JP2016024240A - 液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セル - Google Patents
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Abstract
Description
即ち本発明は、次の1)〜13)に関するものである。
本明細書において「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味する。また、「液晶滴下工法用液晶シール剤」を単に「液晶シール剤」と記載する場合もある。
(A)分子内にエステル構造を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(ただし(メタ)アクリル酸に由来するエステル構造を除く)を含有する液晶滴下工法用液晶シール剤。
2)
更に、(B)熱ラジカル重合開始剤を含有する上記1)に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
3)
更に、(C)有機フィラーを含有する上記1)又は2)に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
4)
上記成分(C)が、ウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子、及びシリコーン微粒子からなる群より選択される1又は2以上の有機フィラーである上記3)に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
5)
更に、(D)上記成分(A)以外の(メタ)アクリル化合物を含有する上記1)及至4)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
6)
更に、(E)無機フィラーを含有する上記1)及至5)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
7)
更に、(F)シランカップリング剤を含有する上記1)及至6)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
8)
更に、(G)エポキシ樹脂を含有する上記1)及至7)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
9)
更に、(H)熱硬化剤を含有する上記1)及至8)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
10)
上記成分(H)が有機酸ヒドラジド化合物である上記9)に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
11)
更に、(I)光重合開始剤を含有する上記1)及至10)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
12)
2枚の基板により構成される液晶表示セルにおいて、一方の基板に形成された上記1)乃至11)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤の堰の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、その後熱により硬化することを特徴とする液晶表示セルの製造方法。
13)
上記1)乃至12)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤を硬化して得られる硬化物でシールされた液晶表示セル。
ただし、上記エステル構造には、(メタ)アクリル酸由来のエステル構造は除かれる。従来より液晶シール剤に用いられているウレタン(メタ)アクリレートは、アクリル酸由来のエステル構造を有するが、特に光配向処理式の配向膜への接着性において、十分な効果は得られない。これは、反応性基である(メタ)アクリル基の近くにあるエステル構造では、上記柔軟性において十分ではない為であると考えられる。
前記ポリエステルジオールとは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAポリ(n≒2〜20)エトキシジオール、ビスフェノールAポリ(n≒2〜20)プロポキシジオール等のジオール化合物(a−1)と二塩基酸又はその無水物(例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸あるいは、これらの無水物)との反応物であるポリエステルジオール(a−2)を挙げることができる。
使用するポリエステルジオール(a−2)は、水酸基化が30〜80mgKOH/gであるものが好ましく、40〜70mgKOH/gであるものがさらに好ましい。
また、当該ポリエステルジオール(a−2)は、数平均分子量が1500〜2500のものが好ましく、1800〜2200のものがさらに好ましい。
上記ベンゾピナコールは東京化成工業株式会社、和光純薬工業株式会社等から市販されている。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をエーテル化することは、周知の方法によって容易に合成可能である。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をシリルエーテル化することは、対応するベンゾピナコールと各種シリル化剤をピリジン等の塩基性触媒下で加熱させる方法により合成して得ることができる。シリル化剤としては、一般に知られているトリメチルシリル化剤であるトリメチルクロロシラン(TMCS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(BSTFA)やトリエチルシリル化剤としてトリエチルクロロシラン(TECS)、t−ブチルジメチルシリル化剤としてt−ブチルメチルシラン(TBMS)等が挙げられる。これらの試薬はシリコン誘導体メーカー等の市場から容易に入手することが出来る。シリル化剤の反応量としては対象化合物の水酸基1モルに対して1.0〜5.0倍モルが好ましい。さらに好ましくは1.5〜3.0倍モルである。1.0倍モルより少ないと反応効率が悪く、反応時間が長くなるため熱分解を促進してしまう。5.0倍モルより多いと回収の際に分離が悪くなったり、精製が困難になったりしてしまう。
これら有機フィラーは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また2種以上を用いてコアシェル構造としても良い。これらのうち、好ましくは、アクリル微粒子、シリコーン微粒子である。
上記アクリル微粒子を使用する場合、2種類のアクリルゴムからなるコアシェル構造のアクリル微粒子である場合が好ましく、特に好ましくはコア層がn−ブチルアクリレートであり、シェル層がメチルメタクリレートであるものが好ましい。これはゼフィアックRTMF−351としてアイカ工業株式会社から販売されている。
また、上記シリコーン微粒子としては、オルガノポリシロキサン架橋物粉体、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋物粉体等があげられる。また、複合シリコーンゴムとしては、上記シリコーンゴムの表面にシリコーン樹脂(例えば、ポリオルガノシルセスキオキサン樹脂)を被覆したものがあげられる。これらの微粒子のうち、特に好ましいのは、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋粉末のシリコーンゴム又はシリコーン樹脂被覆直鎖ジメチルポリシロキサン架橋粉末の複合シリコーンゴム微粒子である。これらのものは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、好ましくは、ゴム粉末の形状は、添加後の粘度の増粘が少ない球状が良い。本発明の液晶シール剤において、成分(C)を使用する場合には、液晶シール剤の総量中、通常5〜50質量%、好ましくは5〜40質量%である。
成分(D)としては、例えば(メタ)アクリルエステル、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応により公知の方法で得られる。原料となるエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましく、例えば、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他、カテコール、レゾルシノール等の二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などが挙げられる。これらのうち液晶汚染性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やレゾルシンジグリシジルエーテルが好ましい。また、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基との比率は限定されるものではなく、工程適合性及び液晶汚染性の観点から適切に選択される。
成分(D)は単独で用いても良いし、2種類以上を混合しても良い。本発明の液晶シール剤において、成分(D)を使用する場合には、液晶シール剤の総量中、通常10〜70質量%、好ましくは20〜60質量%である。
成分(E)の平均粒子径は、大きすぎると狭ギャップの液晶セル製造時に上下ガラス基板の貼り合わせ時のギャップ形成がうまくできない等の不良要因となるため、2000nm以下が適当であり、好ましくは1000nm以下である。また好ましい下限は10nm程度であり、さらに好ましくは20nm程度である。粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製;LMS−30)により測定することができる。
本発明の液晶シール剤において、成分(E)を使用する場合には、液晶シール剤の総量中、通常1〜50質量%、好ましくは3〜40質量%である。無機フィラーの含有量が1質量%より低い場合、ガラス基板に対する接着強度が低下し、また耐湿信頼性も劣るために、吸湿後の接着強度の低下も大きくなる場合がある。又、無機フィラーの含有量が50質量%より多い場合、フィラー含有量が多すぎるため、つぶれにくく液晶セルのギャップ形成ができなくなってしまう場合がある。
成分(F)としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤はKBMシリーズ、KBEシリーズ等として信越化学工業株式会社等によって販売されている為、市場から容易に入手可能である。本発明の液晶シール剤において、成分(F)を使用する場合には、液晶シール剤総量中、0.05〜3質量%が好適である。
成分(G)は単独で用いても良いし、2種類以上を混合しても良い。本発明の液晶シール剤において、成分(G)を使用する場合には、液晶シール剤総量中、通常5〜50質量%、好ましくは5〜40質量%である。
成分(H)は単独で用いても良いし、2種類以上を混合しても良い。本発明の液晶シール剤において、成分(H)を使用する場合には、液晶シール剤総量中、通常0.1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%である。
また、液晶汚染性の観点から、分子内に(メタ)アクリル基を有するものを使用する事が好ましく、例えば2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートと1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2メチル−1−プロパン−1−オンとの反応生成物が好適に用いられる。この化合物は国際公開第2006/027982号記載の方法にて製造して得ることができる。
本発明の液晶シール剤において、成分(I)を使用する場合には、液晶シール剤総量中、通常0.001〜3質量%、好ましくは0.002〜2質量%である。
有機酸としては、有機カルボン酸や有機リン酸等が挙げられるが、有機カルボン酸である場合が好ましい。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、フランジカルボン酸等の芳香族カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、ドデカン二酸、セバシン酸、チオジプロピオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリス(2−カルボキシメチル)イソシアヌレート、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−カルボキシプロピル)イソシアヌレート、ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート等を挙げることができる。
また、イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2 ,4−ジアミノ−6(2 ’−エチル−4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4− ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1 ’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
本発明の液晶シール剤において、硬化促進剤を使用する場合には、液晶シール剤の総量中、通常0.1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%である。
ラジカル重合防止剤の含有量としては本発明の液晶シール剤総量中、0.0001〜1質量%が好ましく、0.001〜0.5質量%が更に好ましく、0.01〜0.2質量%が特に好ましい。
また、本発明の液晶シール剤を用いて作成した液晶表示セルは、電圧保持率が高く、イオン密度が低いという液晶表示セルとして必要な特性も充足される。
さらに保存安定性や、液晶の差込への耐性も良好である為、作業効率が良く、優れた液晶表示セルの製造を容易にすることができるものである。
[ウレタンアクリレート(a)の合成]
エチレングリコールとアジピン酸からなるポリエステルジオール(日立化成株式会社製、品名テスラック2459、水酸基価56.0mgKOH/g、数平均分子量2000)463.7gとトリレンジイソシアネート80.6gを仕込み、80℃で撹拌し、約6時間反応を行った。イソシアネート基が3.57重量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート55.3gとメトキノン0.3gとジブチルスズラウリレート0.1gを仕込み80℃で約8時間反応を行い、イソシアネート基が0.1%以下になったところで反応を終了することにより、目的とするウレタンアクリレート585gを得た。
[ウレタンアクリレート(b)の合成]
ブタンジオールとエチレングリコールとアジピン酸からなるポリエステルジオール(日立化成株式会社製、品名テスラック2460、水酸基価56.5mgKOH/g、数平均分子量2000)462.7gとトリレンジイソシアネート81.2gを仕込み、80℃で撹拌し、約6時間反応を行った。イソシアネート基が3.60重量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート55.7gとメトキノン0.3gとジブチルスズラウリレート0.1gを仕込み80℃で約8時間反応を行い、イソシアネート基が0.1%以下になったところで反応を終了することにより、目的とするウレタンアクリレート582gを得た。
[ウレタンアクリレート(c)の合成]
ポリプロピレングリコール(三洋化成工業株式会社製、水酸基価57.5mgKOH/g、数平均分子量1950)390.0gとトリレンジイソシアネート69.8gを仕込み、70℃で撹拌し、約8時間反応を行った。イソシアネート基が3.65重量%になったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4gとメトキノン0.05gとジブチルスズラウリレート0.05gを仕込み80℃で約8時間反応を行い、イソシアネート基が0.1%以下になったところで反応を終了することにより、目的とするウレタンアクリレート485gを得た。
[ウレタンアクリレート(d)の合成]
トリレンジイソシアネート348.4gと2−ヒドロキシエチルアクリレート478.3gとメトキノン0.4gを仕込み、室温で約3時間反応を行った。その後、60℃まで加温してジブチルスズラウリレート0.08gを仕込み約6時間反応を行い、イソシアネート基が0.1%以下になったところで反応を終了することにより、目的とするウレタンアクリレート800gを得た。
[熱ラジカル重合開始剤(a)の合成]
市販ベンゾピナコール(東京化成工業株式会社製)100部(0.28モル)をジメチルホルムアルデヒド350部に溶解させた。これに塩基触媒としてピリジン32部(0.4モル)、シリル化剤としてBSTFA(信越化学工業株式会社製)150部(0.58モル)を加え70℃まで昇温し、2時間攪拌した。得られた反応液を冷却し、攪拌しながら、水200部を入れ、生成物を沈殿させると共に未反応シリル化剤を失活させた。沈殿した生成物をろ別分離した後十分に水洗した。次いで得られた生成物をアセトンに溶解し、水を加えて再結晶させ、精製した。目的の1, 2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1, 2,2−テトラフェニルエタンを105.6部(収率88.3%)得た。
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、純度は99.0%(面積百分率)であった。
[エポキシアクリレート(a)の合成]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂282.5g(製品名:エポトートYD−8125、新日鐵住金化学株式会社製)をトルエン266.8gに溶解し、これに重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.8gを加え、60℃まで昇温した。その後、エポキシ基の100%当量のアクリル酸117.5gを加え更に80℃まで昇温し、これに反応触媒であるトリメチルアンモニウムクロライド0.6gを添加して、98℃で約30時間攪拌し、反応液を得た。この反応液を水洗し、トルエンを留去することにより、目的とするビスフェノールA型のエポキシアクリレート(アクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂)395gを得た。
下記表1に示す割合で分子内にエステル構造を有する(メタ)アクリル樹脂(ただしアクリル酸に由来するエステル構造を除く)(成分(A))及び他の(メタ)アクリル樹脂(成分(D))を90℃で加熱溶解させた後、室温まで冷却し、有機フィラー(成分(C))、熱ラジカル重合開始剤(成分(B))、及び無機フィラー(成分(E))を添加し、攪拌した後、3本ロールミルにて分散させ、金属メッシュ(635メッシュ)で濾過し、液晶滴下工法用シール剤実施例1〜3、比較例1、2を調製した。
ガラス基板に配向膜液(RN2880:JNC株式会社製)をスピンコートし、90℃ホットプレートで60秒の仮焼きを行い230℃オーブンで1時間焼成した。さらに、この配向膜付き基板をUV照射機により1000mJ/cm2(測定波長:254nm)の紫外線を照射させた。
得られた液晶シール剤100gにスペーサとして5μmのグラスファイバー1gを添加して混合撹拌を行う。この液晶シール剤を25mm×25mmの配向膜付き基板上にディスペンサーまたはスクリーン印刷機でシール剤を塗布し、25mm×30mmの配向膜付き基板を貼り合わせ、オーブンに投入して120℃1時間熱硬化させた。得られた試験片をボンドテスター(SS−30WD:西進商事株式会社製)にてシール端から直線で5mmの位置をピンで押し込む接着強度を測定した。結果を表1に示す。
上記光配向処理式の配向膜への接着強度テストと同一の測定サンプルを作成する。その測定サンプルを121℃、2気圧、湿度100%の条件で、プレッシャークッカー試験機(TPC−411:タバイエスペック株式会社製)に2時間投入したサンプルを上記ボンドテスターにて測定した。その結果を表1に示す。
◎:接着強度が1.5kgf以上もしくはガラス基板が破壊する。
○:接着強度が1.0kgf以上1.5kgf未満である。
△:接着強度が0.5kgf以上1.0kgf未満である。
×:接着強度が0.5kgf未満である。
◎:接着強度が1.2kgf以上もしくはガラス基板が破壊する。
○:接着強度が0.8kgf以上1.2kgf未満である。
△:接着強度が0.4kgf以上0.8kgf未満である。
×:接着強度が0.4kgf未満である。
上記光配向処理式の配向膜付き基板に、得られた液晶シール剤を貼り合せ後の線幅が1mmとなるようにメインシールおよびダミーシールをディスペンスし、次いで液晶(JC−5015LA;チッソ株式会社製)の微小滴をシールパターンの枠内に滴下した。更にもう一枚のラビング処理済み基板に面内スペーサ(ナトコスペーサKSEB−525F;ナトコ株式会社製;貼り合せ後のギャップ幅5μm)を散布、熱固着し、貼り合せ装置を用いて真空中で先の液晶滴下済み基板と貼り合せた。大気開放してギャップ形成した後、オーブンに投入して120℃1時間熱硬化させ評価用液晶テストセルを作成した。
◎:液晶の配向乱れがシールから0.2mm未満である。
○:液晶の配向乱れがシールから0.2mm以上0.4mm未満である。
△:液晶の配向乱れがシールから0.4mm以上0.6mm未満である。
×:液晶の配向乱れがシールから0.6mm以上である。
Claims (13)
- (A)分子内にエステル構造を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(ただし(メタ)アクリル酸に由来するエステル構造を除く)を含有する液晶滴下工法用液晶シール剤。
- 更に、(B)熱ラジカル重合開始剤を含有する請求項1に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
- 更に、(C)有機フィラーを含有する請求項1又は2に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
- 前記成分(C)が、ウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子、及びシリコーン微粒子からなる群より選択される1又は2以上の有機フィラーである請求項3に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
- 更に、(D)前記成分(A)以外の(メタ)アクリル化合物を含有する請求項1及至4のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
- 更に、(E)無機フィラーを含有する請求項1及至5のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
- 更に、(F)シランカップリング剤を含有する請求項1及至6のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
- 更に、(G)エポキシ樹脂を含有する請求項1及至7のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
- 更に、(H)熱硬化剤を含有する請求項1及至8のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
- 前記成分(H)が有機酸ヒドラジド化合物である請求項9に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
- 更に、(I)光重合開始剤を含有する請求項1及至10のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
- 2枚の基板により構成される液晶表示セルにおいて、一方の基板に形成された請求項1乃至11のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤の堰の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、その後熱により硬化することを特徴とする液晶表示セルの製造方法。
- 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤を硬化して得られる硬化物でシールされた液晶表示セル。
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