JP5332746B2 - 内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構、特に複リンク式のピストンクランク機構におけるロアリンクに関する。
ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構が従来から知られている。
例えば、特許文献1には、このような複リンク式ピストンクランク機構のロアリンクが2つの部材に分割され。これら分割された2つの部材の分割面に凹部を形成することで、この凹部外周の分割面の面圧を確保し、分割面の口開きを抑制するようにした技術が開示されている。
特開2002−195001号公報
しかしながら、このような特許文献1の構成では、燃焼荷重が大きい、または、荷重増加率が大きなリンクジオメトリにおいて、ロアリンクのねじ締結部の「分割面口開きによるフレッチング」と「ねじ部応力増加による疲労破損」が懸念される。すなわち、従来の構成では、分割面面圧を確保する構成となっており、口開きを抑制する手段として適切だが、ねじ応力低減効果が小さいという問題がある。
そこで、本発明は、ピストンに一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端に連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が前記ロアリンクに連結されたコントロールリンクと、を備え、前記ロアリンクが、ロアリンクアッパとロアリンクロアとに分割構成され、かつ一方の貫通孔を通して他方の雌ねじ部に螺合するボルトによって前記ロアリンクアッパと前記ロアリンクロアとが締結された内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、雌ねじ部近傍の分割面に溝が設けられていると共に、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位に凹部を設け、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位が他方の分割面に接しないように構成されていることを特徴としている。
本発明によれば、溝付近のねじ噛み合い部の剛性低減により、溝付近の噛み合い開始部でのボルト軸力の荷重分担が低減され、応力低減によりボルト疲労強度が向上する。また、分割面におけるロアリンクアッパとロアリンクロアとの接触開始位置が、ボルトから離れた位置となるため、口開きを起こしやすい分割面最外周部での面圧が向上し、口開きを抑制できる。
本発明に係る複リンク式ピストンクランク機構の概略構成を示す説明図。 本発明に係る複リンク式ピストンクランク機構のロアリンクの概略構成を示す説明図。 第1比較例の説明図。 第2比較例の説明図であって、(a)は断面図、(b)はねじが切られている側の部材を分割面側からみた図。 本発明におけるロアリンクの一実施形態を示す説明図であって、(a)は断面図、(b)はねじが切られている側の部材を分割面側からみた図。 本発明におけるロアリンクの一実施形態を示す説明図であって、(a)は断面図、(b)はねじが切られている側の部材を分割面側からみた図。 本発明におけるロアリンクの一実施形態を示す説明図であって、(a)は断面図、(b)はねじが切られている側の部材を分割面側からみた図。 本発明におけるロアリンクの一実施形態を示す説明図であって、(a)は断面図、(b)はねじが切られている側の部材を分割面側からみた図。 本発明におけるロアリンクの一実施形態を示す説明図。 本発明におけるロアリンクにおいて、カラー部材と溝との寸法関係を示す説明図。 本発明におけるロアリンクに用いられるカラー部材の説明図。 本発明におけるロアリンクの一実施形態を示す説明図。 締結体の剛性が小さい場合における被締結体とボルトとの入力荷重に対する荷重分担を模式的に示した説明図。 締結体の剛性が大きい場合における被締結体とボルトとの入力荷重に対する荷重分担を模式的に示した説明図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。始めに、この発明のロアリンクが用いられる複リンク式ピストンクランク機構の概略を説明する。
図1は、この複リンク式ピストンクランク機構を可変圧縮比機構として構成した構成例を示す構成説明図である。この機構は、ロアリンク4とアッパリンク5とコントロールリンク10とを主体とした複リンク式ピストンクランク機構を備えている。
クランクシャフト1は、複数のジャーナル部2とクランクピン3とを備えており、シリンダブロック18の主軸受に、ジャーナル部2が回転自在に支持されている。上記クランクピン3は、ジャーナル部2から所定量偏心しており、ここにロアリンク4が回転自在に連結されている。カウンタウェイト15は、ジャーナル部2とクランクピン3とを接続するクランクウェブ16からクランクピン3とは反対側へ延びている。
上記ロアリンク4は、後述するように2部材に分割可能に構成されているとともに、略中央のクランクピン軸受部に上記クランクピン3が嵌合している。
アッパリンク5は、下端側がアッパピン6によりロアリンク4の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン7によりピストン8に回動可能に連結されている。上記ピストン8は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック18のシリンダ19内を往復動する。
ロアリンク4の運動を拘束するコントロールリンク10は、上端側がコントロールピン11によりロアリンク4の他端に回動可能に連結され、下端側が制御軸12を介して機関本体の一部となるシリンダブロック18の下部に回動可能に連結されている。詳しくは、制御軸12は、回転可能に機関本体に支持されているとともに、その回転中心から偏心している偏心カム部12aを有し、この偏心カム部12aに上記コントロールリンク10下端部が回転可能に嵌合している。
上記制御軸12は、図示せぬエンジンコントロールユニットからの制御信号に基づいて作動する図示せぬ圧縮比制御アクチュエータによって回動位置が制御される。
上記のような複リンク式ピストンクランク機構を用いた可変圧縮比機構においては、上記制御軸12が圧縮比制御アクチュエータによって回動されると、偏心カム部12aの中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。これにより、コントロールリンク10の下端の揺動支持位置が変化する。そして、上記コントロールリンク10の揺動支持位置が変化すると、ピストン8の行程が変化し、ピストン上死点(TDC)におけるピストン8の位置が高くなったり低くなったりする。これにより、機関圧縮比を変えることが可能となる。
図2にロアリンク断面図とロアリンクへの入力荷重を示す。図2に示すように、ロアリンク4は、クランクピン3が嵌合する略中央のクランクピン軸受部21と、アッパピン6を保持する一端部のアッパピン用ピンボス部22と、コントロールピン11を保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部23と、を備えている。そして、クランクピン3への組み立て性のために、ロアリンク4は、クランクピン軸受部21の中心を通る分割面24に沿って、アッパピン用ピンボス部22を含むロアリンクアッパ31と、コントロールピン用ピンボス部23を含むロアリンクロア32と、に分割構成されている。
ロアリンクアッパ31とロアリンクロア32とは、クランクピン軸受部21の両側にそれぞれ配置された2本のボルト33がロアリンク側に設けられた雌ねじ部40に螺合することよって一体に締結されている。つまり、ロアリンク4はロアリンクアッパ31とロアリンクロア32の2分割構成で2本のボルト33によって締結されている。
また、2つのロアリンク構成部材31、32は平面となる分割面24で密着している。つまり、ロアリンクアッパ31とロアリンクロア32の合わせ面は平面である。
シリンダ19が上下方向に配置されているとすると、クランクケース内でロアリンクアッパ31が上側に、ロアリンクロア32が下側に、それぞれ位置している。
そして、2本のボルト33のうちボルト33aは、ロアリンクアッパ31の上面側から下方へと挿入されている。また2本のボルト33のうちボルト33bは、ロアリンクロア32の下面側から上方へと挿入されている。
2本のボルト33の中で、アッパピン用ピンボス部22側に位置するボルト33aは、ロアリンクロア32のボルト挿入孔を貫通し、かつ先端部が、ロアリンクアッパ31側の雌ねじ部40aに螺合している。このボルト33a用の雌ねじ部40aつまりねじ孔は、ロアリンクアッパ31を上下に貫通しており、ボルト33aの先端がロアリンクアッパ31上面に露出している。
これに対し、コントロールピン用ピンボス部23側に位置するボルト33bは、ロアリンクアッパ31のボルト挿入孔を貫通し、ロアリンクロア32側の雌ねじ部40bに先端部が螺合している。このボルト33b用の雌ねじ部40bつまりねじ孔は、ロアリンクロア32を上下に貫通しており、ボルト33bの先端がロアリンクロア32下面に露出している。
尚、図2中の42、43は、ロアリンクアッパ31とロアリンクロア32との組み付け時の位置決めを行うノックピンであり、44、45は、分割面24を跨いでロアリンクアッパ31とロアリンクロア32に形成されてノックピン穴である。
図2中に矢示するように、ピストン8から入った燃焼荷重はアッパピン6に入力され、テコの原理によって図のようなクランクピン荷重、コントロールピン荷重が入力される。クランクピン荷重とコントロールピン荷重はロアリンクアッパ31とロアリンクロア32を引き離す方向の荷重となっているため、コントロールピン側のボルト33b周辺の分割面でフレッチングが発生しやすい。
図3は、ロアリンクアッパとロアリンクロアとを単にボルトによって締結した場合を示した第1比較例の説明図であって、ボルト周辺の分割面に発生する圧力分布とボルトに発生する応力(ねじ応力)とを模式的に示したものである。尚、図3においては、図3の下方から上方に向かってボルトが挿入されるものとする。また、後述する図4〜図8についても、それぞれの図(a)の下方から上方に向かってボルトが挿入されるものとする。
この第1比較例の分割面においては、ボルトに近い部分が圧力が高く、ボルトから離れるほど圧力が小さくなる特徴がある。また、ボルトに発生する応力は、ボルト頭に近い噛合い始めの位置のほうが高い。
図4は、ねじが切られている側(雌ねじ部が形成されている側)の構造部材の分割面に凹部51が設けられた第2比較例の説明図であって、図4(a)は断面図、図4(b)はねじが切られている側の部材を分割面側からみた図である。
図4中の破線L1は凹部51を設けない場合のボルト周辺の分割面に発生する圧力分布を示し、実線L2が凹部51を設けた場合のボルト周辺の分割面に発生する圧力分布を示し、図4中の破線L3は、凹部51を設けない場合のボルトに発生する応力を示し、図4中の実線L4は、凹部51を設けた場合のボルトに発生する応力を示している。
分割面に近い箇所での圧力が高く、ボルトから離れるほど圧力が小さくなる特性は、図3に示す第1比較例と同じである。凹部51を設けることで、圧力発生開始位置が分割面の外側(ボルトから離れた位置)となるため、口開きが発生しやすい箇所で面圧が上がり、口開きを抑制できる。ねじ噛合い部近傍では分割面がないため、剛性が低下し、締結時にボルト軸力により変形しやすい。このため、噛合い開始位置での軸力荷重分担が低減される。ただし、噛合い長さが短くなるため、噛合い最終端での応力が増える。
図2に示すような荷重成分では、クランクピン荷重でロアリンクアッパ31が上に荷重を受け、コントロールリンク荷重でロアリンクロア32が下に荷重を受けるため、クランクピン側の分割面で口開きが発生しやすい。ゆえに、図5に示すように、本実施形態では、クランクピン側の一部に深い溝60を設け、かつこの溝60と雌ねじ部40とで挟まれる部位に凹部61が設けられている。詳述すると、ロアリンク構成部材31、32のうちの一方のクランクピン側の一部に深い溝60を設け、さらにロアリンク構成部材31、32のうちの一方においては、この溝60と雌ねじ部40とで挟まれる部分に凹部61が形成されている。この凹部61が形成された位置において、ロアリンク構成部材31、32のうちの一方の部材は、ロアリンク構成部材31、32のうちの他方の部材に対して接しないように構成されている。つまり、ロアリンクアッパ31とロアリンクロア32の間において、溝60と雌ねじ部40との間に位置する領域は、溝60の深さ方向の寸法が、溝60の深さより短い隙間(間隙)を挟んで、互いに接触することがない。図8に示した実施例の箇所で後述するように、隙間を形成するために設けられる凹部61はロアリンクアッパ31とロアリンクロア32のどちらに設けられていても構わない。尚、図5中に実線L5はボルト周辺の分割面に発生する圧力分布を示し、図5中の実線L6はボルトに発生する応力を示している。
このように、溝60を設けることで、図5に示すように、ねじ噛み合い開始部で剛性が小さく、溝60付近で剛性が高くなる。したがって、最も応力が高くなるねじ噛み合い開始部での荷重分担が低減され、応力が低減される。
また、図6に示すように、ボルト周り全周に溝60を設け、この溝60の内側に凹部61を形成するようにしてもよい。
この場合、ボルトの中心位置と溝60の最外輪郭の距離がクランク軸方向に比してそれに垂直な方向の方が大きくなるように設定する。すなわち、Lw<Llと設定することで、クランク軸方向の分割面寸法を拡大することなく溝60を設定できるため、クランクピン3長さを拡大せずに、分割面24口開きを抑制できる。
また、図7に示すように溝部60を形成し、ボルト33と溝部60との間の肉厚を設定するようにしてもよい。すなわち、ボルト33から見たクランク軸方向に存在する溝60を、それに垂直な方向に存在する溝60に対して浅くなるように設定する。換言すれば、溝部60の深さは、ボルト33からみて、分割面24におけるクランク軸方向(図7bにおける上下方向)よりも、分割面24におけるクランク軸方向に直交する方向(図7bにおける左右方向)の方が大きくなるように設定する。また、ボルト33と溝60の間の肉厚は、クランク軸方向の肉厚が、それに垂直な方向の肉厚より厚くなるように設定する。換言すれば、溝部60と雌ねじ部40との間の肉厚は、ボルト33からみて、分割面24におけるクランク軸方向(図7bにおける上下方向)よりも、分割面24におけるクランク軸方向に直交する方向(図7bにおける左右方向)の方が薄くなるように設定する。いずれの構成も、最高応力が発生するクランクピン側の雌ねじ部40の剛性を低減し、応力を緩和する上で有利な構成である。
そして、図8に示すように、溝60がない側の分割面24に凹部61を形成するようにしてもよい。すなわち、図8に示す実施形態では、雌ねじ部40が形成されていないロアリンク構造部材の分割面24に、凹部61が形成されている。そして、雌ねじ部40の分割面側の端面が、雌ねじ部40が形成されているロアリンク構造部材の分割面24と一致するよう形成されている。
図8のような構成とすれば、雌ねじ部40が長く取れるため、ねじ噛み合い最終端の応力が低減される。また、雌ねじ部40高さが分割面24と同じになるため、加工が容易になる。
また、図9に示すように、溝60をロアリンクアッパ31とロアリンクロア32の双方に跨るように形成することも可能である。この場合、ロアリンクアッパ31とロアリンクロア32の双方に嵌め合うことが可能な円筒形状のカラー部材62を溝60に挿入する。このカラー部材62は位置決め機能を有するため、図9に示すように、コントロールピン側のノックピン43及びノックピン穴45が不要になるため、ロアリンク4外径を相対的に縮小することが可能になり、小型かつ軽量にすることができる。
図10は、カラー部材62と、カラー部材62が嵌め合う穴、すなわち溝60との寸法関係を示している。0<β<αの場合、両側が圧入され、かつ、片側の圧入代が大きくなる。この場合、組み外したときに、必ず圧入代が大きいほうにカラー部材62が圧入された状態となるため、再組み込み時の混乱を防げる。また、−α+βをゼロに近づけることで、手作業でも嵌め合うことが可能になるため、組み込み時の作業性が向上する。尚、Dはカラー部材62の外径である。β=0の場合においては、図11に示すように、カラー部材62に微小なテーパ(クラウニング)を設けることで、圧入圧力に差をつけることができる。
また、図12に示すように、溝60をロアリンクアッパ31及びロアリンクロア32の双方に跨って形成する場合、図12に示すように、雌ねじ部40の形成されたロアリンク構成部材側が、雌ねじ部40の形成されていないロアリンク構成部材側に比べて深くなるよう形成すれば、被締結体であるロアリンクアッパ31、ロアリンクロア32の剛性を確保することで、図13及び図14に示すように、ボルト33bへの荷重入力を低減することができる。尚、図12おいては、凹部61も、ロアリンクアッパ31とロアリンクロア32の双方の形成されている。また、カラー部材62の溝60への圧入代は、雌ねじ部の形成されていないロアリンク構成部材側に対して、雌ねじ部の形成されている側のロアリンク構成部材側の方が大きくなっている。図13は、被締結体の剛性が小さい場合における被締結体とボルトとの入力荷重に対する荷重分担を模式的に示した説明図である。図14は、被締結体の剛性が大きい場合における被締結体とボルトとの入力荷重に対する荷重分担を模式的に示した説明図である。
そして、ロアリンクアッパ31とロアリンクロア32とを締結するボルト33a、33bのうち、一方をリーマボルトとし、他方のボルトの周囲にロアリンクアッパ31とロアリンクロア32の双方に跨る溝60を形成し、カラー部材62を配置するようにしてもよい。
また、カラー部材62を使用する場合には、カラー部材62で座面滑りを抑えるため、ロアリンクアッパ31とロアリンクロア32とを締結するボルト33a、33bの軸線が分割面24に対して直交しないように設定してもよい。
そして、カラー部材62の軸心に対して、ボルト33の軸心が前記クランクピン軸受部側に位置するよう設定すれば、クランクピン側の面圧が、その周囲に比べて高くなるため、分割面24の口開きを抑制することができ、強度を向上させることができる。
また、雌ねじ部40の分割面24側に端部に面取りを行う場合、噛み合い開始位置が分割面から遠ざかるため、この噛み合い開始位置よりも溝の深さを大きくなるなるよう、雌ねじ部40の完全ねじ部分の内径よりも内径が大きくなる面取りされた雌ねじ部40の不完全ねじ部分の深さより、溝60が深くなるよう設定することが好ましい。
上述した実施形態から把握し得る本発明の技術的思想について、その効果とともに列記する。
(1) ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構であって、前記ロアリンクは、前記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、前記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、前記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、前記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、前記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクアッパと、前記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクロアと、に分割構成され、かつ一方の貫通孔を通して他方の雌ねじ部に螺合するボルトによって前記ロアリンクアッパと前記ロアリンクロアとが締結された内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、雌ねじ部近傍の分割面に溝が設けられていると共に、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位に凹部を設け、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位が他方の分割面に接しないように構成されている。これによって、溝付近のねじ噛み合い部の剛性低減により、溝付近の噛み合い開始部でのボルト軸力の荷重分担が低減され、応力低減によりボルト疲労強度が向上する。また、分割面におけるロアリンクアッパとロアリンクロアとの接触開始位置が、ボルトから離れた位置となるため、口開きを起こしやすい分割面最外周部での面圧が向上し、口開きを抑制できる。
(2) 前記(1)の記載の複リンク式ピストンクランク機構において、雌ねじ部と分割面が構成する角に面取りを設け、完全ねじ部雌ねじ内径よりも内径が大きくなる面取り部不完全ねじ部深さより、前記溝が深くなるよう形成されている。面取りを設けることにより、雌ねじ部の加工時に発生するバリが除去され、強度の安定を図れるが、その場合、噛み合い開始位置が分割面から遠ざかるため、この噛み合い開始位置よりも溝の深さを大きくとることで、上記(1)と同じ効果が得られる。
(3) 前記(1)または(2)に記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、前記溝をボルト外周全域に設け、前記ボルトの中心位置と前記溝の最外輪郭の距離がクランク軸方向に比してそれに垂直な方向の方が大きくなっている。溝をクランク軸方向に狭くすることにより、クランクピン長さが短くなり、クランクシャフト剛性が向上する。
(4) 前記(1)〜(3)のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、前記溝の深さは、前記ボルトからみて、前記分割面におけるクランク軸方向よりも、前記分割面におけるクランク軸方向に直交する方向の方が大きくなっている。ロアリンクに作用する入力荷重による発生モーメントは、クランク軸方向周りのモーメントが支配的であるため、ネジ発生応力はネジ円筒円周上のクランクピン軸受側で大きくなる。この高応力付近の座繰り深さを大きくとることで、ネジ噛み合い部の剛性が低減されて、荷重分担・応力が低減され、ボルト疲労強度が向上する。
(5) 前記(1)〜(4)のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、前記溝部は、前記雌ねじ部が設けられたロアリンク構成部材側に形成され、前記溝部と前記雌ねじ部とが形成されたロアリンク構成部材における前記溝部と前記雌ねじ部との間の肉厚は、前記ボルトからみて、前記分割面におけるクランク軸方向よりも、前記分割面におけるクランク軸方向に直交する方向の方が薄くなっている。溝と雌ねじ部との間の肉厚を薄くすることで雌ねじ部の高応力部位の剛性、荷重分担、応力を低減するため、リンクのクランク軸方向と垂直な方向の合わせ面サイズを小さくすることが可能となり、リンクの小型化、軽量化を図ることができる。
(6) 前記(1)または(2)に記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、前記雌ねじ部が形成されていないロアリンク構造部材の分割面に、前記凹部が形成され、前記雌ねじ部の前記分割面側の端面が、雌ねじ部が形成されているロアリンク構造部材の分割面と一致するよう形成されている。ねじ噛み合い長さを大きくとることが可能となるため、ねじ最終噛み合いの応力が低減され、雌ねじ部の疲労強度が向上する。
(7) 前記(1)、(2)及び(6)のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、前記溝は、前記ロアリンクアッパ及び前記ロアリンクロアの双方に跨って形成され、前記溝の最外輪郭が円形を成し、前記溝のロアリンクアッパ側及びロアリンクロア側の外径はおおよそ同じ径に設定され、当該溝のロアリンクアッパ側及びロアリンクロア側の双方に嵌めあう事が可能であるカラー部材を有する。位置決め用のノックピンを廃止し、カラー部材で代用することで、ロアリンク外形を小さくすることが可能となり、ロアリンクの小型化、軽量化を図ることができる。
(8) 前記(1)、(2)、(6)及び(7)のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、前記ロアリンクアッパ及び前記ロアリンクロアの双方に跨って形成された前記溝は、雌ねじ部の形成されたロアリンク構成部材側が、雌ねじ部の形成されていないロアリンク構成部材側に比べて深くなるよう形成されている。これによって、被締結体の剛性を高く維持することが可能となり、外力による荷重分担を被締結部に負担させ、ボルトの応力が低減され、強度が向上する。
(9) 前記(7)に記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、前記カラー部材は、前記ロアリンクロアと前記ロアリンクアッパの両方に圧入される寸法となっており、一方は他方に比べて圧入圧力が小さい、軽圧入となっている。これによって、組込み時に、一度嵌め合ったカラー部材と溝が一体となることで、クランクシャフトへの組込み作業およびボルト締結の作業性が向上する。
(10) 前記(9)に記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、前記カラー部材の圧入圧力の大きい方が嵌め合い長さが大きくなるよう設定されている。圧入圧力が大きく、嵌め合い長さが大きい方が、リンクとカラー部材との間の摩擦力が大きくなるため、分解作業を行った際に、必ず決まった方にカラー部材が圧入された状態となるため、再組込み時の作業間違いを防ぐことができる。
(11) 前記(7)、(9)及び(10)のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、前記カラー部材円筒状を呈し、該カラー部材の軸心に対して、前記ボルトの軸心が前記クランクピン軸受部側に位置するよう設定されている。これによって、クランクピン側の面圧が、その周囲に比べて高くなるため、あわせ面の口開きを抑制することができ、強度が向上する。
(12) 前記(7)、(9)、(10)及び(11)のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、前記ロアリンクアッパと前記ロアリンクロアとは、前記クランクピン軸受部側を挟んで配置されるアッパリンク側ボルト及びロアリンク側ボルトによって締結され、該アッパリンク側ボルトと該コントロールリンク側ボルトのうち、一方ボルトによる締結部位には前記カラー部材を用い、他方のボルトにリーマボルトを用いる。リーマボルトを用いることで、カラー部材を用いる場合よりも部品点数を低減し、コストを低減することができる。
4…ロアリンク
24…分割面
31…ロアリンクアッパ
32…ロアリンクロア
40…雌ねじ部
60…溝
61…凹部
62…カラー部材

Claims (12)

  1. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構であって、
    前記ロアリンクは、前記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、前記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、前記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、前記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、前記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクアッパと、前記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクロアと、に分割構成され、かつ一方の貫通孔を通して他方の雌ねじ部に螺合するボルトによって前記ロアリンクアッパと前記ロアリンクロアとが締結された内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、
    雌ねじ部近傍のクランクピン側の分割面にのみ溝が設けられていると共に、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位に凹部を設け、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位が他方の分割面に接しないように構成されていることを特徴とする内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  2. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構であって、
    前記ロアリンクは、前記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、前記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、前記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、前記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、前記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクアッパと、前記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクロアと、に分割構成され、かつ一方の貫通孔を通して他方の雌ねじ部に螺合するボルトによって前記ロアリンクアッパと前記ロアリンクロアとが締結された内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、
    雌ねじ部近傍の分割面に溝が設けられていると共に、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位に凹部を設け、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位が他方の分割面に接しないように構成され
    前記溝をボルト外周全域に設け、前記ボルトの中心位置と前記溝の最外輪郭の距離がクランク軸方向に比してそれに垂直な方向の方が大きくなっていることを特徴とする内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  3. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構であって、
    前記ロアリンクは、前記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、前記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、前記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、前記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、前記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクアッパと、前記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクロアと、に分割構成され、かつ一方の貫通孔を通して他方の雌ねじ部に螺合するボルトによって前記ロアリンクアッパと前記ロアリンクロアとが締結された内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、
    雌ねじ部近傍の分割面に溝が設けられていると共に、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位に凹部を設け、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位が他方の分割面に接しないように構成され
    前記溝の深さは、前記ボルトからみて、前記分割面におけるクランク軸方向よりも、前記分割面におけるクランク軸方向に直交する方向の方が大きくなっていることを特徴とする内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  4. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構であって、
    前記ロアリンクは、前記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、前記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、前記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、前記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、前記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクアッパと、前記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクロアと、に分割構成され、かつ一方の貫通孔を通して他方の雌ねじ部に螺合するボルトによって前記ロアリンクアッパと前記ロアリンクロアとが締結された内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、
    雌ねじ部近傍の分割面に溝が設けられていると共に、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位に凹部を設け、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位が他方の分割面に接しないように構成され
    前記溝部は、前記雌ねじ部が設けられたロアリンク構成部材側に形成され、前記溝部と前記雌ねじ部とが形成されたロアリンク構成部材における前記溝部と前記雌ねじ部との間の肉厚は、前記ボルトからみて、前記分割面におけるクランク軸方向よりも、前記分割面におけるクランク軸方向に直交する方向の方が薄くなっていることを特徴とする内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  5. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構であって、
    前記ロアリンクは、前記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、前記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、前記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、前記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、前記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクアッパと、前記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクロアと、に分割構成され、かつ一方の貫通孔を通して他方の雌ねじ部に螺合するボルトによって前記ロアリンクアッパと前記ロアリンクロアとが締結された内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、
    雌ねじ部近傍の分割面に溝が設けられていると共に、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位に凹部を設け、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位が他方の分割面に接しないように構成され
    前記雌ねじ部が形成されていないロアリンク構造部材の分割面に、前記凹部が形成され、
    前記雌ねじ部の前記分割面側の端面が、雌ねじ部が形成されているロアリンク構造部材の分割面と一致するよう形成されていることを特徴とする内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  6. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構であって、
    前記ロアリンクは、前記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、前記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、前記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、前記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、前記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクアッパと、前記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクロアと、に分割構成され、かつ一方の貫通孔を通して他方の雌ねじ部に螺合するボルトによって前記ロアリンクアッパと前記ロアリンクロアとが締結された内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、
    雌ねじ部近傍の分割面に溝が設けられていると共に、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位に凹部を設け、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位が他方の分割面に接しないように構成され
    前記溝は、前記ロアリンクアッパ及び前記ロアリンクロアの双方に跨って形成され、
    前記溝の最外輪郭が円形を成し、前記溝のロアリンクアッパ側及びロアリンクロア側の外径はおおよそ同じ径に設定され、
    当該溝のロアリンクアッパ側及びロアリンクロア側の双方に嵌めあう事が可能であるカラー部材を有することを特徴とする内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  7. 前記カラー部材は、前記ロアリンクロアと前記ロアリンクアッパの両方に圧入される寸法となっており、一方は他方に比べて圧入圧力が小さい、軽圧入となっていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  8. 前記カラー部材の圧入圧力の大きい方が嵌め合い長さが大きくなるよう設定されていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  9. 前記カラー部材円筒状を呈し、該カラー部材の軸心に対して、前記ボルトの軸心が前記クランクピン軸受部側に位置するよう設定されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  10. 前記ロアリンクアッパと前記ロアリンクロアとは、前記クランクピン軸受部側を挟んで配置されるアッパリンク側ボルト及びロアリンク側ボルトによって締結され、該アッパリンク側ボルトと該コントロールリンク側ボルトのうち、一方ボルトによる締結部位には前記カラー部材を用い、他方のボルトにリーマボルトを用いることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  11. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構であって、
    前記ロアリンクは、前記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、前記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、前記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、前記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、前記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクアッパと、前記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンク構成部材であるロアリンクロアと、に分割構成され、かつ一方の貫通孔を通して他方の雌ねじ部に螺合するボルトによって前記ロアリンクアッパと前記ロアリンクロアとが締結された内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構において、
    雌ねじ部近傍の分割面に溝が設けられていると共に、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位に凹部を設け、前記溝と前記ボルトとで挟まれる部位が他方の分割面に接しないように構成され
    前記ロアリンクアッパ及び前記ロアリンクロアの双方に跨って形成された前記溝は、雌ねじ部の形成されたロアリンク構成部材側が、雌ねじ部の形成されていないロアリンク構成部材側に比べて深くなるよう形成されていることを特徴とする内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
  12. 雌ねじ部と分割面が構成する角に面取りを設け、完全ねじ部雌ねじ内径よりも内径が大きくなる面取り部不完全ねじ部深さより、前記溝が深くなるよう形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の内燃機関の複リンク式ピストンクランク機構。
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