JP7089922B2 - 積層体 - Google Patents
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Description
(1) 熱を付与した部分に熱転写インクが転写される第1層と、
前記第1層の他方の面側に設けられ、エネルギーを付与することにより発光する物質を含む第2層と、
前記第2層の前記第1層と反対側に隣接して設けられた第3層と、を備え、
前記第1層に前記熱転写インクが転写されるのと同時に、前記第2層の前記熱を受けた部位に含まれる前記物質が前記第3層に転写され、
前記第1層に前記熱転写インクにより形成されたパターンは、可視光環境下で目視による認識が可能であり、
前記第3層に転写された前記物質により形成されたパターンは、可視光環境下で目視では認識できないことを特徴とする積層体。
前記物質は、紫外線の照射により可視光線を発光することを特徴とする上記(1)に記載の積層体。
前記物質は、赤外線の照射により可視光線を発光することを特徴とする上記(1)に記載の積層体。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明の積層体が適用された宅配ラベルについて説明する。
図1は、本発明の積層体が適用された宅配ラベルの好適な第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。また、図2は、図1に示す宅配ラベルに熱を付与した状態を示す模式的な図である。図3は、図2に示す宅配ラベルを第2層と第3層との界面で分離した状態を示す模式的な図である。図4は、第1パターンおよび第2パターンの一例を示す模式的な平面図である。
第1層10は、第1基材11を含む。
第1基材11は、熱転写インクリボン100が積層され、サーマルヘッドにより熱をくわえられた部分の熱転写インク101を受容する熱転写インク受容層である。
熱転写インクリボン100は、熱転写インク101(熱転写インク層)と、熱転写インク101を支持するリボン基材102とを有する。熱転写インクリボン100では、熱が印加された部分のみ熱転写インク101が溶融し、溶融した熱転写インク101が第1基材11に転写される。
昇華性転写層形成用インクに用いられる熱昇華性染料としては、昇華性分散染料が好ましく、一例を挙げると、イエロー成分としては、ソルベントイエロー56、16、30、93、33、ディスパースイエロー201、231、33等が挙げられる。マゼンタ成分としては、C.I.ディスパースレッド60、ディスパースバイオレット26、C.I.ソルベントレッド27、あるいはC.I.ソルベントレッド19が挙げられる。シアン成分としてはC.I.ディスパースブルー354、24、C.I.ソルベントブルー63、36等が挙げられる。そのバインダーとしては、特に限定されるものではないが、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン-アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラール、スチレン-アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂が好適である。
バインダー樹脂としては、従来公知のものが使用でき、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、スチレン-アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等の耐熱性、染料移行性等に優れた樹脂を具体例として挙げることができる。
第2層20は、転写層21を含む。
転写層21は、紫外線を照射するとダウンコンバージョン発光する材料(ダウンコンバージョン材料)等、受光した光(吸収した光)の波長とは異なる波長の光を発光する波長変換発光剤料を、任意のバインダー樹脂で担持させた、熱転写性層である。
本明細書において、ダウンコンバージョン発光する材料(ダウンコンバージョン材料)とは、所定の波長の光を吸収することにより励起され、当該波長よりも長い波長の光を放出(発光)する機能を有する材料のことをいう。
バインダー樹脂としては、可視光線下で透明である限り以下に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンの単独重合体または共重合体、フッ素樹脂、及び天然樹脂が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のうち少なくともいずれかが好ましく、アクリル系樹脂及びスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のうち少なくともいずれかがより好ましく、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂がさらに好ましい。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。
第3層30は、第3基材31と、第3基材31の第2層20側に対向する側とは反対側に配された第1粘着剤層32とを含む。
第3基材31は、第2層20(転写層21)のうち、熱Hが付与された部分21aが転写されることにより、エネルギーを付与することにより可視光線を発光する第2パターン50Bが形成される層である。
第1粘着剤層32は、宅配ラベル1A(1)を被着体に貼付する際の粘着剤層となる。
第1粘着剤層32を構成する粘着剤は、特に限定されない。例えば、粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系、シリコーン系粘着剤、およびポリビニルエーテル系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、第1粘着剤層32を構成する粘着剤は、アクリル系粘着剤およびゴム系粘着剤からなる群から選択される少なくともいずれかであることが好ましく、透明性の観点から、粘着剤層は、アクリル系粘着剤を含んでいることがより好ましい。
第1粘着剤層32には、必要に応じて、分散剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、軟化剤、シランカップリング剤、充填剤、着色剤等のその他の成分が配合されていてもよい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
剥離ライナー40は、製造時や保存時に、第1粘着剤層32を保護する。宅配ラベル1A(1)を被着体へ貼付するときには第1粘着剤層32から剥離される。
剥離ライナー40に用いることのできる剥離基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィンフィルムや、上質紙、グラシン紙、クラフト紙等の紙基材、これらの紙基材にポリエチレン等の熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙等のシート等が挙げられる。
また、剥離処理を行うための剥離処理剤としては、特に限定されることなく公知の剥離処理剤を用いることができ、具体的にはシリコーン、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂が好ましく、ブタジエン系樹脂、アルキド系樹脂がより好ましい。
本実施形態の宅配ラベル1A(1)は、熱を付与して、第1層10(第1基材11)及び第3層(第3基材31)それぞれに実質的に同一の表示パターンを形成することにより、所定の内容を印字(転写)して用いることができる。
[宅配ラベル]
次に、本発明の積層体が適用された宅配ラベルの第2実施形態について説明する。
第1層10は、第1基材11と、第1基材11の下側に配された第2粘着剤層13とを含む。
第1基材11は、熱転写インクリボン100が積層され、サーマルヘッド200を用いて熱Hを付与した部分に熱転写インク101が転写されることにより、第1パターン50Aが形成される層である。
第2粘着剤層13は、第1基材11と、転写層21を支持する第2基材22とを、所定の位置に結合する層である。
粘着剤は、例えば、アクリル系、ゴム系、ポリエステル系、ポリウレタン系など公知のものを用いることができ、接着剤であってもよい。
第2層20は、第2基材22と、第2基材22の第1層10と対向する側とは反対側に配された転写層21とを含む。
第2基材22としては、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレートなどからなるフィルムが挙げられ、その他、ポリカーボネート、ポリアミド、アラミド、その他熱転写性インクリボンの基材として一般に使用されている各種のプラスチックからなるフィルムが使用できる。またコンデンサーペーパーのような高密度の薄い紙を使用してもよい。
転写層21は、上述した第1実施形態における転写層21(エネルギーを付与することにより発光する物質を含有する熱転写性層)と同様の構成とすることができる。
第3層30は、第3基材31と、第3基材31の一方の面側であって第2層20に対向する側に配された第3粘着剤層33と、第3基材31の他方の面側に配された第1粘着剤層32とを含む。
第3基材31は、転写層21のうち、熱が付与された部分21aが転写されることにより、エネルギーを付与することにより発光する第2パターン50Bが形成される層である。
第1粘着剤層32は、宅配ラベル1B(1)を被着体に貼付する際の粘着剤層となる。
第3粘着剤層33により、転写層21を有する第2層と、第2パターン50Bが形成される第3層とが、所定の位置に結合される。
10 第1層
11 第1基材
12a 部分
13 第2粘着剤層
20 第2層
21 転写層
21a 部分
22 第2基材
30 第3層
31 第3基材
32 第1粘着剤層
33 第3粘着剤層
40 剥離ライナー
50A 第1パターン
50B 第2パターン
60 被着体
100 熱転写インクリボン
101 熱転写インク
102 リボン基材
200 サーマルヘッド
H 熱
L1 励起光
L2 発光光
Claims (5)
- 熱を付与した部分に熱転写インクが転写される第1層と、
前記第1層の他方の面側に設けられ、エネルギーを付与することにより発光する物質を含む第2層と、
前記第2層の前記第1層と反対側に隣接して設けられた第3層と、を備え、
前記第1層に前記熱転写インクが転写されるのと同時に、前記第2層の前記熱を受けた部位に含まれる前記物質が前記第3層に転写され、
前記第1層に前記熱転写インクにより形成されたパターンは、可視光環境下で目視による認識が可能であり、
前記第3層に転写された前記物質により形成されたパターンは、可視光環境下で目視では認識できないことを特徴とする積層体。 - 前記エネルギーは、紫外線であり、
前記物質は、紫外線の照射により可視光線を発光する請求項1に記載の積層体。 - 前記エネルギーは、赤外線であり、
前記物質は、赤外線の照射により可視光線を発光することを特徴とする請求項1に記載の積層体。 - 前記第2層と前記第3層とは、分離可能である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記第1層と前記第2層とは、分離可能であり、かつ、前記第2層と前記第3層とは、分離可能である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の積層体。
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