JP2009108708A - マルチリンクエンジンのリンクジオメトリ - Google Patents

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康治 平谷
Hirobumi Tsuchida
博文 土田
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Abstract

【課題】揺動中心シャフト支持キャップがエンジンブロックボディから位置ズレを生じてしまうことを確実に防止可能なマルチリンクエンジンのリンクジオメトリを提供する。
【解決手段】ピストン32に連結されるアッパリンク11と、クランクシャフト33のクランクピン33bに回転自由に装着されるとともに、アッパリンク11に連結されるロアリンク12と、ロアリンク12に連結され、揺動中心シャフト24を中心として揺動するコントロールリンク13と、を有するマルチリンクエンジンのリンクジオメトリであって、揺動中心シャフト24は、クランクジャーナル33aよりも下方、かつそのジャーナル33aを中心にシリンダ中心軸の反対側に配置され、エンジンブロックボディ41〜43とシャフト支持キャップ44との間に回転自在に軸支され、ピストン32が上下死点近傍のタイミングのときに、コントロールリンク中心軸がシリンダ中心軸と略平行になる。
【選択図】図1

Description

この発明は、マルチリンクエンジンのリンクジオメトリに関する。
たとえば特許文献1に示されているように、ピストンピンとクランクピンとを複数のリンクで連結したエンジン(以下では「マルチリンクエンジン」という)が開発されつつある。このようなマルチリンクエンジンは、シリンダ内を往復動するピストンにピストンピンを介して連結されるアッパリンクと、クランクシャフトのクランクピンに回転自由に装着されるとともに、アッパピンを介してアッパリンクに連結されるロアリンクと、そのロアリンクにコントロールピンを介して連結され、揺動中心シャフトを中心として揺動するコントロールリンクと、を備える。揺動中心シャフトは、メインベアリングキャップと、そのメインベアリングキャップにボルトで締結された揺動中心シャフト支持キャップと、の間に回転自在に軸支されている。なお他に関連する特許文献としては、特許文献2がある。
特開2002−61501号公報 特開2001−227367号公報
このようなマルチリンクエンジンでは、ピストンに作用する燃焼圧や慣性力などによる荷重が、各リンクを介して揺動中心シャフトに伝達し、揺動中心シャフトを下方に押し下げる方向に作用すると、揺動中心シャフト支持キャップがメインベアリングキャップから位置ズレを生じるなど、いわゆる口開きしてしまう可能性があることが本件発明者らによって知見された。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、揺動中心シャフト支持キャップがエンジンブロックボディから位置ズレを生じてしまうことを確実に防止可能なマルチリンクエンジンのリンクジオメトリを提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、シリンダ内を往復動するピストン(32)にピストンピン(21)を介して連結されるアッパリンク(11)と、クランクシャフト(33)のクランクピン(33b)に回転自由に装着されるとともに、前記アッパリンク(11)にアッパピン(22)を介して連結されるロアリンク(12)と、前記ロアリンク(12)にコントロールピン(23)を介して連結され、揺動中心シャフト(24)を中心として揺動するコントロールリンク(13)と、を有するマルチリンクエンジンのリンクジオメトリであって、前記揺動中心シャフト(24)は、クランクシャフト(33)のクランクジャーナル(33a)よりも下方、かつそのクランクジャーナル(33a)を中心としてシリンダ中心軸の反対側に位置するように配置され、エンジンブロックボディ(41,42,43)と、そのエンジンブロックボディ(41,42,43)にボルト(45)で締結された揺動中心シャフト支持キャップ(44)と、の間に回転自在に軸支されており、前記ピストン(32)が上死点近傍のタイミングのとき、及び、下死点近傍のタイミングのときに、前記コントロールリンク(13)の中心軸がシリンダ中心軸と略平行になる、ことを特徴とする。
本発明によれば、揺動中心シャフトは、クランクシャフトのクランクジャーナルよりも下方、かつそのクランクジャーナルを中心としてシリンダ中心軸の反対側に位置するように配置され、エンジンブロックボディと、そのエンジンブロックボディにボルトで締結された揺動中心シャフト支持キャップと、の間に回転自在に軸支されており、ピストンが上死点近傍のタイミングのとき、及び、下死点近傍のタイミングのときに、コントロールリンクの中心軸がシリンダ中心軸と略平行になるようにした。このようにしたので、コントロールリンクに作用する荷重の大きさが最大になるときには、コントロールリンクの先端(揺動中心シャフト)に左右方向荷重が作用せず、揺動中心シャフト支持キャップがエンジンブロックボディからズレることを防止できたのである。
以下では図面等を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
まず最初に図1を参照してマルチリンクエンジンについて説明する。なお図1はクランクシャフトの軸方向から見た図である。エンジンの当業者においては重力方向とは別に上死点/下死点という表現が慣用されている。水平対向エンジン等においては、必ずしも上死点が重力方向の上/下死点が重力方向の下になるとは限らないし、また仮にエンジンを倒立した場合には、上死点が重力方向の下/下死点が重力方向の上になるが、本明細書においては、慣習にしたがい、上死点側を上、下死点側を下、とした。
マルチリンクエンジン10は、ピストン32とクランクシャフト33とが2つのリンク(アッパリンク11、ロアリンク12)で連結される。またロアリンク12には、コントロールリンク13が連結される。
アッパリンク11は、上端をピストンピン21を介してピストン32に連結し、下端をアッパピン22を介してロアリンク12の一端に連結する。ピストン32は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック41のシリンダ41a内を往復動する。
ロアリンク12は、一端をアッパピン22を介してアッパリンク11に連結し、他端をコントロールピン23を介してコントロールリンク13に連結する。また、ロアリンク12は、ほぼ中央の連結孔に、クランクシャフト33のクランクピン33bを挿入し、クランクピン33bを中心軸として回転する。ロアリンク12は上下の2部材に分割可能に構成される。アッパピン22の中心と、コントロールピン23の中心と、クランクピン33bの中心と、は、一直線上に並ぶ。このような位置関係にした理由については、後述する。クランクシャフト33は、複数のクランクジャーナル33aとクランクピン33bとを備える。クランクジャーナル33aは、シリンダブロック41及びラダーフレーム42によって回転自在に支持される。クランクピン33bは、クランクジャーナル33aから所定量偏心しており、ここにロアリンク12が回転自在に連結する。
コントロールリンク13は、先端にコントロールピン23を挿入し、ロアリンク12に回動可能に連結する。またコントロールリンク13の他端は、揺動中心シャフト24を中心に揺動可能である。揺動中心シャフト24は、揺動中心シャフト支持キャリア43及び揺動中心シャフト支持キャップ44によって回転自在に支持される。揺動中心シャフト支持キャリア43及び揺動中心シャフト支持キャップ44は、ボルト45でラダーフレーム42に共締めされている。なお本実施形態では、シリンダブロック41,ラダーフレーム42及び揺動中心シャフト支持キャリア43が特許請求の範囲のエンジンブロックボディに相当する。そしてたとえば揺動中心シャフト24を偏心軸にして揺動中心シャフト24の偏心位置を移動すればコントロールリンク13の揺動中心が変更し、ピストン32の上死点位置が変更される。これによって圧縮比を機械的に調整することが可能である。
揺動中心シャフト24は、クランクジャーナル33aの中心よりも下方に位置する。また揺動中心シャフト24は、クランクジャーナル33aを中心としてシリンダ中心軸の反対側に位置する。すなわちクランクシャフトの軸方向から見た場合において、クランクシャフト33(クランクシャフトジャーナル33a)の中心を通り、かつ、シリンダ軸と平行な直線を引いた時に、揺動中心シャフト24はこの直線に対してシリンダ中心軸のある側とは反対側に位置する。図1では、シリンダ中心軸はクランクジャーナル33aよりも右にあり、揺動中心シャフト24はクランクジャーナル33aよりも左に位置する。このような位置に揺動中心シャフト24を配置した理由は後述する。
図2はピストンが上死点にあるときの状態を示す図であって、図2(A)は縦断面を示し、図2(B)はリンクジオメトリを示す。図3はピストンが下死点にあるときの状態を示す図であって、図3(A)は縦断面を示し、図3(B)はリンクジオメトリを示す。図2(B)と図3(B)において、実線は低圧縮比の状態を示し、破線は高圧縮比の状態を示す。
揺動中心シャフト24の位置は、ピストン32が上死点に位置するときに、コントロールリンク13の中心軸が略直立、望ましくは直立するような位置であるとともに(図2)、ピストン32が下死点に位置するときに、コントロールリンク13の中心軸が略直立、望ましくは直立するような位置である(図3)。なお、コントロールリンク13の中心軸は、クランクシャフトの軸方向から見た場合において、揺動中心シャフト24の偏心位置の中心とコントロールピン23の中心とを結んだ直線として定義することができる。
図4は、エンジンブロックの縦断面図である。
ラダーフレーム42は、シリンダブロック41にボルト締めされる。ラダーフレーム42及びシリンダブロック41で形成された孔40aに、クランクシャフト33のクランクジャーナル33aが回転自在に支持される。ラダーフレーム42とシリンダブロック41との当接面は、シリンダ中心軸に直交する。またラダーフレーム42とシリンダブロック41とを締結するボルトの中心軸は、その当接面に直交する。すなわちボルト中心軸はシリンダ中心軸に平行である。
揺動中心シャフト支持キャリア43及び揺動中心シャフト支持キャップ44は、ラダーフレーム42にボルト45に共締めされる。なお図4では、ボルト45の中心線を一点鎖線で示した。揺動中心シャフト支持キャリア43及び揺動中心シャフト支持キャップ44で形成された孔40bに、揺動中心シャフト24が回転自在に支持される。揺動中心シャフト支持キャリア43とラダーフレーム42との当接面は、シリンダ中心軸に直交する。揺動中心シャフト支持キャップ44と揺動中心シャフト支持キャリア43との当接面も、シリンダ中心軸に直交する。ボルト45の中心軸は、それらの当接面に直交する。すなわちボルト45の中心軸はシリンダ中心軸に平行である。
図5は、揺動中心シャフトの配置位置について説明する図である。図5(A)は揺動中心シャフトをクランクジャーナルよりも上方に配置した比較形態を示し、図5(B)は揺動中心シャフトをクランクジャーナルよりも下方に配置した本実施形態を示す。
上述のように、本実施形態では、揺動中心シャフト24は、クランクジャーナル33aよりも下方、かつクランクジャーナル33aを中心としてシリンダ中心軸の反対側に位置する。以下ではこのようにした理由について説明する。
はじめに理解を容易にするために図5に比較形態を例示して説明する。
揺動中心シャフト24の配置位置としては、図5(A)に示すようにクランクジャーナル33aよりも上方に配置することも考えられる。しかしながらこのような構成にするには、コントロールリンク13の強度が問題になる。
すなわちコントロールリンクに作用する荷重のうちの最大荷重は、燃焼圧によって生じる荷重である。燃焼圧による荷重F1は、アッパリンク11に対して下向きに作用する。この下向荷重F1によって、クランクジャーナル33aの軸受部には下向荷重F2が作用し、クランクピン33bの回りには右回りモーメントM1が作用する。そしてこのモーメントM1によってコントロールリンク13には上向荷重F3が作用する。すなわちコントロールリンク13には圧縮荷重が作用する。ここでリンク13に圧縮荷重が作用する場合を考えると、荷重が大きい場合にはリンク13が座屈する可能性がある。ちなみに次式(1)に示したオイラーの座屈方程式によれば、座屈荷重はリンク長lの2乗に反比例する。
Figure 2009108708
このようにリンク長lを長くしては座屈する可能性が生じるので、あまり長くすることはできない。リンク長lを長くするには、リンク幅やリンク厚を大きくして断面二次モーメントが大きくなるようにしなければならないが、重量増加などの問題があり現実的ではない。
このためコントロールリンク13の長さが短くならざるを得ず、先端(すなわちコントロールピン23)の移動長を長くすることができない。このためエンジンを大形にすることができず、所望のエンジン出力を得ることが難しいのである。
これに対して図5(B)に示す本実施形態では、揺動中心シャフト24をクランクジャーナル33aよりも下方に配置した。このようにすると、燃焼圧による荷重F1は、アッパリンク11→ロアリンク12と伝わり、コントロールリンク13に引っ張り荷重として作用する。リンク13に引っ張り荷重が作用する場合に考慮すべきは、リンク13の弾性破損であるが、弾性破損が生じるか否かは、リンク断面の応力又はひずみに依存するという考え方が一般的であり、リンク長による影響は小さい。むしろ最大主ひずみ説で考えると、引っ張り荷重が同じでもリンク長が長くなることで、ひずみが小さくなり、弾性破損を生じにくいこととなる。
このように、燃焼圧による荷重を、コントロールリンク13では引っ張り荷重として受けることが望ましいので、本実施形態では、揺動中心シャフト24をクランクジャーナル33aよりも下方に配置したのである。
また本実施形態では、上述のように、アッパピン22の中心と、コントロールピン23の中心と、クランクピン33bの中心と、を、一直線上に並べてある。この理由について説明する。
本件発明者らの解析によれば、マルチリンクエンジンは、揺動中心シャフトの位置を適切に調整することで、ピストンとクランクシャフトとを1つのリンク(コンロッド)で連結する通常のコンベンショナルなタイプのエンジン(これは通常のエンジンであるが、このようなエンジンをマルチリンクエンジンに対比して以下では「シングルリンクエンジン」と称する)に比べて振動を低減できる。その解析結果を図6に示す。なお図6は、マルチリンクエンジンのピストン加速度特性を説明する図であり、図6(A)はマルチリンクエンジンのピストン加速度特性を示す図であり、図6(B)は比較例としてシングルリンクエンジンのピストン加速度特性を示す図である。
シングルリンクエンジンでは、図6(B)に示すように、1次成分と2次成分とを合成したオーバオールのピストン加速度の大きさ(絶対値)は、下死点付近のほうが上死点付近よりも大きい。しかしながら、マルチリンクエンジンでは、図6(A)に示すようにオーバオールのピストン加速度の大きさ(絶対値)は、下死点付近と上死点付近とで略同程度である。
そしてシングルリンクエンジンとマルチリンクエンジンの2次成分の大きさを比較すると、マルチリンクエンジンのほうがシングルリンクエンジンよりも小さくなり、二次振動を低減できる、という特性がある。
上述のように、マルチリンクエンジンは、揺動中心シャフトの位置を適切に調整することで、振動特性の改善(特に二次振動の低減)が可能である。図7は、二次振動を低減可能な揺動中心シャフトの配置位置を説明する図であり、ピストンは上死点に位置している。図7(A)はクランクピンがアッパピンとコントロールピンとを結ぶ線よりも下に位置する場合を示し、図7(B)はクランクピンがアッパピンとコントロールピンとを結ぶ線よりも上に位置する場合を示し、図7(C)はクランクピンがアッパピンとコントロールピンとを結ぶ線上に位置する場合を示す。
図7(A)に示すように、クランクピン33bがアッパピン22とコントロールピン23とを結ぶ線よりも下に位置する場合に、二次振動を低減可能な揺動中心シャフト24の配置可能な領域は、矢印Aで示した範囲である。エンジンの要求性能に基づいて設定された長さのコントロールリンク13を用いるには、揺動中心シャフト24は、コントロールピン23よりも左側(クランクジャーナル33aから離れる側)に位置する。
図7(B)に示すように、クランクピン33bがアッパピン22とコントロールピン23とを結ぶ線よりも上に位置する場合に、二次振動を低減可能な揺動中心シャフト24の配置可能な領域は、矢印Bで示した範囲である。エンジンの要求性能に基づいて設定された長さのコントロールリンク13を用いるには、揺動中心シャフト24は、コントロールピン23よりも右側(クランクジャーナル33aに近づく側)に位置する。
図7(C)に示すように、クランクピン33bがアッパピン22とコントロールピン23とを結ぶ線上に位置する場合に、二次振動を低減可能な揺動中心シャフト24の配置可能な領域は、矢印Cで示した範囲である。エンジンの要求性能に基づいて設定された長さのコントロールリンク13を用いるには、揺動中心シャフト24は、コントロールピン23の略直下に位置する。本実施形態では、上述のように、揺動中心シャフト24は、ピストン32が上死点に位置するとき、及び、ピストン32が下死点に位置するときに、コントロールリンク13の中心軸が略直立、望ましくは直立するような位置に配置されているが、このようなジオメトリを実現しつつ、二次振動を低減するには、クランクピン33bをアッパピン22とコントロールピン23とを結ぶ線上に配置することが必要なのである。
図8は、クランク角に対するピストン変位及びピストン加速度を示す図である。
以上のようなマルチリンクエンジンには、連桿比λ(=アッパリンク長l/クランク半径r)が、過大ではなく一般的な値(2.5〜4程度)であっても、図8(A)に示すように、シングルリンクエンジンに比べて、ピストンが上死点付近にあるときは所定クランク角度変化に対するピストン移動量が小さく、下死点付近にあるときはピストン移動量が大きい、という特性がある。そしてピストンの移動加速度は、図8(B)のようになる。すなわちマルチリンクエンジンでは、シングルリンクエンジンに比べて、上死点付近ではピストン移動加速度が小さくなり、下死点付近ではピストン移動加速度が大きくなっており単振動に近い特性になっている。
そしてこのようなピストン加速度特性による慣性力に起因して、上述のようなリンクジオメトリにしたマルチリンクエンジン10のコントロールリンク13の先端(揺動中心シャフト24)には、図9(A)のように、360度周期ごとに変動する力が作用する。また燃焼圧に起因して、コントロールリンク13の先端(揺動中心シャフト24)には、図9(B)のように、720度周期ごとに変動する力が作用する。これらの力が合成されてコントロールリンク13の先端(揺動中心シャフト24)には、図9(C)のように、720度周期ごとに変動する力が作用する。
このような下向き荷重は、揺動中心シャフト支持キャップ44を揺動中心シャフト支持キャリア43から離すように作用するが、万一下向き荷重と同時に左右方向の荷重も作用すると、揺動中心シャフト支持キャップ44が揺動中心シャフト支持キャリア43からズレるおそれがある。そこで対策として、揺動中心シャフト支持キャリア43及び揺動中心シャフト支持キャップ44を締結するボルト45の軸力が十分になるように、ボルト45の本数を増やしたり、ボルト45を大形サイズにしたりしなければならなくなる。
ところが、本件発明者らは、慣性力や燃焼圧に起因してコントロールリンク13に作用する荷重の大きさは上死点又は下死点の付近で最大になることに着目した。そして、マルチリンクエンジンにおいて上死点又は下死点の付近でコントロールリンク13が略直立(望ましくは直立)するリンクジオメトリとしたのである。このようにすることで、コントロールリンク13に作用する荷重大きさが最大になるときには、コントロールリンク13の先端(揺動中心シャフト24)に左右方向荷重が作用せず、揺動中心シャフト支持キャップ44が揺動中心シャフト支持キャリア43からズレることを防止できたのである。
なお上述のように、揺動中心シャフト24を偏心軸にして揺動中心シャフト24の偏心位置を移動すればコントロールリンク13の揺動中心が変更し、ピストン32の上死点位置が変更される。これによって圧縮比を機械的に調整することが可能である。このような場合には、高負荷運転において圧縮比を下げるとよい。高負荷では機械圧縮比を下げつつ吸気弁閉時期を下死点近傍にすることで、出力確保とノッキング防止の両立が図れるからである。また低負荷運転において圧縮比を上げるとよい。低負荷では機械圧縮比を高めつつ、吸気弁閉時期を下死点から離すと共に排気弁開時期を下死点近傍にすることで、膨張比を大きくして排気損失を減らすことができるからである。そして、そのような高負荷運転においてコントロールリンク13に作用する荷重が大きくなるので、コントロールリンク13の中心軸とシリンダ中心軸とが成す角度は、図2(B)又は図3(B)に破線で示したように、高圧縮比側の角度よりも低圧縮比側の角度が小さくなるようにしたほうが、揺動中心シャフト支持キャップ44が揺動中心シャフト支持キャリア43からズレることを防止する効果が一層大きくなるのである。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。
たとえば、上記実施形態においては、揺動中心シャフト24を、ラダーフレーム42にボルト45で共締めされる揺動中心シャフト支持キャリア43及び揺動中心シャフト支持キャップ44で支持するようにしたが、揺動中心シャフト支持キャリア43がラダーフレーム42に一体形成されているような構造のものであってもよい。この場合は、シリンダブロック41及びラダーフレーム42が特許請求の範囲のエンジンブロックボディに相当する。
マルチリンクエンジンについて説明する図である。 ピストンが上死点にあるときの状態を示す図である。 ピストンが下死点にあるときの状態を示す図である。 エンジンブロックの縦断面図である。 揺動中心シャフトの配置位置について説明する図である。 マルチリンクエンジンのピストン加速度特性を説明する図である。 二次振動を低減可能な揺動中心シャフトの配置位置を説明する図である。 クランク角に対するピストン変位及びピストン加速度を示す図である。 本発明によるリンクジオメトリにしたマルチリンクエンジンのコントロールリンクの先端(揺動中心シャフト)に作用する荷重変動を示す図である。
符号の説明
10 マルチリンクエンジン
11 アッパリンク
12 ロアリンク
13 コントロールリンク
21 ピストンピン
22 アッパピン
23 コントロールピン
24 揺動中心シャフト
32 ピストン
33 クランクシャフト
33a クランクジャーナル
33b クランクピン
41 シリンダブロック
41a シリンダ
42 ラダーフレーム
43 揺動中心シャフト支持キャリア
44 揺動中心シャフト支持キャップ
45 ボルト

Claims (6)

  1. シリンダ内を往復動するピストンにピストンピンを介して連結されるアッパリンクと、
    クランクシャフトのクランクピンに回転自由に装着されるとともに、前記アッパリンクにアッパピンを介して連結されるロアリンクと、
    前記ロアリンクにコントロールピンを介して連結され、揺動中心シャフトを中心として揺動するコントロールリンクと、
    を有するマルチリンクエンジンのリンクジオメトリであって、
    前記揺動中心シャフトは、クランクシャフトのクランクジャーナルよりも下方、かつそのクランクジャーナルを中心としてシリンダ中心軸の反対側に位置するように配置され、エンジンブロックボディと、そのエンジンブロックボディにボルトで締結された揺動中心シャフト支持キャップと、の間に回転自在に軸支されており、
    前記ピストンが上死点近傍のタイミングのとき、及び、下死点近傍のタイミングのときに、前記コントロールリンクの中心軸がシリンダ中心軸と略平行になる、
    ことを特徴とするマルチリンクエンジンのリンクジオメトリ。
  2. 前記揺動中心シャフト支持キャップと前記エンジンブロックボディとの当接面は、シリンダ中心軸に直交し、
    揺動中心シャフト支持キャップを締結するボルトの中心軸は、シリンダ中心軸に平行である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のマルチリンクエンジンのリンクジオメトリ。
  3. 前記上死点近傍のタイミングとは、燃焼圧によって前記揺動中心シャフトに作用する上向き荷重が最大になるタイミング近傍、又は、慣性力によって前記揺動中心シャフトに作用する下向き荷重が最大になるタイミング近傍であって、
    前記下死点近傍のタイミングとは、慣性力によって前記揺動中心シャフトに作用する上向き荷重が最大になるタイミング近傍である、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のマルチリンクエンジンのリンクジオメトリ。
  4. 前記クランクシャフトのクランクピンは、前記アッパピンと前記コントロールピンとを結ぶ線上に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のマルチリンクエンジンのリンクジオメトリ。
  5. 前記ピストンの往復動加速度の下死点近傍のタイミングにおける極大値の大きさが、上死点近傍のタイミングにおける極大値の大きさと略同等以上である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のマルチリンクエンジンのリンクジオメトリ。
  6. 前記マルチリンクエンジンは、運転条件に応じて前記揺動中心ピンの位置を調整することで圧縮比を変更可能な圧縮比可変エンジンであり、
    前記コントロールリンク中心軸と前記シリンダ中心軸とが成す角度は、高圧縮比側の角度よりも低圧縮比側の角度のほうが小さい、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のマルチリンクエンジンのリンクジオメトリ。
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