JP7089922B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、積層体に関する。
近年、インターネットやテレビショッピングによる通信販売が広く利用されており、これに伴い、商品の販売者に代わって配送業者が商品を配送する流通形態が多く見られるようになっている。このような流通形態では、配送業者が、段ボールや紙箱等の梱包材により配送物(商品)を梱包し、梱包材の表面に配送先に関する情報を記載した宅配ラベル(配送伝票)を貼付し、この情報を基に配送物をその購入者に配送する。
このような宅配ラベルは、例えば特許文献1に記載されるようなものが知られている。このラベルは、基材と、基材の一方の面に順に設けられる疑似接着剤層と粘着剤層とを備え、疑似接着剤層は、基材側の第1層と接着剤層側の第2層とを積層してなる2層構造を持ち、第1層と第2層との界面を剥離可能としている。そして、基材の他方の面に配送先に関する情報とともに受領印欄を記載し、配送物の配送先にて、受領印欄に受領確認をもらった後、基材を第1層と第2層との界面で剥離し、この剥離した基材を回収して配送完了の証明として管理する。
また、宅配ラベルには購入者や商品送付相手の氏名や住所等の個人情報が表記される。このため、販売者や配送業者に対して提示した個人情報の盗み見、2次使用や、個人情報の漏洩による被害が生じる可能性がある。
そこで、宅配ラベルには、商品の発送の際に、配達票(荷物貼付用ラベル)に荷受人の住所、氏名、電話番号等を表示せず、配達先情報を得るための情報コード(例えばQRコード(登録商標)またはバーコード等)が表示された配達票を用いることも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。情報コードは、配達先情報や配達希望日時に関する情報等(配達依頼情報)がコード化されているか、または配達依頼情報にアクセスするためのアクセス情報がコード化されている。
特開2010-175649号公報 特開2017-102568号公報
しかしながら、受け取り後の宅配ラベルをそのまま廃棄すると、宅配ラベルに記載された情報コード等を解析することにより個人情報等が漏洩する可能性があり、セキュリティの観点からは未だ十分とはいえなかった。
本発明の目的は、第三者に情報コード等の情報が読み取られることを防止して、セキュリティを高めた積層体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)~(5)に記載の本発明により達成される。
(1) 熱を付与した部分に熱転写インクが転写される第1層と、
前記第1層の他方の面側に設けられ、エネルギーを付与することにより発光する物質を含む第2層と、
前記第2層の前記第1層と反対側に隣接して設けられた第3層と、を備え、
前記第1層に前記熱転写インクが転写されるのと同時に、前記第2層の前記熱を受けた部位に含まれる前記物質が前記第3層に転写され
前記第1層に前記熱転写インクにより形成されたパターンは、可視光環境下で目視による認識が可能であり、
前記第3層に転写された前記物質により形成されたパターンは、可視光環境下で目視では認識できないことを特徴とする積層体。
(2) 前記エネルギーは、紫外線であり、
前記物質は、紫外線の照射により可視光線を発光することを特徴とする上記(1)に記載の積層体。
(3) 前記エネルギーは、赤外線であり、
前記物質は、赤外線の照射により可視光線を発光することを特徴とする上記(1)に記載の積層体。
(4) 前記第2層と前記第3層とは、分離可能である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の積層体。
(5) 前記第1層と前記第2層とは、分離可能であり、かつ、前記第2層と前記第3層とは、分離可能である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の積層体。
本発明によれば、第三者に情報コード等の情報が読み取られることが防止され、セキュリティを高めた積層体を提供することができる。
本発明の積層体が適用された宅配ラベルの好適な第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。 図1に示す宅配ラベルに熱を付与した状態を示す模式的な図である。 図2に示す宅配ラベルを第2層と第3層との界面で分離した状態を示す模式的な図である。 第1パターンおよび第2パターンの一例を示す模式的な平面図である。 本発明の積層体が適用された宅配ラベルの好適な第2実施形態を示す模式的な縦断面図である。 図5に示す宅配ラベルに熱を付与した状態を示す模式的な図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[宅配ラベル]
まず、本発明の積層体が適用された宅配ラベルについて説明する。
図1は、本発明の積層体が適用された宅配ラベルの好適な第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。また、図2は、図1に示す宅配ラベルに熱を付与した状態を示す模式的な図である。図3は、図2に示す宅配ラベルを第2層と第3層との界面で分離した状態を示す模式的な図である。図4は、第1パターンおよび第2パターンの一例を示す模式的な平面図である。
本発明の宅配ラベル1(積層体)は、熱を付与した部分に熱転写インクが転写される第1層10(熱転写インク受容層)と、第1層10の他方の面側に設けられ、エネルギーを付与することにより発光する物質を含む第2層20と、第2層20の第1層10と反対側に隣接して設けられた第3層30と、を備え、第2層20の熱を受けた部位に含まれる物質が第3層30に転写されることを特徴とする。
図2に示すように、このような宅配ラベル1に、熱転写インクリボン100を積層し、サーマルヘッド200を用いて熱Hを付与することにより、その部分に熱転写インク101が転写され、所定の内容を表す第1パターン50Aが第1層10に印字される。
また、第1層10に付与した熱が、さらに第2層20に付与される。そして、第2層20のうち熱を受けた部位に含まれる物質が、第1パターン50Aと実質的に同一の第2パターン50Bで、第3層30(第3基材31)に転写される。
このようにして所定の内容が印字された宅配ラベル1は、第1層10が最表面に露出しており、第1層10に印字された第1パターン50Aは、通常の状態(可視光環境下)で目視により認識可能である(図4(a)参照)。
このような宅配ラベル1において、第2層20と第3層30とは、分離可能、すなわち、離脱可能である。
第2層と第3層とが分離可能であるとは、第2層20(転写層21)のうち、熱が付与されなかった部分(21aを除く部分)が、第3層に残存することなく分離でき、第2パターン50Bを認識できることをいう。
第2層のうち熱が付与されなかった部分(21aを除く部分)が、第3層に残存せずに分離できるためには、後述する第2層を構成するバインダー樹脂のガラス転移温度が60℃以上であることが好ましい。これにより、宅配ラベルを高温環境下で保存した場合であっても、第2層20が第3層に意図しない接着をしてしまうおそれがなくなる。
第2層と第3層とが分離可能である限り、第2層と第3層の縁部が、結合されていてもよい。これにより、第2層と第3層を所定の位置に固定することができる。
そして図3に示すように、宅配ラベル1は、第2層20と第3層30との間で分離される。
第3層30には、第2層20に含まれる物質(エネルギーを付与することにより発光する物質)が、第1パターン50Aと実質的に同一の第2パターン50Bで、第2層20から第3層30に転写されている。
しかしながら、図4(b)に示すように、エネルギーを付与することにより発光する物質により形成された第2パターン50Bは、通常の状態(可視光環境下)では目視では認識できない。
図4(c)に示すように、第3層30にエネルギー(例えば紫外線または赤外線)を付与することにより、物質が発光し、これにより第2パターン50Bが目視により認識可能となる。
このように、本発明の宅配ラベル1では、分離された第3層30だけでは、そのままの状態では、所定の情報(個人情報を示す内容など)が何も書かれていないように判別される。そして特殊な処理(エネルギーの付与)をしなければ第三者は情報を読み取ることはできず、個人情報等の漏洩を防止してセキュリティを高めることができる。
これにより、受け取り後の宅配ラベルを裁断したりすることなく、そのまま廃棄することができる。
具体的に、図1に示す本実施形態の宅配ラベル1A(1)は、第1基材11を含む第1層10、転写層21を含む第2層20、および、第3基材31と第1粘着剤層32とを含む第3層30を有する。
なお、本実施形態の宅配ラベル1A(1)では、第1粘着剤層32の第3基材31と対向する側の面とは反対側の面に、剥離ライナー40が配されていてもよい。
剥離ライナー40は、製造時や保存時に、第1粘着剤層32を保護する。宅配ラベル1A(1)を被着体へ貼付するときには第1粘着剤層32から剥離される。
<第1層>
第1層10は、第1基材11を含む。
《第1基材》
第1基材11は、熱転写インクリボン100が積層され、サーマルヘッドにより熱をくわえられた部分の熱転写インク101を受容する熱転写インク受容層である。
また、第1基材11は、エネルギーを付与することにより発光する物質を含む第2層(転写層21)を支持する層でもある。
第1基材11を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、酢酸セルロース等の樹脂等が好ましく、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル系等が好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)がより好ましい。また、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、クラフト紙等の紙も用いることができる。
なお、本明細書において(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂を意味する。
第1基材11の厚さは、例えば5μm以上300μm以下であることが好ましく、10μm以上200μm以下であることがより好ましい。
<熱転写インクリボン>
熱転写インクリボン100は、熱転写インク101(熱転写インク層)と、熱転写インク101を支持するリボン基材102とを有する。熱転写インクリボン100では、熱が印加された部分のみ熱転写インク101が溶融し、溶融した熱転写インク101が第1基材11に転写される。
熱転写インク101は、熱転写可能な染料または顔料を任意のバインダー樹脂で担持させた層である。使用する染料または顔料は、従来公知の熱転写インクに使用されている染料または顔料がいずれも使用可能であり、特に限定されない。
熱転写インク101としては、熱により昇華する特性を有するインクを用いた昇華性転写層、および、熱により溶融するインクを用いた熱溶融転写層が挙げられ、熱溶融転写層が好ましい。
また、本実施形態の宅配ラベル1は、所望の情報がモノカラーである場合には、熱転写インク101として適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望の情報がフルカラーである場合には、熱転写インク101として、シアン、マゼンタおよびイエロー(更に、必要に応じてブラック)を選択し形成することができる。
(染料または顔料)
昇華性転写層形成用インクに用いられる熱昇華性染料としては、昇華性分散染料が好ましく、一例を挙げると、イエロー成分としては、ソルベントイエロー56、16、30、93、33、ディスパースイエロー201、231、33等が挙げられる。マゼンタ成分としては、C.I.ディスパースレッド60、ディスパースバイオレット26、C.I.ソルベントレッド27、あるいはC.I.ソルベントレッド19が挙げられる。シアン成分としてはC.I.ディスパースブルー354、24、C.I.ソルベントブルー63、36等が挙げられる。そのバインダーとしては、特に限定されるものではないが、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン-アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラール、スチレン-アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂が好適である。
熱溶融転写層形成用インクに用いられる染料としては、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオロラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系等の一般に使用されている熱転写性染料を広く使用することができる。
熱溶融転写層形成用インクに用いられる顔料としては、公知の有機顔料、無機顔料を使用することができ、一例を挙げると、カーボンブラック、アゾ系、フタロシアニン系、キクナリドン系、チオインジゴ系、アンスラキノン系、イソインドリン系等の顔料が挙げられる。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂としては、従来公知のものが使用でき、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、スチレン-アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等の耐熱性、染料移行性等に優れた樹脂を具体例として挙げることができる。
バインダー樹脂のガラス転位点は、好ましくは60℃以上、より好ましくは110℃以上であればよい。ガラス転位点が低い場合、印字不良を起こす可能性が高くなる。
また、染料または顔料とバインダー樹脂との重量比は、バインダー樹脂100質量部に対し30質量部以上300質量部以下が好ましく、50質量部以上200質量部以下がより好ましい。30質量部より小さい場合、染料または顔料の濃度が低くなるため、発色感度が不十分となり良好な熱転写画像が得られ難くなる。一方、300質量部より大きい場合、バインダー樹脂に対する染料の溶解性が極端に低下するため、インク層の保存安定性が低下して染料が析出し易くなる。
また、熱転写インク101には、前記顔料または染料、およびバインダー樹脂の他に、適宜、離型剤、軟化剤、界面活性剤といった添加剤を添加することができる。
このような熱転写インクリボン100は、図1に示すサーマルヘッド200(熱源)をリボン基材102側から接触させることにより、その熱Hによって、熱転写インク101が溶融し、第1基材11に転写される。
<第2層>
第2層20は、転写層21を含む。
第2層20は、転写層21に、エネルギーを付与することにより発光する物質を含む。エネルギーとしては、赤外線または紫外線が挙げられるが、紫外線が好ましい。
本実施形態において、エネルギーは、紫外線または赤外線であり、物質は、紫外線または赤外線の照射により可視光線を発光するものであることが好ましい。
特に本実施形態では、転写層21に、紫外線または赤外線(エネルギー)を付与することにより発光する物質を含有する。
エネルギーが、紫外線または赤外線であり、物質が、紫外線または赤外線が照射されることにより発光するものであることにより、該物質の材料の選定が比較的容易になるとともに、入手するのが比較的安価であるという利点がある。
本実施形態において、第2層20は、転写層21として熱溶融型の熱転写性インク層を有する。
熱転写方式は、熱溶融物質中にインク(本実施形態ではエネルギーを付与することにより発光する物質)を分散した熱転写性インク層(転写層21)と受像シート(第3層30)とを重ね、サーマルヘッド200により熱Hを付与することによって、熱転写性インク層(転写層21)を熱溶融せしめて、受像シート(第3層30)上にインクを転写して印字する方式である。
転写層21のうち、熱(第1エネルギー)が付与された部分21aのみ、溶融して、第1層10側から第3層30側に転写される。なお、熱(第1エネルギー)が付与されていない部分、すなわち、部分21a以外は、第1基材11に担持されたままの状態となる。
転写層21に含有されるエネルギーを付与することにより発光する物質は、紫外線または赤外線が照射された場合にのみ視認可能なものであって、紫外線または可視光線が照射されていない状態においては、視認不可能なものである。そのため、第3層30に印字(転写)された情報は、紫外線または赤外線が照射された場合にのみ視認可能となり、紫外線または赤外線が照射されていない状態においては視認不可能となっている。
《転写層》
転写層21は、紫外線を照射するとダウンコンバージョン発光する材料(ダウンコンバージョン材料)等、受光した光(吸収した光)の波長とは異なる波長の光を発光する波長変換発光剤料を、任意のバインダー樹脂で担持させた、熱転写性層である。
(エネルギーを付与すると発光する物質)
本明細書において、ダウンコンバージョン発光する材料(ダウンコンバージョン材料)とは、所定の波長の光を吸収することにより励起され、当該波長よりも長い波長の光を放出(発光)する機能を有する材料のことをいう。
紫外線を照射すると可視光線を発光する物質としてダウンコンバージョン材料を用いることにより、例えば、転写層21に紫外線等の短波長の光(励起光L1)が照射された場合に、ダウンコンバージョン材料から可視光の波長領域の光(発光光L2)を放出(発光)させることができる。
ダウンコンバージョン材料は、粒子状をなしているのが好ましい。これにより、ダウンコンバージョン材料の取り扱いが容易となる。また、ダウンコンバージョン材料を溶解するための特殊な溶媒を用いるのを省略することができる。
ダウンコンバージョン材料が粒子状をなしている場合、当該粒子の平均粒径は、10nm以上200nm以下であるのが好ましく、15nm以上100nm以下であるのがより好ましい。これにより、ダウンコンバージョン材料の発光効率をより優れたものとすることができる。
ダウンコンバージョン材料を励起する光(励起光L1)は、紫外線であり、その波長は、200nm以上400nm以下であるのが好ましく、300nm以上380nm以下であるのがより好ましい。
これにより、ダウンコンバージョン材料の発光効率をより優れたものとすることができる。また、ダウンコンバージョン材料の選択の幅が広がる。また、ダウンコンバージョン材料を発光させるための光源として、安価、簡易な構成で一般に広く普及しているものを好適に用いることができる。
ダウンコンバージョン材料による発光のピーク波長は、400nm以上780nm以下であるのが好ましく、420nm以上730nm以下であるのがより好ましい。これにより、ダウンコンバージョン材料による発光を、可視光とすることができる。
また、ダウンコンバージョン材料は、有機材料で構成されたものであってもよいが、無機物質を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、ダウンコンバージョン材料を含む転写層の耐久性をより向上させることができる。
ダウンコンバージョン材料としては、例えば、Y:Eu(発光波長:620~630nm)、ZnS:Cu(発光波長:530~540nm)、ZnS:Al(発光波長:445~455nm)等が挙げられる。
また、条件(例えば、形状、組成、表面処理の種類、大きさ等)の異なる複数種のダウンコンバージョン材料を用いてもよい。
このような転写層21によれば、可視光環境下では、転写層21が透明であるため、転写された第2パターン50Bを視認することができず、第2パターン50Bの情報を読み取ることができないが、図4(c)に示すように、励起光L1(紫外線)を照射した際に、発光光L2を読み取ることができる。よって、不正に情報を読み取られるのを防止することができる。
紫外線を照射すると可視光線を発光する物質は、転写層21中、転写層21を構成する転写層組成物の合計重量の0.01重量%以上50重量%以下の量で含有されることが好ましく、0.1重量%以上40重量%以下がより好ましく、1重量%以上25重量%以下がさらに好ましい。最も好ましくは、2重量%以上約10重量以下である。
なお、本実施の形態において、エネルギーを付与することにより発光する物質として、上述したダウンコンバージョン発光する材料以外にも、例えば、アップコンバージョン発光する材料(アップコンバージョン材料)を用いることができる。
本明細書において、アップコンバージョン発光する材料(アップコンバージョン材料)とは、所定の波長の光を吸収することにより励起され、当該波長よりも短い波長の光を放出(発光)する機能を有する材料のことをいう。
特に、発光剤としてアップコンバージョン材料を用いることにより、例えば、発光剤を含む材料に赤外線等の長波長の励起光L1が照射された場合に、アップコンバージョン材料から可視光を放出(発光)させることができる。
アップコンバージョン材料は、所定の波長の光を吸収することにより励起され、当該波長よりも短い波長の光を放出(発光)する機能を有するものであれば、特に限定されないが、以下のような条件を満足するものであるのが好ましい。
アップコンバージョン材料は、粒子状をなしているのが好ましい。これにより、アップコンバージョン材料の取り扱いが容易となる。また、アップコンバージョン材料を溶解するために特殊な溶媒を用いるのを省略することができる。
アップコンバージョン材料が粒子状をなしている場合、当該粒子の平均粒径は、10nm以上200nm以下であるのが好ましく、15nm以上100nm以下であるのがより好ましい。これにより、アップコンバージョン材料の発光効率をより優れたものとすることができる。
アップコンバージョン材料を励起する光(励起光L1)の波長は、780nm以上4000nm以下であるのが好ましく、800nm以上2500nm以下であるのがより好ましく、820nm以上1400nm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、アップコンバージョン材料の発光効率をより優れたものとすることができる。また、アップコンバージョン材料の選択の幅が広がる。また、光源として、安価、簡易な構成で一般に広く普及しているものを好適に用いることができる。
アップコンバージョン材料による発光のピーク波長は、400nm以上780nm以下であるのが好ましく、420nm以上730nm以下であるのがより好ましい。これにより、アップコンバージョン材料が発光する光を可視光とすることができる。
また、アップコンバージョン材料は、有機材料で構成されたものであってもよいが、無機物質を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、アップコンバージョン材料を含む転写層21の耐久性をより向上させることができる。
なお、有機材料で構成されたアップコンバージョン材料と無機物質を含む材料で構成されたアップコンバージョン材料とを併用してもよい。
アップコンバージョン材料を構成する有機材料(アップコンバージョン発光しうる有機材料)としては、例えば、4-[N-(2-ヒドロキシエチル)-N-(メチル)アミノフェニル]-4’-(6-ヒドロキシヘキシルスルフォニル)スチルベン(APSS 励起光波長:962~968nm、発光色:黄緑色)、等が挙げられる。
アップコンバージョン材料を構成する無機物質(アップコンバージョン発光しうる無機物質)としては、例えば、ランタノイドイオン含有の無機物質、遷移金属イオン含有の無機物質等が挙げられる。
中でも、アップコンバージョン材料がランタノイドイオン含有の無機物質を含むものであると、アップコンバージョン材料の発光効率をより優れたものとすることができる。
また、アップコンバージョン材料が遷移金属イオン(例えば、Ti2+)含有の無機物質を含むものであると、アップコンバージョン材料の発光効率を十分なものとしつつ、アップコンバージョン材料のコストの低減を図ることができる。
アップコンバージョン発光しうるランタノイドイオン含有の無機物質としては、例えば、1種または2種以上のランタノイドイオンをドープしたハロゲン化物、酸化物(例えば、希土類酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムやこれらの複合酸化物等)、硫化物(例えば、希土類酸化物等)やこれらの複合材料等が挙げられる。
ランタノイドイオンがドープされるハロゲン化物、酸化物、硫化物としては、例えば、BaY、KZnF、NaYF、NaYb(WO、Ga-La、Y、Gd、ZrO、ZnO、BaTiO、ZrF-SiO、ZnO-SiO等が挙げられる。
アップコンバージョン発光しうるランタノイドイオン含有の無機物質の具体例としては、Y:Yb:ErをドープしたNaYF(Y:Yb:Er=78:20:2、励起光波長:980nm、発光色:緑色)、Y:Yb:ErをドープしたNaYF(Y:Yb:Er=69:30:1、励起光波長:980nm、発光色:青色)、Y:Yb:TmをドープしたNaYF(Y:Yb:Tm=78:20:2、励起光波長:980nm、発光色:赤色)、Er3+をドープしたBaCl(励起光波長:1535nm、発光色:緑色)等が挙げられる。
また、アップコンバージョン発光しうる遷移金属イオン含有の無機物質としては、例えば、Ti2+をドープしたMgCl(励起光波長:1060~1075nm、発光色:赤紫色)等が挙げられる。
また、条件(例えば、形状、組成、表面処理の種類、大きさ等)の異なる複数種のアップコンバージョン材料を用いてもよい。
また、本発明では、アップコンバージョン材料とダウンコンバージョン材料とを組み合わせて用いてもよい。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂としては、可視光線下で透明である限り以下に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンの単独重合体または共重合体、フッ素樹脂、及び天然樹脂が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のうち少なくともいずれかが好ましく、アクリル系樹脂及びスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のうち少なくともいずれかがより好ましく、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂がさらに好ましい。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。
バインダー樹脂は、1種類、2種類、3種類またはそれ以上の異なるバインダー樹脂で構成されていてもよい。2種類以上の異なるバインダー樹脂が存在する場合、それぞれのバインダー樹脂は、すべてのバインダー樹脂の重量を基準として、例えば、5重量%以上90重量%以下の範囲で含有されることが好ましく、30重量%以上50重量%以下がより好ましい。それぞれのバインダー樹脂は、等しい量で使用されてもよく、異なる量で使用されてもよい。
バインダー樹脂のガラス転位点は、好ましくは60℃以上、より好ましくは110℃以上であればよい。ガラス転位点が低い場合、積層体を高温環境下で保存した場合、第2層(転写層21)が第3層から分離できないおそれがある。
また、転写層21には、エネルギーを付与することにより発光する物質およびバインダー樹脂の他に、適宜、離型剤、軟化剤、界面活性剤といった添加剤を添加することができる。
<第3層>
第3層30は、第3基材31と、第3基材31の第2層20側に対向する側とは反対側に配された第1粘着剤層32とを含む。
《第3基材》
第3基材31は、第2層20(転写層21)のうち、熱Hが付与された部分21aが転写されることにより、エネルギーを付与することにより可視光線を発光する第2パターン50Bが形成される層である。
第3基材31は、上述した第1層10の第1基材11と同様の構成とすることができる。それらの中でも、段ボールと一緒に廃棄できる点で、紙、特に上質紙を用いることが好ましい。
《第1粘着剤層》
第1粘着剤層32は、宅配ラベル1A(1)を被着体に貼付する際の粘着剤層となる。
(粘着剤)
第1粘着剤層32を構成する粘着剤は、特に限定されない。例えば、粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系、シリコーン系粘着剤、およびポリビニルエーテル系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、第1粘着剤層32を構成する粘着剤は、アクリル系粘着剤およびゴム系粘着剤からなる群から選択される少なくともいずれかであることが好ましく、透明性の観点から、粘着剤層は、アクリル系粘着剤を含んでいることがより好ましい。
アクリル系粘着剤としては、主成分として、例えば、アクリル酸エステル単独重合体、アクリル酸エステル単位二種以上を含む共重合体およびアクリル酸エステルと他の官能性単量体との共重合体の中から選ばれた少なくとも一種を含有するもの(以下、単に「アクリル系ポリマー」ともいう。)が用いられる。該アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル等が挙げられる。また、官能性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチルエステル、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。該アクリル系粘着剤は、一般に、溶剤型とエマルジョン型に大別され、溶剤型は、通常、前記アクリル系ポリマー、溶剤、架橋剤および所望に応じて用いられる粘着付与剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等から構成されており、架橋システムとしてはメチロール基縮合、イオン架橋、ウレタン架橋、エポキシ架橋等が利用されている。一方、エマルジョン型は、通常、前記アクリル系ポリマー、乳化剤、水性溶媒、所望に応じて用いられる粘着付与剤等を含んで構成されている。
ゴム系粘着剤としては、スチレン-イソプレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエンブロック共重合体などが挙げられる。
(その他の成分)
第1粘着剤層32には、必要に応じて、分散剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、軟化剤、シランカップリング剤、充填剤、着色剤等のその他の成分が配合されていてもよい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
第1粘着剤層32の厚さは、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましく、15μm以上40μm以下がさらに好ましい。
<剥離ライナー>
剥離ライナー40は、製造時や保存時に、第1粘着剤層32を保護する。宅配ラベル1A(1)を被着体へ貼付するときには第1粘着剤層32から剥離される。
剥離ライナー40としては、特に限定されず、公知の剥離ライナーを適宜選択して用いることができる。一般的には、剥離ライナー40としては、剥離基材の片面または両面に剥離処理が施されたものが挙げられる。
《剥離基材》
剥離ライナー40に用いることのできる剥離基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンフィルムや、上質紙、グラシン紙、クラフト紙等の紙基材、これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙等のシート等が挙げられる。
《剥離処理剤》
また、剥離処理を行うための剥離処理剤としては、特に限定されることなく公知の剥離処理剤を用いることができ、具体的にはシリコーン、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂が好ましく、ブタジエン系樹脂、アルキド系樹脂がより好ましい。
剥離ライナー40の厚さは、特に限定されないが、10μm以上150μm以下であることが好ましく、20μm以上130μm以下であることがより好ましい。
[表示パターンの形成方法]
本実施形態の宅配ラベル1A(1)は、熱を付与して、第1層10(第1基材11)及び第3層(第3基材31)それぞれに実質的に同一の表示パターンを形成することにより、所定の内容を印字(転写)して用いることができる。
表示パターンの示す内容(印字内容)としては特に限定されるものではなく、種々の文字、記号、符号、点、線、図形、もしくはそれらの2種以上の組合せからなるものであり、任意の内容にすることができる。
表示パターンは、一次元バーコード、二次元コード等の情報コードであってもよい。一次元バーコードとは、データを二進化して情報を一次元状に記録するものであり、二次元コードとはデータを二進化して情報を二次元状に記録するものである。
宅配ラベル1A(1)には、通常、配送業者が配送物を配送するために必要な配送先に関する情報(配送先の住所・氏名等)や、配達状況を管理するための管理情報が表示されている。
ここでは、上記情報を得るための情報コードが表示されている場合を示す。情報コードは、配達先情報や管理情報がコード化されているか、またはこれらの情報にアクセスするためのアクセス情報がコード化されている。
まず、図2に示すように、宅配ラベル1A(1)に熱Hを付与することにより、熱転写インクリボン100において熱が付与された部分12aの熱転写インク101が第1基材11に転写され、所定の内容を表す第1パターン50Aが第1層10に印字される。
また、第1層10に付与された熱は、第2層20に伝熱される。そして、第2層20において、転写層21のうち、熱が付与された部分21aが溶融して第3基材31に転写される。
そして、宅配ラベル1A(1)は、第1粘着剤層32から剥離ライナー40を剥離して、第1粘着剤層32を対向させることにより被着体60に貼付して用いられる。
被着体60は、例えば荷物の配送時に、該荷物が収納される箱体、袋体等の包装体である。
受付および集荷時においては、第1層10に印字された第1パターン50Aは、一般的な黒色等の熱転写インクで印字されているので、目視による認識が可能である(図4(a)参照)。
通常の状態(可視光環境下)で情報が視認可能であることで、荷主や集荷所における配送手続きが行いやすくなる。
受付、集荷終了後、図3に示すように、第1層10および第2層20を第3層から分離する。第1層10および第2層20は、例えば、控えとして荷主側に渡される。
このとき、第2層20の転写層21(エネルギーを付与すると発光する物質を含有する熱転写性層)のうち、熱が付与された部分21aが、第1パターン50Aと実質的に同一の第2パターン50Bで、第3層30の第3基材31側に転写された状態となる、すなわち、残存する。
包装体(被着体60)には、転写層21の一部が転写されることにより第2パターン50Bが形成された第3層30のみが、配送票として残ることになる。
そして、配送業者は、包装体に貼付された配送票(第3層30)に表示の情報(第2パターン50B)に基づいて配送物を配送する。
しかしながら、第3層30に転写された第2パターン50Bは、通常の状態(可視光環境下)では透明であるため、目視では認識できない(図4(b)参照)。
そこで、配送業者が第3層30に励起光L1として紫外線または赤外線を照射することにより、第2パターン50Bを構成する物質が発光光L2を発光し、これにより第2パターン50Bが目視により認識可能となる(図4(c)参照)。
紫外線を照射する手段としては、例えばブラックライト等が挙げられる。第2パターン50Bを認識する手段としては、目視の他に、紫外線または赤外線を照射できるスキャナ等が挙げられる。
このように、本実施形態の宅配ラベル1A(1)では、分離された第3層30だけでは、そのままの状態では、所定の内容(個人情報を示す内容など)が何も書かれていないように判別される。そして特殊な処理(紫外線照射)をしなければ、第三者は情報コード等の情報を読み取ることはできず、個人情報等の漏洩を防止してセキュリティを高めることができる。
例えば、配送終了後に、配送票を裁断したりすることなくそのまま廃棄することができる。この場合でも、破棄された配送票からの個人情報等の漏洩が防止される。
〔第2実施形態〕
[宅配ラベル]
次に、本発明の積層体が適用された宅配ラベルの第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と異なる部分について主に説明し、同様の部分については、その詳細な説明を省略する。
図5は、本発明の積層体が適用された宅配ラベルの第2実施形態を示す模式的な縦断面図である。また図6は、図5に示す宅配ラベルに熱を付与した状態を示す模式的な図である。
図5に示す本実施形態の宅配ラベル1B(1)は、第1基材11と第2粘着剤層13とを含む第1層10、第2基材22と転写層21とを含む第2層20、および、第3基材31と第1粘着剤層32と第3粘着剤層33とを含む第3層30を有する。
<第1層>
第1層10は、第1基材11と、第1基材11の下側に配された第2粘着剤層13とを含む。
《第1基材》
第1基材11は、熱転写インクリボン100が積層され、サーマルヘッド200を用いて熱Hを付与した部分に熱転写インク101が転写されることにより、第1パターン50Aが形成される層である。
第1基材11は、上述した第1実施形態における第1基材11と同様の構成とすることができる。
《第2粘着剤層》
第2粘着剤層13は、第1基材11と、転写層21を支持する第2基材22とを、所定の位置に結合する層である。
また、第2粘着剤層13は、第1基材11の下側の面のうち、第1パターン50Aが形成される範囲よりも外側に、例えば、第1基材11の縁部のみに設けられている。
(粘着剤)
粘着剤は、例えば、アクリル系、ゴム系、ポリエステル系、ポリウレタン系など公知のものを用いることができ、接着剤であってもよい。
第2粘着剤層13の厚さは、1μm以上50μm以下であることが好ましく、2μm以上40μm以下であることがより好ましく、3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
第2粘着剤層13の厚さが1μm未満であると、第2層20(第2基材22)に対する十分な粘着性を確保できない可能性があり、50μmを超えると、端部から、はみ出す可能性がある。
<第2層>
第2層20は、第2基材22と、第2基材22の第1層10と対向する側とは反対側に配された転写層21とを含む。
本実施形態において、第2層20は、第2基材22の一方の面に、転写層21として、エネルギーを付与することにより可視光線を発光する物質を含む熱転写性層を有する。
転写層21のうち、熱が付与された部分21aのみ、第3層30の第3基材31に対する接着性が向上して、第2層20側(第2基材22)から第3層30側(第3基材31)に転写される。
《第2基材》
第2基材22としては、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレートなどからなるフィルムが挙げられ、その他、ポリカーボネート、ポリアミド、アラミド、その他熱転写性インクリボンの基材として一般に使用されている各種のプラスチックからなるフィルムが使用できる。またコンデンサーペーパーのような高密度の薄い紙を使用してもよい。
第2基材22の厚さは、熱伝導を良好にする観点から、1μm以上10μm以下が好ましく、2μm以上7μm以下がより好ましい。
《転写層》
転写層21は、上述した第1実施形態における転写層21(エネルギーを付与することにより発光する物質を含有する熱転写性層)と同様の構成とすることができる。
<第3層30>
第3層30は、第3基材31と、第3基材31の一方の面側であって第2層20に対向する側に配された第3粘着剤層33と、第3基材31の他方の面側に配された第1粘着剤層32とを含む。
《第3基材》
第3基材31は、転写層21のうち、熱が付与された部分21aが転写されることにより、エネルギーを付与することにより発光する第2パターン50Bが形成される層である。
第3基材31は、上述した第1実施形態における第3基材31と同様の構成とすることができる。
《第1粘着剤層》
第1粘着剤層32は、宅配ラベル1B(1)を被着体に貼付する際の粘着剤層となる。
第1粘着剤層32は、上述した第1実施形態の第3層30における、第1粘着剤層32と同様の構成とすることができる。
《第3粘着剤層》
第3粘着剤層33により、転写層21を有する第2層と、第2パターン50Bが形成される第3層とが、所定の位置に結合される。
第3粘着剤層33は、第2パターン50Bが形成される範囲よりも外側、たとえは第3基材31の縁部に形成される。
第3粘着剤層33としては、第1層10における第2粘着剤層13と同様の構成とすることができる。
このような宅配ラベル1B(1)では、図6に示すように、熱Hを付与することにより、熱転写インクリボン100において熱が付与された部分12aが第1基材11に転写され、所定の内容を表す第1パターン50Aが印字される。
また、第1層10に付与された熱Hは、第2層20に伝熱される。そして、第2層20において、転写層21(エネルギーを付与すると発光する物質を含有する熱転写性層)のうち、熱が付与された部分21aが第3基材31に転写される。
その後、第2層20と第3層30との間で分離した際に、第2層20の転写層21のうち、熱が付与された部分21aは、第2基材22側から、第3層30の、第3基材31側に良好に転写され、第1パターン50Aと実質的に同一の内容を表す第2パターン50Bが形成される。
本実施形態の宅配ラベル1B(1)においても、分離された第3層30だけでは、そのままの状態(可視光環境下)では、第2パターンが示す所定の内容(個人情報を示す内容など)が何も書かれていないように判別される。そして特殊な処理(紫外線照射または赤外線照射)をしなければ、第三者は情報コード等の情報を読み取ることはできず、個人情報等の漏洩を防止してセキュリティを高めることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1、1A、1B 宅配ラベル
10 第1層
11 第1基材
12a 部分
13 第2粘着剤層
20 第2層
21 転写層
21a 部分
22 第2基材
30 第3層
31 第3基材
32 第1粘着剤層
33 第3粘着剤層
40 剥離ライナー
50A 第1パターン
50B 第2パターン
60 被着体
100 熱転写インクリボン
101 熱転写インク
102 リボン基材
200 サーマルヘッド
H 熱
L1 励起光
L2 発光光

Claims (5)

  1. 熱を付与した部分に熱転写インクが転写される第1層と、
    前記第1層の他方の面側に設けられ、エネルギーを付与することにより発光する物質を含む第2層と、
    前記第2層の前記第1層と反対側に隣接して設けられた第3層と、を備え、
    前記第1層に前記熱転写インクが転写されるのと同時に、前記第2層の前記熱を受けた部位に含まれる前記物質が前記第3層に転写され
    前記第1層に前記熱転写インクにより形成されたパターンは、可視光環境下で目視による認識が可能であり、
    前記第3層に転写された前記物質により形成されたパターンは、可視光環境下で目視では認識できないことを特徴とする積層体。
  2. 前記エネルギーは、紫外線であり、
    前記物質は、紫外線の照射により可視光線を発光する請求項1に記載の積層体。
  3. 前記エネルギーは、赤外線であり、
    前記物質は、赤外線の照射により可視光線を発光することを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  4. 前記第2層と前記第3層とは、分離可能である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記第1層と前記第2層とは、分離可能であり、かつ、前記第2層と前記第3層とは、分離可能である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の積層体。
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