JP3374514B2 - 時間経過表示体の製造方法 - Google Patents

時間経過表示体の製造方法

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JP3374514B2 JP08538894A JP8538894A JP3374514B2 JP 3374514 B2 JP3374514 B2 JP 3374514B2 JP 08538894 A JP08538894 A JP 08538894A JP 8538894 A JP8538894 A JP 8538894A JP 3374514 B2 JP3374514 B2 JP 3374514B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発色状態にある発色剤
を時間の経過に従って変色、即ち、退色、消色もしくは
他の色調へ変化させ、その変色を視覚により判別できる
ようにした時間経過表示体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品、防虫剤、脱臭剤などの製品はそ
れぞれ使用期限が設定されており、使用期限を経過した
場合には、廃棄や交換が必要となる。
【0003】ところで、これらの製品は、外部から視覚
的に内容物の減量や変化の程度が判別できる場合などを
除き、使用開始時と廃棄又は交換時期との間で外形的に
相違が観察されないのが一般的である。従って、所定の
時期に廃棄や交換できるようにするためには、製品の外
表面に油性ペンなどで使用開始時と廃棄時期又は交換時
期とを個別に記入することが推奨されている。しかし、
そのような個別的記入操作は非常に繁雑であるために、
ほとんど履行されていないというのが実情である。
【0004】このため、近年、このような繁雑な記入操
作に代えて、色調が時間経過に従って変化する時間経過
表示体(タイムインジケーター)を製品に取り付けるこ
とが提案されている。このような時間経過表示体として
は、以下に示すようなものが提案されている。
【0005】1) 特開昭54−126682号公報に
は、ロイコ染料などの電子供与性呈色性有機化合物を酸
性基を有するバインダー樹脂に分散させた時間経過表示
体が提案されている。この時間経過表示体においては、
加熱により電子供与性呈色性有機化合物が溶融し、それ
とバインダー樹脂の酸性基とが反応して発色する。
【0006】2) 特開平4−326086号公報に
は、ロイコ染料などの電子供与性呈色性有機化合物とフ
ェノール化合物などの顕色剤と揮発性液状有機物とから
なる発色性溶液を、濾紙などの基材に含浸させた時間経
過表示体が提案されている。この時間経過表示体におい
ては、揮発性液状有機物が揮発するに従って電子供与性
呈色性有機化合物と顕色剤とが接触して発色する。
【0007】3) 特開昭62−185774号公報に
は、基材上に、顕色剤層、変色時間管理層、マイクロカ
プセル含有層が形成され、マイクロカプセルの中には染
料前駆体を含有する油性溶液が封入されている時間経過
表示体が提案されている。この時間経過表示体において
は、圧力により破壊されたマイクロカプセルからしみ出
た油性溶液が、変色時間管理層を経て顕色剤層にまでマ
イグレーションする。そして、顕色剤層に到達した油性
溶液中の染料前駆体と顕色剤とが反応して発色する。こ
の場合、変色時間管理層は、その材質や厚みなどを変化
させることにより油性溶液が顕色剤層に到達する時間を
制御している。従って、数時間から数か月単位という広
い範囲内で経過時間表示を設定することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
54−126682号公報で提案された時間経過表示体
の場合、150℃程度の温度に加熱しつづけなければ発
色せず、通常の生活環境温度、即ち20℃前後の温度で
は使用できないという問題があった。また、電子供与性
呈色性有機化合物と酸性基を有するバインダー樹脂とが
同一の層内に存在するため、所定の温度に加熱されてか
ら発色するまでの時間が数時間であり、月単位での時間
経過を表示できないという問題もあった。
【0009】また、特開平4−326086号公報で提
案された時間経過表示体の場合、基材に含浸されている
発色性溶液が液状であるために、その時間経過表示体と
接触した衣服や他の物品に発色性溶液が付着しやすいと
いう問題がある。付着した場合にはその場所で発色して
それらの商品価値を減ずる。また、時間経過表示体から
揮発性液状有機物が揮発することとなるが、狭い空間で
大量の時間経過表示体を存在させた場合には、人体に対
する安全性や臭気などが問題となる。
【0010】また、特開昭62−185774号公報で
提案された時間経過表示体の場合、前述したように、染
料前駆体を変色時間管理層を経て顕色剤層にまでマイグ
レーションさせている。ところで、染料前駆体は一般に
150℃以上の融点を有しているので、室温付近では固
体状態である。固体状態であれば、実際上、マイグレー
ションは期待できない。従って、室温付近でマイグレー
ションさせるために、染料前駆体を高級脂肪酸エステル
などの疎水性有機化合物に溶解した油性溶液とし、この
油性溶液をマイグレーションさせている。この場合、安
定した油性溶液とするため、染料前駆体の濃度は油性溶
液中数%以下となっている。このため、この時間経過表
示体は発色濃度が低いという問題があった。また、色の
光学濃度変化量も小さくなり、このため、下地の色によ
っては変色の程度が判別できなくなるという問題があっ
た。また、染料前駆体の油性溶液をマイクロカプセル化
する工程が必須となり、製造工程が繁雑となる問題もあ
った。
【0011】更に、上述した時間経過表示体はいずれも
無色から有色への変化を経過時間の指標としているため
に、時間表示体の下地、例えば、製品の表面に「交換」
などの文字を印刷し、その上に時間経過表示体を設けた
場合には、変色により「交換」という文字が隠蔽されて
しまうという問題があった。
【0012】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決しようとするものであり、室温でも、数時間から
数か月単位という広い範囲内で大きく変化する光学濃度
に応じて経過時間を表示でき、しかも衣類などを汚染す
ることがなく、変色により下地の印刷を隠蔽しない時間
経過表示体を簡便に製造できるようにすることを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、未発色状態
にある発色剤を含有する発色剤含有層上に、熱接着性樹
脂フィルムを載置して熱圧着して、熱接着性樹脂層(時
間制御層)を形成すると共に発色剤を発色状態とし、そ
の熱接着性樹脂層上に変色剤含有層を形成することによ
り上述の目的が達成できることを見出し、本発明を完成
させるに至った。
【0014】即ち、本発明の第1の態様は、基材、発色
状態にある発色剤を含有する発色剤含有層、熱接着性樹
脂層、粘着剤層、及び発色状態にある発色剤の色を変色
させることのできる変色剤を含有する変色剤含有層が順
次積層されてなり、該熱接着性樹脂層は変色剤含有層中
の変色剤の発色剤含有層への移行時間を制御する機能を
有する時間経過表示体の製造方法において、基材上に未
発色状態の発色剤含有層を形成した後、その上に、熱接
着性樹脂フィルムを熱圧着するか又は熱接着性樹脂を押
し出しラミネーションすることにより熱接着性樹脂層を
形成すると共に発色剤を発色させ、更にその上に、予め
粘着剤層が片面に形成された変色剤含有層の当該粘着剤
層を貼着することを特徴とする製造方法を提供する。
【0015】また、本発明の第2の態様は、基材、発色
状態にある発色剤を含有する発色剤含有層及び熱接着性
樹脂層が順次積層されてなる発色部材と、発色状態にあ
る発色剤の色を変色させることのできる変色剤を含有す
る変色剤含有層を有する変色部材とからなり、該熱接着
性樹脂層は変色剤含有層中の変色剤の発色剤含有層への
移行時間を制御する機能を有し、該発色部材の発色剤含
有層と該変色部材の変色剤含有層とを使用時に密着させ
ることができるように、該発色部材と変色部材とが分離
状態となっている時間経過表示体の製造方法において、
基材上に未発色状態の発色剤含有層を形成した後、その
上に、熱接着性樹脂フィルムを熱圧着するか又は熱接着
性樹脂を押し出しラミネーションすることにより熱接着
性樹脂層を形成すると共に発色剤を発色させて発色部材
を作製することを特徴とする製造方法を提供する。
【0016】以下、本発明を説明する。
【0017】まず、本発明の第1の態様で製造する時間
経過表示体と第2の態様で製造する時間経過表示体との
大きな相違点を簡単に述べる。
【0018】本発明の第1の態様で製造する時間経過表
示体は、発色剤含有層と変色剤含有層とが積層されてい
る。この時間経過表示体においては、発色状態にある発
色剤含有層に変色剤含有層を積層した時点、即ち、この
表示体の作成時から変色剤含有層中の変色剤の発色剤含
有層へのマイグレーションが始まる。そして、変色剤が
発色剤含有層中の発色剤に到達することにより発色が生
じる。従って、この表示体の作製時が、時間計測のスタ
ート時点となっている。
【0019】一方、本発明の第2の態様で製造する時間
経過表示体は、使用前に発色剤含有層と変色剤含有層と
が積層されておらずに分離されている。この時間経過表
示体においては、時間計測のスタート時点は、この時間
経過表示体の作成時ではなく、使用に際して発色剤含有
層と変色剤含有層とを密着させた時点である。従って、
時間経過表示体の使用者がスタート時点を自由に設定で
きるという利点がある。
【0020】なお、いずれの時間経過表示体において
も、変色は、変色剤含有層中の変色剤が発色剤含有層へ
マイグレーションすることにより生じ、発色剤含有層中
の発色剤が変色剤含有層へマイグレーションすることに
より生じるのではない。
【0021】次に、本発明の第1の態様の時間経過表示
体の製造方法を図面を参照しながら詳細に説明するが、
全ての図面において同じ符号は、同一もしくは同等の構
成要素を示している。
【0022】まず、図1は同図(e)に示すような、基
材1、発色状態にある発色剤を含有する発色剤含有層
2、熱接着性樹脂層3、粘着剤層5及び発色状態にある
発色剤の色を変色させることのできる変色剤を含有する
変色剤含有層4が順次積層されてなる時間経過表示体の
製造方法の工程の説明図である。
【0023】この製造方法においては、まず、基材1を
用意し(図1(a))、この基材1上に未発色状態の発
色剤と、発色剤を発色させうる顕色剤とを含む発色剤含
有層2をベタ状又はパターン状に形成する(図1
(b))。この場合、基材1としては特に限定されるこ
とはなく、紙、プラスチックフィルムなど種々の材料を
使用することができる。基材1は透明でもよく不透明で
もよい。また、基材1には予め印刷層を設けておくこと
もできる。このような印刷層は、本発明の時間経過表示
体の発色剤含有層が所定の時間経過した後に消色状態と
なった場合に、変色剤含有層側から目視により判別でき
るようになる。従って、印刷層として、例えば「交換」
という文字情報を印刷した場合、所定の時間が経過後に
「交換」という文字が判別できるようになり、製品の廃
棄や交換の時期を簡便に知らせることができるようにな
る。
【0024】なお、印刷層は変色剤含有層と反対側の基
材1の表面に設けてもよい。また、基材1には、この表
示体を商品に貼着するための接着層を設けてもよい。こ
の場合、商品に貼着するための接着層上に更に剥離シー
トを設けることが好ましい。発色剤含有層2の形成は公
知の手段により行うことができ、例えば、未発色状態の
発色剤と顕色剤とを、好ましくはポリビニルアルコー
ル、セルロースエステル樹脂、アクリル系樹脂、デンプ
ン、カゼイン、ウレタン樹脂、SBR樹脂、あるいはポ
リオレフィンなどの高分子化合物からなるバインダー樹
脂に分散させ、これを基材1に塗工することにより形成
することができる。なお、この状態で発色剤は発色状態
となっていない。
【0025】ここで、発色剤含有層2に含有させる発色
剤としては、後述する変色剤のいずれかで変色すること
のできる電子供与性呈色性有機化合物を使用することが
できる。このような化合物としては、発色性フルオラン
系染料、発色性トリフェニルメタン系染料、発色性イン
ドリルフタライド系染料、発色性フェノチアジン系染料
などを使用することができる。これらの中でも、変色の
濃度変化が大きく、消色時に無色状態となりうる所謂ロ
イコ染料と称される染料グループに分類されるもの、例
えば、1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−ブロモ−3−メチル−6−ジブチルアミノフル
オラン、6−ジエチルアミノベンゾ[a]−フルオラ
ン、3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイ
ルフェノチアジン、3,3−ビス(P−ジメチルアミノ
フェニル)−6−ジメチルアミノフタライド、2−N,
N−ジベンゾイルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチ
ルアミノフルオラン、4−アニリノ−3−メチル−6−
ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−ジエチルアミノフルオランなどを好ましく使用す
ることができる。これらの発色剤は二種以上を併用して
もよい。
【0026】一方、顕色剤としては、使用する発色剤に
より異なるが、例えば、電子供与性呈色性有機化合物を
使用する場合には、それから電子を受容して発色剤を発
色させることのできる酸性物質を使用する。このような
酸性化合物の例としては、ロイコ染料の顕色剤として公
知の物質を使用することができ、例えば、t−ブチルフ
ェノール、ビスフェノールA、フェノール樹脂などのフ
ェノール類等の有機酸性物質、活性白土、ベントナイ
ト、クレーなどの無機酸性物質を好ましく使用すること
ができる。
【0027】発色剤含有層2中の発色剤の含有量は、所
期の発色濃度、使用する発色剤や顕色剤の種類などによ
り異なるが、発色剤を発色剤含有層1から他へマイグレ
ーションさせる必要がないので固体状態のまま高濃度で
含有させることができ、通常0.05〜20重量%とす
ることが好ましい。また、顕色剤の濃度は、使用する発
色剤や顕色剤の種類などにより異なるが、通常は発色剤
の0.2〜5倍量(重量比)を使用する。
【0028】次に、発色剤含有層2上に熱接着性樹脂フ
ィルムを載置し熱圧着して熱接着性樹脂層3を形成する
か、又は発色剤含有層2上に熱接着性樹脂を押し出しラ
ミネーションして熱接着性樹脂層3を形成する(図1
(c))。本発明においては、この熱接着性樹脂層3の
形成時の熱により発色剤と顕色剤とを反応させて発色さ
せる。従って、熱圧着又は押し出しラミネーション条件
としては、発色剤含有層中に発色剤と顕色剤とが反応し
て発色するような条件で行うことが必要となる。また、
本発明で製造する時間経過表示体においては、熱接着性
樹脂層3を、変色部材の変色剤含有層中の変色剤が発色
剤含有層に移行する時間の制御層として機能させる。即
ち、熱接着性樹脂層3の厚みや材質などをコントールす
ることにより、変色剤が発色剤含有層に到達する時間
を、数時間から数か月単位という広い範囲内でコントロ
ールすることができる。従って、このような熱接着性樹
脂層3は、変色剤がその中をマイグレーションでき、且
つ熱接着性を有する材質、例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
エチルアクリート共重合体等のポリオレフィン系樹脂、
無水マレイン酸などにより変性された変性ポリオレフィ
ン系樹脂、あるいは各種官能基を有する樹脂やポリマー
アロイ等の熱可塑性樹脂フィルムから形成する。
【0029】なお、熱接着性樹脂層3を形成する場合、
更に、変色剤がマイグレーションできるような樹脂層を
サンドラミネーション法あるいは共押し出し法により同
時に積層してもよい。
【0030】次に、発色状態にある発色剤を変色させる
ことのできる変色剤を含有する変色剤含有層4に粘着剤
層5を形成しておき、その粘着剤層5を熱接着性樹脂層
3に貼着する(図1(d))。これにより、図1(e)
に示す時間経過表示体が得られる。
【0031】ここで、変色剤含有層4中の変色剤として
は、発色剤含有層2にマイグレーションし、発色剤に到
達するとその発色を変色、即ち、退色、消色もしくは他
の色調へ変化させるものを使用する。この場合、変色メ
カニズムへの変色剤の関与態様には制限はなく、変色剤
としては種々のものを使用することができる。例えば、
発色剤含有層中で結合している発色剤と顕色剤とを隔離
することにより発色剤を変色させることのできる非プロ
トン性有機化合物を使用することができる。中でも、ジ
オクチルフタレートなどのフタル酸エステル類のように
一般に可塑剤として使用されている化合物を、コストや
安全性の点から使用することが好ましい。その他に、ト
ルエン、フェノール、高級アルコールなどの揮発性有機
溶剤なども使用することができる。なお、使用する変色
剤の種類を適宜選択することにより、変色速度を調整で
きる。
【0032】このような変色剤を含有する変色剤含有層
4は、公知の方法により形成することができ、例えば、
ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂と変色剤とを均一に
混合してフィルム状に押し出し成形することにより形成
することができる。
【0033】なお、粘着剤層5としては、変色剤含有層
4の変色剤がマイグレーションして発色剤含有層2に移
行できるような粘着剤を使用する。このような粘着剤と
しては、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤などの公
知の粘着剤を使用することができる。
【0034】次に、本発明の第2の態様の時間経過表示
体の製造方法を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】図2は、基材1上に発色状態にある発色剤
を含有する発色剤含有層2と熱接着性樹脂層3が順次形
成されている発色部材A(同図(c))と、発色状態に
ある発色剤の色を変色させることのできる変色剤を含有
する変色剤含有層4を有する変色部材B(同図(d))
とからなり、発色部材Aの発色剤含有層2と変色部材B
の変色剤含有層4とを使用時に密着させることができる
ように、発色部材Aと変色部材Bとが分離した状態とな
っている時間経過表示体の製造工程の説明図である。
【0036】この製造方法においては、まず、基材1を
用意し(図2(a))、図1の場合と同様に、この基材
1上に未発色状態の発色剤と、発色剤を発色させうる顕
色剤とを含む発色剤含有層2を形成する(図2
(b))。
【0037】次に、図1の場合と同様に、発色剤含有層
2上に熱接着性樹脂フィルムを熱圧着して熱接着性樹脂
層3を形成するか、又は発色剤含有層2上に熱接着性樹
脂を押し出しラミネーションして熱接着性樹脂層3を形
成する。これにより発色部材Aが製造できる(図2
(c))。
【0038】なお、熱接着性樹脂層3を形成する前に、
発色剤含有層2上に、セルロース系透明インクやアミド
系透明インクを用いて、変色剤がマイグレーションする
ことのできる保護層(OPニス層)を形成してもよい。
【0039】また、熱接着性樹脂層3を積層する場合、
発色剤含有層2の周辺部で基材1と直接接着させるよう
にしてもよい。これにより、熱接着性樹脂層3と発色剤
含有層2と基材1とを確実に接着することができる。こ
の場合には、基材1と発色剤含有層2、発色剤含有層2
と熱接着性樹脂層3とのそれぞれの層間に必要とされる
接着強度が低下するので、使用できる材料の選択の幅が
広くなる。
【0040】一方、変色部材Bは、発色状態の発色剤を
変色させることのできる変色剤を含有する変色剤含有層
4に、粘着剤層5を常法により形成することにより製造
することができる。この場合、粘着剤層5の上には、そ
の粘着性を保持するために剥離シート6を積層しておく
ことが好ましい(図2(d))。
【0041】なお、発色部材Bは、図2(d)に示した
ように、基材を使用することなく製造してもよいが、基
材上に変色剤含有層4を形成してもよい。その場合、図
3に示すように、発色部材Aの基材1と変色部材Bの基
材1とを連続した構造とすることができる。このように
構成することは、両部材が機能的には分離しつつも、一
つのものとして取り扱うことができるので好ましい。こ
の場合には、図中、矢印で示すように、二つに折り曲げ
ることにより発色剤含有層2と変色剤含有層4とを密着
させることができる。
【0042】
【作用】本発明の時間経過表示体の製造方法において
は、発色剤含有層上に、熱接着性樹脂層を熱接着性樹脂
フィルムを熱圧着するか又は熱接着性樹脂を押し出しラ
ミネーションすることにより積層する。従って、その積
層時の熱で発色剤を発色させることが同時にでき、別途
発色させる工程は不要となる。また、本発明により得ら
れる時間経過表示体においては、変色剤含有層中の変色
剤が、発色剤含有層へマイグレーションにより移行して
発色状態にある発色剤を変色させるが、上述のように形
成する熱接着性樹脂層は、このマイグレーションに要す
る時間を制御することを可能とする。従って、本発明に
よれは、室温でも、数時間から数か月単位という広い範
囲内で大きく変化する光学濃度に応じて経過時間を表示
でき、しかも衣類などを汚染することなく、変色により
下地の印刷を隠蔽しないようにできる時間経過表示体を
少ない工程で得ることが可能となる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0044】実施例1 厚さ30μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(E5100、東洋紡績株式会社製)上に、ウレタン系
バインダーを使用する赤インクにより「交換時期です」
という文字をグラビヤ印刷した。この印刷面に、ロイコ
染料として2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−
ジエチルアミノフルオランの40重量%トルエン溶液を
5重量部と、顕色剤としてビス−(3−アリル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−スルホンの40重量%トルエン溶
液を2重量部と、紫外線吸収剤として2−(2−ヒドロ
キシ−5−メチル−フェニル)−2H−ベンゾトリアゾ
ールを0.2重量部と、バインダーとしてポリメチルメ
タクリレート樹脂20重量部とを含み、スプレットメー
ターによる粘度が40〜45mmφ/秒となるように調
整されたインキ組成物(トルエン溶液)を、乾燥厚で6
〜7μmとなるようにシルクスクリーン印刷して発色剤
含有層を形成した。
【0045】次ぎに、この発色剤含有層に、可塑剤が入
っていない20μm厚のエチレン−エチルアクリレート
共重合体からなる熱接着性樹脂フィルム(A1600、
日石Nポリマー株式会社製)を120〜150℃で熱圧
着させた。この際、発色剤は発色状態となった。
【0046】これとは別に、変色剤として機能する可塑
剤としてジオクチルフタレートを50重量%を含有す
る、厚さ100μmのポリ塩化ビニルフィルム(タツノ
化学株式会社製)を用意し、このフィルム上に、アクリ
ル系粘着剤(オリバインBPS3233D、東洋インキ
株式会社製)を20μmの厚さに塗工し乾燥して粘着剤
層を形成した。
【0047】次に、粘着剤層と前述の発色状態の発色剤
含有層とを貼着することにより、全体で180μm厚の
時間経過表示体を作製するとともに、5℃又は40℃で
放置し、消色までの時間の計測を開始した。その結果を
表1に示す。
【0048】なお、粘着剤層を発色剤含有層に貼着する
までの間、剥離シートとしてポリエチレンキャスト紙
(NA、リンテック株式会社製)を粘着剤層に貼り合わ
せ、貼着時に剥がした。
【0049】実施例2 熱接着性樹脂フィルムを熱圧着させる際に、12μm厚
のポリエチレンテレフタレートフィルムをその上に載置
して熱圧着する以外は実施例1と同様にして時間経過表
示体を作製し、消色までの時間の計測を開始した。その
結果を表1に示す。
【0050】
【表1】 表1からわかるように、本発明で得られる時間経過表示
体は表示すべき経過した時間を自由に設定することがで
きる。
【0051】
【発明の効果】本発明の方法により得られる時間経過表
示体は、室温でも、数時間から数か月単位という広い範
囲内で大きく変化する光学濃度に応じて経過時間を表示
でき、しかも衣類などを汚染することなく、変色により
下地の印刷を隠蔽しないようにすることができる。ま
た、本発明によれば、このような時間経過表示体を少な
い工程で製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の工程説明図である。
【図2】本発明の製造方法の工程説明図である。
【図3】本発明の製造方法で製造した時間経過表示体の
説明図である。
【符号の説明】
1 基材 2 発色剤含有層 3 熱接着性樹脂層 4 変色剤含有層 5 粘着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−151578(JP,A) 特開 平7−27879(JP,A) 特開 平7−27878(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G04F 1/00 G04F 13/00 C09K 3/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材、発色状態にある発色剤を含有する
    発色剤含有層、熱接着性樹脂層、粘着剤層、及び発色状
    態にある発色剤の色を変色させることのできる変色剤を
    含有する変色剤含有層が順次積層されてなり、該熱接着
    性樹脂層は変色剤含有層中の変色剤の発色剤含有層への
    移行時間を制御する機能を有する時間経過表示体の製造
    方法において、基材上に未発色状態の発色剤含有層を形
    成した後、その上に、熱接着性樹脂フィルムを熱圧着す
    るか又は熱接着性樹脂を押し出しラミネーションするこ
    とにより熱接着性樹脂層を形成すると共に発色剤を発色
    させ、更にその上に、予め粘着剤層が片面に形成された
    変色剤含有層の当該粘着剤層を貼着することを特徴とす
    る製造方法。
  2. 【請求項2】 発色剤が顕色剤で発色するロイコ染料で
    ある請求項1に記載の時間経過表示体の製造方法。
  3. 【請求項3】 変色剤が可塑剤である請求項2記載の時
    間経過表示体の製造方法。
  4. 【請求項4】 基材、発色状態にある発色剤を含有する
    発色剤含有層及び熱接着性樹脂層が順次積層されてなる
    発色部材と、発色状態にある発色剤の色を変色させるこ
    とのできる変色剤を含有する変色剤含有層を有する変色
    部材とからなり、該熱接着性樹脂層は変色剤含有層中の
    変色剤の発色剤含有層への移行時間を制御する機能を有
    し、該発色部材の発色剤含有層と該変色部材の変色剤含
    有層とを使用時に密着させることができるように、該発
    色部材と変色部材とが分離状態となっている時間経過表
    示体の製造方法において、基材上に未発色状態の発色剤
    含有層を形成した後、その上に、熱接着性樹脂フィルム
    を熱圧着するか又は熱接着性樹脂を押し出しラミネーシ
    ョンすることにより熱接着性樹脂層を形成すると共に発
    色剤を発色させて発色部材を作製することを特徴とする
    製造方法。
  5. 【請求項5】 発色剤が顕色剤で発色するロイコ染料で
    ある請求項4に記載の時間経過表示体の製造方法。
  6. 【請求項6】 変色剤が可塑剤である請求項4又は5記
    載の時間経過表示体の製造方法。
  7. 【請求項7】 発色部材の基材と変色部材の基材とが共
    通である請求項4〜6のいずれかに記載の時間経過表示
    体の製造方法。
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