JP2007169579A - 光硬化型樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、硬化時の収縮を抑え、ガラス基材との密着性に優れた光硬化型樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】本発明の光硬化型樹脂組成物は、(A)テルペン骨格を有する化合物、(B)シランカップリング剤、OH基を含む(メタ)アクリレート、リンを含む(メタ)アクリレートのいずれか1種類以上、(C)光ラジカル重合開始剤の3成分を含有することを特徴とするものである。
(A)成分が、テルペン骨格含有アクリル系モノマーである光硬化型樹脂組成物であることが好ましい。
さらには、テルペン骨格含有アクリル系モノマーが、水添テルペンジフェノールジ(メタ)アクリレート、またはテルペン骨格を有するジメチロール化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の光硬化型樹脂組成物は、(A)テルペン骨格を有する化合物、(B)シランカップリング剤、OH基を含む(メタ)アクリレート、リンを含む(メタ)アクリレートのいずれか1種類以上、(C)光ラジカル重合開始剤の3成分を含有することを特徴とするものである。
(A)成分が、テルペン骨格含有アクリル系モノマーである光硬化型樹脂組成物であることが好ましい。
さらには、テルペン骨格含有アクリル系モノマーが、水添テルペンジフェノールジ(メタ)アクリレート、またはテルペン骨格を有するジメチロール化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、テルペン骨格を有する化合物とシランカップリング剤、OH基を含む(メタ)アクリレート、リンを含む(メタ)アクリレートのいずれか1種類以上、さらに光ラジカル重合開始剤を含む光硬化型樹脂組成物に関するものである。
光硬化型樹脂組成物は、UV照射により室温で短時間硬化が可能であるため、生産性を向上させることができる。また無溶剤での使用が可能であるため、環境への負荷を少なくすることができる。これらのことから各種基材へのコーティングや接着に使用されている。光硬化型樹脂の一つとしてアクリレート化合物が使用されているが、アクリレート化合物を使用した場合、硬化時の収縮やガラス基材とのぬれ性が悪いことから、基材との密着性が低くなるという問題がある。この改善として、シランカップリング剤を添加する方法がある。(特許文献1)しかしながら、硬化収縮性、接着力などの諸物性はまだ十分ではない。
また、本発明に用いるテルペン骨格含有アクリル系モノマーに関する特許出願も既になされている。(特許文献2)
特開2004−210617号公報 特願2004−169738号公報
また、本発明に用いるテルペン骨格含有アクリル系モノマーに関する特許出願も既になされている。(特許文献2)
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、硬化時の収縮を抑え、ガラス基材との密着性に優れた光硬化型樹脂組成物を提供することにある。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、(A)テルペン骨格を有する化合物、(B)シランカップリング剤、OH基を含む(メタ)アクリレート、リンを含む(メタ)アクリレートのいずれか1種類以上、(C)光ラジカル重合開始剤の3成分を含有することを特徴とするものである。
(A)成分が、テルペン骨格含有アクリル系モノマーである光硬化型樹脂組成物であることが望ましい。
さらには、テルペン骨格含有アクリル系モノマーが、水添テルペンジフェノールジ(メタ)アクリレートであることが望ましい。
また、テルペン骨格含有アクリル系モノマーが、テルペン骨格を有するジメチロール化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリレート化合物である請求項2記載の光硬化型樹脂組成物であることが望ましい。
(A)成分が、テルペン骨格含有アクリル系モノマーである光硬化型樹脂組成物であることが望ましい。
さらには、テルペン骨格含有アクリル系モノマーが、水添テルペンジフェノールジ(メタ)アクリレートであることが望ましい。
また、テルペン骨格含有アクリル系モノマーが、テルペン骨格を有するジメチロール化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリレート化合物である請求項2記載の光硬化型樹脂組成物であることが望ましい。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、(A)成分であるテルペン骨格を有する化合物を使用することにより、硬化収縮率を低く抑え、(B)成分を加えることにより、ガラス基材との親和性を増し、結果的にガラス基材との密着性に優れた光硬化型樹脂組成物を提供できることにある。
ここで、本発明の光硬化型樹脂組成物について説明する。
(A)成分は、テルペン骨格を有する化合物であり、テルペン骨格含有アクリル系モノマー等が挙げられる。テルペン骨格含有アクリル系モノマーとしては、水添テルペンジフェノールジ(メタ)アクリレート、テルペン骨格を有するジメチロール化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
(A)成分は、テルペン骨格を有する化合物であり、テルペン骨格含有アクリル系モノマー等が挙げられる。テルペン骨格含有アクリル系モノマーとしては、水添テルペンジフェノールジ(メタ)アクリレート、テルペン骨格を有するジメチロール化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
ここで、本発明のテルペン骨格含有アクリル系モノマーとしては、水添テルペンジフェノールジ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テルペン骨格を有するジメチロール化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリレート化合物などが好ましい。
イソボルニル(メタ)アクリレートは、共栄社化学(株)、新中村化学工業(株)等から販売されている。
イソボルニル(メタ)アクリレートは、共栄社化学(株)、新中村化学工業(株)等から販売されている。
ここで水添テルペンジフェノールジ(メタ)アクリレートについて説明する。
水添前のテルペンジフェノールとは、環状テルペン化合物とフェノール類とを酸性触媒の存在下で反応させたものであり、その反応物を水素添加(水添)させることにより水添テルペンジフェノールを製造することができる。
水添前のテルペンジフェノールとは、環状テルペン化合物とフェノール類とを酸性触媒の存在下で反応させたものであり、その反応物を水素添加(水添)させることにより水添テルペンジフェノールを製造することができる。
原料の環状テルペン化合物は、単環のテルペン化合物であってもよいし、双環のテルペン化合物であってもよい。原料である環状テルペン化合物の具体例としては、リモネン、ジペンテン(リモネンの光学異性体)、テルピノーレン、α−ピネン、β−ピネン、テルピネン、メンタジエンなどが挙げられる。
原料であるフェノール類の具体例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、プロピルフェノール、ノリルフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、メトキシフェノール、ブロモフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどが挙げられる。
環状テルペン化合物とフェノール類との付加反応は、環状テルペン化合物1モルに対して、フェノール類を好ましくは、2〜8モル使用し、酸性触媒の存在下、40〜160℃の温度で1〜10時間行われる。酸性触媒としては、塩酸、硫酸、燐酸、ポリ燐酸、三フッ化硼素もしくはその錯体、活性白土などが挙げられる。
反応溶媒は使用しなくてもよいが、通常、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類などの溶媒が使用される。
このようにして製造されるテルペンジフェノール類としては、例えば、ヤスハラケミカル(株)製のYP−90などが挙げられる。
ヤスハラケミカル(株)製YP−90の化学式は下記の式(1)のとおりである。
水添テルペンジフェノールは、上記テルペンジフェノール類を水素添加(水添)することにより得られる。
水添する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、パラジウム、ルテニウム、ロジウムなどの貴金属またはそれらを活性炭素、活性アルミナ、珪藻土などの坦体上に担持したものを触媒として使用して行う方法が挙げられる。
このとき、粉末状の触媒を懸濁攪拌しながら反応を行うバッチ方式にすることも、成形した触媒を充填した反応塔を用いた連続方式にすることも可能であり、反応形式に特に制限はない。
水添する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、パラジウム、ルテニウム、ロジウムなどの貴金属またはそれらを活性炭素、活性アルミナ、珪藻土などの坦体上に担持したものを触媒として使用して行う方法が挙げられる。
このとき、粉末状の触媒を懸濁攪拌しながら反応を行うバッチ方式にすることも、成形した触媒を充填した反応塔を用いた連続方式にすることも可能であり、反応形式に特に制限はない。
触媒の使用量は、反応がバッチ方式の場合、原料であるフェノール類に対し0.1〜50重量%、好ましくは0.2〜20重量%である。触媒量が0.1重量%未満では、水素化反応速度が遅くなり、一方、50重量%を超えてもコスト高となり、触媒効果が上がらないので好ましくない。
水添の際、反応溶媒は用いなくてもよいが、通常、アルコール類、エーテル類、エステル類、飽和炭化水素類が使用される。
水添の際の反応温度は、特に限定されないが、通常、20〜250℃、好ましくは、50〜200℃である。反応温度が20℃未満であると、水素化速度が遅くなり、一方、250℃を超えると、水添物の分解が多くなり好ましくない。
水添の際の水素圧は、通常、10〜200kgf/cm2(0.98〜19.6MPa)である。好ましくは、20〜50kgf/cm2(1.96〜4.9MPa)である。
水添することにより、水添する前の化合物に比べて、色相が改善される。
水添することにより、水添する前の化合物に比べて、色相が改善される。
本発明のテルペンジフェノールジ(メタ)アクリレートは、テルペンジフェノールを、(メタ)アクリル酸により、芳香族溶媒などを使用して(あるいは無溶媒中で)、硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、イオン交換樹脂などの触媒を使用し、50〜130℃でエステル化することにより製造することができる。水添テルペンジフェノールジ(メタ)アクリレートは、水添テルペンジフェノールを(メタ)アクリル酸とのエステル化反応にて得られる。
次にテルペン骨格を有するジメチロール化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリレート化合物について説明する。
本発明のジ(メタ)アクリレート化合物は、次に示すような方法で製造することができる。しかしながら、これらの製造方法に限定されるものではない。
例えば、本発明のジ(メタ)アクリレート化合物は、(i)テルペン化合物と、(ii)不飽和ジカルボン酸、その酸無水物、および不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルから選ばれた少なくとも1種の化合物とを反応させ、つづいて、還元反応を行い、ジメチロール化合物とした後、さらに(メタ)アクリル酸、あるいはその無水物とエステル化反応させて得られる。
本発明のジ(メタ)アクリレート化合物は、次に示すような方法で製造することができる。しかしながら、これらの製造方法に限定されるものではない。
例えば、本発明のジ(メタ)アクリレート化合物は、(i)テルペン化合物と、(ii)不飽和ジカルボン酸、その酸無水物、および不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルから選ばれた少なくとも1種の化合物とを反応させ、つづいて、還元反応を行い、ジメチロール化合物とした後、さらに(メタ)アクリル酸、あるいはその無水物とエステル化反応させて得られる。
この(i)テルペン化合物は、特に制限はないが、通常、α−ピネン、β−ピネン、カレン、α−テルピネン、ν−テルピネン、d−リモネン、ジペンテン、ターピノーレン、α−フェランドレン、β−フェランドレン、パラメンタジエン類、ピロネン、カンフェン、アロオシメン、ミルセンなどを用いることができる。好ましくはd−リモネン、ジペンテン、α−フェランドレン、β−フェランドレン、α−テルピネンなどが用いられる。テルペン化合物は、単独または2種以上を併用して使用してもよい。
また、(ii)不飽和ジカルボン酸、その酸無水物、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルは、特に制限はないが、通常、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸ジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸ジアルキルエステルなどを用いることができる。好ましくは不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルが用いられる。
これら不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルは、単独または2種以上を併用して使用してもよい。
また、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルのアルキル成分としては、特に制限はなく、例えば、ジメチル、ジエチル、ジプロピル、ジブチルなどが挙げられる。
これら不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルは、単独または2種以上を併用して使用してもよい。
また、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルのアルキル成分としては、特に制限はなく、例えば、ジメチル、ジエチル、ジプロピル、ジブチルなどが挙げられる。
上記テルペン化合物と不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、および不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルから選ばれた少なくとも1種の化合物との反応としては、特に限定されないが、通常、環化付加反応が用いられる。好ましくはディールス−アルダー反応と呼ばれる環化付加反応が用いられる。このようにして得られる化合物は、通常、二重結合を有する環化付加反応物である。
この環化付加反応の反応方式は特に限定されないが、バッチ反応でも連続反応でも反応できる。
なお、(i)テルペン化合物と、(ii)不飽和ジカルボン酸、その酸無水物、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル化合物との反応は、(i)テルペン化合物1モルに対し、通常、(ii)不飽和ジカルボン酸、その酸無水物、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル化合物が0.5〜1.5モル、好ましくは0.8〜1.2モルである。
なお、(i)テルペン化合物と、(ii)不飽和ジカルボン酸、その酸無水物、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル化合物との反応は、(i)テルペン化合物1モルに対し、通常、(ii)不飽和ジカルボン酸、その酸無水物、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステル化合物が0.5〜1.5モル、好ましくは0.8〜1.2モルである。
この環化付加反応の反応温度は、通常、0〜250℃、好ましくは30〜200℃、さらに好ましくは50〜180℃に加熱することで反応が行なわれる。反応温度が0℃未満では反応速度が極端に遅く、一方、250℃を超えると、重合などの副反応が顕著になり好ましくない。
この環化付加反応は、通常、無触媒で行われるが、触媒を用いて行ってもよい。反応触媒としては特に限定されないが、好ましくは、通常、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、活性白土などの酸触媒が用いられる。
このようにして得られた二重結合を有する環化付加反応物に、続いて二重結合への水素添加反応を行い、さらに還元反応を行うと、目的のジメチロール化合物が得られる。しかしながら、特に二重結合への水素添加反応を行わず、そのまま還元反応を行ってもよい。この場合、二重結合が残ったジメチロール化合物が得られるが、この二重結合はエポキシ化したり、重合反応などに利用することができる。
二重結合の水素添加反応、および還元反応の方法は特に限定されないが、通常、以下の2通りの方法が挙げられる。
すなわち、第1の方法は、まず触媒の存在下で水素による環化付加反応物の二重結合の水素添加反応を行った後、還元剤にて不飽和ジカルボン酸、その酸無水物、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルを還元してジメチロール化合物を得る方法である。
二重結合の水素添加反応、および還元反応の方法は特に限定されないが、通常、以下の2通りの方法が挙げられる。
すなわち、第1の方法は、まず触媒の存在下で水素による環化付加反応物の二重結合の水素添加反応を行った後、還元剤にて不飽和ジカルボン酸、その酸無水物、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルを還元してジメチロール化合物を得る方法である。
この水素添加反応で使用される触媒としては、特に限定されるものではなく、通常、水素添加反応用の金属触媒が用いられる。例えば、ニッケル系、銅系、パラジウム系、白金系などの触媒が挙げられる。また、水素添加反応の温度は、0〜300℃が好ましく、さらに好ましくは25〜100℃である。この場合、金属触媒の使用量は、環化付加反応物に対して通常、0.1〜30重量%、好ましくは1〜25重量%である。
また、この還元反応で使用される還元剤は、特に限定されるものではないが、例えば、水素化リチウムアルミニウム、水素化硼素ナトリウム、ナトリウム水素化ビス(2−エトキシメトキシ)アルミニウムなどの還元剤が挙げられる。
この還元反応の反応温度は、通常、0〜120℃、好ましくは30〜100℃で反応が行われる。この場合、還元剤の使用量は、原料である飽和環化付加反応物1モルに対して、通常、1.6〜3.0モル、好ましくは2.0〜2.4モルである。
また、第2の還元反応の方法は、触媒を用い水素による接触水素化還元反応により、環化付加反応物の二重結合および不飽和ジカルボン酸、その酸無水物、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルを還元してジメチロール化合物を得る方法である。
その際使用される触媒は、特に限定されるものではなく、通常使用される接触還元触媒が使用できる。例えば、銅−クロム系触媒、銅−鉄−アルミニウム系触媒、パラジウム系、白金系、ルテニウム系などの金属系触媒などが挙げられる。また、温度は、0〜500℃が好ましく、さらに好ましくは100〜300℃である。この場合の金属系触媒の使用量は、環化付加反応物に対して、通常、0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。
また、前記水素化触媒で二重結合を水素添加したのちに、銅−クロム系触媒、銅−鉄−アルミニウム系触媒などの還元触媒で不飽和ジカルボン酸、その酸無水物、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルを還元することもできる。この場合、温度は、0〜500℃、好ましくは100〜300℃であり、また、還元触媒の使用量は、飽和環化付加反応物に対して、通常、0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。
また、前記水素化触媒で二重結合を水素添加したのちに、銅−クロム系触媒、銅−鉄−アルミニウム系触媒などの還元触媒で不飽和ジカルボン酸、その酸無水物、不飽和ジカルボン酸ジアルキルエステルを還元することもできる。この場合、温度は、0〜500℃、好ましくは100〜300℃であり、また、還元触媒の使用量は、飽和環化付加反応物に対して、通常、0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%である。
このようにして生成したジメチロール化合物は、精製することにより高純度の製品として得られる。その精製方法は特に限定されないが、例えば、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどが挙げられる。
次に、このジメチロール化合物と(メタ)アクリル酸化合物との反応について、説明する。この反応には、上記ジメチロール化合物と(メタ)アクリル酸をエステル化反応させる方法、上記ジメチロール化合物と(メタ)アクリル酸ハロゲン化物を反応させる方法、上記ジメチロール化合物と(メタ)アクリル酸無水物を反応させる方法、上記ジメチロール化合物と(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステルをエステル交換反応する方法などがある。しかし、本発明に用いられる反応は、これらに限定されるものではない。
上記反応のうち、(メタ)アクリル酸を使用したエステル化反応の際の(メタ)アクリル酸の仕込み比率は、原料であるジメチロール化合物1モルに対し、0.1〜20モル、好ましくは1〜10モルである。(メタ)アクリル酸が、ジメチロール化合物1モルに対し0.1モル未満であるとエステル化反応が十分に進行しない可能性があり、一方、20モルを越えると未反応の(メタ)アクリル酸が残存しコスト高となる可能性があるので好ましくない。
また、溶媒は、通常、水と共沸する溶剤として、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素化合物、などを使用するが、(メタ)アクリル酸などが溶媒を兼ねるため、使用しなくてもよい。
溶媒を使用する場合、該溶媒の使用量は、原料であるジメチロール化合物に対し、30〜1000重量%、好ましくは50〜700重量%である。
溶媒を使用する場合、該溶媒の使用量は、原料であるジメチロール化合物に対し、30〜1000重量%、好ましくは50〜700重量%である。
触媒としては、硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素、イオン交換樹脂、活性白土、酵素などが使用できる。
触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、原料であるジメチロール化合物1モルに対し、0.0001〜0.1モル、好ましくは0.001〜0.01モルである。
触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、原料であるジメチロール化合物1モルに対し、0.0001〜0.1モル、好ましくは0.001〜0.01モルである。
このエステル化反応の際には、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤としては、反応系内に発生するラジカルを捕捉しうる化合物であれば、特に限定されるものではないが、例えばハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、t−ブチルハイドロキノンなどを使用できる。重合禁止剤の添加量は、仕込み(メタ)アクリル酸に対して、通常、5〜10000ppm、好ましくは20〜5000ppm、さらに好ましくは50〜1000ppmである。
上記エステル化の反応温度は、30〜200℃、好ましくは60〜150℃である。反応温度が、30℃未満であると反応速度が極端に遅い可能性があり、一方、200℃を超えると重合などの副反応が顕著になり好ましくない。エステル化反応は、通常、常圧下で行うが、用いる溶剤の沸点によって、減圧または加圧下で行うこともできる。
(詳しくは、特願2004−169738をご参照)
(詳しくは、特願2004−169738をご参照)
次に本発明の(B)成分について説明する。
本発明に使用される(B)成分としては、シランカップリング剤やOH基を含む(メタ)アクリレート、リンを含む(メタ)アクリレートなどがある。具体的には、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのシランカップリング剤、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのOH基を含む(メタ)アクリレート、モノ(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェート、ジ(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェートなどのリンを含む(メタ)アクリレートが挙げられる。
ただし(A)成分を除く(メタ)アクリレート化合物である。
本発明に使用される(B)成分としては、シランカップリング剤やOH基を含む(メタ)アクリレート、リンを含む(メタ)アクリレートなどがある。具体的には、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのシランカップリング剤、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのOH基を含む(メタ)アクリレート、モノ(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェート、ジ(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェートなどのリンを含む(メタ)アクリレートが挙げられる。
ただし(A)成分を除く(メタ)アクリレート化合物である。
本発明の光ラジカル重合開始剤(C)について説明する。
本発明に使用される(C)成分としては、ラジカル重合する光開始剤であれば何でもよい。
具体的には、ベンジル、ベンゾイン、ベンジルアルキルケタノールなどのベンゾインエーテル系、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノンなどのアセトフェノン系、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−クロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸、4−4’−ジアルキルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−アルキルチオキサントンなどのチオキサントン系、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2−アルキルアントラキノンなどが挙げられる。
本発明に使用される(C)成分としては、ラジカル重合する光開始剤であれば何でもよい。
具体的には、ベンジル、ベンゾイン、ベンジルアルキルケタノールなどのベンゾインエーテル系、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノンなどのアセトフェノン系、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−クロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸、4−4’−ジアルキルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−アルキルチオキサントンなどのチオキサントン系、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2−アルキルアントラキノンなどが挙げられる。
また、本発明の(A)成分、(B)成分、(C)成分の配合割合は、(A)成分100重量部に対して、(B)成分が、通常、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部、さらに好ましくは1〜30重量部であり、(C)成分がそれぞれ、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5.0重量部、さらに好ましくは0.3〜4.0重量部である。
(B)成分が0.1重量部未満では、ガラス基材への親和性が上がらず、密着性を向上することができない、一方、50重量部を超えると硬化時の収縮が大きくなり、硬化収縮性が高くなり、ガラス基材との密着性が悪くなることになる。
(C)成分が0.01重量部未満では光ラジカル重合が十分進行せず、一方、10重量部を超えると光ラジカル重合以外の余分なものが添加されることになる。
(B)成分が0.1重量部未満では、ガラス基材への親和性が上がらず、密着性を向上することができない、一方、50重量部を超えると硬化時の収縮が大きくなり、硬化収縮性が高くなり、ガラス基材との密着性が悪くなることになる。
(C)成分が0.01重量部未満では光ラジカル重合が十分進行せず、一方、10重量部を超えると光ラジカル重合以外の余分なものが添加されることになる。
また、本発明の光硬化型樹脂組成物には、必要に応じ、その他の添加剤として充填剤、熱重合禁止剤、酸化防止剤、可塑剤、染料、顔料、樹脂化合物、適当な希釈溶剤などを添加することができる。
充填剤としては、シリカゲル、アルミナ、また樹脂から成形された球状または非球状の粉体などが挙げられる。本発明に用いられる樹脂は、問題となるほどの収縮はないが、用いる化合物の種類や配合、重合条件などにより、若干収縮がある場合でも充填剤を添加することにより、さらに収縮を抑えることができる。
研磨などの加工を実施する場合には無機物が適しているが、あらかじめ樹脂に充填剤が添加されている市販の樹脂に関してはこの限りではない。
また、必要に応じて、本発明の光硬化型樹脂組成物に接着力向上剤、界面活性剤、濡れ性向上剤、消泡剤などを添加することもできる。
また、本発明に用いられるテルペン骨格含有(メタ)アクリレート類以外の(メタ)アクリレート類についても、例えば、一官能の(メタ)アクリレート類を希釈反応性モノマーとして用いたり、他の多官能(メタ)アクリレート類を併用して使用したりすることが可能である。
ただし、上記本発明の(A)、(B)、(C)成分以外のその他の添加剤の配合量は、本発明の光硬化型樹脂組成物全体に対して0〜25重量%使用することが望ましい。
充填剤としては、シリカゲル、アルミナ、また樹脂から成形された球状または非球状の粉体などが挙げられる。本発明に用いられる樹脂は、問題となるほどの収縮はないが、用いる化合物の種類や配合、重合条件などにより、若干収縮がある場合でも充填剤を添加することにより、さらに収縮を抑えることができる。
研磨などの加工を実施する場合には無機物が適しているが、あらかじめ樹脂に充填剤が添加されている市販の樹脂に関してはこの限りではない。
また、必要に応じて、本発明の光硬化型樹脂組成物に接着力向上剤、界面活性剤、濡れ性向上剤、消泡剤などを添加することもできる。
また、本発明に用いられるテルペン骨格含有(メタ)アクリレート類以外の(メタ)アクリレート類についても、例えば、一官能の(メタ)アクリレート類を希釈反応性モノマーとして用いたり、他の多官能(メタ)アクリレート類を併用して使用したりすることが可能である。
ただし、上記本発明の(A)、(B)、(C)成分以外のその他の添加剤の配合量は、本発明の光硬化型樹脂組成物全体に対して0〜25重量%使用することが望ましい。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、各組成物を均一に混合するように調製する。0.01〜300Pa・sの粘度範囲は塗布作業がより効率的に実施でき、各組成の混合安定性が良い。粘度範囲は、0.1〜100Pa・sであることがより好ましい。
粘度は、樹脂の配合比やその他の成分を添加することにより調整すれば良い。また、粘度が高い場合は、3本ロール等を使用する常法により混練すれば良い。
粘度は、樹脂の配合比やその他の成分を添加することにより調整すれば良い。また、粘度が高い場合は、3本ロール等を使用する常法により混練すれば良い。
また、光硬化に際し、紫外線照射は、0.1〜3J/cm2で行うことが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜2J/cm2である。紫外線照射の強さが0.1J/cm2未満では、未硬化部分が残存する可能性が高くなり、一方、3J/cm2を超えると過剰露光により樹脂部分が変色する可能性が高くなるため、好ましくない。
硬化させる装置に関しては、通常使用されている紫外線照射装置であれば特に指定はない。例えば、浜松ホトニクス(株)製紫外線照射装置UVスポット光源LIGHTNNGUCURE LC6がある。
硬化させる装置に関しては、通常使用されている紫外線照射装置であれば特に指定はない。例えば、浜松ホトニクス(株)製紫外線照射装置UVスポット光源LIGHTNNGUCURE LC6がある。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこの内容に限定されるものではない。
まず、本発明に用いるテルペン骨格を有する化合物の製造例を説明する。
合成例1(水添テルペンジフェノールの製造)
電磁撹拌装置を備えた内容500mlのオートクレーブに、ヤスハラケミカル(株)製YP−90(テルペンジフェノール純度92%)を32.4g、2−プロパノールを140g、および粉末状の5重量%ルテニウム担持アルミナ触媒1.0gを仕込み、次いで、これを密閉し、雰囲気を窒素ガスで置換した後、水素ガス10kg/cm2の圧力をかけながら導入した。そして攪拌しながら加熱し150℃となったところで、水素の圧力を40kg/cm2とし、吸収された水素を補うことで圧力を40kg/cm2に保ちながら14時間反応させた。その後、得られた懸濁液をろ過して、触媒をろ別した。その後、ろ液を減圧濃縮することにより、水添テルペンジフェノールジアクリレートの原料となるヤスハラケミカル(株)製のYP−90の水添物(HYP−90、純度90%)を得た。
まず、本発明に用いるテルペン骨格を有する化合物の製造例を説明する。
合成例1(水添テルペンジフェノールの製造)
電磁撹拌装置を備えた内容500mlのオートクレーブに、ヤスハラケミカル(株)製YP−90(テルペンジフェノール純度92%)を32.4g、2−プロパノールを140g、および粉末状の5重量%ルテニウム担持アルミナ触媒1.0gを仕込み、次いで、これを密閉し、雰囲気を窒素ガスで置換した後、水素ガス10kg/cm2の圧力をかけながら導入した。そして攪拌しながら加熱し150℃となったところで、水素の圧力を40kg/cm2とし、吸収された水素を補うことで圧力を40kg/cm2に保ちながら14時間反応させた。その後、得られた懸濁液をろ過して、触媒をろ別した。その後、ろ液を減圧濃縮することにより、水添テルペンジフェノールジアクリレートの原料となるヤスハラケミカル(株)製のYP−90の水添物(HYP−90、純度90%)を得た。
合成例2(水添テルペンジフェノールジアクリレートの合成方法)
ディーンスターク管、冷却管、温度計、撹拌棒を備えた300ml四つ口フラスコに、上記のようにして得られたヤスハラケミカル(株)製のYP−90水添物30gとトルエン100g、和光純薬工業(株)製のアクリル酸(98%)9.7g、和光純薬工業(株)製のハイドロキノンモノメチルエーテル(98%)3mg、およびロームアンドハース社製のイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)3.0gを仕込んだ。混合液を減圧下100℃で12時間還流させた後、得られた混合液をろ過して触媒をろ別した。次いで、減圧下80℃でトルエンを留去して、水添テルペンジフェノールジアクリレート21.5g(純度85%)を得た。
ディーンスターク管、冷却管、温度計、撹拌棒を備えた300ml四つ口フラスコに、上記のようにして得られたヤスハラケミカル(株)製のYP−90水添物30gとトルエン100g、和光純薬工業(株)製のアクリル酸(98%)9.7g、和光純薬工業(株)製のハイドロキノンモノメチルエーテル(98%)3mg、およびロームアンドハース社製のイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)3.0gを仕込んだ。混合液を減圧下100℃で12時間還流させた後、得られた混合液をろ過して触媒をろ別した。次いで、減圧下80℃でトルエンを留去して、水添テルペンジフェノールジアクリレート21.5g(純度85%)を得た。
合成例3(水添α−テルピネンジメタノールジアクリレートの合成方法)
冷却管、温度計、撹拌棒を備えた500ml三つ口フラスコに、ヤスハラケミカル(株)製のα−テルピネン(純度60%)71gおよび和光純薬工業(株)製のフマル酸(98%以上)58gを仕込み、撹拌しながら昇温して、150〜160℃で12時間反応した。反応後、アセトンから再結晶することにより、フマル化α−テルピネン79g(α−テルピネン基準で純度96%)を得た。
冷却管、温度計、撹拌棒を備えた500ml三つ口フラスコに、ヤスハラケミカル(株)製のα−テルピネン(純度60%)71gおよび和光純薬工業(株)製のフマル酸(98%以上)58gを仕込み、撹拌しながら昇温して、150〜160℃で12時間反応した。反応後、アセトンから再結晶することにより、フマル化α−テルピネン79g(α−テルピネン基準で純度96%)を得た。
続いて、電磁撹拌装置を備えた内容500mlのオートクレーブに、上記で得られたフマル化テルピネン71g、2−プロパノール140g、および粉末状の5%パラジウムカーボン触媒0.7gを仕込んだ。次いで、これを密閉し、雰囲気を窒素ガスで置換した後、水素ガス15kg/cm2の圧力をかけながら導入した。そして、撹拌を開始すると、内温が27℃から32℃へ上昇した。吸収された水素を補うことで圧力を15〜20kg/cm2に保ちながら4時間反応させた。その後、得られた懸濁液をろ過して、触媒をろ別した。その後、ろ液を減圧濃縮することにより、水添フマル化α−テルピネン69g(純度95%)を得た。
次に、冷却管、温度計、撹拌棒、滴下ロートを備えた2L四つ口フラスコに、窒素気流下、脱水テトラヒドロフランを500ml入れ、和光純薬工業(株)製の水素化リチウムアルミニウム(80%以上)26.1gを加えた。混合液を、65℃で30分間環流させた後、加熱をやめ、ここに上記のようにして得られた水添フマル化α−テルピネン60gをテトラヒドロフラン300mlに溶解した溶液を3時間かけて滴下した。混合液を65℃で12時間環流させた後、0℃付近に冷却し、水を26ml、4規定水酸化ナトリウム水溶液を26ml、水80mlを順次加えた。灰色の部分がなくなるまで撹拌し、酢酸エチルを加え、油層と水層に分離した。油層を減圧蒸留にて溶媒を除去し、粗生成物53gを得た。これをカラムクロマトグラフィーで精製することにより、ジメチロール化合物の白色結晶20g(純度99%)を得た。
次に、ディーンスターク管、冷却管、温度計、撹拌棒を備えた300ml四つ口フラスコに、上記のようにして得られたジメチロール化合物20gとトルエン100g、和光純薬工業(株)製のアクリル酸(98%)12.7g、和光純薬工業(株)製のハイドロキノンモノメチルエーテル(98%)2.5mg、およびロームアンドハース社製のイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)2.0gを仕込んだ。混合液を減圧下100℃で12時間還流させた後、得られた混合液をろ過して触媒をろ別した。次いで、減圧下80℃でトルエンを留去して、水添α−テルピネンジメタノールジアクリレート20.6g(純度72%)を得た。
次に、冷却管、温度計、撹拌棒、滴下ロートを備えた2L四つ口フラスコに、窒素気流下、脱水テトラヒドロフランを500ml入れ、和光純薬工業(株)製の水素化リチウムアルミニウム(80%以上)26.1gを加えた。混合液を、65℃で30分間環流させた後、加熱をやめ、ここに上記のようにして得られた水添フマル化α−テルピネン60gをテトラヒドロフラン300mlに溶解した溶液を3時間かけて滴下した。混合液を65℃で12時間環流させた後、0℃付近に冷却し、水を26ml、4規定水酸化ナトリウム水溶液を26ml、水80mlを順次加えた。灰色の部分がなくなるまで撹拌し、酢酸エチルを加え、油層と水層に分離した。油層を減圧蒸留にて溶媒を除去し、粗生成物53gを得た。これをカラムクロマトグラフィーで精製することにより、ジメチロール化合物の白色結晶20g(純度99%)を得た。
次に、ディーンスターク管、冷却管、温度計、撹拌棒を備えた300ml四つ口フラスコに、上記のようにして得られたジメチロール化合物20gとトルエン100g、和光純薬工業(株)製のアクリル酸(98%)12.7g、和光純薬工業(株)製のハイドロキノンモノメチルエーテル(98%)2.5mg、およびロームアンドハース社製のイオン交換樹脂(アンバーリスト15E)2.0gを仕込んだ。混合液を減圧下100℃で12時間還流させた後、得られた混合液をろ過して触媒をろ別した。次いで、減圧下80℃でトルエンを留去して、水添α−テルピネンジメタノールジアクリレート20.6g(純度72%)を得た。
実施例1
(A)成分として、水添テルペンジフェノールジアクリレート80重量部、共栄社化学(株)製イソボルニルアクリレート(純度99.5%以上)20重量部、(B)成分として、和光純薬工業製の2−ヒドロキシエチルアクリレート(純度95%以上)10重量部、(C)成分として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製(純度100%)イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)3重量部を混合し、光硬化型樹脂組成物を調製した。
(A)成分として、水添テルペンジフェノールジアクリレート80重量部、共栄社化学(株)製イソボルニルアクリレート(純度99.5%以上)20重量部、(B)成分として、和光純薬工業製の2−ヒドロキシエチルアクリレート(純度95%以上)10重量部、(C)成分として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製(純度100%)イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)3重量部を混合し、光硬化型樹脂組成物を調製した。
実施例2
(B)成分として、信越化学工業(株)製(純度100%)の3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン10重量部を用いたこと以外は実施例1の場合と同様にして、光硬化型樹脂組成物を調製した。
(B)成分として、信越化学工業(株)製(純度100%)の3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン10重量部を用いたこと以外は実施例1の場合と同様にして、光硬化型樹脂組成物を調製した。
実施例3
(A)成分として水添テルペンジフェノールジアクリレート50重量部、水添α−テルピネンジメタノールジアクリレート50重量部を用いたこと以外は実施例1の場合と同様にして、光硬化型樹脂組成物を調製した。
(A)成分として水添テルペンジフェノールジアクリレート50重量部、水添α−テルピネンジメタノールジアクリレート50重量部を用いたこと以外は実施例1の場合と同様にして、光硬化型樹脂組成物を調製した。
比較例1
(A)成分の代わりに、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート100重量部を用いたこと以外は実施例1の場合と同様にして、光硬化型樹脂組成物を調製した。
(A)成分の代わりに、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート100重量部を用いたこと以外は実施例1の場合と同様にして、光硬化型樹脂組成物を調製した。
比較例2
(A)成分の代わりに、トリエチレングリコールジアクリレート100重量部を用いたこと以外は実施例1の場合と同様にして、光硬化型樹脂組成物を調製した。
(A)成分の代わりに、トリエチレングリコールジアクリレート100重量部を用いたこと以外は実施例1の場合と同様にして、光硬化型樹脂組成物を調製した。
比較例3
(B)成分を配合しなかったこと以外は実施例1の場合と同様にして、光硬化型樹脂組成物を調製した。
(B)成分を配合しなかったこと以外は実施例1の場合と同様にして、光硬化型樹脂組成物を調製した。
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例3の硬化収縮率、剥離強度(密着性)について以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりである。
(硬化収縮率)
比重瓶を用いて、光硬化型樹脂組成物の23℃における比重(D1)を測定した。次いで光硬化型樹脂組成物に1400mJ/cm2の紫外線を照射して、硬化物を得た。得られた硬化物について、電子比重計を用いて23℃における比重(D2)を測定した。硬化前後の比重差から、下記計算式によって硬化収縮率を求めた。
硬化収縮率(%)=((D2−D1)/D2)×100
比重瓶を用いて、光硬化型樹脂組成物の23℃における比重(D1)を測定した。次いで光硬化型樹脂組成物に1400mJ/cm2の紫外線を照射して、硬化物を得た。得られた硬化物について、電子比重計を用いて23℃における比重(D2)を測定した。硬化前後の比重差から、下記計算式によって硬化収縮率を求めた。
硬化収縮率(%)=((D2−D1)/D2)×100
(剥離強度)
光硬化型樹脂組成物を76mm×26mm×3mmのガラス板2枚の間に接着剤層が500μmになるように挟み、ガラス板の上方から1400mJ/cm2の紫外線を照射して接着させた。次いで引張速度50mm/分で180度引張試験を行って剥離強度(kgf/cm2)を測定した。
光硬化型樹脂組成物を76mm×26mm×3mmのガラス板2枚の間に接着剤層が500μmになるように挟み、ガラス板の上方から1400mJ/cm2の紫外線を照射して接着させた。次いで引張速度50mm/分で180度引張試験を行って剥離強度(kgf/cm2)を測定した。
表1から明らかなように、テルペン骨格含有の化合物を用いることによって、硬化収縮率が低く抑えられ、B成分の添加によって、ガラス基材との密着性が向上した。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、接着剤やコーティング剤、封止剤、塗料、インクをはじめとする電気絶縁材料、プリント配線板製造時の感光性樹脂材料や、無電界めっきレジスト用樹脂、その他の電子材料などとしても利用できる。
Claims (4)
- (A)テルペン骨格を有する化合物、(B)シランカップリング剤、OH基を含む(メタ)アクリレート、リンを含む(メタ)アクリレートのいずれか1種類以上、(C)光ラジカル重合開始剤の3成分を含有することを特徴とする光硬化型樹脂組成物。
- (A)成分が、テルペン骨格含有アクリル系モノマーである請求項1記載の光硬化型樹脂組成物。
- テルペン骨格含有アクリル系モノマーが、水添テルペンジフェノールジ(メタ)アクリレートである請求項2記載の光硬化型樹脂組成物。
- テルペン骨格含有アクリル系モノマーが、テルペン骨格を有するジメチロール化合物と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリレート化合物である請求項2記載の光硬化型樹脂組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005381195A JP2007169579A (ja) | 2005-12-22 | 2005-12-22 | 光硬化型樹脂組成物 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2012014820A1 (ja) * | 2010-07-27 | 2012-02-02 | パナソニック株式会社 | アレルゲン低減剤とそれを用いた加工製品、塗料および木質建材 |
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-
2005
- 2005-12-22 JP JP2005381195A patent/JP2007169579A/ja active Pending
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