JP2007149511A - 燃料電池システム及びその起動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池を好適に起動可能な燃料電池システム及びその起動方法を提供する。
【解決手段】反応ガスの反応により発電する燃料電池2と、燃料電池2の出力を検出する電流計44及び電圧計45と、燃料電池2の出力に基づいて燃料電池2が不安定発電状態であるか否か判定するIV判定部52と、燃料電池2を、通常運転条件又は不安定発電状態から安定発電状態に回復させる回復運転条件で運転する制御部51と、安定発電状態に回復したか否かを判定する回復判定部53と、を備え、燃料電池2の発電開始後、IV判定部52が不安定発電状態であると判定した場合、制御部51が回復運転条件で運転し、その後、回復判定部53が燃料電池2の安定発電状態に回復したと判定したとき、制御部51が通常運転条件に切り替える燃料電池システム1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システム及びその起動方法に関する。
近年、水素がアノードに、酸素がカソードに、それぞれ供給されることで、電気化学反応が生じ発電する固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC、以下「燃料電池」)の開発が盛んである。燃料電池は、その発電電力によって走行する燃料電池自動車や、家庭用電源など広範囲で適用されつつあり、今後もその適用範囲の拡大が期待されている。
このような燃料電池について、その起動時に出力特性(出力電流−出力電圧特性、以下「IV特性」とする)を高め、燃料電池を高い出力(電力)で発電させ、発電による自己発熱によって燃料電池を暖機する技術が提案されている。特に、停止中に、その内部の水が凍結する氷点下を経験した場合、水の凍結によって、水素/酸素が流れる燃料電池内の流路が閉塞している可能性があるため、起動時に、氷点下経験用マップに基づいて、水素/酸素を増量かつ増圧して燃料電池に供給することで、燃料電池の出力特性を高め、燃料電池を速やかに暖機する技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−44795号公報(段落番号0027〜0055、図4)
しかしながら、特許文献1に記載の燃料電池システムでは、例えば、起動後の出力特性が良好であり、出力の立ち上がりが早い新しい燃料電池に対しても、その停止中に氷点下を経験した場合、次回起動時に氷点下経験用のマップに基づいて反応ガスを増量かつ増圧して供給するため、反応ガスが無駄に消費されてしまう場合があった。
一方、総発電時間が長く劣化が進んだ燃料電池に対して、停止中に氷点下を経験していなくても、次回起動時に、氷点下未経験用マップ(通常用マップ)に基づいて、反応ガスを通常に供給するため、燃料電池の出力特性が低くなり、その結果として、燃料電池が高出力で発電できない場合があった。
そこで、本発明は、燃料電池を好適に起動可能な燃料電池システム及びその起動方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明は、反応ガスの反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池の出力を検出する出力検出手段と、前記出力検出手段が検出する前記燃料電池の出力に基づいて、前記燃料電池が不安定発電状態であるか否か判定する発電状態判定手段と、前記燃料電池を、通常運転条件又は前記不安定発電状態から安定(通常)発電状態に回復(向上)させる回復(向上)運転条件で運転する制御手段と、を備え、前記燃料電池の発電開始後、前記発電状態判定手段が不安定発電状態であると判定した場合、前記制御手段が回復運転条件で運転することを特徴とする燃料電池システムである。
ここで、燃料電池は、例えば、その暖機が未完了であったり、総発電時間が長く劣化が進むと、後記する図2に示すように、燃料電池のIV特性(出力特性)である「出力電流−出力電圧曲線(以下、IV曲線)」が低くなる傾向を有している。そして、このようにIV曲線が低くなると、燃料電池は高い出力(出力電流、出力電圧)で発電しにくい状態にあり、このような状態を本明細書では「不安定発電状態」とする。
一方、燃料電池の暖機が完了していたり、総発電時間が短い(燃料電池が新しい)と、図2において、IV曲線(IV特性)が高くなる傾向を有している。そして、このようにIV曲線が高くなると、燃料電池は高い出力でも発電できる状態にあり、このような状態を本明細書では「安定発電状態」とする。
また、「通常運転条件」とは、燃料電池の暖機が完了している等により、IV曲線が高く、安定発電状態にある燃料電池の運転条件である。
一方、「回復運転条件」とは、燃料電池の暖機が完了していない等によりIV曲線が低く、不安定発電状態にある燃料電池を、高い出力でも発電可能な安定発電状態への回復を図る運転条件を意味する。なお、後記する実施形態では、回復運転条件として、カソードに供給する空気流量及び圧力を高める場合を例示する。
このような燃料電池システムによれば、燃料電池の発電開始後、発電状態判定手段によって燃料電池が不安定発電状態であると判定された場合、制御手段が燃料電池を回復運転条件で運転する。これにより、燃料電池が不安定発電状態から安定発電状態に回復し、つまり、燃料電池のIV曲線が高くなり、燃料電池の発電安定性が高くなる。そして、燃料電池は高い出力でも発電可能となり、燃料電池システムは高出力でも起動可能となる。
また、その停止中に氷点下を経験したか否かに関わらず、発電開始後の燃料電池の実際の出力に基づいて、燃料電池が不安定発電状態であるか否かを判定するため、例えば、燃料電池が新しく、停止中に氷点下を経験しているものの、その後の起動時において、燃料電池が不安定発電状態でないと判定される場合、回復運転条件で運転されることはない。これにより、不必要に反応ガスが供給されたり、また、反応ガスが消費されることもないため、反応ガスを送るための無駄なエネルギ(例えばコンプレッサを作動させる電気エネルギ)や、反応ガス自体(例えば水素)の消費を抑えることができる。
さらに、その停止中に氷点下を経験していないものの、その後の起動時において、燃料電池が不安定発電状態であると判定される場合、回復運転条件で運転することにより、燃料電池が安定発電状態となり、その結果として、燃料電池のIV曲線が高められる。そして、このようにIV曲線が高くなれば、燃料電池を高い出力で発電させることも可能となる。
請求項2に係る発明は、前記回復運転条件での運転中に、前記燃料電池が安定発電状態に回復したか否かを判定する回復判定手段を、さらに備え、前記回復判定手段が安定発電状態に回復したと判定した場合、前記制御手段が通常運転条件に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、回復運転条件で運転中に、回復判定手段がIV曲線が高くなり、燃料電池の発電状態が安定発電状態に回復したと判定した場合、制御手段が前記通常運転条件に切り替える。これにより、反応ガスを無駄に供給したり、また、反応ガスが不必要に消費されることがない。
請求項3に係る発明は、反応ガスの反応により発電する燃料電池を備える燃料電池システムの起動方法であって、前記燃料電池の発電開始後、前記燃料電池の出力に基づいて、前記燃料電池が不安定発電状態であると判定される場合、前記燃料電池を、前記不安定発電状態から安定発電状態に回復させる回復運転条件で運転することを特徴とする燃料電池システムの起動方法である。
このような燃料電池システムの起動方法によれば、発電開始後の燃料電池の実際の出力に基づいて、燃料電池が不安定発電状態であるか否かを判定するため、不必要な反応ガスの供給や、反応ガスの消費を抑えつつ、燃料電池を好適に起動することができる。
本発明によれば、燃料電池を好適に起動可能な燃料電池システム及びその起動方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照して説明する。
≪燃料電池システムの構成≫
図1に示す本実施形態に係る燃料電池システム1は、燃料電池自動車に搭載されている。燃料電池システム1は、燃料電池2の出力端子(図示しない)に接続された走行モータ41を備えている。そして、燃料電池自動車は、燃料電池2の発電電力で駆動する走行モータ41によって、走行するようになっている。
燃料電池システム1は、燃料電池2と、燃料電池2に対して水素(燃料ガス、反応ガス)を供給及び排出するアノード系10と、燃料電池2に対して酸素を含む空気(酸化剤ガス、反応ガス)を供給及び排出するカソード系20と、燃料電池2を適宜に冷却する冷却系30と、燃料電池2の発電電力を消費する電力消費系40と、これらを電子制御するECU50(Electronic Control Unit、電子制御装置)と、を主に備えている。
<燃料電池>
燃料電池2(燃料電池スタック)は、単セルが複数積層されることによって構成された固体高分子型燃料電池である。単セルは、電解質膜3(固体高分子膜)の両面をアノード4(燃料極)及びカソード5(空気極)で挟んでなるMEAと、MEAを挟む一対のセパレータと、を備えて構成されている。各セパレータには、各単セルを構成するMEAの全面に水素又は酸素を供給するための溝や、全単セルに水素、酸素を導くための貫通孔等が形成されており、これら溝等がアノード流路4a、カソード流路5aとして機能している。すなわち、アノード流路4aには水素が流通し、各アノード4に水素が供給されるようになっている。一方、カソード流路5aには酸素を含む空気が流通し、各カソード5に空気が供給されるようになっている。
そして、アノード4に水素が、カソード5に酸素を含む空気が、それぞれ供給されると、アノード4、カソード5に含まれる触媒(Pt等)上で電気化学反応が起こり、その結果、各単セルで電位差(後記するOCV)が発生するようになっている。そして、このように各単セルで電位差が発生した燃料電池2に対して、走行モータ41等の外部負荷から発電要求があり、後記するVCU42が制御されると、燃料電池2が前記発電要求に応じて発電するようになっている。
<アノード系>
アノード系10は、水素が貯蔵された水素タンク11と、遮断弁12(遮断手段)と、エゼクタ13と、パージ弁14(排出手段)と、を主に備えている。
水素タンク11は配管11aを介して遮断弁12に接続されており、遮断弁12は配管12aを介してエゼクタ13に接続されている。エゼクタ13は、配管13aを介してアノード流路4aに接続されている。配管12aには、減圧弁(図示しない)が設けられている。そして、ECU50の制御部51によって、遮断弁12が開かれると、水素が前記減圧弁で減圧された後、アノード流路4aに供給されるようになっている。
次に、アノード流路4aの下流側は、配管14a、パージ弁14が順に接続されている。また、配管14aは、その途中で二股に分岐しており、分岐した部分(循環手段)はエゼクタ13と接続されている。これにより、パージ弁14が閉じられると、アノード流路4aから排出された未反応の水素を含むアノードオフガスが、エゼクタ13に戻され、その結果として、水素が循環するようになっている。一方、パージ弁14が開かれると、アノードオフガスが外部に排出されるようになっている。
なお、パージ弁14は、循環する水素に同伴する水等の不純物を排出するために開かれ、例えば、定期的に、または、燃料電池2(スタック)を構成する単セルの出力電圧(セル電圧)が低下したときに行われる。
<カソード系>
カソード系20は、コンプレッサ21(スーパーチャージャ、酸化剤ガス供給手段)と、背圧弁22と、温度センサ23と、を主に備えている。
コンプレッサ21は、外気を取り込んで圧縮し、酸化剤ガスとして燃料電池2のカソード5に向けて送る機器である。そして、コンプレッサ21は、配管21aを介して、カソード流路5aに接続されている。また、コンプレッサ21は、制御部51と接続されており、適宜に制御されるようになっている。
さらに、配管21aには、加湿器(図示しない)が設けられており、カソード5に送られる空気が適宜に加湿されるようになっている。
カソード流路5aの下流側は、配管22aを介して外部に開放されており、カソード5から排出された未反応の酸素及び生成水を含むカソードオフガスが、配管22aを通って外部に排出されるようになっている。背圧弁22は、配管22aに設けられており、その背圧、つまり、カソード流路5a内の圧力が適宜に調整されるようになっている。
温度センサ23は、燃料電池2と背圧弁22との間の配管22aに設けられており、配管22a内を流通するカソードオフガスの温度を、燃料電池2の実際の温度又は燃料電池システム1のシステム温度として、検出するようになっている。
<冷却系>
冷却系30は、発電により発熱する燃料電池2が、過剰に昇温しないように適宜に冷却する系であり、ラジエータ31(放熱器)と、ポンプ32とを主に備えている。そして、エチレングリコールなどを主成分とするラジエータ液(冷媒)が、ポンプ32の作動によって、ラジエータ31と燃料電池2との間で循環するように、適所に配管が設けられている。
<電力消費系>
電力消費系40は、燃料電池2の出力端子(図示しない)に接続されており、燃料電池2で発生した電力を消費する系である。電力消費系40は、走行モータ41(外部負荷)と、VCU42(Voltage Control Unit)と、キャパシタ43(蓄電装置)と、電流計44(出力検出手段)と、電圧計45(出力検出手段)とを主に備えている。この他、コンプレッサ21のモータも、電力消費系40に含まれる。
走行モータ41は、燃料電池自動車を走行させるモータであり、VCU42を介して燃料電池2の出力端子に接続されている。VCU42は、燃料電池2の出力電流や出力電圧を制御することで、燃料電池2の発電を制御する電流電圧制御器である。言い換えると、VCU42は、電流を適宜に取り出すことによって燃料電池2を発電させる機器であり、例えば、コンタクタ(リレー)、DC−DCコンバータ等を備えている。そして、VCU42は制御部51と接続されており、制御部51は出力電流及び出力電圧を適宜に制御するようになっている。すなわち、例えば、制御部51が出力電流を0にすれば、燃料電池2が発電しない設定となっている。
キャパシタ43(電気二重層コンデンサ)は、VCU42と走行モータ41との間で、走行モータ41と並列に接続されており、蓄えた電力を走行モータ41に供給して燃料電池2を補助したり、燃料電池2の余剰電力を蓄えるようになっている。なお、キャパシタ43に代えて、バッテリであってもよい。
電流計44は、燃料電池2とVCU42との間で、燃料電池2(スタック全体)の出力電流を検出可能なように適所に設けられている。そして、電流計44は、ECU50のIV判定部52及び回復判定部53とそれぞれ接続されており、IV判定部52及び回復判定部53は燃料電池2の実際の出力電流を監視するようになっている。
電圧計45は、燃料電池2とVCU42との間で、燃料電池2(スタック全体)の出力電圧を検出可能なように適所に設けられている。そして、電圧計45は、ECU50のIV判定部52及び回復判定部53とそれぞれ接続されており、IV判定部52及び回復判定部53は燃料電池2の実際の出力電圧を監視するようになっている。
この他に、電流計44および電圧計45を、燃料電池2を構成する単セル毎に設けてもよい。
<ECU>
ECU50は、燃料電池システム1を電子制御する装置である。このようなECU50は、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成され、制御部51(制御手段)と、IV判定部52(発電状態判定手段)と、回復判定部53(回復判定手段)と、IV特性記憶部54(IV特性記憶手段)と、を主に備えている。
[制御部]
制御部51は、カソード系20のコンプレッサ21と電気的に接続されており、コンプレッサ21の作動(回転速度等)を適宜に制御するようになっている。制御部51には、安定発電状態の燃料電池2を通常に運転する「通常運転条件」と、不安定発電状態の燃料電池2を安定発電状態への回復を図る「回復運転条件」と、が設定されている。そして、制御部51は、これら運転条件を適宜に切り替えるようになっている。
ここで、本実施形態に係る通常運転条件とは、コンプレッサ21を通常の回転速度(例えば、起動時における回転速度として予め設定されている所定の回転速度)で通常に作動させて、燃料電池2に通常流量かつ通常圧力で空気(通常用反応ガス)を供給し、燃料電池2を通常に発電させる運転条件である。
これに対し、回復運転条件とは、コンプレッサ21を前記通常の回転速度より高い回転速度で作動させて、不安定発電状態の燃料電池2に前記通常流量より多い流量、かつ、前記通常圧力より高い圧力で、空気(回復用反応ガス)を供給し、燃料電池2のIV曲線(IV特性)を高め、燃料電池2を安定発電状態への回復を図る運転条件である。
その他、制御部51は、アノード系10の遮断弁12と、電力消費系40のVCU42と接続されており、これらを適宜に制御するようになっている。
[IV判定部]
IV判定部52は、燃料電池システム1の起動時において、発電開始後、燃料電池2のIV特性と、所定IV特性(所定値)とを比較して、燃料電池2が不安定発電状態であるか否かを判定し、判定結果を制御部51に送る機能を備えている。
具体的には、IV判定部52は、燃料電池2の実際の出力電流及び出力電圧に基づいて推定されたIV特性である「推定IV曲線(例えば、図2に示す推定IV曲線C1、C2参照)」と、IV特性記憶部54に記憶された所定IV特性である「基準IV曲線C0(図2参照)」とを比較して、燃料電池2のIV特性が良好であるか否を判定する。なお、IV判定部52は、後記するように、燃料電池2の実際の出力電流及び出力電圧をサンプリングし、サンプリングした出力電流及び出力電圧と、複数のIV曲線とに基づいて、推定IV曲線(IV特性)を推定するようになっている。
その他、IV判定部52は、燃料電池システム1の起動直後、OCV(Open Circuit Voltage:開回路電圧)が所定OCV以上であるか否かを判定し、判定結果を制御部51に送るようになっている。
[回復判定部]
回復判定部53は、回復運転条件で発電する燃料電池2のIV特性(出力特性)が所定IV特性(所定値)以上となり、安定発電状態に回復したか否かを判定し、判定結果を制御部51に送る機能を備えている。
具体的には、回復判定部53は、IV判定部52と同様に、燃料電池2の実際の出力電流及び出力電圧に基づいて推定されたIV特性である「推定IV曲線(例えば、図2に示す推定IV曲線C1、C2参照)」と、IV特性記憶部54に記憶された所定IV特性である「基準IV曲線C0(図2参照)」とを比較して、燃料電池2の出力電流及び出力電圧が回復したか否かを判定する。
[IV特性記憶部]
IV特性記憶部54には、図2に示すように、予め複数のIV曲線(発電特性)が記憶されている。
ここで、燃料電池2は、前記したように、例えば、その暖機が不十分であったり、総運転時間が短いと、そのIV特性(出力特性)が下がる傾向、つまり、図2においてIV曲線が下がる傾向を有している。逆に、暖機が十分等であると、そのIV特性(出力特性)が高くなる、つまり、IV曲線が上がる傾向を有している。
そして、燃料電池2は、このような暖機の程度等に応じて、あるIV曲線上の出力電流及び出力電圧で発電するIV特性(出力特性)を有している。そこで、このような燃料電池2のIV特性を考慮した上で、各種予備試験、シミュレーション等を行うことで、複数のIV曲線が求められる。したがって、発電する燃料電池2の出力電流、出力電圧を検出すれば、現在どのようなIV曲線上で燃料電池2が発電しているかが推定され、これに基づいて、燃料電池2が高い出力でも発電できる安定発電状態であるか、又は、高い出力で発電しにくい不安定発電状態であるかが、推定されるようになっている。
また、IV特性記憶部54には、回復運転条件に切り替えるか否か、また、回復運転条件から通常運転条件に切り替えるか否かについて、判定基準となる基準IV曲線C0が記憶されている。なお、この基準IV曲線C0は、予備実験等により事前に求められる。
≪燃料電池システムの動作≫
次に、燃料電池システム1の起動時の動作と共に、本実施形態に係る燃料電池システム1の起動方法について、図1及び図2に加えて、図3に示すフローチャートを参照して説明する。本実施形態に係る燃料電池システム1の起動方法は、燃料電池2の出力に基づいて、燃料電池2が不安定発電状態であると判定される場合、燃料電池2を、不安定発電状態から安定発電状態に回復させる回復運転条件で運転することを特徴とする。
<燃料電池システムの起動時>
燃料電池自動車(燃料電池システム)の起動スイッチであるIG(イグニッション)がONされると、図3に示すフローチャートがスタートする。
ステップS101において、前記IGのON信号を検知した制御部51は、遮断弁12を開いて、アノード流路4aに水素を供給する。これに並行して、制御部51は、バッテリ等を電源として、コンプレッサ21を作動させて、カソード流路5aに酸素を含む空気を供給する。
<OCVチェック>
ステップS102において、IV判定部52は、実際のOCVが、その内部に記憶された所定OCV以上であるか否かに基づいて、アノード流路4aが水素で置換されているか否かを判定する。そして、実際のOCVが所定OCV以上である場合(S102・Yes)、水素置換されたと推定して、ステップS103に進む。一方、実際のOCVが所定OCV以上でない場合(S102・No)、ステップS101に戻る。
<発電開始>
ステップS103において、制御部51は、VCU42を制御して、燃料電池2から適宜な電流(例えば10A)を取り出し、燃料電池2の発電を開始させる。
<IV判定>
ステップS104において、IV判定部52は、燃料電池2のIV特性が所定IV特性(所定値)未満であるか否かに基づいて、燃料電池2が不安定発電状態であるか否かを判定する。具体的には、IV判定部52は、電流計44と電圧計45を介して、燃料電池2の実際の出力電流と出力電圧を、少なくとも1点(本実施形態では複数点、図2に示すP1、P2参照)サンプリングし、このサンプリングした出力電流及び出力電圧に基づいて、現在発電する燃料電池2の推定IV曲線(IV特性)を推定する(例えば、図2に示す推定IV曲線C1、C2)。
そして、推定IV曲線と、基準IV曲線C0とを比較し、推定IV曲線(IV特性)が基準IV曲線C0(所定IV特性、所定値)未満である場合(S104・Yes)、燃料電池2が不安定発電状態であると判定して、IV判定部52は制御部51に回復運転条件を指示し、ステップS106に進む。
ここで、推定IV曲線が基準IV曲線C0未満である場合とは、例えば、ある出力電流値において、推定IV曲線上の出力電圧値が、基準IV曲線C0上の出力電圧値よりも小さい場合を意味する。
一方、推定IV曲線が基準IV曲線C0未満でない場合、つまり、基準IV曲線C0以上である場合(S104・No)、燃料電池2が不安定発電状態でない(つまり、安定発電状態である)と判定し、IV判定部52は制御部51に通常運転条件を指示し、ステップS105に進む。
<通常運転条件>
ステップS105において、制御部51は、コンプレッサ21を通常運転条件で作動し、通常流量かつ通常圧力で空気(通常用反応ガス)を供給する。これにより、燃料電池2は通常に発電する。そして、エンドに進み、燃料電池システム1の起動時の制御を終了する。
<回復運転条件>
ステップS106において、制御部51は、コンプレッサ21を回復運転条件で作動し、多流量かつ高圧力で空気(回復用反応ガス)を供給する。そうすると、燃料電池2には、多量かつ高圧の酸素(反応ガス)が供給されることになり、その結果として、IV曲線(IV特性)が高くなって、燃料電池2の発電安定性は通常運転条件と同等又はこれよりも高くなって、高い出力でも発電可能な状態、つまり、安定発電状態への移行が図られる。このとき、燃料電池2を構成するMEAの表面に水が付着していれば、この水は、このように供給される空気によって、吹き飛ばされ、燃料電池2から排出される。
そして、このように燃料電池2の安定発電状態への移行が図られる状況で、例えば、運転者によってアクセルが踏み込まれ、発電要求が高まった場合、この発電要求に対応してVCU42が制御されて、燃料電池2が高い出力で発電する。次いで、このように燃料電池2が高い出力で発電すると、自己発熱による燃料電池2の暖機が進む。
<回復判定>
ステップS107において、回復判定部53は、燃料電池2の実際のIV特性が所定IV特性(所定値)以上であるか否かに基づいて、燃料電池2が安定発電状態に回復したか否かを判定する。具体的には、回復判定部53は、IV判定部52によるIV判定と同様に、出力電流及び出力電圧をサンプリングし(例えば、図2に示すP1、P2の部分)、現在発電する燃料電池2のIV曲線を推定する(例えば、図2に示す推定IV曲線C1、C2)。
そして、推定IV曲線と、基準IV曲線C0とを比較し、推定IV曲線(IV特性)が基準IV曲線C0(所定IV特性、所定値)以上である場合(S107・Yes)、安定発電状態に回復したと判定して、回復判定部53は、制御部51に通常運転条件を指示し、ステップS105に進む。なお、この場合は、燃料電池2の暖機が完了し、空気を多量かつ高圧で供給する回復運転条件から、通常運転条件に切り替えても、燃料電池2が安定発電状態を維持できる場合である。
この後に進むステップS105では、制御部51は、回復運転条件から通常運転条件に切り替えてコンプレッサ21を作動させる。
一方、推定IV曲線が基準IV曲線C0以上でない場合(S107・No)、つまり、基準IV曲線C0未満である場合、安定発電状態に移行しておらず、高い出力で発電できない不安定発電状態のままであると判定して、ステップS106に戻る。
このように本実施形態に係る燃料電池システム1によれば、その起動時において、燃料電池2の実際の出力電流及び出力電圧に基づいてIV曲線を推定し、このIV曲線に基づいて、燃料電池2の発電状態を把握して、回復運転条件を実施するか否かを判定するため、例えば、燃料電池が2が新しいため、停止中に氷点下を経験しているものの、その後の起動時のIV曲線(出力特性)が高く、不安定発電状態でない場合に、回復運転条件で運転することはない。
これにより、不必要に回復用反応ガスが供給されたり、また、反応ガスが消費されることもない。よって、例えば、コンプレッサ21を作動させるための電気エネルギや、水素の消費を抑えることができる。また、このようにコンプレッサ21の不必要に回転速度を高くしないため、コンプレッサ21の作動音を抑えることもできる。
一方、燃料電池システム1の停止中に、燃料電池2が氷点下を経験していないものの、その後の起動時のIV曲線が低く、不安定発電状態である場合、回復運転条件に切り替えることにより、IV曲線(出力特性)が高い安定発電状態に移行することができる。そして、この安定発電状態において、燃料電池2が高い出力で発電されれば、自己発熱によって燃料電池2が速やかに暖機される。
以上、本発明の好適な一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば以下のような変更をすることができる。
前記した実施形態では、回復運転条件に移行するか否かを判定するステップS104と、回復運転条件から通常運転条件に移行するか否かを判定するステップS107では、判定基準として、図2に示す基準IV曲線C0を共有するとしたが、これに限定されず、例えば、ステップS104の判定では、基準IV曲線C0より低いIV曲線を基準として判定してもよい。
前記した実施形態では、ステップS107に示すように、燃料電池2の現在のIV曲線が所定値(基準IV曲線)以上であるか否かに基づいて、回復運転条件から通常運転条件に移行するか否かを判定するとしたが、これに限定されず、例えば、カソード系20の温度センサ23が検出するカソードオフガスの温度(燃料電池2の温度、システム温度)が所定温度以上となった場合に、そのIV曲線(出力特性)が所定値以上となったと推定して、通常運転条件に切り替える構成としてもよい。
このように温度に基づいて判定し、回復運転条件から通常運転条件に移行する構成とする場合、温度センサ23(温度検出手段)の位置はこれに限定されず、その他に例えば、燃料電池2の筺体に取り付けられた温度センサや、アノード系10の配管14aに設けられアノードオフガス温度を検出する温度センサや、冷却系30に設けられ燃料電池2から排出された排出ラジエータ液の温度を検出する温度センサであってもよい。また、誤判定を防止するために、このような温度センサを複数使用してもよい。
前記した実施形態では、燃料電池2のIV曲線を高めて、安定発電状態に回復させる回復運転条件とは、コンプレッサ21を通常の回転速度より高い回転速度で作動させて、燃料電池2に、通常流量より多い流量かつ前記通常圧力より高い圧力で空気(回復用反応ガス)を供給する条件としたが、その他に例えば、以下のようにしてもよい。
(1)アノード系10における遮断弁12とエゼクタ13との間の減圧弁(図示しない)をその二次(下流)側圧力が高まるように制御し、燃料電池2のアノード4に高圧の水素が供給されるように設定してもよい。(2)アノード系10のパージ弁14を開く間隔を短くし、アノード4に供給される水素の濃度が高くなるように設定してもよい。(3)カソード系20の背圧弁22をその背圧が高まるように制御し、燃料電池2のカソードに高圧の空気が供給されるように設定してもよい。(4)燃料電池2(スタック)を構成する単セルを保護するためのセル電圧保護閾値を高めるように設定してもよい。また、これらを複合的に制御する設定としてもよい。
前記した実施形態では、燃料電池自動車に搭載された燃料電池システム1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、例えば家庭用の据え置き型の燃料電池システムなどに本発明を適用してもよい。
本実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 図1に示すIV特性記憶部に記憶された燃料電池のIV曲線である。 本実施形態に係る燃料電池システムの起動時の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池システム
2 燃料電池
3 電解質膜
11 水素タンク
12 遮断弁
13 エゼクタ
21 コンプレッサ
44 電流計(出力検出手段)
45 電圧計(出力検出手段)
50 ECU
51 制御部(制御手段)
52 IV判定部(発電状態判定手段)
53 回復判定部(回復判定手段)
54 IV特性記憶部

Claims (3)

  1. 反応ガスの反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池の出力を検出する出力検出手段と、
    前記出力検出手段が検出する前記燃料電池の出力に基づいて、前記燃料電池が不安定発電状態であるか否か判定する発電状態判定手段と、
    前記燃料電池を、通常運転条件又は前記不安定発電状態から安定発電状態に回復させる回復運転条件で運転する制御手段と、
    を備え、
    前記燃料電池の発電開始後、前記発電状態判定手段が不安定発電状態であると判定した場合、前記制御手段が回復運転条件で運転することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記回復運転条件での運転中に、前記燃料電池が安定発電状態に回復したか否かを判定する回復判定手段を、さらに備え、
    前記回復判定手段が安定発電状態に回復したと判定した場合、前記制御手段が通常運転条件に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 反応ガスの反応により発電する燃料電池を備える燃料電池システムの起動方法であって、
    前記燃料電池の発電開始後、前記燃料電池の出力に基づいて、前記燃料電池が不安定発電状態であると判定される場合、
    前記燃料電池を、前記不安定発電状態から安定発電状態に回復させる回復運転条件で運転することを特徴とする燃料電池システムの起動方法。
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