JPH1153496A - 印刷物 - Google Patents

印刷物

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JPH1153496A
JPH1153496A JP20687497A JP20687497A JPH1153496A JP H1153496 A JPH1153496 A JP H1153496A JP 20687497 A JP20687497 A JP 20687497A JP 20687497 A JP20687497 A JP 20687497A JP H1153496 A JPH1153496 A JP H1153496A
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infrared light
infrared
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JP20687497A
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Komei Fukushima
功明 福島
Yoshinori Yamamoto
芳典 山本
Masahito Ikegaya
昌仁 池ケ谷
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物体の色や物体にあらかじめ施された印刷な
どによる可視情報を損なうことなく、赤外光を吸収また
は発光する物質による不可視情報をも上記物体に良好に
付帯させることを目的とする。 【解決手段】 赤外光を反射し可視光で透明な基材31
上に、可視領域では認識が不可能または困難な情報とし
て、赤外光を吸収または発光する物質を含有する記録層
32を形成して、印刷物3を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材上に不可視情
報として赤外光を吸収または発光する物質を含有する記
録層を設けてなる印刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、秘密保持と外観維持を目的と
して、赤外波長域で発光する赤外蛍光体を用いた透明イ
ンク組成物を使用して、肉眼では見えない文字、図形、
バ―コ―ドなどの赤外発光層を印刷し、このコ―ド情報
を光学的読み取り装置によつて得ることが行われてい
る。この技術は、たとえば、特公昭61−18231号
公報、特開昭53−9600号公報などに開示されてお
り、最近では、プリペイドカ―ドやIDカ―ド、磁気カ
―ドなどのプラスチツク製基板や磁性層などに対して
も、この種の赤外発光層を印刷することが試みられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
赤外蛍光体を用いたインク組成物で、黒や青などの赤外
光を吸収するような色の物体上に情報を印刷した場合
や、赤外光を透過するガラス製の物体などに印刷した場
合には、下地からの反射がないために、発光強度が著し
く低下し、読み取りが困難となるという問題があつた。
【0004】このため、正確な読み取りを行うために
は、物体の色や物体にあらかじめ施される印刷を制限す
る必要があり、実用性に劣る問題があつた。そこで、白
などの赤外光を反射するような色の基材上に情報を印刷
して、これを情報を付帯させる物体に貼り付けるという
方法も考えられている。しかるに、この場合は、上記の
基材のために情報を付帯させる物体の色や印刷が隠蔽さ
れてしまい、この色や印刷による可視情報を認識できな
くなる問題があつた。
【0005】本発明は、上記の事情に照らし、物体の色
や物体にあらかじめ施された印刷などによる可視情報を
損なうことなく、赤外光を吸収または発光する物質によ
る不可視情報をも上記物体に良好に付帯させることを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対して、鋭意検討した結果、赤外光を反射しかつ可
視光で透明となる特定の基材を用い、この上に赤外光を
吸収または発光する物質に基づく不可視情報を記録し
て、印刷物を構成すると、基材が赤外光を反射するた
め、高い発光強度が維持されて、上記不可視情報の読み
取りが容易となり、このような印刷物を物体上に貼り付
けることにより、この物体に上記の不可視情報を良好に
付帯でき、しかもその際、基材が可視光で透明なため
に、物体の色やこの物体にあらかじめ施された印刷など
による可視情報が上記の印刷物によつて損なわれる心配
もなく、結局、物体に上記の可視情報と上記の不可視情
報をともに良好に付帯できることを知り、本発明を完成
するに至つた。
【0007】すなわち、本発明は、赤外光を反射し可視
光で透明な基材上に、可視領域では認識が不可能または
困難な情報として、赤外光を吸収または発光する物質を
含有する記録層を形成したことを特徴とする印刷物(請
求項1)に係るものであり、とくに上記の赤外光を反射
し可視光で透明な基材が波長700〜2,000nmの
赤外光の反射率が30%以上で、波長650nmの可視
光の透過率が40%以上である上記構成の印刷物(請求
項2)を提供できるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる基材は、赤外
光を反射し、可視光で透明な基材であつて、この基材上
に赤外光を吸収または発光する物質を含有する記録層を
形成して、印刷物を構成することにより、この印刷物に
赤外光を照射したときに、上記物質の吸収または発光強
度を弱めることがなく、不可視情報の良好な読み取りを
可能とする一方、この基材が可視光で透明なために、こ
の印刷物を物体上に設けたときに、この物体の色やこの
物体にあらかじめ施された可視情報、たとえば、文字、
図形、バ―コ―ドなどの情報を損なうこともない。
【0009】このような基材は、波長650nmの可視
光の透過率が40%以上、好ましくは50%以上である
のがよく、これにより物体上の可視情報の確認が容易と
なる。また、波長700〜2,000nmの赤外光の反
射率が30%以上、好ましくは50%以上であるのがよ
く、これにより基材上に設けられる記録層の前記物質の
吸収または発光強度を向上させることができる。なお、
基材は、波長700〜2,000nmの全領域にわたつ
て赤外光の反射率が30%以上であることが好ましい
が、一部の領域で反射率が30%以上であれば、記録層
の読み取りを妨げるものではない。ここで、本発明にい
う波長700〜2,000nmの赤外光とは、赤外照射
光および赤外光を発光する物質によつて発せられた赤外
光のいずれかもしくは両者を意味するものである。
【0010】このような基材としては、ポリエチレンテ
レフタレ―トなどの透明なベ―スフイルムの少なくとも
片面に透明高屈折率薄膜層と金属薄膜層を積層したフイ
ルムが挙げられる。上記の透明高屈折率薄膜層は、可視
光領域で吸収が極力少なく、可視光に対する屈折率が高
い物質が望ましく、たとえば、TiO2 、ZrO2 、I
2 3 、ITO、ZnSなどが挙げられる。上記の金
属薄膜層には、銀、金、銅、アルミニウム、それらの合
金などが好ましく用いられる。
【0011】また、上記のほか、ポリエチレンテレフタ
レ―トなどの透明なベ―スフイルムにSbをド―プした
SnO2 (ATO)や、Snをド―プしたIn2 3
どの金属酸化物半導体の膜を形成したものも、使用でき
る。さらに、このような金属酸化物半導体は、上記のよ
うに膜としてベ―スフイルム上に形成するほか、上記の
金属酸化物半導体を微粒子化したものを高分子中に練り
込んでフイルム化したり、適当な結合剤中に分散させて
ベ―スフイルム上に塗布してもよい。
【0012】本発明に用いられる赤外光を吸収または発
光する物質には、有機または無機の赤外蛍光体がある。
無機赤外蛍光体としては、つぎの一般式(1); A1-x-y NDX Yby PO4 …(1) (ただし、AはAI、Bi、B、In、Ga、Sc、G
d、Ce、Y、Lu、Laから選ばれる少なくとも1種
の元素であり、0≦x≦0.9、0≦y≦0.9、0<
x+y≦1である)で表わされるリン酸系赤外蛍光体が
挙げられる。
【0013】また、つぎの一般式(2); CD1-p-q NDp Ybq PO4 …(2) (ただし、CはLi、Na、K、Rb、Csから選ばれ
る少なくとも1種のアルカリ金属元素、DはSc、Y、
La、Ce、Gd、Lu、Ga、In、Bi、Sbから
選ばれる少なくとも1種の元素であり、0.05≦p≦
0.999、0.001≦q≦0.950、0.051
≦p+q≦1である)で表わされる赤外蛍光体も、好ま
しく用いられる。
【0014】さらに、つぎの一般式(3); E2-r-s Ndr Ybs Ca5 (MoO4 8 …(3) (ただし、EはAI、Bi、B、In、Ga、Sc、G
d、Ce、Y、Lu、Laから選ばれる少なくとも1種
の元素であり、0≦r≦2、0≦s≦2、0<r+s≦
2である)で表わされるモリブデン酸系赤外蛍光体も、
好ましく用いられる。
【0015】これらの無機赤外蛍光体は、記録層の構成
成分のひとつである結合剤樹脂の種類などに応じて、適
宜の粒子径が選択されるが、一般に、0.01〜100
μm、好ましくは0.1〜10μmの粒子径であるのが
よい。また、これら無機赤外蛍光体の記録層中の含有量
も、広い範囲で選択できるが、一般には、30〜90重
量%、好ましくは50〜85重量%であるのがよい。
【0016】このような無機赤外蛍光体は、分散剤とと
もに使用されると、結合剤樹脂中の分散性が改善され、
発光特性により好結果がもたらされる。分散剤には、ア
ルキルアミンやリン酸塩などがあり、これらを記録層中
に含有させると、いずれも無機赤外蛍光体の表面に付着
して結合剤樹脂との親和性を良好にし、無機赤外蛍光体
を結合剤樹脂中に良好に分散させる。アルキルアミンや
リン酸塩の使用量は、無機赤外蛍光体に対して0.1〜
5重量%の範囲内とするのが好ましい。0.1重量%よ
り少ないと、無機赤外蛍光体の分散性が十分に改善され
ず、5重量%より多くなると、再凝集したり、粉落ちを
生じたりする。
【0017】このようなアルキルアミンやリン酸塩は、
いずれか1種を使用してもよいし、両者を併用してもよ
い。アルキルアミンは、炭素数が12〜18のものが好
ましく、アルキル基は直鎖状でも分岐状でもよく、不飽
和基や芳香族基を含んでいてもよい。具体的には、ドデ
シルアミン、ステアリルアミン、ミリスチルアミンなど
が挙げられ、分散性の点から、ドデシルアミンが最も好
ましい。また、リン酸塩としては、モノ(2−アクリロ
イルオキシエチル)アシツドホスフエ―ト、モノ(2−
メタクリロイルオキシエチル)アシツドホスフエ―ト、
ジフエニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフエ
―トなどが挙げられ、分散性の点から、メタクリロイル
系ホスフエ―トが最も好ましい。
【0018】有機赤外蛍光体としては、赤外光で励起さ
れて赤外波長領域で発光する有機物であれば、いかなる
構造のものでもよい。たとえば、ポリメチン系色素、ア
ントラキノン系色素、ジチオ―ル金属塩系色素、フタロ
シアニン系色素、インドフエノ―ル系色素、アゾ系色素
などの赤外蛍光色素が挙げられる。これらの有機赤外蛍
光体の記録層中の含有量は、広い範囲で選択できるが、
一般には、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜2
重量%であるのがよい。
【0019】ポリメチン系色素としては、コダツク・ラ
ボラトリ―ズ・ケミカル社製の1R−140、1R−1
25、日本化薬社製の1R−820などが、アントラキ
ノン系色素としては、日本化薬社製の1R−750など
が、ジチオ―ル金属塩系色素としては、三井東圧社製の
テトラブチルホソホニウムビス(1,2−ベンゼンチオ
ラ―ト)ニコレ―ト(III )などが、フタロシアニン系
色素としては、Zn−ナフタロシアニンなどが、それぞ
れ挙げられる。これらの中でも、単位重量あたりの発光
強度が大きい点から、1R−125、1R−140、1
R−750および1R−820などが、とくに好ましく
用いられる。
【0020】また、有機赤外蛍光体の耐候性などを向上
させたものとして、上記の赤外蛍光色素を有機粒子核に
吸着させたものも好ましく用いられる。有機粒子核に
は、有機微粒子であればいかなる構造のものでも使用可
能で、たとえば、ポリメタクリル酸エステル、ポリアク
リル酸エステル、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂などが
好適なものとして用いられる。また、有機粒子核として
は、有機微粒子のほかにも、シリカのような無機微粒子
表面上にポリマ―を被着させたものも同様に用いること
ができる。有機粒子核の粒径としては、記録層の構成成
分のひとつである結合剤樹脂の種類などに応じて適宜選
択されるが、一般には、5nm〜20μm、好ましくは
10nm〜10μmの範囲内で選択するのがよい。
【0021】このような有機粒子核を有する有機赤外蛍
光体の製造方法には、塊状樹脂粉砕法、乳化重合法、樹
脂析出法などがある。このうち、塊状樹脂粉砕法は、赤
外蛍光色素および白色蛍光増白剤を有機微粒子(または
一部もしくは全部が中空粒子である有機微粒子)ととも
に溶融混合し、冷却後、得られた固形物を粉砕する方法
である。乳化重合法は、乳化重合して得られた有機微粒
子(または一部もしくは全部が中空粒子である有機微粒
子)の懸濁液に、赤外蛍光色素および白色蛍光増白剤を
吸着染色する方法である。樹脂析出法は、有機微粒子と
赤外蛍光色素および白色蛍光増白剤を溶解した水溶液に
金属塩の水溶液を加えて反応させ、必要により液を酸性
にし、溶存する有機微粒子(または一部もしくは全部が
中空粒子である有機微粒子)を赤外蛍光色素および白色
蛍光増白剤を吸着したまま金属塩として析出させ、つい
でこれをろ過、乾燥する方法である。
【0022】このようにして得られる有機粒子核を有す
る有機系赤外蛍光体は、記録層の構成成分のひとつであ
る結合剤樹脂の種類などに応じて、適宜の粒子径が選択
されるが、一般には、5nm〜20μm、好ましくは1
0nm〜10μmの粒子径であるのがよい。また、この
ような有機粒子核を有する有機系赤外蛍光体の記録層中
の含有量についても、広い範囲で選択できるが、一般に
は、5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%であ
るのがよい。
【0023】本発明において、このような有機または無
機の赤外蛍光体を含有する記録層には、赤外蛍光体の種
類や粒子径などに応じた適宜の結合剤樹脂が用いられ
る。これには、木ロウ、密ロウ、ワツクス、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂などの溶
融性樹脂、エポキシアクリレ―ト、ポリエステルアクリ
レ―ト、ポリエ―テルアクリレ―ト、ウレタンアクリレ
―ト、アクリルアルキレ―ト、アルキドアクリレ―トな
どの多価アクリロイル基ペンダントタイプの紫外線硬化
型樹脂、水溶性樹脂、これら以外の各種樹脂がある。
【0024】水溶性樹脂には、ポリビニルアルコ―ル、
ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロ―ス、
デンプン、ポリアクリル酸ソ―ダ、ポリメタクリル酸ソ
―ダなどがあり、溶剤としては水が使用される。この際
の赤外蛍光体には粒子径が7μm以上のリン酸系赤外蛍
光体が好ましい。また、インクジエツトプリンタによる
印字では、アクリル酸系重合体、ポリビニルアルコ―
ル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコ―ルな
どが用いられ、溶剤としては水のほか、エタノ―ルなど
のアルコ―ル、メチルエチルケトンなどのケトン、エス
テル、エ―テルなどの1種または2種以上が用いられ
る。また、LiNO3 、LiCI、KNO3などの電気
伝導調節剤を加えたり、必要により、消泡剤、分散剤、
界面活性剤、保湿剤、各種整色染料、蛍光染料などを加
えてもよい。
【0025】これら以外の樹脂としては、ポリウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカ―ボネ
―ト樹脂、ポリビニルブチラ―ル樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリルシリコ─ン樹脂、アルキツド樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチルアクリレ―ト樹脂、エ
ポキシ樹脂、フエノキシ樹脂、これらの変性物などがあ
り、単独でまたは混合して用いられる。このときの赤外
蛍光体には、粒子径が0.1〜10μmのものが好まし
く使用される。
【0026】本発明において、有機または無機の赤外蛍
光体を含有する記録層を形成するには、まず、上記の赤
外蛍光体、結合剤樹脂および溶剤などを、常法により混
合分散して、インク組成物を調製する。結合剤樹脂や溶
剤などの使用量は、取り扱い性、印刷性、印刷後の膜特
性などを考慮して、決めればよい。つぎに、このインク
組成物をスクリ―ン印刷、オフセツト印刷、グラビア印
刷、凸版印刷、タンポン印刷などの印刷方法により、ま
たインクジエツトプリンタにより、赤外光を反射し可視
光で透明な基材上に直接印刷または印字することによ
り、有機または無機の赤外蛍光体を含有する記録層を形
成する。
【0027】このように形成される記録層の厚さは、ス
クリ―ン印刷によるときは1〜20μm、好ましくは2
〜8μmとするのがよい。また、オフセツト印刷、グラ
ビア印刷、凸版印刷によるときは、いずれも0.2〜4
μm、好ましくは0.5〜2μmとするのがよい。さら
に、タンポン印刷によるときは、0.2〜10μm、好
ましくは0.5〜5μmとするのがよい。
【0028】また、木ろう、密ろう、ワツクス、アクリ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビ
ニル樹脂などの溶融性の結合剤樹脂を用いたインク組成
物では、これをポリエチレンテレフタレ―トフイルムな
どの支持体上に塗布、乾燥してインク層を形成し、イン
クリボンとしての熱転写記録媒体を作製する。これを赤
外光を反射し可視光で透明な基材上に熱転写して、所望
の記録層を形成するようにしてもよい。この場合、赤外
蛍光体は粒子径が0.1〜1μmのものを用いるのが好
ましい。また、支持体上のインク層の厚さは、0.5〜
10μm、好ましくは1〜5μmであるのがよい。0.
5μmより薄いと出力が小さすぎ、10μmを超えると
インク層自体が脆くなり、面状剥離を起こしやすい。
【0029】このようにして赤外光を反射し可視光で透
明な基材上に有機または無機の赤外蛍光体を含有する記
録層を形成してなる本発明の印刷物は、これを粘着剤を
介して物体に貼り付けるなどの情報付与処理を施すこと
により、上記の物体にこの物体の色やあらかじめ物体に
施された印刷などによる可視情報を損なうことなく、上
記の記録層からなる不可視情報を良好に付帯させること
ができる。
【0030】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定
されない。以下、部とあるのは重量部を意味する。
【0031】 実施例1 赤外蛍光体(Nd0.1 Yd0.1 0.8 PO4 ) 50部 密ろう 35部 ドテシルアミン 15部 上記の各成分を溶融混合して、インク組成物を調製し
た。これを厚さが5μmのポリエチレンテレフタレ―ト
フイルム上に、乾燥後のインク層の厚さが3μmとなる
ように塗布、乾燥して、インクリボンを作製した。つぎ
に、基材として、波長700〜2,000nmの赤外光
の反射率が60%、波長650nmの可視光の透過率が
65%である透明フイルム(帝人社製の「レフテルZC
O5T」)を使用し、この基材上に、上記のインクリボ
ンを用いて、上記のインク層をバ―コ―ド状に転写して
記録層を形成し、印刷物を作製した。
【0032】実施例2 基材として、波長700〜2,000nmの赤外光の反
射率が70%、波長650nmの可視光の透過率が50
%である透明フイルム(帝人社製の「レフテルZCO5
G」)を使用した以外は、実施例1と同様に処理して、
上記の基材上に厚さが3μmの赤外蛍光体を含有する記
録層がバ―コ―ド状に転写形成されてなる印刷物を作製
した。
【0033】 実施例3 赤外蛍光体(日本化薬社製のIR−820) 1部 ポリウレタン樹脂(東洋紡社製のUR−8200) 79部 ワツクス 20部 イソプロピルアルコ―ル 100部 上記の各成分を混合して、インク組成物を調製した。こ
れを厚さが5μmのポリエチレンテレフタレ―トフイル
ム上に、乾燥後のインク層の厚さが3μmとなるように
塗布、乾燥して、インクリボンを作製した。つぎに、基
材として、波長700〜2,000nmの赤外光の反射
率が60%、波長650nmの可視光の透過率が65%
である透明フイルム(帝人社製の「レフテルZCO5
T」)を使用し、この基材上に、上記のインクリボンを
用いて、上記のインク層をバ―コ―ド状に転写して記録
層を形成し、印刷物を作製した。
【0034】実施例4 基材として、波長700〜2,000nmの赤外光の反
射率が70%、波長650nmの可視光の透過率が50
%である透明フイルム(帝人社製の「レフテルZCO5
G」)を使用した以外は、実施例3と同様に処理して、
上記の基材上に厚さが3μmの赤外蛍光体を含有する記
録層がバ―コ―ド状に転写形成されてなる印刷物を作製
した。
【0035】比較例1 基材として、波長700〜2,000nmの赤外光の反
射率が3%である透明なポリエチレンテレフタレ―トを
使用した以外は、実施例1と同様に処理して、上記の基
材上に厚さが3μmの赤外蛍光体を含有する記録層がバ
―コ―ド状に転写形成されてなる印刷物を作製した。
【0036】比較例2 基材として、波長700〜2,000nmの赤外光の反
射率が90%である白色のポリエチレンテレフタレ―ト
フイルムを使用した以外は、実施例1と同様に処理し
て、上記の基材上に厚さが3μmの赤外蛍光体を含有す
る記録層がバ―コ―ド状に転写形成されてなる印刷物を
作製した。
【0037】上記の実施例1〜4および比較例1,2で
得られた各印刷物を用いて、以下の性能試験を行つた。
可視情報としてA,B,Cという文字が黒色で印刷され
た物体上に、上記の各印刷物を、赤外蛍光体を含有する
記録層が外側となるように、粘着剤を介して貼り付け
て、上記の物体に赤外蛍光体を含有する記録層からなる
不可視情報を付帯させた。図1はこの付帯後の状態を示
す断面図、図2は同平面図である。両図中、1は物体、
2は可視情報としての黒色文字からなる印刷層である。
3はこの上に貼り付けられた印刷物で、基材31と不可
視情報としての赤外蛍光体を含有する記録層32とによ
り構成されている。
【0038】このように可視情報と不可視情報を付帯さ
せた物体につき、両情報の読み取りの可否を調べた。可
視情報は、印刷された黒色文字が目視により読み取り可
能であるかどうかを評価した。また、不可視情報は、赤
外蛍光体を用いたバ―コ―ド(日立マクセル社製のバ―
コ―ドリ―ダLM−R600)により読み取り可能かど
うかを評価した。これらの結果は、実施例1〜4の印刷
物を貼り付けたものでは、いずれも、可視情報と不可視
情報とをともに良好に読み取ることができた。これに対
して、比較例1の印刷物を貼り付けたものでは、可視情
報の読み取りは可能であつたが、不可視情報の読み取り
は困難であつた。また、比較例2の印刷物を貼り付けた
ものでは、上記とは逆に、不可視情報の読み取りは可能
であつたが、可視情報の読み取りは困難であつた。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明は、赤外光を反射
し可視光で透明な基材上に不可視情報として赤外光を吸
収または発光する物質を含有する記録層を形成して、印
刷物を構成したことにより、この印刷物を可視情報が付
帯された物体に貼り付ければ、上記物体に対し上記の両
情報をともに良好に付帯させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】可視情報が付帯された物体に対して不可視情報
を有する印刷物を貼り付けて上記物体に不可視情報をも
付帯させた状態を示す断面図である。
【図2】同可視情報と不可視情報とを付帯させた状態を
示す平面図である。
【符号の説明】
1 物体 2 可視情報(黒色文字) 3 印刷物 31 基材 32 不可視情報(赤外光を吸収または発光する物質を
含有する記録層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C09K 11/77 CQC C09K 11/77 CQC 11/80 CPW 11/80 CPW 11/81 CPW 11/81 CPW

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外光を反射し可視光で透明な基材上
    に、可視領域では認識が不可能または困難な情報とし
    て、赤外光を吸収または発光する物質を含有する記録層
    を形成したことを特徴とする印刷物。
  2. 【請求項2】 赤外光を反射し可視光で透明な基材は、
    波長700〜2,000nmの赤外光の反射率が30%
    以上で、波長650nmの可視光の透過率が40%以上
    である請求項1に記載の印刷物。
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