JP4941231B2 - マルチリンクエンジンのリンクジオメトリ - Google Patents

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この発明は、マルチリンクエンジンのリンクジオメトリに関する。
ピストンピンとクランクピンとを複数のリンクで連結したエンジン(以下では「マルチリンクエンジン」という)が開発されつつある。このようなマルチリンクエンジンは、シリンダ内を往復動するピストンにピストンピンを介して連結されるアッパリンクと、クランクシャフトのクランクピンに回転自由に装着されるとともに、アッパピンを介してアッパリンクに連結されるロアリンクと、そのロアリンクにコントロールピンを介して連結され、揺動中心ピンを中心として揺動するコントロールリンクと、を備える。
このようなマルチリンクエンジンには、ピストンとクランクシャフトとをひとつのリンク(すなわちコンロッド)で連結するエンジン(これは通常のエンジンであるが、このようなエンジンをマルチリンクエンジンに対比して以下では「シングルリンクエンジン」と称する)に比較して、トップデッキ高さ(全高)を高くすることなくロングストローク化しやすいという特性がある。このような特性を活用する技術が研究されている。たとえば特許文献1では、ピストンの必要最小限にのみ摺動部(ピストンスカート)を形成する。またシリンダライナには欠損部を設け、クランクシャフトのカウンタウェイトやリンク部品が通過できるようにする。このようにすることで、シリンダライナ下端及びピストン下死点の位置を低くすることができ、エンジン全高を高くすることなくロングストローク化している。なお他に関連する特許文献としては、特許文献2、特許文献3、特許文献4がある。
特開2006−183595号公報 特開2001−227367号公報 特開2002−61501号公報 特開2005−147068号公報
しかしながらこのように、シリンダライナ下端に欠損部を形成すると、その欠損部周辺のシリンダライナの剛性が弱くなる。その一方で、シリンダライナの面積が小さくなる分、欠損部周辺ではシリンダライナにかかる面圧が高くなる。そのためピストンのスラスト荷重が大きいと、シリンダライナが変形し、シリンダライナとピストンスカートとの接触状態が悪化する可能性がある。またピストンのスラスト荷重が大きいと、シリンダライナの欠損部のエッジによってピストンスカートの潤滑油膜が掻き取られてしまう可能性もある。
本発明は、本件発明者らによって見出されたこれらの課題に着目してなされたものであり、シリンダライナ下端に欠損部が形成されているなどしてシリンダライナの剛性が弱くても、シリンダライナの変形を生じさせないマルチリンクエンジンのリンクジオメトリを提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、シリンダ内を往復動するピストン(32)と、前記ピストンにピストンピン(21)を介して連結されるアッパリンク(11)と、クランクシャフト(33)のクランクピン(33b)に回転自由に装着されるとともに、前記アッパリンク(11)にアッパピン(22)を介して連結されるロアリンク(12)と、前記ロアリンク(12)にコントロールピン(23)を介して連結され、揺動中心シャフト(24)を中心として揺動するコントロールリンク(13)と、を有するマルチリンクエンジンのリンクジオメトリであって、前記クランクシャフト(33)のクランクピン(33b)は、前記アッパピン(22)と前記コントロールピン(23)とを結ぶ線上に配置され、前記クランクシャフト(33)のクランクジャーナル(33a)の軸心を通りシリンダ軸線に対して直交する横軸(X軸)と、前記コントロールピン(23)の中心及び前記アッパピン(22)の中心を結んだ線と、が成す角度は、ピストン上死点時とピストン下死点時とで同一であり、前記コントロールピンの位置は、ピストン上死点時とピストン下死点時とで同一であって前記横軸上であり、前記アッパピンの移動軌跡の最下点は、シリンダ軸線の直下であり、前記揺動中心シャフトは、クランクシャフトのクランクジャーナルよりも下方、かつそのクランクジャーナルを中心としてシリンダ中心軸の反対側に位置するように配置され、エンジンブロックボディと、そのエンジンブロックボディにボルトで締結された揺動中心シャフト支持キャップと、の間に回転自在に軸支されており、前記ピストンが上死点近傍のタイミングのとき、及び、下死点近傍のタイミングのときに、前記コントロールリンクの中心軸がシリンダ中心軸と平行になり、前記ピストンは、下死点にあるときに最下部がシリンダライナの下端の最下部よりも下方に位置する、ことを特徴とする。
本発明によれば、クランクシャフトのクランクピンは、アッパピンとコントロールピンとを結ぶ線上に配置されるとともに、クランクシャフトのクランクジャーナルの軸心を通りシリンダ軸線に対して直交する横軸(X軸)と、コントロールピンの中心及びアッパピンの中心を結んだ線と、が成す角度は、ピストン上死点時とピストン下死点時とで略同一になるようにした。このようにしたので、アッパピンの移動軌跡が縦長楕円になり、ピストンが下死点で折り返し上昇に転じるときに、ピストンに作用する慣性力の反力のシリンダ半径方向(スラスト方向)成分が小さくなる。そのためピストンをシリンダライナに押し付けるスラスト力が小さく、シリンダライナの変形や、ピストンスカートの潤滑油膜不足を防止できるのである。またアッパピンの移動軌跡が縦長楕円になることで、アッパピンの移動を効率よくエンジンストローク量に関連づけることができ、換言すればエンジンのコンパクト化を図れるのである。
以下では図面等を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
まず最初に図1を参照してマルチリンクエンジンについて説明する。図1はピストン32が下死点にあるときの状態を示している。なお図1はクランクシャフトの軸方向から見た図である。エンジンの当業者においては重力方向とは別に上死点/下死点という表現が慣用されている。水平対向エンジン等においては、必ずしも上死点が重力方向の上/下死点が重力方向の下になるとは限らないし、また仮にエンジンを倒立した場合には、上死点が重力方向の下/下死点が重力方向の上になるが、本明細書においては、慣習にしたがい、上死点側を上、下死点側を下、とした。
マルチリンクエンジン10は、ピストン32とクランクシャフト33とが2つのリンク(アッパリンク11、ロアリンク12)で連結される。またロアリンク12には、コントロールリンク13が連結される。
アッパリンク11は、上端をピストンピン21を介してピストン32に連結し、下端をアッパピン22を介してロアリンク12の一端に連結する。ピストン32は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック41に設けられたシリンダライナ41aの内部を往復動する。ピストン32が下死点にあるときは、図1に示されているようにアッパリンク11はシリンダ軸線と略平行な姿勢になる。またピストン32の最下部が、シリンダライナ41aの下端の最下部よりも下方に位置している。
ここで図2を参照してシリンダライナ41aについて説明する。図2(A)は図1のシリンダライナ41aの左内側面をシリンダ軸線から見た縦断面図であり、図2(B)は図1のシリンダライナ41aの右内側面をシリンダ軸線から見た縦断面図である。
図2(A)に示されているように、シリンダライナ41aの左内側の下端には、クランクシャフト33のカウンタウェイトを通過させるための欠損部41bと、ロアリンク12を通過させるための欠損部41cと、が形成されている。このためシリンダライナ41aの下端のシリンダ軸方向の高さは、一定ではなく、高さが異なる。なお本実施形態では、欠損部41bのほうが、欠損部41cよりも深く形成されている。
また図2(B)に示されているように、シリンダライナ41aの右内側の下端には、アッパリンク11を通過させるための欠損部41dが形成されている。このためシリンダライナ41aの下端のシリンダ軸方向の高さは、一定ではなく、高さが異なる。
再び図1に戻る。ロアリンク12は、一端をアッパピン22を介してアッパリンク11に連結し、他端をコントロールピン23を介してコントロールリンク13に連結する。また、ロアリンク12は、ほぼ中央の連結孔に、クランクシャフト33のクランクピン33bを挿入し、クランクピン33bを中心軸として回転する。ロアリンク12は左右の2部材に分割可能に構成される。アッパピン22の中心と、コントロールピン23の中心と、クランクピン33bの中心と、は、クランクシャフトの軸方向から見てほぼ一直線上に並ぶ。このような位置関係にした理由については、後述する。クランクシャフト33は、複数のクランクジャーナル33aとクランクピン33bとを備える。クランクジャーナル33aは、シリンダブロック41及びラダーフレーム42によって回転自在に支持される。クランクピン33bは、クランクジャーナル33aから所定量偏心しており、ここにロアリンク12が回転自在に連結する。
コントロールリンク13は、先端にコントロールピン23を挿入し、ロアリンク12に回動可能に連結する。またコントロールリンク13の他端は、揺動中心シャフト24を中心に揺動可能である。揺動中心シャフト24は、揺動中心シャフト支持キャリア43及び揺動中心シャフト支持キャップ44によって回転自在に支持される。揺動中心シャフト支持キャリア43及び揺動中心シャフト支持キャップ44は、ボルト45でラダーフレーム42に共締めされている。なお本実施形態では、シリンダブロック41,ラダーフレーム42及び揺動中心シャフト支持キャリア43が特許請求の範囲のエンジンブロックボディに相当する。そしてたとえば揺動中心シャフト24を偏心軸にして(コントロールリンク13の他端を偏心部分に連結し)揺動中心シャフト24の偏心位置を移動すればコントロールリンク13の揺動中心が変更し、ピストン32の上死点位置が変更される。これによって圧縮比を機械的に調整することが可能である。
揺動中心シャフト24は、クランクジャーナル33aの中心よりも下方に位置する。また揺動中心シャフト24は、クランクジャーナル33aを中心としてシリンダ中心軸の反対側に位置する。すなわちクランクシャフトの軸方向から見た場合において、クランクシャフト33(クランクシャフトジャーナル33a)の中心を通り、かつ、シリンダ軸と平行な直線を引いた時に、揺動中心シャフト24はこの直線に対してシリンダ中心軸のある側とは反対側に位置する。図1では、シリンダ中心軸はクランクジャーナル33aよりも右にあり、揺動中心シャフト24はクランクジャーナル33aよりも左に位置する。このような位置に揺動中心シャフト24を配置した理由は後述する。
図3はピストンが上死点にあるときの状態を示す図であって、図3(A)は縦断面を示し、図3(B)はリンクジオメトリを示す。図4はピストンが下死点にあるときの状態を示す図であって、図4(A)は縦断面を示し、図4(B)はリンクジオメトリを示す。図3(B)と図4(B)において、実線は低圧縮比の状態を示し、破線は高圧縮比の状態を示す。
上述のように、アッパピン22の中心と、コントロールピン23の中心と、クランクピン33bの中心と、は、クランクシャフトの軸方向から見てほぼ一直線上に並ぶ。そして図3(B)に示すように、クランクピン33bの中心とアッパピン22の中心との距離d1、クランクピン33bの中心とコントロールピン23の中心との距離d2、クランクジャーナル33aの軸心を通りシリンダ軸線と平行な縦軸(Y軸)からピストンピン21までの距離L1、Y軸から揺動中心シャフト24までの距離L2、の間には略次式(1)の関係が成立するように各リンクを配置した。
Figure 0004941231
つまり、クランクピンの中心とアッパピンの中心との距離に対する、クランクピンの中心とコントロールピンの中心との距離の比が、クランクジャーナルの軸心を通りシリンダ軸線と平行な縦軸(Y軸)からピストンピンまでの距離に対する、クランクジャーナルの軸心を通りシリンダ軸線と平行な縦軸(Y軸)から揺動中心シャフトまでの距離の比と、略等しい。
また、クランクジャーナル33aの軸心を通りシリンダ軸線と直交する横軸(X軸)と、コントロールピン23の中心及びアッパピン22の中心を結んだ線と、が、ピストン32が上死点にあるときに成す角度θ1(図3(B)参照)と、ピストン32が下死点にあるときに成す角度θ2(図4(B)参照)と、が、同角度になるようにした。すなわちθ1=θ2となるようにした。
さらに、コントロールピン23の位置は、ピストン32が上死点にあるときと、ピストン32が下死点にあるときと、で、略同位置(望ましくは同位置)になるように各リンクを配置した。さらにそのときのコントロールピン23の中心が、横軸(X軸)上に位置するように各リンクを配置した。
さらにまたアッパピン22の移動軌跡の最下点がシリンダ軸線のほぼ直下になるようにした。
そしてさらに揺動中心シャフト24の位置は、ピストン32が上死点に位置するときに、コントロールリンク13の中心軸が略直立、望ましくは直立するような位置になるとともに(図3)、ピストン32が下死点に位置するときに、コントロールリンク13の中心軸が略直立、望ましくは直立するような位置になるように各リンクを配置した(図4)。なお、コントロールリンク13の中心軸は、クランクシャフトの軸方向から見た場合において、揺動中心シャフト24の偏心位置の中心とコントロールピン23の中心とを結んだ直線として定義することができる。
以上のように各リンクを配置した理由について説明する。
はじめに(1)式の関係が成立するように各リンクを配置した理由について説明する。
ピストンピン21にシリンダ軸方向に作用する荷重F1,揺動中心シャフト24にシリンダ軸方向に作用する荷重F2とすると、次式(2)の関係が成立する。
Figure 0004941231
したがって次式(3)が成立する。
Figure 0004941231
したがって上式(1)が成立するように各リンクを配置することで、クランクシャフト回りのモーメントが発生しない。エンジンにガスの燃焼による大荷重が作用する際には、燃焼ガスの圧力がシリンダヘッドを介してシリンダヘッドを上方に持ち上げようとする力と、燃焼ガスの圧力がリンク機構を通じて揺動中心シャフト24を介してシリンダブロック41を上方に持ち上げようとする力と、クランクシャフト33を介してシリンダブロック41を下方に押し下げようとする力と、が作用する。このうち、シリンダヘッドからの上方の力(荷重F1)によってシリンダブロック41に発生するクランクシャフト回りに発生するモーメントと、揺動中心シャフト24からの上方の力(荷重F2)によって発生するクランクシャフト回りのモーメントと、は、上式(3)に示したように、大きさがほぼ同じで向きが反対になるので、打ち消しあう。そのため、筒内圧荷重によってシリンダブロックに対してクランクシャフト回りのモーメントが生じてシリンダブロックにねじり振動が発生することを抑制できるのである。
続いて、コントロールピン23の配置位置や、θ1=θ2、とした理由について説明する。
図5はクランク角に対するピストン変位及びピストン加速度を示す図である。
マルチリンクエンジンには、連桿比λ(=アッパリンク長l/クランク半径r)が、過大ではなく一般的な値(2.5〜4程度)であっても、図5(A)に示すように、シングルリンクエンジンに比べて、ピストンが上死点付近にあるときは所定クランク角度変化に対するピストン移動量が小さく、下死点付近にあるときはピストン移動量が大きい、という特性がある。そしてピストンの移動加速度は、図5(B)のようになる。すなわちマルチリンクエンジンでは、シングルリンクエンジンに比べて、上死点付近ではピストン移動加速度が小さくなり、下死点付近ではピストン移動加速度が大きくなっており単振動に近い特性になっているのである。
このようにマルチリンクエンジンでは、特にピストン下死点付近においてシングルリンクエンジンに比べてピストン加速度が大きくなっているが、さらにマルチリンクエンジンでは、シングルリンクエンジンに比べて構成部品点数が増加しており、慣性マスが増えることから、ピストン下死点付近における慣性力が大きいのである。
ピストン32が下死点で折り返し上昇に転じるときに、ピストン32は、慣性力の反力をアッパリンク11から受ける。この反力の方向はアッパリンク11の軸線方向に一致し、シリンダ軸線方向成分とシリンダ半径方向(スラスト方向)成分とに分けて考えることができる。このうちのシリンダ半径方向成分によってピストン32がシリンダライナ41aに押し付けられることとなる。
上述のように、ピストン32は下死点付近にあるときに、最下部がシリンダライナ41aよりも下方に位置しており、摺動面積が小さい。さらにマルチリンクエンジンは、上述の通り、ピストンストロークをロングストローク化できるという特性があり、シリンダライナ41aの下部には欠損部が形成されているので、ピストン32とシリンダライナ41aとの摺動面積がさらに小さくなる。
したがって、ピストン32がシリンダライナ41aに押し付けられると、シリンダライナ41aの剛性が弱くなっている欠損部周辺の面圧が上がり、シリンダライナ41aが変形し、シリンダライナ41aとピストンスカートとの接触状態が悪化する可能性がある。またピストン32のスラスト荷重が大きいと、シリンダライナ41aの欠損部のエッジによってピストンスカートの潤滑油膜が掻き取られてしまう可能性もある。
ところが本実施形態では、シリンダ軸線と直交しかつクランクジャーナル33aの軸心を通る横軸(X軸)と、コントロールピン23の中心及びアッパピン22の中心を結んだ線と、が、ピストン32が上死点にあるときに成す角度θ1(図3(B)参照)と、ピストン32が下死点にあるときに成す角度θ2(図4(B)参照)と、が、同角度になるようにした。すなわちθ1=θ2となるようにした。このようにすることで、アッパピン22の移動軌跡は、図3(B)や図4(B)に示すように縦長楕円になる。すると、ピストン32が下死点で折り返し上昇に転じるときに、ピストン32に作用する慣性力の反力のシリンダ半径方向(スラスト方向)成分が小さくなる。そのためピストン32をシリンダライナ41aに押し付けるスラスト力が小さく、シリンダライナ41aの変形や、ピストンスカートの潤滑油膜不足を防止できるのである。
またもしアッパピン22の移動軌跡の楕円が寝ていれば、それだけピストンストローク量が減ってしまう。逆に言えば、同一ピストンストローク量を得るために、アッパピン22の移動軌跡を拡大する必要が生じ、エンジンが大形化する。ところが本実施形態では、θ1=θ2とすることで、アッパピン22の移動軌跡が縦長楕円になり、アッパピン22の移動を効率よくエンジンストローク量に関連づけることができ、換言すればエンジンのコンパクト化を図れたのである。
さらに、コントロールピン23の位置は、ピストン32が上死点にあるときと、ピストン32が下死点にあるときと、で、同位置になるように各リンクを配置し、さらにそのときのコントロールピン23の中心が、横軸(X軸)上に位置するように各リンクを配置すれば、アッパピン22の縦長楕円軌跡がさらに直立するようになり、一層大きな効果が得られるのである。
その上、アッパピン22の移動軌跡の最下点がシリンダ軸線のほぼ直下になるようにすることで、ピストン32が下死点にあるときに、アッパリンク11の軸線方向がシリンダ軸線方向に略一致する。したがってピストン32が下死点で折り返し上昇に転じるときに、ピストン32に作用する慣性力の反力は、ほぼシリンダ軸線方向成分のみであり、シリンダ半径方向(スラスト方向)成分はほとんどない。そのためピストン32をシリンダライナ41aに押し付けるスラスト力はほとんど発生しない。よってシリンダライナ41aの変形や、ピストンスカートの潤滑油膜不足をさらに効果的に防止できるのである。
なお上述のように、揺動中心シャフト24を偏心軸にして揺動中心シャフト24の偏心位置を移動すればコントロールリンク13の揺動中心が変更し、ピストン32の上死点位置が変更される。これによって圧縮比を機械的に調整することが可能である。このような場合には、高負荷運転において圧縮比を下げるとよい。高負荷では機械圧縮比を下げつつ吸気弁閉時期を下死点近傍にすることで、出力確保とノッキング防止の両立が図れるからである。また低負荷運転において圧縮比を上げるとよい。低負荷では機械圧縮比を高めつつ、吸気弁閉時期を下死点から離すと共に排気弁開時期を下死点近傍にすることで、膨張比を大きくして排気損失を減らすことができるからである。そして、そのような高負荷運転においては、ピストン32をシリンダライナ41aに押し付けるスラスト力が大きくなりやすい。そこで、高圧縮比側よりも低圧縮比側でθ1とθ2の差が小さくなるように、すなわち、θ1(図3(B)参照)とθ2(図4(B)参照)とが、低圧縮比側で互いに近い値をとるようにするとよい(低圧縮比の実線で画成されるθ1とθ2はほぼ同じ角度となっており、その差はほぼ0に近いのに対し、高圧縮比の破線で画成されるθ1とθ2には、低圧縮比の場合に比較して大きな差がある)。このようにすれば、特に高負荷運転時に適した低圧縮比側において、ピストン32をシリンダライナ41aに押し付けるスラスト力を低減する、という効果が一層大きくなるのである。
また揺動中心シャフト24の位置は、上述のように、揺動中心シャフト24の位置は、ピストン32が上死点に位置するときに、コントロールリンク13の中心軸が略直立、望ましくは直立するような位置になるとともに(図3)、ピストン32が下死点に位置するときに、コントロールリンク13の中心軸が略直立、望ましくは直立するような位置になるように各リンクを配置した(図4)。また揺動中心シャフト24がクランクジャーナル33aよりも下方、かつクランクジャーナル33aを中心としてシリンダ中心軸の反対側に位置するようにした。以下ではこのようにした理由について説明する。まず初めに理解を容易にするために、図6のエンジンブロックの縦断面図を参照してエンジンブロックについて説明する。
ラダーフレーム42は、シリンダブロック41にボルト締めされる。ラダーフレーム42及びシリンダブロック41で形成された孔40aに、クランクシャフト33のクランクジャーナル33aが回転自在に支持される。ラダーフレーム42とシリンダブロック41との当接面は、シリンダ中心軸に直交する。またラダーフレーム42とシリンダブロック41とを締結するボルトの中心軸は、その当接面に直交する。すなわちボルト中心軸はシリンダ中心軸に平行である。
揺動中心シャフト支持キャリア43及び揺動中心シャフト支持キャップ44は、ラダーフレーム42にボルト45に共締めされる。なお図6では、ボルト45の中心線を一点鎖線で示した。揺動中心シャフト支持キャリア43及び揺動中心シャフト支持キャップ44で形成された孔40bに、揺動中心シャフト24が回転自在に支持される。揺動中心シャフト支持キャリア43とラダーフレーム42との当接面は、シリンダ中心軸に直交する。揺動中心シャフト支持キャップ44と揺動中心シャフト支持キャリア43との当接面も、シリンダ中心軸に直交する。ボルト45の中心軸は、それらの当接面に直交する。すなわちボルト45の中心軸はシリンダ中心軸に平行である。
このような構成で揺動中心シャフト24を支持する場合には、ピストン32に作用する燃焼圧や慣性力などによる荷重が、各リンクを介して揺動中心シャフト24に伝達し、揺動中心シャフト24を下方に押し下げる方向に作用すると、揺動中心シャフト支持キャップ44が揺動中心シャフト支持キャリア43から位置ズレを生じるなど、いわゆる口開きという現象が生じる可能性がある。ピストン32に作用する燃焼圧や慣性力などによる荷重は、ピストンが上死点近傍又は下死点近傍にあるときに、最大となる。このとき、コントロールリンク13が直立(すなわちシリンダ軸線に平行)であれば、揺動中心シャフト24はコントロールリンク13の軸線方向(すなわち真下)に押し下げられ、その押し下げ力はボルト45で受けられる。しかしながら、コントロールリンク13が傾斜していると、揺動中心シャフト24はコントロールリンク13の軸線方向に押し下げられる。コントロールリンク13が傾斜していると、その押し下げ力のうち、ボルト45の軸線方向に一致する成分はボルト45で受けられ、ボルト45の軸線方向に直交する成分は揺動中心シャフト支持キャップ44を揺動中心シャフト支持キャリア43から位置ズレさせる成分として作用する。そのため、上述のように、揺動中心シャフト24の位置は、ピストン32が上死点に位置するときに、コントロールリンク13の中心軸が略直立、望ましくは直立するような位置になるとともに(図3)、ピストン32が下死点に位置するときに、コントロールリンク13の中心軸が略直立、望ましくは直立するような位置になるように各リンクを配置したのである(図4)。
図7は、揺動中心シャフトの配置位置について説明する図である。図7(A)は揺動中心シャフトをクランクジャーナルよりも上方に配置した比較形態を示し、図7(B)は揺動中心シャフトをクランクジャーナルよりも下方に配置した本実施形態を示す。
上述のように、本実施形態では、揺動中心シャフト24は、クランクジャーナル33aよりも下方、かつクランクジャーナル33aを中心としてシリンダ中心軸の反対側に位置する。以下ではこのようにした理由について説明する。
はじめに理解を容易にするために図7に比較形態を例示して説明する。
揺動中心シャフト24の配置位置としては、図7(A)に示すようにクランクジャーナル33aよりも上方に配置することも考えられる。しかしながらこのような構成にするには、コントロールリンク13の強度が問題になる。
すなわちコントロールリンクに作用する荷重のうちの最大荷重は、燃焼圧によって生じる荷重である。燃焼圧による荷重F1は、アッパリンク11に対して下向きに作用する。この下向荷重F1によって、クランクジャーナル33aの軸受部には下向荷重F2が作用し、クランクピン33bの回りには右回りモーメントM1が作用する。そしてこのモーメントM1によってコントロールリンク13には上向荷重F3が作用する。すなわちコントロールリンク13には圧縮荷重が作用する。ここでリンク13に圧縮荷重が作用する場合を考えると、荷重が大きい場合にはリンク13が座屈する可能性がある。ちなみに次式(4)に示したオイラーの座屈方程式によれば、座屈荷重はリンク長lの2乗に反比例する。
Figure 0004941231
このようにリンク長lを長くしては座屈する可能性が生じるので、あまり長くすることはできない。リンク長lを長くするには、リンク幅やリンク厚を大きくして断面二次モーメントが大きくなるようにしなければならないが、重量増加などの問題があり現実的ではない。
このためコントロールリンク13の長さが短くならざるを得ず、先端(すなわちコントロールピン23)の移動長を長くすることができない。このためエンジンを大形にすることができず、所望のエンジン出力を得ることが難しいのである。
これに対して図7(B)に示す本実施形態では、揺動中心シャフト24をクランクジャーナル33aよりも下方に配置した。このようにすると、燃焼圧による荷重F1は、アッパリンク11→ロアリンク12と伝わり、コントロールリンク13に引っ張り荷重として作用する。リンク13に引っ張り荷重が作用する場合に考慮すべきは、リンク13の弾性破損であるが、弾性破損が生じるか否かは、リンク断面の応力又はひずみに依存するという考え方が一般的であり、リンク長による影響は小さい。むしろ最大主ひずみ説で考えると、引っ張り荷重が同じでもリンク長が長くなることで、ひずみが小さくなり、弾性破損を生じにくいこととなる。
このように、燃焼圧による荷重を、コントロールリンク13では引っ張り荷重として受けることが望ましいので、本実施形態では、揺動中心シャフト24をクランクジャーナル33aよりも下方に配置したのである。
また本実施形態では、上述のように、アッパピン22の中心と、コントロールピン23の中心と、クランクピン33bの中心と、を、一直線上に並べてある。この理由について説明する。
本件発明者らの解析によれば、マルチリンクエンジンは、揺動中心シャフトの位置を適切に調整することで、シングルリンクエンジンに比べて振動を低減できる。その解析結果を図8に示す。なお図8は、マルチリンクエンジンのピストン加速度特性を説明する図であり、図8(A)はマルチリンクエンジンのピストン加速度特性を示す図であり、図8(B)は比較例としてシングルリンクエンジンのピストン加速度特性を示す図である。
シングルリンクエンジンでは、図8(B)に示すように、1次成分と2次成分とを合成したオーバオールのピストン加速度の大きさ(絶対値)は、下死点付近のほうが上死点付近よりも大きい。しかしながら、マルチリンクエンジンでは、図8(A)に示すようにオーバオールのピストン加速度の大きさ(絶対値)は、下死点付近と上死点付近とで略同程度である。
そしてシングルリンクエンジンとマルチリンクエンジンの2次成分の大きさを比較すると、マルチリンクエンジンのほうがシングルリンクエンジンよりも小さくなり、二次振動を低減できる、という特性がある。
上述のように、マルチリンクエンジンは、揺動中心シャフトの位置を適切に調整することで、振動特性の改善(特に二次振動の低減)が可能である。図9は、二次振動を低減可能な揺動中心シャフトの配置位置を説明する図であり、ピストンは上死点に位置している。図9(A)はクランクピンがアッパピンとコントロールピンとを結ぶ線よりも下に位置する場合を示し、図9(B)はクランクピンがアッパピンとコントロールピンとを結ぶ線よりも上に位置する場合を示し、図9(C)はクランクピンがアッパピンとコントロールピンとを結ぶ線上に位置する場合を示す。
図9(A)に示すように、クランクピン33bがアッパピン22とコントロールピン23とを結ぶ線よりも下に位置する場合に、二次振動を低減可能な揺動中心シャフト24の配置可能な領域は、矢印Aで示した範囲である。エンジンの要求性能に基づいて設定された長さのコントロールリンク13を用いるには、揺動中心シャフト24は、コントロールピン23よりも左側(クランクジャーナル33aから離れる側)に位置する。
図9(B)に示すように、クランクピン33bがアッパピン22とコントロールピン23とを結ぶ線よりも上に位置する場合に、二次振動を低減可能な揺動中心シャフト24の配置可能な領域は、矢印Bで示した範囲である。エンジンの要求性能に基づいて設定された長さのコントロールリンク13を用いるには、揺動中心シャフト24は、コントロールピン23よりも右側(クランクジャーナル33aに近づく側)に位置する。
図9(C)に示すように、クランクピン33bがアッパピン22とコントロールピン23とを結ぶ線上に位置する場合に、二次振動を低減可能な揺動中心シャフト24の配置可能な領域は、矢印Cで示した範囲である。エンジンの要求性能に基づいて設定された長さのコントロールリンク13を用いるには、揺動中心シャフト24は、コントロールピン23の略直下に位置する。本実施形態では、上述のように、揺動中心シャフト24は、ピストン32が上死点に位置するとき、及び、ピストン32が下死点に位置するときに、コントロールリンク13の中心軸が略直立、望ましくは直立するような位置に配置されているが、このようなジオメトリを実現しつつ、二次振動を低減するには、クランクピン33bをアッパピン22とコントロールピン23とを結ぶ線上に配置することが必要なのである。
そしてこのようなリンクジオメトリにすることで、マルチリンクエンジン10のコントロールリンク13の先端(揺動中心シャフト24)には、図10(A)のように、360度周期ごとに変動する力が作用する。また燃焼圧に起因して、コントロールリンク13の先端(揺動中心シャフト24)には、図10(B)のように、720度周期ごとに変動する力が作用する。これらの力が合成されてコントロールリンク13の先端(揺動中心シャフト24)には、図10(C)のように、720度周期ごとに変動する力が作用する。
このような下向き荷重は、揺動中心シャフト支持キャップ44を揺動中心シャフト支持キャリア43から離すように作用するが、万一下向き荷重と同時に左右方向の荷重も作用すると、揺動中心シャフト支持キャップ44が揺動中心シャフト支持キャリア43からズレるおそれがある。そこで対策として、揺動中心シャフト支持キャリア43及び揺動中心シャフト支持キャップ44を締結するボルト45の軸力が十分になるように、ボルト45の本数を増やしたり、ボルト45を大形サイズにしたりしなければならなくなる。
ところが、本件発明者らは、慣性力や燃焼圧に起因してコントロールリンク13に作用する荷重の大きさは上死点又は下死点の付近で最大になることに着目した。そして、マルチリンクエンジンにおいて上死点又は下死点の付近でコントロールリンク13が略直立(望ましくは直立)するリンクジオメトリとしたのである。このようにすることで、コントロールリンク13に作用する荷重大きさが最大になるときには、コントロールリンク13の先端(揺動中心シャフト24)に左右方向荷重が作用せず、揺動中心シャフト支持キャップ44が揺動中心シャフト支持キャリア43からズレることを防止できたのである。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。
たとえば、上記実施形態においては、揺動中心シャフト24を、ラダーフレーム42にボルト45で共締めされる揺動中心シャフト支持キャリア43及び揺動中心シャフト支持キャップ44で支持するようにしたが、揺動中心シャフト支持キャリア43がラダーフレーム42に一体形成されているような構造のものであってもよい。この場合は、シリンダブロック41及びラダーフレーム42が特許請求の範囲のエンジンブロックボディに相当する。
マルチリンクエンジンについて説明する図である。 マルチリンクエンジンのシリンダライナを示す図である。 ピストンが上死点にあるときの状態を示す図である。 ピストンが下死点にあるときの状態を示す図である。 クランク角に対するピストン変位及びピストン加速度を示す図である。 エンジンブロックの縦断面図である。 揺動中心シャフトの配置位置について説明する図である。 マルチリンクエンジンのピストン加速度特性を説明する図である。 二次振動を低減可能な揺動中心シャフトの配置位置を説明する図である。 本発明によるリンクジオメトリにしたマルチリンクエンジンのコントロールリンクの先端(揺動中心シャフト)に作用する荷重変動を示す図である。
符号の説明
10 マルチリンクエンジン
11 アッパリンク
12 ロアリンク
13 コントロールリンク
21 ピストンピン
22 アッパピン
23 コントロールピン
24 揺動中心シャフト
32 ピストン
33 クランクシャフト
33a クランクジャーナル
33b クランクピン
41 シリンダブロック
41a シリンダ
42 ラダーフレーム
43 揺動中心シャフト支持キャリア
44 揺動中心シャフト支持キャップ
45 ボルト

Claims (5)

  1. シリンダ内を往復動するピストンと、
    前記ピストンにピストンピンを介して連結されるアッパリンクと、
    クランクシャフトのクランクピンに回転自由に装着されるとともに、前記アッパリンクにアッパピンを介して連結されるロアリンクと、
    前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結され、揺動中心シャフトを中心として揺動するコントロールリンクと、
    を有するマルチリンクエンジンのリンクジオメトリであって、
    前記クランクシャフトのクランクピンは、前記アッパピンと前記コントロールピンとを結ぶ線上に配置され、
    前記クランクシャフトのクランクジャーナルの軸心を通りシリンダ軸線に対して直交する横軸(X軸)と、前記コントロールピンの中心及び前記アッパピンの中心を結んだ線と、が成す角度は、ピストン上死点時とピストン下死点時とで同一であり、
    前記コントロールピンの位置は、ピストン上死点時とピストン下死点時とで同一であって前記横軸上であり、
    前記アッパピンの移動軌跡の最下点は、シリンダ軸線の直下であり、
    前記揺動中心シャフトは、クランクシャフトのクランクジャーナルよりも下方、かつそのクランクジャーナルを中心としてシリンダ中心軸の反対側に位置するように配置され、エンジンブロックボディと、そのエンジンブロックボディにボルトで締結された揺動中心シャフト支持キャップと、の間に回転自在に軸支されており、
    前記ピストンが上死点近傍のタイミングのとき、及び、下死点近傍のタイミングのときに、前記コントロールリンクの中心軸がシリンダ中心軸と平行になり、
    前記ピストンは、下死点にあるときに最下部がシリンダライナの下端の最下部よりも下方に位置する、
    ことを特徴とするマルチリンクエンジンのリンクジオメトリ。
  2. 前記揺動中心シャフト支持キャップと前記エンジンブロックボディとの当接面は、シリンダ中心軸に直交し、
    揺動中心シャフト支持キャップを締結するボルトの中心軸は、シリンダ中心軸に平行である、
    ことを特徴とする請求項に記載のマルチリンクエンジンのリンクジオメトリ。
  3. クランクピンの中心とアッパピンの中心との距離に対する、クランクピンの中心とコントロールピンの中心との距離の比と、クランクジャーナルの軸心を通りシリンダ軸線と平行な縦軸(Y軸)からピストンピンまでの距離に対する、クランクジャーナルの軸心を通りシリンダ軸線と平行な縦軸(Y軸)から揺動中心シャフトまでの距離の比とが、等しい、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマルチリンクエンジンのリンクジオメトリ。
  4. 前記ピストンの往復動加速度の下死点近傍のタイミングにおける極大値の大きさが、上死点近傍のタイミングにおける極値の大きさと同等以上である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のマルチリンクエンジンのリンクジオメトリ。
  5. シリンダブロックに設けられるシリンダライナは、下端に欠損部が形成される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のマルチリンクエンジンのリンクジオメトリ。
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