JP2015203834A - 液晶滴下工法用液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示セル - Google Patents

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祥行 竹居
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伸彦 内藤
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Abstract

【課題】
液晶の液晶シール剤への、十分な差込耐性を有しながら、作業性、低液晶汚染性にも優れ、更に接着強度等のような液晶シール剤としての一般的な特性においても優れる液晶滴下工法用液晶シール剤を提供すること。
【解決手段】
(A)下記式(1)で表される硬化性化合物、(B)熱ラジカル重合開始剤、及び(C)平均粒子径が10nm〜150nmであるシリカを含有する液晶滴下工法用液晶シール剤。
【化1】
Figure 2015203834

[式(1)中、R乃至Rはそれぞれ独立して、少なくとも(メタ)アクリロイル基を3個有する基である]
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶滴下工法に使用される液晶シール剤に関する。より詳細には、液晶の液晶シール剤への十分な差込耐性を有しながら、作業性、低液晶汚染性にも優れ、更に接着強度等のような液晶シール剤としての一般的な特性においても優れる液晶滴下工法用液晶シール剤に関する。
近年の液晶表示セルの大型化に伴い、液晶表示セルの製造法として、より量産性の高い、いわゆる液晶滴下工法が提案されていた(特許文献1、特許文献2)。具体的には、一方の基板に形成された液晶シール剤の堰の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、その後液晶シール剤を硬化する液晶表示セルの製造方法である。
しかし、液晶滴下工法では、液晶シール剤が硬化する前に、液晶と液晶シール剤が接触する為、液晶による圧力によって液晶シール剤に差込現象が発生し、また決壊してしまうこともあり、問題とされている。この問題は、光と熱を併用する液晶滴下工法においても配線等の影になって充分な紫外線が照射されない部分が存在する液晶表示セルの製造や、紫外線照射を行わず、熱のみで液晶シール剤を硬化する方法の液晶滴下工法においては、特に大きな問題である。この解決の為には、液晶の滴下量の精度を高めることが必要であるが、それでも液晶シール剤の硬化工程である加熱時に液晶が膨脹する為、上記差込現象を完全に抑えるのは困難である。
また、液晶滴下工法用液晶シール剤には、低液晶汚染性、高接着強度、高耐湿性、高耐熱性等の一般特性や保存安定性等の作業性といった種々の課題を解決する必要がある。
この課題を解決する為、様々な技術が提案されている。
特許文献3では、有機ベントナイトを用いて上記課題の解決を図っている。この方法は、液晶の差込に対して、一定の成果は有するものの、十分であるとは言いがたい。
特許文献4では、ヒュームドシリカ、ポリチオールを用いた液晶シール剤を用い、液晶シール剤のBステージ化処理を行う方法が記載されている。しかし、この方法では、工程が長くなってしまうことと、その工程のための装置が必要となってしまうという欠点がある。
特許文献5では、熱ラジカル重合開始剤を用いて、硬化速度を上げることにより差込を防止する液晶滴下工法用液晶シール剤が開示されている。
特許文献6では、液晶シール剤を高粘度化することによって差込耐性をもたせ、また低液晶汚染性を実現する技術が開示されている。しかし、高粘度化は作業性、特に塗布作業性を悪化させるという別の解決課題を内包している。
以上述べたように、液晶シール剤の開発は非常に精力的に行われているにも拘わらず、優れた差込耐性を有し、かつ低液晶汚染性、高接着強度等の液晶シール剤としての一般特性においても優れるといったものは未だ完成していない。
特開昭63−179323号公報 特開平10−239694号公報 特開2010−14771号公報 特開2011−150181号公報 国際公開第2011/061910号 特開2011−197662号公報
本発明は、液晶滴下工法に使用される液晶シール剤に関し、より詳細には、液晶の液晶シール剤への差込耐性を有しながら、作業性、低液晶汚染性にも優れ、更に接着強度等のような液晶シール剤としての一般的な特性においても優れる液晶滴下工法用液晶シール剤を提案するものである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、非常に多くの(メタ)アクリロイル基を有する一般式(1)で表される硬化性化合物、熱ラジカル重合開始剤、及び平均粒径が10nm〜150nmであるシリカを含有する液晶滴下工法用液晶シール剤が、充分な差込特性を有しながら、作業性、低液晶汚染性にも優れ、更に接着強度等のような液晶シール剤としての一般的な特性においても優れることを発見し、本発明に至ったものである。
なお、本明細書中、「(メタ)アクリル」とは「アクリル及び/又はメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基」を意味する。また、「液晶滴下工法用液晶シール剤」を単に「液晶シール剤」と記載する場合もある。
即ち本発明は、次の1)〜13)に関するものである。
1)
(A)下記式(1)で表される硬化性化合物、(B)熱ラジカル重合開始剤、及び(C)平均粒子径が10nm〜150nmであるシリカを含有する液晶滴下工法用液晶シール剤。
Figure 2015203834
[式(1)中、R乃至Rはそれぞれ独立して、少なくとも(メタ)アクリロイル基を3個有する基である]
2)
上記式(1)におけるR乃至Rの全ての官能基のうち、2個以上がヒドロキシ基である上記1)に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
3)
上記成分(A)が、E型粘度計を用いて測定した粘度が0.4〜70Pa・sであり、かつ数平均分子量が1000〜4000の硬化性化合物である上記1)又は2)に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤、
4)
更に(D)前記成分(A)以外の硬化性化合物を含有する上記1)乃至3)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤、
5)
上記成分(D)が、(メタ)アクリル化エポキシ樹脂及び/又はエポキシ樹脂である上記4)に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤、
6)
上記成分(D)が、(メタ)アクリル化エポキシ樹脂とエポキシ樹脂の混合物である上記4)に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤、
7)
更に、(E)有機フィラーを含有する上記1)乃至6)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤、
8)
上記成分(E)が、ウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子、及びシリコーン微粒子からなる群より選択される1又は2以上の有機フィラーである上記1)乃至7)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤、
9)
更に、(F)熱硬化剤を含有する上記1)乃至8)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤、
10)
上記成分(F)が、有機酸ヒドラジド化合物である上記9)に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤、
11)
更に(G)シランカップリング剤を含有する、上記1)乃至10)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤、
12)
2枚の基板により構成される液晶表示セルにおいて、一方の基板に形成された上記1)乃至13)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤の堰の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、その後熱により硬化することを特徴とする液晶表示セルの製造方法、
13)
上記1)乃至11)のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤を硬化して得られる硬化物でシールされた液晶表示セル。
本発明の液晶シール剤は、液晶の差込への耐性と塗布作業性が非常に優れる。従って、液晶表示セルの製造を容易にする。また、低液晶汚染性、接着強度等液晶シール剤としての一般特性にも優れる為、完成した液晶表示セルは、長期信頼性の高いものである。すなわち本発明は、優れた液晶表示セルを容易に製造することを可能とするものである。
本発明の液晶シール剤は、成分(A)として上記式(1)で表される硬化性化合物を含有する。
上記式(1)において、R及至Rはそれぞれ独立して、少なくとも(メタ)アクリロイル基を3個有する。この成分は架橋速度(反応速度)が速い為優れた差込耐性を実現でき、更に成分(A)自体の液晶汚染やその他の反応性成分の液晶への溶出を抑えることができる。なお、この方法を用いた場合、熱ラジカル重合開始剤等の量を増やして、反応性を向上させる方法とは異なり、作業性にも優れる。作業性とは、液晶シール剤の使用のし易さを意味する。特にディスペンスやスクリーン印刷による塗布時の作業性は塗布作業性と表現される。なお、記式(1)で表される硬化性化合物は、2〜5世代のデンドリマーである場合が好ましい。
また、上記成分(A)の式(1)におけるR及至Rのすべての官能基のうち、2個以上がヒドロキシ基である場合が好ましい。分子の極性が高くなり、成分(A)自体の液晶への溶解性が低下する為である。
更に、上記成分(A)は、E型粘度計を用いて測定した粘度が0.4〜70Pa・sであり、かつ数平均分子量が1000〜4000である場合が好ましい。粘度が0.4Pa・sである場合、または数平均分子量が1000より小さい場合、液晶への汚染性が高くなる傾向がある。また、粘度が70Pa・sより高い場合、または数平均分子量が4000より大きい場合は、液晶シール剤の粘度が高くなり、作業性が悪くなる傾向にある為である。
成分(A)とし好ましいものは、例えばV#1000、V#1020、V#1080(いずれも大阪有機化学社製)等であるが、上記式(1)の構造を有する限り、これらに限定されるものではない。
本発明の液晶シール剤は、成分(B)として熱ラジカル重合開始剤を含有する。
当該熱ラジカル重合開始剤は、加熱によりラジカルを生じ、連鎖重合反応を開始させる化合物であれば特に限定されないが、有機過酸化物、アゾ化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾピナコール等が挙げられ、ベンゾピナコールが好適に用いられる。例えば、有機過酸化物としては、カヤメックRTMA、M、R、L、LH、SP-30C、パーカドックスCH−50L、BC−FF、カドックスB−40ES、パーカドックス14、トリゴノックスRTM22−70E、23−C70、121、121−50E、121−LS50E、21−LS50E、42、42LS、カヤエステルRTMP−70、TMPO−70、CND−C70、OO−50E、AN、カヤブチルRTMB、パーカドックス16、カヤカルボンRTMBIC−75、AIC−75(化薬アクゾ株式会社製)、パーメックRTMN、H、S、F、D、G、パーヘキサRTMH、HC、パTMH、C、V、22、MC、パーキュアーRTMAH、AL、HB、パーブチルRTMH、C、ND、L、パークミルRTMH、D、パーロイルRTMIB、IPP、パーオクタRTMND、(日油株式会社製)などが市販品として入手可能である。また、アゾ化合物としては、VA−044、V−070、VPE−0201、VSP−1001(和光純薬工業株式会社製)等が市販品として入手可能である。なお、本明細書中、上付きのRTMは登録商標を意味する。
上記(B)熱ラジカル重合開始剤として、好ましいものは、分子内に酸素−酸素結合(−O−O−)又は窒素−窒素結合(−N=N−)を有さない熱ラジカル重合開始剤である。分子内に酸素−酸素結合(−O−O−)や窒素−窒素結合(−N=N−)を有する熱ラジカル重合開始剤は、ラジカル発生時に多量の酸素や窒素を発するため、液晶シール剤中に気泡を残した状態で硬化し、接着強度等の特性を低下させる虞がある。ベンゾピナコール系の熱ラジカル重合開始剤(ベンゾピナコールを化学的に修飾したものを含む)が特に好適である。具体的には、ベンゾピナコール、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラ(4−メチルフェニル)エタン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラ(4−メトキシフェニル)エタン、1,2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1,2−ビス(トリエチルシロキシ)−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1,2−ビス(t−ブチルジメチルシロキシ)−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリエチルシロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−t−ブチルジメチルシロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン等、が挙げられ、好ましくは1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−トリエチルシロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1−ヒドロキシ−2−t−ブチルジメチルシロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1,2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,2,2−テトラフェニルエタンであり、さらに好ましくは1−ヒドロキシ−2−トリメチルシロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエタン、1,2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,2,2−テトラフェニルエタンであり、特に好ましくは1,2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,2,2−テトラフェニルエタンである。
上記ベンゾピナコールは東京化成工業株式会社、和光純薬工業株式会社等から市販されている。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をエーテル化することは、周知の方法によって容易に合成可能である。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をシリルエーテル化することは、対応するベンゾピナコールと各種シリル化剤をピリジン等の塩基性触媒下で加熱させる方法により合成して得ることができる。シリル化剤としては、一般に知られているトリメチルシリル化剤であるトリメチルクロロシラン(TMCS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(BSTFA)やトリエチルシリル化剤としてトリエチルクロロシラン(TECS)、t−ブチルジメチルシリル化剤としてt−ブチルメチルシラン(TBMS)等が挙げられる。これらの試薬はシリコン誘導体メーカー等の市場から容易に入手することが出来る。シリル化剤の反応量としては対象化合物の水酸基1モルに対して1.0〜5.0倍モルが好ましい。さらに好ましくは1.5〜3.0倍モルである。1.0倍モルより少ないと反応効率が悪く、反応時間が長くなるため熱分解を促進してしまう。5.0倍モルより多いと回収の際に分離が悪くなったり、精製が困難になったりしてしまう。
(B)熱ラジカル重合開始剤は粒径を細かくし、均一に分散することが好ましい。その平均粒径は、大きすぎると狭ギャップの液晶表示セル製造時に上下ガラス基板を貼り合わせる際のギャップ形成が上手くできない等の不良要因となるため、5μm以下が好ましく、より好ましくは3μm以下である。また、際限なく細かくしても差し支えないが、通常下限は0.1μm程度である。粒径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製;LMS−30)により測定できる。
(B)熱ラジカル重合開始剤の含有量としては、液晶シール剤の総量中、0.0001〜10質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.0005〜5質量%であり、0.001〜3質量%が特に好ましい。
本発明の液晶シール剤は(C)平均粒子径が10nm〜150nmであるシリカを含有する。平均粒子径が10nm未満である場合差し込み耐性が低くなり、平均粒子径が150nmより大きい場合も十分なチクソ性を得ることができず、差し込み耐性が低くなるためである。
なお、本明細書において平均粒子径は、粒径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製;LMS−30)等により測定することができる。また、市販品であれば、各社カタログにも明記されている。
本発明の液晶シール剤中における成分(C)シリカの含有量は、液晶シール剤の総量中、通常1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%である。含有量が1質量%より少ない場合、ガラス基板に対する接着強度が低下してしまう。又、含有量が30質量%より多い場合、充填剤含有量が多すぎるため粘度が高すぎて塗布性が悪くなってしまう。
本願発明の液晶シール剤は、成分(D)として前記成分(A)以外の硬化性化合物を含有しても良い。
成分(D)は、光又は熱によって重合反応するものであれば特に限定されず、例えば(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物、エポキシ基を有する硬化性化合物等を挙げることができる。
(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、例えば(メタ)アクリルエステル、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリルエステルとしては、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、フロログリシノールトリアクリレート等が挙げられる。エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応により公知の方法で得られる。原料となるエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他、カテコール、レゾルシノール等の二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などが挙げられる。これらのうち液晶汚染性の観点から、レゾルシン骨格を有するエポキシ樹脂が好ましく、例えばレゾルシンジグリシジルエーテル等である。また、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基との比率は限定されるものではなく、工程適合性及び液晶汚染性の観点から適切に選択される。
したがって、好ましい(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有し、さらにレゾルシン骨格を有する硬化性化合物であり、例えば、レゾルシンジグリシジルエーテルのアクリル酸エステルやレゾルシンジグリシジルエーテルのメタクリル酸エステルである。
エポキシ基を有する硬化性化合物としては、エポキシ樹脂が挙げられる。該エポキシ樹脂としては特に限定されるものではないが、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などが挙げられる。これらのうち液晶汚染性の観点より好ましいのはビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂である。
(メタ)アクリロイル基を有する硬化性化合物、エポキシ基を有する硬化性化合物は2種以上を混合して用いることもでき、(メタ)アクリル化エポキシ樹脂とエポキシ樹脂を混合して用いることが、本願発明の特に好ましい態様の一つである。
本願発明の液晶シール剤は、(E)有機フィラーを含有しても良い。上記有機フィラーとしては、例えばウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子及びシリコーン微粒子が挙げられる。なおシリコーン微粒子としてはKMP−594、KMP−597、KMP−598(信越化学工業製)、トレフィルRTME−5500、9701、EP−2001(東レダウコーニング社製)が好ましく、ウレタン微粒子としてはJB−800T、HB−800BK(根上工業株式会社)、スチレン微粒子としてはラバロンRTMT320C、T331C、SJ4400、SJ5400、SJ6400、SJ4300C、SJ5300C、SJ6300C(三菱化学製)が好ましく、スチレンオレフィン微粒子としてはセプトンRTMSEPS2004、SEPS2063が好ましい。
これら有機フィラーは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また2種以上を用いてコアシェル構造としても良い。これらのうち、好ましくは、アクリル微粒子、シリコーン微粒子である。
上記アクリル微粒子を使用する場合、2種類のアクリルゴムからなるコアシェル構造のアクリルゴムである場合が好ましく、特に好ましくはコア層がn−ブチルアクリレートであり、シェル層がメチルメタクリレートであるものが好ましい。これはゼフィアックRTMF−351としてアイカ工業株式会社から販売されている。
また、上記シリコーン微粒子としては、オルガノポリシロキサン架橋物粉体、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋物粉体等があげられる。また、複合シリコーンゴムとしては、上記シリコーンゴムの表面にシリコーン樹脂(例えば、ポリオルガノシルセスキオキサン樹脂)を被覆したものがあげられる。これらの微粒子のうち、特に好ましいのは、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋粉末のシリコーンゴム又はシリコーン樹脂被覆直鎖ジメチルポリシロキサン架橋粉末の複合シリコーンゴム微粒子である。これらのものは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、好ましくは、ゴム粉末の形状は、添加後の粘度の増粘が少ない球状が良い。 本発明の液晶シール剤において、有機フィラーを使用する場合には、液晶シール剤の総量中、通常5〜50質量%、好ましくは5〜40質量%である。
本願発明の液晶シール剤は、(F)熱硬化剤を含有しても良い。この成分(F)は、上記成分(B)熱ラジカル重合開始剤とは異なり、ラジカルを発生しない熱硬化剤を意味する。具体的には、非共有電子対や分子内のアニオンによって、求核的に反応するものであって、例えば多価アミン類、多価フェノール類、有機酸ヒドラジド化合物等を挙げる事ができる。ただしこれらに限定されるものではない。これらのうち有機酸ヒドラジド化合物が特に好適に用いられる。例えば、芳香族ヒドラジドであるテレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6−ピリジンジヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、1,4,5,8−ナフトエ酸テトラヒドラジド、ピロメリット酸テトラヒドラジド等をあげることが出来る。また、脂肪族ヒドラジド化合物であれば、例えば、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、1,4−シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、N,N’−ヘキサメチレンビスセミカルバジド、クエン酸トリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等のヒダントイン骨格、好ましくはバリンヒダントイン骨格(ヒダントイン環の炭素原子がイソプロピル基で置換された骨格)を有するジヒドラジド化合物、トリス(1−ヒドラジノカルボニルメチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(1−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(3−ヒドラジノカルボニルプロピル)イソシアヌレート、ビス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート等をあげることができる。硬化反応性と潜在性のバランスから好ましくは、イソフタル酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、トリス(1−ヒドラジノカルボニルメチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(3−ヒドラジノカルボニルプロピル)イソシアヌレートであり、特に好ましくはマロン酸ジヒドラジドである。
成分(F)熱硬化剤の含有率は、液晶シール剤の総量中、0.1〜10質量%である場合が好ましく、1〜5質量%である場合が更に好ましい。
本願発明の液晶シール剤は、更に(G)シランカップリング剤を添加して、接着強度や耐湿性の向上を図ることができる。成分(G)シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤はKBMシリーズ、KBEシリーズ等として信越化学工業株式会社等によって販売されている為、市場から容易に入手可能である。シランカップリング剤(g)の液晶シール剤に占める含有量は、本発明の液晶シール剤、0.05〜3質量%が好適である。
本願発明の液晶シール剤は上記成分以外にも、例えば光重合開始剤、ラジカル重合防止剤、成分(C)以外の無機フィラー、ゴム微粒子、有機酸やイミダゾール化合物等の硬化促進剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、溶剤などの添加剤を配合することができる。
上記光重合開始剤としては、紫外線や可視光の照射によって、ラジカルや酸を発生し、連鎖重合反応を開始させる化合物であれば特に限定されないが、例えば、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエチルチオキサントン、ベンゾフェノン、2−エチルアンスラキノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスヒンオキサイド、カンファーキノン、9−フルオレノン、ジフェニルジスルヒド等を挙げることができる。具体的には、IRGACURERTM 651、184、2959、127、907、396、379EG、819、784、754、500、OXE01、OXE02、DAROCURERTM1173、LUCIRINRTM TPO(いずれもBASF社製)、セイクオールRTMZ、BZ、BEE、BIP、BBI(いずれも精工化学株式会社製)等を挙げることができる。
また、液晶汚染性の観点から、分子内に(メタ)アクリル基を有するものを使用する事が好ましく、例えば2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートと1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2メチル−1−プロパン−1−オンとの反応生成物が好適に用いられる。この化合物は国際公開第2006/027982号記載の方法にて製造して得ることができる。
光重合開始剤を用いる場合の液晶シール剤総量中の含有率は、通常0.001〜3質量%、好ましくは0.002〜2質量%である。
上記ラジカル重合防止剤としては、光重合開始剤や熱ラジカル重合開始剤等から発生するラジカルと反応して重合を防止する化合物であれば特に限定されるものではなく、キノン系、ピペリジン系、ヒンダードフェノール系、ニトロソ系等を用いることができる。具体的には、ナフトキノン、2−ヒドロキシナフトキノン、2−メチルナフトキノン、2−メトキシナフトキノン、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6,−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6,−テトラメチル−4−メトキシピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6,−テトラメチル−4−フェノキシピペリジン−1−オキシル、ハイドロキノン、2−メチルハイドロキノン、2−メトキシハイドロキノン、パラベンゾキノン、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルクレゾール、ステアリルβ−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β―(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]、2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−sec−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、パラメトキシフェノール、4−メトキシ−1−ナフトール、チオジフェニルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミンのアルミニウム塩、商品名アデカスタブLA−81、商品名アデカスタブLA−82(株式会社アデカ製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちナフトキノン系、ハイドロキノン系、ニトロソ系ピペラジン系のラジカル重合防止剤が好ましく、ナフトキノン、2−ヒドロキシナフトキノン、ハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−P−クレゾール、ポリストップ7300P(伯東株式会社製)が更に好ましく、ポリストップ7300P(伯東株式会社製)が最も好ましい。
ラジカル重合防止剤は、成分(C)(メタ)アクリル化エポキシ樹脂を合成する際に添加する方法や、成分(C)(メタ)アクリル化エポキシ樹脂及び/又は成分(E)エポキシ樹脂に溶解させる方法があるが、より有効な効果を得る為には成分(C)(メタ)アクリル化エポキシ樹脂及び/又は成分(E)エポキシ基を有する硬化性樹脂に対して添加して、溶解させるほうが好ましい。
ラジカル重合防止剤の含有量としては本発明の液晶シール剤総量中、0.0001〜1質量%が好ましく、0.001〜0.5質量%が更に好ましく、0.01〜0.2質量%が特に好ましい。
上記成分(C)以外の無機フィラーとしては、溶融シリカ、結晶シリカ、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチウムアルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン、アスベスト等が挙げられ、好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウムであり、更に好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、タルクである。これら無機フィラーは2種以上を混合して用いても良い。その平均粒径は、大きすぎると狭ギャップの液晶セル製造時に上下ガラス基板の貼り合わせ時のギャップ形成がうまくできない等の不良要因となるため、3μm以下が適当であり、好ましくは2μm以下である。粒径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製;LMS−30)により測定することができる。
本発明の液晶シール剤において、無機フィラーを使用する場合には、液晶シール剤の総量中、通常5〜50質量%、好ましくは5〜40質量%である。無機フィラーの含有量が5質量%より低い場合、ガラス基板に対する接着強度が低下し、また耐湿信頼性も劣るために、吸湿後の接着強度の低下も大きくなる場合がある。又、無機フィラーの含有量が50質量%より多い場合、フィラー含有量が多すぎるため、つぶれにくく液晶セルのギャップ形成ができなくなってしまう場合がある。
上記硬化促進剤としては、有機酸やイミダゾール等を挙げることができる。
有機酸としては、有機カルボン酸や有機リン酸等が挙げられるが、有機カルボン酸である場合が好ましい。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、フランジカルボン酸等の芳香族カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、ドデカン二酸、セバシン酸、チオジプロピオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリス(2−カルボキシメチル)イソシアヌレート、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−カルボキシプロピル)イソシアヌレート、ビス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート等を挙げることができる。
また、イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル−4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
本発明の液晶シール剤において、硬化促進剤を使用する場合には、液晶シール剤の総量中、通常0.1〜10質量%、好ましくは1〜5質量%である。
本発明の液晶シール剤を得る方法の一例としては、次に示す方法がある。まず、成分(A)に、必要に応じ、成分(D)を加熱混合し、室温まで冷却後、成分(B及び成分(C)、必要に応じ、成分(E)、成分(F)、成分(G)、消泡剤、レベリング剤、及び溶剤等を添加し、公知の混合装置、例えば3本ロール、サンドミル、ボールミル等により均一に混合し、金属メッシュにて濾過することにより本発明の液晶シール剤を製造することができる。
本発明の液晶表示セルは、基板に所定の電極を形成した一対の基板を所定の間隔に対向配置し、周囲を本発明の液晶シール剤でシールし、その間隙に液晶が封入されたものである。封入される液晶の種類は特に限定されない。ここで、基板とはガラス、石英、プラスチック、シリコン等からなる少なくとも一方に光透過性がある組み合わせの基板から構成される。その製法としては、本発明の液晶シール剤に、グラスファイバー等のスペーサー(間隙制御材)を添加後、該一対の基板の一方にディスペンサー、またはスクリーン印刷装置等を用いて該液晶シール剤を塗布した後、必要に応じて、80〜120℃で仮硬化を行う。その後、該液晶シール剤の堰の内側に液晶を滴下し、真空中にてもう一方のガラス基板を重ね合わせ、ギャップ出しを行う。ギャップ形成後、90〜130℃で1〜2時間硬化することにより本発明の液晶表示セルを得ることができる。このようにして得られた本発明の液晶表示セルは、液晶汚染による表示不良が無く、接着性、耐湿信頼性に優れたものである。スペーサーとしては、例えばグラスファイバー、シリカビーズ、ポリマービーズ等があげられる。その直径は、目的に応じ異なるが、通常2〜8μm、好ましくは4〜7μmである。その使用量は、本発明の液晶シール剤100質量%に対し通常0.1〜4質量%、好ましくは0.5〜2質量%、更に、好ましくは0.9〜1.5質量%程度である。
本発明の液晶シール剤は、液晶の差込への耐性が非常に良好であり、液晶滴下工法における基板の貼り合せ工程、加熱工程においても液晶が差し込んだり、シールが決壊したりする現象をおこさない。従って、安定した液晶表示セルの作成が可能である。また、硬化性樹脂が架橋される速度が速い為、構成成分の液晶への溶出も極めて少なく、液晶表示セルの表示不良を低減することが可能である。また、塗布作業性にも優れる為、液晶表示セルの製造に適している。更に、その硬化物は接着強度、耐熱性、耐湿性等の各種硬化物特性にも優れる為、本発明の液晶シール剤を用いることにより、信頼性に優れる液晶表示セルを作成することが可能である。また、本発明の液晶シール剤を用いて作成した液晶表示セルは、電圧保持率が高く、イオン密度が低いという液晶表示セルとして必要な特性も充足される。
以下、合成例、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特別の記載のない限り、本文中「部」及び「%」とあるのは質量基準である。
[合成例1]
[1,2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,2,2−テトラフェニルエタンの合成]
市販ベンゾピナコール(東京化成製)100部(0.28モル)をジメチルホルムアルデヒド350部に溶解させた。これに塩基触媒としてピリジン32部(0.4モル)、シリル化剤としてBSTFA(信越化学工業製)150部(0.58モル)を加え70℃まで昇温し、2時間攪拌した。得られた反応液を冷却し、攪拌しながら、水200部を入れ、生成物を沈殿させると共に未反応シリル化剤を失活させた。沈殿した生成物をろ別分離した後十分に水洗した。次いで得られた生成物をアセトンに溶解し、水を加えて再結晶させ、精製した。目的の1,2−ビス(トリメチルシロキシ)−1,1,2,2−テトラフェニルエタンを105.6部(収率88.3%)得た。
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、純度は99.0%(面積百分率)であった。
[合成例2]
[ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシアクリレートの合成]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂282.5g(製品名:エポトートYD−8125、新日鐵住金化学株式会社製)をトルエン266.8gに溶解し、これに重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.8gを加え、60℃まで昇温した。その後、エポキシ基の100%当量のアクリル酸117.5gを加え更に80℃まで昇温し、これに反応触媒であるトリメチルアンモニウムクロライド0.6gを添加して、98℃で約30時間攪拌し、反応液を得た。この反応液を水洗し、トルエンを留去することにより、目的とするビスフェノールA型のエポキシアクリレート(アクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂)395gを得た。
[実施例1〜3]
表1に示す量の成分(A)、(B)等を用い、液晶シール剤の製造を行った。製造方法は以下に示す通りである。
まず、成分(A)と成分(D)として、デンドリマーアクリレートとエポキシアクリレートとエポキシ樹脂を加熱混合し、室温まで冷却後、成分(B)ラジカル発生剤、成分(C)シリカ、成分(E)有機微粒子、成分(F)熱硬化剤、成分(G)シランカップリング剤を添加し、3本ロールによって混練し、金属メッシュ(635メッシュ)にて濾過することにより本発明の液晶シール剤を製造した。
[比較例1]
表1に示す量の成分(A)、(B)等を用い、液晶シール剤の製造を行った。製造方法は以下に示す通りである。
まず、成分(D)として、エポキシアクリレートとエポキシ樹脂とアクリルエステルを加熱混合し、室温まで冷却後、成分(B)ラジカル発生剤、成分(C)シリカ、成分(E)有機微粒子、成分(F)熱硬化剤、成分(G)シランカップリング剤を添加し、3本ロールによって混練し、金属メッシュ(635メッシュ)にて濾過することにより本発明の液晶シール剤を製造した。
[比較例2]
表1に示す量の成分(A)、(B)等を用い、液晶シール剤の製造を行った。製造方法は以下に示す通りである。
まず、成分(D)として、エポキシアクリレートとエポキシ樹脂を加熱混合し、室温まで冷却後、成分(B)ラジカル発生剤、成分(C)シリカ、成分(E)有機微粒子、成分(F)熱硬化剤、成分(G)シランカップリング剤を添加し、3本ロールによって混練し、金属メッシュ(635メッシュ)にて濾過することにより本発明の液晶シール剤を製造した。
[比較例3]
表1に示す量の成分(A)、(B)等を用い、液晶シール剤の製造を行った。製造方法は以下に示す通りである。
まず、成分(A)と成分(D)として、デンドリマーアクリレートとエポキシアクリレートとエポキシ樹脂を加熱混合し、室温まで冷却後、成分(B)ラジカル発生剤、有機微粒子成分(F)熱硬化剤、成分(G)シランカップリング剤を添加し、3本ロールによって混練し、金属メッシュ(635メッシュ)にて濾過することにより本発明の液晶シール剤を製造した。
Figure 2015203834
実施例1〜3、比較例1〜3で調製した液晶シール剤について、以下の評価を行った。結果を表2にまとめる。
[評価用液晶セルの作成]
実施例1〜3及び比較例1〜3の液晶シール剤各100gにスペーサーとして5μmのグラスファイバー1gを添加して混合撹拌脱泡を行い、シリンジに充填する。ITO透明電極付きガラス基板に配向膜液(PIA−5540−05A;チッソ株式会社製)を塗布、焼成し、ラビング処理を施した。この基板に先にシリンジに充填した実施例及び比較例の液晶シール剤をディスペンサー(SHOTMASTER300:武蔵エンジニアリング株式会社製)を使って、シールパターン及びダミーシールパターンの塗布を行い、次いで液晶(JC−5015LA;チッソ株式会社製)の微小滴をシールパターンの枠内に滴下した。更にもう一枚のラビング処理済みガラス基板に面内スペーサ(ナトコスペーサKSEB−525F;ナトコ株式会社製;貼り合せ後のギャップ幅5μm)を散布、熱固着し、真空貼り合せ装置を用いて真空中で先の液晶滴下済み基板と貼り合せた。その後、大気開放してギャップ形成した後、120℃オーブンに投入して1時間加熱硬化させ評価用液晶テストセルを作成した。
作成した評価用液晶セルのシール形状および液晶配向乱れを偏光顕微鏡にて観察した結果を表2に示す。また、作成した液晶セルのギャップは、液晶特性評価装置(OMS−NK3:中央精機株式会社製)を用いて測定した結果を表2に示す。シール形状、液晶配向乱れ及び液晶セルのギャップの評価は下記の4段階とした。
なお、シール形状は、塗布作業性に関する評価であり、液晶配向の評価は液晶汚染性の関する評価である。また液晶セルギャップは、差込耐性について確認することもできる。
[シール形状の評価]
○:シールの直線性に乱れが無い。
△:シールの変形が認められるが、液晶の封止には問題が無いレベルである。
×:シールに液晶が差し込み、液晶の封止に問題が発生しうるレベルである。
××:シールが決壊しセルが形成できない。
[液晶セルギャップの評価]
○:セル内が均一に5μmのセルギャップとなっている。
△:セル内に5.5μm程度のギャップがでていない場所がある。
×:セル内に6μm以上のギャップがでていない場所がある。
××:シールが決壊しセルが形成出来ない。
[液晶配向の評価]
○:シール近傍に液晶の配向乱れがない。
△:シール近傍に僅かに液晶の配向乱れがある。
×:シール近傍に液晶の配向乱れがある。
××:シールが決壊しセルが形成出来ない。
Figure 2015203834
表2に示されるように、実施例1〜3の液晶シール剤は差込耐性が十分でありながら、塗布作業性に優れ、また液晶汚染性も低いシール剤であることが確認された。
本発明の液晶滴下工法用液晶シール剤は、液晶の差込への耐性も良好でありながら、ディスペンスやスクリーン印刷といった塗布作業性に優れ、また液晶汚染性も低い。更に、接着強度等のような液晶シール剤としての一般的な特性においても優れる液晶滴下工法用液晶シール剤である為、長期信頼性に優れる液晶表示セルを容易に製造することができるものである。

Claims (13)

  1. (A)下記式(1)で表される硬化性化合物、(B)熱ラジカル重合開始剤、及び(C)平均粒子径が10nm〜150nmであるシリカを含有する液晶滴下工法用液晶シール剤。
    Figure 2015203834
    [式(1)中、R乃至Rはそれぞれ独立して、少なくとも(メタ)アクリロイル基を3個有する基である]
  2. 前記式(1)におけるR乃至Rの全ての官能基のうち、2個以上がヒドロキシ基である請求項1に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  3. 前記成分(A)が、E型粘度計を用いて測定した粘度が0.4〜70Pa・sであり、かつ数平均分子量が1000〜4000の硬化性化合物である請求項1又は2に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  4. 更に(D)前記成分(A)以外の硬化性化合物を含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  5. 前記成分(D)が、(メタ)アクリル化エポキシ樹脂及び/又はエポキシ樹脂である請求項4に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  6. 前記成分(D)が、(メタ)アクリル化エポキシ樹脂とエポキシ樹脂の混合物である請求項4に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  7. 更に、(E)有機フィラーを含有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  8. 前記成分(E)が、ウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子、及びシリコーン微粒子からなる群より選択される1又は2以上の有機フィラーである請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  9. 更に、(F)熱硬化剤を含有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  10. 前記成分(F)が、有機酸ヒドラジド化合物である請求項9に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  11. 更に(G)シランカップリング剤を含有する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  12. 2枚の基板により構成される液晶表示セルにおいて、一方の基板に形成された請求項1乃至13のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤の堰の内側に液晶を滴下した後、もう一方の基板を貼り合わせ、その後熱により硬化することを特徴とする液晶表示セルの製造方法。
  13. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤を硬化して得られる硬化物でシールされた液晶表示セル。
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WO2017064970A1 (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 Dic株式会社 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、塗料、塗膜、及びフィルム

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