JP2012173488A - 液晶滴下工法用シール剤、及び、液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶滴下工法用シール剤、及び、液晶表示素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外線照射による仮硬化工程を省略してもシールパターンの破れが発生しない液晶滴下工法用シール剤、及び、該液晶滴下工法用シール剤を用いた液晶表示素子の製造方法を提供する。
【解決手段】硬化性樹脂と、熱ラジカル開始剤及び/又は熱硬化剤と、光ラジカル開始剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、前記光ラジカル開始剤は、波長400〜450nmにおける吸光係数が10mL/gcm以上、かつ、波長450nm以上における吸光係数が1mL/gcm以下である液晶滴下工法用シール剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、紫外線照射による仮硬化工程を省略してもシールパターンの破れが発生しない液晶滴下工法用シール剤、及び、該液晶滴下工法用シール剤を用いた液晶表示素子の製造方法に関する。
近年、液晶表示セル等の液晶表示素子の製造方法は、タクトタイム短縮、使用液晶量の最適化といった観点から、従来の真空注入方式から、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されているような光硬化性樹脂、光重合開始剤、熱硬化性樹脂、及び、熱硬化剤を含有する光、熱併用硬化型のシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式にかわりつつある。
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
しかし、紫外線照射による仮硬化工程には、大型の紫外線照射装置が必要であり、製造装置の大型化やコスト面での問題となっていた。また、省エネルギーの観点からも、高エネルギーを消費する紫外線照射装置を用いることは好ましくない。更に、液晶として、UV硬化性組成物を含有する液晶(PSA液晶)を用いる場合には、シール剤を硬化させる際の紫外線照射によってPSA液晶の一部が硬化してしまい、色むら等の表示不良の原因となることがあるという問題もあった。
そこで、紫外線照射による仮硬化工程を省略し、シール剤を熱のみによって硬化させることが検討されてきた。しかしながら、紫外線照射による仮硬化工程なしでは、加熱した際に液晶が流動し硬化途中のシール剤部に差し込み、シールパターンの破れ等が発生するという問題があった。結局、熱のみによる硬化を志向しつつも、実際には紫外線照射による仮硬化工程を省略できないのが現状であった。
特開2001−133794号公報 国際公開第02/092718号パンフレット
本発明は、紫外線照射による仮硬化工程を省略してもシールパターンの破れが発生しない液晶滴下工法用シール剤、及び、該液晶滴下工法用シール剤を用いた液晶表示素子の製造方法に関する。
本発明は、硬化性樹脂と、光ラジカル開始剤と、熱ラジカル開始剤及び/又は熱硬化剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、前記光ラジカル開始剤は、波長400〜450nmにおける吸光係数が10mL/gcm以上、かつ、波長450nm以上における吸光係数が1mL/gcm以下である液晶滴下工法用シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、鋭意検討の結果、硬化性樹脂と熱ラジカル開始剤及び/又は熱硬化剤とを含有する熱硬化型の液晶滴下工法用シール剤に、特定の吸光特性を有する光ラジカル開始剤を組み合わせることにより、紫外線照射工程を省略しても、通常の白熱電球等を用いた光照射を行うだけで、シールパターンの破れが発生することなく液晶表示装置を製造できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、光及び熱により硬化する性質を有するものであれば特に限定されないが、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂を含有することが好ましい。
上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を意味し、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、本明細書において上記エポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物は特に限定されず、単官能のエステル化合物は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2,−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H,−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
また、2官能のエステル化合物は、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、3官能以上のエステル化合物は、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレートは特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られるもの等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、エーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物、ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート828EL、エピコート1001、エピコート1004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン850−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれもジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(東都化成社製)等が挙げられる。
上記エーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(東都化成社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(東都化成社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(ジャパンエポキシレジン社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(東都化成社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611、(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも東都化成社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYL−7000(ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも東都化成社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれもジャパンエポキシレジン社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレートは、具体的には、例えば、レゾルシノール型エポキシ樹脂(EX−201、ナガセケムテックス社製)360重量部と、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部と、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部と、アクリル酸210重量部とを、空気を送り込んで還流攪拌しながら、90℃で5時間反応させることによって得ることができる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYLRDX63182(いずれもダイセルサイテック社製)、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、2つのイソシアネート基を有する化合物1当量に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートは特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートは特に限定されず、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体は特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品やエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートは、具体的には、例えば、トリメチロールプロパン134重量部、重合禁止剤としてBHT0.2重量部、反応触媒としてジブチル錫ジラウリレート0.01重量部、イソホロンジイソシアネート666重量部を加え、60℃で還流攪拌しながら2時間反応させ、次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート51重量部を加え、空気を送り込んで還流攪拌しながら90℃で2時間反応させることにより得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、エベクリル230、エベクリル270、エベクリル4858、エベクリル8402、エベクリル8804、エベクリル8803、エベクリル8807、エベクリル9260、エベクリル1290、エベクリル5129、エベクリル4842、エベクリル210、エベクリル4827、エベクリル6700、エベクリル220、エベクリル2220(いずれもダイセルサイテック社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−122P、U−108A、U−340P、U−4HA、U−6HA、U−324A、U−15HA、UA−5201P、UA−W2A、U−1084A、U−6LPA、U−2HA、U−2PHA、UA−4100、UA−7100、UA−4200、UA−4400、UA−340P、U−3HA、UA−7200、U−2061BA、U−10H、U−122A、U−340A、U−108、U−6H、UA−4000(いずれも新中村化学工業社製)、AH−600、AT−600、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I等が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂は、液晶への悪影響を抑える点で、−OH基、−NH−基、−NH基等の水素結合性のユニットを有するものが好ましく、合成の容易さ等からエポキシ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂は、反応性の高さから分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を2〜3個有するものが好ましい。
上記硬化性樹脂は、得られる液晶滴下工法用シール剤の接着性を向上させることを目的として、更に、エポキシ基を有する樹脂を含有することが好ましい。上記エポキシ基を有する樹脂は特に限定されず、例えば、上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ樹脂や、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味し、例えば、2つ以上のエポキシ基を有する樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤が上記エポキシ基を有する樹脂を含有する場合、(メタ)アクリロイルオキシ基とエポキシ基との比が50:50〜95:5になるように上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂と上記エポキシ基を有する樹脂とを配合することが好ましい。(メタ)アクリロイルオキシ基の比率が50%以下であると、熱重合が完了しても未硬化のエポキシ樹脂成分が多く存在するため液晶を汚染することがある。(メタ)アクリロイルオキシ基の比率が95%以上であると、得られる液晶滴下工法用シール剤が充分な接着力がなく接着性に劣るものとなることがある。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、熱ラジカル重合開始剤及び/又は熱硬化剤を含有する。
上記熱ラジカル重合開始剤は特に限定されず、例えば、過酸化物やアゾ化合物等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、V−30、V−501、V−601、VPE−0201、(いずれも和光純薬工業社製)、パーブチルO、パーヘキシルO、パーブチルPV(いずれも日油社製)等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤の含有量は特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は2重量部、好ましい上限は10重量部である。上記熱ラジカル重合開始剤の含有量が2重量部未満であると、重合が充分に進行しなかったり、反応が遅くなりすぎたりすることがある。上記熱ラジカル重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、作業性が低下したり、反応が不均一になったりすることがある。上記熱ラジカル重合開始剤の含有量のより好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は8重量部である。
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記固形の有機酸ヒドラジドは特に限定されず、例えば、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、SDH(日本ファインケム社製)、アミキュアVDH、アミキュアUDH(いずれも、味の素ファインテクノ社製)、ADH(大塚化学社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は1.0重量部、好ましい上限は10.0重量部である。上記熱硬化剤の含有量が1.0重量部未満であると、重合が充分に進行しなかったり、反応が遅くなりすぎたりすることがある。上記熱硬化剤の含有量が10.0重量部を超えると、作業性が低下したり、反応が不均一になったりすることがある。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい下限は3.0重量部、より好ましい上限は8.0重量部である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、光ラジカル重合開始剤を含有する。
上記光ラジカル重合開始剤は特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル、チオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル開始剤は、波長400〜450nmにおける吸光係数が10mL/gcm以上である。
本明細書において「波長400〜450nmにおける吸光係数が10mL/gcm以上である」とは、必ずしも波長400〜450nmに吸収波長のピークを有することは意味しない。400nm以下の波長域に吸収波長のピークを有する場合であっても、該ピークのテーリング部分が400〜450nmにまで伸びていて、その結果として波長400〜450nmにおける吸光係数が10mL/gcm以上であればよい。
上記光ラジカル開始剤の波長400〜450nmにおける吸光係数が10mL/gcm未満であると、波長400nm以上の光を照射しても充分な液晶滴下工法用シール剤の粘度の上昇がなく、シールパターンの破れを防止することができない。上記光ラジカル開始剤の波長400〜450nmにおける吸光係数のより好ましい下限は20mL/gcmである。上記吸光係数は、高ければ高いほど反応性が高くなる傾向があることから、特に上限はない。
上記光ラジカル開始剤は、波長450nm以上における吸光係数が1mL/gcm以下である。波長450nm以上における吸光係数が1mL/gcmを超えると、作業中に容易に液晶滴下工法用シール剤の硬化が始まってしまい、作業性に劣る。波長450nm以上における吸光係数のより好ましい上限は0.5mL/gcmである。
上記吸光特性を有する光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE OXE01、IRGACURE 819、IRGACURE 379(いずれもチバスペシャリティケミカルズ社製)等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤の含有量は特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は5.0重量部である。上記光ラジカル重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、光重合が充分に進行しなかったり、反応が遅くなりすぎたりすることがある。上記光ラジカル重合開始剤の含有量が5.0重量部を超えると、作業性が低下したり、反応が不均一になったりすることがある。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善等を目的としてフィラーを含有することが好ましい。
上記フィラーは特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土、窒化アルミニウム等の無機フィラーや、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機フィラーが挙げられる。
上記フィラーの含有量は特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は1重量部、好ましい上限は100重量部である。上記フィラーの含有量が1重量部未満であると、フィラーを配合することによる効果が充分に得られないことがある。上記フィラーの含有量が100重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤が耐湿性に劣るものとなることがある。上記フィラーの含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は50重量部である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、更に、揺変剤を含有することが好ましい。
上記揺変剤は特に限定されず、例えば、アマイド系、ひまし油系、酸化ポリエチレン系等の揺変剤が挙げられる。なかでも、上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂との相溶性が高く、液晶滴下工法用シール剤のチクソ性を向上させる効果を発揮しやすいことからアマイド系の揺変剤が好ましい。
揺変剤のうち市販されているものとしては、例えば、ディスパロン305、ディスパロン4300、ディスパロン6650、ディスパロン6500、ディスパロン6700、ディスパロンF9050(いずれも楠本化成社製)等が挙げられる。
上記揺変剤の含有量は特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は1重量部、好ましい上限は7重量部である。上記揺変剤の含有量が1重量部未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤がチクソ性に劣るものとなることがある。上記揺変剤の含有量が7重量部を超えると、シール剤中に溶けきれずに析出することがある。上記揺変剤の含有量のより好ましい下限は2重量部、より好ましい上限は4重量部である
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、更に、シランカップリング剤を含有することが好ましい。上記シランカップリング剤は、主に液晶滴下工法用シール剤と基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤は特に限定されないが、基板等との接着性を向上させる効果に優れ、硬化性樹脂と化学結合することにより液晶中への硬化性樹脂の流出を抑制することができることから、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、更に、必要に応じて、応力緩和剤、硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤等のその他の公知の添加剤を含有してもよい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤を製造する方法は特に限定されず、例えば、硬化性樹脂、熱ラジカル重合開始剤、熱硬化剤、光ラジカル重合開始剤と、必要に応じて配合されるフィラー、揺変剤、シランカップリング剤等の添加剤を、3本ロール等を用いた従来公知の方法により混合し、均一に分散させる方法等が挙げられる。このとき、イオン性の不純物を除去するために層状珪酸塩鉱物等のイオン吸着性固体と接触させてもよい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤を用いれば、従来の紫外線照射に代えて、通常の白熱電球等を用いた光照射を行うだけで、シールパターンの破れが発生することなく液晶表示装置を製造できる。
2枚の透明基板の少なくとも一方に、本発明の液晶滴下工法用シール剤を塗布して枠状のシールパターンを形成する工程1と、上記シールパターンが未硬化の状態で液晶の微小滴を形成したシールパターンの枠内全面に滴下塗布した後、他方の透明基板を重ねあわせる工程2と、重ねあわせた透明基板に波長400nm以上の光を照射する工程3と、重ねあわせた透明基板を加熱してシール剤を硬化させる工程4とを有する液晶表示素子の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶表示装置の製造方法の工程1では、本発明の液晶滴下工法用シール剤を塗布して枠状のシールパターンを形成する。シールパターンを形成は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
なお、上記工程1において、本発明の液晶滴下工法用シール剤を塗布する際に、本発明の液晶滴下工法用シール剤を25〜45℃の範囲で加熱することにより、シールパターンの描画の精度を向上させることができ、かつ、シールパターンを形成する際の本発明の液晶滴下工法用シール剤の粘度が高くなり、シールパターンの破れ防止性をより高いものとすることができる。
本発明の液晶表示装置の製造方法の工程2では、上記シールパターンが未硬化の状態で液晶の微小滴を形成したシールパターンの枠内全面に滴下塗布した後、他方の透明基板を重ねあわせる。具体的の方法は、従来公知の液晶滴下工法の方法を用いることができる。
本発明の液晶表示装置の製造方法の工程3では、重ねあわせた透明基板に波長400nm以上の光を照射する。上記工程3は、従来公知の液晶滴下工法のように、シール剤の仮硬化を目的とするものではない。本発明の液晶表示装置の製造方法は、基本的には熱のみによる硬化を志向するものである。上記工程3は、熱のみによる硬化を行った場合に、シール剤を増粘させて、シールパターンの破れが発生するのを防止することを目的とする。
上記工程3に用いる光源は、波長400nm以上の光を照射できるものであれば特に限定されず、白熱電球等のごく通常の光源を用いることができる。
本発明の液晶表示装置の製造方法の工程4では、重ねあわせた透明基板を加熱してシール剤を硬化させる。具体的には、オーブン等を用いて80〜140℃、30〜120分間加熱することにより硬化させることができる。
本発明によれば、紫外線照射による仮硬化工程を省略してもシールパターンの破れが発生しない液晶滴下工法用シール剤、及び、該液晶滴下工法用シール剤を用いた液晶表示素子の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)シール剤の調製
硬化性樹脂としてアクリル樹脂(ダイセルサイテック社製、EB3700)80重量部、エポキシ樹脂として(DIC社製、エピクロン850−S)20重量部と、熱ラジカル重合開始剤として高分子アゾ化合物(和光純薬工業社製、VPE0201)5重量部と、熱硬化剤としてセバシン酸ジヒドラジド(日本ファインケム社製、SDH)5重量部と、光ラジカル重合開始剤としてオキシムエステル系開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、IRGACURE OXE01)2重量部と、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、KBM403)2重量部と、フィラーとしてシリカ(アドマテックス社製、SO−C1)10重量部と、接着助剤としてアクリル重合体微粒子(ガンツ化成社製、F351)10重量部とを配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、あわとり練太郎)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合してシール剤を得た。
ここで、光ラジカル重合剤として用いた、オキシムエステル系開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、IRGACURE OXE01)は、波長400〜450nmにおける吸光係数が50mL/gcm、かつ、波長450nm以上における吸光係数が0.5mL/gcmであった。
(2)液晶表示装置の製造
ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、SHOTMASTER300)を用いて、得られたシール剤を、線幅が約1.5mmの正方形の枠を描くようにITO薄膜付きの透明電極基板に塗布してシールパターンを形成した。次いで、TN/VA液晶(チッソ社製、JC−5001LA)の微小滴を液晶滴下装置にてシールパターンの枠内に滴下塗布し後、別の透明電極基板と真空張り合わせ装置にて5Paの減圧下にて張り合わせた。真空解除後、白熱電灯(東芝ライテック社製、レフレクターランプ60W)を用いて光照射を行った。次いで、120℃のオーブンにて60分間加熱してシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を得た。
(実施例2)
実施例1で調製したシール剤を用い、TN/VA液晶(チッソ社製、JC−5001LA)に代えて、PAS液晶(製造元不明)を用いた以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を得た。
(比較例1)
光ラジカル重合開始剤を配合しなかった以外は実施例1と同様にしてシール剤を調製し、液晶表示素子を得た。
(比較例2)
光ラジカル重合開始剤として光ラジカル重合剤としてオキシムエステル系開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、IRGACURE OXE01)2重量部に代えて、アセトフェノン系開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製、IRGACURE 651)を用いた以外は実施例1と同様にしてシール剤を調製し、液晶表示素子を得た。
ここで、光ラジカル重合剤として用いたアセトフェノン系開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製、IRGACURE 651)は、波長365nmに吸収ピークを有するものであって、波長400〜450nmにおける吸光係数が0.5mL/gcm、かつ、波長450nm以上における吸光係数が0.1mL/gcmであった。
(比較例3)
比較例2で調製したシール剤を用い、TN/VA液晶(チッソ社製、JC−5001LA)に代えて、PAS液晶を用いた以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を得た。
(比較例4)
光ラジカル重合開始剤として光ラジカル重合剤としてオキシムエステル系開始剤(チバスペシャリティケミカルズ社製、IRGACURE OXE01)2重量部に代えて、チタノセン系開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製、IRGACURE 784)2重量部を用いた以外は実施例1と同様にしてシール剤を調製し、液晶表示素子を得た。
ここで、光ラジカル重合剤として用いたチタノセン系開始剤(チバスペシャルティーケミカルズ社製、IRGACURE784)は、波長400〜450nmにおける吸光係数が100mL/gcm、かつ、波長450nm以上における吸光係数が50mL/gcmであった。
(比較例5)
熱ラジカル重合開始剤を配合しなかった以外は実施例1と同様にしてシール剤を調製し、液晶表示素子を得た。
(参考例1)
実施例1で調製したシール剤を用い、白熱電灯(東芝ライテック社製、レフレクターランプ60W)による光照射を行わなかった以外は実施例1と同様にして液晶表示素子を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られたシール剤及び液晶表示素子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)シールパターンの破れの防止性
実施例及び比較例で得られた液晶表示素子について、シールパターンの形状観察を行った。その結果、内部の液晶によりシールパターンの形状が乱されていなかったものを「○」、シールパターンの形状が乱されていたものを「△」、液晶がシールパターンを突き破って外部に漏れ出したものを「×」として評価した。
(2)液晶表示素子の表示性能
実施例及び比較例で得られた液晶表示素子の作製直後におけるシール剤付近の液晶配向乱れを目視によって確認した。配向乱れは表示部の色むらにより判断し、色むらの程度に応じて、色むらが全くない場合を「○」、色むらが少しある場合を「△」、色むらがかなりある場合を「×」として評価した。
(3)作業性
実施例及び比較例で得られたシール剤について、イエローランプ条件下での作業性について評価した。シールをガラス基板に描画した後イエローランプ環境下で1時間放置し、その後貼り合わせを行った後、ギャップが十分にでた場合を「○」、ギャップが不十分であり、潰れなかった場合を「×」として評価した。
Figure 2012173488
本発明によれば、紫外線照射による仮硬化工程を省略してもシールパターンの破れが発生しない液晶滴下工法用シール剤、及び、該液晶滴下工法用シール剤を用いた液晶表示素子の製造方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. 硬化性樹脂と、熱ラジカル開始剤及び/又は熱硬化剤と、光ラジカル開始剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、
    前記光ラジカル開始剤は、波長400〜450nmにおける吸光係数が10mL/gcm以上、かつ、波長450nm以上における吸光係数が1mL/gcm以下である
    ことを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。
  2. 硬化性樹脂は、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤。
  3. 2枚の透明基板の少なくとも一方に、請求項1又は2記載の液晶滴下工法用シール剤を塗布して枠状のシールパターンを形成する工程1と、
    前記シールパターンが未硬化の状態で液晶の微小滴を形成したシールパターンの枠内全面に滴下塗布した後、他方の透明基板を重ねあわせる工程2と、
    重ねあわせた透明基板に波長400nm以上の光を照射する工程3と、
    重ねあわせた透明基板を加熱してシール剤を硬化させる工程4とを有する
    ことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
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