JP5965730B2 - 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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以下に本発明を詳述する。
上記光塩基発生剤とは、紫外線、電子線、X線、赤外線、可視光線等の活性エネルギー線の作用により塩基を発生する物質であり、より具体的には、活性エネルギー線の照射により脱炭酸して分解する有機酸と塩基との塩、活性エネルギー線の照射による分子内求核置換反応や転位反応等により分解してアミン化合物を生成する化合物、及び、活性エネルギー線の照射により何らかの化学反応を起こして塩基を放出するものの総称である。
上記式(3)で表される置換基としては、具体的には例えば、下記式(5−1)〜(5−3)で表される置換基等が挙げられる。
上記式(4−3)中、R14〜R20は、それぞれ独立し、水素原子、ハロゲン原子、又は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
上記式(4−4)中、R21〜R29は、それぞれ独立し、水素原子、ハロゲン原子、又は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
上記式(4−5)中、R30及びR31は、それぞれ独立し、炭素数1〜10のアルキル基を表し、R32は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は、炭素数1〜10のアルキルカルボニル基を表し、nは、0〜7の整数を表す。
上記式(4−6)中、R33〜R36は、それぞれ独立し、水素原子、又は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
しかしながら、アミン化合物として3級アミンを生成する光塩基発生剤を用いる場合、3級アミンと硬化性樹脂とがアニオン重合的に反応し、硬化性樹脂中に3級アミンが取り込まれずに液晶を汚染することがある。そのため、活性エネルギー線の照射により1級アミン又は2級アミンを生成する光塩基発生剤を用いることが好ましく、1級アミンを生成する光塩基発生剤を用いることがより好ましい。
上記硬化性樹脂はエポキシ基を有する樹脂を含有することが好ましい。
上記エポキシ基を有する樹脂は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鐵化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鐵化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鐵化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
なお、本明細書において上記(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を意味し、上記(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、本明細書において上記エポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記1分子中に少なくとも1つのOH基を有する化合物としては、合成の容易さ等からエポキシ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂は、反応性の高さから分子中に(メタ)アクロイルオキシ基を2〜3個有するものが好ましい。
なお、上記硬化性樹脂は、上記1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する樹脂のみを含有するものであってもよい。
また、上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACUREOXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(以上、いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。なかでも吸収波長域が広いことから、IRGACURE651、IRGACURE907、ベンゾインイソプロピルエーテル、及び、ルシリンTPOが好適である。これらの光ラジカル重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、常温固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記常温固形の有機酸ヒドラジドは特に限定されず、例えば、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、SDH(日本ファインケム社製)、アミキュアVDH、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH(いずれも、味の素ファインテクノ社製)、ADH(大塚化学社製)等が挙げられる。
上記シランカップリング剤は特に限定されないが、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1〜15、比較例1、2、及び、参考例1、2のシール剤を調製した。
なお、表1、2中、「WPBG041」及び「WPBG042」は、いずれも和光純薬工業社製のアントラセン系誘導体系光塩基発生剤である。
実施例、比較例、及び、参考例で得られたシール剤について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
実施例、比較例、及び、参考例で得られたそれぞれのシール剤を、23℃で4日保管したときの粘度と、製造直後の初期粘度とを測定し、(23℃、4日保管後の粘度)/(初期粘度)を粘度変化率(4日後)とし、粘度変化率(4日後)が1.05未満であるものを「◎」、1.05以上1.1未満であるものを「○」、1.1以上1.2未満であるものを「△」、1.2を超えるものを「×」として評価した。
なお、シール剤の粘度は、各シール剤を0.5g取り、E型粘度計(BROOK FIELD社製、「DV−III」)に入れ、25℃において回転速度1rpmで測定を行った。
実施例、比較例、及び、参考例で得られたそれぞれのシール剤100重量部にスペーサー微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI−H050」、5μm)1重量部を分散させ、シリンジに充填し、遠心脱泡機(アワトロンAW−1)にて脱泡し、シリンジの吐出圧100〜400kPa、ノズルギャップ42μm、塗布速度60mm/sec、ノズル径が0.4mmφで2枚の配向膜及びITO付き基板の一方にディスペンサーで塗布した。
続いて液晶(チッソ社製、「JC−5004LA」)の微小滴をITO付き基板のシール剤の枠内全面に滴下塗布し、真空下でもう一方のITO付き基板を貼り合わせた。このときシール剤の線幅が約1.5mmになるようにそれぞれのシール剤に、吐出圧を調整した。貼り合わせ後直ぐにシール剤部分にメタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射して仮硬化した。次いで、120℃で1時間加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製した。
得られたそれぞれの液晶表示素子について、液晶表示素子作製直後におけるシール剤付近の液晶配向乱れを目視によって確認した。配向乱れは表示部の色むらより判断しており、色むらの程度に応じて、色むらが全くなかった場合は「◎」、色むらが微かにあった場合は「○」、色むらが少しあった場合は「△」、色むらがかなりあった場合は「×」として評価を行った。なお、評価が◎、○の液晶パネルは、実用に全く問題のないレベルである。
実施例、比較例、及び、参考例で得られたそれぞれのシール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行ってから、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)にてガラス基板(150mm×150mm)の端から30mm内側四方にディスペンスし、別のガラス基板(110mm×110mm)を真空下で重ねて貼り合わせた。高圧水銀ランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒間照射してシール剤を仮硬化させ、次いで、120℃で1時間加熱してシール剤を熱硬化させ、接着試験片を得た。
得られた接着試験片の基板の端部を半径5mmの金属棒を使って5mm/minの速度で押し込んだときに、パネル剥がれが起こる際の強度(Kgf)を測定し、接着力(kg/cm)を算出した。接着力が12kg/cm以上であった場合を「◎」、接着力が8kg/cm以上12kg/cm未満であった場合を「○」、接着力が8kg/cm未満であった場合を「×」として接着性を評価した。
なお、参考例2のシール剤は接着試験片を作製することができなかったため接着性の評価を行わなかった。
Claims (7)
- 硬化性樹脂と、光塩基発生剤とを含有し、
前記光塩基発生剤は、活性エネルギー線の照射によりアミン化合物を生成し、前記生成するアミン化合物が、1級アミン又は2級アミンであることを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。 - 硬化性樹脂は、エポキシ基を有する樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 硬化性樹脂は、更に、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂を含有することを特徴とする請求項2記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 更に、ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶滴下工法用シール剤。
- ラジカル重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤及び/又は熱ラジカル重合開始剤であることを特徴とする請求項4記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 請求項1、2、3、4又は5記載の液晶滴下工法用シール剤と導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2、3、4又は5記載の液晶滴下工法用シール剤及び/又は請求項6記載の上下導通材料を用いてなることを特徴とする液晶表示素子。
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