JPH0446939Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は感熱転写方式のプリンターにより、２
枚の帳票に同時に印字可能な感熱転写印字用伝票
に関する。

従来の技術 従来より、運送会社、百貨店等に用いられる配
送伝票は、複写可能な複数枚の帳票綴りよりな
り、荷物と一緒に移動して必要部署で必要な帳票
が順次切り取られ使用されている。現状では、特
に運送会社等の配送伝票においては、発送依頼人
により配送伝票の最上部に届け先が記入された
後、運送会社の人又は荷物取扱店の人が、届け
先、荷の大きさ等により運賃を計算し、運賃請求
書、売上票となる２枚の帳票を配送伝票から切り
離し、この２枚の帳票に運賃及び着店コード（届
先）等を手書きしていた。

考案が解決しようとする問題点 ところが、運賃や着店コード等を手書きするの
は極めて煩わしい作業であり、しかも手書きの着
店コードが、人により数字に癖がある為、読みに
くかつたり、誤つて読まれたりするという問題点
がある。また運賃等も計算したり運賃表から算出
せねばならないという手間があつた。

これらの問題点を解消する為、最近、コンピユ
ーターのハンデイターミナルを用い、該ハンデイ
ターミナルに必要な情報を入力することにより、
管理情報を記録させるとともに運賃計算を行い、
且つハンデイターミナルのプリンターで運賃や着
店コードの帳票への印字を行うシステムが開発さ
れている。ここで使用するプリンターとしては、
印字速度が速いこと、保守管理が容易なこと、消
費電力が少ないこと等の理由から、感熱転写式プ
リンターが好適である。ところが、このプリンタ
ーで２枚の帳票に印字するには、印字情報が同一
であつてもプリンターに各帳票を１枚ずつ通さね
ばならず、時間がかかると言う問題点がある。ま
た、印字の都度各帳票に感熱転写インクフイルム
を重ねてプリンターに供給しなければならず、操
作が面倒でやはり時間がかかると言う問題点もあ
る。なお、帳票の表面に熱により発色する自己発
色剤を塗布しておき、感熱転写インクフイルムの
使用を省略する方法も考えられるが、自己発色剤
による文字は耐候性が悪いので、好ましくない。

本考案はかかる事情に鑑みなされたもので、感
熱転写式プリンターにて、同時に２枚の帳票に印
字することのできる感熱転写印字用伝票を提供す
ることを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案になる伝票６は、感熱転写インクフイル
ム１１と第一帳票１２と第二帳票１３とをこの順
序に重ね合わせ、感熱転写インクフイルム１１の
一端を第二帳票１３に接着し、第一帳票と第二帳
票の少なくとも一部を剥離可能に接合したことを
特徴とするものである。

作 用 上記構成の伝票６は、感熱転写インクフイルム
１１と第一、第二帳票１２，１３とを重ねた状態
で感熱転写式プリンターに通され印字される。こ
れにより、感熱転写インクフイルムのインクが第
一帳票上面に転写して印字される。一方、インク
フイルムには印字部分が抜けるため、白抜き文字
が形成される。印字終了後、第一帳票１２を第二
帳票１３から剥がすことにより、印字された単独
の帳票となる。一方、第二帳票１３もその上に白
抜き文字を有するインクフイルム１１を重ね合わ
せることにより、白抜き文字の印字された単独の
帳票となる。かくして、第一帳票、第二帳票に同
一情報が同時に印字されたこととなる。なお、イ
ンクフイルム１１は一端で第二帳票１３に接合さ
れているので、他の部分は単に第二帳票１３の上
面に重ねるのみでもよいが、第二帳票１３上面に
適当な手段、例えば粘着剤により貼り合わせてお
くと、第二帳票の取扱いが容易となり好ましい。

実施例 以下、図面に示す本考案の好適は実施例を詳細
に説明する。なお、以下の説明は本考案を配送伝
票に適用した場合のものであるが、本考案はこの
場合に限定されず、他の伝票、例えば銀行やデパ
ート等で使用される種々な伝票にも適用可能であ
る。

第５図は本考案になる伝票を含んだ配送伝票の
斜視図であり、第６図はその断面図である。同図
に於いて、配送伝票１は、複数枚の帳票２，３，
４，５及び本考案になる伝票６を重ね合わせ、一
側端部を糊８にて綴り合わせてなり、且つ各帳票
には、切り離し自在になる様、糊８付近にミシン
目９を設けている。最上部の帳票２の上には配送
伝票１全体を荷物に貼付けるための透明フイルム
１０（裏面の一部に粘着剤層及びその保護用剥離
紙を有する）が配置されている。なお、透明フイ
ルム１０に代えて、裏面に粘着剤層を備え全帳票
を収容するようになつた封筒を用いてもよい。

第１図〜第３図は配送伝票１から本考案の伝票
６を切り離して示す斜視図、上面図及び断面図で
ある。伝票６は感熱転写インクフイルム１１、第
一帳票１２、第二帳票１３をこの順序に重ね合わ
せて構成され、インクフイルム１１はその一端
（右端）を最下部の第二帳票１３に接着剤１４で
接着されている。伝票６には筆記による複写域Ａ
と感熱転写式プリンターによる印字域Ｂとがあ
り、インクフイルム１１は第一帳票１２の印字域
Ｂをカバーする大きさのものである。第一帳票１
２はミシン目或いはスリツト１５により切り離し
可能な部分１２ａを有し、該部分１２ａは後述す
るように、荷物に貼付する着店コードラベルとし
て使用される。以下部分１２ａを着店コードラベ
ルと言う。インクフイルム１１はプリンターでの
印字の際にずれないように、その右端を第二帳票
１３に接着しているが、必要に応じ、他の部分も
スポツト的に第一帳票１２に接着してもよい。

第一帳票１２、第二帳票１３には必要な印刷が
施されている。即ち、筆記複写域Ａには、お届け
先、ご依頼主等の記入欄が印刷され、印字域Ｂに
は印字内容を示す文字（例えば、日付、着店コー
ド、区分、サイズ、支払方法、金額等）が印字さ
れている。一方、インクフイルム１１には上記印
刷部を避けてストライプ状に転写インク層１６が
設けられている。これは後述するように、インク
フイルム１１を第二帳票１３の上面に貼り合わせ
た時、第二帳票１３の印字域Ｂの印刷が見えるよ
うにするためである。なお、転写インク層１６は
ストライプ状に形成する場合に限らず、第７図の
ように、ブロツク状に形成してもよい。また、日
付、着店コード等の文字は印刷する代わりに、プ
リンターで印字するようにしてもよく、その場合
にはインクフイルム１１の全面に転写インク層を
設ければよい。第一帳票１２は着店コードラベル
１２ａ全面及びインクフイルム１１の左端に位置
する部分を粘着剤層１７，１８で第二帳票１３に
接着されている。第二帳票１３の着店コードラベ
ル１２ａに面する部分には剥離処理層１３ａが形
成されており、着店コードラベル１２ａはその裏
面に粘着剤層１７を付けた状態で第二帳票１３か
ら剥がすことができる。一方、第一帳票１２の粘
着剤層１８に面する部分にも剥離処理層１２ｂが
形成されており、第一帳票１２は第二帳票１３上
に粘着剤層１８を残した状態で第二帳票１３から
剥がすことができ、且つ該第一帳票１２の裏面に
は粘着剤が残留せず、ベトついたりくつついたり
することがない。第二帳票１３上に残留する粘着
剤層１８は第一帳票１２を剥がした後、インクフ
イルム１１を接着するために使用するものであ
る。なお、粘着剤層１８及び剥離処理層１２ｂは
図示位置に限定されず、インクフイルム１１に面
する他の部分或いは全域に設けてもよい。また、
剥離処理層１２ｂを設ける代わりに、容易に剥が
すことができ且つ剥がした跡がベトつかない弱粘
着剤〔例えば、日本フーラ(株)のHL−103−９（商
品名）等〕層を使用してもよい。但し、この場合
にも、第二帳票１３には弱粘着剤層が残留し、接
着性を発揮するようにする。

配送伝票１の各帳票２，３，４，５にもそれぞ
れ必要な印刷が施されており、且つ伝票６の帳票
を含む各帳票には最上の帳票２に筆記した事項が
各帳票に複写されるよう適当な複写手段が設けら
れている。複写手段としては公知の任意の手段、
例えばカーボン複写層や発色剤、顕色剤を用いる
ノーカーボン複写層等を利用可能である。

次に、上記構成の配送伝票１の使用方法を説明
する。荷物発送依頼人が、まず配送伝票１を手に
して帳票２の記入欄にお届け先、ご依頼主等を記
入する。この記入事項は直ちに各帳票に複写され
る。運送会社又は取次店の担当者は、配送伝票１
を透明フイルム１０により荷物に貼付し、同時に
客控え用帳票（例えば３）、及び伝票６を配送伝
票１から切り離し、客控え用帳票３は荷物発送依
頼人に渡す。次に、ハンダイターミナルに必要な
情報をインプツトすると共に、伝票６を第１図の
右端側からハンダイターミナルの感熱転写式プリ
ンターにかけ、第一帳票１２の印字域Ｂに必要な
情報を印字する。即ち着店コードラベル１２ａに
は着店コードを数字又はバーコードで大きく印字
し、帳票１２の本体部分には予め印刷してある日
付、着店コート、区分、サイズ、金額等の欄に数
値、文字等を印字する。この印字により、第一帳
票１２上にはインクフイルム１１のインクが転写
し、一方、インクフイルム１１自体には白抜き数
字、文字等が形成される。

印字終了後、第４図に示すように、第一帳票１
２を第二帳票１３から剥がし、着店コードラベル
１２ａは切り離して荷物に貼付し、残りの第一帳
票１２は運賃請求書として依頼人に手渡す。一
方、第二帳票１３には、その上面の粘着剤層１８
を利用してインクフイルム１１を貼付する。上記
した如く、インクフイルムには帳票に必要な情報
が白抜きの数字、文字で印字されているので、こ
のインクフイルム１１を貼付した第二帳票１３は
必要な情報が印字された帳票となる。この帳票１
３は売上票として使用するもので、担当部署に持
ち帰る。配送伝票１及び着店コードラベル１２ａ
を貼付された荷物は、着店コードラベルに大きく
印字された着店コードを見て区分けしたり、自動
区分け装置により前記着店コードの数字やバーコ
ードを読み自動区分けして目的地に送られ、途中
必要部署で配送伝票１から必要な帳票が引き抜か
れ保管される。

上記実施例において、インクフイルム１１の裏
面に設けられる転写インク層１６は同一色のもの
でもよいが、場所によつて色を替えてもよい。例
えば、黒、赤、青、緑等の色を印字内容に応じて
適宜使用し、印字を色分けして、印字を強調する
ようにしてもよい。また、着店コードラベル印字
用の転写インク層として、無色透明の蛍光顔料を
用いることも可能である。蛍光顔料で印字された
着店コードは、紫外線照射により生じる蛍光を適
当な読取装置でが外乱なく正確に読み取ることが
可能であるので、自動区分けに極めて好適であ
る。更にこのような透明な蛍光顔料を使用する場
合において、着店コードラベル１２ａを透明フイ
ルムで形成しておくと、印字後も全体が透明であ
るので、荷物の任意の場所に、例えば荷物に貼付
した配送伝票の上に貼り付けても何等支障がな
く、好ましい。

なお、上記実施例では第二帳票１３に第一帳票
１２を粘着剤層１８で剥離可能に接合し、第一帳
票１２を剥がした後、その粘着剤層によりインク
フイルム１１を貼り合わせたが、インクフイルム
１１は一端で第二帳票１３に接合されているの
で、必ずしも第二帳票１３上面に貼り付ける必要
はなく、単に重ね合わせるのみでもよい。この
為、粘着剤層１８を省略するとか或いは粘着剤層
１８の代わりに、容易に剥離可能な結晶質構造の
接着剤を用いてもよい。

また、上記実施例では第６図に示すように、伝
票６の両方の帳票１２，１３の左端が他の帳票と
共に糊８で綴り合わされ、且つそれぞれに切り離
し用ミシン目９が形成されているが、一方の帳票
１２又は１３のみを糊８で帳票５に綴り合わせ、
他の帳票はミシン目９の所に左端が位置するよう
にしてもよい。更に、上記実施例では第一帳票１
２に着店コードラベル１２ａを設けたが、これは
本考案に必須のものではなく、省略してもよい。
しかし、このような着店コードラベルは着店コー
ドを明瞭に且つ大きく印字しているので見易く、
荷物の集配場所において荷物を目的地別に区分け
する作業を容易にする利点がある。

考案の効果 上記のように、本考案の伝票６は感熱転写イン
クフイルムを備えているので、そのまま、感熱転
写式プリンターに通すことにより、第一帳票１２
に印字可能であり、印字操作が極めて容易であ
る。しかも、印字後、第一帳票１２を第二帳票１
３から剥がしその跡に上記感熱転写インクフイル
ムを重ねるのみで、第二帳票１３にも同一情報を
印字したこととなる。従つて、伝票６を１回プリ
ンターにかけるのみで、２枚の帳票への印字を行
つたと同等の効果が得られ、印字時間を極めて短
縮することができる。かくして、本考案の伝票６
は、消費電力が少なく、保守管理が容易でしかも
印字速度の速い感熱転写式プリンターで印字する
に極めて好適なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になる感熱転写印字用伝票の１
例を示す斜視図、第２図はその上面図、第３図は
断面図、第４図は印字後、第一帳票１２と第二帳
票１３を離した状態の断面図、第５図は上記伝票
６を用いた配送伝票の斜視図、第６図はその断面
図、第７図は他の実施例を示す上面図である。 １……配送伝票、２，３，４，５……帳票、６
……感熱転写印字用伝票、８……糊、９……ミシ
ン目、１０……透明フイルム、１１……感熱転写
インクフイルム、１２……第一帳票、１３……第
二帳票、１４……接着剤、１６……転写インク
層、１７，１８……粘着剤層、１２ｂ，１３ａ…
…剥離処理層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 感熱転写インクフイルムと第一帳票と第二帳票
   とをこの順序に重ね合わせ、感熱転写インクフイ
   ルムの一端を第二帳票に接着し、第一帳票と第二
   帳票の少なくとも一部を剥離可能に接合したこと
   を特徴とする感熱転写印字用伝票。