JP2007169303A - 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法 - Google Patents

含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007169303A
JP2007169303A JP2007085174A JP2007085174A JP2007169303A JP 2007169303 A JP2007169303 A JP 2007169303A JP 2007085174 A JP2007085174 A JP 2007085174A JP 2007085174 A JP2007085174 A JP 2007085174A JP 2007169303 A JP2007169303 A JP 2007169303A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
saturated hydrocarbon
fso
fluorine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007085174A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4905214B2 (ja
Inventor
Masahiro Ito
昌宏 伊藤
Kunio Watanabe
邦夫 渡邉
Takashi Okazoe
隆 岡添
Isamu Kaneko
勇 金子
Daisuke Shirakawa
大祐 白川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2007085174A priority Critical patent/JP4905214B2/ja
Publication of JP2007169303A publication Critical patent/JP2007169303A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4905214B2 publication Critical patent/JP4905214B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C309/00Sulfonic acids; Halides, esters, or anhydrides thereof
    • C07C309/78Halides of sulfonic acids
    • C07C309/79Halides of sulfonic acids having halosulfonyl groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C309/82Halides of sulfonic acids having halosulfonyl groups bound to acyclic carbon atoms of a carbon skeleton substituted by singly-bound oxygen atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C303/00Preparation of esters or amides of sulfuric acids; Preparation of sulfonic acids or of their esters, halides, anhydrides or amides
    • C07C303/02Preparation of esters or amides of sulfuric acids; Preparation of sulfonic acids or of their esters, halides, anhydrides or amides of sulfonic acids or halides thereof
    • C07C303/22Preparation of esters or amides of sulfuric acids; Preparation of sulfonic acids or of their esters, halides, anhydrides or amides of sulfonic acids or halides thereof from sulfonic acids, by reactions not involving the formation of sulfo or halosulfonyl groups; from sulfonic halides by reactions not involving the formation of halosulfonyl groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/58Preparation of carboxylic acid halides
    • C07C51/60Preparation of carboxylic acid halides by conversion of carboxylic acids or their anhydrides or esters, lactones, salts into halides with the same carboxylic acid part

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】 本発明はイオン交換膜の原料等として有用な含フッ素スルホニルフルオリド化合物を、製造上の困難性を解決し、効率的且つ安価に、構造の制限なく製造できる方法を提供する。
【解決手段】 すなわち本発明は、XSO−E(1)とR−E(2)を反応させてXSO−E−R(3)し、次に(3)を液相中でフッ素と反応させてFSOAF−E−RBF(4)とし、さらに、該化合物を分解してFSOAF−EF1(5)で得る方法である。ただし、Rは2価有機基、Eは1価反応性基、Rは1価有機基、EはEと反応しうる1価反応性基、Eは、EとEとの反応により形成される2価連結基、RAFはRがフッ素化された2価有機基等、RBFはRと同一の基等、EはEがフッ素化された2価連結基等、EF1はEの分解により形成される1価基、Xはハロゲン原子、を示す。
【選択図】 なし

Description

本発明は、イオン交換樹脂原料等として有用な含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法、および該製造方法における中間体として有用な新規化学物質に関する。
フルオロホルミル基を有する含フッ素スルホニルフルオリド化合物(例えば、下記化合物(i))は、イオン交換樹脂の原料として有用な化合物である。従来フルオロホルミル基を有する化合物は、テトラフルオロエチレンと三酸化イオウ(SO)との反応により得られる環状化合物に、ペルフルオロアルキレンオキシドを反応させる方法により合成されている。例えば、下式に示されるように、上記環状化合物に、ヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)を反応させることにより、下記化合物(i)を得ることができる。
Figure 2007169303
しかし、従来の合成法は、SOの取扱いに注意を要することから工業的に実施するには不利な方法であった。また合成の困難性も高いため、低価格化が達成できず、加えて、得られる化合物(i)が側鎖(−CF)を有する化合物に限定されるため、化合物(i)の誘導体から合成されるイオン交換膜の膜特性上の問題もあった。
本発明は従来技術の問題点を解決する目的でなされたものであり、製造上の困難性を解決し、効率的且つ安価に、様々な分子構造を有する含フッ素スルホニルフルオリド化合物を製造できる方法を提供する。
本発明者らは、特定構造を有するスルホニルハライド化合物を液相中でフッ素と反応させた後に、反応物を分解する方法を発明することにより、目的とする含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法が実施できることを見いだした。
すなわち本発明は、下式(1)で表される化合物と下式(2)で表される化合物とを反応させて下式(3)で表される化合物とし、次に、該式(3)で表される化合物を液相中でフッ素と反応させて下式(4)で表される化合物とし、さらに、該式(4)で表される化合物を分解して下式(5)で表される化合物を得ることを特徴とする含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法を提供する。
XSO−E (1)
−E (2)
XSO−E−R (3)
FSOAF−E−RBF (4)
FSOAF−EF1 (5)
[式中、Rは2価有機基、Eは1価反応性基、Rは1価有機基、EはEと反応しうる1価反応性基、Eは、EとEとの反応により形成される2価連結基、RAFはRと同一の基またはRがフッ素化された2価有機基、RBFはRと同一の基またはRがフッ素化された1価有機基、EはEと同一の基またはEがフッ素化された2価連結基、EF1はEの分解により形成される1価基、Xはハロゲン原子、を示す。ただし、R、R、およびEの少なくとも1つはフッ素化されうる基であり、RAF、RBF、およびEの少なくとも1つは、それぞれ、R、R、およびEがフッ素化されて形成した基である。]
また本発明は、式(4)で表される化合物を分解して式(5)で表される化合物を得るとともに、下式(6)で表される化合物を得る前記製造方法を提供する。
BF−EF2 (6)
[式中、EF2は、EF1と同一でも異なっていてもよくEの分解により形成される1価基であり、RBFは前記と同じ意味を示す。]
また本発明は、式(1)で表される化合物が下式(1a)で表される化合物であり、式(2)で表される化合物が下式(2a)で表される化合物であり、式(3)で表される化合物が下式(3a)で表される化合物であり、式(4)で表される化合物が下式(4a)で表される化合物であり、さらに、式(5)で表される化合物が下式(5a)で表される化合物である前記製造方法を提供する。
XSO−CHOH (1a)
−COY (2a)
XSO−CHOCO−R (3a)
FSOAF−CFOCO−RBF (4a)
FSOAF−COF (5a)
[式中、Yは、Xと同一または異なるハロゲン原子を示す。R、R、RAF、RBFは、前記と同じ意味を示す。]
また本発明は式(4a)で表される化合物を分解して式(5a)で表される化合物を得るとともに、下式(6a)で表される化合物を得る前記製造方法を提供する。
BF−COF (6a)
[式中、RBFは前記と同じ意味を示す。]
また本発明は式(2a)で表される化合物が、式(6a)で表される化合物と同一構造を有しており、式(1a)で表される化合物と反応させる式(2a)で表される化合物の少なくとも一部として、式(4a)で表される化合物を分解させた反応生成物から得た式(6a)で表される化合物の少なくとも一部を用いることにより、式(5a)で表される化合物を連続的に得る前記製造方法を提供する。
また本発明は下式(I)で表される化合物または式(II)で表される化合物を提供する。
FSOCHCHOCHCHOCOCF(CF)OCFCFCF (I)
FSOCFCFOCFCFOCOCF(CF)OCFCFCF (II)
本発明によれば、製造上の困難性を解決し、効率的且つ安価に、様々な分子構造を有する含フッ素スルホニルフルオリド化合物を製造できる方法が提供される。
本明細書においては、式(1)で表される化合物を、「化合物1」と記す。他の式で表される化合物においても同様に記す。
本発明において、Rは2価有機基、Rは1価有機基を示し、RAFはRと同一の基またはRがフッ素化された2価有機基、RBFはRと同一の基またはRがフッ素化された1価有機基を示す。
本明細書において、「有機基」とは炭素原子を1個以上含む基をいう。「ハロゲノ」基とは、炭素原子に結合した水素原子の1個以上がハロゲン原子で置換された基をいう。「ペルハロゲノ」基とは、炭素原子に結合した水素原子の実質的に全てがハロゲン原子で置換された基をいい、「部分ハロゲノ」基とは、炭素原子に結合した水素原子の一部がハロゲン原子で置換された基をいい、ハロゲン原子がフッ素原子に特定される場合は、「ペルフルオロ」、「部分フルオロ」等のように記載する。他のハロゲン原子においても同様に記載する。「ペルハロゲノ」基および「部分ハロゲノ」基は、ハロゲン原子を1種のみ含むものであっても2種以上含むものであってもよい。
「ペルハロゲノ」基としては、炭素原子に結合した水素原子の全部がハロゲン原子に置換された基が好ましいが、非置換の水素原子が残っている場合であっても、基としての性質が「ペルハロゲノ」基と実質的に同等である場合には、本発明においては、「ペルハロゲノ」基の概念に含める。
本発明において、「フッ素化」とは、化合物中にフッ素原子を導入することをいい、具体的には、有機基をペルフルオロ基または部分フルオロ基にすることをいう。フッ素化は、通常、炭素原子に結合した水素原子をフッ素原子に置換することにより行われる。また有機基中に、不飽和結合が含まれる場合は、フッ素化により不飽和結合にフッ素原子が付加する。
本発明において、「飽和」基とは炭素−炭素結合が単結合のみからなる基をいい、炭素−炭素結合が単結合である限り、基中に例えば、C=OやSO等の不飽和結合が存在していてもよい。
本発明において、「ヘテロ原子含有」基とは、酸素原子、窒素原子、またはイオウ原子等のヘテロ原子、または、−C−C(=O)−C−または−C−SO−C−等のヘテロ原子団を含む基をいう。ヘテロ原子含有基は、加熱により容易に分解しない基であるのが好ましい。この観点から、ヘテロ原子含有基としては、エーテル性酸素原子(−O−)、=O等を含有する基が好ましく、特にエーテル性酸素原子を含有する基が好ましい。
(2価有機基)としては、2価炭化水素基、ハロゲノ2価炭化水素基、ヘテロ原子含有2価炭化水素基、ハロゲノ(ヘテロ原子含有2価炭化水素)基が好ましい。2価炭化水素基としては、2価脂肪族炭化水素基、2価芳香族炭化水素基、および2価脂環式炭化水素基が挙げられ、2価脂肪族炭化水素基が好ましい。2価脂肪族炭化水素基中には、炭素−炭素結合として、単結合、二重結合、または三重結合が存在(または併存)していてもよい。また、2価脂肪族炭化水素基は、直鎖構造、分岐構造、環構造、または環構造を部分的に有する構造のいずれであってもよい。
は、炭素原子に結合した水素原子を有する2価有機基が好ましい。そのなかでも、2価飽和炭化水素基、部分ハロゲノ2価飽和炭化水素基、ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素基、または部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素)基がより好ましく、2価飽和炭化水素基、ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素基が特に好ましい。
が2価飽和炭化水素基である場合には、アルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基が挙げられる。アルキレン基としては、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましい。シクロアルキレン基としては、3〜6員環のシクロアルキレン基、または該シクロアルキレン基の水素原子の1個以上がアルキル基で置換された基が好ましい。シクロアルキルアルキレン基としては、炭素数が1〜3であるアルキル基の水素原子の1個が前記シクロアルキル基で置換された基が好ましい。
が部分ハロゲノ2価飽和炭化水素基である場合には、上記2価飽和炭化水素基が部分的にハロゲン化された基が挙げられる。部分ハロゲノ2価飽和炭化水素基は、直鎖構造であっても分岐構造であっても、また、部分的に環構造を有していてもよく、部分フルオロアルキレン基または部分フルオロ(部分クロロアルキレン)基が好ましい。部分ハロゲノ2価飽和炭化水素基の炭素数は1〜20が好ましい。
がヘテロ原子含有2価飽和炭化水素基である場合には、上記2価飽和炭化水素基の炭素−炭素原子間に2価ヘテロ原子または2価ヘテロ原子団が挿入された基、または上記2価飽和炭化水素基の炭素原子にヘテロ原子が結合した基、または上記2価飽和炭化水素基の結合末端の炭素原子に2価ヘテロ原子または2価ヘテロ原子団が結合した基が挙げられる。ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素基としては、炭素数1〜20の基が好ましく、化合物の有用性の点からエーテル性酸素原子含有2価飽和炭化水素基が好ましく、エーテル性酸素原子含有アルキレン基が特に好ましい。
が部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素)基である場合には、上記ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素基が部分的にハロゲン化された基が挙げられる。部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素)基は、直鎖構造であっても分岐構造であっても、また、部分的に環構造を有していてもよく、部分フルオロ(ヘテロ原子含有2価炭化水素)基または部分フルオロ(部分クロロ(ヘテロ原子含有2価炭化水素))基が好ましい。部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素)基の炭素数は1〜20が好ましい。
(1価有機基)としては、1価炭化水素基、ハロゲノ1価炭化水素基、ヘテロ原子含有1価炭化水素基、ハロゲノ(ヘテロ原子含有1価炭化水素)基が好ましい。1価炭化水素基としては、1価脂肪族炭化水素基、1価芳香族炭化水素基、および1価脂環式炭化水素基が挙げられ、1価脂肪族炭化水素基が好ましい。1価脂肪族炭化水素基中には、炭素−炭素結合として、単結合、二重結合、または三重結合が存在(または併存)していてもよい。また、1価脂肪族炭化水素基は、直鎖構造、分岐構造、環構造、または環構造を部分的に有する構造のいずれであってもよい。
は、飽和の基が好ましい。Rが1価飽和炭化水素基である場合には、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基が挙げられる。アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。シクロアルキル基としては、3〜6員環のシクロアルキル基、または該シクロアルキル基の水素原子の1個以上がアルキル基で置換された基が好ましい。シクロアルキルアルキル基としては、炭素数が1〜3であるアルキル基の水素原子の1個が前記シクロアルキル基で置換された基が好ましい。
が部分ハロゲノ1価飽和炭化水素基である場合には、上記1価飽和炭化水素基が部分的にハロゲン化された基が挙げられる。部分ハロゲノ1価飽和炭化水素基は、直鎖構造であっても分岐構造であっても、また、部分的に環構造を有していてもよく、部分フルオロアルキル基または部分フルオロ(部分クロロアルキル)基が好ましい。部分ハロゲノ1価飽和炭化水素基の炭素数は1〜20が好ましい。
がヘテロ原子含有1価飽和炭化水素基である場合には、上記1価飽和炭化水素基の炭素−炭素原子間に2価ヘテロ原子または2価ヘテロ原子団が挿入された基、または上記1価飽和炭化水素基の炭素原子にヘテロ原子が結合した基、または上記1価飽和炭化水素基の結合末端の炭素原子に2価ヘテロ原子または2価ヘテロ原子団が結合した基が好ましい。ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素基としては、炭素数1〜20の基が好ましく、入手しやすさ、製造しやすさ、および生成物の有用性の点から、エーテル性酸素原子含有アルキル基が好ましく、アルコキシアルキル基またはアルコキシル基が特に好ましい。
が部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)基である場合には、上記ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素基が部分的にハロゲン化された基が挙げられる。部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)基は、直鎖構造であっても分岐構造であっても、また、部分的に環構造を有していてもよく、部分フルオロ(ヘテロ原子含有1価炭化水素)基または部分フルオロ(部分クロロ(ヘテロ原子含有1価炭化水素))基が好ましい。部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)基の炭素数は1〜20が好ましい。
AFはRと同一の基またはRがフッ素化された基である。RAFは、Rがフッ素化されない基であったり、Rがフッ素化されうる基であったとしてもフッ素化されなかった場合は、Rと同一の基である。例えば、Rが、ペルハロゲノ2価炭化水素基、ペルハロゲノ(ヘテロ原子含有2価炭化水素)基である場合は、これらの基におけるハロゲン原子は、液相中でフッ素と反応させても変化をしないため、RAFはRと同一の基となる。RBFはRと同一の基またはRがフッ素化された基である。RBFは、Rがフッ素化されない基であったり、Rがフッ素化されうる基であったとしてもフッ素化されなかった場合には、Rと同一の基である。例えば、Rが、ペルハロゲノ1価炭化水素基、ペルハロゲノ(ヘテロ原子含有1価炭化水素)基である場合は、これらの基におけるハロゲン原子は、液相中でフッ素と反応させても変化をしないため、RBFはRと同一の基となる。
AFは、ペルフルオロ2価飽和炭化水素基、ペルフルオロ(部分ハロゲノ2価飽和炭化水素)基、ペルフルオロ(ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素)基、またはペルフルオロ[部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素)]基であることが好ましく、この場合のRは、それぞれ、RAFと同数の炭素原子とRAFに対応する炭素骨格構造を有する、2価飽和炭化水素基、部分ハロゲノ2価飽和炭化水素基、ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素基、部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素)基であるのが好ましい。これらの基は、飽和基であっても、炭素−炭素二重結合および/または三重結合を1または2以上含む(以下、単に「不飽和」という。)基であってもよい。
また、RBFは、ペルフルオロ1価飽和炭化水素基、ペルフルオロ(部分ハロゲノ1価飽和炭化水素)基、ペルフルオロ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)基、またはペルフルオロ[部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)]基であることが好ましい。Rは、フッ素化反応によってRBFとなるものであれば特に限定されず、RBFと同一の基であるのが後述するフッ素化反応を実施しやすく、連続プロセスを実施できる点で特に好ましい。すなわち、Rは、ペルフルオロ1価飽和炭化水素基、ペルフルオロ(部分ハロゲノ1価飽和炭化水素)基、ペルフルオロ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)基、またはペルフルオロ[部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)]基であるのが好ましい。
は1価反応性基、EはEと反応しうる1価反応性基、EはEとEとの反応により形成される2価連結基、EはEと同一の基またはEがフッ素化された2価連結基、EF1はEの分解により形成される1価基である。EがEと同一の基である場合としては、例えば、Eがペルハロゲノ2価連結基の場合が挙げられる。Eは化合物1中のXSO−よりもEと反応しやすい基が好ましく、特にEはXSO−と反応せずにEと反応しうる基が好ましい。
およびEは特に限定されない。例えば、EおよびEのいずれか一方が−COZ(Zはハロゲン原子)であり、他方が−CHOHである場合に形成されるEとしては、−CHOCO−(または−COOCH−)である。このEは、液相中でフッ素と反応させることにより、Eとしての−CFOCO−(または−COOCF−)が形成される。さらにこのEを分解することにより、EF1として−COFが形成される。本発明においては、化合物4を分解して化合物5を得るとともに、RBF−EF2で表される化合物6を得ることが好ましいが、EおよびEが上記の基である場合は、EF2も−COF(すなわちEF1と同一の基)になる。
化合物1〜5としては化合物1a〜5aがそれぞれ好ましい。化合物1a〜5aは、Eが−CHOH、Eが−COY(Yはハロゲン原子)、Eが−CHOCO−、Eが−CFOCO−、EF1が−COFの場合である。したがって、化合物4aを分解して化合物5aとともに得られる化合物は、RBF−COFで表される化合物6aになる。
本発明においては、化合物3のフッ素含量は30質量%以上であることが好ましい。化合物3のフッ素含量が30質量%未満である場合は、フッ素化反応の際の液相への溶解性が不十分となる傾向がある。化合物3のフッ素含量は、フッ素化反応の液相の種類に応じて30%以上で適宜調整することが可能であるが、フッ素含量は30〜86質量%がより好ましく、30〜76質量%がさらに好ましい。フッ素含量が86質量%を超す化合物3を用いることは経済的に不利であり、且つ、入手できる化合物が制限されるおそれがある。
また、化合物3の分子量は200〜1000であることが好ましい。化合物3の分子量が200未満である場合は、化合物3の沸点が低くなりフッ素化の過程で化合物3が揮発してフッ素化物の収率が低下する傾向がある。また、分解反応が起こるおそれもある。一方、分子量が1000を超える場合は、液相への溶解性が低下し、また、精製が困難になる傾向がある。
本発明におけるXはフッ素原子であることが好ましい。Xがフッ素原子である場合には、Xが他のハロゲン原子である場合に比べて、顕著にフッ素化反応の収率が向上する利点がある。また、本発明におけるYもまたフッ素原子であることが好ましい。
さらに上記のR、R、およびEの少なくとも1つは、フッ素化される基であり、RAF、RBF、およびEの少なくとも1つはフッ素化により形成した基である。
本発明の好適な態様は、化合物1aと化合物2aとを反応させて化合物3aとし(以下、「エステル化工程」という。)、次に、化合物3aを液相中でフッ素と反応させて化合物4aとし(以下、「フッ素化工程」という。)、さらに、化合物4aを分解して下記化合物5aを得る(以下、「分解工程」という。)方法である。該方法の各反応工程を詳細に説明する。
XSO−CHOH (1a)
−COY (2a)
XSO−CHOCO−R (3a)
FSOAF−CFOCO−RBF (4a)
FSOAF−COF (5a)
先ず、エステル化工程について説明する。
エステル化工程における化合物1aと化合物2aとの反応は、公知のエステル化反応の条件により実施できる。該反応は、溶媒(以下、「溶媒1」という。)の存在下に実施してもよいが、溶媒1の不存在下に実施することが容積効率の点から好ましい。溶媒1を用いる場合には、ジクロロメタン、クロロホルム、トリエチルアミン、またはトリエチルアミンとテトラヒドロフランとの混合溶媒が好ましい。溶媒1の使用量は、化合物1aと化合物2aの総量に対して50〜500質量%であることが好ましい。
化合物1aと化合物2aとの反応では、HYで表される酸が発生する。化合物2aとして、Yがフッ素原子である化合物を用いた場合にはHFが発生するため、HFの捕捉剤としてアルカリ金属フッ化物(NaF、KFが好ましい)やトリアルキルアミンを反応系中に存在させてもよい。化合物1aまたは化合物2aが酸に不安定な化合物である場合には、HFの捕捉剤を使用することが好ましい。また、HFの捕捉剤を使用しない場合には、HFを窒素気流に同伴させて反応系外に排出することが好ましい。アルカリ金属フッ化物を用いる場合の量は化合物2aに対して1〜10倍モルとすることが好ましい。
化合物1aと化合物2aとの反応温度は、−50℃以上であることが好ましく、+100℃以下または溶媒の沸点温度以下が好ましい。また、該反応の反応時間は原料の供給速度と反応に用いる化合物量に応じて適宜変更されうる。反応圧力(ゲージ圧、以下同様)は常圧〜2MPaが好ましい。
また上記のように化合物3aの分子量は、200〜1000であることが好ましい。また、化合物3aのフッ素含量(分子中のフッ素原子の割合)は、30質量%以上が好ましく、30〜86質量%がより好ましく、30〜76質量%がさらに好ましい。
化合物1aと化合物2aとの反応で生成した化合物3aを含む粗生成物は、目的に応じて精製を行っても、そのまま、つぎの反応等に用いてもよく、次の工程におけるフッ素化反応を円滑に進行させうる点から、精製を行うことが望ましい。
該粗生成物の精製方法としては、粗生成物をそのまま蒸留する方法、粗生成物を希アルカリ水などで処理して分液する方法、粗生成物を適当な有機溶媒で抽出した後に蒸留する方法、シリカゲルカラムクロマトグラフィ等が挙げられる。
化合物1aの具体例としては、下記化合物が挙げられる。
FSOCHCHOH、
FSOCHCHOCHCHOH、
FSOCHCHOCHCHOCH(CH)CHOH。
化合物1aは、容易に入手可能であるか、または公知の方法により容易に合成できる化合物である。例えば、FSOCHCHOCHCHOHは、J.Org.Chem.,44,3847(1979)などに記載される方法により、2−クロロエタンスルホニルフルオリドを合成した後、2−クロロエタンスルホニルフルオリドをエチレングリコールと反応させることにより得ることができる。
また、エステル化工程において用いられる化合物2aの具体例としては、下記化合物が挙げられる。
CFCFCOF、
CFCFCFOCF(CF)COF、
CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COF、
FSOCFCOF、
FSOCFCFOCFCOF、
FSOCFCFOCFCFOCF(CF)COF。
また、エステル化工程において得られる化合物3aの具体例としては、下記化合物が挙げられる。
FSOCHCHOCOCFCF
FSOCHCHOCOCF(CF)OCFCFCF
FSOCHCHOCOCF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCF
FSOCHCHOCHCHOCOCFCF
FSOCHCHOCHCHOCOCF(CF)OCFCFCF(I)、
FSOCHCHOCHCHOCOCF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCF
FSOCHCHOCHCHOCH(CH)CHOCOCFCF
FSOCHCHOCHCHOCH(CH)CHOCOCF(CF)OCFCFCF
FSOCHCHOCHCHOCH(CH)CHOCOCF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCF
FSOCHCHOCOCFSOF、
FSOCHCHOCOCFOCFCFSOF、
FSOCHCHOCOCF(CF)OCFCFOCFCFSOF、
FSOCHCHOCHCHOCOCFSOF、
FSOCHCHOCHCHOCOCFOCFCFSOF、
FSOCHCHOCHCHOCOCF(CF)OCFCFOCFCFSOF、
FSOCHCHOCHCHOCH(CH)CHOCOCFSOF、
FSOCHCHOCHCHOCH(CH)CHOCOCFOCFCFSOF、
FSOCHCHOCHCHOCH(CH)CHOCOCF(CF)OCFCFOCFCFSOF。
化合物3aは、後述する反応によりイオン交換樹脂原料に導かれうる。また、上記の化合物Iは、高性能のフッ素樹脂を製造する場合において特に有用な新規化合物である。
次に、フッ素化工程について説明する。
フッ素化工程におけるフッ素化反応は、反応の操作性および収率の点から液相中で実施する。該フッ素化反応は、ECF法、コバルトフッ素化法、気相でフッ素と反応させる方法でも理論的には実施できるが、反応収率、反応操作の容易さ等の点から液相中でのフッ素化が特段に有利な方法である。
フッ素化反応は、化合物3aとフッ素(F)とを溶媒(以下、「溶媒2」という。)の存在下で反応させて、化合物4aとする方法により実施するのが好ましい。フッ素は、フッ素ガスをそのまま用いても、不活性ガスで希釈されたフッ素ガスを用いてもよい。不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガスが好ましく、経済的な理由から窒素ガスが特に好ましい。窒素ガス中のフッ素量は特に限定されず、10vol%以上とすることが効率の点で好ましく、20vol%以上とすることが特に好ましい。
溶媒2としては、C−H結合を含まずC−F結合を必須とする溶媒が好ましく、さらに、ペルフルオロアルカン類、または、塩素原子、窒素原子および酸素原子からなる群より選ばれる1種以上の原子を構造中に有する公知の有機溶剤をペルフルオロ化した有機溶剤が好ましい。さらに溶媒2としては、化合物3aの溶解性が高い溶媒を用いることが好ましく、特に化合物3aを1質量%以上溶解しうる溶媒、特には5質量%以上溶解しうる溶媒を用いることが好ましい。
溶媒2の例としては、ペルフルオロ化された化合物である場合の化合物4a、ペルフルオロアルカン類(商品名:FC−72等)、ペルフルオロエーテル類(FC−75、FC−77等)、ペルフルオロポリエーテル類(商品名:クライトックス、フォンブリン、ガルデン、デムナム等)、クロロフルオロカーボン類(商品名:フロンルーブ)、クロロフルオロポリエーテル類、ペルフルオロアルキルアミン(例えば、ペルフルオロトリアルキルアミン等)、不活性流体(商品名:フロリナート)等が挙げられる。このうち、ペルフルオロトリアルキルアミン、ペルフルオロ化された化合物である場合の化合物4aが好ましい。特に、該化合物4aを用いた場合には反応後の後処理が容易になる利点がある。溶媒2の量は、化合物3aに対して、5倍質量以上が好ましく、特に10〜100倍質量が好ましい。
フッ素化反応の反応形式は、バッチ方式または連続方式が挙げられる。連続方式としては、以下に示す連続方式1および連続方式2が挙げられるが、反応収率と選択率の点から連続方式2が好ましい。またフッ素ガスは、バッチ方式で実施する場合においても連続方式で実施する場合においても、窒素ガス等の不活性ガスで希釈したものを使用してもよい。
[連続方式1]
反応器に化合物3aと溶媒2とを仕込み撹拌を開始して、所定の反応温度と反応圧力に制御した後、フッ素ガスまたはフッ素ガスと溶媒2とを連続的に供給しながら反応させる方法。
[連続方式2]
反応器に溶媒2を仕込み撹拌を開始して、所定の反応温度と反応圧力に制御した後、化合物3aとフッ素ガスとを所定のモル比で連続的かつ同時に供給する方法。
連続方式2において化合物3aを供給する際には、選択率を向上させ、副生成物量を抑制させることから、溶媒2で希釈した化合物3aを供給することが好ましい。また、連続方式2において化合物3aを溶媒で希釈する際には、化合物3aに対する溶媒2の量を5倍質量以上とすることが好ましく、特に10倍質量以上とすることが好ましい。
フッ素化反応に用いるフッ素量は、バッチ方式で反応を実施する場合にも連続方式で実施する場合にも、フッ素化されうる水素原子に対して、フッ素の量が常に過剰当量となるようにフッ素ガスを存在させることが好ましく、特に1.5倍当量以上(すなわち、1.5倍モル以上)となるようにフッ素ガスを使用することが選択率の点から好ましい。またフッ素ガスの量は、反応の開始時点から終了時点まで常に過剰量に保たれるのが好ましい。
フッ素化反応の反応温度は、通常は−60℃以上かつ化合物3aの沸点以下が好ましく、反応収率、選択率、および工業的実施のしやすさの点から−50℃〜+100℃が特に好ましく、−20℃〜+50℃が特に好ましい。フッ素化反応の反応圧力は特に限定されず、常圧〜2MPaが、反応収率、選択率、工業的な実施のしやすさの観点から特に好ましい。
さらに、フッ素化反応を効率的に進行させるためには、反応の後期にC−H結合含有化合物を反応系中に添加したり、紫外線照射を行うことが好ましい。例えば、バッチ方式反応においては、フッ素化反応後期にC−H結合含有化合物を反応系中に添加するか、もしくは紫外線照射を行うことが好ましく、連続方式反応においては、フッ素化反応生成物を反応装置から抜出す部分付近において、C−H結合含有化合物を供給するか、もしくは紫外線を照射することが好ましい。これにより、反応系中に存在する化合物3aを効率的にフッ素化でき、反応率を飛躍的に向上させうる。
C−H結合含有化合物としては、化合物3a以外の有機化合物であり、特に芳香族炭化水素が好ましく、ベンゼン、トルエン等が特に好ましい。該C−H結合含有化合物の添加量は、化合物3a中の水素原子に対して0.1〜10モル%であることが好ましく、特に0.1〜5モル%であることが好ましい。
C−H結合含有化合物は、反応系中にフッ素ガスが存在する状態で添加することが好ましい。さらに、C−H結合含有化合物を加えた場合には、反応系を加圧することが好ましい。加圧時の圧力としては、0.01〜5MPaが好ましい。化合物3aを液相中でフッ素化する反応において、水素原子をフッ素原子に置換する反応がおきた場合には、HFが副生する。副生したHFを除去するには、反応系中にHFの捕捉剤を共存させる、または反応器ガス出口でHF捕捉剤と出口ガスを接触させることが好ましい。該HF捕捉剤としては、前述のものと同様のものを用いられ、NaFが好ましい。
反応系中にHF捕捉剤を共存させる場合の量は、化合物3a中に存在する全水素原子量に対して1〜20倍モルが好ましく、1〜5倍モルが特に好ましい。反応器ガス出口にHF捕捉剤をおく場合には、(1)冷却器(10℃〜室温に保持することが好ましく、特には約20℃に保持することが好ましい。)(2)NaFペレット充填層、および(3)冷却器(−78℃〜+10℃に保持することが好ましく、−30℃〜0℃に保持することが好ましい)を(1)−(2)−(3)の順に直列に設置することが好ましい。なお、(3)の冷却器からは凝集した液を反応器に戻すための液体返送ラインを設置してもよい。
フッ素化工程で得た化合物4aを含む粗生成物は、そのまま次の工程に用いてもよく、精製して高純度のものにしてもよい。精製方法としては、粗生成物をそのまま常圧または減圧下に蒸留する方法等が挙げられる。
フッ素化工程において得られる化合物4aの具体例としては、下記化合物が挙げられる。
FSOCFCFOCOCFCF
FSOCFCFOCOCF(CF)OCFCFCF
FSOCFCFOCOCF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCF
FSOCFCFOCFCFOCOCFCF
FSOCFCFOCFCFOCOCF(CF)OCFCFCF(II)、
FSOCFCFOCFCFOCOCF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCF
FSOCFCFOCFCFOCF(CF)CFOCOCFCF
FSOCFCFOCFCFOCF(CF)CFOCOCF(CF)OCFCFCF
FSOCFCFOCFCFOCF(CF)CFOCOCF(CF)OCFCF(CF)OCFCFCF
FSOCFCFOCOCFSOF、
FSOCFCFOCOCFOCFCFSOF、
FSOCFCFOCOCF(CF)OCFCFOCFCFSOF、
FSOCFCFOCFCFOCOCFSOF、
FSOCFCFOCFCFOCOCFOCFCFSOF、
FSOCFCFOCFCFOCOCF(CF)OCFCFOCFCFSOF、
FSOCFCFOCFCFOCF(CF)CFOCOCFSOF、
FSOCFCFOCFCFOCF(CF)CFOCOCFOCFCFSOF、
FSOCFCFOCFCFOCF(CF)CFOCOCF(CF)OCFCFOCFCFSOF。
化合物4aも化合物3aと同様に、フッ素樹脂原料の中間体として有用であり、後述する反応によりイオン交換樹脂原料に導かれうる。また、上記の化合物IIは、高性能のフッ素樹脂を製造する場合において特に有用な新規化合物である。
次に、エステル結合を分解する分解工程について説明する。
該分解工程における反応は、熱分解反応または求核剤もしくは求電子剤の存在下に行なう分解反応により実施することが好ましい。
熱分解反応は、化合物4aを加熱することにより実施できる。熱分解反応の反応形式としては、化合物4aの沸点とその安定性により選択することが好ましい。たとえば、気化しやすい化合物4aを熱分解する場合には、気相で連続的に分解させて、得られた化合物5aを含む出口ガスを凝縮、回収する気相熱分解法を採用しうる。
気相熱分解法の反応温度は50〜350℃が好ましく、50〜300℃が特に好ましく、150〜250℃がとりわけ好ましい。また、反応には直接は関与しない不活性ガスを反応系中に共存させてもよい。不活性ガスとしては、窒素、二酸化炭素等が挙げられる。不活性ガスは化合物4aに対して0.01〜50vol%程度を添加することが好ましい。不活性ガスの添加量が多いと、生成物回収量が低減することがある。
一方、化合物4aが気化しにくい化合物である場合には、反応器内で液のまま加熱する液相熱分解法を採用することが好ましい。この場合の反応圧力は限定されない。通常の場合、化合物5aを含む生成物は、より低沸点であることから、生成物を気化させて連続的に抜き出す反応蒸留形式による方法で得ることが好ましい。また加熱終了後に反応器中から一括して生成物を抜き出す方法であってもよい。この液相熱分解法の反応温度は50〜300℃が好ましく、特に100〜250℃が好ましい。
液相熱分解法で熱分解を行う場合には、無溶媒で行っても、溶媒(以下、「溶媒3」という。)の存在下に行ってもよい。溶媒3としては、化合物4aと反応せず、かつ化合物4aと相溶性のあるもので、生成する化合物5aと反応しないものであれば特に限定されない。また、溶媒3としては、化合物5aの精製時に分離しやすいものを選定することが好ましい。溶媒3の具体例としては、ペルフルオロトリアルキルアミン、ペルフルオロナフタレンなどの不活性溶媒、クロロフルオロカーボン類等のなかでも高沸点であるクロロトリフルオロエチレンオリゴマー(例えば、商品名:フロンルーブ)、が好ましい。また、溶媒3の量は化合物4aに対して10〜1000質量%が好ましい。
また、化合物4aを液相中で求核剤または求電子剤と反応させて分解させる場合、該反応は、無溶媒で行っても、溶媒(以下、「溶媒4」という。)の存在下に行ってもよい。溶媒4としては、溶媒3と同一のものがよい。求核剤としてはFが好ましく、特にアルカリ金属のフッ化物由来のFが好ましい。アルカリ金属のフッ化物としては、NaF、NaHF、KF、CsFがよく、これらのうち経済性および反応性の面からNaFおよびKFが特に好ましい。
求核剤(たとえばF)を用いた場合には、反応の最初に用いた求核剤は触媒量であってもよく、過剰量であってもよい。F等の求核剤の量は化合物4に対して1〜500モル%が好ましく、1〜100モル%が特に好ましく、とりわけ5〜50モル%が好ましい。反応温度は、−30℃〜(溶媒または化合物4aの沸点までの間の温度)が好ましく、−20℃〜250℃が特に好ましい。この方法も、蒸留塔をつけた反応器で実施することが好ましい。
分解工程において得られる化合物5aの具体例としては、下記化合物が挙げられる。
FSOCFCOF、
FSOCFCFOCFCOF、
FSOCFCFOCFCFOCF(CF)COF。
本発明においては、化合物4aを分解して化合物5aを得るとともに、下記化合物6aを得ることができる。
BF−COF (6a)
[式中、RBFは前記と同じ意味を示す。]
本発明においては、また、化合物2aが化合物6aと同一構造を有していることが好ましい。すなわち、化合物2aにおけるRがRBFであり、YがFであり、化合物3aにおけるRがRBFであることが好ましい。この場合において、化合物1aと反応させる化合物2aの少なくとも一部として、化合物4aを分解させた反応生成物から得た化合物6aの少なくとも一部を用いることにより、化合物5aを連続的に得ることができる(連続プロセス)。また、化合物5aと化合物6aが同一構造である場合には、化合物4aの分解反応生成物を分離することなく化合物1aとの反応に用いることもできる。この場合における化合物1a、化合物2a(=化合物6a)、化合物3a〜6aの反応スキームは以下の化学式で表すことができる。
Figure 2007169303
上記連続プロセスの第1の態様として、以下に示す化合物I〜Vを用いた反応が挙げられる。すなわち下記化合物Vと下記化合物IVを反応させて下記化合物Iとし、次に、化合物Iを液相中でフッ素と反応させて下記化合物IIとし、さらに、化合物IIを分解して下記化合物IIIを得るとともに化合物IVを得て、化合物IVの少なくとも一部を化合物Vと反応させる連続プロセスである。なお、化合物IおよびIIは上述の新規化合物である。
Figure 2007169303
FSO−基を末端構造に有する化合物Vは、ClSO−基を末端構造に有する化合物をフッ化カリウムを用いてフッ素化することにより合成できる。また、化合物Vは、下記化合物VaをSOClと反応させて下記化合物Vbとし、次に、該化合物Vbをフッ化カリウムでフッ素化して下記化合物Vcとし、さらに、該化合物Vcを下記化合物Vdと反応させることによっても合成できる。
NaOSO(CHOH (Va)
ClSO(CHCl (Vb)
FSO(CHCl (Vc)
NaO(CHOH (Vd)
上記連続プロセスの第2の態様として、以下に示す化合物1b〜6bを用いた反応が挙げられる。すなわち下記化合物1bと下記化合物6bを反応させて下記化合物3bとし、次に、化合物3bを液相中でフッ素と反応させて下記化合物4bとし、さらに、化合物4bを分解して下記化合物5bを得るとともに化合物6bを得て、化合物6bの少なくとも一部を化合物1bと反応させる連続プロセスである。
Figure 2007169303
化合物5bは、第1の態様において得られる化合物IIIとHFPOとを反応させる方法によっても製造できる。化合物5bのように分子末端に「CF−C−COF」なる部分構造を必須とする化合物(以下、「特定末端含フッ素スルホニルフルオリド化合物」という。)は、熱分解反応(例えば、Methods of Organic Chemistry, 4, Vol.10b, Part 1, pp.703等に記載される方法)により該分子末端を「C=C」に変換することが可能である。該方法により得られた化合物5bからはイオン交換膜合成用モノマーとして有用な下記化合物Aを製造できる。
Figure 2007169303
化合物5bに代表される特定末端含フッ素スルホニルフルオリド化合物から、化合物Aに代表される不飽和化合物(以下、「含フッ素スルホニルフルオリドビニルエーテル」という。)を得る熱分解反応としては、例えば、特定末端含フッ素スルホニルフルオリド化合物の気相熱分解反応、特定末端含フッ素スルホニルフルオリド化合物と水酸化アルカリを反応させて得られるカルボン酸アルカリ塩の熱分解反応が挙げられる。
特定末端含フッ素スルホニルフルオリド化合物の気相熱分解反応における反応温度は、250〜400℃であることが好ましく、250〜350℃であることがより好ましい。また、上記カルボン酸アルカリ塩の熱分解反応における反応温度は、150〜350℃であることが好ましく、200〜280℃であることがより好ましい。気相熱分解反応における反応温度が250℃未満である場合やカルボン酸アルカリ塩の熱分解反応における反応温度が150℃未満である場合は、含フッ素スルホニルフルオリドビニルエーテルへの変換率が低くなる傾向にあり、気相熱分解反応における反応温度が400℃を超える場合やカルボン酸アルカリ塩の熱分解反応における反応温度が350℃を超える場合は、特定末端含フッ素スルホニルフルオリド化合物が含フッ素スルホニルフルオリドビニルエーテルへと熱分解されず、含フッ素スルホニルフルオリドビニルエーテル以外の熱分解物が増加する傾向がある。
特定末端含フッ素スルホニルフルオリド化合物の気相熱分解反応は、連続式反応で行うことが好ましい。連続式反応は、加熱した反応管中に気化させた特定末端含フッ素スルホニルフルオリド化合物を通し、生成した含フッ素スルホニルフルオリドビニルエーテルを出口ガスとして得て、これを凝縮し、連続的に回収する方法により実施することが好ましい。気相反応で熱分解反応を行う場合には、管型反応器を用いることが好ましい。管型反応器を用いる場合の滞留時間は、空塔基準で0.1秒〜10分程度が好ましい。反応圧力は特に限定されない。また、特定末端含フッ素スルホニルフルオリド化合物が高沸点化合物の場合には、減圧下で反応を実施することが好ましい。特に特定末端含フッ素スルホニルフルオリド化合物が低沸点化合物である場合には、生成物の分解が抑制され、かつ反応率が高くなることから、加圧下で反応を実施するのが好ましい。
管型反応器を用いて気相熱分解反応を行う場合には、反応を促進させる目的で、反応管中にガラス、アルカリ金属の塩、またはアルカリ土類金属の塩を充填することが好ましい。アルカリ金属の塩またはアルカリ土類金属の塩としては、炭酸塩またはフッ化物が好ましい。ガラスとしては、一般的なソーダガラスが挙げられ、特にビーズ状にして流動性を上げたガラスビーズが好ましい。アルカリ金属の塩としては、炭酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、炭酸カリウム、または炭酸リチウムが挙げられる。アルカリ土類金属の塩としては、炭酸カルシウム、フッ化カルシウムまたは炭酸マグネシウム等が挙げられる。さらに、反応管中にガラス、アルカリ金属の塩、またはアルカリ土類金属の塩を充填させる場合に、ガラスビーズや、炭酸ナトリウムの軽灰等であって、粒径が100〜250μm程度であるものを用いると、流動層型の反応形式を採用できることから特に好ましい。
気相熱分解反応においては、特定末端含フッ素スルホニルフルオリド化合物の気化を促進する目的で、熱分解反応には直接は関与しない不活性ガスの存在下で反応を行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。不活性ガス量は特定末端含フッ素スルホニルフルオリド化合物に対して0.01〜50vol%程度が好ましい。不活性ガス量が多すぎると、生成物の回収量が低くなるおそれがあり好ましくない。一方、特定末端含フッ素スルホニルフルオリド化合物の沸点が高い場合には、熱分解を液相反応で行ってもよい。
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、含フッ素スルホニルフルオリド化合物の合成に際してペルフルオロアルキレンエーテルを用いる必要がないことから、合成時の安全性を高めることができ、また、様々な構造を有するスルホニルフルオリド化合物(化合物1、化合物1a、化合物V、化合物1b等)が比較的安価に製造される。さらに、本発明の方法は連続プロセスとなりうることに加えて、化合物3aを液相中でフッ素と反応させる場合に用いる溶媒2として、反応生成物である化合物4aを再利用できるために、合成の際の原料使用量や廃棄物量を低減することができ、含フッ素スルホニルフルオリド化合物を非常に経済的に合成できる。
以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、これらによって本発明は限定されない。なお、以下においてガスクロマトグラフィをGCと、ガスクロマトグラフィ質量分析をGC−MSと記す。また、GCのピーク面積比より求まる純度をGC純度、収率をGC収率と記し、NMRスペクトルのピーク面積比より求まる収率をNMR収率と記す。また、テトラメチルシランをTMS、CClFCClFをR−113と、テトラヒドロフランをTHFと記す。また、NMRスペクトルデータは、みかけの化学シフト範囲として示した。13C−NMRにおける基準物質CDClの基準値は、76.9ppmとした。19F−NMRによる定量ではCを内部標準に用いた。
[例1]FSOCHCHOCHCHOHの製造
丸底フラスコに、HO(CHOH(140.9g)とナトリウムメチラートのメタノール溶液(28重量%、96.4g)を仕込み撹拌し、減圧しながら加熱してメタノールを留去しHOCHCHONaの溶液を得た。反応液にメタノールが残存していないことをGCで確認した。4つ口フラスコにFSOCHCHCl(50g)とTHF(100mL)を仕込み、氷浴下で撹拌して、先に得たHOCHCHONaの溶液を、内温を10℃以下に保ちながら2.5時間かけて滴下した。滴下終了後、室温で2時間撹拌し、水(400mL)に加え、ジクロロメタン(183g)を加えた。
得られた粗液を分液し、得られた水層をジクロロメタン(124g)で抽出した。分液した水層からさらにジクロロメタン(126g)で抽出し、有機層を併せた。硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、溶媒を留去して粗生成物(47.1g)を得た。得られた粗液は精製を行わずに次工程で使用した。
H‐NMR(300.4MHz,CDCl,TMS)δ(ppm):3.63〜3.71(m,4H)、3.74〜3.79(m,2H)、3.99〜4.05(m,2H)。
19F‐NMR(282.7MHz,CDCl3,CFCl3)δ(ppm):58.4(1F)。
[例2]FSOCHCHOCHCHOCOCF(CF)OCFCFCFの製造(エステル化工程)
例1で得た純度64%のFSOCHCHOCHCHOH(47.1g)とトリエチルアミン(19.5g)をフラスコに入れ、氷浴下で撹拌した。FCOCF(CF)OCFCFCF(64.1g)を内温を10℃以下に保ちながら40分かけて滴下した。滴下終了後、室温にして2時間撹拌し、氷水(100mL)に加えた。
得られた粗液を分液し、下層を水(100mL)で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過し、粗液を得た。粗液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:ジクロロペンタフルオロプロパン(商品名:AK−225))で精製してFSOCHCHOCHCHOCOCF(CF)OCFCFCF(21.2g)を得た。GC純度は88%であった。
H−NMR (300.4MHz, CDCl, TMS)δ(ppm): 3.57〜3.63(m,2H)、3.81(t,J=4.5Hz,2H)、3.95〜4.00(m,2H)、4.48〜4.60(m,2H)。
19F−NMR (282.7MHz, CDCl, CFCl)δ(ppm): 58.2(1F)、−79.8(1F)、−81.3(3F)、−82.1(3F)、−86.6(1F)、−129.4(2F)、−131.5(1F)。
[例3]FSOCFCFOCFCFOCOCF(CF)OCFCFCFの製造(フッ素化工程)
500mLのニッケル製オートクレーブに、R−113(313g)を加えて撹拌し、25℃に保った。オートクレーブガス出口には、20℃に保持した冷却器、NaFペレット充填層、および−10℃に保持した冷却器を直列に設置した。なお、−10℃に保持した冷却器からは凝集した液をオートクレーブに戻すための液体返送ラインを設置した。窒素ガスを1.0時間吹き込んだ後、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガス(以下、希釈フッ素ガスと記す。)を、流速7.78L/hで1時間吹き込んだ。つぎに、希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例2で得たFSOCHCHOCHCHOCOCF(CF)OCFCFCF(7.01g)をR−113(140g)に溶解した溶液を5.5時間かけて注入した。
つぎに、希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、なおかつ反応器圧力を0.15MPaに保ちながら、ベンゼン濃度が0.01g/mLのR−113溶液を25℃から40℃にまで昇温しながら注入(6mL)し、オートクレーブのベンゼン注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。つぎに反応器圧力を0.15MPaに、反応器内温度を40℃に保ちながら、上記のベンゼン溶液(6mL)を注入し、0.3時間撹拌を続けた。さらに、同様の操作を3回くり返した。ベンゼンの注入総量は0.31g、R−113の注入総量は30mLであった。さらに、窒素ガスを1.0時間吹き込んだ。目的物を19F−NMRで定量(内部標準:C)したところ、標記化合物の収率は84%であった。
19F−NMR(376.0MHz,CDCl,CFCl)δ(ppm):45.2(1F),−79.9(1F),−82.0(3F),−82.2(3F),−82.6(2F),−87.0(1F),−88.5(2F),−92.3(2F),−112.9(2F),−130.2(2F),−132.1(1F)。
[例4]FSOCFCFOCFCOFの製造(分解工程)
例3で得たFSOCFCFOCFCFOCOCF(CF)OCFCFCF(3.1g)をNaF粉末(0.02g)と共にフラスコに仕込み、激しく撹拌を行いながらオイルバス中で140℃で10時間加熱した。フラスコ上部には20℃に温度調節した還流器を設置した。冷却後液状サンプル(3.0g)を回収した。GC−MSにより分析した結果、CFCF(OCFCFCF)COF および FSOCFCFOCFCOFが主生成物として確認され、NMR収率は71.2%であった。また、FCOCF(CF)OCFCFCFを収率74.0%で得た。
[例5]FCOCF(CF)OCFCFCFの再利用(連続プロセス)
例4で得たFCOCF(CF)OCFCFCFを、上記エステル化工程同様の条件でFSOCHCHOCHCHOHと反応させて、FSOCHCHOCHCHOCOCF(CF)OCFCFCFを得た。得られたFSOCHCHOCHCHOCOCF(CF)OCFCFCFを、上記フッ素化工程と同様の条件でフッ素化を行い、FSOCFCFOCFCFOCOCF(CF)OCFCFCFを得た。得られたFSOCFCFOCFCFOCOCF(CF)OCFCFCFを上記分解工程と同様の条件で分解して、FSOCFCFOCFCOFおよびFCOCF(CF)OCFCFCFを得た。

Claims (5)

  1. 下式(3’)で表される化合物を液相中でフッ素と反応させて下式(4)で表される化合物とし、さらに、該式(4)で表される化合物を分解して下式(5a)で表される化合物を得ることを特徴とする含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法。
    FSO−E−R (3’)
    FSOAF−E−RBF (4)
    FSOAF−COF (5a)
    [式中、RがRAFと同数の炭素原子とRAFに対応する炭素骨格構造を有する、2価飽和炭化水素基、部分ハロゲノ2価飽和炭化水素基、ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素基、または部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素)基であり、
    がRBFと同一のペルフルオロ1価飽和炭化水素基、ペルフルオロ(部分ハロゲノ1価飽和炭化水素)基、ペルフルオロ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)基、またはペルフルオロ[部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)]基であり、
    AFがペルフルオロ2価飽和炭化水素基、ペルフルオロ(部分ハロゲノ2価飽和炭化水素)基、ペルフルオロ(ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素)基、またはペルフルオロ[部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有2価飽和炭化水素)]基であり、
    BFがペルフルオロ1価飽和炭化水素基、ペルフルオロ(部分ハロゲノ1価飽和炭化水素)基、ペルフルオロ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)基、またはペルフルオロ[部分ハロゲノ(ヘテロ原子含有1価飽和炭化水素)]基であり、
    Eが−CHOCO−または−COOCH−であり、
    が−CFOCO−または−COOCF−である。]
  2. 式(3’)で表される化合物のフッ素含量が30質量%以上である請求項1に記載の含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法。
  3. 式(3’)で表される化合物の分子量が200〜1000である請求項1または2に記載の含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法。
  4. 式(3’)で表される化合物が下式(3a’)で表される化合物であり、式(4)で表される化合物が下式(4a)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法。
    FSO−CHOCO−R (3a’)
    FSOAF−CFOCO−RBF (4a)
    [式中、R、R、RAF、RBFは、前記と同じ意味を示す。]
  5. 下式(3a’)で表される化合物または下式(4a)で表される化合物。
    FSO−CHOCO−R (3a’)
    FSOAF−CFOCO−RBF (4a)
    [式中、R、R、RAF、RBFは、前記と同じ意味を示す。]
JP2007085174A 2000-11-28 2007-03-28 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法 Expired - Fee Related JP4905214B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007085174A JP4905214B2 (ja) 2000-11-28 2007-03-28 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000361450 2000-11-28
JP2000361450 2000-11-28
JP2007085174A JP4905214B2 (ja) 2000-11-28 2007-03-28 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002546508A Division JP4019940B2 (ja) 2000-11-28 2001-11-28 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007169303A true JP2007169303A (ja) 2007-07-05
JP4905214B2 JP4905214B2 (ja) 2012-03-28

Family

ID=18832884

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002546508A Expired - Fee Related JP4019940B2 (ja) 2000-11-28 2001-11-28 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法
JP2007085174A Expired - Fee Related JP4905214B2 (ja) 2000-11-28 2007-03-28 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002546508A Expired - Fee Related JP4019940B2 (ja) 2000-11-28 2001-11-28 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法

Country Status (8)

Country Link
US (5) US6790982B2 (ja)
EP (1) EP1346980B1 (ja)
JP (2) JP4019940B2 (ja)
CN (1) CN1212314C (ja)
AT (1) ATE509907T1 (ja)
AU (1) AU2002218492A1 (ja)
RU (1) RU2278854C2 (ja)
WO (1) WO2002044138A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010095470A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Asahi Glass Co Ltd フルオロスルホニル基を有する含フッ素化合物の製造方法

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2001236108A1 (en) 2000-06-02 2001-12-17 Asahi Glass Company, Limited Process for preparing unsaturated compounds by pyrolysis
EP1300386B1 (en) 2000-07-11 2007-09-19 Asahi Glass Company, Limited Method for producing fluorine-containing compound
ATE413374T1 (de) 2000-07-28 2008-11-15 Asahi Glass Co Ltd Verfahren zur herstellung von fluorierten acyl fluoriden und fluorierten vinylethern
WO2002018314A1 (fr) 2000-08-30 2002-03-07 Asahi Glass Company, Limited Procede de preparation de cetones fluorees
JP4934940B2 (ja) 2000-09-27 2012-05-23 旭硝子株式会社 含フッ素エステル化合物の製造方法
JP4019940B2 (ja) 2000-11-28 2007-12-12 旭硝子株式会社 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法
JP2006143589A (ja) * 2003-04-24 2006-06-08 Asahi Glass Co Ltd 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法
WO2005003062A2 (ja) 2003-07-02 2005-01-13 Asahi Glass Co Ltd 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法
ATE482929T1 (de) * 2003-07-04 2010-10-15 Asahi Glass Co Ltd Verfahren zur herstellung fluorierter sulfonylfluoride
JP4967297B2 (ja) * 2004-10-26 2012-07-04 旭硝子株式会社 新規エステル及びその製造方法
CN111398481A (zh) * 2020-04-22 2020-07-10 上海汽车集团股份有限公司 一种全氟磺酰氟烯醚的分析测试方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5210221A (en) * 1975-07-15 1977-01-26 Teijin Ltd Process for preparation of perfluoroalkylethers containing fluorosulfo nyl group
JPS57164991A (en) * 1981-04-02 1982-10-09 Asahi Chem Ind Co Ltd Production of (omega-fluorosulfonyl)haloaliphatic carboxylic acid fluoride
JPS6377835A (ja) * 1986-09-12 1988-04-08 ミネソタ マイニング アンド マニユフアクチユアリング カンパニー フルオロ脂肪族エーテル含有カルボニルフルオリド組成物の製造方法
WO2000056694A1 (fr) * 1999-03-23 2000-09-28 Asahi Glass Company, Limited Procede de production d'un compose de fluor au moyen d'une fluoration en phase liquide

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3900372A (en) * 1974-09-16 1975-08-19 Phillips Petroleum Co Recycle of acyl fluoride and electrochemical fluorination of esters
JPS606339B2 (ja) * 1979-04-28 1985-02-18 ダイキン工業株式会社 フツ素化方法
US4868318A (en) * 1985-02-01 1989-09-19 The Green Cross Corporation Perfluoro chemicals and polyfluorinated compounds
US5093432A (en) * 1988-09-28 1992-03-03 Exfluor Research Corporation Liquid phase fluorination
US5322904A (en) * 1988-09-28 1994-06-21 Exfluor Research Corporation Liquid-phase fluorination
WO1990006296A1 (en) 1988-12-02 1990-06-14 Minnesota Mining And Manufacturing Company Direct fluorination process for making perfluorinated organic substances
US4996369A (en) * 1989-01-29 1991-02-26 Monsanto Company Novel perfluorinated polyethers and process for their preparation
US5488142A (en) * 1993-10-04 1996-01-30 Minnesota Mining And Manufacturing Company Fluorination in tubular reactor system
US5466877A (en) * 1994-03-15 1995-11-14 Minnesota Mining And Manufacturing Company Process for converting perfluorinated esters to perfluorinated acyl fluorides and/or ketones
JP3311611B2 (ja) 1996-10-11 2002-08-05 三洋電機株式会社 リチウム二次電池
JP2000007593A (ja) 1998-06-24 2000-01-11 Asahi Glass Co Ltd ペルフルオロ(n−ペンタン)の製造方法
US6255536B1 (en) 1999-12-22 2001-07-03 Dyneon Llc Fluorine containing vinyl ethers
JP4961656B2 (ja) 2000-07-31 2012-06-27 旭硝子株式会社 ペルフルオロアシルフルオリド類の製造方法
JP4019940B2 (ja) 2000-11-28 2007-12-12 旭硝子株式会社 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法
DE60224554T2 (de) 2001-10-30 2009-01-08 Asahi Glass Co., Ltd. Fluorsulfonylverbindungen und verfahren zur herstellung von davon abgeleiteten verbindungen
JP2006335699A (ja) 2005-06-03 2006-12-14 Asahi Kasei Corp モノマー中間体の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5210221A (en) * 1975-07-15 1977-01-26 Teijin Ltd Process for preparation of perfluoroalkylethers containing fluorosulfo nyl group
JPS57164991A (en) * 1981-04-02 1982-10-09 Asahi Chem Ind Co Ltd Production of (omega-fluorosulfonyl)haloaliphatic carboxylic acid fluoride
JPS6377835A (ja) * 1986-09-12 1988-04-08 ミネソタ マイニング アンド マニユフアクチユアリング カンパニー フルオロ脂肪族エーテル含有カルボニルフルオリド組成物の製造方法
WO2000056694A1 (fr) * 1999-03-23 2000-09-28 Asahi Glass Company, Limited Procede de production d'un compose de fluor au moyen d'une fluoration en phase liquide

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010095470A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Asahi Glass Co Ltd フルオロスルホニル基を有する含フッ素化合物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US7105697B2 (en) 2006-09-12
EP1346980A4 (en) 2005-06-01
USRE41806E1 (en) 2010-10-05
EP1346980A1 (en) 2003-09-24
US20030212297A1 (en) 2003-11-13
JP4019940B2 (ja) 2007-12-12
US20040181091A1 (en) 2004-09-16
JP4905214B2 (ja) 2012-03-28
WO2002044138A1 (fr) 2002-06-06
USRE41184E1 (en) 2010-03-30
USRE41357E1 (en) 2010-05-25
EP1346980B1 (en) 2011-05-18
CN1212314C (zh) 2005-07-27
JPWO2002044138A1 (ja) 2004-04-02
RU2278854C2 (ru) 2006-06-27
US6790982B2 (en) 2004-09-14
ATE509907T1 (de) 2011-06-15
AU2002218492A1 (en) 2002-06-11
CN1478073A (zh) 2004-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4905214B2 (ja) 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法
KR100768026B1 (ko) 불소함유 에스테르 화합물의 제조방법
JP4934939B2 (ja) 含フッ素ケトンの製造方法
US7501540B2 (en) Process for producing perfluorodiacyl fluorinated compounds
JP4285000B2 (ja) 含フッ素エステル、含フッ素アシルフルオリドおよび含フッ素ビニルエーテルの製造方法
WO2002004397A1 (fr) Procede de preparation d'un compose renfermant du fluor
WO2015029839A1 (ja) 含フッ素化合物の製造方法
KR100758163B1 (ko) 불소 함유 아실플루오라이드의 제조방법 및 불소 함유비닐에테르의 제조방법
JP2001139509A (ja) 熱分解反応による不飽和化合物の製造方法
RU2268876C2 (ru) Способ получения фторированного поливалентного карбонильного соединения
JP4126542B2 (ja) 含フッ素エステル化合物の分解反応生成物の製造方法
JP4956856B2 (ja) フルオリド化合物の製造方法
JPWO2002026682A1 (ja) 含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法
JP2005002014A (ja) ペルフルオロ環状ラクトン誘導体の製造方法およびペルフルオロ環状ラクトンを含む混合物
JP2006143589A (ja) 含フッ素スルホニルフルオリド化合物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111213

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111226

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150120

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees