JP5918606B2 - 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子 - Google Patents
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Description
しかしながら、常温で固体の熱硬化剤を用いた場合でも、該熱硬化剤と硬化性樹脂との接触面において反応が進行し、長期の保存安定性に問題があった。
以下に本発明を詳述する。
上記熱硬化剤は、常温で固体であり、かつ、熱硬化剤表面の活性基が光反応性保護基によって保護されている。以下、活性基が光反応性保護基によって保護される前の熱硬化剤を、単に「常温で固体の熱硬化剤」ともいう。
上記ヒドラジド化合物は、シール剤を熱硬化させる際の反応性に優れるため、多官能であることが好ましく、二官能又は三官能であることがより好ましい。
上記光反応性保護基としては、活性エネルギー線の照射により脱保護反応をするものが挙げられ、ベンジルオキシカルバメート基、2−ニトロベンジルカルバメート基、及び、アシルオキシム基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。なかでも、合成が簡便であるため、2−ニトロベンジルカルバメート基であることがより好ましい。
上記硬化性樹脂はエポキシ樹脂を含有することが好ましい。
上記エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鐵化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鐵化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鐵化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
なお、上記硬化性樹脂は、上記1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイル基とを有する樹脂のみを含有するものであってもよい。
上記(メタ)アクリロイル基を有する樹脂は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において上記(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味し、上記(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、本明細書において上記エポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等を好適に用いることができる。
また、上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACUREOXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。なかでも吸収波長域が広いことから、IRGACURE651、IRGACURE907、ベンゾインイソプロピルエーテル、及び、ルシリンTPOが好適である。これらの光ラジカル重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、過酸化物やアゾ化合物等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、パーブチルO、パーヘキシルO、パーブチルPV(いずれも日油社製)、V−30、V−501、V−601、VPE−0201(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記充填剤は特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土、窒化アルミニウム等の無機充填剤や、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機充填剤が挙げられる。
上記シランカップリング剤は特に限定されないが、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。
「J. Am. Chem. Soc., Vol.113, NO.11, 1991, P4303Janes F. Cameron and Jean M. J. Frechet」に準じた下記の方法により、下記式(1)で表される化合物(光反応性保護VDH)を合成した。
遮光したナスフラスコにTHF100mLと、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(味の素ファインテクノ社製、「アミキュアVDH」)10重量部(0.032mol)とを入れ、氷浴中で攪拌を行った。THF10mLに4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルクロロフォーメート(下記式(2)で表される化合物)8.8重量部(0.032mol)を溶解させ、滴下ロートから上記のナスフラスコ中に滴下した。滴下終了後、室温で24時間反応を行った。得られた固形物を濾過し、得られた濾過物を真空で乾燥させることにより、下記式(1)で表される化合物(光反応性保護VDH)を得た。
1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントインに代えてセバシン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「SDH」)10重量部を用いたこと以外は、「(光反応性保護VDHの作製)」と同様にして、下記式(3)で表される化合物(光反応性保護SDH)を得た。
1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(味の素ファインテクノ社製、「アミキュアVDH」)100重量部と、シリル化剤としてトリメチルクロライド(信越化学工業社製、「KA−31」)40重量部とをトルエン溶媒200mLと混ぜ氷浴中で2時間攪拌した。次いで、固形物を純水で洗浄することで、シリル化剤処理VDHを得た。
1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントインに代えてセバシン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「SDH」)100重量部を用いたこと以外は、「(シリル化剤処理VDHの作製)」と同様にして、シリル化剤処理SDHを得た。
1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントインに代えてセバシン酸ジヒドラジド(味の素ファインテクノ社製、「アミキュアVDH」)100重量部と、シランカップリング剤として3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製、「KBE−9007」)100重量部とをトルエン溶媒200mLと混ぜ、触媒としてジブチルチンジラウレート(和光純薬工業社製)1滴を加え、80℃で3時間攪拌した。得られた固形物質を純水で洗浄し、シランカップリング剤処理VDHを得た。
1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントインに代えてセバシン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「SDH」)100重量部を用いたこと以外は、「(シランカップリング剤処理VDHの作製)」と同様にして、シランカップリング剤処理SDHを得た。
表1に記載された配合比に従い、各材料を遊星式撹拌機(シンキー社製、「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1〜4、及び、比較例1〜6の液晶滴下工法用シール剤を調製した。
実施例及び比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤を、25℃で1週間保管したときの粘度と、製造直後の初期粘度とを測定し、(25℃、1週間保管後の粘度)/(初期粘度)を粘度変化率とし、粘度変化率が1.1未満であったものを「○」、1.1以上2.0未満であったものを「△」、2.0以上であったものを「×」として評価した。
なお、シール剤の粘度は、E型粘度計(BROOK FIELD社製、「DV−III」)を用い、25℃において回転速度1.0rpmの条件で測定した。
実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤に3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱したときの反応率をFT−IRで評価した。エポキシ基の反応率が95%以上であったものを「○」、90%以上95%未満であったものを「△」、90%未満であったものを「×」として評価した。
実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行ってから、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)にてガラス基板(150mm×150mm)の端から30mm内側四方にディスペンスし、別のガラス基板(110mm×110mm)を真空下で重ねて貼り合わせた。高圧水銀ランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒間照射してシール剤を仮硬化させ、次いで、120℃で1時間加熱してシール剤を熱硬化させ、接着試験片を得た。
得られた接着試験片の基板の端部を半径5mmの金属棒を使って5mm/minの速度で押し込んだときに、パネル剥がれが起こる際の強度(Kgf)を測定し、接着力(kg/cm)を算出した。接着力が150kg/cm以上であった場合を「○」、接着力が150kg/cm未満であった場合を「×」として接着性を評価した。
実施例及び比較例で得られたそれぞれのシール剤100重量部にスペーサー微粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSI−H050」、5μm)1重量部を分散させ、シリンジに充填し、遠心脱泡機(アワトロンAW−1)にて脱泡し、シリンジの吐出圧100〜400kPa、ノズルギャップ42μm、塗布速度60mm/sec、ノズル径が0.4mmφで2枚の配向膜及びITO付き基板の一方にディスペンサーで塗布した。
続いて液晶(チッソ社製、「JC−5004LA」)の微小滴をITO付き基板のシール剤の枠内全面に滴下塗布し、真空下でもう一方のITO付き基板を貼り合わせた。このときシール剤の線幅が約1.5mmになるようにそれぞれのシール剤に、吐出圧を調整した。貼り合わせ後直ぐにシール剤部分にメタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射して仮硬化した。次いで、120℃で1時間加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製した。
得られたそれぞれの液晶表示素子について、作製直後におけるシール剤付近の液晶配向乱れを目視によって確認した。配向乱れは表示部の色むらより判断しており、色むらの程度に応じて、色むらがなかった場合を「○」、色むらがあった場合を「×」として評価を行った。
Claims (6)
- 硬化性樹脂と熱硬化剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、
前記熱硬化剤は、常温で固体であり、かつ、熱硬化剤表面の活性基が光反応性保護基によって保護されており、
前記光反応性保護基は、活性エネルギー線の照射により脱保護反応をするものである
ことを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。 - 熱硬化剤は、熱硬化剤表面の活性基が光反応性保護基によって保護されたヒドラジド化合物であることを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 光反応性保護基は、ベンジルオキシカルバメート基、2−ニトロベンジルカルバメート基、及び、アシルオキシム基からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 光ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 請求項1、2、3又は4記載の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2、3若しくは4記載の液晶滴下工法用シール剤及び/又は請求項5記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
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