツク紙組体に関するものである。

［従来の技術］ 複写伝票組やシール、ステツカーはタツク紙と
それに貼着している剥離紙からなるタツク紙組体
を備えている。

タツク紙の表面に必要事項を筆記などによつて
印字し、しかる後に剥離紙を剥離して接着剤を露
出させ、この接着剤を利用して荷物や機械などの
対象物の表面にタツク紙を貼着する。

［考案が解決しようとする課題］ しかるに、複写伝票組はタツク紙のほかに、例
えば、送り状、運送会社控、取扱店控、請求領収
書、着店控、配達控等の多くの伝票からなり、こ
れに剥離紙が加わる結果、複写伝票組は相当に嵩
ばるものになつており、その取扱が不便であつ
た。

また、剥離紙は高価であつて、複写伝票組の全
体の価格の相当大きな部分を占めており、剥離紙
を捨てるのでは無駄が多い。しかも剥離紙を捨て
るにしても、その後処理が難しい。

この考案は上記の如き事情に鑑みてなされたも
のであつて、剥離紙を有効に利用して、複写伝票
組の葉紙の数を減少させることができ、かつ剥離
紙の廃棄後処理の必要をなくすことができるタツ
ク紙組体を提供することを目的とするものであ
る。

［課題を解決するための手段］ この目的に対応して、この考案のタツク紙組体
は、一方の表面上に印字適性をもつ部分が形成さ
れ他方の表面上に接着剤層を有するタツク紙と前
記接着剤層に剥離紙が剥離処理層を介して貼り合
わせられているタツク紙組体において、前記接着
剤層中にカラーフオーマー含有マイクロカプセル
を含有させてなり、前記剥離処理層に顕色剤を含
有させてなることを特徴としている。

［作用］ タツク紙組体の使用に際して、タツク紙組体の
タツク紙の上から筆記等によつて必要事項を印字
する。この印字の際の印圧によつてタツク紙裏面
の接着剤中に含まれている印字用カプセルが圧壊
し、含有されているカラーフオーマーが剥離紙に
転移して、剥離処理面に含有されている顕色剤に
接触することによつて剥離紙上に印字が行われ
る。この後、タツク紙と剥離紙とは剥離され、タ
ツク紙は接着剤を利用して対象物に貼着され、剥
離紙は記録のために保存される。

［実施例］ 第１図において、１は複写伝票組であり、複写
伝票組１は複数の伝票２，３，４，５とタツク紙
組体１１とを重ね、一側端の綴じ代６で綴じられ
ており、かつ、ミシン目７によつてそれぞれ切り
離し可能に構成されている。

伝票２，３，４，５はそれぞれ表面に印字枠や
印字項目名が印刷されていて、かつ印字適性を備
えており、またそれぞれの裏面にはカーボンやイ
ンキを含有するマイクロカプセルが施されてい
る。このような複写伝票用紙は従来から公知であ
る。

複写伝票組１はタツク紙組体１１を備えてい
る。

タツク紙組体１１は第２図及び第３図に示すよ
うに、タツク紙１２と剥離紙１３とを剥離可能に
貼合せて構成されている。

タツク紙１２は紙またはプラスチツクフイルム
製のタツク紙基材１４と接着剤層１５とからなつ
ている。

タツク紙基材１４の表面には印字枠や印字項目
名等の印刷１６が施されていてかつ印字箇所は印
字適性を具備している。タツク紙基材１４の裏面
には接着剤層１５が塗布形成されている。接着剤
層１５は感圧接着剤１７にマイクロカプセル１８
を含有させてものである。マイクロカプセル１８
はクリスタルバイオレツトラクトン、ベンゾイル
ロイコメチレンブルーなどのカラーフオーマーを
含有していて筆圧等の印字圧によつて圧壊可能で
ある。

一方、剥離紙１３は剥離紙基材２１の表面に印
字適性を持つ剥離処理層２２を塗布して構成され
ている。

剥離処理層２３は酸性白土に代表される顕色剤
がシリコーン系、変性シリコーン系、非シリコー
ン系の剥離剤に含有されているものである。

剥離層２２の表面には印字枠や印字項目名等が
印刷２３によつて表示されていることが好まし
い。

このように構成されたタツク組体１１の作用は
次の通りである。

荷物にタツク紙１２を貼着する場合には、複写
伝票組１の伝票２の上からボールペン等を使用し
て依頼主や宛先や荷物の内容その他の印字事項を
筆記する。この印字事項はそれぞれの伝票の裏面
に設けたカーボン、インキカプセル内のインキに
よつて同一内容がすべての伝票及びタツク紙組体
１１に複写される。特に注目すべきこととして、
この印字の際の筆圧によつてタツク紙１２の裏面
の接着剤層１５内のマイクロカプセル１８が圧壊
し、その中のカラーフオーマー２５が漏出して剥
離紙１３の剥離処理層２２に転移し、顕色剤であ
る酸性白圧と反応して印字事項が剥離紙１３に印
字される。

次に、第４図に示すように、タツク紙１２を剥
離紙１３から剥離処理層２２で剥離する。この剥
離のとき接着剤層１５はタツク紙１２の裏面に残
留するので、この接着剤層１５を利用してタツク
紙１２を荷物に貼着する。

剥離紙１３には必要な印字事項が印字されてい
るので、これを記録用伝票として使用し、これを
保管する。

［実施例］ 感圧性接着剤BPS−4627−６（東洋インキ製造
株式会社製）にクリスタルバイオレツトタクトン
含有マイクロカプセルを固形分にして30重量％配
合した。このマイクロカプセル含有接着剤組成物
をタツク紙基材に乾燥厚さが20μになるように塗
布、乾燥した。

シリコーン系剥離剤62−2901A／X62−2902B
（信越化学株式会社製）＝２／１の混合物に酸性白
土を固形分にして40重量％配合した。この剥離剤
組成物を剥離紙用基材に5μとなるように塗布、
乾燥した。

上記で作成したタツク紙の接着剤層と剥離紙の
剥離処理面とを貼付して一体とした後、タツク紙
の表面からボールペンで筆記し、次いで、タツク
紙と剥離紙とを剥離したところ、剥離紙の剥離面
には判読可能な印字が認められた。

［考案の効果］ この考案のタツク紙組体によれば、従来はタツ
ク紙を剥離した後は廃棄していた剥離紙に所定事
項を印字して保存用の控として利用することがで
きるので、従来は必要とされていた保存用の控の
ための伝票をこの考案では省略することができる
ので、複写伝票組の葉紙の数を減少させることが
でき、また剥離紙を廃棄することがないので、そ
の後処理の必要を生じないタツク紙組体を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は複写伝票組の斜視説明図、第２図はタ
ツク紙組体の横断面分解説明図、第３図はタツク
紙組体の横断面拡大説明図、及び第４図はタツク
紙組体からタツク紙を剥離させた状態を示す横断
面拡大説明図である。 １……複写伝票組、２，３，４，５……伝票、
６……綴じ代、７……ミシン目、１１……タツク
組体、１２……タツク紙、１３……剥離紙、１４
……タツク紙基材、１５……接着剤層、１６……
印刷、１７……感圧接着剤、１８……マイクロカ
プセル、２１……剥離紙基材、２２……剥離処理
層、２３……印刷、２５……カラーフオーマー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方の表面上に印字適性をもつ部分が形成され
   他方の表面上に接着剤層を有するタツク紙と前記
   接着剤層に剥離紙が剥離処理層を介して貼り合わ
   せられているタツク紙組体において、前記接着剤
   層中にカラーフオーマー含有マイクロカプセルを
   含有させてなり、前記剥離処理層に顕色剤を含有
   させてなることを特徴とするタツク紙組体。