JP2007195748A - パチンコ機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技領域において遊技球が流下可能な領域を広くすると共に、かかる拡大された遊技球流下可能領域においても、パチンコ遊技の醍醐味を十分に味わうことが出来るようにし、更に、拡大された遊技球流下可能領域に設けられた遊技釘を折れ難くすることが出来る、新規な構造のパチンコ機を提供することを、目的とする。
【解決手段】合板製の遊技板26に形成された凹所44内に電飾基板50を配設すると共に、電飾基板50に設けられた発光源52の発する光を透過する蓋部材58を、遊技板26の表面61と面一になる状態で、凹所44の開口を覆蓋するように配設し、更に、蓋部材58に形成された挿通孔60と電飾基板50に形成された貫通孔54に挿し通すようにして凹所44の底部48に打ち込んで固設した遊技釘42bを蓋部材58の表面59上に突出させた。
【選択図】図3

Description

本発明は、LED等の発光源を備えたパチンコ機に係り、特に、遊技領域を形成する遊技板において発光源が発する光を透過する箇所を部分的に設けたパチンコ機に関するものである。
良く知られているように、遊技領域には、各種の電飾装置(例えば、LED)が配設されている。そして、これらの電飾装置は、遊技領域において遊技板の表面から遊技者側に突出するように設けられたカバー部材内に収容された状態で配設されるのが、一般的である。従って、遊技領域に配設された各種の電飾装置は、遊技領域における遊技球が流下可能な領域の狭小化の原因となっている。
そこで、特許文献1や特許文献2等において、遊技板に貫通孔を形成し、その貫通孔内に電飾装置を配設すると共に、光を透過させるシート状部材で貫通孔における遊技板表面側の開口を覆うようにしたパチンコ機が提案されている。
しかしながら、このようなパチンコ機においては、電飾装置の前方に遊技釘を設けないようになっていることから、折角、遊技領域において遊技球が流下可能な領域を確保したにも拘らず、かかる拡大した遊技球流下可能領域において、パチンコ遊技の醍醐味、即ち、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘に接触した際の流下方向の変化を見たり、予測したりする楽しみを味わうことが出来ないという問題がある。
また、遊技機に透過性を有する合成樹脂板に遊技釘を打ち込んだ遊技盤を採用することが知られているが、この遊技盤として使用される合成樹脂板は、合板と比べて遊技球が遊技釘に衝突する衝撃や、釘調整の際の衝撃を吸収しづらく、合板に打ち込まれた遊技釘に比べて折れ易い問題がある。そのため、拡大された遊技球流下可能領域においてパチンコ遊技の醍醐味を味わうことが出来るようにするために、電飾装置を覆うシート状部材に前記合成樹脂板を使用して遊技釘を打ち込むだけではなく、更なる工夫が必要とされているのである。
特開2005−152226号公報 特開2004−24919号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、遊技領域において遊技球が流下可能な領域を広くすると共に、かかる拡大された遊技球流下可能領域においても、パチンコ遊技の醍醐味を十分に味わうことが出来るようにし、更に、拡大された遊技球流下可能領域に設けられた遊技釘を折れ難くすることが出来る、新規な構造のパチンコ機を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
本発明のパチンコ機は、合板によって形成された遊技板を含んで構成された遊技盤を備えるパチンコ機であって、遊技板の表面側に開口する凹所が遊技板に形成されていると共に、かかる凹所内において、発光源が設けられていると共に、少なくとも一つの貫通孔が形成された電飾基板が配設されていることを、特徴とする。また、本発明のパチンコ機は、発光源が発する光を透過すると共に、電飾基板の貫通孔に対応する位置に挿通孔を有する蓋部材が、凹所の開口を覆蓋するように配されており、かかる覆蓋状態で、蓋部材が遊技板の表面に面一とされていることも、特徴とする。更にまた、本発明のパチンコ機は、遊技釘が蓋部材の挿通孔と電飾基板の貫通孔に挿し通された状態で遊技板における凹所の底部に打ち込まれて固設されており、かかる固設状態下において、遊技釘が蓋部材の表面上に突出せしめられていることも、特徴とする。
このような本発明に従う構造とされたパチンコ機においては、発光源を備えた電飾基板が収容されている凹所の開口が、光を透過させる蓋部材によって覆われいることから、かかる蓋部材で遊技板の表面が構成されることとなる。これにより、電飾基板に設けられた発光源を、遊技板の表面上に配する必要がなくなる。その結果、遊技領域における電飾(発光源の発光に基づく電飾)を十分に行いつつ、遊技球が流下し得る遊技領域の有効面積を広く確保することが可能となる。
また、蓋部材に形成された挿通孔と電飾基板に形成された貫通孔の両方に挿し通されるようにして、遊技釘が凹所の底部に打ち込まれていることから、広くなった遊技球流下可能領域、即ち、電飾基板の前方に位置せしめられる蓋部材において、遊技釘を設けることが可能となる。これにより、拡大された遊技球流下可能領域において、遊技領域を流下する遊技球が遊技釘に接触され得ることとなる。その結果、拡大された遊技球流下可能領域においても、パチンコ遊技の醍醐味を十分に味わうことが出来るようになる。
そこにおいて、本発明では、凹所の底部に打ち込まれている遊技釘が、電飾基板に形成された貫通孔に挿し通されていることから、電飾基板を避けるようにして遊技釘を凹所の底部に打ち込む場合に比して、蓋部材において目的とする位置から遊技釘を突出させることが可能となる。即ち、電飾基板には、発光源を発光させるための回路パターンが形成されているが、かかる回路パターンは、電飾基板に隙間なく形成される訳ではなく、通常、ある程度の隙間をもって形成される。そこで、回路パターンを適当に設計することにより、隙間を適当な位置に形成し、このようにして形成された隙間に貫通孔を形成することで、蓋部材において目的とする位置から遊技釘を突出させることが可能となるのである。その結果、遊技釘の配設レイアウトの設計自由度を向上させることが可能となる。
更にまた、拡大された遊技球流下可能領域に設けられている遊技釘、即ち、電飾基板の前方に位置する蓋部材から突出せしめられている遊技釘が、合板によって形成された遊技板に打ち込まれていることから、釘調整等で外力が作用した際において、遊技釘における打込部分の周囲が容易に変形せしめられることとなる。その結果、釘調整等で外力が作用した際に遊技釘が折れてしまうことを回避することが可能となる。
また、蓋部材から突出している遊技釘が、合板によって形成された遊技板に打ち込まれていることから、例えば、遊技板における蓋部材が配された箇所以外の部分に遊技釘を打ち込んだとしても、遊技領域において遊技者側に突出する遊技釘の全てが遊技板に打ち込まれることとなる。その結果、遊技領域を流下する遊技球が衝突した際の跳ね返り等の特性を、遊技領域に設けられた遊技釘の全てにおいて略同じにすることが可能となる。
なお、本発明において、遊技板を形成する合板は、従来から公知のラワン合板等によって構成される。また、本発明において、凹所は、一枚の肉厚な板として形成された遊技板に対して適当な工具を用いることで有利に形成される。更に、凹所の開口断面は、円形や楕円形,多角形等の各種の形状が何れも採用可能であるが、収容される電飾基板の形状に対応していることが望ましい。これにより、遊技板に対して必要以上に大きな凹所を形成する必要がなくなる。その結果、遊技板そのものの強度を確保することが可能となる。勿論、凹所の開口断面は、収容される電飾基板の形状に対応していなくても良い。また、凹所の深さ寸法は、蓋部材の厚さ寸法や収容される電飾基板の厚さ寸法,電飾基板に設けられた発光源の電飾基板からの突出寸法(高さ寸法),底部に打ち込まれる遊技釘の打ち込み深さ等を考慮して、適当に設定される。
また、本発明において、発光源は、従来から公知のLEDや有機EL,ランプ等によって構成される。更に、本発明において、電飾基板は、電気絶縁性を有する基板の表面及びその内部の少なくとも一方に導電性材料で導体パターンを形成・固着した、従来から公知のプリント配線板等によって有利に構成される。また、電飾基板の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形や楕円形,多角形等の各種の形状が何れも採用可能である。更にまた、電飾基板の大きさは、特に限定されるものではないが、発光源を発光させるために必要な回路パターンが形成された状態で、遊技釘が挿し通される貫通孔を必要な数だけ形成することが出来る程度の隙間を有することが望ましい。
また、本発明において、電飾基板に形成された貫通孔の開口断面は、特に限定されず、円形や楕円形,多角形等の各種の形状が何れも採用可能である。そこにおいて、本発明では、電飾基板の端部に形成されて、恰も円弧状の切欠の如き外観を呈するものも、貫通孔に含まれるものとする。更に、貫通孔の大きさは、特に限定されるものではないが、遊技釘が挿し通された状態で、貫通孔の内周面と遊技釘の外周面との間に全周に亘って隙間が形成される程度の大きさが望ましい。これにより、遊技釘を打ち込む際の自由度を確保することが可能となる。また、貫通孔の形成位置は、蓋部材から突出せしめられる遊技釘が遊技領域を流下する遊技球の流下方向に与える影響や、電飾基板に形成された回路パターン等を考慮して、適当に設定される。
なお、本発明において、蓋部材から突出せしめられる遊技釘の全て、即ち、凹所の底部に打ち込まれる遊技釘の全てが、電飾基板に形成された貫通孔に挿し通されている必要はなく、例えば、これらの遊技釘の何本かが、電飾基板に形成された貫通孔に挿し通されることなく、凹所の底部に打ち込まれるようになっていても良い。
また、本発明において、蓋部材とは、発光源が発する光を透過するものであれば、その形成材料等は、特に限定されることはない。具体的には、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーボネート(PC),アクリル樹脂等の樹脂材料をシート状乃至は板状に成形したもの等によって構成される。その際、蓋部材の全てを透明乃至は半透明にしても良いし、蓋部材の一部分、具体的には、例えば、凹所の開口を覆蓋した状態で発光源の上方に位置せしめられる部分のみを透明乃至は半透明にしても良い。そこにおいて、部分的に透明乃至は半透明にする場合、その部分の断面形状は、特に限定されず、例えば、円形や楕円形,多角形等の各種の形状が何れも採用可能である。また、例えば、アルミニウム合金や鉄鋼等の金属材によって形成されたシート材乃至は板材に対して開口穴を形成したものや、金属材等で形成された紐状体を編む等して形成された網状部材等で、蓋部材を構成することも可能である。特に、蓋部材の形成材料として金属材を採用した場合、蓋部材をアースしておくことにより、蓋部材表面を遊技球が流下した際に、遊技球が蓄えている静電気を逃がすことが可能となる。その結果、遊技球が蓄えている静電気に起因するパチンコ機の誤作動を有利に防止することが可能となる。なお、金属製のシート材乃至は板材に開口穴を形成したものや、金属材等で形成された紐状体を編む等して形成された網状部材等で蓋部材を構成する場合、開口穴の断面形状や網状部材に形成された穴の開口形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形や楕円形,多角形、更には、それらの歪んだもの等、各種の形状が何れも採用可能である。要するに、本発明の蓋部材は、発光源が発する光を透過する部分を備えていれば良いのであり、かかる光を透過する部分は、蓋部材そのものであっても良いし、蓋部材に形成された穴状の部分であっても良いのである。
また、本発明において、遊技釘の形成材料は、従来から公知の真鍮等が好適に採用される。更にまた、遊技釘における底部への打込部分には、引抜強度を確保するために、必要に応じて、例えば、ローレット加工等が施されていても良い。
また、本発明においては、遊技釘の軸部分において外周面上に突出する外方突部が形成されており、遊技釘が凹所の底部に打ち込まれた状態で、外方突部が蓋部材に押し付けられていることが望ましい。これにより、蓋部材を固定するための特別な部材(例えば、ネジ等)を別途用いることなく、蓋部材を凹所の開口に固定することが可能となる。なお、外方突部は、略一定の断面でストレートに延びる軸部分を塑性変形することによって軸部分に一体的に形成しても良いし、予め軸部分に一体的に形成しておいても良い。或いは、外方突部を軸部分とは別体に形成しておいて、かかる別体形成された外方突部を溶接等で軸部分に一体的に設けるようにしても良い。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1には、本発明の一実施形態としてのパチンコ機10が示されている。パチンコ機10において機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、縦長方形の中枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。この中枠14には、後述する遊技領域30を形成する遊技盤16が着脱自在に組み付けられており、かかる遊技領域30は、中枠14に対して開閉可能に組み付けられたガラス枠18によって保持されているガラス板を通して遊技者に視認されるようになっている。そして、中枠14に設けられた操作ハンドル20に対して回動可能に装着された操作レバー22を遊技者が回動操作することにより、中枠14に設けられた上皿24に貯留されている遊技球が、図示しない球送り機構を介して発射装置(図示せず)に送られた後、遊技領域30に向けて発射されるようになっている。なお、図1では、後述する遊技釘42の図示は省略してある。
続いて、中枠14に組み付けられている遊技盤16について説明する。この遊技盤16は、図2に示されているように、遊技板26を備えている。この遊技板26は、従来から公知のラワン合板によって形成されており、全体として厚肉の矩形平板形状を呈している。なお、遊技板26の表面側には、パチンコ機10の機種を特徴付ける絵柄が印刷されたフィルムが貼り付けられているが、その図示は省略することにする。
このような遊技板26の表側には、レールセット28が設けられており、かかるレールセット28によって略円形の遊技領域30が区画形成されるようになっている。そして、このようにして形成された遊技領域30の適当な位置に、液晶表示画面が視認出来るように額縁形状とされたセンター飾り32や、始動入賞装置34,特別可動入賞装置36等の遊技球が入賞可能な入賞装置,遊技球が通過可能なゲート38等の各種構造物が設けられていると共に、これら各種構造物が設けられた部分を除く適当な位置に、遊技球の流下方向を変化させる風車40や遊技釘42等が設けられている。
また、遊技板26には、遊技領域30内で表面側に開口する凹所44が形成されている。この凹所44は、図3にも示されているように、開口付近に段差46が形成された有底段付穴とされており、開口端から段差46までの間と,段差46から底部48までの間が、それぞれ、略一定の断面で板厚方向にストレートに延びるように形成されている。なお、本実施形態では、これらの開口断面は、何れも、長方形を幅方向で円弧状に湾曲させたような形状とされている。
そこにおいて、本実施形態では、開口端から段差46までの距離:L1は、後述する蓋部材58の外周縁部の厚さ寸法を考慮して設定されている。また、本実施形態では、段差46から底部48までの距離:L2は、後述する電飾基板50を収容した状態で、電飾基板50に設けられたLED52(後述する)が蓋部材58に当接しない程度の大きさに設定されている。因みに、本実施形態では、凹所44の深さ寸法、即ち、開口端から底部48までの距離:(L1+L2)が、遊技板26の厚さ寸法の略1/2とされている。
なお、上述の如き凹所44は、例えば、予め定められた切削データに従って切削加工(ルータ加工)することによって、有利に形成される。
そして、上述の如き凹所44には、電飾基板50が収容されるようになっている。かかる電飾基板50は、従来から公知のプリント配線基板によって構成されている。そこにおいて、本実施形態の電飾基板50は、凹所44における段差46から底部48までの部分の開口断面よりも一回り小さい形状とされている。なお、電飾基板の形状が凹所の開口断面に対応している必要はない。
このような電飾基板50の表面側に、発光源としてのLED52が実装されている。かかるLED52は、例えば、始動入賞装置34への遊技球の入賞等をきっかけとして、パチンコ機10の遊技全体を制御する主制御回路からLED52の点灯を制御するLED制御回路に送信されたコマンドに基づいて、LED制御回路がLED52を点灯制御することにより、点灯せしめられるようになっている。
なお、図面上では明示されていないが、電飾基板50には、LED52に対して電気的に接続された回路パターンが形成されている。
また、電飾基板50には、回路パターンが形成されていない位置において、貫通孔54が形成されている。この貫通孔54は、略一定の断面(本実施形態では、円形断面)で板厚方向にストレートに延びる形状とされている。
このような電飾基板50は、LED52が実装された表面が開口側に向くようにして、凹所44に収容されるようになっている。その際、裏面に形成された支持脚56が底部48に重ね合わせられている。その結果、電飾基板50が凹所44に収容された状態で、電飾基板50の裏面と底部48の間に隙間が形成されるようになっている。また、このように電飾基板50が収容された状態で、例えば、支持脚56が底部48に対してネジ等で固定されることにより、電飾基板50が底部48に固定されるようになっている。
そして、上述の如く、電飾基板50が凹所44内に収容された状態で、凹所44の開口が蓋部材58によって覆蓋されるようになっている。この蓋部材58は、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリカーボネート(PC),アクリル樹脂等の樹脂材料によって形成されており、全体が無色透明とされている。即ち、蓋部材58は、電飾基板50に設けられたLED52の発する光を透過するようになっているのである。その結果、電飾基板50に設けられたLED52の発する光が、蓋部材58を通して、遊技者に視認されるようになっている。なお、蓋部材58は、有色透明であっても良い。また、蓋部材58は、部分的に透明であっても良い。
このような蓋部材58は、凹所44の開口に嵌め込まれて、その外周縁部が段差46に重ね合わせられた状態で、凹所44の開口を覆蓋するようにして配設されている。そして、このように蓋部材58が配設された状態で、蓋部材58の表面59と遊技板26の表面61は、段差なく同一平面上に位置せしめられて面一とされている。
また、蓋部材58には、挿通孔60が形成されている。この挿通孔60は、上述の如く蓋部材58が配設された状態で、板厚方向の投影において電飾基板50に形成された貫通孔54と重なる位置に形成されている。即ち、蓋部材58には、電飾基板50に形成された貫通孔54と対応する位置において、挿通孔60が形成されているのである。特に本実施形態では、挿通孔60の形状や大きさ等が、貫通孔54の形状や大きさ等と略同じとされている。
そして、上述の如く蓋部材58が配設された状態で、蓋部材58に形成された挿通孔60と電飾基板50に形成された貫通孔54の両方に挿し通されるようにして、遊技釘42bが凹所44の底部48に打ち込まれるようになっている。その結果、遊技釘42bが、合板によって形成された遊技板26に打ち込まれた状態で、蓋部材58の表面59から遊技者側に突出せしめられている。
そこにおいて、本実施形態では、凹所44の底部48に打ち込まれる遊技釘42bは、遊技領域30のその他の箇所に打ち込まれている遊技釘42a(遊技板26の表面に打ち込まれている遊技釘42a)よりも長くなっている。その結果、凹所44の底部48に打ち込まれた遊技釘42bの蓋部材58の表面59からの突出高さと、遊技領域30のその他の箇所に打ち込まれた遊技釘42aの遊技板26の表面61からの突出高さとが、略同じとなっている。
また、本実施形態では、凹所44の底部48に打ち込まれた遊技釘42bにおける打込部分の長さと、遊技領域30のその他の箇所に打ち込まれた遊技釘42aにおける打込部分の長さとが、略同じとされている。その結果、遊技領域30に設けられた全ての遊技釘42a,bにおいて、引抜強度が略同じに設定されている。
更にまた、本実施形態では、図4及び図5にも示されているように、凹所44の底部48に打ち込まれた遊技釘42bの軸部分62において、軸直角方向外方に突出する外方突部64,64が形成されている。特に本実施形態では、外方突部64,64が、遊技釘42bの軸部分62の中心軸線を挟んで軸直角方向の両側に一つずつ形成されている。なお、このような外方突部64は、遊技釘42bの軸部分62を適当な工具で摘むことによって、有利に形成される。また、外方突部64の軸部分62の外周面からの突出高さは、遊技釘42bが凹所44の底部48に打ち込まれた状態で、外方突部64による押付力を得ることが出来る大きさであれば良く、好ましくは、軸部分62の半径以上の大きさとされる。
そして、上述の如く、遊技釘42bが凹所44の底部48に打ち込まれている状態で、遊技釘42bの軸部分62に形成された一対の外方突部64,64は、蓋部材58の表面59に押し付けられている。これにより、蓋部材58の外周縁部が段差46に押し当てられることとなる。その結果、遊技釘42bに設けられた外方突部64と凹所44の段差46で挟まれるようにして、蓋部材58が凹所44の開口に固定されるようになっている。
このような構造とされたパチンコ機10においては、遊技板26に形成された凹所44内に電飾基板50が収容されていると共に、かかる凹所44の開口が蓋部材58で覆蓋されており、しかも、その状態で、蓋部材58の表面59が遊技板26の表面61に対して面一とされていることから、電飾基板50に設けられたLED52や、かかるLED52を覆う蓋部材58が、遊技板26の表面61側に突出することがなくなる。その結果、遊技領域30において、遊技球が流下可能な領域を拡大することが可能となる。
そして、このように遊技球が流下可能とされた蓋部材58の表面59から突出するようにして、遊技釘42bが設けられている。これにより、蓋部材58の表面59、即ち、拡大された遊技球流下可能領域において、遊技領域30を流下する遊技球が遊技釘42bに衝突することになる。その結果、拡大された遊技球流下可能領域において、パチンコ遊技の醍醐味を味わうことが可能となる。
そこにおいて、蓋部材58の表面59から突出するように設けられた遊技釘42bは、蓋部材58に形成された挿通孔60と電飾基板50に形成された貫通孔54の両方に挿し通された状態で、凹所44の底部48に打ち込まれていることから、釘調整や遊技球の衝突等で遊技釘42bに外力が作用した場合に、遊技釘42bにおける打込部分の周囲が容易にせしめられることとなる。その結果、遊技球の衝突や釘調整等で外力が作用した場合であっても、蓋部材58の表面59から突出するように設けられた遊技釘42bを折れ難くすることが可能となる。
特に、凹所44の底部48に打ち込まれた遊技釘42bは、電飾基板50に形成された貫通孔54に挿し通されていることから、電飾基板50に貫通孔54を形成しないで、電飾基板50を避けるようにして遊技釘42bを凹所44の底部48に打ち込む場合に比して、遊技釘42bを目的とする位置で蓋部材58の表面59から突出させることが可能となる。即ち、電飾基板50には、LED52を点灯させるための回路パターンが形成されているのであるが、かかる回路パターンは、電飾基板50に隙間なく形成されている訳ではなく、通常、ある程度の隙間をもって形成されている。それ故、回路パターンを適当に設計して、隙間を適当な位置に形成し、かかる隙間に貫通孔54を形成することにより、凹所44の底部48に打ち込まれる遊技釘42bを、目的とする位置で、蓋部材58の表面59から突出させることが可能となる。その結果、遊技釘42の配設レイアウトの設計自由度を向上させることが可能となる。
また、遊技領域30に設けられた遊技釘42の全てが、遊技板26に打ち込まれていることから、遊技釘42に当たった遊技球の跳ね返り等の特性を、全ての遊技釘42で略同じにすることが可能となる。
また、本実施形態では、蓋部材58の表面59から突出するように設けられた遊技釘42bの軸部分62に一体形成された外方突部64と凹所44の段差46に挟まれるようにして、蓋部材58が配設されていることから、ネジ等の特別な固定手段を別途用いることなく、蓋部材58を凹所44の開口に固定することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、一対の外方突部64,64が設けられていない遊技釘が蓋部材58の表面59から突出するように設けられていても良い。この場合、ネジ等を用いて蓋部材58を凹所44の開口に固定することになる。
また、凹所44の段差46は、周方向に適当な間隔をあけて、複数形成されていても良い。即ち、凹所44の段差46は、全周ではなく、周上の一部分にだけ形成されていても良い。
更にまた、凹所44の段差46は必須ではなく、例えば、蓋部材58の内面(裏面)側に適当な長さの脚を設けて、かかる脚によって蓋部材58を凹所44の底部48や電飾基板50に対して位置決めしたり、或いは、適当な長さの支持柱を電飾基板50や凹所44の底部48に設けて、かかる支持柱によって蓋部材58を凹所44の底部48や電飾基板50に対して位置決めするようにしても良い。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明の一実施形態としてのパチンコ機を示す正面図。 同パチンコ機に取り付けられている遊技盤を示す正面図。 図2におけるIII−III方向の要部拡大断面図。 凹所の底部に打ち込まれる遊技釘の側面図。 図4におけるV−V断面図。
符号の説明
10:パチンコ機,16:遊技盤,26:遊技板,42b:遊技釘,44:凹所,48:底部,50:電飾基板,52:LED,54:貫通孔,58:蓋部材,59:表面,60:挿通孔,61:表面

Claims (2)

  1. 合板によって形成された遊技板を含んで構成された遊技盤を備えるパチンコ機において、
    前記遊技板に形成されて、該遊技板の表面側に開口する凹所と、
    発光源が設けられて前記凹所内に配設された、少なくとも一つの貫通孔を有する電飾基板と、
    前記凹所の開口を覆蓋して前記遊技板の表面に面一となるように配設され、前記発光源が発する光を透過すると共に、前記電飾基板の前記貫通孔に対する位置に挿通孔を有する蓋部材と、
    前記遊技板における前記凹所の底部に打ち込まれて固設され、前記電飾基板の前記貫通孔と前記蓋部材の前記挿通孔に挿し通されて該蓋部材の表面上に突出する遊技釘と
    を、備えていることを特徴とするパチンコ機。
  2. 前記遊技釘の軸部分において外周面上に突出する外方突部が形成されており、該遊技釘が前記凹所の底面に打ち込まれた状態で、該外方突部が前記蓋部材に押し付けられている請求項1に記載のパチンコ機。
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