JP2007170452A - 内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク - Google Patents

内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク Download PDF

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Abstract

【課題】ボルト33先端が噛み合うロアリンクアッパ31の雌ねじ部35の上端開口35a付近における応力集中を緩和し、信頼性、耐久性を高める。
【解決手段】複リンク式ピストンクランク機構を構成するロアリンク4は、クランクピンへの組立性のために、クランクピン軸受部21の中心を通る分割面24に沿って、ロアリンクアッパ31とロアリンクロア32とに分割構成され、一対のボルト33によって締結される。雌ねじ部35の両側に一対のリブ41が設けられるとともに、リブ41間の平面45に上端開口35aが開口する。平面45のクランクピン側に溝状の凹部46が設けられており、これにより応力伝達経路が下方へ迂回するため、上端開口35aに近いねじ谷底での応力集中が緩和される。
【選択図】図3

Description

この発明は、レシプロ式内燃機関のピストンクランク機構、特に複リンク式のピストンクランク機構を構成するリンクに関する。
レシプロ式内燃機関のピストンピンとクランクピンとの間を複リンク式のピストンクランク機構で連結した従来技術として、本出願人が先に提案した特許文献1等が公知となっている。これは、ピストンのピストンピンに連結されるアッパリンクと、このアッパリンクとクランクシャフトのクランクピンとを連結するロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクに連結されるコントロールリンクと、を備えている。そして、上記アッパリンクと上記ロアリンクとは、アッパピンを介して互いに回転可能に連結され、上記コントロールリンクと上記ロアリンクとは、コントロールピンを介して互いに回転可能に連結されている。
このような複リンク式のピストンクランク機構におけるロアリンクは、ピストンが受けた燃焼圧力をアッパリンクを介してアッパピンより受け取り、コントロールピンを支点とする一種の”てこ”のような動作でクランクピンに力を伝達する。従って、ロアリンクは、アッパピン、コントロールピンおよびクランクピンを、それぞれ回転可能に保持しつつ、各ピンから入力を受けた際にもこれらの位置関係を保つだけの強度・剛性が必要である。
一方、ロアリンクは、クランクシャフトに対する組み立て性を確保する必要があるので、上記特許文献1においては、クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、2つの半割部つまりロアリンクアッパとロアリンクロアとに分割構成し、両者を複数のボルトにて互いに締結するようにしている。例えば、複数のボルトを下方つまりロアリンクロア側から挿入し、ロアリンクアッパ側の雌ねじに螺合させるようにしている。
特開2004−124776号公報
上記のように大きな荷重を受ける部材であるロアリンク自体に雌ねじを形成することは、雌ねじにおける応力集中という点では好ましくない。
図9の参考図には、矢印F1,F2,F3でもって、爆発燃焼時に、クランクピン、アッパピン、コントロールピンからそれぞれロアリンクに入力される力の方向を示している。このような三者のピンから入力される反対方向の大きな荷重F1,F2,F3によって、ロアリンク自体に大きな応力が発生する。そして、ロアリンクアッパ101とロアリンクロア102とが分割面107で離れないように、ボルト103,105には、予め大きな軸力を与えておく必要がある。従って、ボルト103,105が螺合する雌ねじ部104,106には、ボルト軸力による応力集中に加えて、ロアリンク自体の荷重による応力が加わる。また、各々のボルト103,105の両側に作用する力の方向が反対方向となることから、雌ねじ部104,106には、応力だけでなく、大きなモーメントも作用する。従って、ロアリンクにおける雌ねじ部付近の耐久性を確保することが大きな課題となっている。
図10は、例えばコントロールピン側のボルト103先端が螺合する雌ねじ部104の開口端付近の断面を模式的に示しているが、前述したようにクランクピンを挟んで荷重F2,F3が作用すると、雌ねじ部104とアッパピンとの間で符号108で示す線のような応力伝達経路に沿って応力が作用し、ボルト103先端付近の雌ねじ部104、特に、その谷底に応力が集中しやすい。
さらに、ロアリンク全体に浸炭処理等の表面硬化処理を施している場合には、表面硬化層と母材との境界にボルト先端が噛み合うことになるので、境界面を起点とした疲労による耐久性悪化がより生じやすい。
この発明は、ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関のピストンクランク機構を前提としており、そのロアリンクを改良したものである。
上記ロアリンクは、上記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、上記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、上記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、上記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、上記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンクアッパと、上記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンクロアと、に分割構成され、かつ上記クランクピン軸受部の両側に配置した少なくとも2本のボルトによって上記ロアリンクアッパと上記ロアリンクロアとが締結されている。
そして、少なくとも一方のボルトは、ロアリンクロアとロアリンクアッパのいずれか一方のボルト挿入孔を貫通するとともに、他方に貫通形成された雌ねじ部に螺合して、先端が上記雌ねじ部の開口端から露出しており、上記開口端は、ボルト中心軸に垂直な平面に開口し、かつこの平面に、応力伝達経路を迂回させるための凹部が設けられている。
望ましくは、上記凹部のボルト軸方向の深さは、少なくともねじのピッチよりも大きい。同様に、開口端付近のロアリンク表面に硬化層を有する場合には、上記凹部の底部がこの硬化層よりも下方に達していることが望ましい。
このように雌ねじ部の開口端に隣接して凹部を備えることで、上記のアッパピン用ピンボス部、クランクピン軸受部、コントロールピン用ピンボス部の間でロアリンクに作用する応力の伝達経路が、この凹部の外側へ迂回するようになり、開口端付近の雌ねじ部谷底の応力集中が緩和される。
本発明の一つの態様では、上記雌ねじ部の開口端を両側から挟むように、クランクピン中心軸に直交する面に沿って延びた一対のリブを有し、これらのリブの間の谷間部分に、上記平面が設けられている。上記リブは、例えば、一方のピンボス部の周囲の部分に連続しているが、その長手方向の途中で二股状に分岐する形で上記リブに連続している。
このように一対のリブを設けることで、この相対的に剛性の高いリブが荷重伝達部となる。そのため、凹部により応力伝達経路を迂回させることと相俟って、雌ねじ部における応力がより軽減する。
また上記リブと上記開口端との間に上記凹部を設けるようにすれば、リブからの応力伝達が抑制される。
上記凹部は、例えば、ボルト中心軸を通り、かつクランクピン中心軸に直交する断面において、ボルト中心軸を挟んでクランクピン軸受部側に設けられている。あるいは、クランクピン軸受部の反対側に設けられている。
また上記凹部を、上記開口端の全周に設けるようにしてもよい。
好ましい一つの態様では、上記凹部は、ボルト中心軸を通り、かつクランクピン中心軸に直交する断面において、略U字形の断面を有しており、ボルトに近い側の隅部半径が反対側の隅部半径よりも大きい。このように隅部半径をボルト側で大きく設定することで、この部分への応力集中を回避でき、雌ねじ部への荷重入力が減少する。
また一つの態様では、ボルト中心軸を通り、かつクランクピン中心軸に直交する断面において、上記凹部は、2つの平行な直線と、両者間の距離を直径とした円弧と、からなるU字形の断面形状を有している。このような断面形状の凹部は、例えば円筒状の工具によって容易に加工できる。
さらに、一つの態様では、上記の2つの平行な直線がボルト中心軸に対し傾斜しており、凹部の開放端から底部へ向かうに従ってボルト中心軸から離れるようになっている。このような断面形状の凹部は、例えば僅かに傾斜させた円筒状の工具によって容易に加工できる。このような断面形状とすることで、応力伝達経路は、開口端に最も近い雌ねじ部谷底からより離れる。
この発明によれば、疲労破壊の起点となりやすいボルト先端が噛み合う雌ねじ部の開口端付近の谷底への応力集中が緩和され、雌ねじ部の耐久性、信頼性が向上する。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。始めに、この発明のロアリンクが用いられるピストンクランク機構の概略を説明する。
図1は、この複リンク式ピストンクランク機構を可変圧縮比機構として構成した構成例を示す構成説明図である。この機構は、ロアリンク4とアッパリンク5とコントロールリンク10とを主体とした複リンク式ピストンクランク機構を備えている。
クランクシャフト1は、複数のジャーナル部2とクランクピン3とを備えており、シリンダブロック18の主軸受に、ジャーナル部2が回転自在に支持されている。上記クランクピン3は、ジャーナル部2から所定量偏心しており、ここにロアリンク4が回転自在に連結されている。カウンタウェイト15は、ジャーナル部2とクランクピン3とを接続するクランクウェブ16からクランクピン3とは反対側へ延びている。
上記ロアリンク4は、後述するように2部材に分割可能に構成されているとともに、略中央のクランクピン軸受部に上記クランクピン3が嵌合している。
アッパリンク5は、下端側がアッパピン6によりロアリンク4の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン7によりピストン8に回動可能に連結されている。上記ピストン8は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック18のシリンダ19内を往復動する。
ロアリンク4の運動を拘束するコントロールリンク10は、上端側がコントロールピン11によりロアリンク4の他端に回動可能に連結され、下端側が制御軸12を介して機関本体の一部となるシリンダブロック18の下部に回動可能に連結されている。詳しくは、制御軸12は、回転可能に機関本体に支持されているとともに、その回転中心から偏心している偏心カム部12aを有し、この偏心カム部12aに上記コントロールリンク10下端部が回転可能に嵌合している。
上記制御軸12は、図示せぬエンジンコントロールユニットからの制御信号に基づいて作動する図示せぬ圧縮比制御アクチュエータによって回動位置が制御される。
上記のような複リンク式ピストンクランク機構を用いた可変圧縮比機構においては、上記制御軸12が圧縮比制御アクチュエータによって回動されると、偏心カム部12aの中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。これにより、コントロールリンク10の下端の揺動支持位置が変化する。そして、上記コントロールリンク10の揺動支持位置が変化すると、ピストン8の行程が変化し、ピストン上死点(TDC)におけるピストン8の位置が高くなったり低くなったりする。これにより、機関圧縮比を変えることが可能となる。
次に、上記ロアリンク4の一実施例を図2および図3に基づいて説明する。
ロアリンク4は、上記クランクピン3が嵌合する略中央のクランクピン軸受部21と、上記アッパピン6を保持する一端部のアッパピン用ピンボス部22と、上記コントロールピン11を保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部23と、を備えている。そして、クランクピン3への組み立て性のために、上記クランクピン軸受部21の中心を通る分割面24に沿って、上記アッパピン用ピンボス部22を含むロアリンクアッパ31と、上記コントロールピン用ピンボス部23を含むロアリンクロア32と、に分割構成され、両者が、クランクピン軸受部21の両側にそれぞれ配置された2本のボルト33(一方のボルトは図では見えない位置にある)によって一体に締結されている。上記シリンダ19が上下方向に配置されているとすると、クランクケース内で上記ロアリンクアッパ31が上側に、上記ロアリンクロア32が下側に、それぞれ位置し、2本のボルト33は、いずれもロアリンクロア32の下面側から上方へと挿入されている。
上記アッパピン用ピンボス部22のピン孔22aには、アッパピン6が回転可能に保持される。ここに組み合わされるアッパリンク5は、下端のアッパピン軸受周辺が二股状に形成されており、二股の内側に、ロアリンク4側のアッパピン用ピンボス部22が回転可能に組み合わされる。
これに対し、コントロールピン11が回転可能に挿入されるピン孔23aを備えたコントロールピン用ピンボス部23は、二股状に構成されており、この二股の内側に、コントロールリンク10一端のピンボス部が回転可能に組み合わされる。
2本のボルト33の中で、アッパピン用ピンボス部22側に位置する図示されていないボルトは、ロアリンクロア32のボルト挿入孔を貫通し、ロアリンクアッパ31側の雌ねじ部に先端部が螺合する。このボルトの中心線の延長線上には、アッパピン用ピンボス部22が位置し、そのため、雌ねじ部となるねじ孔は、軸方向にロアリンクアッパ31を貫通しておらず、先端が封止されている。従って、図2では、このボルトは見えていない。
これに対し、コントロールピン用ピンボス部23側に位置するボルト33は、上記の二股状をなすコントロールピン用ピンボス部23の谷間部分にボルト頭部33a(図3参照)が位置しており、ロアリンクロア32のボルト挿入孔34を貫通し、かつ先端部が、ロアリンクアッパ31側の雌ねじ部35に螺合している(図3参照)。このボルト33用の雌ねじ部35つまりねじ孔は、ロアリンクアッパ31を上下に貫通しており、ボルト33の先端がロアリンクアッパ31上面に露出している。
上記雌ねじ部35の上端開口35aは、図示するように、ロアリンクアッパ31の上面に位置しているが、この開口35aを両側から挟むように、クランクピン中心線に直交する面に沿って延びた一対のリブ41が形成されている。換言すれば、このリブ41は、ロアリンク4の両側の端面部分を上方へ延長した形状をなし、開口35aの周辺の部分をアッパピン用ピンボス部22上縁部に斜めに連結している。つまり、アッパピン用ピンボス部22の上縁部がコントロールピン用ピンボス部23側へ延び、かつ途中で二股に分岐して、一対のリブ41となっている。
上記の一対のリブ41の間の谷間部分は、ボルト中心線と直交する平面45となっており、この平面45に、上記の上端開口35aが開口している。なお、ボルト33の先端は、上記の上端開口35aから突出せず、ボルト33の先端面と上記平面45とが同一平面となるように軸方向に合致している。
そして、図3に示すように、上記の上端開口35aに隣接して、上記平面45のクランクピン軸受部21寄りの端部に、クランクピン軸方向に延びた溝状をなす凹部46が形成されている。この凹部46は、一方のリブ41の内側壁面から他方のリブ41の内側壁面にまで延びている。ここで、図3は、ボルト33中心軸を通り、かつクランクピン中心軸に直交する平面に沿った断面を示しているが、このような断面において、上記凹部46は、略U字形の断面を有し、かつボルト33に近い側の隅部半径が反対側(クランクピン側)の隅部半径よりも大きく設定されている。また、凹部46のボルト33軸方向の深さは、雌ねじ部35のねじのピッチよりも大きい。なお、この深さは、同時に、浸炭処理等の表面硬化層と母材との境界よりも深いものとなっている。
図4は、上記のように凹部46を雌ねじ部35の上端開口35aに隣接して形成した場合の応力の流れ(ロアリンク4が、クランクピン3、アッパピン6、コントロールピン11の三者から前述した荷重を受けたときの応力)を示しており、図示するように、符号51で示す線のように、応力伝達経路が凹部46の外側を通る結果、ボルト33の先端が噛み合う雌ねじ部35の上端開口35a付近における応力が小さくなり、上端開口35aに近い谷底での応力集中が緩和される。しかも、浸炭処理等の表面硬化層と母材との境界よりも深く凹部46を設けることにより、疲労破壊の起点となりやすい上記の境界と応力集中部位とが重複しないようにすることができる。従って、雌ねじ部35の耐久性、信頼性が向上する。
また、凹部46自体も一種の切欠として応力集中箇所となるが、その底部の隅部半径を十分に大きくし、かつ上記のようにボルト33に近い側の隅部半径をクランクピン側の隅部半径よりも大きくすることで、凹部46の隅部の応力集中が雌ねじ部35から離れるため、雌ねじ部35への影響が抑制される。
次に、図5は、上記の凹部46に加えて、平面45の反対側の端部に第2の凹部47を設けた実施例を示している。この第2の凹部47は、凹部46と同様の断面形状を有し、かつ同様に、一方のリブ41の内側壁面から他方のリブ41の内側壁面まで延びている。特に、リブ41が平面45から立ち上がる起点となるリブ41の端部位置に対応して、第2の凹部47が設けられている。
すなわち、アッパピン用ピンボス部22からの荷重入力により、リブ41は、圧縮,引張の荷重を受けるが、これにより、リブ41の端部付近に応力が集中する。上記第2の凹部47は、この応力が雌ねじ部35の上端開口35a付近に伝達されることを抑制する。
次に、図6は、さらに、雌ねじ部35の上端開口35aの全周に亘って連続した凹部48を設けた実施例を示している。この構成では、上端開口35aを中心に、クランクピン軸方向にも凹部48が存在するので、リブ41からの入力も低減される。なお、この実施例は、前述した実施例に比べてロアリンク4のクランクピン軸方向の寸法をある程度大きく確保できる場合に好適である。
図7に示す実施例は、図6の実施例と同じく、雌ねじ部35の上端開口35aの全周に亘って凹部49を形成したものであるが、特に、ボルト33中心軸を通り、かつクランクピン中心軸に直交する平面に沿った断面において、上記凹部49は、2つの平行な直線と、両者間の距離を直径とした円弧(半円)と、からなるU字形の断面形状を有している。なお、この断面U字形の凹部49は、平面45に対し垂直方向に窪んでいる。このような断面形状の凹部49は、例えば円筒状の工具によって容易に加工できる。
また、図8に示す実施例は、図3の実施例と同じく、平面45のクランクピン側の端部に凹部50を形成したものであるが、特に、ボルト33中心軸を通り、かつクランクピン中心軸に直交する平面に沿った断面において、上記凹部50は、2つの平行な直線と、両者間の距離を直径とした円弧(半円)と、からなるU字形の断面形状を有し、かつ上記の2つの平行な直線がボルト33の中心軸に対し傾斜しており、凹部50の開放端から底部へ向かうに従って、ボルト33の中心軸から離れていく。このような断面形状の凹部50は、例えば僅かに傾斜させた円筒状の工具によって容易に加工できる。凹部50をこのような傾斜した断面形状とすることで、応力伝達経路は、開口端に最も近い雌ねじ部35谷底からより遠く離れることになる。
ロアリンクが用いられるピストンクランク機構の例を示す構成説明図。 本発明に係るロアリンクの一実施例を示す斜視図。 このロアリンクの要部の断面斜視図。 この実施例における応力伝達経路を示す説明図。 第2の実施例を示すロアリンク要部の断面斜視図。 第3の実施例を示すロアリンク要部の断面斜視図。 第4の実施例を示すロアリンク要部の断面斜視図。 第5の実施例を示すロアリンク要部の断面斜視図。 ロアリンクに作用する荷重の説明図。 従来のロアリンクにおける応力伝達経路を示す説明図。
符号の説明
4…ロアリンク
21…クランクピン軸受部
22…アッパピン用ピンボス部
23…コントロールピン用ピンボス部
31…ロアリンクアッパ
32…ロアリンクロア
33…ボルト
35…雌ねじ部
41…リブ
45…平面
46、47、48、49、50…凹部

Claims (12)

  1. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関のピストンクランク機構において、
    上記ロアリンクは、上記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、上記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、上記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、
    上記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、上記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンクアッパと、上記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンクロアと、に分割構成され、
    かつ上記クランクピン軸受部の両側に配置した少なくとも2本のボルトによって上記ロアリンクアッパと上記ロアリンクロアとが締結されており、
    少なくとも一方のボルトは、ロアリンクロアとロアリンクアッパのいずれか一方のボルト挿入孔を貫通するとともに、他方に貫通形成された雌ねじ部に螺合して、先端が上記雌ねじ部の開口端から露出しており、
    上記開口端は、ボルト中心軸に垂直な平面に開口し、かつこの平面に、応力伝達経路を迂回させるための凹部が設けられていることを特徴とする内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  2. 上記凹部のボルト軸方向の深さが、少なくともねじのピッチよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  3. 上記雌ねじ部の開口端を両側から挟むように、クランクピン中心軸に直交する面に沿って延びた一対のリブを有し、これらのリブの間の谷間部分に、上記平面が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  4. 一方のピンボス部の周囲の部分が、途中で二股状に分岐して上記リブに連続することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  5. ボルト中心軸を通り、かつクランクピン中心軸に直交する断面において、上記凹部は、ボルト中心軸を挟んでクランクピン軸受部側に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  6. ボルト中心軸を通り、かつクランクピン中心軸に直交する断面において、上記凹部は、ボルト中心軸を挟んでクランクピン軸受部の反対側に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  7. 上記リブと上記開口端との間に上記凹部が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  8. 上記凹部が、上記開口端の全周に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  9. ボルト中心軸を通り、かつクランクピン中心軸に直交する断面において、上記凹部は、略U字形の断面を有し、ボルトに近い側の隅部半径が反対側の隅部半径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  10. ボルト中心軸を通り、かつクランクピン中心軸に直交する断面において、上記凹部は、2つの平行な直線と、両者間の距離を直径とした円弧と、からなるU字形の断面形状を有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  11. ボルト中心軸を通り、かつクランクピン中心軸に直交する断面において、上記の2つの平行な直線がボルト中心軸に対し傾斜しており、凹部の開放端から底部へ向かうに従ってボルト中心軸から離れることを特徴とする請求項10に記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  12. 上記開口端付近のロアリンク表面に硬化層を有し、上記凹部の底部がこの硬化層よりも下方に達していることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
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